トップ :: H 電気 :: H04 電気通信技術




【発明の名称】 データ記録再生装置
【発明者】 【氏名】森 弘史

【氏名】斉藤 龍則

【要約】 【課題】STCのクロック制御に関する情報を保存し、当該情報を用いて再生クロックを制御することで、記録時の再生クロックを復元する。

【構成】このデータ記録・再生装置は、TSパケットからPCR、オーディオ情報及びビデオ情報を分離する分離部2と、カウンタ4と、上記分離部2から転送されたPCRを受けて、当該PCRと上記カウンタのSTCとを比較し、その差分を制御信号として出力する比較部3と、上記制御信号に基いて上記カウンタ4のクロック周波数を制御すると共に、制御パラメータ及びタイミングの情報を出力するカウンタ制御部7と、上記制御パラメータ及び制御タイミングの情報を含むSTCパケットを生成し出力する記録再生処理部6と、上記TSパケット及び上記STCパケットを記録する記録部8とを具備する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランスポート・ストリーム・パケットからプログラム時刻基準参照値、オーディオ情報及びビデオ情報を分離する分離部と、
上記オーディオ情報及びビデオ情報の出力時刻を定めるカウンタと、
上記分離部から転送されたプログラム時刻基準参照値を受けて、当該プログラム時刻基準参照値と上記カウンタのシステム・タイム・クロックとを比較し、その差分を制御信号として出力する比較部と、
上記制御信号に基いて上記カウンタのクロック周波数を制御すると共に、当該制御に係る制御パラメータ及び制御タイミングの情報を出力するカウンタ制御部と、
上記制御パラメータ及び制御タイミングの情報を含むシステム・タイム・クロック・パケットを生成し出力する記録再生処理部と、
上記トランスポート・ストリーム・パケット及び上記システム・タイム・クロック・パケットを記録する記録部と、
を具備することを特徴とするデータ記録再生装置。
【請求項2】
上記システム・タイム・クロック・パケットを、上記プログラム時刻基準参照値を有するトランスポート・ストリーム・パケットの前段に記録することを更に特徴とする請求項1に記載のデータ記録再生装置。
【請求項3】
再生時においては、
上記記録再生処理部が、上記システム・タイム・クロック・パケットの上記制御パラメータを上記カウンタ制御部に転送し、上記制御タイミングを上記比較部に転送し、
上記比較部が、当該制御タイミングと上記カウンタのシステム・タイム・クロックとを比較し、その比較結果に基づいて上記カウンタ制御部に上記制御パラメータの設定タイミングを通知し、
上記カウンタ制御部が、この通知された設定タイミングに従って制御パラメータを更新し、この制御パラメータに応じて上記カウンタのクロック周波数を制御する、
ことを更に特徴とする請求項1に記載のデータ記録再生装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、データ記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばMPEG−2システムでは、符号化ストリームがトランスポート・ストリーム(TS; Transport Stream)のパケットに多重化されて伝送されている。
【0003】
このMPEG−2のTSは、TSパケットと称される188バイトの固定長のパケットを配列したものであり、ビデオ情報及びオーディオ情報を構成するビット・ストリームの種類を示す属性情報、ビット・ストリーム、及びメディア間の同期をとるためのプログラム時刻基準参照値(PCR; Program Clock Reference)と称される基準クロック情報などがTSパケットによって伝送される。このTSパケットを受信した復号側では、PCRに基づいて制御信号としてのシステム・タイム・クロック(STC; System Time Clock)を生成し、送信側の符号装置のクロックと受信側の復号装置のクロックとの間の同期をとっている。この受信側において、TSパケットを記録して再生する場合には、受信して再生する場合と同様にSTCを用いて同期を取る必要があるが、再生に必要となるTSパケットのみを抽出して記録すると、これらPCRとSTCとの関係が崩れてしまい、記録時の再生クロックを復元することができない。
【0004】
このような問題に鑑みて、例えば、特許文献1では、TSパケットの到着時刻を記録し再生タイミングを復元するデータ記録再生装置に関する技術が開示されている。
【特許文献1】特許第3592186号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のデータ記録再生装置では、TSパケットの入力タイミングを制御する必要がある為、処理遅延により復元精度が低下してしまう。
【0006】
本発明の目的とするところは、STCのクロック制御に関する情報を保存し、当該情報を用いて再生クロックを制御することで、記録時の再生クロックを復元することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一つの観点に従い、トランスポート・ストリーム・パケットからプログラム時刻基準参照値、オーディオ情報及びビデオ情報を分離する分離部と、上記オーディオ情報及びビデオ情報の出力時刻を定めるカウンタと、上記分離部から転送されたプログラム時刻基準参照値を受けて、当該プログラム時刻基準参照値と上記カウンタのシステム・タイム・クロックとを比較し、その差分を制御信号として出力する比較部と、上記制御信号に基いて上記カウンタのクロック周波数を制御すると共に、当該制御に係る制御パラメータ及び制御タイミングの情報を出力するカウンタ制御部と、上記制御パラメータ及び制御タイミングの情報を含むシステム・タイム・クロック・パケットを生成し出力する記録再生処理部と、上記トランスポート・ストリーム・パケット及び上記システム・タイム・クロック・パケットを記録する記録部と、を具備し、上記システム・タイム・クロック・パケットを、上記プログラム時刻基準参照値を有するトランスポート・ストリーム・パケットの前段に記録することを特徴とするデータ記録再生装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、STCのクロック制御に関する情報を保存し、当該情報を用いて再生クロックを制御することで、記録時の再生クロックを復元することを可能とするデータ記録再生装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の一実施の形態について説明する。
【0010】
図1には本発明の実施の形態に係るデータ記録再生装置の構成を示し説明する。
【0011】
同図に示されるように、この実施の形態に係るデータ記録再生装置は、受信したTSパケットを記録、再生するものであり、受信部1、分離部2、比較部3、カウンタ4、デコーダ5、記録再生処理部6、カウンタ制御部7、記録部8、出力部9を備えている。
【0012】
このような構成において、記録時においては、受信部1は、ネットワークを介して送信されてきたTSパケットを受信し、分離部2に転送する。分離部2は、この転送されたTSパケットからプログラム時刻基準参照値(PCR; Program Clock Reference)、オーディオ情報及びビデオ情報を分離し、オーディオ情報及びビデオ情報はデコーダ5に転送し、PCRは比較部3に転送する。また、TSパケットを記録再生処理部6に転送する。
【0013】
比較部3は、PCRとカウンタ4のSTC(System Time Clock)を比較し、その差分を制御信号としてカウンタ制御部7に転送する。カウンタ制御部7は、この制御信号(PCRとSTCの差分)に応じてカウンタ4のクロック周波数を制御すると共に、制御パラメータ及び制御タイミングの情報を記録再生処理部6に転送する。
【0014】
記録再生処理部6は、カウンタ制御部7の制御パラメータ及び制御タイミングに基づいて、STCのクロック制御に関する制御情報(制御タイミングや制御パラメータ)を含むSTCパケットを生成し、TSパケットと共に記録部8に転送する。
【0015】
こうして、記録部8は、このTSパケット及びSTCパケットを記録する。
【0016】
この記録の様子は、図2に示される通りである。
【0017】
即ち、図2上段に示されるように、ネットワークを介して入力されるTSパケットストリームは、188バイトの固定長のTSパケットが配列されており、PCRもTSパケットにより伝送される。一般には、図2中段に示されるように、記録・再生時にはバッファ制御用のTSパケットは削除されて必要なTSパケットのみが記録される。
【0018】
この実施の形態では、必要なTSパケットのみを記録すると、PCRとSTCとの関係が把握できなくなることに鑑みて、図2下段に示されるように、PCRを有するTSパケットの前段に188バイトのSTCパケットを挿入する。STCパケットは、PCRを有するTSパケットで行った制御タイミングや制御パラメータを有する。
【0019】
この制御パラメータとしては、クロックジェネレータとしての電圧制御水晶発信器(VCXO; Voltage-Controlled Crystal Oscillator)の制御電圧や、分周回路の分周比等があり、クロックジェネレータの構成により制御パラメータは異なる。
【0020】
尚、STCパケットは、前述した188バイトには限定されない。
【0021】
また、STCパケットの挿入位置についてもPCRを有するTSパケットの前段でなくてもよく、別ファイルに記録してもよい。或いは、PCRを有するTSパケットの検出位置である制御パラメータの変化点に加えて固定周期でSTCパケットを挿入してもよい。
【0022】
ここで、STCパケットの構成例は、図3に示される通りである。
【0023】
STCパケットは、STCパケットヘッダとデータ部とで構成されており、当該データ部には、STCの制御タイミングと制御パラメータとが少なくとも格納される。
【0024】
一方、再生時においては、分離部2は、記録部8からTSパケット及びSTCパケットを読み出し、分離処理を行う。この分離されたTSパケット、STCパケットは記録再生処理部6に転送される。記録再生処理部6は、STCパケットの制御パラメータをカウンタ制御部7に転送し、制御タイミングを比較部3に転送する。この読み出されるパケットの様子は、先に図2下段に示した通りである。次いで、比較部3は、転送されたSTCパケットの制御タイミングとカウンタ4のSTCとを比較し、その比較結果に基づいてカウンタ制御部7に制御パラメータの設定タイミングを通知する。
【0025】
カウンタ制御部7は、この通知を受けると、当該設定タイミングに従って制御パラメータを更新し、この制御パラメータに応じてカウンタ4のクロック周波数を制御する。これにより、記録時と同一のSTC制御タイミングで同一のSTC制御パラメータを用いたSTC制御が可能となり、記録時の再生クロックを復元することが可能となる。
【0026】
デコーダ5では、オーディオ情報及びビデオ情報を復号し、出力部9に送る。出力部9では、前述したようにして記録時の再生クロックが復元されたカウンタ4の値と出力時刻を比較し、その結果に基づいて所定のタイミングで映像或いは/及び音声を出力する。例えば符号化された映像情報が分離部2よりデコーダ5に転送された場合には、当該デコーダ5において映像情報が復号され、この復号された映像と表示時刻の情報が出力部9に転送される。そして、出力部9は、当該表示時刻とカウンタ4の時刻とを比較することで定まる所定の表示タイミングで当該映像を表示することになる。
【0027】
なお、上記出力時刻は一般的にPTS(Presentation Time Stamp)と呼ばれ、オーディオ情報およびビデオ情報の属性情報として設定されるものである。更に、上記説明では、出力部9がカウンタ4の値と出力時刻との比較を行って再生を制御するとしているが、デコーダ5がカウンタ4の値と出力時刻とを比較してデコードのタイミングとして用いることもある。
【0028】
以下、図4のフローチャートを参照して、本実施の形態に係るデータ記録再生装置による記録時の処理手順について更に詳細に説明する。
【0029】
受信部1は、ネットワークを介して送信されてきたTSパケットを受信すると、当該TSパケットを分離部2に転送する(ステップS1)。分離部2は、この転送されたTSパケットが再生対象のTSパケットであるか否かを判断する(ステップS2)。
【0030】
ここで、再生対象のTSパケットであると判断した場合には、分離部2は、当該TSパケットがPCRを保持しているか否かを判断する(ステップS3)。
【0031】
このステップS3において、TSパケットがPCRを保持していると判断した場合、分離部2は当該PCRを比較部3に転送する。すると、比較部3は、このPCRとカウンタ4のSTCとの差分に基づく制御信号を生成し、カウンタ制御部7に転送する。カウンタ制御部7は、このPCRとSTCの差分に基づく制御信号に応じてカウンタ4のクロック周波数を制御すると共に、STCのクロック制御に関する制御情報(制御タイミングや制御パラメータ)を記録再生処理部6に転送する(ステップS4)。
【0032】
次いで、記録再生処理部6は、STCのクロック制御に関する制御情報(制御タイミングや制御パラメータ)を含むSTCパケットを生成し、記録部8に記録する(ステップS5)。そして、上記ステップS2で再生対象のTSパケットでないと判断した場合、上記ステップS3でTSパケットがPCRを保持していないと判断した場合、及び上記ステップS5でSTCパケットを記録した後、記録再生処理部6は、当該TSパケットを記録部8に記録し(ステップS6)、一連の処理を終了する。
【0033】
次に、図5のフローチャートを参照して、本実施の形態に係るデータ記録再生装置による再生時の処理手順について更に詳細に説明する。分離部2は、記録部8からパケットを読み出し(ステップS11)、当該パケットがSTCパケットであるか否かを判断する(ステップS12)。ここで、STCパケットであると判断した場合には、その制御情報に含まれる制御タイミングまで、その後の分離処理を停止して待機する(ステップS13)。
【0034】
続いて、記録再生処理部6は、STCパケットの制御パラメータをカウンタ制御部7に転送し、制御タイミングを比較部3に転送する。比較部3は、転送されたSTCパケットの制御タイミングとカウンタ4のSTCとを比較し、その比較結果に基づいてカウンタ制御部7に制御パラメータの設定タイミングを通知する。カウンタ制御部7は、この通知を受けると、当該設定タイミングに従って制御パラメータを更新し、この制御パラメータに応じてカウンタ4のクロック周波数を制御する(ステップS14)。
【0035】
こうして、再現された記録時の再生クロックに従い、デコーダ5により映像或いは/及び音声情報を復号して出力部9より出力し(ステップS16)、処理を終了する。
【0036】
一方、STCパケットでないと判断した場合には、分離部2はTSパケットの分離処理を行い(ステップS15)、デコーダ5により映像或いは音声情報を復号して出力部9より出力し(ステップS16)、処理を終了する。
【0037】
以上説明したように、本発明の一実施の形態に係るデータ記録再生装置では、再生時においては、比較部3がPCRとカウンタ4のSTCとを比較し、その差分を制御信号としてカウンタ制御部7に出力し、当該カウンタ制御部7がこの制御信号に基いて上記カウンタ4のクロック周波数を制御すると共に当該制御に係る制御パラメータ及び制御タイミングの情報を出力し、記録再生処理部が上記制御パラメータ及び制御タイミングの情報を含むSTCパケットを生成し出力し、記録部8が上記STCパケットを、上記PCRを有するTSパケットの前段に記録する。そして、再生時には、記録再生処理部6が、上記STCパケットの制御パラメータをカウンタ制御部7に転送し、制御タイミングを比較部3に転送し、この比較部3が、当該制御タイミングとカウンタ4のSTCとを比較し、その比較結果に基づいてカウンタ制御部7に制御パラメータの設定タイミングを通知し、カウンタ制御部7が、この通知された設定タイミングに従って制御パラメータを更新し、この制御パラメータに応じてカウンタ4のクロック周波数を制御する。このように、本実施の形態に係るデータ記録再生装置では、STCの制御情報をTSパケットと共に記録するので容易に記録時の再生クロックを再現することができる。
【0038】
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなくその趣旨を逸脱しない範囲で種々の改良・変更が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施の形態に係るデータ記録再生装置の構成図である。
【図2】TSパケットの記録・再生について説明する概念図である。
【図3】STCパケットの構成例を示す図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係るデータ記録再生装置による記録時の処理手順について更に詳細に説明するフローチャートである。
【図5】本発明の一実施の形態に係るデータ記録再生装置による再生時の処理手順について更に詳細に説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0040】
1…受信部、2…分離部、3…比較部、4…カウンタ、5…デコーダ、6…記録再生処理部、7…カウンタ制御部、8…記録部。
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【出願日】 平成18年8月11日(2006.8.11)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦

【識別番号】100091351
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 哲

【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠

【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊

【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司

【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘

【識別番号】100084618
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 貞男

【識別番号】100092196
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 良郎


【公開番号】 特開2008−48064(P2008−48064A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−220370(P2006−220370)