| 【発明の名称】 |
2値画像の階調補正処理方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】金 東憲
|
| 【要約】 |
【課題】網点画像とFMスクリーン画像を含む、高画質な2値画像の階調補正処理が可能な2値画像の階調補正処理方法等を提供する。
【構成】2値画像の輪郭(境界)点画素を検出し、検出された輪郭(境界)点画素に基づいて、閉領域を囲む輪郭(境界)線を取得し、取得した輪郭(境界)線から濃度測定領域を取得し、取得した濃度測定領域内の黒画素の比率から測定濃度を取得し、取得した測定濃度と、前記濃度測定領域内の輪郭(境界)点画素数から、前記取得した輪郭(境界)線上の輪郭(境界)点画素のランダマイズ補正と、輪郭(境界)線が囲む小閉領域の特性に基づいて画像濃淡情報の特性に合わせた最適な濃度測定領域を設定することで、高い精度の測定濃度を得て、最適な濃度測定領域を設定してトーンジャンプによるモワレ問題と、エッジボケ問題を解決することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 2値画像の輪郭点画素を検出し、 該検出された輪郭点画素に基づいて、閉領域を囲む輪郭線を取得し、 該取得した輪郭線から濃度測定領域を取得し、 該取得した濃度測定領域内の黒画素の比率から測定濃度を取得し、 該取得した測定濃度と、前記濃度測定領域内の輪郭点画素数から、前記取得した輪郭線上の輪郭点画素のランダマイズ補正の強さを求めることを特徴とする2値画像の階調補正処理方法。 【請求項2】 2値画像の境界点画素を検出し、 該検出された境界点画素に基づいて、閉領域を囲む境界線を取得し、 該取得した境界線から濃度測定領域を取得し、 該取得した濃度測定領域内の黒画素の比率から測定濃度を取得し、 該取得した測定濃度と、前記濃度測定領域内の境界点画素数から、前記取得した境界線上の境界点画素のランダマイズ補正の強さを求めることを特徴とする2値画像の階調補正処理方法。 【請求項3】 前記取得した輪郭線又は/及び境界線に囲まれた閉領域の中心位置を、前記ランダマイズ補正の開始点とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の2値画像の階調補正処理方法。 【請求項4】 2値画像の輪郭点画素を検出するステップと、 該検出された輪郭点画素に基づいて、閉領域を囲む輪郭線を取得するステップと、 該取得した輪郭線から濃度測定領域を取得するステップと、 該取得した濃度測定領域内の黒画素の比率から測定濃度を取得するステップと、 該取得した測定濃度と、前記濃度測定領域内の輪郭点画素数から、前記取得した輪郭線上の輪郭点画素のランダマイズ補正の強さを求めるステップとを備えることを特徴とする2値画像の階調補正処理プログラム。 【請求項5】 2値画像の境界点画素を検出するステップと、 該検出された境界点画素に基づいて、閉領域を囲む境界線を取得するステップと、 該取得した境界線から濃度測定領域を取得するステップと、 該取得した濃度測定領域内の黒画素の比率から測定濃度を取得するステップと、 該取得した測定濃度と、前記濃度測定領域内の境界点画素数から、前記取得した境界線上の境界点画素のランダマイズ補正の強さを求めるステップとを備えることを特徴とする2値画像の階調補正処理プログラム。 【請求項6】 前記取得した輪郭線又は/及び境界線に囲まれた閉領域の中心位置を、前記ランダマイズ補正の開始点とするステップを備えることを特徴とする請求項4又は5に記載の2値画像の階調補正処理プログラム。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、2値画像の階調補正処理方法に関し、特に、新聞紙面等を印刷するにあたって、2値画像について入力階調補正カーブに合わせて画像の階調情報の補正処理を行う方法に関する。 【背景技術】 【0002】 従来、写真等の画像データを読み取った後、種々の処理を施して文書に添付するなどの編集が広く行われ、このような処理を行うための画像処理装置には、機能の多彩性と、操作性の向上が求められている。 【0003】 そこで、例えば、特許文献1には、入力2値画像を光学的な読み取り処理により多値画像に変換し、変換された多値画像に対して階調補正を行った後、多値画像を2値化処理して2値画像に戻す階調補正技術が提案されている。 【0004】 また、特許文献2には、入力2値画像を所定のブロック単位に分割し、分割されたブロック毎にオン画素数から入力階調値(多値化)を求め、求めた入力階調値に対して階調補正処理を行う階調補正方法等が提案されている。この方法では、ブロック単位で求めた入力階調値に対応したランダムな補正ドットパターンを該ブロックのオン画素配置パターンに追加又は削減することにより2値画像データの補正を行う。ここで、ランダムな補正ドットパターンは、例えば、誤差拡散法で生成する。 【0005】 【特許文献1】特開平05−7302号公報 【特許文献2】特開2006−72173号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 しかし、特許文献1に記載の技術では、2値画像を多値画像に変換し、変換された多値画像を対象画像にして階調補正処理を行い、階調補正処理後の多値画像を2値画像に戻すため、階調補正処理後の2値画像では、元の2値画像の網点等、濃淡情報を表現する小閉領域情報を失い、元の2値画像情報を忠実に再現することはできないという問題がある。 【0007】 また、特許文献2に記載の技術では、入力2値画像を所定ブロック単位に分割し、ブロック毎に入力階調値(濃度値)を求めるが、濃度測定領域が固定されているため、様々な2値画像情報に対して、測定濃度の平均化処理に際し、トーンジャンプによるモワレやエッジボケが発生する可能性がある。 【0008】 尚、上記トーンジャンプとは、入力画像上の連続した網点濃度に対して、一定領域内で濃度を平均化するため、領域の境界で階調の連続性がなくなってしまうことであり、隣接する領域間の測定濃度の差が大きい(隣接している領域の濃度の差分が目で認識できる程度)場合には、モアレ問題となる。 【0009】 また、エッジボケとは、入力画像に異なる濃度領域の境目が測定領域内に複数存在する場合に、濃度測定処理によって測定領域の濃度を平均化するため、異なる濃度領域の入力画像の境面(エッジ部分)が濃度の平均化により、ぼやけてしまうことをいう。 【0010】 さらに、特許文献2に記載の方法では、誤差拡散法等によって発生したランダムな補正ドットパターンよりブロック内のオン画素(例えば黒画素)として配置する。このランダムな補正ドットパターンによる処理は、元画像の網点等の情報(例えば、網点の形状等)を破壊するおそれがあるという問題があった。 【0011】 そこで、本発明は、上記従来の技術における問題点に鑑みてなされたものであって、高画質な2値画像(網点画像とFMスクリーン画像を含む)の階調補正処理方法を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0012】 上記目的を達成するため、本発明は、2値画像の階調補正処理方法であって、2値画像の輪郭点画素を検出し、該検出された輪郭点画素に基づいて、閉領域を囲む輪郭線を取得し、該取得した輪郭線から濃度測定領域を取得し、該取得した濃度測定領域内の黒画素の比率から測定濃度を取得し、該取得した測定濃度と、前記濃度測定領域内の輪郭点画素数から、前記取得した輪郭線上の輪郭点画素のランダマイズ補正の強さを求めることを特徴とする。 【0013】 そして、本発明によれば、2値画像の濃度情報を表現する最小単位である輪郭線が囲む小閉領域の特性に基づいて画像濃淡情報の特性に合わせた最適な濃度測定領域を設定することにより、高い精度の測定濃度を得ることができる。また、最適な濃度測定領域を設定することにより、トーンジャンプによるモワレ問題と、エッジボケ問題を解決することもできる。 【0014】 また、検出された輪郭点画素に基づいて、閉領域を囲む輪郭線を追跡することにより、従来追跡できなかった50%近傍網点やFMスクリーン等の輪郭線が交わっている閉領域の検出も可能になる。また、取得した測定濃度と、前記濃度測定領域内の輪郭点画素数から、前記取得した輪郭線上の輪郭点画素のランダマイズ補正の強さを求めることにより、全閉領域の輪郭線に対して均等なランダマイズ処理が可能となる。 【0015】 さらに、本発明は、2値画像の階調補正処理方法であって、2値画像の境界点画素を検出し、該検出された境界点画素に基づいて、閉領域を囲む境界線を取得し、該取得した境界線から濃度測定領域を取得し、該取得した濃度測定領域内の黒画素の比率から測定濃度を取得し、該取得した測定濃度と、前記濃度測定領域内の境界点画素数から、前記取得した境界線上の境界点画素のランダマイズ補正の強さを求めることを特徴とする。 【0016】 本発明によれば、2値画像の濃度情報を表現する最小単位である境界線が囲む小閉領域の特性に基づいて画像濃淡情報の特性に合わせた最適な濃度測定領域を設定することにより、高い精度の測定濃度を得ることができ、最適な濃度測定領域を設定することで、トーンジャンプによるモワレ問題と、エッジボケ問題を解決することもできる。 【0017】 また、検出された境界点画素に基づいて、閉領域を囲む境界線を追跡することにより、従来追跡できなかった50%近傍網点やFMスクリーン等の境界線が交わっている閉領域の検出も可能になる。また、取得した測定濃度と、前記濃度測定領域内の境界点画素数から、前記取得した境界線上の境界点画素のランダマイズ補正の強さを求めることにより、全閉領域の境界線に対して均等なランダマイズ処理が可能となる。 【0018】 前記2値画像の階調補正処理方法において、前記取得した輪郭線又は/及び境界線に囲まれた閉領域の中心位置を、前記ランダマイズ補正の開始点とすることができる。これにより、同じ形状の閉領域であっても、閉領域の中心座標は異なるため、対応する無限長線の線部分位置も異なり、各閉域間にランダマイズ処理にばらつきを与えることとなり、モアレを解消し、ランダマイズ補正処理の丸め誤差を、画像全体に分散させることにより解消することができる。 【0019】 また、本発明は、2値画像の階調補正処理プログラムであって、2値画像の輪郭点画素を検出するステップと、該検出された輪郭点画素に基づいて、閉領域を囲む輪郭線を取得するステップと、該取得した輪郭線から濃度測定領域を取得するステップと、該取得した濃度測定領域内の黒画素の比率から測定濃度を取得するステップと、該取得した測定濃度と、前記濃度測定領域内の輪郭点画素数から、前記取得した輪郭線上の輪郭点画素のランダマイズ補正の強さを求めるステップとを備えることを特徴とする。 【0020】 この2値画像の階調補正処理プログラムを用いることにより、上述のように、高い精度の測定濃度を得ることができ、トーンジャンプによるモワレ問題と、エッジボケ問題を解決することもできる。また、従来追跡できなかった50%近傍網点やFMスクリーン等の輪郭線が交わっている閉領域の検出も可能になり、全閉領域の輪郭線に対して均等なランダマイズ処理も可能となる。 【0021】 さらに、本発明は、2値画像の階調補正処理プログラムであって、2値画像の境界点画素を検出するステップと、該検出された境界点画素に基づいて、閉領域を囲む境界線を取得するステップと、該取得した境界線から濃度測定領域を取得するステップと、該取得した濃度測定領域内の黒画素の比率から測定濃度を取得するステップと、該取得した測定濃度と、前記濃度測定領域内の境界点画素数から、前記取得した境界線上の境界点画素のランダマイズ補正の強さを求めるステップとを備えることを特徴とする。 【0022】 この2値画像の階調補正処理プログラムを用いることにより、上述のように、高い精度の測定濃度を得て、トーンジャンプによるモワレ問題と、エッジボケ問題を解決することもでき、従来追跡できなかった50%近傍網点やFMスクリーン等の輪郭線が交わっている閉領域の検出も可能で、全閉領域の輪郭線に対して均等なランダマイズ処理も可能となる。 【0023】 前記2値画像の階調補正処理プログラムにおいて、前記取得した輪郭線又は/及び境界線に囲まれた閉領域の中心位置を、前記ランダマイズ補正の開始点とするステップを備えることができる。これにより、各閉域間にランダマイズ処理にばらつきを与え、モアレを解消し、ランダマイズ補正処理の丸め誤差を、画像全体に分散させることにより解消することができる。 【発明の効果】 【0024】 以上のように、本発明にかかる2値画像の階調補正処理方法又は補正処理プログラムによれば、網点画像とFMスクリーン画像を含む、高画質な2値画像の階調補正処理が可能となる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0025】 次に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。 【0026】 まず、本発明にかかる2値画像の階調補正処理方法の全体の処理の流れについて、図1を参照しながら説明する。 【0027】 ステップS1において、輪郭点検出を行うか境界点検出を行うかを判断する。入力画像に対して輪郭点画素を検出した場合には、輪郭点画像を取得する(ステップS11)。検出された輪郭点画像に対して追跡条件付き輪郭線追跡処理を行う(ステップS12)。次に、追跡できた輪郭線を用いて濃度測定処理1を行う(ステップS13)。濃度測定処理1から得た測定濃度、測定領域、測定領域内の輪郭点画素数と入力階調補正カーブを用いて、ステップS12で追跡できた輪郭点画素のランダマイズ確率取得処理を行う(ステップS14)。取得された輪郭点ランダマイズ確率に基づいてステップS12で追跡できた輪郭線に対して輪郭点確率付きランダマイズ補正処理を行う(ステップS15)。 【0028】 一方、入力画像に対して境界点画素を検出した場合には、境界点画像を取得する(ステップS21)。検出された境界点画像に対して追跡条件付き境界線追跡処理を行う(ステップS22)。追跡できた境界線を用いて濃度測定処理2を行う(ステップS23)。濃度測定処理2から得た測定濃度、測定領域、測定領域内の境界点画素数と階調補正カーブを用いて、ステップS22で追跡できた境界点画素のランダマイズ確率取得処理を行う(ステップS24)。取得された境界点ランダマイズ確率に基づいてステップS22で追跡できた境界線に対して境界点確率付きランダマイズ補正処理を行う(ステップS25)。 【0029】 次に、本発明にかかる2値画像の階調補正処理方法の全体の動作について、図面を参照しながら説明する。 【0030】 図1のステップS1において輪郭点検出を行うか境界点検出を行うかを判断する。注目画素が黒であれば輪郭点検出処理、白であれば境界点検出処理を行うと判断し、各々の処理ステップへと遷移する。 【0031】 次に、ステップS11の輪郭点検出処理について、図2を参照しながら説明する。図2(a)に示すように、黒画素である注目画素を中心とする3x3画素の範囲を参照し、その8近傍画素中に1つでも白画素があれば、この注目画素は輪郭点画素と判断し、ステップS12の追跡条件付き輪郭線追跡処理に遷移する。一方、輪郭点画素を検出できなかった場合には、ステップS11に戻り、次の注目画素の判断を行う。 【0032】 次に、図1のステップS12の追跡条件付き輪郭線追跡処理について、図3を参照しながら説明する。 【0033】 まず、追跡条件である追跡領域の設定方法について説明する。最初に、検出された輪郭点画素を追跡開始点とし、追跡開始点を中心としたWxWの追跡領域を設定する。濃淡情報を持つ2値画像中に存在可能な最小閉領域単位は網点であり、2値画像の一般的な網点のスクリーン線数は50線/1インチ〜300線/1インチであることから、実際に2値画像に使用される網点の最大サイズは、スクリーン線数が50線/1インチの網点となる。この最大サイズ網点のスクリーンサイズを、解像度情報に合わせて画素数Sに変換する。例えば、1200dpiの2値画像の最大サイズ網点の主走査方向の長さは、S=1200/50=24画素となる。また、輪郭点は、網点領域の外側にあるので、追跡領域のWの画素数は、W=2xSに設定する。このため、設定された追跡領域は、追跡開始点を中心にした最大サイズ網点の4倍の大きさとなる。先の1200dpiの例では、S=24画素であるため、追跡領域のサイズは、48x48画素になる。尚、FMスクリーンの閉領域は、通常の網点領域より小さいため、追跡領域サイズの設定には影響しない。 【0034】 また、次の追跡条件である最大追跡周囲長画素は、追跡できる最大閉領域のサイズを、最大サイズ網点に設定したことから、最大追跡周囲長画素Lは、最大サイズ網点の周囲長となるL=4xS画素数となる。 【0035】 以上の追跡条件の下で、輪郭線追跡処理は、一般的に知られた輪郭線追跡処理アルゴリズムで行う。この輪郭線追跡処理と同時に、追跡できた輪郭線上の輪郭点画素の追跡番号Nと追跡した輪郭点の主走査座標xと副走査座標yとを記録しておく。追跡した輪郭点画素と追跡開始点画素とが一致した場合、追跡した輪郭点画素が追跡領域を超えた場合、及び追跡した輪郭点の追跡番号が最大追跡周囲長画素数より大きくなった場合は、輪郭線追跡処理を終了し、次のステップS13の濃度測定処理1に遷移する。ここで、追跡した輪郭点画素が追跡領域を超えた場合、及び追跡した輪郭点の追跡番号が最大追跡周囲長画素数より大きくなった場合に追跡を終了する処理が、50%近傍網点やFMスクリーン等の輪郭線が交わっている場合の部分閉領域の検出となる。 【0036】 次に、図1のステップS13の濃度測定処理1について、図4を参照しながら説明する。 【0037】 まず、濃度測定領域は以下のように設定する。ステップS12の追跡条件付き輪郭線追跡処理で記録した、追跡された各輪郭点の主走査座標xと副走査座標yから、追跡できた輪郭線領域の端点画素座標情報として、図4における最左点の主走査座標xmin、最右点の主走査座標xmax、最上点副走査座標yminと最下点の副走査座標ymaxを求めることができる。次に、求めた輪郭線領域の端点の座標情報から、拡張した濃度測定領域を求める。前述したように、最大サイズの網点のスクリーンサイズをS画素xS画素とした場合、濃度測定領域は、図4に示すように、左上端点画素座標(xmin−S,ymin−S)、右上端点画素座標(xmax+S,ymin−S)、左下端点画素座標(xmin−S,ymax+S)、及び右下端点画素座標(xmax+S,ymax+S)に囲まれた領域として定義する。ここで求められた濃度測定領域内の黒画素数が領域内全体画素に占める比率を測定濃度として求める。測定濃度を求めた後、次のステップS14のランダマイズ確率取得処理に遷移する。 【0038】 尚、この濃度測定領域は、最少でも9個の網点(網点のスクリーン線数50線/1インチの場合)に入っており、網点のスクリーン線数が増えるほど、濃度測定領域内の網点の数が増える。また、この濃度測定領域のサイズは、追跡処理の輪郭線領域の大きさに依存し、輪郭線追跡処理が検出した輪郭線に囲まれた小閉領域を利用するため、網点等のスクリーン線数等の特性に自動的に合わせることができる。このため、前述のトーンジャンプによるモアレの問題を抑えることができる。また、濃度測定領域を、追跡された画像中の最小閉領域単位で行うことから、2つの隣接した濃度領域のエッジ部分の濃度平均化により発生するエッジボケ問題も抑制することが可能である。 【0039】 また、前記したステップS12の追跡条件付き輪郭線追跡処理では、追跡条件により追跡できた輪郭線が、閉領域に囲まれない場合もある。例えば、追跡領域を超えた輪郭線の場合や、周囲長が設定された最大追跡周囲長画素より長い輪郭線の場合である。この閉領域に囲まれない輪郭線にも、閉領域を囲む輪郭線と同様に、追跡処理を終了した時点までに記録された座標情報を基準に濃度測定領域を求め、濃度の測定処理を行う。 【0040】 次に、図1のステップS14の輪郭点ランダマイズ確率取得処理について説明する。 【0041】 ステップS13の濃度測定処理で求めた測定濃度Rinを、入力階調補正カーブ(図示省略)に代入して、測定濃度Rinに対応する目標濃度Routを取得する。取得された目標濃度Routが、測定濃度Rinより大きい場合には、ランダマイズ確率kを0にして、次のステップS15の確率付きランダマイズ処理を行う。また、取得された目標濃度Routが、測定濃度Rinより小さい場合には、測定領域内の黒画素数を減少する処理となり、次に示す輪郭点ランダマイズ確率取得処理を行ってから、次のステップS15の確率付きランダマイズ処理に遷移する。 【0042】 輪郭点ランダマイズ確率は、測定領域内で減少すべき黒画素数をBN、測定領域全体画素数をPNとすると、 BN=(Rin−Rout)xPN ・・・(式1) であるから、輪郭点画素のランダマイズ確率kは、測定領域内の輪郭点画素数をNNとすると、 k=BN/NN ・・・(式2) で求められる。 【0043】 次に、ステップS15の輪郭点確率付きランダマイズ処理について説明する。まず、確率発生関数について図5を参照しながら説明する。 【0044】 ランダマイズ処理によって発生する画像のざらつき問題を防止するため、ランダマイズ処理で用いる確率値は、均一分布となることが望ましい。このため、本発明では、均一分布となる確率値を発生させる確率発生関数処理を提供する。 【0045】 まず、図5に示すような、画素座標iが0〜L−1で表される全体画素数がL個の集合(線)に確率σで均一分布となる確率関数を求めると、確率σを用いて全体L画素数の中にサンプリングされるサンプル画素数Nは、N=Lxσ(整数に整合)で表される。従って、全体L画素数の中で、非サンプル画素数Mは、 M=L−N(整数に整合)となる。 【0046】 また、サンプリング確率がσであるから、非サンプル画素の分布確率は、(1−σ)となる。図5の非サンプル画素の集合座標m(0〜M−1)から、対応する全体画素数Lの中の座標iを求めると、 i=mx(L/M)(小数点以下切り捨て)となる。逆に、全体画素数L中の座標iに対応している非サンプル画素の座標m(0〜M−1)は、 m=i/(L/M)=ix(M/L)(小数点以下切り捨て) で求ることができる。ここで、1−σ=M/Lであることから、非サンプル画素座標mは、 m=ix(1−σ) ・・・(式3) となる。 【0047】 式3を用いて全体画素数Lの中から対応する非サンプル画素数Mのすべての画素座標を求めることができる。この結果、全体画素数Lの中で残った非サンプル画素に対応していない画素数(L−M=N)が、確率σで分布するサンプル画素である。 【0048】 本発明では、式3で用いた画素座標iが対応している非サンプル画素座標mが、次の画素座標i+1で求められた非サンプル画素座標m’と同じである場合には、その画素座標iが、サンプル画素の分布座標となる。 【0049】 例えば、図5は、確率が0.375で、全体画素が48個の直線に対して均一分布となる値を求める場合の例を示し、サンプル画素数は、48x0.375=18個の画素となるため、非サンプル画素数は48−18=30個になる。非サンプル画素の分布確率は、1−0.375=0.625である。0.375の確率により全体48画素に分布するサンプル画素の座標を求める場合には、全体48画素の座標に対応する確率0.625で分布している非サンプル画素の座標があるか否かを判断する。非サンプル画素の座標がない場合には、サンプル画素の分布座標である。全体が48画素の座標iは、0〜47の値を取り、これに対応する非サンプル画素座標mは、m=i×(1−0.375)(小数点以下を切捨て)により求められる。ここで求められたmが、次の座標i+1に対応している非サンプル画素座標m’=(i+1)×(1−0.375)(小数点以下切り捨て)と一致しているか否かを判断し、mとm’が等しい場合には、座標iとi+1の画素が対応する非サンプル画素座標が同じであるから、サンプル画素分布座標である。mとm’が異なる場合は、座標iの画素に対応している非サンプル画素が存在する非サンプル画素の分布座標である。 【0050】 以上のことから、48個の画素中で、式3を用いて求められる0.375の確率で均一に分布するサンプル画素座標は、 0,2,5,8,10,13,16,18,21,24,26,29,32,34,37,40,42,45 になる。 【0051】 上記の式3による確率発生関数から求める均一分布となるサンプル画素の分布座標は、画素の座標と確率により求めるので、全体画素数Lとは無相関となることから、前述したステップS12で追跡された輪郭線は、画素数が無限個の線(無限長線と定義する)の一部分と見なすことも可能となる。このため、無限長線に対して確率σで均一分布するサンプル画素の分布座標を求めることができる。これにより、サンプル画素の分布座標は、均等なランダマイズ補正処理を行うランダマイズ確率分布とすることができる。これを利用し、複数の追跡開始点により追跡された複数の輪郭線は、無限長線での存在位置を異なるものとすることによって、輪郭線のランダマイズ補正を行う確率分布にばらつきを与えることが可能となる。複数の追跡された輪郭線に対してランダマイズ補正処理の確率分布を分散させることから、輪郭線上の輪郭点画素が少ない場合に発生するランダマイズ補正処理の丸め誤差をなくすことができる。 【0052】 図6は、確率が0.375、長さが48画素の直線のサンプル分布座標を例にして、均一分布となる確率発生関数と、この確率発生関数を用いて閉領域輪郭線に対して均等なランダマイズ補正処理を行うことを示す。同図は、輪郭線周囲長が12画素の網点が1個存在する閉領域を4つ合わせたもので、これらの輪郭線の総画素数は、周囲画素長12画素の網点が4個であるから48画素となる。このため、各閉領域の輪郭線を48画素の直線で示したランダマイズ補正処理のためのサンプル分布座標の一部分として充てることができる。このため、各閉領域の輪郭線の輪郭線開始点を48画素のサンプル分布座標の異なる座標に対応させてランダマイズ補正を行うようにすると、この48画素線の均等ランダマイズ処理が、各閉領域の輪郭線に対しては、ばらつきを与えたランダマイズ処理になる。このようにして、本発明が提供する均一分布の確率発生関数を用いた均等なランダマイズ処理は、全閉領域の輪郭線に対しては均等なランダマイズ処理が可能となる上、各閉領域間では、ランダマイズ処理にばらつきを与えることとなり、モアレを解消し、ランダマイズ補正処理の丸め誤差をなくすことができる。 【0053】 また、本発明では、追跡できた輪郭線の補正開始点は、無限長線上での位置を追跡できた輪郭線が囲む閉領域の中心座標とする。同じ形状の閉領域であっても、閉領域の中心座標は異なるので、対応する無限長線の線部分位置も異なることになる。 【0054】 次に、より具体的な確率発生関数処理について説明する。確率発生関数の元となる種値Seedの初期値は、その輪郭線領域の中心座標値として定義する。この種値Seedの初期値により均等ランダマイズ処理する輪郭線が前述の無限長線上での開始点位置を決定する。 【0055】 輪郭線領域の中心座標値は、前述したステップS13の濃度測定処理で追跡できた輪郭線領域の端点画素座標情報を用いて設定する。従って、以下の式4で種値Seedの初期値を設定する。 【0056】 追跡できた輪郭線領域の端点が最左点の主走査座標xmin、最右点の主走査座標xmax、最上点の副走査座標ymin、最下点の副走査座標ymaxであることから、 Seedの初期値=(xmin+xmax+ymin+ymax)/2 (整数に整合) ・・・(式4) 【0057】 この種値Seedは、確率発生関数を処理する度にSeed値に値1を加算して使用する。上記のステップS14で、求められた輪郭点ランダマイズ確率値k(0〜1.0)を以下の式5に代入して確率発生関数の発生値Qを求める。ここで演算中間値I、I’は整数である。 I=Seedx(1−k) (小数点以下を切り捨て整数にする) I’=(Seed+1)x(1−k) (小数点以下を切り捨て整数にする) ・・・(式5) ここで、IとI’が等しい場合には、確率値kに対して、確率発生関数の発生値Q=1とし、IとI’が異なった場合は、確率値kに対して、確率発生関数の発生値Q=0とする。発生値Q=0の場合には、輪郭点ランダマイズ補正処理はせず、発生値Q=1の場合は、輪郭点ランダマイズ補正処理を行うようにする。 【0058】 実際の処理としては、前記したステップS12の追跡条件付き輪郭線追跡処理で記録した輪郭点を追跡番号の順番に輪郭点ランダマイズ確率を確率発生関数に代入し、発生値Qを求める。発生値Q=0の場合は、処理せず、発生値Q=1の場合は、黒画素である輪郭点画素を白画素に変換する。この確率付きランダマイズ処理を、記録された輪郭点の終了まで続ける。 【0059】 次に、ステップS21の境界点検出処理について、図2を参照しながら説明する。図2(b)に示すように、白画素である注目画素を中心とする3x3画素の範囲を参照し、その8近傍画素中に1つでも黒画素があれば、この注目画素は境界点画素と判断し、ステップS22の追跡条件付き境界線追跡処理に遷移する。境界点画素を検出できなかった場合は、ステップS21に戻り、次の注目画素の判断を行う。 【0060】 次に、図1のステップS22の追跡条件付き境界線追跡処理について説明する。 【0061】 境界点画像の場合も、追跡条件である追跡領域の設定方法と最大追跡周囲長画素数の設定方法は、ステップS12の追跡条件付き輪郭線追跡処理と同様であり、検出された境界点画素を追跡開始点とし、追跡開始点を中心としたWxWの追跡領域を設定し、最大追跡周囲長画素Lは、最大サイズ網点の周囲長となるL=4xS画素数とする。 【0062】 次に、境界線追跡処理について説明する。境界線追跡処理は、一般的に知らされた境界線追跡処理アルゴリズムで行う。境界線追跡処理と同時に、追跡できた境界線上の境界点画素の追跡番号Mと各追跡した境界点の主走査座標x’と副走査座標y’とを記録しておく。追跡した境界点画素と追跡開始点画素とが一致した場合、追跡した境界点画素が追跡領域を超えた場合、及び追跡した境界点の追跡番号が最大追跡周囲長画素数より大きくなった場合には、境界線追跡処理を終了し、次のステップS23の濃度測定処理2に遷移する。ここで、追跡した境界点画素が追跡領域を超えた場合、及び追跡した境界点の追跡番号が最大追跡周囲長画素数より大きくなった場合に追跡を終了する処理が、50%近傍網点やFMスクリーン等の境界線が交わっている場合の閉領域の部分検出となる。 【0063】 次に、ステップS23の濃度測定処理2について説明する。 【0064】 濃度測定領域の設定は、ステップS13の濃度測定処理1と同様であり、ステップS22の追跡条件付き境界線追跡処理で記録した、追跡された各境界点の主走査座標x’と副走査座標y’から、追跡できた境界線領域の端点画素座標情報として、最左点の主走査座標x’min、最右点の主走査座標x’max、最上点副走査座標y’min、及び最下点の副走査座標y’maxを求めることができる。この求められた境界線領域の端点の座標情報から、拡張した濃度測定領域を求め、濃度測定領域の黒画素数が領域内全体画素に占める比率を測定濃度とし、ステップS24の境界点ランダマイズ確率取得処理に遷移する。 【0065】 次に、ステップS24の境界点ランダマイズ確率取得処理を説明する。 【0066】 ステップS23の濃度測定処理2で求めた測定濃度R’inを、入力階調補正カーブに代入して、測定濃度R’inに対応している補正処理後の目標濃度R’outを取得する。取得された目標濃度R’outが、測定濃度R’inより小さい場合は、境界点ランダマイズ確率k’を0にして、次のステップS25の境界点確率付きランダマイズ処理を行う。また、取得された目標濃度R’outが、測定濃度R’inより大きい場合は、境界点ランダマイズ確率取得処理を行う。取得された目標濃度R’outは、測定濃度R’inにより大きいので、測定領域内の黒画素数を増加する処理となる。境界点ランダマイズ確率は、測定領域内に増加すべき黒画素数をBN’、測定領域全体画素数をPNとすると、 BN=(R’in−R’out)xPN ・・・(式6) であるから、輪郭点画素のランダマイズ確率k’は、測定領域内の輪郭点画素数をNN’とすると、 k’=BN/NN ’ ・・・(式7) で求められる。 【0067】 次に、ステップS25の境界点確率付きランダマイズ処理を説明する。 【0068】 確率発生関数処理は、ステップS15の輪郭点確率付きランダマイズ処理と同様であり、確率発生関数の元となる種値Seed’の初期値は、その境界線領域の中心座標値として定義すると、前述したステップS23の濃度測定処理で追跡できた境界線領域の端点画素座標情報を用いて以下の式8によって初期値を設定する。 Seed’の初期値=(x’min+x’max+y’min+y’max)/2 (整数に整合) ・・・(式8) 【0069】 この種値Seed’も、輪郭点確率付きランダマイズと同様に確率発生関数を処理する度にSeed’値に値1を加算して使用する。上記のステップS24で、求められた境界点ランダマイズ確率値k’(0〜1.0)を以下の式9に代入して確率発生関数の発生値Q’を求める。ここで演算中間値 J、J’は整数である。 J=Seedx(1−k) (小数点以下を切り捨て整数にする) J’=(Seed+1)x(1−k) (小数点以下を切り捨て整数にする) ・・・(式9) ここで、JとJ’が等しい場合、確率値k’に対して、確率発生関数の発生値Q’=1とし、JとJ’が異なった場合は、確率値k’に対して、確率発生関数の発生値Q’=0とする。発生値Q’=0の場合は、境界点ランダマイズ補正処理はせず、発生値Q’=1の場合は、境界点ランダマイズ補正処理を行うようにする。 【0070】 実際の処理としては、前記したステップS22の追跡条件付き境界線追跡処理で記録した境界点を追跡番号の順番に境界点ランダマイズ確率を確率発生関数に代入し、発生値Q’を求める。発生値Q’=0の場合は処理せず、発生値Q’=1の場合は、白画素である境界点画素を黒画素に変換する。この確率付きランダマイズ処理を、記録された境界点の終了まで続ける。 【図面の簡単な説明】 【0071】 【図1】本発明にかかる2値画像の階調補正処理方法の全体の処理の流れを示すフローチャートである。 【図2】本発明にかかる2値画像の階調補正処理方法における輪郭点画素及び境界点画像の説明図である。 【図3】本発明にかかる2値画像の階調補正処理方法の追跡条件付き輪郭線追跡処理の説明図である。 【図4】本発明にかかる2値画像の階調補正処理方法の説明図である。 【図5】本発明にかかる2値画像の階調補正処理方法の均一分布の確率発生関数の説明図である。 【図6】本発明にかかる2値画像の階調補正処理方法の確率発生関数を用いた均等ランダマイズ処理の説明図である。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】303013763 【氏名又は名称】NECエンジニアリング株式会社
|
| 【出願日】 |
平成18年8月16日(2006.8.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100106563 【弁理士】 【氏名又は名称】中井 潤
|
| 【公開番号】 |
特開2008−48147(P2008−48147A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月28日(2008.2.28) |
| 【出願番号】 |
特願2006−221735(P2006−221735) |
|