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【発明の名称】 ネットワークボックス
【発明者】 【氏名】畑 紀行

【要約】 【課題】ネットワークのデータ伝送量が限られている場合でも、遠隔会議の途中で会議資料を共有することが可能なネットワークボックスを提供する。

【構成】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部接続機器が出力した音声データ及び資料データを入力するデータ入力手段と、
ネットワークに接続された他の装置に、前記音声データをストリーミングデータとして送信する通信手段と、
前記データ入力手段に入力された音声データを監視し、この音声データが無音データのときには、前記通信手段にストリーミングデータの送信を停止させて、前記データ入力手段から入力された資料データを送信させる制御手段と、
を備えたネットワークボックス。
【請求項2】
外部接続機器が出力した音声データを入力する音声データ入力手段と、
外部接続機器が出力した資料データを入力する資料データ入力手段と、
ネットワークに接続された他の装置に、前記音声データ入力手段に入力された前記音声データをストリーミングデータとして送信する通信手段と、
前記通信手段に送信させるデータの切り替えを受け付ける操作手段と、
前記操作手段が操作されると、前記音声データ入力手段からの音声データの入力を停止して、前記資料データ入力手段に入力される資料データを前記通信手段に送信させる制御手段と、
を備えたネットワークボックス。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、離れた地点間で行う会話や会議に使用するネットワークボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、多地点間会議で使用する資料をあらかじめ一括して登録しておき、多地点間会議に通信端末が接続されたときにそれを検出して、その接続された通信端末に資料を転送するように構成された通信装置及び通信システムがあった。
【特許文献1】特開平10−51558号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載の通信システムでは、新たに資料が追加された場合には、そのときに多地点間会議に接続されている通信端末に資料を転送するように構成されている。
【0004】
しかしながら、各通信端末間をISDN回線やアナログ回線で接続している場合、回線のデータ伝送量は限られている。また、多地点間会議を滞りなく行うためには、少なくとも音声データを途切れることなく伝送する必要がある。
【0005】
そのため、従来の通信システムでは、音声データを優先的に送信するように設定されている場合に、新たに資料が追加されると、スムーズに資料を転送できないという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、ネットワークのデータ伝送量が限られている場合でも、遠隔会議の途中で会議資料を共有することが可能なネットワークボックスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、上記の課題を解決するための手段として、以下の構成を備えている。
【0008】
(1)外部接続機器が出力した音声データ及び資料データを入力するデータ入力手段と、
ネットワークに接続された他の装置に、前記音声データをストリーミングデータとして送信する通信手段と、
前記データ入力手段に入力された音声データを監視し、この音声データが無音データのときには、前記通信手段にストリーミングデータの送信を停止させて、前記データ入力手段から入力された資料データを送信させる制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
複数のネットワークボックスを、データ伝送量が限られているネットワークに接続して遠隔会議を行っているときには、ストリーミングデータとして音声データを常に送信することで、会議を滞りなく進めることができるが、会議の途中等に資料を共有して会議を進める必要が生じた場合に、ネットワークのデータ伝送量が限られていると、資料データをすぐに送信することができない。この構成においては、ネットワークボックスは、音声データをストリーミングデータとして送信するが、入力された音声データが無音データの場合には、この無音データの送信を停止させて資料データを送信させる。したがって、複数のネットワークボックスを、データ伝送量が限られているネットワークに接続して遠隔会議を行っているときに、会議の資料を送信したい場合には、資料データの送信が完了するまで会議を中断して無音状態を継続することで、無音データが送信されずに資料データが優先的に送信されるので、会議の途中でも会議資料を共有することができ、遠隔会議を円滑に行うことができる。
【0010】
(2)外部接続機器が出力した音声データを入力する音声データ入力手段と、
外部接続機器が出力した資料データを入力する資料データ入力手段と、
ネットワークに接続された他の装置に、前記音声データ入力手段に入力された前記音声データをストリーミングデータとして送信する通信手段と、
前記通信手段に送信させるデータの切り替えを受け付ける操作手段と、
前記操作手段が操作されると、前記音声データ入力手段からの音声データの入力を停止して、前記資料データ入力手段に入力される資料データを前記通信手段に送信させる制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
この構成においては、通信手段は音声データをストリーミングデータとして常に送信しているが、操作手段が操作されると、音声データ入力手段からの音声データの入力を停止して、資料データ入力手段から入力される資料データを送信する。したがって、ユーザは、遠隔会議の途中に会議資料を共有する必要が生じた場合には、操作手段を操作することで、音声データの送信を停止して資料データを送信することができるので、会議資料を共有して円滑に遠隔会議を行うことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明のネットワークボックスは、音声データとして無音データを送信している区間に、音声データ(無音データ)の送信を停止して資料データを送信し、また、資料データを早急に送信する必要がある場合には、操作手段を操作することで、音声データの送信を停止して、資料データを直ちに送信することができる。これにより、遠隔会議の参加者は、会議の途中であっても会議資料を共有することができ、会議を円滑に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は、遠隔会議システムの構成を示す概観図である。遠隔会議システム1は、少なくとも2台のネットワークボックス3により構成される。
【0014】
ネットワークボックス3には、マイクロフォン11、スピーカユニット13、及びパーソナルコンピュータ(以下、PCと称する。)15、ビデオカメラ17等を接続可能であり、ネットワークボックス3をネットワーク5に接続することで、ネットワーク5に接続された他のネットワークボックス3と、音声データや画像データや資料データ等をやりとりして、会話や会議を行うことができる。
【0015】
次に、ネットワークボックス3の構成について説明する。図2は、ネットワークボックスの概略構成を示すブロック図である。
【0016】
ネットワークボックス3は、入出力部21、通信部25、記憶部27、制御部29、及び操作部31を備えている。
【0017】
入出力部21は、会議資料などのコンピュータデータ、音声データ、及び画像データを入力したり出力したりするためのインタフェースである。入出力部21には、マイクロフォン11、スピーカユニット13、PC15、ビデオカメラ17等を接続可能である。
【0018】
マイクロフォン11は、会議参加者が発した音声を収音して、音声データを入出力部21へ出力する。
【0019】
スピーカユニット13は、他のネットワークボックス3からネットワーク5を介して送られて、入出力部21から出力された音声データをアナログ信号に変換した音声を放音する。
【0020】
PC15は、会議用の資料を作成するためのソフトウェアが複数インストールされており、これらのソフトウェアを用いて会議参加者が作成した会議用の資料データ(コンピュータデータ)を、内蔵する記憶手段であるハードディスクやメモリに記憶する。また、会議参加者の操作により、コンピュータデータをネットワークボックス3に出力する。さらに、PC15は、他のネットワークボックス3から送られてきた画像データを表示させることが可能である。
【0021】
ビデオカメラ17は、動画や静止画を撮影して、これらの画像データをネットワークボックス3に出力する。
【0022】
通信部25は、ネットワーク5のデータ伝送量を一定時間毎に(周期的に)監視する。また、通信部25は、ネットワーク5を介して、音声データ、画像データ、及びコンピュータデータを送受信する。また、通信部25は、音声データをストリーミングデータとして送信する。
【0023】
記憶部27は、通信部25が周期的に監視するデータ伝送量に応じた回線の混雑データを記憶する。また、記憶部27は、入出力部21から入力された音声データ、画像データ、コンピュータデータ等を一時的に記憶する。
【0024】
制御部29は、ネットワークボックス3の各部を制御する。
【0025】
操作部31は、通信部25に音声データ以外の別データ(会議資料データ)を強制的に送信させるためのスイッチであるデータ送信スイッチ311を備えている。
【0026】
次に、ネットワークボックス3の特徴について説明する。遠隔会議システム1において、遠隔地間で会議(会話)を進める上で、最も重要なデータは会議(会話)の音声データである。そのため、ネットワークボックス3では、ネットワーク5の回線状態にかかわらず音声データだけは切断することなく送受信するように、音声データをストリーミングデータとして常に送受信するように構成されている。
【0027】
一方、遠隔会議においては、PC15で作成した会議資料等のコンピュータデータやビデオカメラ17で撮影した静止画や動画等の画像データも重要なデータであり、必要に応じてこれらのデータを送受信する必要がある。しかしながら、ネットワーク5の回線状態が悪い場合や、ネットワーク5のデータ通信量が限られている場合には、会話(会議)の音声データはストリーミングデータとして送受信できるが、コンピュータデータや画像データ等の会議資料データは送受信できないので、会議が滞ってしまう。例えば、ネットワークボックス3を接続するネットワーク5として使用している回線が、ISDN回線やアナログ電話回線の場合には、データ伝送量が限られている。
【0028】
そこで、本発明のネットワークボックス3では、マイクロフォン11から入力された音声データが無音データであり、ストリーミングデータとして送信している音声データが無音データの場合には、コンピュータデータや画像データ等の別のデータ(会議資料データ)を送受信する。これにより、会議資料を共有して会議を進める必要がある場合には、会話の休止区間においてコンピュータデータや画像データ等の会議資料データを送信することができるので、必要なときに必要なデータを利用することができる。
【0029】
例えば、遠隔会議の途中で会議資料を共有するために会議資料データを送信する必要が生じた場合には、各会議参加者間でやりとりして会議(会話)を一時的に中断することで、通信部25が送信する音声データ(ストリーミングデータ)は無音データになる。このとき、ネットワークボックス3の制御部29は、無音データの送信を停止させて、入出力部21に接続されているPC15が出力したコンピュータデータや、ビデオカメラ17が出力した画像データを通信部25に送信させる。したがって、遠隔会議システム1の各ネットワークボックス3を使用している会議参加者は、会議資料を共有して遠隔会議を円滑に進めることができる。
【0030】
また、ネットワークボックス3では、会議が白熱して音声データの送受信が途切れなく続くと、無音データが送受信されないので、コンピュータデータや画像データ等の会議資料データをすぐには送受信することができないことがある。そこで、本発明のネットワークボックス3では、操作部31のデータ送信スイッチ311を操作することで、強制的に、音声データの送信を停止して、会議資料データを送信することができる。すなわち、制御部29は、操作部31のデータ送信スイッチが操作されてオン状態になると、マイクロフォン11から入出力部21に入力された音声データが通信部25に送られるのを停止して、PC15から入力されたコンピュータデータやビデオカメラ17から入力された画像データ等の会議資料データを通信部25に送信させる。また、制御部29は、会議資料データの送信が終了して、データ送信スイッチ311がオフ状態になると、会議資料データが送信可能な状態を停止して、マイクロフォン11から入力された音声データが通信部25に送られるようにする。
【0031】
ここで、通信部25は、ストリーミングデータとして送信する音声データをUDPまたはTCPで送信し、会議資料データをFTPまたはHTTPで送信する。
【0032】
次に、ネットワークボックス3の動作について、フローチャートに基づいて説明する。図3は、ネットワークボックスの動作を説明するためのフローチャートである。ネットワークボックス3の制御部29は、タイマを内蔵しており、このタイマで一定時間を計時し、この一定時間が経過する毎に(s1)、ネットワーク5における回線の混雑度合い(データ伝送量)を通信部25に検出させる(s2)。続いて、制御部29は、通信部25が検出した回線の混雑度合い(データ伝送量)のデータを記憶部27に記憶させる(s3)。ネットワークボックス3では、このような処理を一定時間毎に行っている。なお、一定時間としては、例えば、1秒乃至5秒程度に設定すると良い。
【0033】
ネットワークボックス3では、遠隔会議を行っているときには、以下のような処理を行っている。制御部29は、遠隔会議が終了していなければ(s11)、記憶部27に格納された回線の混雑データを参照して(s12)、送信データ量をこの混雑データに基づいて設定する(s13)。そして、制御部29は、マイクロフォン11から入出力部21に入力された音声データが無音データであるか否かを確認し、ストリーミングデータが無音データでは無く(s14:N)、データ送信スイッチ311が操作されておらずオフ状態であれば(s15:N)、音声データの送信を行う(s16)。そして、ステップs11以降の処理を再度実行する。
【0034】
一方、制御部29は、ステップs15において、データ送信スイッチ311が操作されてオン状態になった場合に(s15:Y)、コンピュータデータや画像データ等の会議資料データがPC15やビデオカメラ17から出力されておらず、入出力部21に会議資料データが入力されていなかったり、これらのデータを記憶部27が記憶していなかったりすると(s17:N)、通信部25に音声データの送信を実行させる(s16)。また、制御部29は、コンピュータデータや画像データ等の会議資料データがPC15やビデオカメラ17から出力されており、入出力部21に会議資料データが入力されていたり、記憶部27が既に会議資料データを記憶していたりすれば(s17:Y)、その会議資料データを送信する(s19)。そして、ステップs11以降の処理を再度実行する。
【0035】
また、制御部29は、ステップs14において、マイクロフォン11から入出力部21に入力された音声データが無音データでストリーミングデータであって(s14:Y)、コンピュータデータや画像データ等の会議資料データがPC15やビデオカメラ17から出力されておらず、入出力部21に会議資料データが入力されていなかったり、これらのデータを記憶部27が記憶していなかったりすると(s18:N)、ステップs11以降の処理を再度実行する。一方、制御部29は、コンピュータデータや画像データ等の会議資料データがPC15やビデオカメラ17から出力されており、入出力部21に会議資料データが入力されていたり、記憶部27が既に会議資料データを記憶していたりすれば(s18:Y)、ストリーミングデータ(無音データ)の送信を停止して、そのコンピュータデータや画像データを送信する(s19)。そして、ステップs11以降の処理を再度実行する。
【0036】
また、制御部29は、ステップs11において、遠隔会議が終了して、音声データの送受信が終了した場合には、処理を終了する。
【0037】
以上のように、ネットワークボックスは、遠隔会議の途中に会議(会話)が途切れて、ストリーミングデータとして無音データの送信を行っているときに、無音データの送信を停止して、コンピュータデータや画像データ等の会議資料データを送信する。また、ネットワークボックスは、会議資料データを早急に送受信する必要がある場合には、データ送信スイッチを操作することで、音声データの送受信を停止して、会議資料データを直ちに送信する。これにより、遠隔会議の参加者は、会議の途中でもコンピュータデータや画像データ等の会議資料を共有することができ、会議を円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】遠隔会議システムの構成を示す概観図である。
【図2】ネットワークボックスの概略構成を示すブロック図である。
【図3】ネットワークボックスの動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0039】
1−遠隔会議システム 3−ネットワークボックス 5−ネットワーク
11−マイクロフォン 13−スピーカユニット 15−PC
17−ビデオカメラ 21−入出力部 25−通信部 27−記憶部
29−制御部 31−操作部 311−データ送信スイッチ
【出願人】 【識別番号】000004075
【氏名又は名称】ヤマハ株式会社
【出願日】 平成18年8月11日(2006.8.11)
【代理人】 【識別番号】100084548
【弁理士】
【氏名又は名称】小森 久夫

【識別番号】100123940
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 辰一


【公開番号】 特開2008−48058(P2008−48058A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−220338(P2006−220338)