| 【発明の名称】 |
画像処理装置および画像処理方法および画像処理プログラム |
| 【発明者】 |
【氏名】諏訪 徹哉
【氏名】後藤 文孝
【氏名】橋井 雄介
【氏名】後藤 史博
【氏名】加藤 真夫
【氏名】矢野 健太郎
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| 【要約】 |
【課題】文字のエッジ部にあるグレーの濃度が、インク使用量が多い濃度であれば、画像補正により文字のエッジ部のグレーを白色側へ変更し、インクのにじみによる文字細部のつぶれを防止する。
【構成】少なくとも1色の信号と複数の画素で構成される画像の画像処理装置において、補正処理後の濃度を取得する補正濃度取得手段と、前記補正濃度取得手段により取得した濃度値から、補正係数を変更する補正係数変更手段と、前記補正係数変更手段によりを変更された補正係数により補正を行う画像補正手段と、前記画像補正手段により補正された画像に対し、記録処理を実行する画像記録処理手段とを有し、記録装置特性によるエッジ部の再現劣化を低減する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも1色の信号と複数の画素で構成される画像の画像処理装置において、 補正処理後の濃度を取得する補正濃度取得手段と、 前記補正濃度取得手段により取得した濃度値から、補正係数を変更する補正係数変更手段と、 前記補正係数変更手段で変更された補正係数により補正を行う画像補正手段と、 前記画像補正手段により補正された画像に対し、記録処理を実行する画像記録処理手段と、 を有することを特徴とする画像処理装置。 【請求項2】 前記補正濃度取得手段は、対象画素の周囲の領域から選択した画素の濃度を取得する手段であることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 【請求項3】 前記補正濃度取得手段は、対象画素の周囲の領域から、エッジ方向を検出するエッジ検出手段と、前記エッジ検出手段により検出されたエッジ方向から選択した画素の濃度を取得する手段であることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 【請求項4】 前記補正係数変更手段とは、異なる濃度におけるにじみ率に基づき、補正係数を変更することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 【請求項5】 前記補正係数変更手段とは、異なる濃度におけるにじみ率と、入力画像を出力画像サイズに変更する変倍率との関係から補正係数を求め、変更することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 【請求項6】 画像補正とは置換処理であることを特徴とする請求項1〜5に記載の画像処理装置。 【請求項7】 前記補正係数変更手段により変更された補正係数により、置換処理における置換対象画素を変更することを特徴とする請求項1〜5に記載の画像処理装置。 【請求項8】 少なくとも1色の信号と複数の画素で構成される画像の画像処理装置において、 該信号の値から、使用するインク色を決定するインク色判定処理手段と、 補正処理後の濃度を取得する補正濃度取得手段と、 前記インク色判定処理手段により判定された使用インク情報と、前記補正濃度取得手段により取得した濃度値から、補正係数を変更する補正係数変更手段と、 前記補正係数変更手段で変更された補正係数により補正を行う画像補正手段と、 前記画像補正手段により補正された画像に対し、記録処理を実行する画像記録処理手段と、 を有する画像処理装置。 【請求項9】 前記インク色判定処理手段は、対象画素を含む主走査方向の一定領域が、無彩色の画素のみと判断できるか否かを判別し、該判定が無彩色である場合は黒インクのみを使用し、そうでない場合はカラーインクのみ、もしくは黒インクとカラーインクの混合で使用すると判定することを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。 【請求項10】 前記補正係数変更手段とは、前記インク色判定処理手段により判定された使用インクにおけるにじみ率に基づき、補正係数を変更することを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。 【請求項11】 前記補正濃度取得手段は、対象画素の周囲の領域から選択した画素の濃度を取得する手段であることを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。 【請求項12】 前記補正濃度取得手段は、対象画素の周囲の領域から、エッジ方向を検出するエッジ検出手段と、前記エッジ検出手段により検出されたエッジ方向から選択した画素の濃度を取得する手段であることを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。 【請求項13】 前記補正係数変更手段とは、前記インク色判定処理手段により判定された使用インクにおけるにじみ率と、異なる濃度におけるにじみ率に基づき、補正係数を変更することを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。 【請求項14】 前記補正係数変更手段とは、前記インク色判定処理手段により判定された使用インクにおけるにじみ率と、異なる濃度におけるにじみ率と、入力画像を出力画像サイズに変更する変倍率との関係から補正係数を求め、変更することを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。 【請求項15】 画像補正とは置換処理であることを特徴とする請求項8〜14に記載の画像処理装置。 【請求項16】 前記補正係数変更手段により変更された補正係数により、置換処理における置換対象画素を変更することを特徴とする請求項8〜15に記載の画像処理装置。 【請求項17】 少なくとも1色の信号と複数の画素で構成される画像の画像処理方法において、 補正処理後の濃度を取得する補正濃度取得工程と、 前記補正濃度取得工程により取得した濃度値から、補正係数を変更する補正係数変更工程と、 前記補正係数変更工程で変更された補正係数により補正を行う画像補正工程と、前記画像補正工程により補正された画像に対し、記録処理を実行する画像記録処理工程と、 を有することを特徴とする画像処理方法。 【請求項18】 前記補正濃度取得工程は、対象画素の周囲の領域から選択した画素の濃度を取得する工程であることを特徴とする請求項17に記載の画像処理方法。 【請求項19】 前記補正濃度取得工程は、対象画素の周囲の領域から、エッジ方向を検出するエッジ検出工程と、前記エッジ検出工程により検出されたエッジ方向から選択した画素の濃度を取得する工程であることを特徴とする請求項17に記載の画像処理方法。 【請求項20】 前記補正係数変更工程とは、異なる濃度におけるにじみ率に基づき、補正係数を変更することを特徴とする請求項17に記載の画像処理方法。 【請求項21】 前記補正係数変更工程とは、異なる濃度におけるにじみ率と、入力画像を出力画像サイズに変更する変倍率との関係から補正係数を求め、変更することを特徴とする請求項17に記載の画像処理装置。 【請求項22】 画像補正とは置換処理であることを特徴とする請求項17〜21に記載の画像処理方法。 【請求項23】 前記補正係数変更工程により変更された補正係数により、置換処理における置換対象画素を変更することを特徴とする請求項17〜21に記載の画像処理方法。 【請求項24】 少なくとも1色の信号と複数の画素で構成される画像の画像処理方法において、 該信号の値から、使用するインク色を決定するインク色判定処理工程と、 補正処理後の濃度を取得する補正濃度取得工程と、 前記インク色判定処理工程により判定された使用インク情報と、前記補正濃度取得工程により取得した濃度値から、補正係数を変更する補正係数変更工程と、 前記補正係数変更工程で変更された補正係数により補正を行う画像補正工程と、前記画像補正工程により補正された画像に対し、記録処理を実行する画像記録処理工程と、 を有することを特徴とする画像処理方法。 【請求項25】 請求項17〜24のいずれか1項の方法をコンピュータに実行させる画像処理プログラム。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、デジタル化された画像データに対し、画像補正を施し、記録する画像処理装置に関する。 【背景技術】 【0002】 画像複写装置は、入力装置部と出力装置部で構成される。入力装置部であるスキャナで光学的に入力原稿の読取りを行い、それに対し所定の画像処理を施した後、出力装置部で所定の記録方法により、印刷が実行される。 【0003】 スキャナで光学的に読み取った画像(多値データ)のエッジ(輪郭)部は、原稿画像のエッジ部に比べて濃度変化がなだらかになり、そのまま記録媒体上に印刷を施すとシャープ感が損なわれた画像になっていた。 【0004】 その問題に対して、従来、注目点における画像信号の分布形状が、上方に凸である場合には注目点における画像信号より大きな画像強調信号へ変換し、下方に凸である場合には注目点における画像信号より小さな画像強調信号へ変換する技術があった。そして、上方に凸でもなく下方に凸でもない場合、元の画像信号若しくはアンシャープ信号に置換した信号に変換する技術があった(例えば特許文献1)。 【0005】 また、画像の注目画素と前記注目画素に隣接する画素とを用いて生成した置換画素値で、前記注目画素の値を置き換える技術があった(例えば特許文献2)。 【0006】 さらに、前述のシャープ感だけではなく、縮小時のドット抜けや細線が消える不具合に対して、データ入力装置もしくは出力装置の解像度を変更することで、不具合を回避する方法がある(例えば特許文献3)。 【0007】 また、画像の変倍率と輪郭の幅を自由に調整できるようにした技術がある(例えば特許文献4)。これは例えば、使用者が拡大や縮小をした場合に、輪郭の幅を変更するで、変倍によるエッジ部の画像に不具合が発生することを抑制するのに効果的である。 【特許文献1】特許02620368号公報 【特許文献2】特開平07−288768号公報 【特許文献3】特開2004−056252号公報 【特許文献4】特開平10−200733号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0008】 しかしながら、上述の方法によりエッジ強調を行うことで必ずしも出力画像品位が向上するわけではない。 【0009】 太い文字の例を図12に示す。図の左側が原稿であり、エッジ部にボケがある。これを読み込み、ボケ部分の画素に対してエッジ強調を行った画像を、記録装置によりに出力した画像が図の右側である。右側の図では、記録出力された文字の細部が潰れ、判読性が悪くなっている。この問題は、文字の種類として太い文字を読んだ場合や、文字が複雑な漢字の原稿において顕著に表れる。 【0010】 また、昨今普及を始めている記録方式がインクジェットプリンタにおいては、さらにインクのにじみが発生するため、問題は深刻である。インクのにじみは、インクの特性、記録媒体の特性に左右されるため、同じプリンタ装置を用いても、インクや記録媒体の違い、さらにはその組み合わせで変わってくる。よって、その組み合わせにおいて、事前ににじみ率を考慮し、補正を行う方法もあるが、それだけでは不十分な場合が存在する。 【0011】 インクジェット記録方式は高画質化に伴い、多色化が図られた。その結果、現在では黒インクなどの単一のインクのみを搭載するケースは少なくなり、一つのドキュメントを複写する際でも、何種類かのインクを使用するのが一般的である。これはモノクロコピーもしくはモノクロ原稿を複写する際にも当てはまることで、結果としてモノクロ印刷物が得られるが、カラーインクを組み合わせた所謂プロセスカラーで記録される場合も珍しくない。 【0012】 図13に、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色のインクを使用したグレーラインのインク使用の一例を示すが、ハイライト部分は粒状感の低減やグレー色の色相調整のために、シアン、マゼンタ、イエローの3色で構成され、徐々に黒インクが使用されていることが分かる。また、合わせてインク総量も示してあるが、これは紙面上に塗布されるインクの液量を表している。インク総量は、ハイライトから濃度が濃くなるにつれ増加をしていき、黒インクへと置き換わり始めると減少する。図14は、このインク使用方法で細線グレーのグラデーションを記録した図である。インク総量の増加と連動し、細線のにじみが中間(濃度192付近)で顕著になっていることが分かる。つまり、インクと記録媒体の組み合わせのみで、にじみ率の補正を行っても、インク総量が考慮されていなかったので、必ずしも好ましいエッジ強調が実現出来るとは限らない。特に、スキャナで読み込んだ場合では、原稿が網点方式であったり、原稿の紙厚に比べ照射光量過多による透過があったりし、画像の濃度低下が発生することがある。その場合、文字部がちょうどインク総量の多い、にじみ率の高い濃度になってしまうと、記録された文字の判読性が悪くなる問題が発生する。さらに、それが縮小コピーの場合、出力物ではより判読性が低下し深刻な結果となってしまう。 【0013】 また、インクジェット記録デバイスでは、黒インクを吐出するノズル数をカラーよりも多くしておき、モノクロ印刷で該ノズルを使用して高速化を図ることも実現されている。その場合、カラー印刷であっても、図15に示すような、読み込んだ画像を主走査方向のある領域(バンドと呼ぶ)で判定を行い、モノクロのバンドと判定された場合は黒インクのみ、そうでない場合は通常のカラー、もしくはカラーと黒インクの組み合わせで記録を行う方法もある。この処理のおいては、濃度によるにじみ率補正のほかに、バンド毎の判定結果に応じた使用インクのにじみ率を考慮しなくてはならない。 【0014】 上記の従来の技術では、こうした記録装置の特性による問題に対する課題解決は触れられていない。また、その他の文献においても、こうしたインク使用方法によるエッジ劣化防止については開示がない。 【課題を解決するための手段】 【0015】 本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、 少なくとも1色の信号と複数の画素で構成される画像の画像処理装置において、 補正処理後の濃度を取得する補正濃度取得手段と、 前記補正濃度取得手段により取得した濃度値から、補正係数を変更する補正係数変更手段と、 前記補正係数変更手段によりを変更された補正係数により補正を行う画像補正手段と、 前記画像補正手段により補正された画像に対し、記録処理を実行する画像記録処理手段と、 を有し、記録装置特性によるエッジ部の再現劣化を低減することを特徴とする。 【0016】 また、 少なくとも1色の信号と複数の画素で構成される画像の画像処理装置において、 該信号の値から、使用するインク色を決定するインク色判定処理手段と、 補正処理後の濃度を取得する補正濃度取得手段と、 前記インク色判定処理手段により判定された使用インク情報と、前記補正濃度取得手段により取得した濃度値から、補正係数を変更する補正係数変更手段と、 前記補正係数変更手段によりを変更された補正係数により補正を行う画像補正手段と、 前記画像補正手段により補正された画像に対し、記録処理を実行する画像記録処理手段と、 を有し、記録装置特性によるエッジ部の再現劣化を低減することを特徴とする。 【発明の効果】 【0017】 本発明によれば、上記の課題を解決し、インクジェット記録装置のインクのにじみを濃度毎に補正することで、より高精度の補正を実現し、良好なエッジ部の再現を可能にしている。 【0018】 また、高速化のために、モノクロ/カラー判定処理を実施し、使用インクの切り換えを行っている場合においても、それぞれのインクで適正な補正処理を実現することが可能となる。 【0019】 さらに、縮小コピーなど変倍設定されている場合でも、縮小による文字のつぶれを抑制することを可能としている。その結果、より高い文字の再現性、判読性を使用者に提供することを可能にしている。 【発明を実施するための最良の形態】 【0020】 以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。 【0021】 本発明の実施の形態の説明では、マルチファンクションプリンタ装置のコピー機能を例にとって説明するが、これに限らずコンピュータ装置(以下、PC)から送出されたデータをマルチファンクションプリンタ装置、または、プリンタ装置で印字する場合でも実施できる。 【0022】 <MFP装置> 図1発明の実施の形態に係るマルチファンクションプリンタ装置(以下、MFP装置)1の概観斜視図である。このMFP装置1は、ホストコンピュータ(PC)からデータを受信して印刷する通常のPCプリンタとしての機能、スキャナとしての機能を有し、さらにはMFP装置単体で動作する機能として、スキャナで読取った画像をプリンタで印刷するコピー機能、メモリカードなどの記憶媒体に記憶されている画像データを直接読取って印刷する機能、或いはデジタルカメラからの画像データを受信して印刷する機能を備えている。 【0023】 図1において、MFP装置1はフラットベットスキャナなどの読取装置34、インクジェット式や電子写真式などによる印刷装置33、および表示パネル39や各種キースイッチ等を備える操作パネル35により構成されている。また、MFP装置1の背面にはPCと通信するためのUSBポート(不図示)が設けられ、PCとの通信が行われる。上記の構成に加え各種メモリカードからデータを読み出すためのカードスロット42やデジタルカメラとデータ通信を行うためのカメラポート43、自動で原稿を原稿台にセットするためのオートドキュメントフィーダー(以下ADF)31などからMFP装置1は構成されている。 【0024】 図2において、CPU11は、画像処理装置が備える様々な機能を制御し、操作部15の所定の操作に従い、ROM16に記憶された画像処理のプログラムを実行する。 【0025】 CCDを備える読取部14は、図1の読取装置34に対応し、原稿画像を読取り、赤(R)、緑(G)および青(B)色のアナログ輝度データを出力する。なお、読取部14は、CCDの代わりに密着型イメージセンサ(CIS)を備えてもよい。また、図1のようなADF31を備えれば、連続でオーダーシートを読取る事が出来更に簡便である。 【0026】 また、カードインターフェイス22も図1のカードスロット42に対応し、例えばディジタルスチルカメラ(Digital Still Camere 以下DSC)で撮影され、メモリカードなどに記録された画像データを、操作部15の所定の操作に従い読み込む。なお、カードインターフェイス22を介して読み込まれた画像データの色空間は、必要ならば、画像処理部12により、DSCの色空間(例えばYCbCr)から標準的なRGB色空間(例えばNTSC−RGBやsRGB)に変換される。また、そのヘッダ情報に基づき、読み込まれた画像データは、有効な画素数への解像度変換など、アプリケーションに必要な様々な処理が必要に応じて施される。 【0027】 また、カメラインターフェイス23も図1のカメラポート43に対応し、DSCに直接接続して画像データを読み込むためのものである。 【0028】 画像処理部12においては、後述する読取り信号値の画像変換、画像の補正・加工処理、輝度信号(RGB)から濃度信号(CMYK)への変換、スケーリング、ガンマ変換、誤差拡散等の画像処理が行われ、それによって得られるデータは、RAM17に格納される。そして、RAM17に格納された補正データが、図1の印刷装置33に対応する記録部13で記録するのに必要な所定量に達すると、記録部13による記録動作が実行される。 【0029】 また、不揮発性RAM18は、バッテリバックアップされたSRAMなどで、画像処理装置に固有のデータなどを記憶する。また、操作部15は、図1の操作パネル35に相当し、記憶媒体(メモリカード)に記憶された画像データを選択し、記録をスタートするためのフォトダイレクトプリントスタートキー、オーダーシートをプリントさせるキー、オーダーシートを読み込ますキー、モノクロコピー時やカラーコピー時におけるコピースタートキー、コピー解像度や画質などのモードを指定するモードキー、コピー動作などを停止するためのストップキー、並びに、コピー数を入力するテンキーや登録キーなどから構成される。CPU11は、これらキーの押下状態を検出し、その状態に応じて各部を制御する。 【0030】 表示部19は図1の表示パネル39に対応し、ドットマトリクスタイプの液晶表示部(LCD)およびLCDドライバを備え、CPU11の制御に基づき各種表示を行う。また、記憶媒体に記録されていた画像データのサムネイルを表示する。記録部13は図1の印刷装置33に対応し、インクジェット方式のインクジェットヘッド、汎用ICなどによって構成され、CPU11の制御により、RAM17に格納されている記録データを読み出し、ハードコピーとしてプリント出力する。 【0031】 駆動部21は、上述した読取部14および記録部13それぞれの動作における、給排紙ローラを駆動するためのステッピングモータ、ステッピングモータの駆動力を伝達するギヤ、および、ステッピングモータを制御するドライバ回路などから構成される。 【0032】 センサ部20は、記録紙幅センサ、記録紙有無センサ、原稿幅センサ、原稿有無センサおよび記録媒体検知センサなどから構成される。CPU11は、これらセンサから得られる情報に基づき、原稿および記録紙の状態を検知する。 【0033】 PCインターフェイス24はPCとMFP装置1とのインターフェイスであり、MFP装置はPCインターフェイス24を介してPCからのプリント、スキャンなどの動作を行う。 【0034】 コピー動作時は、読取装置34で読取った画像データをMFP装置内部でデータ処理し、印刷装置33で印刷する。 【0035】 操作部15により、コピー動作が指示されると、読取部14は原稿台に置かれた原稿を読取る。読取られたデータは画像処理部12に送られ、後述する画像処理が施された後、記録部13に送られ印刷が行われる。 【0036】 <画像処理> 図3はコピー時に実行される画像処理のフロー図である。以下、各ステップについて説明を記述するが、本提案の本質でない処理方法の詳細は割愛する。 【0037】 読取部14で読取られAD変換されたデータは、STEP301により撮像素子のばらつきを補正するシェーディング補正が施される。 【0038】 その後、STEP302で、入力デバイス変換が行われる。これによりデバイス固有であった信号データが、IEC(国際電気標準会議;International Electrotechnical Commission)により定められたsRGBやAdobe Systems社により提唱されているAdobeRGBなど、標準的な色空間領域へと変換される。変換方法は、3x3や3x9のマトリクスによる演算方式や、変換規則を記載したテーブルを参照し、それに基づいて決定するルックアップテーブル方式などが挙げられる。 【0039】 変換されたデータは、STEP303において、補正・加工の処理が施される。処理内容としては、読取りによるボケを補正するエッジ強調処理や、文字の判読性を向上させる文字加工処理、光照射による読取りで発生した裏写りを除去する処理などが挙げられる。本提案の特徴となる処理は、このステップで実行するのが望ましい。 【0040】 STEP304では、拡大縮小処理が実行され、ユーザーにより変倍指定がされている場合や、2枚の原稿を一枚の紙に割り当てる割付けコピーなどで、所望の倍率に変換される。変換方法は、バイキュービックやニアレストネイバーなどの方法が一般的である。 【0041】 STEP305では、標準色な色空間上のデータを、出力デバイスに固有の信号データへと変換する。本実施例では、インクジェット方式のMFP装置であり、この場合は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックなどのインク色データへの変換処理が実行される。この変換もSTEP302と同様の方式を用いればよい。 【0042】 さらに、STEP306において、記録可能なレベル数への変換が行われる。例えば、インクドットを打つ/打たないの2値で表現する場合あれば、誤差拡散などの量子化方法において、2値化すればよい。これによりプリンタが記録可能なデータ形式となり、それに基づいて記録動作が実行され、画像が形成される。 【0043】 <処理単位> 図4(a)は本提案の特徴となる処理を実施する際の処理単位を説明する図である。 【0044】 図4(a)の○印の画素を注目画素(処理対象画素)とすると、図4(a)の太線のように注目画素を含む7×7画素で構成される領域(7×7領域)を設定する。この設定した7×7領域内の画像信号を用いて注目画素に対する画像処理を実行する。注目画素の処理が実行された後は、例えば図4(b)の×印の画素のように注目画素に隣接する画素を次の注目画素と設定し、前記説明したように7×7領域を設定して画像処理を実行する。以降、同様に順次注目画素を1画素ずつ移動し、その都度7×7領域を設定することによって対象の画素全てを補正する。 【0045】 図5は処理単位の移動フローを説明する図である。STEP501は処理対象設定である。START直後は、最初の処理対象を設定する。STEP503からSTEP501に戻った場合は、次の処理対象を設定する。 【0046】 STEP502は画像処理実行部である。詳細は後述するが、前記説明したように処理単位を含む複数画素(前記説明では7×7領域)を設定し、本明細書の特徴となる画像処理を実行する。 【0047】 STEP503は最終補正対象判定である。処理単位が最後の処理単位であるか否かを判定する。最後の処理単位でなければ(NO)STEP501に戻る。最後の処理単位であれば(YES)ENDとなる。 【0048】 図1で説明した読取装置34と図2の読取部14で使用されているCCDまたはCISの撮像素子は、必ずしも1画素が原稿の1画素相当を読むとは限らない。本実施例では、原稿のおよそ6画素範囲を読み取る場合を想定している。尚、6画素と言っても、原稿台からの原稿の浮きや原稿の凹凸等によって、撮像素子に入射する原稿からの反射光は種々の影響を受ける。その為、実際には6画素を超える範囲を読み取る場合もある。つまり、原稿の1画素の反射光が複数の撮像素子に影響を及ぼし、これが背景技術で述べたエッジのボケを発生し、シャープ感を劣化させている。本実施例では、およそ6画素の読み取り範囲ということから、7x7の参照領域を利用する。尚、参照領域は、原稿画像1画素が影響する撮像素子の画素数や、スポット径、ボケ画素数、MTF等の撮像素子の性能に応じて適宜設定すればよい。 【0049】 <言葉の定義> ここで、以下の実施例で説明するにあたり、言葉の定義と限定について以下に記載する。 【0050】 変動情報とは、注目する領域内の輝度変化の状態を示すものであり、下記で説明する変動回数と変動量で表される。 【0051】 変動回数とは、領域内の輝度変化における信号値増減の符号変化数(ゼロ交差点数)として説明するが、これに限定されるものではなく、注目する領域内の画像信号に関連する値の1次微分の零交差点数や空間周波数、2値化後の黒白の変化数等、画像信号に関連する値の変化の頻度を表現する値であると定義する。 【0052】 変動量とは、注目する画素に対する輝度の差の絶対値(エッジ量)として説明するが、これに限定されるものではなく、注目する画素の画像信号に関連する値の1次微分の絶対値等、変化の差分(大きさ)を表現する値、または注目する領域内の画像信号に関連する値の変化の差分(大きさ)を代表して表現する値であると定義する。 【0053】 変動加速度とは、以下の実施例では注目する領域内の輝度の差からさらに差をとった値として説明するが、これに限定されるものではなく、注目する領域内の画像信号に関連する値の2次微分等、変化の加速度を表現する値であると定義する。 【0054】 適応的に補正強度を設定するとは、前記定義した変動回数、変動量、変動加速度、彩度の夫々取り得る値領域の内、夫々少なくとも一部の値領域において、夫々の値毎に異なる補正強度を設定することであると定義する。 【0055】 以下、実施例の詳細を説明する。尚、画像信号の取り得る範囲を0〜255を例に説明するが、画像信号の範囲はこれに限るものではなく、MFP装置、画像処理に適するよう設定すればよい。 【0056】 <実施形態1> 実施形態1は、上記課題を解決し、濃度毎のにじみ率を考慮し、エッジ劣化の抑制をする例について説明する。 【0057】 本実施形態1は、インク総量が多い色で記録された場合、インクのにじみが大きくなり、エッジ部がつぶれ、画像が劣化するので、それを防止するための制御を行う。 【0058】 エッジ劣化防止制御として考えられるのは、一旦、エッジ強調補正を行った後の画素の輝度に対応する濃度を求め、インク総量の多い濃度近傍ではインク総量が少ない濃度になるようにエッジ強調補正を演算しなおす方法である。しかし、この制御では、エッジ強調補正の演算をやり直す必要があるため、演算量が増加し、エッジ強調補正にかかる時間が増加する。そこで、本実施例では、エッジ強調補正後の画素濃度を直接演算する代わりに、注目画素を中心とした所定範囲の画素の中でエッジ方向に並ぶ画素の最大輝度値と最小輝度値を求め、最小輝度値を、近似的にエッジ強調補正後の画素の輝度としている。そして、最小輝度値がインク総量の多くなる濃度に相当する輝度近傍であれば、エッジ強調補正時に注目画素が最大輝度値側へ補正されるようにエッジ強調の条件を変えている。 【0059】 以下の説明は、そのエッジ強調補正とエッジ劣化抑制制御を持つフローチャートについての説明である。しかし、演算量の増加を気にしないのであれば、一旦、エッジ強調補正を行った後の画素の輝度に対応する濃度を求め、インク総量の多い濃度近傍ではインク総量が少ない濃度になるようにエッジ強調補正を演算し直してもよい。 【0060】 図16に本実施例におけるローチャートを示す。以下、フローチャート記載のステップに沿って説明を進める。 【0061】 <STEP1601:処理領域設定> RGBの多値の画像信号で構成される画像において、注目画素を中心とした横7画素、縦7画素で構成される7×7領域の処理領域を設定し、該処理領域の各画素値から式(1)に従って輝度Lを算出し、Lの7×7領域の処理領域を生成する。 L=(R+2×G+B)/4 ・・・式(1) 尚、本実施例は式(1)で算出した輝度Lを用いているが、別の輝度を適用してもよい。例えば、均等色空間L*a*b*のL*を輝度としてもよく、YCbCrのYを輝度としてもよい。 【0062】 図8(a1)は白背景中の黒縦線を横方向に読み取った際の輝度を示している。図8(a2)は白背景中の横方向に並んだ網点を横方向に読み取った際の輝度を示している。尚、説明を分かりやすくするために、図8では7画素でなく12画素としている。 【0063】 <STEP1602:4方向抽出> STEP1601で生成したLの処理領域から図9に示すように横1方向、縦1方向、斜2方向の合計4方向の各7画素を抽出する。 【0064】 <STEP1603:L差分算出> STEP1602で抽出した4方向のLから各方向5画素のLの差分Grdを図10と式(2)に示すように算出する。ここで、画素L(i)の前画素をL(i−1)と後画素をL(i+1)とする。 Grd(i)=L(i+1)−L(i−1) ・・・式(2) 尚、L差分の算出方法はこれに限らず、隣接同士の差分でもよく、前記説明した前後画素より更に離れた画素同士の差分でもよい。 【0065】 図8(b1)と図8(b2)は夫々図8(a1)と図8(a2)のLに対して式(2)を適用して求めたGrdを示している。 【0066】 <STEP1604:エッジ方向判定> STEP1603で算出した4方向のGrdにおいて、注目画素の4方向のGrd絶対値を求める。4方向のGrd絶対値の内、最大のGrd絶対値である方向を注目画素のエッジ方向と判定する。 【0067】 <STEP1605:変動量算出> STEP1604で判定したエッジ方向について、STEP1603で算出したエッジ方向のGrdの5画素から最大絶対値を注目画素の変動量(エッジ量)として算出する。変動量が大きい程強いエッジであり、変動量が弱い程平坦に近いことを示す。 【0068】 <STEP1606:変動回数算出> STEP1603で算出した4方向のGrdから4方向合計の変動回数を算出する。本実施例ではGrdの符号が+から−又は−から+に変化する回数、Grdの符号が+から0そして次の画素で−又は−から0そして次の画素で+に変化する回数を注目画素の変動回数(零交差点数)として算出する。 【0069】 <STEP1607:最大最小輝度位置判定> STEP1604で判定したエッジ方向について、STEP1602で抽出した4方向の内、エッジ方向のLの7画素から最大Lと最小Lの画素位置を判定する。 【0070】 <STEP1608:変動加速度算出> STEP1604で判定したエッジ方向について、STEP1603で算出したエッジ方向のGrdから3画素の変動加速度Lapを算出する。変動加速度の算出方法は式(3)である。但し、画素Grd(i)の前画素をGrd(i−1)と後画素Grd(i+1)とする。図8(c1)と図8(c2)は夫々図8(b1)と図8(b2)のGrdに対して式(3)を適用して求めたLapを示している。 Lap(i)=Grd(i+1)−Grd(i−1) ・・・式(3) 尚、変動加速度の算出方法はこれに限らず、Grdの隣接同士の差分でもよい。 【0071】 <STEP1609:濃度に基づく補正値設定> このステップでは、STEP1608において求められたLap(i)値を、記録後の濃度に基づき、変更することで、出力画像上でのエッジの再現性を高める処理を行う。補正の方法を式(4)に示す。STEP1608で求めたLap(i)の値から補正値BLURを減算することにより、Lap(i)を更新しLap´(i)とすることで実現している。ここで、補正値BLURは輝度に応じて予め決められた値であるため、以下では、BLUR(輝度)と記載する。本実施例において、夫々の輝度に応じたBLUR(輝度)の値は、テーブルに格納されている。 Lap’(i)=Lap(i)−BLUR(輝度) ・・・式(4) 以下、補正値BLUR(輝度)について説明する。尚、この補正値が大きな値であると、Lap´(i)は小さな値となるため、後述するSTEP1610において最小輝度側に補正されやすくなり、エッジ部分が白くなりやすくなる。 【0072】 ここで、本実施例の特徴について説明する。本実施例では、エッジ強調のために、後述するS1610で置換画素位置を判定しているが、この置換画素位置として最大Lか最小Lの画素を選択する。そして、S1610で最小Lが選択された場合において、後述のS1611〜S1613における強度設定により最も強く補正がかけられた場合、注目画素は最小Lの画素の値に置換される。図13を見ても分かるように本実施例では、インク総量が最大となる点は、濃度が高い側にある。言い換えれば、インク総量が最大となる点は、輝度が低い側である。そして、注目画素が最小Lの画素の値に置換され、かつ、最小Lがインク総量最大となる輝度であれば、注目画素は、にじみ率が大きいインク総量最大の濃度で記録される。同様に、置換画素位置が最小Lと判断され、かつ、最小Lがインク総量最大点近傍の輝度であり、かつ、S1611〜S1613における補正強度が最大に近い場合は、エッジ強調補正後の注目画素の値は最小L近傍の値となる。このことから、本実施例では、エッジ強調補正後の注目画素の輝度として、近似的に最小Lを用いる。即ち、本実施例において、エッジ強調補正後の注目画素の濃度を取得する方法とは、最小Lを求めることである。エッジ強調補正後の注目画素の濃度がインク総量最大点の近傍であれば、にじみ率が大きい濃度で記録されるが、これを防止するために、エッジ強調補正による置換画素位置を最大Lに変更し、注目画素が最大Lに置換されるようにする。このための処理が、S1608であり、BLUR(輝度)の値を図6の様に決めておくことにより実現できる。 【0073】 図6に補正値BLUR(輝度)のテーブルの一例を示す。グラフは横軸が輝度、縦軸が夫々の輝度に応じた補正値であるBLUR(輝度)の値となっている。尚、記録装置は従来技術で説明したシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色を搭載したインクジェット記録装置で、図13で説明したグレーラインの作り方を想定し、それに基づいたテーブル例となっている。ここで、グレーラインとは、図13の4色による混色で低濃度(白)から高濃度(黒)まで連続的に濃度を変化させて記録させるグレーの線(帯)のことである。STEP1607で取得するエッジ方向における最小Lが図6の横軸の輝度である。そして、図6中のA点のように、BLUR(輝度)の値が大きい輝度に対応する濃度は、後述するように、にじみ率が高い。即ち、インクのにじみ率が高い輝度では、補正値であるBLUR(輝度)の値を大きくしている。なぜならば、文字のエッジ部を記録することを考えた場合、STEP1607で判定した最小LがA点付近の輝度であれば、後述のSTEP1610で置換画素位置として最小Lの画素が選択されれば、補正後の画素は、にじみ率の高い付近の濃度で記録されることになり、エッジがぼやけて文字が潰れやすい。そこで、BLUR(輝度)を大きくすることにより、後述のSTEP1611により文字部のエッジ部分が白くなるように補正し、インクのにじみによる文字の劣化を防止する。 【0074】 BLUR(輝度)のテーブルの求め方は、図7(a)に示すような、細線のグレーグラデーションの画像を記録装置により出力し、図7(b)に示すような出力結果を得る。これをスキャニングし、デジタル値として取得して、中心の濃度値から一定比率減少した濃度となる点の距離分の画素数Nを得ればよい。本願では、この画素数Nのことをインクのにじみ率という。にじみが高い濃度の場合はNが大きくなり、にじみが低い場合は、Nが小さくなる。所定濃度毎のNの値を参照しながら、補正値BLUR(輝度)の設定をすればよい。 【0075】 また、補正値BLUR(輝度)のテーブルは予め複写装置のROMに格納しておいてもよいが、ユーザーインターフェースにより、使用者に図7のような所定のパターンを出力させ、スキャニングするよう導く形としてもよい。これにより記録装置のインク吐出のばらつきなども吸収することが出来、使用者により高画質な出力を提供することが可能となる。 【0076】 <STEP1610:置換画素位置判定> STEP1607で判定した最大Lと最小Lの画素位置と、STEP1609で算出した変動加速度Lap´から置換画素位置を判定する。図8の(c1)、(c2)のようにLapの符号が+の場合は注目画素のLは最大Lよりも最小Lに値の大きさが近く、Lapの符号が−の場合は注目画素のLは最小Lよりも最大Lに値の大きさが近い傾向がある。そこで、表1に示すようにLap´の符号に対して置換画素位置を判定することで、注目画素を適切な置換対象画素へ置換できる。 【0077】 本実施の形態では表1のように置換画素位置を判定するが、注目画素のLap’が0となるエッジ中心の扱いについては表1に限るものではなく、注目画素のLap’が0であれば、最大Lの画素位置にしてもよいし、また逆に最小Lの画素位置にしてもよい。また、エッジ方向の最大Lと最小Lの画素位置を使用したが、エッジを考慮せずに、対象画素周辺の最大Lと最小Lとしてもよい。 【0078】 【表1】
【0079】 <STEP1611:変動加速度絶対値に基づく置換強度設定> STEP1608で算出した変動加速度の絶対値に応じて適応的に置換強度Clを設定する。Clを変動加速度の絶対値によらず、Cl=1に設定することで、図19(c)を得ることができる。ただ、常にCl=1とするとジャギーが目立つ場合がある。そこで、ここではジャギーを抑えつつ、図19(b)よりもエッジを強調できる置換例を説明する。図20(a)はSTEP1611におけるCl設定を説明する図であり、横軸は変動加速度絶対値、縦軸はClを示している。エッジ中心付近である第9閾値より小さい変動加速度の場合は、置換しない為にClを0に設定する。エッジ中心付近を置換しないように設定するのはジャギー発生を目立たなくする目的である。エッジ中心から離れた第10閾値より大きい変動加速度絶対値の場合は、置換する為にClを1に設定する。第9閾値以上且つ第10閾値以下の変動加速絶対値の場合は、処理の切り換えを目立ち難くする為に変動加速度絶対値=第9閾値のときCl=0、変動加速度絶対値=第10閾値のときCl=1となるように変動加速度絶対値毎に異なるClを適応的に設定する。具体的には図20(a)の参照や以下の式(5)によって適応的に設定できる。 Cl=(変動加速度絶対値−第9閾値)/(第10閾値−第9閾値) ・・・式(5) 【0080】 <STEP1612:変動回数に基づく置換強度設定> STEP1606で算出した変動回数に応じて適応的に置換強度Czを設定する。第11閾値と第12閾値を使い、図20(b)の特性でCzを適応的に設定する。変動回数が第11閾値より小さい太線の場合はCz=1、第12閾値より大きい細線や網点の場合はCz=0、第11閾値以上且つ第12閾値以下の場合は式(6)によって適応的に設定できる。 Cz=(第12閾値−変動回数)/(第12閾値−第11閾値) ・・・式(6) 【0081】 <STEP1613:変動量に基づく置換強度設定> STEP1605で算出した変動量に応じて適応的に置換強度Ceを設定する。第13閾値と第14閾値を使い、図20(c)の特性でCeを適応的に設定する。変動量が第13閾値より小さいの場合はCe=0、第14閾値より大きい場合はCe=1、第13閾値以上且つ第14閾値以下の場合は式(7)によって適応的に設定できる。 Ce=(変動量−第13閾値)/(第14閾値−第13閾値) ・・・式(7) 【0082】 <STEP1614:置換量算出> STEP1610で判定した置換画素位置の画素値を用いて置換量を算出する。STEP1601で設定したRGBの7×7領域からSTEP1610で判定した置換画素位置のRGB値を抽出する。注目画素値をN0とし、置換画素位置の画素値をC0とし、置換量をΔCとすると、ΔCは式(8)を使って算出できる。 ΔC=C0−N0 ・・・式(8) 【0083】 <STEP1615:置換量補正> STEP1614で算出した置換量ΔCをSTEP1611〜1613で設定した置換強度Ce、Cl、Czで補正する。補正した置換量ΔC’は式(9)を使って算出する。 ΔC’=Ce×Cl×Cz×ΔC ・・・式(9) 【0084】 <STEP1616:置換処理> STEP1615で算出した置換量ΔC’を式(10)に示すように注目画素値N0に加算することによって、置換によるエッジ強調した注目画素値Ncを算出する。 Nc=N0+ΔC’ ・・・式(10) 【0085】 以上、処理フローを用いて説明したように、本発明の第一の実施例によれば、インクの濃度毎のにじみ率を考慮し、置換処理に反映することにより、特にインクジェットMFPで発生しやすい文字のにじみによる潰れなどを抑制し、より好適な画像を使用者へと提供することが可能となる。 【0086】 なお、演算量の増加を気にしないのであれば、次のようにしても良い。まず、1回目のエッジ強調補正においてS1609の式(4)でBLUR(輝度)を0としてS1616まで演算してエッジ強調補正後の画素値を求める。さらに、その画素値の濃度(または輝度)を求め、その画素値の濃度(または輝度)から、図6のテーブルによりBLUR(輝度)の値を求める。そして、求めたBLUR(輝度)をS1609の式(4)に代入し、エッジ強調補正の条件を変えて、再度、S1616までの2回目のエッジ強調補正を行う。 【0087】 これにより、一旦、エッジ強調補正を行った後の画素の輝度に対応する濃度を求め、インク総量の多い濃度近傍ではインク総量が少ない濃度になるようにエッジ強調補正を演算しなおすことができる。 【0088】 <実施形態2> 第2の実施例では、上記実施例1で述べたインク濃度によるにじみ率の補正のほか、インクジェット記録装置で使用される高速化を図った処理への対応についても説明する。尚、インク濃度による補正は、実施例1の図16と同様であり、本実施例の使用インク切り換えに関する補正は、STEP1609を修正することで実現出来る。 【0089】 図18は本提案の実施形態における記録装置のインク吐出ノズルを示す図である。黒インクを吐出するノズル数はカラーを吐出するノズル数に比べ多いため、ノズル列の長さが長くなっていることが分かる。これによりモノクロ印刷時で、黒インクのみを使用する際に高速な記録を実現することが出来る。特にモノクロテキスト文書印刷の高速化などで大きな効果を発揮する。一方、黒文字と写真や挿絵など、モノクロとカラーの混在する文書の印刷時は、モノクロ領域は黒インクノズルで記録し、カラーが含まれている領域は通常の黒インクとカラーインクを併用する記録方法が望ましい。その場合は、図15に示すように、バンドと呼ぶヘッドの主走査方向のあるラスター数を一単位と考え、それが黒インクのみで記録するか、黒インクとカラーインクの併用で記録するかの判定をしていくことになる。 【0090】 尚、この使用インク判定処理は、実施例1の図3の画像処理フローSTEP303により実行され、この判定結果に応じ、STEP306のテーブルを切り替えるようにする。モノクロバンドと判定された場合に、黒インクのみのデータへと変換するようにしておけばよい。 【0091】 次に、この使用インク判定処理について図17を使用して説明する。図17は、バンドの使用インク判定処理を行うフローである。各ステップについて説明を加える。 【0092】 <STEP1701:画素信号値取得> 対象バンド内の画素値を取得する。スキャナを使用して読取りを行った場合であれば、一般的にRGB形式の信号となる。 【0093】 <STEP1702:彩度値算出> STEP1701で取得した画素信号値から彩度値を算出する。まず、下記式を利用し、CaCb値を得る。 Ca=(R−G)/2 ・・・式(11−1) Cb=(R+G−2B)/4 ・・・式(11−2) 上式より得られたCaCbをその後、下記式により彩度へと変換し、対象画素の彩度値Sを得る。 S=(Ca*Ca+Cb*Cb)^(1/2) ・・・式(12) 【0094】 <STEP1703:無彩色画素判定> STEP1702で求めた画素の彩度値Sと予め用意しておいた判定しきい値Th_Sを比較する。しきい値以下の場合は、無彩色画素と判定され、そうでない場合はカラー画素と判定される。 【0095】 <STEP1704:無彩色カウンターのインクリメント> STEP1703で無彩色画素と判定された場合にのみ本STEP1704へと進み、カウンターMonoCountが一つインクリメントされる。尚、特に記載はしていないが、MonoCountは、本フローが開始する前に0で初期化されている。 【0096】 <STEP1705:画素終了判定> ブロック内の全ての画素に対し、STEP1701〜1704の処理が終了したかを判定する。もし、全ての画素に対し完了していない場合は、STEP1701に戻り、同様の処理を実行する。 【0097】 <STEP1706:使用インク判定> STEP1701〜1705の処理が終了した後、MonoCountを使用し、対象ブロックの使用インクの判定を行う。予め用意しておいた判定しきい値Th_Mと、MonoCountを比較し、しきい値以上の場合はモノクロのバンド、そうでない場合はカラーバンドと判定される。 【0098】 <STEP1707:カラーバンド認定> STEP1706でカラーバンドと判定された場合、カラーバンドと認定し、その結果をレジスタなどに出力する。 【0099】 <STEP1708:モノクロバンド認定> STEP1706でモノクロバンドと判定された場合、モノクロバンドと認定し、その結果をレジスタなどに出力する。 【0100】 上述のフローにより、出力された結果を参照し、さらに濃度によるにじみ率を考慮し、置換処理を実施することにより、高画質な出力を実現出来る。 【0101】 実施例1のSTEP1609において、補正値BLUR(輝度)として、カラーバンド用の補正値BLURCOL(輝度)とモノクロバンド用の補正値BLURMONO(輝度)を用意しておく。対象画素が、カラーバンドと判定された中にいる場合は、 Lap’(i)=Lap(i)+BLURCOL(輝度) ・・・式(13−1) によりLap’(i)を求め、モノクロバンドの中にいる場合は、 Lap’(i)=Lap(i)+BLURMONO(輝度) ・・・式(13−2) によりLap’(i)を求めることになる。 【0102】 BLURCOL(輝度)とBLURMONO(輝度)のテーブルであるが、BLURCOLについては、実施例1で上げた図6を利用すればよい。また、BLURMONOは、BLURCOLの時と同様に実際に記録したものをスキャンし、求めればよい。図11に一例を示すが、単一インクのみのため、輝度が明るくなるにつれ、単調にインク量が減少していくものであり、プロセスカラーのようなピークを持たないものとなっている。図11においても、図6と同様に横軸の輝度はS1607で判定された最小Lである。 【0103】 以上のように、本発明の第二の実施形態によれば、バンド単位でモノクロ、カラーの判定を行い使用インクを切り替え印刷の高速化を図っている記録装置においても、適切な補正を行うことが可能となり、文字などのエッジの再現劣化を防止し、使用者に好適な画像を高速に提供することが可能となる。 【0104】 <実施形態3> 第3の実施形態では、上記実施形態1および2で述べたインク濃度によるにじみ率の補正や使用インク切り換え処理と合わせて、使用者がユーザーインターフェースにより、変倍率を変更した場合について説明する。 【0105】 尚、本実施例の処理は図16のSTEP1609を変更することで実現出来る。実施形態1で記載した濃度による補正だけであれば、 Lap’(i)=Lap(i)+BLUR(輝度)×K(変倍率) ・・・式(14) となり、実施例2で記載した高速化のための使用インク切り換えにおいては、カラーバンド、モノクロバンド判定時については、それぞれ Lap’(i)=Lap(i)+BLURCOL(輝度)×K(変倍率) ・・・式(15−1) Lap’(i)=Lap(i)+BLURMONO(輝度)×K(変倍率) ・・・式(15−2) で表される。 【0106】 ここで、K(変倍率)は、変倍率に依存する係数であり、変倍率が等倍以上の場合に1とし、縮小率が大きくなるにつれ、そこから大きくすればよい。つまり、縮小率が高く、より細かい文字がにじみ等により潰れて見にくくなる場合に補正値BLURを大きくすることで、置換によるエッジ部を背景色にしやすくして、判読性を向上させる。 【0107】 尚、変倍率を使用者が設定する例で記述したが、それに限定されることではなく、例えばA4サイズの原稿をB5サイズの用紙に出力するといった、必然的に縮小される場合にも適用されることは言うまでもない。 【0108】 以上、本発明の第3実施形態によれば、インクの濃度や、使用インクの種類によるにじみ率補正と合わせて、画像の変倍率を考慮することで、文字などのエッジの再現劣化を防止し、使用者に好適な画像を高速に提供することが可能となる。 【産業上の利用可能性】 【0109】 本発明は、マルチファンクションプリンタ装置のコピー機能を例にとって説明したが、これに限らず、コンピュータ装置(PC)から送出されたデータをマルチファンクションプリンタ装置、または、プリンタ装置で印字する場合でも実施できる。さらに、コンピュータ装置(PC)にスキャナを接続し、スキャナで読み取った画像データをPCへ転送し、そのデータをPCからマルチファンクションプリンタ装置、または、プリンタ装置へ送出して印字する場合でも実施できる。これらの場合、本実施例1〜3の処理をマルチファンクションプリンタ装置、または、プリンタ装置で実行しても良いが、これらの処理を実行するプログラムをPCのメモリ等の記憶部に記憶し、PCのCPUで実行するようにしても良い。さらに、本実施例1〜3の処理の一部をPCで実行し、残りをマルチファンクションプリンタ装置、または、プリンタ装置で実行するようにしても良い。 【図面の簡単な説明】 【0110】 【図1】MFP装置の説明図 【図2】MFP装置の制御説明図 【図3】MFP装置の画像処理のフローチャート 【図4】処理単位の説明図 【図5】処理単位の移動のフローチャート 【図6】4色インクにおけるBLURテーブル 【図7】BLURテーブルを求めるための図 【図8】輝度と1次微分、3値化処理、2次微分の説明図 【図9】4方向抽出の説明図 【図10】L差分の説明図 【図11】黒インクのみにおけるBLURテーブル 【図12】文字のボケの例を示す図 【図13】グレーラインのインク使用例 【図14】濃度による細線の太化の図 【図15】バンドの概念を説明する図 【図16】実施例1の処理フローチャート 【図17】実施例2の使用インク判定処理フローチャート 【図18】記録ヘッドの図 【図19】エッジ強調の説明図 【図20】置換強度設定方法の説明図 【符号の説明】 【0111】 1 MFP装置 33 印刷装置 34 読取装置 35 操作パネル 11 CPU 12 画像処理部 13 記録部 14 読取部 15 操作部
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001007 【氏名又は名称】キヤノン株式会社
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| 【出願日】 |
平成19年7月9日(2007.7.9) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100090538 【弁理士】 【氏名又は名称】西山 恵三
【識別番号】100096965 【弁理士】 【氏名又は名称】内尾 裕一
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| 【公開番号】 |
特開2008−35511(P2008−35511A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月14日(2008.2.14) |
| 【出願番号】 |
特願2007−179230(P2007−179230) |
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