| 【発明の名称】 |
映像処理回路 |
| 【発明者】 |
【氏名】都築 毅
【氏名】相羽 英樹
|
| 【要約】 |
【課題】従来回路で用いる非線形低域フィルタでは、処理対象画素との差分が閾値以上であれば演算に使用しないことで影響を排除しているが、閾値の前後で切り替わりが不連続なために低域フィルタの精度が低下する場合があり、また回路規模も大きい。
【構成】入力映像信号の検出範囲の平坦度を評価する平坦度評価回路4からの平坦度評価値と、入力映像信号のエッジ部分から処理対象画素までの距離を評価するエッジ距離評価回路5からのエッジ距離評価値とを位相を揃えて保持し、値が小さい方の評価値をスイッチ回路6で選択してコアリング強度としてコアリング回路7に入力し、そのコアリング特性を定める閾値を可変制御する。処理対象画素がエッジ付近にあるとき、又はテクスチャ部分のように平坦度評価値が高いときは、コアリング特性の閾値は”0”に制御され、非線形LPF1のフィルタ作用が施されていない映像信号が加算器8から取り出される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 第1の量子化ビット数の画素で構成される入力映像信号を該第1の量子化ビット数よりも高いビット精度の第2の量子化ビット数の画素で構成される出力映像信号に変換する映像処理回路であって、 前記入力映像信号の高周波成分を減衰させ、かつ、前記入力映像信号に対応する各画素の量子化ビット精度を前記第1の量子化ビット数から前記第2の量子化ビット数に変換させた第1の映像信号を生成するフィルタ手段と、 前記第1の映像信号と、この第1の映像信号を生成する基となった前記入力映像信号とを前記第2の量子化ビット数の精度で減算して第2の映像信号を得る減算手段と、 予め第1の所定画素数に定められており、前記入力映像信号が構成する画面の水平方向及び垂直方向の少なくともいずれか一方向に画素単位で移動させる第1の検出領域において、この第1の検出領域内の隣接する各画素間の輝度変化の度合いが小さいほど大きな値となる平坦度評価値を算出し、この算出した平坦度評価値を前記第1の検出領域の中心に位置する画素である第1の処理対象画素の平坦度評価値とする処理を、前記第1の検出領域を画素単位で移動させる毎に行う平坦度評価値検出手段と、 予め第2の所定画素数に定められており、前記入力映像信号が構成する画面の水平方向及び垂直方向の少なくともいずれか一方向に前記第1の検出領域と同期して画素単位で移動させる第2の検出領域において、この第2の検出領域内の隣接する各画素間の輝度変化の度合いが予め定めた第1の閾値よりも大きい画素間をエッジ部として検出し、この検出したエッジ部と前記第2の検出領域の中心に位置する画素である第2の処理対象画素との距離を算出し、この算出した距離を前記第2の処理対象画素のエッジ距離評価値とする処理を、前記第2の検出領域を画素単位で移動させる毎に行うエッジ距離評価値検出手段と、 前記平坦度評価値及び前記エッジ距離評価値のいずれか一方の値を参照し、この参照した値が小さいほど、第2の閾値を小なる値になるように可変制御すると共に、前記減算手段で得られた前記第2の映像信号の絶対値が前記第2の閾値以上のときには前記第2の映像信号から前記第2の閾値を引いた値を出力し、前記第2の映像信号の絶対値が前記第2の閾値よりも小さいときには少なくとも前記第2の映像信号から前記第2の閾値を引いた値よりも小さい所定値を出力する処理を、前記第1の検出領域及び前記第2の検出領域を画素単位で移動させる毎に行うコアリング手段と、 前記フィルタ手段から出力される前記第1の映像信号と、前記コアリング手段から出力される信号とを前記第2の量子化ビット数の精度で加算して、前記出力映像信号を得る加算手段と を有することを特徴とする映像処理回路。 【請求項2】 前記コアリング手段は、前記平坦度評価値及び前記エッジ距離評価値のうち、値が小さな方の評価値を選択し、この選択した方の評価値を用いて前記第2の閾値を可変制御することを特徴とする請求項1記載の映像処理回路。 【請求項3】 前記フィルタ手段は、 予め第3の所定画素数に定められており、前記入力映像信号が構成する画面の水平方向及び垂直方向の少なくともいずれか一方向に画素単位で移動させる処理対象領域において、この処理対象領域の中心に位置し、処理の対象となる画素である第3の処理対象画素と、この第3の処理対象画素以外の画素である複数のタップ画素との差分値をそれぞれ算出し、この算出した複数の差分値のそれぞれについて、その差分値が前記第3の閾値以下の場合にはその差分値を出力値とし、その差分値が前記第3の閾値より大きく、かつ、前記第3の閾値より大なる第4の閾値以下の場合には該差分値から前記第3の閾値を差し引いた値を出力値とし、前記差分値が前記第4の閾値より大きいときには少なくとも前記差分値から前記第3の閾値を差し引いた値よりも小さい所定の値を出力値とする比較処理を行い、この比較処理の結果で得られた複数の前記出力値を、前記第2の量子化ビット数の精度で加算平均し、この加算平均によって得られた値と前記第3の処理対象画素との加算処理を、前記入力映像信号を構成する各画素毎に行うことにより、前記第2の量子化ビット数の画素で構成され、かつ、高周波成分が減衰された前記第1の映像信号を出力するフィルタ手段である、 ことを特徴とする請求項1又は2記載の映像処理回路。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は映像処理回路に係り、特に微小な振幅によるテクスチャを守り、映像の質感を保持したままディジタル符号化に起因する量子化ノイズの低減や量子化精度の向上を図り、滑らかな階調を得ることを可能とする映像処理回路に関する。 【背景技術】 【0002】 近年のディジタル符号化技術の進歩により、DVD(Digital Versatile Disc)やハイビジョン放送といったディジタル映像信号が普及している。このディジタル映像信号は一般に8ビットで量子化された映像信号であるが、高精細・大画面化が進む近年のテレビジョン装置においては8ビットでは量子化精度不足であるという指摘もなされている。具体的には、8ビットの1階調では人間の目に認識され滑らかな階調が表現できない場合があり、特にブロック状に処理を行う符号化方式のMPEG2(Moving Picture Experts Group 2)で符号化されたディジタル映像信号では、復号した映像信号を表示すると、ブロック状に階調の境界が見えてしまうことがあるという問題もある。 【0003】 また、近年のテレビジョン装置においては、高画質化を目指し映像信号のガンマ曲線を変更したり、輪郭強調を行ったりすることが多い。この場合、8ビット信号であっても階調によっては7ビットあるいはそれ以下の量子化精度となることがあり、滑らかな階調表現のために量子化精度の向上が望まれていた。 【0004】 このような問題解決のため、量子化ビット数8ビットの入力映像信号を10ビットにビット拡張し、その10ビットの映像信号と、それをローパスフィルタ(低域フィルタ)により平滑化した信号との差分絶対値が所定値以下の場合にのみ、ローパスフィルタ出力の下位2ビットを10ビットの映像信号に加算出力することで、中間階調を生成して滑らかな階調を得るという映像処理回路が従来開示されている(例えば、特許文献1参照)。 【0005】 また、従来、量子化ノイズを低減させることに主眼をおいてはいるものの、8ビットからの量子化精度向上の目的にも転用できる映像処理回路として、非線形低域フィルタとコアリング処理の導入によって、エッジがなまることなく擬似輪郭のない自然な映像が得られる技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。 【0006】 【特許文献1】特開平8−237669号公報 【特許文献2】特開2005−354521号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 しかるに、特許文献1記載の従来の映像処理回路では、入力映像信号を8ビットから10ビットへ量子化精度を向上させる際に、量子化境界にローパスフィルタ(低域フィルタ)を適用している。このローパスフィルタとして、3×3画素の2次元ローパスフィルタを用いているが、これでは量子化境界を見えなくするためには十分な大きさではない。量子化境界を見えなくし滑らかな階調を得るには、実際にはもっと大きなタップ数を持つフィルタを使う必要がある。 【0008】 ところで、近年、表示装置の高精細・大画面化が進み、高画質化のための映像信号処理も高度になってきている。特に微細な映像信号の表現が「質感」や「リアルさ」につながるとされている。高精細・大画面の表示装置では、大きな振幅のエッジがなく平坦な領域においても、映像信号の1ビット単位の挙動によって微妙な質感が表現されている。特許文献1記載の従来の映像処理回路では、大きなタップ数のローパスフィルタを使えば量子化精度の不足を解決することはできるが、微細な映像信号も一律になまらせてしまい、肌・雲の質感や砂粒・髪といった微細なテクスチャがのっぺりしてしまうという問題がある。また、大きなタップ数のローパスフィルタを使う際には、輪郭など周囲と異なる画素値があるとその影響を受けてしまい、滑らかなフィルタ出力が得られないという問題も生じる。 【0009】 この問題に対して、特許文献2記載の従来の映像処理回路に用いられている非線形低域フィルタでは、処理対象画素との差分が閾値以上であれば演算に使用しないことで影響を排除している。しかし、閾値の前後で切り替わりが不連続なために低域フィルタの精度が低下する場合があり、また回路規模も大きいという問題がある。 【0010】 本発明は以上の点に鑑みなされたもので、画像内に不自然な部分を発生させることなく、量子化精度を向上させた滑らかな階調を得ることができる映像処理回路を提供することを目的とする。 【0011】 また、本発明の他の目的は、小さい回路規模で、量子化精度をより確実に向上し得る映像処理回路を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0012】 上記の目的を達成するため、本発明は、第1の量子化ビット数の画素で構成される入力映像信号を第1の量子化ビット数よりも高いビット精度の第2の量子化ビット数の画素で構成される出力映像信号に変換する映像処理回路であって、入力映像信号の高周波成分を減衰させ、かつ、入力映像信号に対応する各画素の量子化ビット精度を第1の量子化ビット数から第2の量子化ビット数に変換させた第1の映像信号を生成するフィルタ手段と、第1の映像信号と、この第1の映像信号を生成する基となった入力映像信号とを第2の量子化ビット数の精度で減算して第2の映像信号を得る減算手段と、予め第1の所定画素数に定められており、入力映像信号が構成する画面の水平方向及び垂直方向の少なくともいずれか一方向に画素単位で移動させる第1の検出領域において、この第1の検出領域内の隣接する各画素間の輝度変化の度合いが小さいほど大きな値となる平坦度評価値を算出し、この算出した平坦度評価値を第1の検出領域の中心に位置する画素である第1の処理対象画素の平坦度評価値とする処理を、第1の検出領域を画素単位で移動させる毎に行う平坦度評価値検出手段と、予め第2の所定画素数に定められており、入力映像信号が構成する画面の水平方向及び垂直方向の少なくともいずれか一方向に第1の検出領域と同期して画素単位で移動させる第2の検出領域において、この第2の検出領域内の隣接する各画素間の輝度変化の度合いが予め定めた第1の閾値よりも大きい画素間をエッジ部として検出し、この検出したエッジ部と第2の検出領域の中心に位置する画素である第2の処理対象画素との距離を算出し、この算出した距離を第2の処理対象画素のエッジ距離評価値とする処理を、第2の検出領域を画素単位で移動させる毎に行うエッジ距離評価値検出手段と、平坦度評価値及びエッジ距離評価値のいずれか一方の値を参照し、この参照した値が小さいほど、第2の閾値を小なる値になるように可変制御すると共に、減算手段で得られた第2の映像信号の絶対値が第2の閾値以上のときには第2の映像信号から第2の閾値を引いた値を出力し、第2の映像信号の絶対値が第2の閾値よりも小さいときには少なくとも第2の映像信号から第2の閾値を引いた値よりも小さい所定値を出力する処理を、第1の検出領域及び第2の検出領域を画素単位で移動させる毎に行うコアリング手段と、フィルタ手段から出力される第1の映像信号と、コアリング手段から出力される信号とを第2の量子化ビット数の精度で加算して、出力映像信号を得る加算手段とを有することを特徴とする。 【0013】 この発明では、平坦度評価値又はエッジ距離評価値が小さな値であるテクスチャの値が大きな映像信号部分やエッジ付近の映像信号部分では、コアリング手段における第2の閾値が小なる値に可変制御されるため、コアリング手段からは、その入力信号である第2の映像信号がそのまま、又は殆ど減衰されることなく出力されるため、最終的に第2の量子化ビット数の画素で構成される出力映像信号を生成する加算手段ではフィルタ手段から出力される第1の映像信号には、フィルタ手段により減衰された高周波数成分が略そのまま加算され、他方、エッジからの距離が遠い領域の映像信号部分やテクスチャの値が小さな映像信号部分では第2の閾値が小さくされないため、フィルタ手段から出力される第1の映像信号には、コアリング手段からの信号は全く加算されないか、又は殆ど加算されない。 【0014】 ここで、上記のコアリング手段は、平坦度評価値及びエッジ距離評価値のうち、値が小さな方の評価値を選択し、この選択した方の評価値を用いて第2の閾値を可変制御することを特徴とする。 【0015】 また、本発明は上記の発明におけるフィルタ手段を、予め第3の所定画素数に定められており、入力映像信号が構成する画面の水平方向及び垂直方向の少なくともいずれか一方向に画素単位で移動させる処理対象領域において、この処理対象領域の中心に位置し、処理の対象となる画素である第3の処理対象画素と、この第3の処理対象画素以外の画素である複数のタップ画素との差分値をそれぞれ算出し、この算出した複数の差分値のそれぞれについて、その差分値が第3の閾値以下の場合にはその差分値を出力値とし、その差分値が第3の閾値より大きく、かつ、第3の閾値より大なる第4の閾値以下の場合には差分値から第3の閾値を差し引いた値を出力値とし、差分値が第4の閾値より大きいときには少なくとも差分値から第3の閾値を差し引いた値よりも小さい所定の値を出力値とする比較処理を行い、この比較処理の結果で得られた複数の出力値を、第2の量子化ビット数の精度で加算平均し、この加算平均によって得られた値と第3の処理対象画素との加算処理を、入力映像信号を構成する各画素毎に行うことにより、第2の量子化ビット数の画素で構成され、かつ、高周波成分が減衰された第1の映像信号を出力するフィルタ手段としたことを特徴とする。 【発明の効果】 【0016】 本発明によれば、画素のテクスチャの値及びエッジからの距離に応じた評価値に基づいて、コアリング手段の閾値を可変し、コアリング手段から出力される信号、すなわちフィルタ手段で減衰された高周波成分の量を可変することで、テクスチャの値が大きな微小な振幅の映像信号部分やエッジ付近の映像信号部分ではフィルタ手段によるフィルタ効果をほぼゼロとし、他方、それ以外の量子化段差部分ではフィルタ手段によるフィルタ効果により除去させるという、フィルタ効果の強度を適応的に切り替えることができ、微小な振幅やエッジという映像表現を守り、画像内に不自然な部分を発生させることなく量子化精度を向上させた滑らかな階調を得ることができる。 【0017】 また、本発明によれば、フィルタ手段によって、より正確なフィルタ出力が得られ、量子化精度の向上をより確実なものにできると共に、平坦度評価値又はエッジ距離評価値がテクスチャ量又はエッジ距離に応じて段階的に変化するので不連続点がなく、画像中に不自然な部分などを発生させることがなく、また従来回路比べて小さい回路規模での実装を可能にできる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0018】 次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。図1は本発明になる映像処理回路の一実施の形態のブロック図を示す。同図において、量子化ビット数8ビットの入力映像信号は、非線形低域フィルタ(LPF:Low Pass Filter)1に供給されて量子化ビット数10ビットの高周波数成分が減衰された(帯域制限された)映像信号に変換される一方、ディレイ回路2、平坦度評価回路4、エッジ距離回路5にそれぞれ供給される。 【0019】 ディレイ回路2は入力映像信号に対して、非線形LPF1の出力映像信号の処理対象の画素との位相合わせのための遅延処理を行う。減算器3はディレイ回路2から出力された量子化ビット数8ビットの映像信号から非線形LPF1から出力された量子化ビット数10ビットで高周波数成分が減衰された映像信号を減算する処理を行って差分信号を得て、コアリング回路7に供給する。上記の差分信号は非線形LPF1で減衰された入力映像信号の高周波数成分に相当する。 【0020】 コアリング回路7では、後述する平坦度評価回路4により得られた平坦度評価値とエッジ距離評価回路5により得られたエッジ距離評価値のうちの一方の評価値がスイッチ6により選択されて入力され、その評価値に応じて上記の差分信号に対するコアリングの大きさが適応的に変えられる。コアリング回路7によるコアリング結果と非線形LPF1から出力された帯域制限映像信号とが加算器8で加算され、最終的な量子化ビット数10ビットの映像信号として出力される。 【0021】 次に、非線形LPF1について図2及び図3を用いて説明する。図2は図1中の非線形LPF1の一実施の形態のブロック図を示す。図2に示すように、非線形LPF1は、並列に設けられたn個(nは2以上の自然数)の差分器111〜11nと、差分器111〜11nの各出力側に1対1に対応して設けられた非線形演算部121〜12nと、非線形演算部121〜12nの各出力信号を加算平均する加算平均器13と、加算平均器13の出力信号と処理対象画素とを加算して低域フィルタ特性が付与された処理対象画像信号を出力する加算器14とからなる。 【0022】 次に、この非線形LPF1の動作について説明する。量子化ビット数8ビットの入力映像信号は、画素単位に検出エリアの中心に位置する処理対象画素が差分器111〜11nに供給される一方、上記の検出エリアの処理対象画素以外の各画素がタップ画素として111〜11nに別々に供給されて差分をとられた後、その差分値が非線形演算部121〜12nに供給されて非線形演算がなされる。非線形演算とは図3に示すように、入力である差分値(絶対値)が第1の閾値|lmt|以下の場合は入力の差分値をそのまま出力値とし、入力差分値(絶対値)が第1の閾値|lmt|より大きく、かつ、第2の閾値2×|lmt|以下の場合は入力差分値から|lmt|を引いた値を出力値とし、入力差分値(絶対値)が2×|lmt|より大きい場合は”0”、又は少なくとも入力差分値から|lmt|を引いた値より小さく設定されている所定の値を出力値とする演算である。 【0023】 非線形演算部121〜12nによりそれぞれ非線形演算されて得られた8ビットの値は、加算平均器13によって一定の領域内(例えば、縦、横それぞれ10画素以上の所定の画素数からなる)について加算平均される。この加算平均器13により得られた10ビットの加算平均値は、加算器14において処理対象画素と加算されて非線形低域フィルタ特性が付与された量子化ビット数10ビットの映像信号として出力される。 【0024】 この図2に示す構成によって、加算平均器13の入力は|lmt|の値が上限となり、画素値そのものを加算平均するのに比べ扱う数値が小さくなるので回路規模が小さく済む。また、処理対象画素とタップ画素の差分値に対して非線形演算を行う非線形演算部121〜12nは、閾値|lmt|について対称的な入出力特性を持たせたことで、差分値が閾値|lmt|以上の場合は演算に用いないという処理方法と比べ、より滑らかに変化する平均値が得られ易い。 【0025】 これを図4を用いて説明する。図4(A)は前記特許文献1記載の発明で用いられている非線形フィルタの出力であり、同図(B)は本実施の形態の非線形LPF1の出力を示し、いずれも黒丸が処理対象画素を示し、処理対象画素の左側は処理対象画素との差分が閾値以内、右側が閾値を少し超えている場合であり、量子化境界の近くに大きな段差があるパターンを示している。 【0026】 図4(A)に示すように、特許文献1記載の発明で用いられている従来の非線形フィルタでは、処理対象画素と画素値がlmt以上異なる画素はフィルタ出力に全く用いられないため、フィルタ出力が量子化境界について対称とならない。 【0027】 これに対し、本実施の形態の非線形フィルタでは図4(B)に示すように、処理対象画素と画素値がlmt以上異なる画素も考慮するため、フィルタ出力が量子化境界について対称となる。量子化境界について対称な出力が得られると本発明の目的が達成し易いことを、図13を用いて説明する。図13(A)は図4の量子化境界の部分を抽出したものである。この量子化境界について対称な出力が得られる本実施の形態の非線形フィルタを施した出力波形が図13(B)である。図13において、(A)と(B)の差分が高周波成分(C)となり、(C)に対してコアリングを行う。(C)の点線の範囲内をコアリングすると、図13(D)のように高周波成分は0になる。図13(D)を同図(B)の波形に加えた最終出力が同図(E)である。同図で明らかなように、量子化境界が滑らかになっている。 【0028】 これに対し、図13(F)は量子化境界について対称な出力が得られない従来の非線形フィルタを施した場合の出力波形である。図13(A)と同図(F)の差分である高周波成分(G)は同図で明らかなように正負にいびつな波形となる。この波形(G)に、(C)と同じ範囲内でコアリングを行うと、図13(H)に示すように正側がコアリングしきれずに信号が残る。従って、図13(H)に示す波形を同図(F)に加えた最終出力は同図(I)のようになる。同図(I)で明らかなように、量子化境界について対称な出力が得られない従来の非線形フィルタを用いた場合は、量子化境界部分を完全に滑らかにするには至らない。 【0029】 上記説明の通り、本実施の形態の非線形フィルタによれば、従来の非線形フィルタに比較して量子化境界をより滑らかにすることができる。 【0030】 再び図1に戻って説明する。本実施の形態では、入力映像信号と非線形LPF1の差分、つまり高周波成分が差分器3からコアリング回路7に入力され、その出力高周波成分が再び非線形LPF1の出力映像信号と加算器8で加算されて最終出力映像信号となる。つまり、コアリング回路7での演算の結果、出力が0であった場合は、入力映像信号がそのまま出力されることになる。 【0031】 図5はコアリング回路7の一例の特性図を示す。図5にIで示すように、入力の絶対値がコアリング値|cor|以下であれば”0”を、入力の絶対値がコアリング値|cor|より大であれば入力からコアリング値を引いた値を返す。この入出力特性Iでは大きな不連続点もなく、画像中に不自然な部分などを生じないが、コアリング値|cor|を超えた全ての入力信号からコアリング値|cor|が差し引かれるので、そのままでは画像全体で高周波成分が減衰し、なまってしまう。 【0032】 そこで、本実施の形態では、微小なテクスチャ部やエッジなど画像をなまらせたくない領域では、図5のコアリング特性のコアリング値+corとーcorを”0”として、入力と出力とが等しいIIで示す入出力特性として、画像をそのまま保持することとする。 【0033】 次に、図1の平坦度評価値回路4の構成について説明する。図6は平坦度評価値回路4の一実施の形態のブロック図を示す。図6において、入力映像信号の一定の検出エリア内の横方向の隣接する2画素tap(x,y)とtap(x+1,y)とが減算器401に供給され、また更にその横の隣接する2画素tap(x+1,y)とtap(x+2,y)とが減算器402に供給され、以下同様に横方向の隣接する2画素が図示しない減算器に供給され、減算器401、402、・・・からは予め定めた横方向の複数画素範囲内の横方向の隣接する2画素間の差分値が取り出される。 【0034】 一方、入力映像信号の上記の検出エリア内の縦方向の隣接する2画素tap(x,y)とtap(x,y+1)とが減算器411に供給され、また更に縦方向に隣接する2画素tap(x,y+1)とtap(x,y+2)とが減算器412に供給され、以下同様に縦方向の隣接する2画素が図示しない減算器に供給され、減算器411、412、・・・からは予め定めた縦方向の複数画素範囲内の縦方向の隣接する2画素間の差分値が取り出される。減算器401、402、・・・から取り出された隣接する2画素間の差分値は、閾値比較器421、422、・・・に供給されると共に、減算器411、412、・・・から取り出された縦方向の隣接する2画素間の差分値が閾値比較器431、432、・・・に供給される。 【0035】 閾値比較器421、422、・・・と431、432、・・・は予め設定された閾値と入力差分値とを比較し、入力差分値が閾値以上であれば“1”、閾値より小さければ“0”を出力する。ここで用いる閾値とは、ノイズの影響を排除するためのもので、例えば10ビット処理では8ビットの”1”に相当する「4」のようなごく小さい値に設定する。すなわち、8ビットの下位側に2ビットを追加して10ビットとしたとき、8ビットのLSBだけが”1”であるときに下位2ビットに”0”を追加して10ビットとしたときの値は、下位側から3ビット目だけが”1”であり、これは10ビットでは「4」の値に相当する。 【0036】 閾値比較器421、422、・・・の各出力信号は複数の1画素伝送期間遅延回路Tからなる検出回路44に供給され、ここでテクスチャの量、すなわち、画像の絵柄の複雑さが検出された後、累積和回路46に供給されて加算されて一定のエリアの累積和とされる。同様に、閾値比較器431、432、・・・の各出力信号も複数の1画素伝送期間遅延回路Tからなる検出回路45により画像の絵柄の複雑さが検出された後、累積和回路47に供給されて一定の検出エリアの累積和とされる。上記の一定の検出エリアは画素単位に一定方向に推移(移動)する。 【0037】 ここで、上記の一定の検出エリアが例えば簡単のため縦10画素、横10画素とすると、閾値比較器421、422、・・・からは9個の横方向隣接画素差分値の比較結果が出力されて検出回路44でその9個の横方向隣接画素差分値の比較結果が縦方向に10個出力されて累積和回路46で累積加算される。同様に、閾値比較器431、432、・・・からは9個の縦方向隣接画素差分値の比較結果が出力されて検出回路45でその9個の縦方向隣接画素差分値の比較結果が横方向に10個出力されて累積和回路47で累積加算される。累積和回路46及び47で得られた各累積和は加算器48で加算されてテクスチャの評価値として非線形演算回路49に供給されて非線形演算される。 【0038】 非線形演算回路49は、例えば図7に示す横軸のテクスチャ評価値を入力とし、縦軸の平坦度評価値を出力とする特性に設定されており、入力であるテクスチャ評価値が小さければ平坦であるとして平坦度評価が高くなり、テクスチャ評価値が大きければ平坦ではないとして平坦度評価としては小さくなるように数字を変換して出力する。 【0039】 図7の横軸のテクスチャ評価値の値は検出エリアの大きさによって変わる。実際例を図8に示す。図8(A)に示すようなレベル変化が小さな映像信号ではテクスチャ量は少なく、平坦度評価値としては大きくなる。このような平坦度評価値が大きな画像領域では入力映像信号に対して後述するように、図5に示したコアリングの絶対値|cor|が大きなコアリング処理を行い、コアリング回路7から出力されて加算器8で加算される差分信号レベルを小さくすることにより、非線形LPF1のフィルタの効果を得る。 【0040】 また、図8(B)に示すようなレベル変化が小さく、かつ、レベル変化が短い間隔で現れる映像信号ではテクスチャ量が多く、平坦度評価としては低くなる。このような平坦度評価値が小さな画像領域では、上記とは逆に入力映像信号に対してコアリング処理をせず、コアリング回路7から出力されて加算器8で加算される差分信号レベルを大きくすることにより、非線形LPF1のフィルタによるフィルタ作用を実質的に停止する。 【0041】 元の入力映像信号の品質が悪く、大きな振幅のノイズを含む場合も図8(B)に示すような信号となり、フィルタ効果は得られなくなるが、一般にノイズが多い場合は階調段差は目立ちにくいため、滑らかな階調を得るという本発明の目的とは外れる。逆に、本発明の映像処理回路の前段に、何らかのノイズ低減回路を設けておくのが好ましい。ノイズがなくなると、階調部では量子化精度が高まって滑らかになり、テクスチャ部は保存されるという本発明の映像処理回路が最も効果的に働くことになる。 【0042】 しかし、平坦度評価のみでは、図8(C)に示すような映像信号のエッジ部分もテクスチャ量は少なく、平坦だと判断されてしまい、その判断結果に基づいて入力映像信号に対してコアリング処理を行い非線形LPF1のフィルタの効果を得るようにすると、エッジがなまってしまう。そこで、上記の問題を解決するため、本実施の形態では、図1に示すようにエッジ距離評価回路5を設けている。 【0043】 図9はエッジ距離評価回路5の一例のブロック図を示す。図9において、入力映像信号の予め定めた2次元検出エリア内の横方向に隣接する2画素ずつ減算器501、502、・・・に供給され、上記2次元検出エリア内の縦方向に隣接する2画素ずつ減算器511、512、・・・に供給される。これにより、減算器501、502、・・・からは検出エリア内の横方向隣接画素間差分値が取り出され、減算器511、512、・・・からは検出エリア内の縦方向隣接画素間差分値が取り出される。減算器501、502、・・・から取り出された横方向隣接画素間差分値は、閾値比較器521、522、・・・に供給されると共に、減算器511、512、・・・から取り出された縦方向隣接画素間差分値が閾値比較器531、532、・・・に供給される。 【0044】 閾値比較器521、522、・・・と531、532、・・・は予め設定された閾値と入力差分値とを比較し、入力差分値が閾値以上であれば“1”、閾値より小さければ“0”を出力する。ここで用いる閾値は、量子化不足に起因するものでもノイズでもない明らかに輪郭成分である信号を検出するためのもので、例えば10ビット処理では8ビットの「8」に相当する「32」程度に設定する。 【0045】 閾値比較器521、522、・・・の各出力信号は複数の1画素伝送期間遅延回路Tからなる検出回路54に供給され、ここで一定エリアでのエッジの有無が検出された後、OR回路56に供給される。同様に、閾値比較器531、532、・・・の各出力信号も複数の1画素伝送期間遅延回路Tからなる検出回路55により一定エリアでのエッジの有無が検出された後、OR回路57に供給される。なお、OR回路56及び57は、それぞれ8つのOR回路から構成されている。 【0046】 すなわち、検出回路54からは処理対象画素を中心として横方向に3画素、上記の3画素の外側の横方向各1画素、その外側の横方向各1画素というように、全部で8つの横方向画素範囲内で互いに独立してエッジを検出し、エッジを検出した画素範囲内に対応するOR回路から”1”、エッジが検出されない画素範囲内に対応するOR回路から”0”の信号が並列に出力される。同様に、検出回路55からは処理対象画素を中心として縦方向に3画素、上記の3画素の外側の縦方向各1画素、その外側の縦方向各1画素というように、全部で8つの縦方向画素範囲内で互いに独立してエッジを検出し、エッジを検出した画素範囲内に対応するOR回路から”1”、エッジが検出されない画素範囲内に対応するOR回路から”0”の信号が並列に出力される。 【0047】 OR回路56及び57からそれぞれ取り出された8並列出力信号は、8つのOR回路からなるOR回路58に供給され、ここで、対応する画素範囲のOR回路の出力信号同士が論理和演算される。ここで、OR回路56及び57からそれぞれ取り出された8並列出力信号は、処理対象画素を中心として8つの横方向画素範囲と、8つの縦方向画素範囲でエッジが存在するか否かを示す信号であるため、OR回路58の8つの出力信号は、図10に示すように、黒丸で示す処理対象画素を中心として等距離にある8つの画素範囲でエッジが存在するかどうかを示す信号であり、エッジが存在する場合はその画素範囲を示す論理和出力信号の論理値が”1”となっている。 【0048】 ここで、上記の処理対象画素を中心として等距離にある8つの画素範囲をエッジ距離と定義し、処理対象画素から近い方から順にエッジ距離の値が「1」から1ずつ増えていき、処理対象画素から最も遠い画素範囲のエッジ距離の値は「8」である。OR回路58から並列に出力された、図10に示す8つのエッジ距離のそれぞれの領域でエッジがあるかどうかを示す8つの論理和信号は非線形演算回路59に供給される。 【0049】 非線形演算回路59は、OR回路58からの出力論理和信号のうち、値が”1”である論理和信号のうち、最もエッジ距離が小さいところの論理和信号を最終的なエッジ距離と判定し、更に、例えば図11に示す横軸のエッジ距離を入力とし、縦軸の評価値を出力とする特性に基づいて、エッジ距離が近ければ小さい値の評価値を、遠ければ大きな値の評価値をエッジ距離評価値として出力する。 【0050】 再び図1に戻って説明するに、上記のようにして得られた平坦度評価回路4からの平坦度評価値と、エッジ距離評価回路5からのエッジ距離評価値とを位相を揃えて保持し、値が小さい方の評価値をスイッチ回路6で選択して「コアリング強度」としてコアリング回路7に入力する。コアリング回路7では次式 コアリング値=コアリング初期値×(コアリング強度/4) によりコアリング値を求めた後、図5に示したコアリング特性に従って、減算器3からの高周波成分に対してコアリング特性を付与する。ここで、上式で算出したコアリング値が図5の+corと−corである。 【0051】 従って、処理対象画素がエッジ付近にあり、エッジ距離が「1」であるときには、エッジ距離評価値が図11の特性から最小値「0」であるため、スイッチ回路6で選択されてコアリング強度としてコアリング回路7に供給されることにより、上式からコアリング値(=±cor)は”0”となり、コアリング回路7の特性は図5にIIで示す入力をそのままスルーで出力する特性となる。 【0052】 この結果、図1の加算器8は非線形LPF1から出力された10ビットの帯域制限映像信号に対して、非線形LPF1で減衰された高周波数成分をコアリング回路7を通してそのまま加算するため、非線形フィルタ1のフィルタ作用が施されていない量子化ビット数10ビットの映像信号が取り出される。 【0053】 また、処理対象画素がエッジから離れるにつれてエッジ距離評価値が大きな値になるので、コアリング回路7に供給されるコアリング強度の値大きくなり、その結果コアリング値(図5の|cor|の値)が大きくなるので、非線形LPF1で減衰された入力映像信号の高周波数成分に相当する減算器3からの差分信号がコアリング回路7により”0”として出力される入力レベル範囲が広くなる。その結果、図1の加算器8において非線形LPF1から出力された10ビットの帯域制限映像信号に対して加算される高周波成分が、処理対象画素がエッジから離れるにつれて少なくなり、非線形LPF1フィルタによるフィルタ作用は、処理対象画素がエッジから離れるにつれて強くかかるようになる。 【0054】 次に、本実施の形態の映像処理回路による処理例を図12を用いて説明する。図12(A)は非線形LPF1などに入力される量子化ビット数8ビットの入力映像信号で、微小振幅を持つテクスチャ部分a1、量子化段差のある信号部分a2、エッジ部分a3を有している。図12(B)は非線形LPF1から出力される量子化ビット数10ビットの映像信号波形であり、高周波数成分が減衰している。 【0055】 図12(C)は減算器3から出力される差分信号の波形を示しており、これは非線形LPF1により減衰された高周波成分に相当する信号である。図12(D)は平坦度評価値を示し、同図(A)に示した入力映像信号のテクスチャ部分a1で小さい値となっている。図12(E)はエッジ距離評価値を示し、同図(A)に示した入力映像信号のエッジ部分a3付近で小さく、エッジから遠ざかるにつれて大きくなっている。 【0056】 図12(F)は同図(D)に示した平坦度評価値と同図(E)に示したエッジ距離評価値のうち、値が小さい方を採用したコアリング強度を示している。図12(D)〜(F)から分かるように、入力映像信号のテクスチャ部分a1では平坦度評価値に従ったコアリング強度を示し、エッジ部分a3及びその近辺ではエッジ距離評価値に従ったコアリング強度を示す。 【0057】 このコアリング強度に従って算出したコアリング値に基づいて変化する図5に示した特性のコアリング回路7により、図12(C)の差分信号(非線形LPF1により減衰された高周波成分に相当する信号)に対してコアリング特性を施された信号波形が図12(G)に示す信号波形である。 【0058】 図12(H)は同図(G)に示す差分信号と同図(B)に示した非線形LPF1の出力帯域制限映像信号とを図1の加算器8で加算して得られた最終出力映像信号を示す。図12(H)から分かるように、同図(A)に示した入力映像信号のテクスチャ部分a1では平坦度評価値が「0」であり、エッジ部分a3ではエッジ距離評価値が「0」であるため、コアリング強度が「0」であり、コアリング回路7のコアリング動作が行われず、非線形フィルタ1のフィルタ作用が施されないようにしたため、最終出力映像信号は、入力映像信号のテクスチャ部分a1とエッジ部分a3は保持したまま、量子化精度の不足が見えやすい平坦部の段差のみがa2’で示すように滑らかになっている。 【0059】 以上説明したように、本実施の形態によれば、明らかな輪郭成分を「エッジ距離評価」によって、また、微小な振幅を持つテクスチャを「平坦度評価」によってそれぞれフィルタ処理の対象から排除するようにしたため、輪郭がなまる・テクスチャがつぶれるといった副作用を排除して画像品位を落とすことなく、量子化精度を向上させ滑らかな階調を得ることが可能となる。 【0060】 また、上記のそれぞれの評価値がエッジ距離・テクスチャ量に応じて段階的に変化するので不連続点がなく、画像中に不自然な部分などを発生させることがない。出力映像信号のエッジやテクスチャは入力映像信号と変わらないということは、量子化精度が向上しないことになるが、人間の視覚特性上、量子化精度の粗さが見え易いのは平坦部であり、エッジやテクスチャでは量子化精度の粗さは検知されにくい。滑らかな階調を得ることを目的とするならばエッジやテクスチャを処理対象としなくても問題がなく、逆にフィルタをかけることで生じる鮮鋭感の低下やテクスチャの減衰を防ぐことができる。エッジやテクスチャの量子化精度の向上を図るならば、例えば本発明の回路の後段に輪郭強調回路などを配し、その出力の量子化ビット幅を広げるなどの手法が適していよう。 【0061】 なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、例えば、コアリング値は、4段階評価とした場合を示したが、8段階などより細かな段階を設けてもよいことはいうまでもない。また、上記の実施の形態では、図11に示したように、エッジの検出範囲は、処理対象画素の周囲8画素を対象としたが、この検出範囲を広くしてもよく、その場合は非線形LPF1のフィルタ効果は下がるが、エッジ近傍の信号が保存され画像の質感が保ち易い。他方、上記の検出範囲を上記の実施の形態よりも狭くしてもよく、この場合は、画像の質感が失われ易いが、非線形LPF1のフィルタ効果を得られ易い。 【図面の簡単な説明】 【0062】 【図1】本発明の映像処理回路の一実施の形態のブロック図である。 【図2】図1中の非線形LPFの一例のブロック図である。 【図3】図2中の非線形演算部の入出力特性の一例を示す図である。 【図4】従来回路の非線形フィルタ出力と本発明回路の非線形LPFの出力の各一例を対比して示す図である。 【図5】図1中のコアリング回路の入出力特性の一例を示す図である。 【図6】図1中の平坦度評価回路の一例のブロック図である。 【図7】テクスチャ評価値を平坦度評価値に変換する非線形演算回路の一例の入出力特性である。 【図8】入力信号のパターンを示す図である。 【図9】エッジ距離評価回路の一例のブロック図である。 【図10】エッジ距離の定義を示す図である。 【図11】エッジ距離をエッジ距離評価値に変換する非線形演算回路の一例の入出力特性である。 【図12】本発明の映像処理回路の一実施の形態の各部の信号波形図である。 【図13】本発明回路で用いる非線形フィルタにより、従来の非線形フィルタに比較して量子化境界をより滑らかにすることができることを説明する波形図である。 【符号の説明】 【0063】 1 非線形LPF(低域フィルタ) 2 ディレイ回路 3、401、402、411、412、501、502、511、512 減算器 4 平坦度評価回路 5 エッジ距離評価回路 6 スイッチ回路 7 コアリング回路 8、14 加算器 111〜11n 差分器 121〜12n 非線形演算部 13 加算平均器 421、422、431、432、521、522、531、532 閾値比較器 44、45、54、55 検出回路 46、47 累積和回路 48、59 非線形演算回路 56〜58 OR回路
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000004329 【氏名又は名称】日本ビクター株式会社
|
| 【出願日】 |
平成18年8月11日(2006.8.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100085235 【弁理士】 【氏名又は名称】松浦 兼行
|
| 【公開番号】 |
特開2008−47986(P2008−47986A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月28日(2008.2.28) |
| 【出願番号】 |
特願2006−219085(P2006−219085) |
|