| 【発明の名称】 |
画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラム |
| 【発明者】 |
【氏名】杉本 和樹
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| 【要約】 |
【課題】性能の劣化を抑えつつ画質を向上させることのできる画像処理装置の提供を目的とする。
【構成】文書データをプリンタに印刷するための印刷画像を生成する画像処理装置であって、前記文書データに含まれている文字データについて、印刷指示に係る解像度と異なる解像度を有する第一の処理データを生成する第一の処理手段と、前記文書データに含まれているイメージデータについて、前記第一の処理データと画素密度が一致する第二の処理データを生成する第二の処理手段と、前記第一の処理データと前記第二の処理データとを合成することにより前記印刷画像を生成する印刷画像生成手段とを有し、前記第二の処理手段は、前記イメージデータについて階調変換によって前記第一の処理データとの画素密度を一致させることにより上記課題を解決する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 文書データをプリンタに印刷するための印刷画像を生成する画像処理装置であって、 前記文書データに含まれている文字データについて、印刷指示に係る解像度と異なる解像度を有する第一の処理データを生成する第一の処理手段と、 前記文書データに含まれているイメージデータについて、前記第一の処理データと画素密度が一致する第二の処理データを生成する第二の処理手段と、 前記第一の処理データと前記第二の処理データとを合成することにより前記印刷画像を生成する印刷画像生成手段とを有し、 前記第二の処理手段は、前記イメージデータについて階調変換によって前記第一の処理データとの画素密度を一致させることを特徴とする画像処理装置。 【請求項2】 前記第二の処理手段は、前記第一の処理手段による解像度の拡大の倍率に応じた階調を有するように前記イメージデータの階調変換を行うことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。 【請求項3】 前記第一の処理手段は、前記文字データについて、前記印刷指示に係る解像度に対して主走査方向に拡大した解像度を有する前記第一の処理データを生成することを特徴とする請求項1又は2記載の画像処理装置。 【請求項4】 前記第二の処理手段は、中間調表示手法に基づいて前記イメージデータの階調変換を行うことを特徴とする請求項1乃至3いずれか一項記載の画像処理装置。 【請求項5】 文書データをプリンタに印刷するための印刷画像を生成する画像処理装置によって実行される画像処理方法であって、 前記文書データに含まれている文字データについて、印刷指示に係る解像度と異なる解像度を有する第一の処理データを生成する第一の処理手順と、 前記文書データに含まれているイメージデータについて、前記第一の処理データと画素密度が一致する第二の処理データを生成する第二の処理手順と、 前記第一の処理データと前記第二の処理データとを合成することにより前記印刷画像を生成する印刷画像生成手順とを有し、 前記第二の処理手順は、前記イメージデータについて階調変換によって前記第一の処理データとの画素密度を一致させることを特徴とする画像処理方法。 【請求項6】 前記第二の処理手順は、前記第一の処理手順による解像度の拡大の倍率に応じた階調を有するように前記イメージデータの階調変換を行うことを特徴とする請求項5記載の画像処理方法。 【請求項7】 前記第一の処理手順は、前記文字データについて、前記印刷指示に係る解像度に対して主走査方向に拡大した解像度を有する前記第一の処理データを生成することを特徴とする請求項5又は6記載の画像処理方法。 【請求項8】 前記第二の処理手順は、中間調表示手法に基づいて前記イメージデータの階調変換を行うことを特徴とする請求項5乃至7いずれか一項記載の画像処理方法。 【請求項9】 コンピュータに、 文書データに含まれている文字データについて、印刷指示に係る解像度と異なる解像度を有する第一の処理データを生成する第一の処理手順と、 前記文書データに含まれているイメージデータについて、前記第一の処理データと画素密度が一致する第二の処理データを生成する第二の処理手順と、 前記第一の処理データと前記第二の処理データとを合成することにより前記文書データをプリンタに印刷するための印刷画像を生成する印刷画像生成手順とを実行させ、 前記第二の処理手順は、前記イメージデータについて階調変換によって前記第一の処理データとの画素密度を一致させることを特徴とする画像処理プログラム。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラムに関し、特に文書データをプリンタに印刷するための印刷画像を生成する画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラムに関する。 【背景技術】 【0002】 印刷処理において画質の向上は非常に重要な課題であり、従来、各種の技術が開発されている。他方において、近年では、文字、図形、及び画像(写真等)といった異なるオブジェクトが一つの文書中に含まれていることが一般的となっている。このような状況において、画質を向上させるための技術は益々複雑化する傾向にある。すなわち、文字、図形、及び画像等のうち、いずれかのオブジェクトの画質を優先させると、他のオブジェクトの画質が損なわれるといったことが起こりうるからである。そこで、例えば、特許文献1では、ハーフトーン処理、色合わせ処理等の設定について、オブジェクトの種別ごとに独立して設定可能とし、各種のオブジェクトに適した色処理を行うための技術が提案されている。 【特許文献1】特開平7―214825号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 しかしながら、特許文献1に記載された技術は、解像度を増加させるものではないため、画質の向上に限界があり、例えば、ジャギーの除去を有効に行うことはできない。但し、解像度の増加と、画像処理の性能とは相反する関係にあり、単純に解像度を増加させてしまうと性能は低下するという問題がある。 【0004】 本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、性能の劣化を抑えつつ画質を向上させることのできる画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラムの提供を目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0005】 そこで上記課題を解決するため、本発明は、文書データをプリンタに印刷するための印刷画像を生成する画像処理装置であって、前記文書データに含まれている文字データについて、印刷指示に係る解像度と異なる解像度を有する第一の処理データを生成する第一の処理手段と、前記文書データに含まれているイメージデータについて、前記第一の処理データと画素密度が一致する第二の処理データを生成する第二の処理手段と、前記第一の処理データと前記第二の処理データとを合成することにより前記印刷画像を生成する印刷画像生成手段とを有し、前記第二の処理手段は、前記イメージデータについて階調変換によって前記第一の処理データとの画素密度を一致させることを特徴とする。 【0006】 このような画像処理装置では、性能の劣化を抑えつつ画質を向上させることができる。 【発明の効果】 【0007】 本発明によれば、性能の劣化を抑えつつ画質を向上させることのできる画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラムを提供することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0008】 以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。本実施の形態では、印刷処理において、文字の解像度を増加させることにより文字の画質を向上させることのできる画像処理装置について説明する。但し、グラフィック(図形)及びイメージ(画像)については、解像度は増加させない。全てのオブジェクト(文字、グラフィック、イメージ)について解像度を増加させてしまうと性能を劣化させてしまい、特にイメージについては、解像度の増加による画質の向上に対する寄与は、顕著に認められないからである。但し、文字の解像度が、グラフィック又はイメージの解像度と異なってしまうと、画素密度に不整合が生じ、それぞれを適切に合成して一つの画像を生成することができない。そこで、本実施の形態では、グラフィック又はイメージについては解像度ではなく、階調を拡張することにより、文字の画素密度との整合性を保つ。 【0009】 図1は、本発明の実施の形態における画像処理装置の機能構成例を示す図である。図1において画像処理装置10は、例えばPC等の汎用的なコンピュータであり、アプリケーション11及び画像処理部12等が実装されている。これら各部は、画像処理装置10にインストールされたプログラムがメモリ上にロードされ、CPUによって処理されることにより実現される。なお、当該プログラムは、ネットワークを介してダウンロードされてもよいし、CD−ROM等の記録媒体500よりインストールされてもよい。 【0010】 アプリケーション11は、ワープロソフトや表計算ソフト等、印刷対象となる文書データを作成するための一般的なアプリケーションである。アプリケーション11では、文字、グラフィック(図形)、及びイメージデータ(画像)等、複数種類のオブジェクトを含む文書の作成が可能である。 【0011】 画像処理部12は、一般的にプリンタドライバと呼ばれ、アプリケーション11によって作成された文書データをプリンタ20(インクジェットプリンタ)に印刷させるために必要となる画像処理を実行する。画像処理部12は、文字データ処理部13、イメージデータ処理部14、印刷画像生成部15、PDL(Page Description Language)データ生成部16等を有する。なお、画像処理部12は、プリンタ20に実装されていてもよい。 【0012】 文字データ処理部13は、文字イメージ生成部131、色空間変換部132、及び階調変換部133等より構成され、文書データ中における文字データ(文字オブジェクト)について、印刷用の画像処理を実行する。ここで、文字データとは、各文字を文字コードによって表現するデータをいう。 【0013】 文字イメージ生成部131は、文字コードによる文字データをRGBの色空間におけるイメージデータ(以下「文字イメージデータ」という。)に変換する。この際、文字イメージ生成部131は、印刷解像度として要求された解像度(印刷指示に係る解像度)がプリンタ20の解像度(プリンタ20が表現可能な最大の解像度)よりも低い場合、主走査方向においては、印刷解像度よりも高い解像度(例えばプリンタ20が表現可能な最大の解像度)によって文字イメージデータを生成する。ここで、印刷指示に係る解像度とは、例えば、ユーザによる印刷指示の際にプリンタドライバに設定される解像度をいう。プリンタドライバによっては明示的に解像度を指定できないものもあり、例えば、「画質優先」、「性能優先」といった選択肢の中から選択を要求するものもある。但し、このようなものでも、内部的には、解像度として解釈し、印刷指示に係る解像度を保持する。 【0014】 色空間変換部132は、文字イメージデータについての色空間をRGBからCMYK(8)に変換する。ここで、CMYK(8)における(8)は、階調を示す。すなわち、CMYK(8)は、CMYKのそれぞれについて8ビットの階調(256階調)を有する色空間であることを示す。このように、本実施の形態では、nビットの階調のCMYKの色空間をCMYK(n)として表記することとする。なお、CMYKに変換された文字イメージデータを、以下「文字CMYKデータ」という。 【0015】 階調変換部133は、CMYK(8)による文字CMYKデータの階調を、中間調表示手法(例えば、濃度パターン法、ディザ法、又は誤差拡散法)に基づいてプリンタ20に応じた値に変換する。階調変換部133によって階調変換された文字CMYKデータは、画像処理装置10のメモリ上に保持される。 【0016】 イメージデータ処理部14は、色空間変換部141及びn倍階調変換部142等より構成され、文書データ中におけるイメージデータ(イメージオブジェクト)について、印刷用の画像処理を実行する。ここで、イメージデータとは、ラスタ形式のデータをいい、ビットマップ、TIFF、JPEG、及びGIF等が含まれる。例えば、デジタルカメラによって撮影されたデータ(写真)が、文書データ中に貼り付けられている場合、当該データはイメージデータとして識別される。 【0017】 色空間変換部141は、イメージデータについて色空間をRGBからCMYK(8)に変換する。なお、CMYKに変換されたイメージデータを、以下「イメージCMYKデータ」という。 【0018】 n倍階調変換部142は、中間調表示手法に基づいて、CMYK(8)によるイメージCMYKデータの階調を、プリンタ20の階調に対してn倍に変換する。ここで、nの値は、文字イメージデータ生成部131によって、文字イメージデータの主走査方向の解像度が、要求された印刷解像度の何倍に拡張されたかに依る。具体的には、nの値は、印刷解像度として要求された解像度に対する、文字イメージデータの主走査方向の解像度の倍数と同値となる。したがって、例えば、文字イメージデータの主走査方向が2倍に拡大された場合、n階調階調変換部141は、イメージCMYKデータの階調をプリンタ20の階調に対して2倍に拡張する。n倍階調変換部142がこのような階調変換を行うのは、文字CMYKデータとイメージCMYKデータとの画素密度(1インチあたりのビット数)を合わせるためである。すなわち、イメージデータ処理部14においては、イメージデータについての主走査方向への解像度の拡大は行われないため、そのままでは文字イメージデータとの画素密度が異なってしまう。そうすると(画素密度が異なると)、両者の合成が困難になってしまうからである。なお、階調変換部142によって階調変換されたイメージCMYKデータは、画像処理装置10のメモリ上に保持される。 【0019】 なお、図1においては、文書データ中におけるグラフィック(図形)の処理について言及されていないが、これは本発明を説明するにあたり、グラフィックについては「文字データ以外のデータ」としてイメージデータと同様に扱うことができるからである。したがって、以下の説明においても、グラフィックについてはイメージデータと同様に扱われるものとする。 【0020】 印刷画像生成部15は、文字データ処理部13やイメージデータ処理部14によってオブジェクトの種別ごとに生成されたイメージデータを合成することにより、印刷イメージ(画像)を生成する。この際、文字CMYKデータとイメージCMYKデータとの画素密度は合わされているため、印刷画像処理部15は、簡易なビット操作によって両イメージデータを合成することができる。 【0021】 PDLデータ生成部16は、印刷画像処理部15によって生成される印刷画像をプリンタ20に印刷させるためのコマンドを含むPDLデータを生成する。当該PDLデータはプリンタ20に送信される。プリンタ20は、当該PDLデータを解釈して印刷画像を印刷用紙に印字する。 【0022】 以下、図1の画像処理装置10における画像処理部12の処理手順について説明する。図2は、画像処理部による処理手順を説明するためのフローチャートである。また、図3は、画像処理部の処理に応じたデータ変換の様子を概念的に示す図である。なお、図2の処理手順をより分かり易く具体的に説明するため、プリンタ20の解像度は600×300dpiであるとする。また、印刷指示に係る解像度は300×300dpiであるとする。また、本実施の形態では、中間調表示手法の具体例として、ディザ法に基づいて階調変換を行う例について説明する。 【0023】 アプリケーション11がユーザより文書データの印刷の指示を受け付けると、それに応じて画像処理部12に対して順次描画命令が入力される(S101)。厳密にはこの命令はOSによって入力される。例えば、OSがWindows(登録商標)である場合、アプリケーション11は、ユーザからの印刷指示に応じ、GDI(Graphics Device Interface)といわれる関数インタフェースを呼び出す。GDIが呼び出されることにより、OSに解釈可能な描画データ(EMF(Enhanced Meta File)データ)が、印刷指示に係る解像度によって生成される。当該描画データには、文書データのオブジェクトごとに描画コマンドが含まれている。OSは、当該描画データを解釈することにより、画像処理部12に対して各種の描画命令を入力する。Windows(登録商標)環境では、この命令はDDI(Device Driver Interface)といわれるインタフェースの呼び出しによって入力される。例えば、DDIによれば、文字の描画命令、グラフィックの描画命令、及びイメージデータの描画命令等、文書データに含まれるオブジェクトの種別ごとにインタフェースが区別されている。したがって、画像処理部12は、呼び出される命令に応じて処理すべきオブジェクトを識別することができる。 【0024】 入力された命令が、文字データ(文字オブジェクト)の描画である場合(S102で「文字の描画」)、文字データ処理部13には、例えば、図3における文字データc1が入力される。文字データc1は、「A」という文字の文字コードを示す。本実施の形態では、印刷指示に係る解像度が300×300dpiである場合が例とされているため、文字「A」の座標値は、300×300dpiの解像度におけるレイアウトに基づく。 【0025】 文字データc1の入力に応じ、文字データ処理部13の文字イメージ生成部131は、文字コードによる文字「A」をRGBの色空間におけるイメージデータに変換する(S103)。ここで、印刷指示に係る解像度は300×300dpiである。一方、プリンタ20の解像度は600×300dpiである。したがって、文字イメージ生成部131は、主走査方向の解像度を2倍にした600×300dpiの解像度で、文字「A」の文字イメージデータを生成する。ここで、文字イメージデータは、文字コードより直接的に高解像度で生成されるため、高い画質を有することになる。なお、主走査方向の解像度は、必ずしもプリンタ20の解像度と一致させなくてもよい。例えば、プリンタ20の解像度が1200×300dpiである場合、主走査方向の解像度は、600dpi、900dpi又は1200dpi等にしてもよい。 【0026】 文字イメージ生成部131によるステップS103の処理の結果、文字データc1に基づいて文字イメージデータc2(図3参照)が生成される。文字イメージデータc2は、色空間がRGBであり、解像度が600×300dpiのイメージデータである。なお、図中において文字イメージデータc2内において示されているドットイメージc21は文字イメージデータc2のドットイメージを示す。ところで、ドットイメージc21では、「A」の文字が主走査方向に2倍拡張されている。これは、文字イメージデータc2の主走査方向と副走査方向との解像度比が2:1であるからである。したがって、実際に印刷される際は、主走査方向の2ドット分が副走査方向の1ドット分と同じ長さとなるため、文字「A」の形状は、主走査方向に拡張されることはない。 【0027】 続いて、文字データ処理部13の色空間変換部132は、文字イメージデータc2の色空間をRGBからCMYK(8)に変換し、文字CMYKデータc3を生成する(S104)。図3において、文字CMYKデータc3は、色空間がCMYK(8)であり、解像度が600×300dpiのイメージデータである。 【0028】 続いて、文字データ処理部13の階調変換部133は、ディザリングによって、文字CMYKデータc3の階調を、プリンタ20の階調(2ビット=4階調)に変換することにより、文字CMYKデータc4を生成する(S105)。図3において、文字CMYKデータc4は、色空間がCMYK(2)であり、解像度が600×300dpiのイメージデータである。なお、プリンタ20では、各ドットの4階調の階調値に応じてインクの滴の有無及び大きさ(小、中、大)が判定される。 【0029】 階調変換部133によって生成された文字CMYKデータc4は、画像処理装置10のメモリ上に保持される。 【0030】 一方、入力された命令が、イメージデータ(イメージオブジェクト)の描画である場合(S102で「イメージの描画」)、イメージデータ処理部14には、例えば、図3におけるイメージデータi1が入力される。イメージデータi1は、文書データに貼り付けられていた300×300dpiのイメージデータである。 【0031】 文字データc1の入力に応じ、イメージデータ処理部14の色空間変換部141は、イメージデータi1の色空間をRGBからCMYK(8)に変換し、イメージCMYKデータi2を生成する(S106)。図3において、イメージCMYKデータi2は、階調が8ビットであり、解像度が300×300dpiのイメージデータである。 【0032】 続いて、イメージデータ処理部14のn倍階調変換部142は、ディザリングによって、イメージCMYKデータi2の階調を、プリンタ20の階調(2ビット)のn倍に変換することにより、イメージCMYKデータi3を生成する(S107)。ここで、文字イメージ生成部131では、主走査方向の解像度が2倍に拡大されている。したがって、ステップS105において生成されるイメージCMYKデータi3は、階調がプリンタ20の階調(2ビット)の2倍である4ビットであり、解像度が300×300dpiのままのイメージデータである。 【0033】 階調変換部133によって生成されたイメージCMYKデータi3は、画像処理装置10のメモリ上に保持される。 【0034】 上述したステップS101〜S107までの処理は、文書データに含まれている全てのオブジェクトに対して繰り返される。全てのオブジェクトに対する描画処理が完了すると、印刷開始命令が画像処理部12に入力される(S102で「印刷開始」)。印刷開始命令に応じ、印刷画像生成部15は、オブジェクトごとにメモリ上に保持されているイメージデータを合成し、印刷画像を生成する(S108)。図3では、文字CMYKデータc4とイメージCMYKデータi3とが合成され、印刷画像p1が生成される様子が示されている。 【0035】 ここで、文字CMYKデータc4の解像度は600×300dpiであり、イメージCMYKデータi3の解像度は300×300dpiであり、両者は一致しない。すなわち、文字CMYKデータc4の主走査方向の解像度が2倍である。しかし、イメージCMYKデータi3の階調は4ビットであり、文字CMYKデータc4の階調の2倍である。したがって両者の画素密度は一致する。よって、印刷画像生成部15は、イメージCMYKデータi3を、解像度が600×300dpiで階調が2ビットのイメージデータとして扱い、単純なビットの合成により、文字CMYKデータc4とイメージCMYKデータi3とを合成する。その結果、解像度が600×300dpiであり、階調が2ビットの印刷画像p1が生成される。なお、印刷画像p1では、「A」の文字と同様、顔のイメージも主走査方向に2倍拡張されている。これは、印刷画像p1の主走査方向と副走査方向との解像度比が2:1であるところ、印刷画像p1は、ドットイメージとして図示されているからである。したがって、実際に印刷される際は、主走査方向の2ドット分が副走査方向の1ドット分と同じ長さとなるため、文字「A」の形状及び顔のイメージは、主走査方向に拡張されることはない。 【0036】 続いて、PDLデータ生成部16は、印刷画像処理部15によって生成された印刷画像p1をプリンタ20に印刷させるためのコマンドを含むPDLデータを生成する(S109)。当該PDLデータはプリンタ20に送信される。プリンタ20は、当該PDLデータを解釈して印刷画像p1を印刷用紙に印字する。ここで、文字については、600×300dpiで画像処理が行われているため、高画質で印刷される。 【0037】 次に、ステップS105における文字データ処理部13(階調変換部133)による階調変換と、ステップS107におけるイメージデータ処理部14(n倍階調変換部142)による階調変換について詳細に説明する。 【0038】 本実施の形態では、最終的に600×300dpi×2bit/pixelの印刷画像を生成する場合を例としているため、ディザパターンは、600×300dpi×2bit/pixel用のものを用いて階調変換が行われる。なお、オブジェクトの種別ごとにディザパターンを変えてもよいし、同一であってもよい。本実施の形態では、次のようなディザパターンを例として説明する。 【0039】 図4は、ディザパターンの例を示す図である。図4では、ディザパターンの一部として、レベル22のディザパターンd22と、レベル128のディザパターンd128と、レベル200のディザパターンd200とが示されている。図中において、「AA」、「BB」、「CC」といったように、A、B、又はCの文字が2つずつ繰り返されているが、この繰り返しの数は、階調のビット数(2ビット)を表現している。すなわち、図4のディザパターンは、8ビット(256階調)を2ビット(4階調)に変換するためのものである。 【0040】 図5は、文字CMYKデータの階調変換の様子を概念的に示す図である。すなわち、図5は、ステップS105における階調変換処理に対応する。図5において、データc31は、文字CMYKデータc3の1ライン目の最初の8ドット分のデータを示す。文字CMYKデータc3の階調は8ビットであるため、データc31の各ドット(ドットc311〜c318)は、それぞれ8ビットによって構成される。各ドットに表示されている数値は、当該ドットの階調値を示す。 【0041】 図5において、まず1回目の階調変換では、ドットc311が対象となる。ドットc311の階調値は「22」であるため、レベル22のディザパターンd22に基づいて4階調(2ビット)のドットc311aに変換される。以降のドットについても、当該ドットの階調値に応じたディザパターンに基づいて2ビットのドットに変換される。したがって、ドットc312、c313、c314、c315、c316、c317、c318は、それぞれ、ドットc312a、c313a、c314a、c315a、c316a、c317a、c318aに変換される。なお、3回目と5回目では、一度に2ドット分変換されている。これは、階調値が同じドットが連続している場合は、同じディザパターンを用いて一度に変換が行われるためである。このように、文字CMYKデータc3の階調変換では、256階調(8ビット)の1ドットが4階調(2ビット)の1ドットに変換される。 【0042】 一方、図6は、イメージCMYKデータの階調変換の様子を概念的に示す図である。すなわち、図6は、ステップS107における階調変換処理に対応する。図6において、データi21は、イメージCMYKデータi2の1ライン目の最初の4ドット分のデータを示す。イメージCMYKデータi2の階調は8ビットであるため、データi21の各ドット(ドットi211〜i214)は、それぞれ8ビットによって構成される。図5と同様、各ドットに表示されている数値は、当該ドットの階調値を示す。 【0043】 図6において、まず1回目の階調変換では、ドットi211が対象となる。ドットi211の階調値は「22」であるため、レベル22のディザパターンd22に基づいて4階調(2ビット)のドットi211a及びドットi211bに変換される。すなわち、1ドットが2ドット分(=4ビット)に変換されるのである。なお、ドットi211aは、ディザパターンd22において、ドット211の位置に対応するドットであり、ドット211bは、ディザパターンd22において、ドット211の位置に対応するドットの右隣のドットである。このように、256階調の1ドットが、4階調の2ドット(=4ビット)に変換されるのは、本実施の形態では、n倍階調変換部142におけるnの値が「2」だからである。したがって、仮に、nの値が4の場合、256階調の1ドット分が4階調の4ドットに変換される。この場合、変換後のドットは、ドットパターンにおいて、変換元のドットに対応するドットから連続的に抽出される。データi211における他のドットについても同様に、1ドットが4階調の2ドット(=4ビット)に変換される。したがって、ドットi212はドットi212a及びドットi212bに、ドットi213はドットi213a及びドットi213bに、ドットi214はドットi214a及びドットi214bに変換される。なお、2回目の階調変換において、ドットi212とドットi213が一度に変換されているのは、これらのドットの階調値が同じだからである。このようにして、イメージCMYKデータi2は、文字CMYKデータc3に対して2倍の階調(4ビット)のイメージデータに変換される。 【0044】 なお、図5における6回目の変換後のデータと、図6における3回目の変換後のデータとのドット数は一致している。それぞれのドットあたりのビット数は2ビットであるから、双方のビット数、すなわち、画素密度も一致していることになる。すなわち、文字CMYKデータc3の8ドット分の階調変換後のデータと、イメージCMYKデータi2の4ドット分の階調変換後のデータとの画素密度は一致する。したがって、図5及び図6に示した階調変換方法によれば、主走査方向に600dpiの文字CMYKデータc3の階調変換後のデータ(文字CMYKデータc4)と、300dpiのイメージCMYKデータi2の階調変換後のデータ(イメージCMYKデータi3)との画素密度は一致する。 【0045】 なお、階調変換後の文字CMYKデータc4とイメージCMYKデータi3との合成の際は、イメージCMYKデータi3は、解像度が600×300dpiであり、階調が2ビットのイメージデータとして扱われる。したがって、イメージCMYKデータi3が、このようなイメージデータとして扱われることを予測したディザパターンによって階調変換を行う必要がある。すなわち、階調変換に用いるディザパターンは、イメージCMYKデータi3が、600×300dpi×2bit/pixelとして扱われた際に、その描画内容に不整合が生じないようなものである必要がある。 【0046】 上述したように、本実施の形態における画像処理装置10(画像処理部12)によれば、文書データ中の文字データ(文字オブジェクト)については、高い解像度によってイメージデータが生成される。したがって、文字については良好な画質で印刷結果を得ることができる。一方、文書データ中の文字データ以外のデータ(イメージデータやグラフィック等)については、階調変換によって文字イメージデータの画素密度との整合性が図られる。したがって、イメージデータ等については解像度の拡大処理は行う必要はなく、処理負荷の増大及び処理速度の低下が抑えられる。また、階調変換が行われるタイミングは、色空間が変更された後であり、各オブジェクトのイメージデータが合成される前であるため(すなわち、画像処理工程において後半において行われるため)、かかる点においても処理負荷の増大が抑えられる。なお、イメージデータについては、元々が300×300dpiであるものを、600×300dpiに拡大しても画質の向上が顕著に認められるものでないため、本実施の形態における画像処理は、各オブジェクトの特性を適切に利用することにより、画質の向上と性能の劣化の低減とのバランスを適切に実現したものであるといえる。 【0047】 以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。 【図面の簡単な説明】 【0048】 【図1】本発明の実施の形態における画像処理装置の機能構成例を示す図である。 【図2】画像処理部による処理手順を説明するためのフローチャートである。 【図3】画像処理部の処理に応じたデータ変換の様子を概念的に示す図である。 【図4】ディザパターンの例を示す図である。 【図5】文字CMYKデータの階調変換の様子を概念的に示す図である。 【図6】イメージCMYKデータの階調変換の様子を概念的に示す図である。 【符号の説明】 【0049】 10 画像処理装置 11 アプリケーション 12 画像処理部 13 文字データ処理部 14 イメージデータ処理部 15 印刷画像生成部 16 PDLデータ生成部 20 プリンタ 131 文字イメージ生成部 132 色空間変換部 133 階調変換部 141 色空間変換部 142 n倍階調変換部 500 記録媒体
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006747 【氏名又は名称】株式会社リコー
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| 【出願日】 |
平成19年6月1日(2007.6.1) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100070150 【弁理士】 【氏名又は名称】伊東 忠彦
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| 【公開番号】 |
特開2008−35489(P2008−35489A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月14日(2008.2.14) |
| 【出願番号】 |
特願2007−147353(P2007−147353) |
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