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【発明の名称】 電子カメラおよび画像処理プログラム
【発明者】 【氏名】義澤 昭弘

【要約】 【課題】ユーザの要望に応じた画像処理を可能とする電子カメラおよび画像処理プログラムを実現すること。

【構成】被写体像を撮像して画像データを取得する撮影手段と、撮影手段により取得された画像データに対して、少なくとも階調補正処理を含む画像処理を施す画像処理手段と、画像処理手段により画像処理が施された画像データを表示する表示手段と、表示手段により表示された画像データを複数の領域に分割する分割手段と、ユーザ指示に基づいて、複数の領域のうち少なくとも1つの領域を、補正領域として選択する選択手段と、補正領域における画像データの階調特性分布を判定する判定手段と、ユーザ指示に基づいて、階調特性分布の補正内容を指定する指定手段とを備え、画像処理手段は、撮影手段により取得された画像データと、画像処理手段による画像処理の途中または画像処理後の画像データとの何れかに対して、その画像データのうち、補正領域における画像データの階調特性分布を、指定手段により指定された補正内容に基づいて補正する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体像を撮像して画像データを取得する撮影手段と、
前記撮影手段により取得された前記画像データに対して、少なくとも階調補正処理を含む画像処理を施す画像処理手段と、
前記画像処理手段により画像処理が施された前記画像データを表示する表示手段と、
前記表示手段により表示された前記画像データを複数の領域に分割する分割手段と、
ユーザ指示に基づいて、前記複数の領域のうち少なくとも1つの領域を、補正領域として選択する選択手段と、
前記補正領域における前記画像データの階調特性分布を判定する判定手段と、
ユーザ指示に基づいて、前記階調特性分布の補正内容を指定する指定手段とを備え、
前記画像処理手段は、前記撮影手段により取得された前記画像データと、前記画像処理手段による画像処理の途中または画像処理後の前記画像データとの何れかに対して、その画像データのうち、前記補正領域における前記画像データの前記階調特性分布を、前記指定手段により指定された前記補正内容に基づいて補正する
ことを特徴とする電子カメラ。
【請求項2】
請求項1に記載の電子カメラにおいて、
前記画像処理手段は、前記補正領域における前記画像データの前記階調特性分布を補正する際に、前記補正領域における前記画像データの前記階調特性と、隣接する部分の階調特性とを補完し相互の連続性が保たれるように補正する
ことを特徴とする電子カメラ。
【請求項3】
請求項2に記載の電子カメラにおいて、
前記画像処理手段は、前記補正領域における前記画像データの前記階調特性と、隣接する部分の階調特性とを補完する際に、前記補正領域における前記画像データの前記階調特性分布に応じて、補完の対象となる隣接する部分の階調特性の幅を決定する
ことを特徴とする電子カメラ。
【請求項4】
被写体像を撮像して画像データを取得する撮影手段と、
前記撮影手段により取得された前記画像データに対して、少なくとも色変換処理を含む画像処理を施す画像処理手段と、
前記画像処理手段により画像処理が施された前記画像データを表示する表示手段と、
前記表示手段により表示された前記画像データを複数の領域に分割する分割手段と、
ユーザ指示に基づいて、前記複数の領域のうち少なくとも1つの領域を、補正領域として選択する選択手段と、
前記補正領域における前記画像データの彩度分布を判定する判定手段と、
ユーザ指示に基づいて、前記彩度分布の補正内容を指定する指定手段とを備え、
前記画像処理手段は、前記撮影手段により取得された前記画像データと、前記画像処理手段による画像処理の途中または画像処理後の前記画像データとの何れかに対して、その画像データのうち、前記補正領域における前記画像データの前記彩度分布を、前記指定手段により指定された前記補正内容に基づいて補正する
ことを特徴とする電子カメラ。
【請求項5】
請求項4に記載の電子カメラにおいて、
前記画像処理手段は、前記補正領域における前記画像データの前記彩度分布を補正する際に、前記補正領域における前記画像データの前記彩度と、隣接する部分の彩度とを補完し相互の連続性が保たれるように補正する
ことを特徴とする電子カメラ。
【請求項6】
請求項5に記載の電子カメラにおいて、
前記画像処理手段は、前記補正領域における前記画像データの前記彩度と、隣接する部分の彩度とを補完する際に、前記補正領域における前記画像データの前記彩度分布に応じて、補完の対象となる隣接する部分の彩度の幅を決定する
ことを特徴とする電子カメラ。
【請求項7】
請求項1または請求項4に記載の電子カメラにおいて、
前記撮影手段は、前記画像データとして、RAWデータを取得する
ことを特徴とする電子カメラ。
【請求項8】
請求項1または請求項4に記載の電子カメラにおいて、
前記表示手段は、前記選択手段により選択された前記補正領域を識別可能に表示する
ことを特徴とする電子カメラ。
【請求項9】
処理対象の画像データに対する画像処理をコンピュータで実現する画像処理プログラムであって、
前記処理対象の画像データを取得する取得ステップと、
処理対象の画像データに対して、少なくとも階調補正処理を含む画像処理を施す画像処理ステップと、
前記画像処理ステップにおいて画像処理が施された前記処理対象の画像データを表示する表示ステップと、
前記表示ステップにおいて表示された前記処理対象の画像データを複数の領域に分割する分割ステップと、
ユーザ指示に基づいて、前記複数の領域のうち少なくとも1つの領域を、補正領域として選択する選択ステップと、
前記補正領域における前記処理対象の画像データの階調特性分布を判定する判定ステップと、
ユーザ指示に基づいて、前記階調特性分布の補正内容を指定する指定ステップと、
前記処理対象の画像データと、前記画像処理ステップによる画像処理の途中または画像処理後の前記処理対象の画像データとの何れかに対して、その画像データのうち、前記補正領域における前記処理対象の画像データの前記階調特性分布を、前記指定ステップにおいて指定された前記補正内容に基づいて補正する第2の画像処理ステップと
を備えたことを特徴とする画像処理プログラム。
【請求項10】
処理対象の画像データに対する画像処理をコンピュータで実現する画像処理プログラムであって、
前記処理対象の画像データを取得する取得ステップと、
処理対象の画像データに対して、少なくとも色変換処理を含む画像処理を施す画像処理ステップと、
前記画像処理ステップにおいて画像処理が施された前記処理対象の画像データを表示する表示ステップと、
前記表示ステップにおいて表示された前記処理対象の画像データを複数の領域に分割する分割ステップと、
ユーザ指示に基づいて、前記複数の領域のうち少なくとも1つの領域を、補正領域として選択する選択ステップと、
前記補正領域における前記処理対象の画像データの彩度分布を判定する判定ステップと、
ユーザ指示に基づいて、前記彩度分布の補正内容を指定する指定ステップと、
前記処理対象の画像データと、前記画像処理ステップによる画像処理の途中または画像処理後の前記処理対象の画像データとの何れかに対して、その画像データのうち、前記補正領域における前記処理対象の画像データの前記彩度分布を、前記指定ステップにおいて指定された前記補正内容に基づいて補正する第2の画像処理ステップと
を備えたことを特徴とする画像処理プログラム。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、被写体を撮像して画像データを取得する電子カメラ、および、処理対象の画像データに対する画像処理をコンピュータで実現する画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子カメラで使用される撮像素子(CCD/CMOSセンサ等)は、銀塩フィルムに較べ階調に関するダイナミックレンジが狭い。そのため、明暗の幅が広い被写界を撮影した場合には、黒つぶれや白飛びが発生してしまうことがある。
そこで、撮影時の設定や被写界の輝度分布を検出して、後処理としてダイナミックレンジ圧縮を行う技術が考えられている。例えば、特許文献1の発明では、主要被写体を検出し、その部分に対してダイナミックレンジ圧縮を施すことにより、適切な階調補正を行っている。
【特許文献1】特開2002−232777号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1の発明では、主要被写体の部分に対して、予め定められたダイナミックレンジ圧縮を施すため、ユーザの要望に合った階調補正が行われない場合がある。例えば、主要被写体以外の部分など、ユーザが階調補正を行いたいと希望する部分において適切な階調補正が行われない場合や、ユーザの好みに合わせた階調補正が行われない場合がある。このような問題は、色変換処理においても同様に発生する。
【0004】
本発明は、ユーザの要望に応じた画像処理を可能とする電子カメラおよび画像処理プログラムを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の電子カメラは、被写体像を撮像して画像データを取得する撮影手段と、前記撮影手段により取得された前記画像データに対して、少なくとも階調補正処理を含む画像処理を施す画像処理手段と、前記画像処理手段により画像処理が施された前記画像データを表示する表示手段と、前記表示手段により表示された前記画像データを複数の領域に分割する分割手段と、ユーザ指示に基づいて、前記複数の領域のうち少なくとも1つの領域を、補正領域として選択する選択手段と、前記補正領域における前記画像データの階調特性分布を判定する判定手段と、ユーザ指示に基づいて、前記階調特性分布の補正内容を指定する指定手段とを備え、前記画像処理手段は、前記撮影手段により取得された前記画像データと、前記画像処理手段による画像処理の途中または画像処理後の前記画像データとの何れかに対して、その画像データのうち、前記補正領域における前記画像データの前記階調特性分布を、前記指定手段により指定された前記補正内容に基づいて補正する。
【0006】
なお、好ましくは、前記画像処理手段は、前記補正領域における前記画像データの前記階調特性分布を補正する際に、前記補正領域における前記画像データの前記階調特性と、隣接する部分の階調特性とを補完し相互の連続性が保たれるように補正しても良い。
また、好ましくは、前記画像処理手段は、前記補正領域における前記画像データの前記階調特性と、隣接する部分の階調特性とを補完する際に、前記補正領域における前記画像データの前記階調特性分布に応じて、補完の対象となる隣接する部分の階調特性の幅を決定しても良い。
【0007】
本発明の別の電子カメラは、被写体像を撮像して画像データを取得する撮影手段と、前記撮影手段により取得された前記画像データに対して、少なくとも色変換処理を含む画像処理を施す画像処理手段と、前記画像処理手段により画像処理が施された前記画像データを表示する表示手段と、前記表示手段により表示された前記画像データを複数の領域に分割する分割手段と、ユーザ指示に基づいて、前記複数の領域のうち少なくとも1つの領域を、補正領域として選択する選択手段と、前記補正領域における前記画像データの彩度分布を判定する判定手段と、ユーザ指示に基づいて、前記彩度分布の補正内容を指定する指定手段とを備え、前記画像処理手段は、前記撮影手段により取得された前記画像データと、前記画像処理手段による画像処理の途中または画像処理後の前記画像データとの何れかに対して、その画像データのうち、前記補正領域における前記画像データの前記彩度分布を、前記指定手段により指定された前記補正内容に基づいて補正する。
【0008】
なお、好ましくは、前記画像処理手段は、前記補正領域における前記画像データの前記彩度分布を補正する際に、前記補正領域における前記画像データの前記彩度と、隣接する部分の彩度とを補完し相互の連続性が保たれるように補正しても良い。
また、好ましくは、前記画像処理手段は、前記補正領域における前記画像データの前記彩度と、隣接する部分の彩度とを補完する際に、前記補正領域における前記画像データの前記彩度分布に応じて、補完の対象となる隣接する部分の彩度の幅を決定しても良い。
【0009】
また、好ましくは、前記撮影手段は、前記画像データとして、RAWデータを取得しても良い。
また、好ましくは、前記表示手段は、前記選択手段により選択された前記補正領域を識別可能に表示しても良い。
なお、上記発明に関する構成を、処理対象の画像データに対する画像処理を実現するための画像処理プログラムに変換して表現したものも本発明の具体的態様として有効である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ユーザの要望に応じた画像処理を可能とする電子カメラおよび画像処理プログラムを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について説明する。本実施形態の電子カメラ1は、図1の背面外観図に示すように、上面に電源ボタン2、レリーズボタン3を備える。また、背面に液晶モニタ4、ズームボタン5、十字ボタン6、十字ボタンの中央に配置される決定ボタン7を備える。電子カメラ1は、この他に、メニューボタン、モード選択ボタン、再生ボタン、ゴミ箱ボタンなどを備えても良い。
【0012】
図2は、電子カメラ1の機能ブロック図である。電子カメラ1は、図2に示すように、不図示の撮影レンズや撮像素子などを含む撮像部10、電源ボタン2、レリーズボタン3、ズームボタン5、十字ボタン6、決定ボタン7などを含む操作部11、各部を制御する制御部12、液晶モニタ4の表示内容を制御する表示処理部13、撮像部により取得した画像データに対して画像処理を施す画像処理部14、画像データなどを記録する記録部15、液晶モニタ4に対するユーザの接触を検知する検知部16を備える。
【0013】
液晶モニタ4は、TFT液晶などの表示素子を備えたタッチパネル方式のモニタである。ユーザは、液晶モニタ4に指やタッチペンなどで接触することにより、各種選択などを行うことができる。
図2において、撮像部10、表示処理部13、画像処理部14、記録部15は、制御部12と相互に接続される。また、操作部11および検知部16の状態は制御部12により検知され、表示処理部13の出力は液晶モニタ4に接続される。
【0014】
以上説明した構成の電子カメラ1の、撮像時における制御部12の動作について、図3に示すフローチャートを用いて説明する。
ステップS1において、制御部12は、操作部11を介して撮像指示が行われたか否かを判定する。制御部12は、撮像指示が行われるまで待機し、撮像指示が行われると、ステップ2に進む。
【0015】
ステップS2において、制御部12は、撮像部10を介して被写体像を撮像してRAWデータを取得する。
ステップS3において、制御部12は、画像処理部14を制御して、ステップS2で取得したRAWデータに対してホワイトバランス調整処理を施す。
ステップS4において、制御部12は、画像処理部14を制御して、ホワイトバランス調整処理後の画像データを、制御部12内の不図示のメモリに一次記録する。
【0016】
ステップS5において、制御部12は、画像処理部14を制御して、ホワイトバランス調整処理後の画像データに対して、階調補正処理を施す。このとき、制御部12は、予め定められた階調特性にしたがって、階調補正処理を施す(詳細は後述する)。
ステップS6において、制御部12は、画像処理部14を制御して、階調補正処理後の画像データに対して、色変換処理を施す。このとき、制御部12は、予め定められた色変換特性にしたがって、色変換処理を施す(詳細は後述する)。
【0017】
ステップS7において、制御部12は、画像処理部14を制御して、色変換処理後の画像データに対して、輪郭強調処理を施す。
ステップS8において、制御部12は、画像処理部14を制御して、輪郭強調処理後の画像データに対して、圧縮処理を施す。なお、圧縮処理後の画像データとは、例えば、jpeg形式などの画像データである。
【0018】
ステップS9において、制御部12は、表示処理部13を制御して、圧縮処理後の画像データを、液晶モニタ4に表示する。
このとき、制御部12は、図4Aに示すように、圧縮処理後の画像データを分割して表示する。図4Aの例では縦横にそれぞれ5等分し、25の領域に分割する例を示す。なお、分割数は図4Aの例に限定されない。また、分割後の各領域の形状も図4Aの例に限定されない。
【0019】
ステップS10において、制御部12は、検知部16を介して補正領域が選択されたか否かを判定する。制御部12は、補正領域が選択されたと判定するとステップS11に進み、補正領域が選択されないと判定すると後述するステップ17に進む。
補正領域とは、ユーザが補正(階調補正処理と色変換処理との少なくとも一方)を行いたいと希望する領域である。制御部12は、補正したい領域の選択をユーザに促すメッセージM1(図4A参照)を液晶モニタ4に表示する。ユーザは、液晶モニタ4を目視して、黒つぶれや白飛びが発生している領域や、彩度が好ましくない領域に指やタッチペンなどで接触することにより、補正領域を選択することができる。
【0020】
ステップS11において、制御部12は、表示処理部13を制御して、選択された補正領域を識別可能に液晶モニタ4に表示する。例えば、ステップS10において左上の領域が選択された場合には、制御部12は、図4Bに示すように、その領域の色を変えることにより識別可能にして液晶モニタ4に表示する。
ステップS12において、制御部12は、検知部16を介して階調補正の内容が指定されたか否かを判定する。制御部12は、階調補正の内容が指定されたと判定するとステップS13に進み、階調補正の内容が指定されていないと判定すると後述するステップ14に進む。
【0021】
階調補正の内容とは、階調補正処理の方向および度合いである。制御部12は、階調補正処理の方向および度合いを指定するためのメッセージM2(図5A参照)を液晶モニタ4に表示する。ユーザは、液晶モニタ4を目視して、「明るく」または「暗く」の部分に指やタッチペンなどで接触することにより、階調補正処理の方向を指定する。また、「明るく」または「暗く」の部分に指やタッチペンなどで接触する回数により、階調補正処理の度合いを指定する。
【0022】
なお、階調補正の内容の指定は、図5Aに示した例の他に、「+」または「−」により指定可能にしても良いし、数値(例えば「0.3EV」など)により指定可能にしても良いし、予め定められたいくつかの補正候補から何れかの候補を指定可能にしても良い。
ステップS13において、制御部12は、ステップS12で指定された階調補正の内容を、制御部12内の不図示のメモリに記録する。
【0023】
ステップS14において、制御部12は、検知部16を介して色変換処理の内容が指定されたか否かを判定する。制御部12は、色変換処理の内容が指定されたと判定するとステップS15に進み、色変換処理の内容が指定されていないと判定すると後述するステップ16に進む。
色変換処理の内容とは、色変換処理の方向および度合いである。制御部12は、色変換処理の方向および度合いを指定するためのメッセージM3(図5B参照)を液晶モニタ4に表示する。ユーザは、液晶モニタ4を目視して、「赤」、「青」、「緑」の何れかの部分に指やタッチペンなどで接触することにより、色を指定する。また、「鮮やか」または「地味」の部分に指やタッチペンなどで接触することにより、色変換処理の方向を指定する。また、「鮮やか」または「地味」の部分に指やタッチペンなどで接触する回数により、色変換処理の度合いを指定する。
【0024】
なお、色変換処理の内容の指定は、図5Bに示した例の他に、「+」または「−」により指定可能にしても良いし、数値(例えば「120%」など)により指定可能にしても良いし、予め定められたいくつかの補正候補から何れかの候補を指定可能にしても良い。
ステップS15において、制御部12は、ステップS14で指定された色変換処理の内容を、制御部12内の不図示のメモリに記録する。
【0025】
ステップS16において、制御部12は、ステップS4で一次記録したホワイトバランス調整処理後の画像データを、制御部12内の不図示のメモリから読み出して、ステップS5に戻る。
そして、制御部12は、制御部12内の不図示のメモリに記録した補正の内容にしたがって、ステップS5からの処理(2回目)を行う。
【0026】
(1)階調補正の内容が制御部12内の不図示のメモリに記録されている場合(ステップS12YESの場合)。
ステップS5において、制御部12は、画像処理部14を制御して、ステップS16で読み出したホワイトバランス調整処理後の画像データに対して、階調補正処理を施す。
図6Aに、階調特性分布の例を示す。図6Aの横軸は入力時の階調を示し、縦軸は出力時の階調を示す。上述した1回目のステップS5において、制御部12は、画像処理部14を制御して、ホワイトバランス調整処理後の画像データに対して、図6AのL1に示す予め定められた階調特性にしたがって階調補正処理を施す。しかし、階調補正の内容が制御部12内の不図示のメモリに記録されている場合には、ステップS10で選択された補正領域において、制御部12は、予め定められた階調特性(L1)を変更して、階調補正処理を施す。まず、制御部12は、ステップS10で選択された補正領域における画像データの階調特性分布を判定する。図6Aでは、D1に示す範囲がステップS10で選択された補正領域に対応するものとする。制御部12は、D1の幅に応じて、隣接する部分D2の幅を決定し、D2に示す範囲において階調特性を補完することにより、変更後の階調特性が滑らかな変化を有するように階調特性を変更する。階調補正処理の方向が「明るく」である場合の例をL2に示し、階調補正処理の方向が「暗く」である場合の例をL3に示す。このように、階調特性を補完することにより、階調の段差が発生するのを防ぎ、自然な画像データを生成することができる。
【0027】
なお、D1の幅に応じて、隣接する部分D2の幅を決定する際には、補正領域に対応するD1の幅が大きいほど、補完の対象となる範囲D2を広く決定すれば良い。例えば、図6Bに示すように、補正領域に対応する幅D3が、上述したD1より狭い場合には、補完の対象となる範囲D4を、上述したD2より狭く決定すれば良い。また、階調補正処理の度合いに応じて、補完の対象となる範囲を決定しても良い。
【0028】
また、ステップS10で選択された補正領域における画像データの階調特性分布を判定する際には、大きくずれた点(輝点など)を除外するために、全体の80%程度の分布を見ると良い。
さらに、制御部12は、ステップS6からステップS9の処理を上述したとおりに行う。
【0029】
(2)色変換処理の内容が制御部12内の不図示のメモリに記録されている場合(ステップS14YESの場合)。
ステップS5において、制御部12は、上述したように、画像処理部14を制御して、ステップS16で読み出したホワイトバランス調整処理後の画像データに対して、階調補正処理を施す。
【0030】
ステップS6において、制御部12は、画像処理部14を制御して、階調補正処理後の画像データに対して、色変換処理を施す。
図7に、「赤」の彩度分布の例を示す。図7の横軸は彩度を示し、縦軸は各彩度における出力を示す。上述した1回目のステップS6において、制御部12は、画像処理部14を制御して、階調補正処理後の画像データに対して、図7のL5に示す予め定められた彩度分布にしたがって彩度を補正する。しかし、色変換処理の内容が制御部12内の不図示のメモリに記録されている場合には、ステップS10で選択された補正領域において、制御部12は、予め定められた彩度分布(L5)を変更して、彩度を補正する。まず、制御部12は、ステップS10で選択された補正領域における画像データの彩度分布を判定する。図7では、D5に示す範囲がステップS10で選択された補正領域に対応するものとする。制御部12は、D5の幅に応じて、隣接する部分D6の幅を決定し、D6に示す範囲において彩度分布を補完することにより、変更後の彩度分布が滑らかな変化を有するように彩度分布を変更する。色変換処理の方向が「鮮やか」である場合の例をL6に示し、色変換処理の方向が「地味」である場合の例をL7に示す。このように、彩度分布を補完することにより、色彩の変化を滑らかにし、自然な画像データを生成することができる。
【0031】
なお、D5の幅に応じて、隣接する部分D6の幅を決定する際には、上述した階調特性と同様に、補正領域に対応するD5の幅が大きいほど、補完の対象となる範囲D6を広く決定すれば良い。また、ステップS10で選択された補正領域における画像データの彩度分布を判定する際には、大きくずれた点(輝点など)を除外するために、全体の80%程度の分布を見ると良い。なお、「青」および「緑」についても同様である。
【0032】
さらに、制御部12は、ステップS7からステップS9の処理を上述したとおりに行う。
(3)階調補正の内容および色変換処理の内容が制御部12内の不図示のメモリに記録されている場合(ステップS12およびステップS14YESの場合)。
制御部12は、ステップS5において、上述した(1)と同様の処理を行い、ステップS6からステップS9において、上述した(2)と同様の処理を行う。
【0033】
制御部12は、以上説明した(1)から(3)何れかの処理を行い、ステップS10において、補正領域が選択されたと判定するとステップS11に進み、ステップS11以降の処理を上述したとおりに行う。
一方、ステップS10において、補正領域が選択されないと判定すると、ステップS17において、制御部12は、ステップS9で圧縮処理が施された画像データとともに、ステップS4で一次記録したホワイトバランス調整処理後の画像データを、記録部15に記録する。なお、制御部12は、圧縮処理が施された画像データのみを、記録部15に記録しても良い。この場合には、ステップS4で一次記録したホワイトバランス調整処理後の画像データを消去しても良い。
【0034】
以上説明したように、本実施形態によれば、被写体像を撮像して画像データを取得する撮影手段と、撮影手段により取得された画像データに対して、少なくとも階調補正処理を含む画像処理を施す画像処理手段と、画像処理手段により画像処理が施された画像データを表示する表示手段と、表示手段により表示された画像データを複数の領域に分割する分割手段と、ユーザ指示に基づいて、複数の領域のうち少なくとも1つの領域を、補正領域として選択する選択手段と、補正領域における画像データの階調特性分布を判定する判定手段と、ユーザ指示に基づいて、階調特性分布の補正内容を指定する指定手段とを備え、撮影手段により取得された画像データと、画像処理手段による画像処理の途中または画像処理後の画像データとの何れかに対して、その画像データのうち、補正領域における画像データの階調特性分布を、指定手段により指定された補正内容に基づいて補正する。したがって、ユーザの要望に応じた階調補正処理を実現することができる。特に、ユーザの要望に応じた部分において、ユーザの要望に応じた補正内容で、階調補正処理を実現することができる。例えば、逆光時の人物の顔部分や、低輝度部の黒つぶれ、晴天青空の白飛び等に対して、ユーザの意図を反映した階調補正処理を実現することができる。
【0035】
また、本実施形態によれば、補正領域における画像データの階調特性分布を補正する際に、補正領域における画像データの階調特性と、隣接する部分の階調特性とを補完し相互の連続性が保たれるように補正する。したがって、階調補正処理を行った部分と行っていない部分との間に階調の段差が発生するのを防ぎ、自然な画像データを生成することができる。
【0036】
また、本実施形態によれば、補正領域における画像データの階調特性と、隣接する部分の階調特性とを補完する際に、補正領域における画像データの階調特性分布に応じて、補完の対象となる隣接する部分の階調特性の幅を決定する。したがって、補正領域における画像データの階調特性分布に応じた処理を行うことができる。
また、本実施形態によれば、補正領域における画像データの彩度分布を判定する判定手段と、ユーザ指示に基づいて、彩度分布の補正内容を指定する指定手段とを備え、撮影手段により取得された画像データと、画像処理手段による画像処理の途中または画像処理後の画像データとの何れかに対して、その画像データのうち、補正領域における画像データの彩度分布を、指定手段により指定された補正内容に基づいて補正する。したがって、ユーザの要望に応じた色変換処理を実現することができる。特に、ユーザの要望に応じた部分において、ユーザの要望に応じた補正内容で、色変換処理を実現することができる。
【0037】
また、本実施形態によれば、補正領域における画像データの彩度分布を補正する際に、補正領域における画像データの彩度と、隣接する部分の彩度とを補完し相互の連続性が保たれるように補正する。したがって、色変換処理を行った部分と行っていない部分との間の色彩の変化を滑らかにし、自然な画像データを生成することができる。
また、本実施形態によれば、補正領域における画像データの彩度と、隣接する部分の彩度とを補完する際に、補正領域における画像データの彩度分布に応じて、補完の対象となる隣接する部分の彩度の幅を決定する。したがって、補正領域における画像データの彩度分布に応じた処理を行うことができる。
【0038】
また、本実施形態によれば、撮影手段は、画像データとして、RAWデータを取得する。したがって、画質を落とさずに、ユーザの要望に応じた補正を行うことができる。
また、本実施形態によれば、表示手段は、選択手段により選択された補正領域を識別可能に表示する。したがって、ユーザによる補正領域の選択において、適切な選択を促すことができる。
【0039】
なお、本実施形態では、階調補正処理と色変換処理との両方について、ユーザの要望に応じた処理を実現可能な構成について説明したが、階調補正処理と色変換処理との何れか一方のみについて、ユーザの要望に応じた処理を実現可能な構成としても良い。なお、色変換処理のみについて、ユーザの要望に応じた処理を実現可能な構成とする場合には、ホワイトバランス調整処理後の画像データの代わりに、ステップS5で階調補正処理を施した画像データを、制御部12内の不図示のメモリに一次記録し、ステップS16の処理後に、ステップS6に戻る構成とすると良い。
【0040】
また、本実施形態では、図3のフローチャートのステップS4において、ホワイトバランス調整処理後の画像データを、制御部12内の不図示のメモリに一次記録する例を示したが、ホワイトバランス調整処理後の画像データの代わりに、ステップS2で取得したRAWデータを、制御部12内の不図示のメモリに一次記録する構成としても良い。この場合、ステップS16の処理後に、ステップS3に戻る構成とすれば良い。
【0041】
また、本実施形態では、撮像時に一連の処理を行う例を示したが、図3のフローチャートのステップS9の後に、圧縮処理が施された画像データと、ステップS4で一次記録したホワイトバランス調整処理後の画像データとを記録部15に記録しておき、ユーザ指示にしたがって、記録部15に記録した画像データを再生するときに、図3のフローチャートのステップS10以降の処理を行う構成としても良い。
【0042】
また、本実施形態では、図3のフローチャートのステップS10において、1つの補正領域が選択された場合の例を示したが、ステップS10において、複数の補正領域を同時に選択可能な構成としても良い。
また、本実施形態では、図3のフローチャートのステップS10における補正領域の選択と、ステップS12およびステップS14における補正内容の指定を、タッチパネルである液晶モニタ4を介して行う例を示したが、これらの各処理の一部または全部を操作部11を介して行う構成としても良い。
【0043】
また、本実施形態では、図3のフローチャートのステップS11において、選択された補正領域の色を変えることにより識別可能にして液晶モニタ4に表示する例を示した(図4B参照)が、他の方法で識別可能にして表示しても良い。例えば、図6に示した階調特性分布のグラフや図7に示した彩度分布のグラフを液晶モニタ4に表示し、そのグラフのうち、選択された補正領域に対応する部分の色や線種を変えることにより、識別可能に表示しても良い。
【0044】
また、本実施形態では、電子カメラを例に挙げて説明を行ったが、他の撮像装置あるいはデータ処理装置に本発明を適用しても良い。また、本発明で説明した各処理の一部または全部をコンピュータなどの装置で行う構成としても良い。コンピュータには、図3で示したフローチャートと同様の処理を実現可能なプログラムを予めインストールしておけば良い。そして、コンピュータにおいて、RAWデータやホワイトバランス調整処理後の画像データなどを取得し、図3で示したフローチャートと同様の処理を実行すれば良い。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】電子カメラ1の背面外観図である。
【図2】電子カメラ1の機能ブロック図である。
【図3】撮像時における制御部12の動作を示すフローチャートである。
【図4】液晶モニタ4における表示の例を示す図である。
【図5】液晶モニタ4における表示の例を示す別の図である。
【図6】階調特性分布について説明する図である。
【図7】彩度分布について説明する図である。
【符号の説明】
【0046】
1…電子カメラ,4…液晶モニタ,10…撮像部,11…操作部,12…制御部,14…画像処理部,15…記録部,16…検知部

【出願人】 【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
【出願日】 平成18年8月1日(2006.8.1)
【代理人】 【識別番号】100072718
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 史旺

【識別番号】100116001
【弁理士】
【氏名又は名称】森 俊秀


【公開番号】 特開2008−35457(P2008−35457A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−209474(P2006−209474)