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【発明の名称】 カメラ
【発明者】 【氏名】古用 博之

【要約】 【課題】静止画像の画質に影響を与えることなくレリーズタイムラグを短縮させる。

【構成】デジタルカメラにおいて、CCD、信号処理回路、CCD駆動回路を含むAFE、LCDドライバ、LCDモニタを設ける。レリーズボタンが全押しされて静止画像の撮影動作処理が開始されると、露光動作を実行する。そして、出力安定用のダミーフィールド期間において、LCDドライバの駆動を停止するように信号処理回路から制御信号を出力する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像素子から読み出された画素信号に基づいて動画像を表示部に表示可能な表示手段と、
レリーズボタンに対する記録操作に従い、静止画像を記録するための露光動作を実行する静止画像撮影手段と、
前記露光動作が開始されてから前記撮像素子から静止画像に応じた画素信号が読み出されるまでの間に、前記表示手段を動作停止にする表示制御手段と
を備えたことを特徴とするカメラ。
【請求項2】
前記表示制御手段が、静止画像を記録するための露光期間と静止画像に応じた画素信号の読み出し期間との間に設けられた出力安定期間内において、表示手段を動作停止にする請求項1に記載のカメラ。
【請求項3】
前記表示手段が、表示部として動画像を表示可能な液晶パネルと、液晶ドライバを備え、
前記表示制御手段が、前記液晶ドライバの駆動を停止させることを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
【請求項4】
レリーズボタンに対する記録操作に従い、静止画像を記録するための露光動作を実行する静止画像撮影手段と、
前記露光動作が開始されてから前記撮像素子から静止画像に応じた画素信号が読み出されるまでの間に、表示手段を動作停止にする表示制御手段と
を備えたことを特徴とする撮影動作装置。
【請求項5】
レリーズボタンに対する記録操作に従い、静止画像を記録するための露光動作を実行する静止画像撮影手段と、
前記露光動作が開始されてから前記撮像素子から静止画像に応じた画素信号が読み出されるまでの間に、表示手段を動作停止にする表示制御手段と
を機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項6】
レリーズボタンに対する記録操作に従い、静止画像を記録するための露光動作を実行し、
前記露光動作が開始されてから前記撮像素子から静止画像に応じた画素信号が読み出されるまでの間に、表示手段を動作停止にすることを特徴とする撮影動作方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、静止画像を記録可能なカメラに関し、特に、レリーズボタンを操作してから静止画像を記録するための露光動作を実行するまでのレリーズタイムラグに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラでは、撮影モードが設定されると、動画像がカメラ背面に設けられたLCDなどのディスプレイに表示される。そして、レリーズボタンが操作されると、静止画像を記録するため、露光動作が実行される。
【0003】
レリーズボタンが操作されてから実際に露光動作が実行されるまでの期間、すなわちシャッタの開閉あるいは電子シャッタ機能によって撮像素子の受光面が所定期間露光されるまでの期間(レリーズタイムラグ)は、デジタルカメラなどの場合、一般的に長い。レリーズタイムラグを短くするため、例えば、レリーズ操作が行われる前に、静止画像に適応した撮影モードにあらかじめ設定する(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−348433号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
レリーズ操作から実際に露光動作開始までの間に行われるまでの期間に様々な動作制御処理を行う必要があり、レリーズタイムラグを短くするのが難しい。一方、連写などにおいて静止画像の記録動作時間を短縮し、また、タイムラグによって像ぶれなど画質に影響が生じるのを防ぐため、レリーズタイムラグをできる限り短くすることが要求される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のカメラは、レリーズ操作が行われてから実際に露光動作開始するまでのレリーズタイムラグを短縮させたカメラである。
【0006】
本発明のカメラは、撮像素子から読み出された画素信号に基づいて動画像を表示部に表示可能な表示手段と、レリーズボタンに対する記録操作に従い、静止画像を記録するための露光動作を実行する静止画像撮影手段とを備える。ここでの露光動作は、機械的シャッタの開閉あるいは電子シャッタ機能などによって撮像素子などの受光面を露光させる動作を示す。例えば、表示手段は、表示部として動画像を表示可能な液晶パネルと、液晶ドライバを備える。
【0007】
本発明のカメラは、露光動作が開始されてから撮像素子から静止画像に応じた画素信号が読み出されるまでの間に、表示手段を動作停止にする表示制御手段を備える。例えば表示手段が、液晶表示機構である場合、表示制御手段は、LCDドライバの動作を停止させればよい。
【0008】
撮像素子に蓄積された電荷転送の間、表示手段においてクロックパルス信号などの駆動信号が出力されると、静止画像にノイズが発生する。一方、静止画像撮影手段などがDSP(Digital Signal Processor)などの制御機構によって構成された場合、撮像素子を駆動するために撮像素子駆動手段から出力されるクロックパルス信号などに同期させながら制御信号を出力させるが、LCDドライバなどの表示手段を動作停止させるルーチンを実行すると他の制御を行うことが困難となり、表示手段が駆動停止するまで露光動作を開始することができない。本発明では、画素信号が読み出される前に表示手段を動作停止させるため、静止画像にノイズが生じることがなく、一方、露光動作開始前に表示手段を動作停止にさせないため、速やかにレリーズ操作から速やかに露光動作を実行できる。
【0009】
静止画像を記録するための露光期間と静止画像に応じた画素信号の読み出し期間との間に電荷の出力安定をさせるための期間(ダミー期間)を設けた場合、露光期間におけるシャッタ開閉動作制御とタイミングをずらすため、表示制御手段は、出力安定期間に表示手段を動作停止にさせるのがよい。
【0010】
本発明の撮影動作装置は、レリーズボタンに対する記録操作に従い、静止画像を記録するための露光動作を実行する静止画像撮影手段と、露光動作が開始されてから撮像素子から静止画像に応じた画素信号が読み出されるまでの間に、表示手段を動作停止にする表示制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明のプログラムは、レリーズボタンに対する記録操作に従い、静止画像を記録するための露光動作を実行する静止画像撮影手段と、露光動作が開始されてから撮像素子から静止画像に応じた画素信号が読み出されるまでの間に、表示手段を動作停止にする表示制御手段とを機能させることを特徴とする。
【0012】
本発明の撮影動作方法は、レリーズボタンに対する記録操作に従い、静止画像を記録するための露光動作を実行し、露光動作が開始されてから撮像素子から静止画像に応じた画素信号が読み出されるまでの間に、表示手段を動作停止にすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、静止画像の画質に影響を与えることなくレリーズタイムラグを短縮させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下では、図面を参照して、本発明の実施形態であるデジタルスチルカメラについて説明する。
【0015】
図1は、本実施形態であるデジタルカメラのブロック図である。
【0016】
デジタルカメラ10は、信号処理回路20、システムコントロール回路30を備え、メモリカード60が着脱自在にカメラ10に装着される。信号処理回路20は、DSP(Digital Signal Processor)によって構成され、画像信号処理に関する動作を制御するプログラムを格納する。システムコントロール回路30は、レリーズボタン(図示せず)などの操作部、レンズ駆動部28等に接続され、カメラ10の画像処理以外の動作制御を実行する。
【0017】
撮影モードが設定された場合、動画像を表示するための処理動作が実行される。撮影光学系12を通った光は、レンズシャッタ14を介してCCD16に到達し、その結果、被写体像がCCD16に形成され、光電変換によって被写体像に応じたアナログの画素信号がCCD16に発生する。生成された画素信号は、CCD16から所定時間間隔で順次読み出され、AFE(Analog Front End)回路18へ送られる。
【0018】
AFE回路18は、アンプ42、A/D変換器44、CCD駆動回路46とを備え、CCD駆動回路46は、CCD16から画素信号を読み出すためのクロックパルス信号を出力する。CCD16から読み出された画素信号は、アンプ回路42において増幅され、A/D変換器(図示せず)においてデジタル画像信号に変換される。デジタル画像信号は、信号処理回路20に送られる。
【0019】
信号処理回路20では、ホワイトバランス調整処理、ガンマ補正処理など様々な処理がデジタル画像信号に対して施される。処理された画像信号は一時的にフィールドメモリ(図示せず)に格納され、LCDドライバ22へ送られる。LCDドライバ22は、信号処理回路20によって制御されており、送られてきた画像信号に基づいて駆動信号を出力し、LCDモニタ24を駆動する。その結果、被写体像が動画像としてLCDモニタ24に表示される。
【0020】
レリーズボタンが半押しされると、レリーズ半押しスイッチ40がON状態になり、被写体の明るさ、被写体との距離が露出検出器(図示せず)などにおいて検出されるとともに、焦点調整のため、撮影光学系12内のフォーカシングレンズ(図示せず)がレンズ駆動部28によって駆動される。
【0021】
レリーズボタンが全押しされると、レリーズ全押しスイッチ38がON状態となり、撮影動作が実行される。すなわち、露出制御回路26からの駆動信号によってシャッタ14が所定の開度で所定期間開く。これにより静止画像用の被写体像がCCD16に形成され、1フレーム分の静止画像に応じた画素信号がCCD16から読み出される。
【0022】
信号処理回路20は、レリーズ全押しの検出に従い、CCD駆動回路46へ制御信号を出力し、静止画像記録するようにCCD16へ制御信号を出力する。CCD駆動回路46は、信号処理回路20からの制御信号に基づき、クロックパルス信号、電荷掃き出し信号などのCCD16に対する駆動信号を動画像表示用駆動信号から静止画像記録用駆動信号へ切り替える。タイミングジェネレータ32は、クロックパルス信号、駆動信号、制御信号などの出力タイミングを定める基準クロックパルス信号を各回路へ出力する。
【0023】
CCD16から読み出された1フレーム分の画素信号は、アンプ回路42、A/D変換器44を経て、信号処理回路20において処理される。そして、生成された画像データは、記録制御回路34において圧縮処理され、メモリカード36に記録される。
【0024】
図2は、撮影動作処理のタイミングチャートである。図3は、信号処理回路20によって実行される撮影動作処理のフローチャートである。
【0025】
図2では、CCD駆動回路46からCCD16へ出力されるクロックパルス信号(垂直同期信号)を“VD”、電荷掃き出し信号を“Vsub”、CCD16に蓄積された電荷を所定のタイミングで掃き出すためのセンサゲート信号を“SG”、で表している。撮影モードの間、動画像表示を行うため、所定周期(例えば、30〜40ms)のクロックパルス信号VDがCCD16へ送られる。クロックパルス信号VDの周期は1フィールド期間に相当する。CCD駆動回路36からの駆動信号に基づいて電子シャッタが機能し、露光期間T0に蓄積された電荷が転送され、動画像に応じた画素信号が順次読み出される。これら駆動信号の出力タイミングは、タイミングジェネレータ32からの基準クロックパルス信号に従って調整される。
【0026】
信号処理回路20からCCD駆動回路46への制御信号は、動画像表示へのノイズの影響を防ぐため、クロックパル信号VDに同期しながら出力され、クロックパル信号VDの出力期間K(立ち上げから立ち下がりまでの期間)内に出力される。図2では、出力タイミングが一点鎖線STで表されている。また、信号処理回路20は、破線MTで表されるCCD16の画素検出に応じた同期のタイミングに合わせて動作する。
【0027】
一方、CCD駆動回路46において信号処理回路20からの制御信号を受けてCCD16へその制御信号の内容を反映させた駆動信号を出力させるタイミングを表す信号(以下では、更新信号という)を“VHD”で表すと、更新信号VHDは、クロックパルス信号VDに同期するタイミングの位置MTで立ち上がる。更新信号VHDは、信号処理回路20の同期タイミング(MT)より前に位置し、制御信号の出力タイミング(ST)より前に位置する。したがって、動画像表示の間、CCD駆動回路46が制御信号を受けた後、その内容を反映してCCD16へクロックパルス信号などの駆動信号を出力するのは、1フィールド期間遅れている。
【0028】
レリーズボタンが全押しされると、静止画像の記録動作が開始され(ステップS101)、メモリ設定などの初期動作が実行される。図2では、フィールド期間(1)において記録動作が実行開始される。
【0029】
次のフィールド期間(2)では、CCD駆動回路46における切替信号VHDのタイミングを静止画像用に切り替えるため、制御信号がCCD駆動回路46へ出力される。CCD駆動回路46は、クロックパルス信号VDよりも十分に周波数の大きいタイミングジェネレータ32からの基準クロックパルス信号に基づいて制御信号を受信する。また、フィールド期間(2)では、また、シャッタ14の開閉、露出値設定などの露出制御処理を実行するための制御信号が出力されるとともに、信号処理回路20から出力される制御信号の出力タイミングが変更される(ステップS102)。
【0030】
CCD駆動回路46が制御信号を受信すると、図2に示すように、CCD駆動回路46における更新信号“VHD”は、クロックパルス信号VDの出力期間Kから外れ、“ML”のタイミング位置に変更される。これにより、制御信号の出力タイミング(ST)の後に更新タイミング(MT)が来るため、次のフィールド期間(3)において露光動作が実行可能となる。すなわち、フィールド期間(露光フィールド期間)(3)では、クロックパルス信号VDの周期が静止画像記録するための周期に変更されるとともに、露光期間Tだけ電荷が蓄積されるように電荷掃き出し信号Vsbなどの駆動信号が静止画像記録用の駆動信号に切り替えられる。
【0031】
フィールド期間(3)では、駆動信号の更新タイミングを元に戻すための制御信号が出力される(ステップS103)。そして、フィールド期間(ダミーフィールド期間)(4)では、LCDドライバ22の駆動を停止(OFF)させるように信号処理回路20からLCDドライバ22へ制御信号が出力される(ステップS104)。フィールド期間(4)は、露光期間Tの後であって画素信号の読み出し期間に設定されるフィールド期間であり、電荷転送を安定させるために設けられている。ここでは、LCDドライバ22の動作を停止させるのに、例えば30〜50msの時間を考えればよい。
【0032】
CCD16に蓄積された電荷は、フィールド期間(5)(第1のフィールド期間)、フィールド期間(6)(第2のフィールド期間)、フィールド期間(7)(第3のフィールド期間)に渡って順次読み出される。そして、フィールド期間(8)では、再び動画像を表示するための切替処理が行われる。すなわち、クロックパルス信号VDを動画像表示の周期に変更し、制御信号の出力タイミングをクロックパルス信号VDに同期させるための設定処理が行われる。フィールド期間(9)では、LCDドライバ22を再び起動させ、LCDドライバ22がLCDモニタ24を駆動する(ステップS106)。これにより、動画像がLCDモニタ24に表示される。なお、フィールド期間(1)〜(3)では、動画像が表示されず、ブラック表示となるようにLCD24の液晶素子が偏向されている。
【0033】
このように本実施形態によれば、レリーズボタンが全押しされて静止画像の撮影動作処理が開始されると、まず露光動作が実行され、出力安定用のダミーフィールド期間において、LCDドライバ22の駆動を停止するように信号処理回路20から制御信号が出力される。画素信号がCCD16から読み出されるフィールド期間(5)〜(7)までにLCDドライバ22が駆動停止されるため、静止画像にノイズは生じない。また、LCDドライバ22の駆動を停止させる制御処理は信号処理回路20の他のルーチンを同時に行うことに制限を与えるが、露光動作開始前にLCDドライバ22を駆動停止させないため、レリーズ操作から速やかに露光動作が実行され、レリーズタイムラグが短縮される。
【0034】
また、本実施形態によれば、レリーズボタンが全押しされると、CCD駆動回路46における駆動信号の更新タイミングを変更するための制御信号が信号処理回路20からCCD駆動回路46へ出力される。そしてCCD駆動回路46において、切替信号VHDの立ち上がるタイミングがCCD16へのクロックパルス信号の同期タイミング8クロックパルス信号VDの出力期間K)から外れる。これにより、次のフィールド期間において静止画像を記録するための露光動作が実行可能となる。
【0035】
なお、ダミーフィールド期間(4)の代わりに、露光フィールド期間(3)において、LCDドライバ22の駆動を停止させるように構成してもよい。
【0036】
CCD駆動回路46における駆動信号の切替タイミングを変更するのでなく、信号処理回路20から出力される制御信号の出力タイミングを、クロックパル信号VDの同期タイミングから外すように構成してもよい。
【0037】
LCDドライバ22の駆動を停止する構成のみのカメラによってレリーズタイムラグを短縮してもよく、また、駆動信号の切替タイミングを変更する構成のみのカメラによってレリーズタイムラグを短縮してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本実施形態であるデジタルカメラのブロック図である。
【図2】撮影動作処理のタイミングチャートである。
【図3】信号処理回路によって実行される撮影動作処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0039】
10 デジタルカメラ
12 撮影光学系
16 CCD(撮像素子)
18 AFE
20 信号処理回路
22 LCDドライバ
24 LCDモニタ
46 CCD駆動回路
VD クロックパルス信号
VHD 切替信号
【出願人】 【識別番号】000000527
【氏名又は名称】ペンタックス株式会社
【出願日】 平成18年8月10日(2006.8.10)
【代理人】 【識別番号】100090169
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 孝

【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹

【識別番号】100127306
【弁理士】
【氏名又は名称】野中 剛

【識別番号】100129746
【弁理士】
【氏名又は名称】虎山 滋郎

【識別番号】100132045
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 伸


【公開番号】 特開2008−47957(P2008−47957A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−218682(P2006−218682)