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【発明の名称】 画像処理装置及び情報重畳方法
【発明者】 【氏名】鈴木 忠臣

【要約】 【課題】両面印刷における重畳情報の認識率を高めることができる画像形成装置を提供する。

【構成】入力した表面画像データと裏面画像データの色と、濃度と、画像構成要素の配置位置との少なくとも1つを解析する画像解析部14と、画像の複写を禁止する複写禁止コードを生成する背景地紋画像生成部16と、表面画像と裏面画像とに複写禁止コードを重畳する画像合成部17と、複写禁止コードが重畳された画像を形成するプリント部18と、解析された色と濃度の少なくも1つに応じて、表面画像と裏面画像とに重畳する複写禁止コードの形態を変更する制御部15とを有している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力した表面画像データと裏面画像データとの色と、濃度と、画像構成要素の配置位置との少なくとも1つを解析する画像解析手段と、
画像データに重畳する重畳情報を生成する重畳情報生成手段と、
前記表面画像と前記裏面画像とに前記重畳情報を重畳する画像合成手段と、
前記重畳情報が重畳された画像を出力する画像出力手段と、
解析された前記色と、前記濃度と、前記画像構成要素の配置位置との少なくも1つに応じて、前記表面画像と前記裏面画像とに重畳する前記重畳情報の形態を変更する制御手段と、
を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記色と、前記濃度と、前記画像構成要素の配置位置との少なくも1つに応じて、前記重畳情報の色、大きさ、形状、濃度、配置位置の少なくとも1つを変更することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記制御手段は、指定された転写紙の色情報に応じて、前記画像データに重畳する前記重畳情報の色を決定することを特徴とする請求項1又は2記載の画像処理装置。
【請求項4】
入力した表面画像データと裏面画像データとの色と、濃度と、画像構成要素の配置位置との少なくとも1つを解析するステップと、
解析された前記色と、前記濃度と、前記画像構成要素の配置位置との少なくも1つに応じて、前記表面画像と前記裏面画像とに重畳する前記重畳情報の形態を変更するステップと、
画像データに重畳する重畳情報を生成するステップと、
前記表面画像と前記裏面画像とに前記重畳情報を重畳するステップと、
前記重畳情報が重畳された画像を形成するステップと、
を有することを特徴とする情報重畳方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿画像の無断コピーを防止する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータやプリンタ、コピー機など、画像形成機能を持つ装置の普及により、書類を複製することが極めて簡単になってきている。このような状況下においては、著作権が付与された原稿、あるいは“コピー禁止”、“複製厳禁”、“マル秘”などといった無断複製の禁止が要求される原稿(以下まとめて“機密原稿”ともいう)に対しても容易にコピーが行われてしまうという欠点がある。このため、画像形成機能を持つ装置には、機密原稿の悪用複製を防止する機能を持たせることが必要である。
【0003】
例えば、特許文献1では、複写禁止情報(コピー禁止とするか否か)、複写許可条件情報(条件が合致する場合にはコピーを許可するための情報)、潜像情報(コピーすると浮き上がる潜像に関する情報)等の複写禁止コードを画像データの背景地紋パターンとして記録しておいて、コピー可能なユーザを制限する技術を開示している。
【0004】
また、用紙の表面と裏面とに画像を形成する両面印刷においては、どちらか一方の面に形成した複写禁止コードを認識できれば、機密原稿の無断コピーを防止することができるため、複写禁止コードの認識率を高める技術が提案されている。
【0005】
例えば、特許文献2では、両面印刷された原稿に付加される画像処理装置の機体番号を示すドットパターンの認識精度を上げるために、用紙の表面と裏面とに異なるサイズのドットパターンを印刷する技術を開示している。
【0006】
【特許文献1】特開2003−280469号公報
【特許文献2】特開平10−243127号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2の開示技術は、表面と裏面に形成するドットパターンのサイズを変更することにしか触れられておらず、両面印刷において、複写禁止コードの認識率を高める技術のさらなる改善が望まれている。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、両面印刷において、複写禁止コードの認識率を高めた画像処理装置及び情報重畳方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる目的を達成するために本発明の画像処理装置は、入力した表面画像データと裏面画像データとの色と、濃度と、画像構成要素の配置位置との少なくとも1つを解析する画像解析手段と、画像データに重畳する重畳情報を生成する重畳情報生成手段と、前記表面画像と前記裏面画像とに前記重畳情報を重畳する画像合成手段と、前記重畳情報が重畳された画像を出力する画像出力手段と、解析された前記色と、前記濃度と、前記画像構成要素の配置位置との少なくも1つに応じて、前記表面画像と前記裏面画像とに重畳する前記重畳情報の形態を変更する制御手段とを有する構成としている。
このように本発明は、重畳情報を重畳する画像を解析し、その解析結果に応じて重畳情報の形態や、配置位置を変更するので、複写禁止コードの認識率を高めることができる。
【0010】
上記画像処理装置において、前記制御手段は、前記色と、前記濃度と、画像構成要素の配置位置との少なくも1つに応じて、前記重畳情報の色、大きさ、形状、濃度、配置位置の少なくとも1つを変更するとよい。また、前記制御手段は、指定された転写紙の色情報に応じて、前記画像データに重畳する前記重畳情報の色を決定するとよい。
【0011】
本発明の情報重畳方法は、入力した表面画像データと裏面画像データとの色と、濃度と、画像構成要素の配置位置との少なくとも1つを解析するステップと、解析された前記色と、前記濃度と、前記画像構成要素の配置位置との少なくも1つに応じて、前記表面画像と前記裏面画像とに重畳する前記重畳情報の形態を変更するステップと、画像データに重畳する重畳情報を生成するステップと、前記表面画像と前記裏面画像とに前記重畳情報を重畳するステップと、前記重畳情報が重畳された画像を形成するステップとを有している。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、両面印刷における重畳情報の認識率を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
添付図面を参照しながら本発明の好適な実施例を説明する。
【実施例】
【0014】
本実施例では、重畳情報として、原稿画像の複製を禁止する複写禁止コードを例に説明する。
複写禁止コード付き画像には、画像の形成を制限するコードが埋め込まれている。このコードは、背景地紋画像として画像中に埋め込まれている。複写禁止コードには以下の情報がある。
(A)・・・複写禁止情報(コピー禁止とするか否か)
(B)・・・複写許可条件情報(条件が合致する場合にはコピーを許可するための情報)
例えば、暗証番号、複写を許可するユーザID番号(社員番号等)、複写禁止を解除する日時、複写を許可する複写機の機械番号
(C)・・・潜像情報(コピーすると浮き上がる潜像に関する情報)
例えば、潜像の文字列、フォント種類、フォントサイズ、潜像文字列の方向(角度)、背景地紋画像色
【0015】
背景地紋画像について図1を参照しながら詳細に説明する。背景地紋画像は、潜像画像IPと、出力画像Oの全面にわたる背景パターンPBとから構成される。
【0016】
背景パターンPBと潜像画像IPとは、それぞれを構成するパターンが異なる。しかし、人間の目には全面均一のグレイ背景として見える様に、単位面積あたりの画素面積及び画素色が同一なパターンにより出力画像Oを形成する。
【0017】
潜像画像IPは、複写された文書において、潜像画像IPが人間の目で識別できる程度に画像が浮かびあがるよう、他の部分のよりも細かいドットで構成されている。
【0018】
背景パターンPBは、コードから構成される。コードは、任意のコードデータを表す条件コードCDと、複写を制限する禁複写コードCPとから構成される。
【0019】
コードは、任意のコードデータを表す斜線パターンPSから構成される。斜線パターンPSは、走査方向Dに対し反時計回りに45度傾いた半直線で表されるものがコードデータのビット0を、135度傾いたものがコードデータのビット1を表す。
【0020】
禁複写コードCPは、全斜線パターンPSがビット0を表すものとビット1を表すものとから構成される。禁複写コードCPは、2種類の禁複写コードCPを所定個数以上検出した場合に、複写が制限された原稿であると判断するために使用される。
【0021】
条件コードCDは、同期コード領域ASとデータコード領域ACとから構成される。
同期コード領域ASとは、データコード領域ACを囲む所定サイズの矩形領域の外周がすべてビット1を表す斜線パターンPS1で構成されているコード領域を言う。
データコード領域には、暗証番号、複写を許可するユーザID番号(社員番号等)、複写禁止を解除する日時、複写を許可する複写機の機械番号等が符号化され、条件コードCDとして埋め込まれている。
【0022】
次に、図2を参照しながら画像形成装置1の構成を説明する。画像形成装置1は、画像展開部10と、スキャナ部11と、スキャン画像処理部12と、画像蓄積部13と、画像解析部14と、制御部15と、背景地紋画像生成部16と、画像合成部17と、プリント部18と、ユーザインターフェース部19とを備えている。
【0023】
画像展開部10は、LAN等のネットワークを介して、プリント記述言語(PDL)で記述されたプリントデータを入力する。画像展開部10は、入力したプリントデータの展開処理を行って、画像データを生成する。生成された画像データは画像蓄積部13に蓄積される。
【0024】
スキャナ部11は、プラテンガラス上に置かれた原稿の画像を読み取り、読み取った原稿画像データをスキャン画像処理部12に出力する。
【0025】
スキャン画像処理部12は、入力した画像データに対して、色補正、色空間変換、スクリーン処理等を行い、画像処理後の原稿画像データを画像蓄積部13に蓄積する。
【0026】
画像合成部17は、画像蓄積部13から原稿画像データを読み出してプリント部18に出力する。また、制御部15によって背景地紋画像を合成するように設定されている場合、画像蓄積部13からの原稿画像データの読み出しに同期して、画像合成部17内のメモリに蓄積された背景地紋画像データを読み出し、原稿画像データの所定の色プレーンに論理和(OR)合成を行い、合成画像データをプリント部18へ出力する。プリント部18は、画像合成部17から出力される合成画像データ、または画像データを用紙上に記録する。
【0027】
画像解析部14は、原稿画像データの表面画像と裏面画像とを画像蓄積部13から読み込んで、それぞれの面に形成された画像の色、濃度、画像を構成する要素の配置等を判定する。
【0028】
制御部15は、画像解析部14の解析結果と、ユーザインターフェース部19によって設定された用紙設定情報とから、表面画像と裏面画像とに付加する複写禁止コードの色、大きさ、形態、濃度、配置位置等を決定する。
例えば、原稿画像の濃度が高いと、複写禁止コードを黒で印字しても認識率が上がらない。そこで、画像の濃度が所定値よりも高い場合には、制御部15は複写禁止コードを白抜きで印刷するように設定する。また、印刷する用紙の色と複写禁止コードとのコントラストの差があまりないと、複写禁止コードの認識率が低下してしまうため、用紙の色によって複写禁止コードの色を変更する。例えば、複写禁止原稿は、紫や桃色といった色付きの用紙に印刷することが多いが、そのような場合に、複写禁止コードをマゼンタで印刷すると複写禁止コードを認識し難くなるので、マゼンタ以外の色で形成する。また、画像解析部14で解析した原稿画像の構成要素の配置に基づいて、複写禁止コードを認識し易い位置に配置する。
【0029】
この他に、表面と裏面とに印刷する複写禁止コードの大きさや、太さを変更したり、複写禁止コードの色を裏面と表面とで変更することもできる。例えば、表面の複写禁止コードを太く形成すると、裏面の複写禁止コードは表面に形成したコードよりも細く形成する。また、表面の複写禁止コードを黒に設定すると、裏面の複写禁止コードを赤で設定することもできる。さらに、表面に複写禁止コードを設定した場合に、裏面にはバーコードやQRコードを用紙の一部分に形成するように設定することもできる。
【0030】
背景地紋画像生成部17は、制御部15から指定された色、形状、濃度の制御コードを生成して、画像合成部17に出力する。画像合成部17は、画像蓄積部13から読み出した画像データに、背景地紋画像生成部16で生成された背景地紋画像を合成してプリント部18に出力する。プリント部18は、背景地紋画像が合成された画像を用紙に形成する。
【0031】
次に、図3に示すフローチャートを参照しながら本実施例の処理手順を説明する。
制御部15は、複写禁止コードを付加した両面印刷の要求を、例えばユーザインターフェース部19から受け付けると(ステップS1)、原稿画像データの画像蓄積部13への蓄積を開始する(ステップS2)。原稿台に置かれた原稿をスキャナ部11で読み取った原稿画像や、コンピュータによって作成され、LANを介して受信した原稿画像を画像蓄積部13に蓄積する。なお、予め画像蓄積部13に蓄積された原稿画像に対する印刷要求であった場合、この処理は省かれる。
【0032】
制御部15は、画像蓄積部13に表面と裏面の2ページ分の原稿画像データが蓄積されると(ステップS3/YES)、蓄積した原稿画像を画像解析部14で解析する(ステップS4)。画像解析部14では、表面画像と裏面画像の色、形状、濃度、画像構成要素の配置等を解析する。
【0033】
制御部15は画像解析部14から解析結果が出力されると(ステップS4)、この解析結果と、ユーザインターフェース部19の設定情報とに基づいて背景地紋画像生成部16に複写禁止コードの形態を指示する(ステップS6)。例えば、原稿画像の濃度が高いと判定された場合には、複写禁止コードを白抜きで印刷する、ユーザインターフェース部19で設定された用紙の色と、複写禁止コードとのコントラストの差がでるように設定する、画像解析部14で解析した原稿画像の構成要素の配置に基づいて、複写禁止コードを認識し易い位置に配置する等である。
【0034】
背景地紋画像生成部16は、制御部15で指示された形態の複写禁止コードを生成して画像合成部17に出力する(ステップS7)。画像合成部17は画像蓄積部13から原稿画像データを読み出して、読み出した原稿画像データに複写禁止コードを重畳してプリント部18に出力する(ステップS8)。プリント部18は複写禁止コード付きの画像を用紙上に形成する。この処理を設定された全てのページの処理が終了するまで行う(ステップS9)。
【0035】
このように本実施例は、原稿の表面と裏面とに印刷された画像を解析し、複写禁止コードを認識しやすいようにその形態を変更するので、複写禁止コードの認識率を高めることができる。
【0036】
なお、上述した実施例では、画像解析部14を設けて、原稿画像の解析結果に応じて重畳する複写禁止コードを変更していたが、原稿画像の解析を行わずに予め設定しておいた複写禁止コードを重畳してもよい。例えば、表面と裏面とに埋め込む複写禁止コードの大きさを、表面と裏面とでそれぞれ設定された大きさで形成したり、表面と裏面に形成する複写禁止コードの色を、表面と裏面とでそれぞれ設定された色に形成したりすることもできる。また、表面の全面には複写禁止コードを埋め込み、裏面にはバーコードやQR(Quick Response code)コードを一部分に形成することもできる。また、上述した実施例では重畳情報として複写禁止コードを例に説明したが、バーコードやQRコードだけを原稿画像に重畳する際にも本発明を十分に適用することができる。
【0037】
上述した実施例は本発明の好適な実施例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】背景地紋画像を示す図である。
【図2】画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図3】制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0039】
1 画像形成装置
10 画像展開部
11 スキャナ部
12 スキャン画像処理部
13 画像蓄積部
14 画像解析部
15 制御部
16 背景地紋画像生成部
17 画像合成部
18 プリント部
19 ユーザインターフェース部
【出願人】 【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
【出願日】 平成18年8月1日(2006.8.1)
【代理人】 【識別番号】100087480
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 修平


【公開番号】 特開2008−35448(P2008−35448A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−209381(P2006−209381)