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【発明の名称】 画像形成装置
【発明者】 【氏名】原田 博之

【要約】 【課題】原稿搬送装置と原稿読取装置との間の種々のデータを送受信しなくても、正確に原稿を読取ることができる画像形成装置を提供する。

【構成】読取位置設定部125は、付着物Fが付着されていない位置に実原稿読取位置RP3を設定する。ずれ量特定部126は、最上流読取位置RP2に対する実原稿読取位置RP3のずれ量Zを特定する。搬送遅延時間算出部127は、ずれ量特定部126で特定されたずれ量Zを、原稿Pの搬送速度cで除し、搬送遅延時間を求める。読取信号送信部113は、原稿Pの先端が最上流読取位置RP2に到達したとき、原稿読取装置120に原稿Pの読取開始を指示する。ASIC122は、搬送遅延時間算出部127により求められた搬送遅延時間だけ原稿Pの読取開始の指示を遅延させてA/D121に出力し、イメージセンサ30に原稿Pの読取開始を指示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿載置部に載置された原稿を搬送する原稿搬送装置と、前記原稿搬送装置により搬送された原稿を所定の原稿読取位置で読取る原稿読取装置とを備え、
前記原稿読取装置は、
前記原稿読取位置に汚れが付着しているか否かを検出し、汚れが付着している場合、原稿搬送経路の方向に沿って予め設定された範囲内で前記原稿読取位置をずらしていき、汚れが付着していない位置に実際の原稿読取位置である実原稿読取位置を設定する読取位置設定手段を備え、
前記原稿搬送装置は、
前記読取位置設定手段が設定することができる原稿読取位置の最上流位置である最上流読取位置に、前記実原稿読取位置が設定されていると仮定して、前記原稿載置部に載置された原稿が前記最上流位置に到達したとき、前記原稿読取装置に原稿の読取開始を指示する読取開始指示手段を備え、
前記原稿読取装置は、
イメージセンサと、
前記実原稿読取位置の前記最上流位置に対するずれ量を特定するずれ量特定手段と、
特定されたずれ量を基に、前記最上流位置から前記実原稿読取位置までの原稿の搬送時間である搬送遅延時間を算出する搬送遅延時間算出手段と、
前記読取開始指示手段からの読取開始の指示を受け付けてから、前記搬送遅延時間が経過した時に、前記イメージセンサに原稿の読み取りを開始させる開始タイミング決定手段とを更に備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記ずれ量特定手段は、前記実原稿読取位置の初期位置である初期読取位置と前記実原稿読取位置との距離を求め、求めた距離を前記初期読取位置と前記最上流読取位置との距離から差し引くことで、前記ずれ量を算出することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記原稿読取装置は、光源からの光を原稿に照射したときの反射光を、コンタクトガラスを介して受光してイメージセンサへと導く反射ミラーを更に備え、
前記原稿読取位置は、前記反射ミラーにより受光される原稿からの反射光が、前記コンタクトガラスを透過する位置であり、
前記読取位置設定手段は、前記反射ミラーを原稿搬送経路の上流側にずらしていくことで、前記原稿読取位置を上流側にずらしていくことを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ファクシミリ装置、複写機、スキャナ、デジタル複合機等の原稿読み取り機能を有する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、シートスルー型の原稿搬送装置と、原稿搬送装置により搬送された原稿をイメージセンサで読取る原稿読取装置とを備える画像形成装置が知られている。このような画像形成装置では、原稿読取位置に修正液や、埃等の付着物が付着した場合、この付着物が黒筋となって、読み取られた原稿の画像データに含まれてしまう。そこで、画像データ中に黒筋が含まれることを防止するために、特許文献1では、原稿読取位置に付着する付着物を検知し、原稿読取位置を付着物が付着していない位置に移動させ、原稿読取位置の移動量に応じて、原稿読取開始タイミングをずらす技術が開示されている。
【0003】
また、特許文献2では、基準板の画像を読み取り、読み取った基準板の画像の濃度が所定濃度以上である場合に、原稿読取位置に付着物が付着していると判定し、付着物が付着していない位置に画像読取位置を設定する技術が開示されている。
【0004】
そして、これら従来の画像形成装置では、まず、原稿搬送装置の用紙センサが、原稿載置部に載置された原稿を検出すると、原稿搬送装置が、原稿読取装置に、原稿が載置されたことを通知し、原稿読取装置が、原稿読取位置の移動量を示す移動量情報を原稿搬送装置に通知し、原稿搬送装置が、原稿読取装置がイメージセンサに原稿の読取開始の指示を出力するときに、原稿読取位置に原稿が到達するように、受信した移動量情報に基づいて、原稿の搬送開始タイミングを遅延させていた。
【特許文献1】特開2000−196814号公報
【特許文献2】特開2000−310820号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の画像形成装置では、上述したように原稿搬送装置と原稿読取装置との間で移動量情報等の種々のデータが送受信されているため、両装置はシリアル接続されていることもあり、通信ロスが生じやすく、原稿の連続読取を効率良く行うことができないという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、原稿搬送装置と原稿読取位置との間で種々のデータを送受信しなくても、正確に原稿を読取ることができる画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による画像形成装置は、原稿載置部に載置された原稿を搬送する原稿搬送装置と、前記原稿搬送装置により搬送された原稿を所定の原稿読取位置で読取る原稿読取装置とを備え、前記原稿読取装置は、前記原稿読取位置に汚れが付着しているか否かを検出し、汚れが付着している場合、原稿搬送経路の方向に沿って予め設定された範囲内で前記原稿読取位置をずらしていき、汚れが付着していない位置に実際の原稿読取位置である実原稿読取位置を設定する読取位置設定手段を備え、前記原稿搬送装置は、前記読取位置設定手段が設定することができる原稿読取位置の最上流位置である最上流読取位置に、原稿読取位置が設定されていると仮定して、前記原稿載置部に載置された原稿が前記最上流位置に到達したとき、前記原稿読取装置に原稿の読取開始を指示する読取開始指示手段を備え、前記原稿読取装置は、前記実原稿読取位置の前記最上流位置に対するずれ量を特定するずれ量特定手段と、特定されたずれ量を基に、前記最上流位置から前記実原稿読取位置まで原稿が搬送される時間である搬送遅延時間を算出する搬送遅延時間算出手段と、前記読取開始指示手段からの読取開始の指示を受け付けてから、前記搬送遅延時間が経過した時に、イメージセンサに原稿の読み取りを開始させる開始タイミング決定手段とを更に備えることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、原稿読取装置のずれ量特定手段は、最上流読取位置に対する実原稿読取位置のずれ量を特定し、搬送遅延時間算出手段は、特定されたずれ量を基に、最上流読取位置から実原稿読取位置まで、原稿が搬送される時間である搬送遅延時間を算出する。一方、原稿搬送装置の読取開始指示手段は、実原稿読取位置が最上流読取位置に設定されていると仮定して、最上流読取位置に原稿が到達したとき、原稿読取装置に原稿の読取開始を指示する。原稿読取装置の開始タイミング決定手段は、原稿の読取開始の指示を受け付けてから、搬送遅延時間が経過したときにイメージセンサに原稿の読み取りを開始させている。
【0009】
そのため、原稿読取装置は、原稿読取位置のずれ量を原稿搬送装置に通知しなくても、原稿が実原稿読取位置に到達したときにイメージセンサに原稿の読み取りを開始させることができ、通信ロスが防止され、原稿の連続読み取りを効率良く行うことができる。更に、原稿搬送装置は、原稿が最上流読取位置に原稿読取位置が設定されていると仮定して、前記原稿読取装置に原稿の読取開始を指示しているため、原稿読取装置は、実原稿読取位置がどの位置に設定されていても、実原稿読取位置に原稿が通過したときにイメージセンサに原稿の読取を開始させることができる。
【0010】
また、前記ずれ量特定手段は、前記実原稿読取位置の初期位置である初期読取位置と前記実原稿読取位置との距離を求め、求めた距離を前記初期読取位置と前記最上流読取位置との距離から差し引くことで、前記ずれ量を算出することが好ましい。
【0011】
この構成によれば、原稿読取位置の実際の移動量である初期読取位置と実原稿読取位置との距離からずれ量を算出しているため、簡便な処理でありながら精度良くずれ量を算出することができる。
【0012】
また、前記原稿読取装置は、光源からの光を原稿に照射したときの反射光を、コンタクトガラスを介して受光してイメージセンサへと導く反射ミラーを更に備え、前記原稿読取位置は、前記反射ミラーにより受光される原稿からの反射光が、前記コンタクトガラスを透過する位置であり、前記読取位置設定手段は、前記反射ミラーを原稿搬送経路の上流側にずらしていくことで、前記原稿読取位置を設定することが好ましい。
【0013】
この構成によれば、反射ミラーを初期読取位置から原稿搬送経路の上流側にずらすという簡便な構成により実原稿読取位置を設定することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、原稿読取装置は、原稿読取位置のずれ量を原稿搬送装置に通知しなくても、原稿が実原稿読取位置に到達したときにイメージセンサに原稿の読み取りを開始させることができるため、通信ロスが防止され、イメージセンサに原稿を正確に読み取らせることができる。その結果、通信ロスが防止され、原稿の連続読み取りを効率良く行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は、本発明の実施の形態による画像形成装置の全体構成図を示している。画像形成装置は、矢印Gで示す方向に開閉自在に取り付けられた原稿搬送装置20Aと、原稿搬送装置20Aにより搬送された原稿を読取る原稿読取装置20Bと、原稿読取装置20Bで読み取られた原稿を記録紙に印刷する本体装置20Cとを備えている。原稿搬送装置20Aは、シートスルー型の原稿搬送装置から構成され、複数枚の原稿Pが載置可能な原稿載置部21と、載置された原稿Pを1枚ずつピックアップする給紙ローラ対22と、ピックアップされた原稿Pを一定の搬送速度で原稿読取領域RDまで搬送し、かつ、原稿Pの斜め送りを規制して原稿先端を整えるレジストローラ対23と、イメージセンサ30により画像データが読み取られた原稿Pを原稿排出トレイ36に排出する排出ローラ対35とを備えている。原稿搬送装置20Aの原稿読取領域RDと対向する位置には、紙面に直交する方向(主走査方向)を長手方向とする平板かつ白色の背景板33が取り付けられている。原稿Pの搬送経路上、背景板33近傍の上流側の位置には、搬送される原稿Pの先端及び後端を検出するためのセンサ24が配設されている。
【0016】
原稿読取装置20Bは、コンタクトガラス31の下側にスライド可能に配設されたランプ25と、原稿読取領域RDにおける原稿Pの反射光をミラー26、27、28及び集光レンズ29を介して受光するイメージセンサ30とを備えている。また、原稿読取装置20Bの上面には、透明かつ平板状のコンタクトガラス31が配設されている。
【0017】
原稿載置部21に載置された原稿Pを読取る自動読み取りモードにおいては、ランプ25は、原稿読取領域RD近傍の右側の位置であるホームポジションで、給紙ローラ対22等によって1枚ずつ搬送される原稿Pに光を照射し、イメージセンサ30は、その反射光を1ライン単位で読取る。コンタクトガラス31に載置された原稿を読取る手動読み取りモードにおいては、ランプ25は、原稿Pに光を照射しつつ、図略のモータによる駆動力を受けて、右方向に一定速度で移動し、イメージセンサ30は、その原稿Pからの反射光を1ライン単位で読取る。なお、ランプ25は、例えば点線で示す位置まで移動すると、光の照射を停止し、図略のモータによる駆動力を受けて、左方向に一定速度で移動し、ホームポジションに戻される。
【0018】
本体装置20Cは、複数の給紙カセット201、複数の給紙ローラ202、転写ローラ203、感光体ドラム204、露光装置205、現像装置206、定着ローラ208、排出口209、及び排出トレイ210等を備える。
【0019】
感光体ドラム204は、矢印方向に回転しながら帯電装置(図示省略)によって一様に帯電される。露光装置205は、イメージセンサ30において読み取られた原稿Pの画像データに基づいて生成された変調信号をレーザ光に変換して出力し、感光体ドラム204に静電潜像を形成する。現像装置206は、現像剤を感光体ドラム204に供給してトナー像を形成する。
【0020】
一方、給紙ローラ202は、記録紙が収納された給紙カセット201から記録紙を引き出し、転写ローラ203まで給送する。転写ローラ203は、搬送された記録紙に感光体ドラム204上のトナー像を転写させ、定着ローラ208は、転写されたトナー像を加熱して記録紙に定着させる。その後、記録紙は、本体装置20Cの排出口209から用紙後処理部300に搬入される。また、記録紙は、必要に応じて排出トレイ210へも排出される。
【0021】
用紙後処理部300は、搬入口301、記録紙搬送部302、搬出口303及びスタックトレイ304等を備える。記録紙搬送部302は、排出口209から搬入口301に搬入された記録紙を順次搬送し、最終的に搬出口303からスタックトレイ304へ記録紙を排出する。スタックトレイ304は、搬出口303から搬出された記録紙の集積枚数に応じて矢印方向に上下動可能に構成されている。
【0022】
図2は、図1に示す原稿読取領域RD付近の拡大図である。図2に示すように、ミラー26は、主走査方向を長手方向とする平板状のミラーから構成され、反射面RS1が水平面に対しておよそ45度傾斜して配設されている。また、ミラー26は、位置P1から、位置P1に対して、原稿Pの搬送経路の上流側に位置する位置P2まで、水平方向にスライド可能に配設されている。ミラー26が位置P1に位置するとき、ミラー26の中心C1を通り、かつ主走査方向と平行な直線を通る鉛直面とコンタクトガラス31の上面とが交差するRP1で示す主走査方向に向かう直線が初期読取位置RP1となる。
【0023】
同様に、ミラーが位置P2に位置するとき、RP2で示す主走査方向に向かう直線が最上流読取位置RP2となる。また、原稿読取領域RDは、初期読取位置RP1と最上流読取位置RP2とによって囲まれる矩形状の領域を示す。なお、位置P1がミラー26の初期位置であり、初期読取位置RP1に、傷、埃、修正液等の付着物Fが付着している場合、ミラー26は、原稿Pの搬送経路の上流側にスライドされ、付着物Fが付着されていないコンタクトガラス31上の位置に位置決めされる。これにより、原稿Pの画像データに黒筋が含まれることが防止される。
【0024】
自動原稿読取モードにおいては、ランプ25は、原稿読取領域RDの近傍の右側に位置し、原稿読取領域RDに向けて光を照射し、原稿読取領域RDを通過する原稿Pに光を照射する。ミラー26は、原稿Pからの反射光を受光し、光軸の向きを左回りに90度変えて、ミラー27へと導く。
【0025】
ミラー27は、ミラー26と同様、水平方向にスライド可能に配設され、主走査方向を長手方向とする平板状のミラーから構成され、反射面RS2が水平面に対して45度傾斜して配置されている。ここで、ミラー27は、ミラー26が例えば、位置P1から距離D離れた位置P3までスライドされた場合、位置P21から左方向に距離D/2だけスライドされる。これにより、ミラー26の位置によらず、原稿Pによる反射光のイメージセンサ30までの光路の長さを一定にすることができる。
【0026】
図3は、画像形成装置の電気的な構成を示すブロック図である。画像形成装置は、原稿搬送装置110、原稿読取装置120、及び本体装置130を備えている。原稿搬送装置110は、図1に示す原稿搬送装置20Aから構成され、モータ111及びCPU112を備えている。CPU112はラインL1を介してCPU123と接続され、CPU123との間で種々のデータを送受信する。また、CPU112は、ラインL4を介してセレクタ124と接続され、セレクタ124に原稿読取信号を出力する。
【0027】
モータ111は、図1に示す給紙ローラ対22、レジストローラ対23、及び排出ローラ対35の各々を駆動させる3個のモータ111を含み、CPU112の制御の下、原稿載置部21に載置された原稿Pを原稿読取領域RDに搬送して、イメージセンサ30に原稿Pを読み取らせた後、原稿排出トレイ36に排出する。
【0028】
CPU112は、読取信号送信部(読取開始指示手段)113を備え、原稿搬送装置110の全体制御を司る。読取信号送信部113は、センサ24により原稿Pの先端が検出されてから原稿Pの先端が最上流読取位置RP2に到達するまでの所定時間が経過したとき、原稿読取信号を立ち上げて、立ち上げた原稿読取信号を、ラインL4を介してセレクタ124に出力し、原稿読取装置120に原稿Pの読取開始を指示する。また、読取信号送信部113は、センサ24により原稿Pの後端が検出されてから原稿Pの後端が最上流読取位置RP2に到達するまでの所定時間が経過したとき、原稿読取信号を立ち下げ、立ち下げた原稿読取信号をラインL4を介してセレクタ124に出力し、原稿Pの読取終了を指示する。センサ24は、例えば反射型のフォトセンサから構成され、原稿Pの先端及び後端を検出する。
【0029】
原稿読取装置120は、図1に示す原稿読取装置20Bから構成され、イメージセンサ30、アナログデジタル変換器(A/D)121、ASIC(開始タイミング決定手段)122、CPU123、セレクタ124、及びモータ128を備えている。
【0030】
イメージセンサ30は、受光素子が主走査方向に複数個配列されたCCD又はCIS等から構成され、原稿Pからの反射光をミラー26,27,28、及び集光レンズ29を介して受光し、原稿Pを1ライン単位で読み取り、読み取った画像データを1画素ずつA/D121に出力する。また、イメージセンサ30は、付着物Fが付着していない位置に原稿読取位置を設定するために、ランプ25から照射された光の背景板33による反射光を、コンタクトガラス31を介して受光し、受光したデータを原稿読取領域RDの画像データとして、ASIC122に出力する。
【0031】
A/D121は、イメージセンサ30から出力されたアナログの画像データを所定のビット数を有するデジタルの画像データに変換して、ASIC122に出力する。ここで、A/D121によりアナログデジタル変換された画像データを構成する各画素は、例えば0〜255の画素値(階調)で表され、画素値は、光量の大きな光を受光した画素ほど小さくなる。従って、コンタクトガラス31に付着した付着物Fは、背景板33からの反射光を遮光するため、付着物Fの画素値は付着物Fが付着していない箇所に比べて大きくなる。
【0032】
CPU123は、読取位置設定部(読取開始手段)125、ずれ量特定部(ずれ量特定手段)126、及び搬送遅延時間算出部(搬送遅延時間算出手段)127を備え、原稿読取装置120全体の制御を司る。
【0033】
モータ128は、例えばステッピングモータから構成され、CPU123から出力されるパルス信号に従って、ミラー26,27を移動させる。
【0034】
読取位置設定部125は、モータ128を制御して、ミラー26を位置P1から原稿Pの搬送経路の上流側に所定の距離ずつスライドさせていき、ミラー26を所定の距離ずつスライドさせる度に、イメージセンサ30に、原稿読取領域RDの1ライン分の画像データを読み取らせ、得られた画像データから、付着物Fが付着していない原稿読取領域RD内の位置を検出し、当該位置を実原稿読取位置RP3として設定する。
【0035】
詳細には、読取位置設定部125は、原稿読取領域RDの画像データに、付着物Fの画素値を示す基準画素値よりも大きい画素が含まれている場合、コンタクトガラス31に付着物Fが付着していると判定する。ここで、読取位置設定部125は、原稿読取領域RDの1ライン分の画像データのうち、基準画素値よりも大きい画素値を有する画素が所定個数連続して存在する場合、コンタクトガラス31に付着物Fが付着していると判定し、基準画素値よりも大きい画素が存在しても、当該画素が所定個数連続して存在していない場合は、当該画素はノイズを表わし、付着物Fを表していないと判定してもよい。
【0036】
なお、読取位置設定部125は、ミラー26を初期読取位置RP1から上流側へスライドさせるに際し、スライド量を順次増大させてもよい。また、読取位置設定部125は、上記手法に代えて、特開2000−19814号公報又は特開2000−310820号公報に開示されている手法を用いて、付着物Fの検出及びスライド量の決定を行っても良い。
【0037】
ずれ量特定部126は、図2に示すように、読取位置設定部125により設定された実原稿読取位置RP3の初期読取位置RP1に対する距離Dを求め、求めた距離Dを、最上流読取位置RP2と初期読取位置RP1との距離Eから差し引き、最上流読取位置RP2に対する実原稿読取位置RP3のずれ量Zを特定する。なお、最上流読取位置RP2と初期読取位置RP1との距離Eは、固定値である。また、ずれ量特定部126は、モータ128に出力したパルス信号のパルス数から距離Dを特定する。
【0038】
図3に示す搬送遅延時間算出部127は、ずれ量特定部126で特定されたずれ量Zを、原稿Pの搬送速度cで除し、原稿Pの先端が最上流読取位置RP2に到達してから、実原稿読取位置RP3に到達するまでの時間(搬送遅延時間)を求める。
【0039】
ASIC122は、搬送遅延時間算出部127により求められた搬送遅延時間だけ原稿Pの読取開始の指示を遅延させてA/D121に出力し、イメージセンサ30に原稿Pの読取開始を指示する。なお、ASIC122は、本体装置130のCPU131から出力される原稿読取信号を、ラインL6、CPU123、ラインL5、セレクタ124、及びラインL3を介して受信して、受信した原稿読取信号に従ってイメージセンサ30に原稿Pを読取らせることも可能であるが、本実施の形態では、ASIC122は、原稿搬送装置110のCPU112から出力される原稿読取信号に従ってイメージセンサ30に原稿Pを読取らせるものとする。
【0040】
また、ASIC122は、A/D121から出力された原稿Pの画像データに対してシェーディング補正等の画像処理を施し、ASIC132に出力する。更に、ASIC122は、A/D121から原稿読取領域RDの画像データを受信した場合、この画像データをCPU123に出力する。
【0041】
セレクタ124は、CPU123からラインL2を介してセレクト信号を受信し、ASIC122をCPU112側に接続させる、又はASIC122をCPU123側に接続させる。なお、本実施の形態では、ASIC122は、CPU112からの原稿読取信号を受信して動作するため、セレクタ124は、ASIC122をCPU112側に接続させている。
【0042】
CPU131は、本体装置130の全体制御を司る。ASIC132は、CPU131の制御の下、ASIC122から出力された画像データに対して所定の画像処理を行い、印刷部133に出力する。印刷部133は、図1に示す転写ローラ203、感光体ドラム204、露光装置205、及び現像装置206を備え、ASIC132から出力された画像データを記録紙に印刷する。
【0043】
次に、図4に示すフローチャートを用いて、本画像形成装置の画像データの読取り時の動作について説明する。まず、原稿Pの搬送に先立って、ずれ量特定部126は、図2に示す初期読取位置RP1に対する実原稿読取位置RP3の距離Dを求め、求めた距離Dを距離Eから差し引きずれ量Zを特定する(ステップS1)。次に、搬送遅延時間算出部127は、ステップS1で特定されたずれ量Zを原稿Pの搬送速度cで除し、搬送遅延時間を算出する(ステップS2)。
【0044】
次に、原稿載置部21に原稿Pが載置され、ユーザによりスタートボタン402が押されると、原稿搬送装置110のCPU111は、給紙ローラ対22及びレジストローラ対23に、原稿Pを一定の搬送速度cで搬送させる(ステップS11)。
【0045】
次に、センサ24が給紙ローラ対22及びレジストローラ対23により搬送される原稿Pの先端を検出すると、読取信号送信部113は、原稿Pの先端がセンサ24を通過してから、最上流読取位置RP2に到達するまでの所定時間が経過したときに、原稿読取信号を立ち上げ、原稿読取装置に原稿Pの読取り開始を指示する(ステップS12)。
【0046】
次に、ASIC122は、原稿Pの読取開始の指示を、セレクタ124を介して受信する(ステップS3)。次に、ASIC122は、原稿Pの読取開始の指示を受け付けてから、ステップS2により算出された搬送遅延時間が経過したか否かを判定し(ステップS4)、搬送遅延時間が経過したとき(ステップS4でYES)、原稿Pの読取開始の指示をA/D121を介してイメージセンサ30に出力し、イメージセンサ30に原稿Pの読取を開始させる(ステップS5)。一方、ASIC122は、読取信号送信部113から原稿Pの読取開始の指示を受け付けてから、搬送遅延時間が経過していないとき(ステップS4でNO)、処理をステップS4に戻す。すなわち、ASIC122は、読取信号送信部113から出力される原稿読取信号を、搬送遅延時間だけ遅延させて、A/D121に出力する。
【0047】
図5は、原稿読取信号のタイミングチャートを示し、(a)は読取信号送信部113が出力する原稿読取信号を示し、(b)〜(e)は、ASIC122が出力する原稿読取信号を示し、(b)は図2に示す距離Dが0ライン分に相当する場合を示し、(c)は距離Dが24ライン分に相当する場合を示し、(d)は距離Dが48ライン分に相当する場合を示し、(e)は距離Dが120ライン分に相当する場合を示している。
【0048】
読取信号送信部113は、実原稿読取位置RP3が、最上流読取位置RP2に設定されていると仮定して、原稿Pの読取開始を指示している。ここで、最上流読取位置RP2から初期読取位置RP1までの距離Dは、画像の副走査方向の例えば120ライン分に相当する長さを有しているとする。
【0049】
距離Dが0ライン分である場合、すなわち、実原稿読取位置RP3が初期読取位置RP1に設定されている場合、搬送遅延時間算出部127は、原稿Pの先端が最上流読取位置RP2に到達してから(時刻TM1)、120ライン分に相当する距離だけ搬送されるまでの時間を、搬送遅延時間として算出する。そのため、ASIC122は、(b)に示すように、時刻TM1から原稿Pが120ライン分搬送されたとき(時刻TM2)、原稿Pの読取開始の指示をA/D121に出力し、イメージセンサ30に原稿Pの読取を開始させる。その結果、イメージセンサ30は、原稿Pの先端が初期読取位置RP1に到達したときに、原稿Pの読取を開始することができる。
【0050】
また、距離Dが24ライン分である場合、すなわち、実原稿読取位置RP3が初期読取位置RP1から24ライン分上流側に設定されている場合、搬送遅延時間算出部127は、原稿Pの先端が最上流読取位置RP2に到達してから(時刻TM1)、96(=120−24)ライン分搬送されるまでの時間を搬送遅延時間として算出する。そのため、ASIC122は、(c)に示すように、時刻TM1から原稿Pが96ライン分搬送されたとき(時刻TM3)、原稿Pの読取開始の指示をA/D121に出力し、イメージセンサ30に原稿Pの読取を開始させる。その結果、イメージセンサ30は、原稿Pの先端が実原稿読取位置RP3に到達したときに、原稿Pの読取を開始することができる。
【0051】
更に、距離Dが48ライン分である場合、すなわち、実原稿読取位置RP3が初期読取位置RP1から48ライン分上流側に設定されている場合、搬送遅延時間算出部127は、原稿Pが最上流読取位置RP2に到達してから(時刻TM1)、72(=120−48)ライン分搬送されるまでの時間を搬送遅延時間として算出する。そのため、ASIC122は、(d)に示すように、時刻TM1から原稿Pの先端が72ライン分搬送されたとき(時刻TM4)、原稿Pの読取開始の指示をA/D121に出力し、イメージセンサ30に原稿Pの読取を開始させる。その結果、イメージセンサ30は、原稿Pの先端が実原稿読取位置RP3に到達したときに、原稿Pの読取を開始することができる。
【0052】
更に、距離Dが120ライン分である場合、すなわち、実原稿読取位置RP3が最上流読取位置RP2に設定されている場合、搬送遅延時間算出部127は、搬送遅延時間を0として算出する。そのため、ASIC122は、(e)に示すように、原稿読取信号を遅延させることなくA/D121に出力し、イメージセンサ30に原稿Pの読取を開始させる。その結果、イメージセンサ30は、原稿Pの先端が最上流読取位置RP2に到達したときに、原稿Pの読取を開始することができる。
【0053】
このように、距離Dが増大するにつれて、イメージセンサ30による原稿Pの読取タイミングが早められ、イメージセンサ30は、原稿Pの先端が実原稿読取位置RP3に到達したとき、原稿Pの読取を開始することができる。
【0054】
図4に示すステップS13において、センサ24が原稿Pの後端を検出すると、読取信号送信部113は、原稿読取信号を立ち下げ、原稿読取装置120に原稿Pの読取終了を指示する。次に、ASIC122は、原稿Pの読取終了の指示をセレクタ124を介して受け付ける(ステップS6)。次に、ASIC122は、原稿P読取終了の指示を受け付けてから、ステップS2で算出された搬送遅延時間が経過したか否かを判定し(ステップS7)、搬送遅延時間が経過した場合(ステップS7でYES)、処理をステップS8に進め、搬送遅延時間が経過していない場合(ステップS7でNO)、処理をステップS7に戻す。
【0055】
次に、ASIC122は、A/D121を介してイメージセンサ30に原稿Pの読取終了の指示を出力し、イメージセンサ30に原稿Pの読取を終了させる(ステップS8)。すなわち、ASIC122は、読取信号送信部113から出力される原稿Pの読取終了の指示を、搬送遅延時間算出部127で算出された搬送遅延時間だけ遅延させてA/D121に出力する。
【0056】
以上説明したように、本画像形成装置によれば、読取位置設定部125は、付着物Fが付着していないコンタクトガラス31の位置に実原稿読取位置RP3を設定する。そして、ずれ量特定部126は、最上流読取位置RP2に対する実原稿読取位置RP3のずれ量Zを特定する。そして、搬送遅延時間算出部127は、ずれ量Zを用いて、原稿Pの先端が最上流読取位置RP2に到達してから、実原稿読取位置RP3に到達するまでの搬送遅延時間を求める。そして、原稿搬送装置110は、原稿読取位置が位置P3に設定されていると仮定して、原稿Pが最上流読取位置RP2に到達したとき、原稿読取信号を立ち上げ、原稿Pの読取開始の指示をASIC122に出力し、ASIC122は、原稿Pの読取開始の指示を搬送遅延時間だけ遅延させて出力する。
【0057】
そのため、原稿搬送装置110は、原稿読取装置120に原稿Pの読取開始の指示のタイミングを通知するだけで、実原稿読取位置RP3に原稿Pの先端が到達したときに、イメージセンサ30に原稿Pの読取を開始させることができる。そのため、原稿搬送装置110と原稿読取装置120との間で種々のデータを送受信することなく、イメージセンサ30に原稿Pを正確に読取らせることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施の形態による画像形成装置の全体構成図を示している。
【図2】図1に示す原稿読取領域付近の拡大図である。
【図3】画像形成装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【図4】本画像形成装置の画像データの読取り時の動作を示すフローチャートである。
【図5】原稿読取信号のタイミングチャートを示している。
【符号の説明】
【0059】
110 原稿搬送装置
111 モータ
112 CPU
113 読取信号送信部
120 原稿読取装置
121 A/D
122 ASIC
123 CPU
124 セレクタ
125 読取位置設定部
126 ずれ量特定部
127 搬送遅延時間算出部
128 モータ
130 本体装置
131 CPU
132 ASIC
133 印刷部
D 距離
Z ずれ量
RD 原稿読取領域
RP1 初期読取位置
RP2 最上流読取位置
RP3 実原稿読取位置
【出願人】 【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラミタ株式会社
【出願日】 平成18年8月10日(2006.8.10)
【代理人】 【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司

【識別番号】100096150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 孝夫

【識別番号】100099955
【弁理士】
【氏名又は名称】樋口 次郎


【公開番号】 特開2008−47952(P2008−47952A)
【公開日】 平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願番号】 特願2006−218606(P2006−218606)