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【発明の名称】 デジタルカメラ
【発明者】 【氏名】辻山 純基

【要約】 【課題】光学的ローパスフィルタを用いずにモアレを除去する。

【構成】撮像素子移動ユニット20は固定枠21、可動部22、第1、第2のアクチュエータ23a、23b、および第1、第2の弾性体24a、24bを有する。固定枠21を4辺形の枠状に形成する。可動部22を4辺形の板状に形成する。可動部21を固定枠21の枠内に配置する。可動部22に撮像素子12を固定する。第1、第2のアクチュエータ23a、23bを可動部22の辺部と固定枠21の内壁との間に設ける。第1、第2のアクチュエータ23a、23bは第1、第2の方向に沿って伸縮自在である。第1、第2の弾性体24a、24bにより可動部22を第3、第2の方向に付勢する。撮像素子12に1フレームの画像信号を生成させる間に、第1の経路に沿って撮像素子12を移動させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受光面に2次元状に複数の画素が配列され、受光する被写体像に応じた画像信号を生成する撮像素子と、
前記撮像素子が1フレームの前記画像信号を生成するための受光期間に、前記受光面に平行な平面に沿って前記撮像素子を所定の第1の経路で移動させる撮像素子移動ユニットとを備える
ことを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項2】
前記複数の画素は同一の画素間隔で配列され、前記第1の経路は前記画素間隔の√2/2倍以下の距離を半径とする円状の経路であることを特徴とする請求項1に記載のデジタルカメラ。
【請求項3】
前記複数の画素は同一の画素間隔で配列され、前記第1の経路は前記画素間隔の2倍以下の距離で、前記受光面に平行な第1の方向、前記受光面に平行で前記第1の方向に垂直な第2の方向、前記第1の方向の逆方向、前記第2の方向の逆方向に順番に直進移動する経路であることを特徴とする請求項1に記載のデジタルカメラ。
【請求項4】
前記第1の経路は閉じた経路であり、前記撮像素子を前記第1の経路で移動させる周回周期は、前記デジタルカメラの最短露光時間の1/2以下に設定されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のデジタルカメラ。
【請求項5】
受光面に2次元状に複数の画素が配列され、受光する被写体像に応じた画像信号を生成する撮像素子と、
前記撮像素子が1フレームの前記画像信号を生成するための受光期間に、前記受光面に平行な平面に沿って、前記撮像素子を所定の第1の経路で移動させることにより、前記画素が受光する光線を相対的に分散して複数の前記画素に受光させる撮像素子移動ユニットとを備える
ことを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項6】
前記複数の画素は同一の画素間隔で配列され、前記撮像素子移動ユニットは前記撮像素子を前記画素間隔の√2/2倍以下の距離を半径とする円状に平行移動させることを特徴とする請求項4に記載のデジタルカメラ。
【請求項7】
前記複数の画素は同一の画素間隔で配列され、前記撮像素子移動ユニットは前記撮像素子を前記画素間隔の2倍以下の距離で、前記受光面に平行な第1の方向、前記受光面に平行で前記第1の方向に垂直な第2の方向、前記第1の方向の逆方向、前記第2の方向の逆方向に順番に直進移動させることを特徴とする請求項4に記載のデジタルカメラ。
【請求項8】
前記撮像素子移動ユニットによる前記撮像素子の移動を停止させるための切替えスイッチを備えることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のデジタルカメラ。
【請求項9】
前記撮像素子が連続して生成する複数の前記画像信号を平均化する平均化処理を実行可能な画像信号処理部を備え、
前記切替えスイッチを第2の移動モードに切替えることにより、前記撮像素子は所定のフレーム数の画像信号を連続して生成し、前記撮像素子が各フレームの前記画像信号の生成後から次のフレームの前記画像信号の生成前までの間に前記撮像素子移動ユニットは前記撮像素子を第2の経路で移動させ、前記画像信号処理部は前記撮像素子が連続的に生成した複数の前記画像信号を平均化する
ことを特徴とする請求項7に記載のデジタルカメラ。
【請求項10】
前記撮像素子移動ユニットは、前記撮像素子を前記受光面に平行な第3の方向に移動させる第1のアクチュエータと、前記撮像素子を前記受光面に平行で前記第3の方向に垂直な第4の方向に移動させる第2のアクチュエータとを有する
ことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のデジタルカメラ。
【請求項11】
前記第1、第2のアクチュエータは、圧電素子であることを特徴とする請求項9に記載のデジタルカメラ。
【請求項12】
前記受光期間は、メカニカルシャッタまたは電子シャッタにより調整されることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載のデジタルカメラ。
【請求項13】
前記撮像素子を、前記受光面に沿って移動自在なまま支持する支持部と、
前記支持部の、前記受光面に沿った移動量を検出する変位センサとを備え、
前記撮像素子移動ユニットは、前記変位センサが検出した移動量に応じて前記撮像素子を前記受光面に沿って移動させることが可能である
ことを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載のデジタルカメラ。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、光学的ローパスフィルタを用いずにモアレを除去するデジタルカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルカメラでは、モアレを除去するために撮像素子の前面に光学的ローパスフィルタを設けていた。しかし、光学的ローパスフィルタは高価であった。また、光学的ローパスフィルタを用いることにより解像力およびコントラストの低下した画像となることがあり、光学的ローパスフィルタは着脱自在であることが望まれていたが、機構が複雑化することが問題であった。
【0003】
そこで、数値計算的にモアレを除去する(特許文献1参照)ことや、光学的ローパスフィルタを回転させながら被写体像を複数回撮影し画像を合成することによりモアレを除去する(特許文献2参照)ことが提案されている。
【0004】
しかし、特許文献1の方法ではモアレを完全に除去することが困難であり、特許文献2の方法では被写体を複数回撮影しなければならないため、被写体が動いている場合に合成した画像がぶれることが問題であった。
【特許文献1】特開2001−119596号公報
【特許文献2】特開2001−188202号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明では、光学的ローパスフィルタを用いずにモアレを十分に除去し、かつ簡潔な機構で動く被写体を鮮明に撮影可能なデジタルカメラの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1のデジタルカメラは、受光面に2次元状に複数の画素が配列され、受光する被写体像に応じた画像信号を生成する撮像素子と、撮像素子が1フレームの画像信号を生成するための受光期間に受光面に平行な平面に沿って撮像素子を所定の第1の経路で移動させる撮像素子移動ユニットとを備えることを特徴としている。
【0007】
なお、複数の画素は同一の画素間隔で配列され、第1の経路は画素間隔の√2/2倍以下の距離を半径とする円状の経路であることが好ましい。または、複数の画素は同一の画素間隔で配列され、第1の経路は画素間隔の2倍以下の距離で受光面に平行な第1の方向、受光面に平行で第1の方向に垂直な第2の方向、第1の方向の逆方向、第2の方向の逆方向に順番に直進移動する経路であることが好ましい。
【0008】
また、第1の経路は閉じた経路であり、撮像素子を第1の経路で移動させる周回周期はデジタルカメラの最短露光時間の1/2以下に設定されることが好ましい。
【0009】
本発明の第2のデジタルカメラは、受光面に2次元状に複数の画素が配列され受光する被写体像に応じた画像信号を生成する撮像素子と、撮像素子が1フレームの画像信号を生成するための受光期間に受光面に平行な平面に沿って撮像素子を所定の第1の経路で移動させることにより画素が受光する光線を相対的に分散して複数の画素に受光させる撮像素子移動ユニットとを備えることを特徴としている。
【0010】
なお、複数の画素は同一の画素間隔で配列され、撮像素子移動ユニットは撮像素子を画素間隔の√2/2倍以下の距離を半径とする円状に平行移動させることが好ましい。または、複数の画素は同一の画素間隔で配列され、撮像素子移動ユニットは撮像素子を画素間隔の2倍以下の距離で受光面に平行な第1の方向、受光面に平行で第1の方向に垂直な第2の方向、第1の方向の逆方向、第2の方向の逆方向に順番に直進移動させることが好ましい。
【0011】
また、撮像素子移動ユニットによる前記撮像素子の移動を停止させるための切替えスイッチを備えることが好ましい。
【0012】
また、撮像素子が連続して生成する複数の画像信号を平均化する平均化処理を実行可能な画像信号処理部を備え、切替えスイッチを第2の移動モードに切替えることにより撮像素子は所定のフレーム数の画像信号を連続して生成し撮像素子が各フレームの画像信号の生成後から次のフレームの画像信号の生成前までの間に撮像素子移動ユニットは撮像素子を第2の経路で移動させ画像信号処理部は撮像素子が連続的に生成した複数の画像信号を平均化することが好ましい。
【0013】
また、撮像素子移動ユニットは撮像素子を受光面に平行な第3の方向に移動させる第1のアクチュエータと撮像素子を受光面に平行で第3の方向に垂直な第4の方向に移動させる第2のアクチュエータとを有することが好ましい。さらに、第1、第2のアクチュエータは圧電素子であることが好ましい。
【0014】
また、受光期間はメカニカルシャッタまたは電子シャッタにより調整されることが好ましい。
【0015】
また、撮像素子を受光面に沿って移動自在なまま支持する支持部と、支持部の受光面に沿った移動量を検出する変位センサとを備え、撮像素子移動ユニットは変位センサが検出した移動量に応じて撮像素子を受光面に沿って移動させることが可能であることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、光学的ローパスフィルタを用いずに画素に入射する光線を相対的に分散させることが可能となる。したがって、モアレの除去が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態を適用したデジタルカメラの内部構成を概略的に示すブロック図である。
【0018】
デジタルカメラ10は、撮影光学系11、撮像素子12、AFE(Analog Front End)13、DSP(Digital Signal Processor)14、撮像素子移動ユニット20、および移動ユニットドライバ15などによって構成される。
【0019】
撮影光学系11は、撮像素子12に光学的に接続される。撮影光学系11を透過する被写体の光学像が撮像素子12の受光面に入射される。撮像素子12は、例えばCCDである。受光面において被写体の光学像が受光されることにより、光学像に相当する画像信号が生成される。
【0020】
撮影光学系11と撮像素子12の間には、シャッタ(図示せず)が配置される。シャッタの開閉により被写体光束の通過と遮光が切替えられる。シャッタはシャッタ駆動部(図示せず)によって駆動され、開閉が実行される。
【0021】
撮像素子12は、撮像素子移動ユニット20に、受光面に沿って移動自在に支持される。撮像素子移動ユニット20には、後述するようにアクチュエータ(図示せず)が設けられる。アクチュエータは移動ユニットドライバ15によって駆動される。
【0022】
撮像素子12は、AFE13を介してDSP14に接続される。また、AFE14はCPU16に接続される。CPU16からAFE13にクロック信号が出力される。AFE13は、クロック信号に基づいてフレーム信号及び撮像素子駆動信号を生成する。撮像素子駆動信号は撮像素子12に送信される。撮像素子12は、撮像素子駆動信号に基づいて画像信号を生成する。
【0023】
なお、撮像素子12の受光面には、ベイヤー方式に応じてマトリックス状に画素が配列される。例えば、受光面にはm×nに等分割された位置それぞれに画素が配列される。各画素における受光量に応じて画素信号が生成される。画像信号は、有効画素領域における複数の画素が生成する複数の画素信号によって形成される。
【0024】
生成した画像信号はAFE13に送信される。画像信号はAFE13において相関二重サンプリング、ゲイン調整、及びA/D変換が施され、画像データに変換される。画像データはDSP14に送信される。
【0025】
DSP14により、送信された画像データに対して所定のデータ処理が施される。DSP14には、LCD17が接続される。所定のデータ処理が施された画像データは、LCD17に送信される。送信された画像データに相当する画像がLCD17に表示可能である。
【0026】
また、DSP14は、コネクタ(図示せず)を介してメモリカード18に接続可能である。後述するレリーズ動作を実行するときに、所定の信号処理の施された画像データはメモリカード18に格納可能である。なお、メモリカード18は、コネクタから着脱自在である。
【0027】
また、DSP14には、CPU16が接続される。DSP14における画像データに対する所定のデータ処理、LCD17および/またはメモリカード18への画像データの送信は、CPU16によって制御される。また、CPU16は、移動ユニットドライバ15に接続される。移動ユニットドライバ15によるアクチュエータの駆動は、CPU16によって制御される。
【0028】
また、CPU16にはデジタルカメラ10を操作するためのコマンド入力を行なうための操作入力部19が接続される。操作入力部19は、レリーズボタン(図示せず)、設定ボタン(図示せず)、および多機能十字キー(図示せず)などによって構成される。ユーザーによる操作入力部19へのコマンド入力に応じて、CPU16はデジタルカメラ10の各部位に必要な動作を行なわせる。
【0029】
デジタルカメラ10には、撮影モード、設定モード等の複数の動作モードが設けられる。設定ボタンを押下することにより、撮影モードと設定モードとの切替を行うことが可能である。
【0030】
撮影モードにおいて、レリーズボタンを押下することによりデジタルカメラ10の撮像動作が実行される。例えば、シャッタ(図示せず)の開閉が行なわれ、撮像素子12により1フレームの画像信号が生成される。
【0031】
設定モードにおいて多機能十字キーを操作することにより、デジタルカメラ10の各種設定を変更することが可能である。デジタルカメラ10には、モアレ除去機能が設けられる。設定モードにおいて、モアレ除去機能のON/OFFの切替が可能である。
【0032】
モアレ除去機能をOFFにしている場合、撮影時にCPU16の制御により移動ユニットドライバ15はアクチュエータの駆動を停止する。アクチュエータの駆動停止により撮像素子12が固定される。撮像素子12が固定された状態で、撮像素子12による画像信号の生成が行なわれる。
【0033】
モアレ除去機能をONにしている場合、撮影時にCPU16の制御により移動ユニットドライバは、後述するように撮像素子12を移動させるためにアクチュエータを駆動する。アクチュエータの駆動により撮像素子12は1フレームの受光期間中に所定の第1の経路で移動しながら、1フレームの画像信号の生成が行なわれる。
【0034】
次に、撮像素子移動ユニットの構成および、モアレ除去機能について詳細に説明する。図2は撮像素子移動ユニット20の構成を模式的に示す平面図である。撮像素子移動ユニット20は、固定枠21、可動部22、第1、第2のアクチュエータ23a、23b、および第1、第2の弾性体24a、24bによって形成される。なお、図2における下から上向きの方向を第1の方向、左から右向きを第2の方向、第1の方向の逆方向を第3の方向、第2の方向の逆方向を第4の方向として表示する。
【0035】
固定枠21は、4辺形の枠状に形成される。固定枠21がデジタルカメラ10の筐体(図示せず)に固定される。可動部22は4辺形状の板状に形成される。可動部22は、固定枠21の枠内に配置される。可動部22には、受光面が第1、第2の方向に平行となるように、撮像素子12が固定される。
【0036】
第1のアクチュエータ23aは、可動部22の第3の方向側の辺部と固定枠21の第3の方向側枠の内壁との間に設けられる。第2のアクチュエータ23bは、可動部22の第2の方向側の辺部と固定枠21の第2の方向側の枠の内壁との間に設けられる。第1、第2のアクチュエータ23a、23bは積層の圧電素子であり、それぞれ第1、第2の方向に沿って伸縮可能である。第1、第2のアクチュエータ23a、23bは、移動ユニットドライバ15から印加される電圧により伸縮する。
【0037】
第1の弾性体24aは、可動部22の第1の方向側の辺部と固定枠21の第1の方向側の枠の内壁との間に設けられる。第2の弾性体24bは、可動部22の第4の方向側の辺部と固定枠21の第4の方向側の枠の内壁との間に設けられる。第1、第2の弾性体24a、24bの端部は、可動部22および固定枠21に当接しており、第1、第2の弾性体24a、24bにより、可動部22はそれぞれ第3、第2の方向に付勢される。
【0038】
以上のような構成の撮像素子移動ユニット20において、第1、第2のアクチュエータ23a、23bに印加する電圧を調整することによって、可動部22および撮像素子12を第1、第2の方向に沿って移動させることが可能である。
【0039】
前述のように、モアレ除去機能をONにしているとき、撮像素子移動ユニット20は、撮像素子12を第1の経路に沿って移動させる。第1の経路は、第1、第2の方向に平行な平面上の経路であり、図3に示すように、撮像素子12の隣合う4つの画素12pの中心を同じ光線が通過するように、隣合う画素間の距離の√2/2を半径とする円状の経路であって、始点と終点が一致する。
【0040】
1フレームの画像信号を生成するための受光期間中(露光時間中)に、撮像素子12は第1の経路のに沿って2周以上移動する。デジタルカメラ10の最高シャッター速度は、例えば1/8000秒であるので、撮像素子12の周回周波数は、8000×2=16000Hzとなる。撮像素子12を固定した場合に単一の画素12pにのみ入射する光線が、相対的に分散され第1の経路上の画素12pにも入射することになる。
【0041】
したがって、画素12pが受光する光線は光学的ローパスフィルタを用いたときと同様に分散された光線となり、光学的ローパスフィルタを用いたときと同様に、モアレが除去される。
【0042】
なお、第1の経路を、第2、第3の経路に変更させることも可能である。第2の経路は、図4に示すように、隣合う画素12p間の距離の1/2を半径とする円状の経路であり、始点と終点が一致する。すなわち、第1、第2の方向に沿った移動量が隣合う画素12p間の距離に一致する。第2の経路に沿って移動させる場合は、第1の経路に比べて、モアレや偽色信号の抑制効果が劣るが、解像度の低下が少なく、周回距離が短く、より安価なアクチュエータの利用が可能であり、また周回周波数を高速化可能となる。
【0043】
第3の経路は、図5に示すように、第1の方向への並進移動、第4の方向への並進移動、第3の方向への並進移動、第2の方向への並進移動を隣合う画素12p間の距離だけ連続して行う経路である。第3の経路に添って移動させる場合は、第1、第2の経路に沿った移動に比べて、アクチュエータの駆動制御が複雑になるが、光学ローパスフィルタによるモアレや偽色信号の抑制の特性に近くなる利点が得られる。
【0044】
また、デジタルカメラ10では、モアレ除去を以下のような動作のマルチショットによっても実行可能である。マルチショットによる場合、レリーズボタンの押下により連続して4フレームの画像信号が生成される。
【0045】
各フレームの画像信号の生成時に、第1、第2のアクチュエータ23a、23bの駆動を停止させ、撮像素子12は固定される。第1のフレームから第2のフレーム、第2のフレームから第3のフレーム、第3のフレームから第4のフレームの撮影までの間に、第1のアクチュエータ23aまたは第2のアクチュエータ23bを駆動して、第1の方向、第4の方向、第3の方向、第2の方向に撮像素子12を移動させる。
【0046】
第4のフレームの画像信号を生成し終えると、DSP14により第1〜第4の画像データの演算処理が行われる。すなわち、同じ位置の画素における各色成分ごとのフレームの画素データが所定のアルゴリズムにより演算される。演算された画素信号により構成される画像データが、モアレが除去された画像データとして生成される。
【0047】
次に、撮影モードにおいてデジタルカメラにより実行される動作について、図6、図7のフローチャートを用いて説明する。図6、図7は、デジタルカメラの撮影時に行なわれる各種動作を説明するための第1、第2のフローチャートである。
【0048】
デジタルカメラ10の動作モードを撮影モードに切替えることにより、撮影のための制御および信号処理などを開始する。ステップS100において、モアレ除去機能がONとなっているかが判定される。
【0049】
モアレ除去機能がOFFである場合は、ステップS101に進む。ステップS101では、レリーズボタンが押下されているかどうかの判定が行なわれる。押下されていないときは、押下されるまでステップS101を繰返す。レリーズボタンが押下されたとき、ステップS102に進む。
【0050】
ステップS102において、レリーズ動作が実行される。レリーズ動作において、シャッタが設定される露光時間となるように開閉され、シャッタが開いている間に撮像素子12による受光が終了するように撮像素子12が駆動される。レリーズ動作の実行により1フレームの画像信号が生成される。
【0051】
レリーズ動作が終了するとステップS103に進み、生成した画像信号に所定の信号処理を施し、画像データに変換してメモリカード18に格納する。画像データをメモリカード18に格納することにより、撮影時の制御は終了する。
【0052】
ステップS100においてモアレ除去機能がONであるときは、ステップS104に進む(図7参照)。ステップS104では、シングルショットまたはマルチショットのいずれによるモアレ除去方式が選択されているかが判定される。
【0053】
なお、シングルショットによるモアレ除去の方式とは1フレームの画像信号の生成時に撮像素子12を移動させる方式であり、マルチショットによるモアレ除去の方式とは4フレームの画像信号の生成の合間に撮像素子12を移動させる方式である。
【0054】
シングルショットによるモアレ除去が選択されている場合は、ステップS105に進む。ステップS105では、第1〜第3の経路のいずれの経路が選択されているかが認識される。
【0055】
経路の認識後ステップS106において、レリーズボタンが押下されているか否かの判定が行なわれる。レリーズボタンが押下されていない場合はステップS106に戻り、レリーズボタンが押下されるまでステップS106の動作が繰返される。
【0056】
レリーズボタンが押下されるとステップS107に進む。ステップS107では、第1、第2のアクチュエータ23a、23bの駆動を開始する。第1、第2のアクチュエータ23a、23bの駆動は、ステップS105で認識された経路に応じて制御される。
【0057】
第1、第2のアクチュエータ23a、23bの駆動を開始すると、ステップS108に進む。ステップS108では、レリーズ動作が実行される。レリーズ動作において、シャッタが設定される露光時間となるように開閉され、シャッタが開いている間に撮像素子12による受光が終了するように撮像素子12が駆動される。レリーズ動作の実行により1フレームの画像信号が生成される。
【0058】
レリーズ動作の実行を終えると、ステップS109に進む。ステップS109では、第1、第2のアクチュエータ23a、23bの駆動を停止させる。第1、第2のアクチュエータ23a、23bの駆動停止後ステップS103に戻り、生成した画像信号に所定の信号処理を施し、画像データに変換してメモリカード18に格納する。
【0059】
ステップS104において、マルチショットによるモアレ除去が選択されている場合は、ステップS110に進む。ステップS110では、第1、第2のアクチュエータ23a、23bを駆動することにより撮像素子12を初期位置に移動させる。
【0060】
撮像素子12を初期位置に移動させた撮影待機状態において、ステップS111ではレリーズボタンが押下されているか否かの判定が行なわれる。レリーズボタンが押下されていない場合はステップS111に戻り、レリーズボタンが押下されるまでステップS111の動作が繰返される。
【0061】
レリーズボタンが押下されるとステップS112に進む。ステップS112では、レリーズ動作が実行される。レリーズ動作において、シャッタが設定される露光時間となるように開閉され、シャッタが開いている間に撮像素子 による受光が終了するように撮像素子12が駆動される。レリーズ動作の実行により1フレームの画像信号が生成される。
【0062】
生成した画像信号は、ステップS113において、一時的に保存される。なお、ステップS112で生成された画像信号は、メモリカード18でなくDSP14に接続されるデータ処理用のSDRAM(図示せず)に一時的に保存される。
【0063】
1フレームの画像信号の一時保存後ステップS114に進む。ステップS114では、第1のアクチュエータ23aまたは第2のアクチュエータ23bを駆動し、第1〜第4のいずれかの方向に撮像素子12を移動させる。
【0064】
撮像素子12の移動後のステップS115において、レリーズ動作を4回行なったか否かの判定が行なわれる。レリーズ動作を4回行なっていない場合は、ステップS112に戻る。以後、レリーズ動作4回行なうまで、ステップS112〜ステップS115の動作が繰返される。
【0065】
ステップS115においてレリーズ動作を4回行なったと判定されたときは、ステップS116に進む。ステップS116では、SDRAMに一時保存された4つの画像データに対して、前述の演算が行われる。演算により単一の画像データが生成される。
【0066】
単一の画像データを生成すると、ステップS103に戻り、生成した画像データに所定のデータ処理を施し、メモリカード18に格納する。
【0067】
以上のような構成であるデジタルカメラ10によれば、光学的ローパスフィルタを用いずにモアレを十分に除去することが可能となる。また、シングルショットによるモアレ除去であれば、動く被写体に対しても鮮明な画像を撮影し、モアレ除去を行うことが可能である。
【0068】
また、解像度の低下を防止するためにモアレ除去機能をOFFにすることを、簡易な機構で実現することが可能である。したがって、光学的ローパスフィルタを用いる場合に生じる着脱時のゴミの混入の問題や故障の発生を生じることが無い。
【0069】
なお、本実施形態において、マルチショットによるモアレ除去が可能であるが、シングルショットによるモアレ除去のみが可能な構成であってもよい。ただし、周囲の光量が不十分であるときには、マルチショットによるモアレ除去を実行可能なほうがよい。
【0070】
また、本実施形態において、撮像素子12の第1、第2の経路に沿った移動は画素間隔の√2/2、1/2倍を半径とする円に沿った移動であるが、画素間隔の√2/2倍以下であれば何倍であってもよい。
【0071】
また、本実施形態において、撮像素子12の第3の経路に沿った移動は画素間隔と同じ距離の並進移動であるが、画素間隔の2倍以下であれば、何倍であってもよい。
【0072】
また、本実施形態において、第1の経路に沿って撮像素子12を2周させるように移動させた構成であるが、何周であってもよい。ただし、少なくとも1周以上移動させることが好ましい。
【0073】
また、本実施形態において、第1、第2の経路のような円運動の半径および第3の経路のような並進移動における移動量は固定される構成であるが、ユーザーにより変更可能な構成であってもよい。
【0074】
また、本実施形態において撮像素子12のカラーフィルタの配列はベイヤー配列であるが、他の方式によって配列されていてもよい。
【0075】
また、本実施形態において、撮像素子を移動させる経路は第1〜第3の経路であるが、撮像素子12の受光面に平行な平面上を移動する経路であれば、いかなる経路であってもよい。例えば、第1の方向または第2の方向のみに沿った移動であってもよい。特に、撮像素子のカラーフィルタの配列がストライプ方式である場合などには、第2の方向のみに沿って移動させることにより、本実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
【0076】
ただし、本実施形態の撮像素子12のように2行2列に並ぶ4つの画素によりカラーフィルタ繰返し単位が形成されている場合は、カラーフィルタ繰返し単位の中心を軸として周回する閉じた経路であることが好ましい。
【0077】
また、本実施形態において、モアレ除去機能のON/OFFを切替え可能な構成であるが、切替えは出来ずに常にONであってもよい。ただし、前述のように、目的に応じてモアレ除去のON/OFFが可能な構成が好ましい。
【0078】
また、本実施形態において、第1、第2のアクチュエータ23a、23bには圧電素子が用いられる構成であるが、他のいかなるアクチュエータを用いてもよい。ただし、微細な運動の駆動精度および高速駆動が求められることから圧電素子を用いることが好ましい。
【0079】
また、本実施形態において、第1、第2の方向に沿って伸縮する第1、第2のアクチュエータ23a、23bを用いる構成であるが、撮像素子12を受光面に平行な平面に沿って移動させることが可能ないかなる動力を用いてもよい。例えば、モータを用いて第1、第2の経路に沿って撮像素子12に円運動をさせることも可能である。
【0080】
また、本実施形態において、メカニカルシャッタを用いて撮像素子12に入射する光の受光期間の調整を行なう構成であるが、電子シャッタ機能を用いて調整する構成であってもよい。電子シャッタ機能を用いて調整する構成であれば、スチルカメラだけでなくビデオカメラに適用することも可能である。
【0081】
また、本実施形態において、撮像素子移動ユニット20はモアレ除去のためにのみ用いられる構成であるが、手ぶれ補正機能に用いてもよい。例えば、デジタルカメラに設けるジャイロセンサによりデジタルカメラおよび撮像素子移動ユニットの移動量が検出される。この移動量は手ぶれによる移動量であり、移動を打ち消す方向に撮像素子を移動させることにより、手ぶれ補正も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の一実施形態を適用したデジタルカメラの内部構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】撮像素子移動ユニットの構成を模式的に示す平面図である。
【図3】撮像素子を移動させる第1の経路を説明するための撮像素子の平面図である。
【図4】撮像素子を移動させる第2の経路を説明するための撮像素子の平面図である。
【図5】撮像素子を移動させる第3の経路を説明するための撮像素子の平面図である。
【図6】デジタルカメラの撮影時に行なわれる各種動作を説明するための第1のフローチャートである。
【図7】デジタルカメラの撮影時に行なわれる各種動作を説明するための第2のフローチャートである。
【符号の説明】
【0083】
10 デジタルカメラ
12 撮像素子
14 DSP(Digital Signal Processor)
15 移動ユニットドライバ
16 CPU
20 撮像素子移動ユニット
21 固定枠
22 可動部
23a、23b 第1、第2のアクチュエータ
24a、24b 第1、第2の弾性体
【出願人】 【識別番号】000000527
【氏名又は名称】ペンタックス株式会社
【出願日】 平成18年7月28日(2006.7.28)
【代理人】 【識別番号】100090169
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 孝

【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹

【識別番号】100127306
【弁理士】
【氏名又は名称】野中 剛

【識別番号】100129746
【弁理士】
【氏名又は名称】虎山 滋郎

【識別番号】100132045
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 伸


【公開番号】 特開2008−35241(P2008−35241A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−206775(P2006−206775)