トップ :: H 電気 :: H04 電気通信技術




【発明の名称】 撮像装置
【発明者】 【氏名】岸 順司

【要約】 【課題】CCD自体の設計変更を伴うことなく、CCDの映像出力速度を高速化できる撮像装置を提供する。

【構成】CCD3と、このCCD3を読出し制御するカメラ内制御部2とを具備し、カメラ内制御部2の転送クロック生成回路(CG)22による転送クロック制御により、CCD3の水平レジスタ12が空になる前に、CCD3の垂直レジスタ11の画素転送を行うことで、水平レジスタ12の部分読出しを可能にし、これによって、被写体が存在しない画面領域の映像出力を省き、映像出力期間を短縮して、映像出力速度を高速化した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
CCDと、前記CCDに設けられた水平レジスタに水平転送クロックを供給し、前記CCDに設けられた垂直レジスタに垂直転送クロックを供給して、前記CCDから撮像データを読み出す制御手段とを具備した撮像装置において、
前記制御手段に、
前記CCDの1ライン分の画素出力に必要なクロック数を最大クロック数として、前記水平レジスタに供給する水平転送クロックのクロック数を可変制御し、この可変制御した水平クロックの終端に同期させて前記垂直転送クロックを前記垂直レジスタに供給する転送クロック供給手段
を具備したことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記転送クロック供給手段は、前記CCDの撮像画面における画素出力を必要としない領域を指定した、外部から入力された信号に従って、前記水平転送クロックのクロック数を可変制御し、この可変制御した水平転送クロックにより、前記水平レジスタに対して画素出力期間を短縮した部分読出しを行うことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記水平レジスタに残存する重ね書き部分の画素データを外部への転送対象から除外する手段を具備したことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像素子にCCDを用いた撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
撮像素子にCCDを用いた撮像装置においては、通常、CCDの1ライン分のすべての画素データを対象に、1画面分の画素データを読み出している。工業用、観測用、監視用等、予め定められた特定の用途に適用されるCCDデジタルカメラにおいては、用途によって、映像出力の高速化が要求される。これを実現する従来の技術として、CCD画素出力後の後段処理により、部分データの切り出しを行って、出力するデータ量を削減する手法が存在する。この映像出力の高速化手法は、出力するデータ量の削減によるデータ転送の高速化を図ることはできるが、CCDの映像出力(画素データ出力)速度を高速化することはできない。このCCDの映像出力速度を高速化する技術として、従来では、CCDの水平レジスタに、不要な電化を掃き捨てる機能をもたせる技術が存在する。しかしながら、この技術は、CCD自体の設計変更を伴う技術であって、現在普及している市販のCCDに適用できない。
【特許文献1】特開平11−112868号公報
【特許文献2】特開平9−331483号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述したように、従来では、CCD自体の設計変更を伴うことなく、現在普及している市販のCCDを対象に、CCDの映像出力速度を高速化する有効な技術が存在しなかった。
【0004】
本発明は上記実情に鑑みなされたもので、CCD自体の設計変更を伴うことなく、CCDの映像出力速度を高速化できる撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、CCDと、前記CCDに設けられた水平レジスタに水平転送クロックを供給し、前記CCDに設けられた垂直レジスタに垂直転送クロックを供給して、前記CCDから撮像データを読み出す制御手段とを具備した撮像装置において、前記制御手段に、前記CCDの1ライン分の画素転送に必要なクロック数を最大クロック数として、前記水平レジスタに供給する前記水平転送クロックのクロック数を可変制御し、この可変制御した水平クロックの終端に同期させて前記垂直転送クロックを前記垂直レジスタに供給する転送クロック供給手段を具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の撮像装置によれば、CCD自体の設計変更を伴うことなく、CCDの映像出力速度を高速化できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
【実施例】
【0008】
本発明の実施形態に係る撮像装置は、CCDと、このCCDを読出し制御する制御手段とを具備し、上記制御手段の転送クロック制御により、CCDの水平レジスタが空になる(1ライン分の画素がすべて読み出される)前に、CCDの垂直レジスタのシフトを行うことで、上記水平レジスタの部分読出しを可能にし、これによって、被写体が存在しない画面領域の映像出力を省き、映像出力(画素データ出力)期間を短縮して、映像出力速度を高速化したことを特徴とする。以下、この撮像装置をCCDデジタルカメラと呼称する。
【0009】
図1、および図2は、上記した本発明の実施形態に係るCCDデジタルカメラの概要を説明するための図である。
【0010】
図1には、本発明の実施形態に係るCCDデジタルカメラ1と、このCCDデジタルカメラ1で撮影する被写体(P)とを示している。
【0011】
図2には、図1に示す被写体Pを同じく図1に示すCCDデジタルカメラ1で撮影した際の垂直レジスタ11上の映像イメージおよび出力映像イメージを示している。
【0012】
CCDデジタルカメラ1は、図2に示すように、垂直レジスタ11、水平レジスタ12、出力バッファ13を有して構成される。これらの各構成要素は、CCDがもともと有している既存の構成要素である。
【0013】
垂直レジスタ11上の撮像データには、被写体(P)が存在しない領域A,Bを含んでいる。
【0014】
出力バッファ13から出力された映像イメージ14は、上記領域Aに、上記領域Bの画素データ(映像信号)が上書き(重ね書き)され、上記領域Bの画素データが、上記領域Aに残存している。この領域を「A+B」で示している。この映像イメージ14における領域「A+B」は、水平レジスタ12が空になる(1ライン分の画素がすべて読み出される)前に、垂直レジスタ11のシフトを行うことで生成される。
【0015】
この領域「A+B」は、水平レジスタ12上で電荷加算が行われることから、正常な映像イメージとなっていない。しかし、この領域「A+B」は、被写体(P)が存在しない領域であり、外部での映像イメージの出力には必要としない、不要な領域である。
【0016】
この図2に示すような、垂直レジスタ11および水平レジスタ12に対しての転送クロック制御による、水平レジスタ12の部分読出しによって、被写体(P)が存在しない画面領域の映像出力(画素出力)を省き、映像出力(画素データ出力)期間を短縮して、映像出力速度を高速化できる。
【0017】
上記した本発明の実施形態に係るCCDデジタルカメラ1の要部の構成を図3および図4に示す。
【0018】
本発明の実施形態に係るCCDデジタルカメラ1は、例えばパーソナルコンピュータ等の外部制御装置5に接続されて、外部制御装置5の制御の下に撮像処理を実行する。この外部制御装置5は、上記CCDデジタルカメラ1の撮像画面において、画像出力を必要としない領域(図2に示す領域B)をCCDデジタルカメラ1に対して指定する指示信号(図3に示す符号CT参照)を出力する。
【0019】
CCDデジタルカメラ1は、カメラ内部の制御を司るカメラ内制御部2と、カメラ内制御部2により制御されて動作する撮像素子を構成するCCD3とを有する。
【0020】
CCD3は、上記図2に示したように、垂直レジスタ(V−Reg)11と、水平レジスタ(H−Reg)12と、出力バッファ13とを有して構成される。
【0021】
垂直レジスタ11は、カメラ内制御部2から垂直転送クロック(V−CLK)を受けることによって1ライン分の画素データを水平レジスタ12に転送(シフト)する。水平レジスタ12はカメラ内制御部2から水平転送クロック(H−CLK)を受けて画素データを1画素単位で出力バッファ13に出力する。
【0022】
カメラ内制御部2は、CCD3から出力された撮像データを一時記憶する出力バッファ21と、CCD3に、水平転送クロック(H−CLK)、および垂直転送クロック(V−CLK)を供給する転送クロック供給手段となる転送クロック生成回路(CG)22とを有する。
【0023】
転送クロック生成回路(CG)22は、CCD3の1ライン分の画素出力に必要なクロック数を最大クロック数として、水平レジスタ12に供給する水平転送クロック(H−CLK)のクロック数を可変制御し、この可変制御した水平転送クロック(H−CLK)の終端に同期させてCCD3の垂直レジスタ11に垂直転送クロック(V−CLK)供給する。
【0024】
水平転送クロック(H−CLK)は、水平レジスタ12から出力バッファ13に1画素分の映像信号(画素データ)を転送する動作を行わせるための信号であり、垂直転送クロック(V−CLK)は、垂直レジスタ11から水平レジスタ12に1ライン分の映像信号(画素データ)を転送(シフト)する動作を行わせるための信号である。
【0025】
転送クロック生成回路(CG)22は、図4に示すように、外部制御装置5から出力された指示信号(CT)を入力するインタフェースを具備し、入力された指示信号(CT)に従い、水平転送クロック(H−CLK)のクロック数を可変制御する。、この可変制御した水平転送クロック(H−CLK)と、この水平転送クロック(H−CLK)の終端に同期して出力される垂直転送クロック(V−CLK)とにより、CCD3の水平レジスタ12に対して画素出力期間を短縮した部分読出しを可能にしている。
【0026】
この転送クロック生成回路(CG)22で生成可能な、転送クロックを図5に例示している。
【0027】
図5(a)は、既存の転送クロックと同様に、CCD3の1ライン分の画素出力に必要なクロック数を有する、転送タイミング[TA]の水平転送クロック(H−CLK)および垂直転送クロック(V−CLK)を示している。図5(b)は、上記指示信号(CT)に従い、水平転送クロック数を可変制御した、転送タイミング[TB]の水平転送クロック(H−CLK)および垂直転送クロック(V−CLK)を示している。
【0028】
この図5(b)に示す転送クロックの可変制御例では、転送タイミング[TB]の水平転送クロック数を、転送タイミング[TA]の水平転送クロック数に対して2/3程度にしている。
【0029】
この転送タイミング[TB]の転送クロックで、CCD3の垂直レジスタ11および水平レジスタ12を制御することにより、図2に示す領域Bの映像(画素)が領域Aに重ね書きされる。この転送制御により、重ね書きされた画素数に相当する映像出力(画素出力)が省かれ、映像出力(画素データ出力)期間が短縮する。
【0030】
上記した転送タイミング[TB]の転送クロックで、CCD3の垂直レジスタ11および水平レジスタ12を制御した場合の映像出力例を図6乃至図9に時系列(状態遷移)で示している。
【0031】
図6に示す動作タイミングは、CCD3に垂直転送クロック(V−CLK)が未だ入力されていない状態(観測点を参照)を示している。この動作タイミングでは、まだ水平レジスタ12が「空」の状態(水平レジスタ12に映像が蓄積されていない状態)にある。
【0032】
図7に示す動作タイミングは、CCD3に垂直転送クロック(V−CLK)が入力された直後の状態(観測点を参照)を示している。この動作タイミングでは、垂直レジスタ11から水平レジスタ12に、1ライン分の映像(画素)が転送されている。
【0033】
図8に示す動作タイミングは、CCD3に垂直転送クロック(V−CLK)が上記転送タイミング[TB]の水平転送クロック数だけ入力された状態(観測点を参照)を示している。この動作タイミングでは、水平レジスタ12から出力バッファ13を介して被写体(P)の一部映像が出力バッファ21に出力されている。
【0034】
また、この動作タイミングでは、既存の動作と異なり、水平転送クロック(H−CLK)がこの点で停止することから、水平レジスタ12に、被写体(P)以外の余分な映像が残っている。
【0035】
図9に示す動作タイミングは、CCD3に、再度、垂直転送クロック(V−CLK)が入力された直後の状態(観測点を参照)を示している。この動作タイミングでは、垂直レジスタ11から水平レジスタ12に、さらに、次の1ライン分の映像(画素)が転送されている。また、この動作タイミングでは水平レジスタ12に、映像の重ね書き部分(映像重複領域)15が形成される。この映像重複領域15には、以降の垂直転送クロック(V−CLK)に伴う転送動作においても映像が重ね書きされる。これにより、図2に示す領域Bの映像(画素)が領域Aに1ライン単位で重ね書きされた状態となり、重ね書きされた画素数の映像出力動作が省かれて、その分、映像出力(画素データ出力)期間が短縮する。
【0036】
このような本発明の実施形態に係る転送制御機能により、例えば、必要な領域(被写体領域)がCCD撮像画面全体の1/2の場合は、映像出力期間が3/4、必要な領域(被写体領域)がCCD撮像画面全体の1/3の場合は、映像出力期間が2/3にそれぞれ短縮され、この短縮された動作時間分だけ映像出力速度を高速化できる。さらに、出力バッファ21上で、若しくは出力バッファ21から外部制御装置5への撮像データ転送時に於いて、上記映像重複領域15のデータを削除することにより、外部への映像出力速度をさらに高速化できる。
【0037】
上記した本発明の実施形態に係る転送制御機能による映像出力速度の高速化は、CCDの設計変更を伴わず、CCDの周辺回路の変更のみで実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施形態に係る撮像装置の概要を説明するための、被写体を撮影している状態を示す図。
【図2】上記実施形態に係る撮像装置の概要を説明するための、映像イメージを示す図。
【図3】上記実施形態に係る撮像装置の要部の構成を示すブロック図。
【図4】上記実施形態に係る撮像装置の要部の構成を示すブロック図。
【図5】上記実施形態に係る撮像装置の水平および垂直転送クロックの転送タイミング例を示す図。
【図6】上記実施形態に係る撮像装置の動作を説明するための状態遷移を示す図。
【図7】上記実施形態に係る撮像装置の動作を説明するための状態遷移を示す図。
【図8】上記実施形態に係る撮像装置の動作を説明するための状態遷移を示す図。
【図9】上記実施形態に係る撮像装置の動作を説明するための状態遷移を示す図。
【符号の説明】
【0039】
1…CCDデジタルカメラ、2…カメラ内制御部、3…CCD、5…外部制御装置(パーソナルコンピュータ)、11…垂直レジスタ(V−Reg)、12…水平レジスタ(H−Reg)、13…出力バッファ、14…映像イメージ、15…映像の重ね書き部分(映像重複領域)、21…出力バッファ、22…転送クロック生成回路(CG)、H−CLK…水平転送クロック、V−CLK…垂直転送クロック、CT…指示信号。
【出願人】 【識別番号】000220620
【氏名又は名称】東芝テリー株式会社
【出願日】 平成18年7月31日(2006.7.31)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦

【識別番号】100091351
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 哲

【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠

【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊

【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司

【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘

【識別番号】100084618
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 貞男

【識別番号】100092196
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 良郎


【公開番号】 特開2008−35391(P2008−35391A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−208657(P2006−208657)