| 【発明の名称】 |
電子カメラ |
| 【発明者】 |
【氏名】佐藤 琢也
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| 【要約】 |
【課題】尾引状ノイズの発生を抑制する
【構成】本発明の電子カメラは、撮像部、ゲイン調整部、A/D変換部、およびレベル制限部を備える。撮像部は、被写体像を光電変換して、アナログの画像信号を生成する。ゲイン調整部は、撮像感度の設定値に応じて、画像信号のゲインを調整する。A/D変換部は、ゲイン調整部でゲイン調整された画像信号をデジタル化する。レベル制限部は、ゲイン調整部のゲインが予め定められた閾値よりも大きい場合に、ゲイン調整を行う前の画像信号に対して信号レベルの制限をかける。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被写体像を光電変換して、アナログの画像信号を生成する撮像部と、 撮像感度の設定値に応じて、前記画像信号をゲイン調整するゲイン調整部と、 前記ゲイン調整部でゲイン調整された前記画像信号をデジタル化するA/D変換部とを備えた電子カメラであって、 前記ゲイン調整部のゲインが予め定められた閾値よりも大きい場合に、前記ゲイン調整を行う前の前記画像信号に対して信号レベルを制限するレベル制限部を備えた ことを特徴とする電子カメラ。 【請求項2】 請求項1に記載の電子カメラにおいて、 前記レベル制限部は、 前記ゲイン調整部のゲインが大きいほど、前記ゲイン調整前の画像信号の振幅制限幅を狭める ことを特徴とする電子カメラ。 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の電子カメラにおいて、 前記レベル制限部は、 前記撮像部の信号ラインのリセット電位を設定変更して、前記信号ライン上の前記画像信号のDCレベルをずらすことにより、前記ゲイン調整を行う前の前記画像信号の信号レベルを制限する ことを特徴とする電子カメラ。 【請求項4】 請求項3に記載の電子カメラにおいて、 前記レベル制限部は、 前記信号ラインに前記画像信号を読み出す前に、前記信号レベルを制限する回路設定を完了する ことを特徴とする電子カメラ。 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の電子カメラにおいて、 前記レベル制限部は、 被写体を判定して高輝度被写体の存在を検知し、 前記ゲイン調整部のゲインと、前記高輝度被写体の存在とから、前記ゲイン調整を行った後の前記画像信号が予め定められた許容レベルを超えると予測される場合に、前記ゲイン調整を行う前の前記画像信号に対して信号レベルを制限する ことを特徴とする電子カメラ。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、電子カメラに関する。 【背景技術】 【0002】 従来、撮像域内に過度な高輝度被写体が存在すると、撮像後の画像信号に尾引状ノイズが発生する。特許文献1には、この尾引状の異常レベルを推定して、画像信号中から尾引状ノイズを除去する技術が開示されている。 【特許文献1】特開2006−24985号公報(請求項3など) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 本発明は、電子カメラ内において、この尾引状ノイズの発生を抑制することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0004】 《1》 本発明の電子カメラは、撮像部、ゲイン調整部、A/D変換部、およびレベル制限部を備える。 撮像部は、被写体像を光電変換して、アナログの画像信号を生成する。 ゲイン調整部は、撮像感度の設定値に応じて、画像信号のゲインを調整する。 A/D変換部は、ゲイン調整部でゲイン調整された画像信号をデジタル化する。 レベル制限部は、ゲイン調整部のゲインが予め定められた閾値よりも大きい場合に、ゲイン調整を行う前の画像信号に対して信号レベルの制限をかける。 《2》 なお好ましくは、レベル制限部は、ゲイン調整部のゲインが大きいほど、ゲイン調整前の画像信号の振幅制限幅を狭める。 《3》 また好ましくは、レベル制限部は、撮像部の信号ラインのリセット電位を設定変更して、信号ライン上の画像信号のDCレベルをずらす。その結果、信号ラインや回路のダイナミックレンジなどによって、ゲイン調整前の画像信号の信号レベルが抑制される。 《4》 なお好ましくは、レベル制限部は、信号ラインに画像信号を読み出す前に、信号レベルを抑制する回路設定を完了する。 《5》 また好ましくは、レベル制限部は、被写体を判定して高輝度被写体の存在を検知する。レベル制限部は、ゲイン調整部のゲインと、高輝度被写体の存在とに基づいて、ゲイン調整を行った後の画像信号が予め定められた許容レベルを超えるか否かを予測する。レベル制限部は、超えると予測した場合に、ゲイン調整を行う前の画像信号に対して信号レベルの制限をかける。 【発明の効果】 【0005】 本発明は、撮像感度の高感度設定に連動して、ゲイン調整前の画像信号にレベル制限を施す。通常、高感度設定を使用する撮影状況では、撮像部で生成される画像信号は全般的に信号レベルが小さくなる。そのため、一般的な撮影状況では、本発明のレベル制限による画質への悪影響は殆ど無い。 一方、被写界内に高輝度被写体が存在すると、高感度設定に拘わらず、撮像部で生成される画像信号の信号レベルが大きくなる。この信号箇所は、高感度設定用の高ゲインと相乗して大きく増幅される。その結果、画像信号の処理回路内では、画像信号が過度に飽和するために電荷が抜けきらず、尾引状ノイズが発生する。本発明は、この高感度設定に連動して、ゲイン調整前の画像信号の信号レベルをレベル制限する。その結果、増幅中または増幅後における過度な飽和発生を回避して、尾引状ノイズの発生を抑制することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0006】 《第1実施形態》 [電子カメラの構成説明] 図1は、本実施形態の電子カメラ10を示すブロック図である。 図1において、電子カメラ10には、撮影レンズ12が装着される。この撮影レンズ12の像空間には、撮像素子11の撮像面が配置される。撮像素子11は、撮像制御部14によって制御される。この撮像素子11から出力される画像信号は、信号処理部15(ゲイン調整部を含む)およびA/D変換部16を経由して、メモリ17に一時格納される。 このメモリ17は、バス18に接続される。このバス18には、マイクロプロセッサ19、記録部22、画像圧縮部24、モニタ表示部30、および画像処理部25なども接続される。このマイクロプロセッサ19には、撮像制御部14、信号処理部15、レリーズ釦などの操作部19a、測光部19bが接続される。また、上記の記録部22には、記録媒体22aが着脱自在に装着される。 【0007】 [レベル制限部の回路例] 図2は、上述した撮像素子11の周辺回路の一部を示す図である。 撮像制御部14からはリセットパルスが出力される。このリセットパルスは、コンデンサCxを介して、撮像素子11のリセット端子に入力される。 一方、マイクロプロセッサ19は、D/A変換部33および増幅器34を介して、電圧Vsを出力する。この電圧は、ダイオードDiを介して、撮像素子11のリセット端子に印加される。 【0008】 [高感度設定に連動するレベル制限動作の説明] 図3は、電子カメラ10によるレベル制限の動作を説明する流れ図である。以下、図3に示すステップ番号に沿って、この動作を説明する。 【0009】 ステップS1: マイクロプロセッサ19は、ユーザー設定や測光値などに応じて、撮像感度の設定値を決定する。 【0010】 ステップS2: マイクロプロセッサ19は、撮像感度の設定値を信号処理部15へ伝達する。信号処理部15内のゲイン調整部は、撮像感度の設定値に対応して、画像信号のゲインを決定する。 【0011】 ステップS3: マイクロプロセッサ19は、ステップS2で設定されるゲインを閾値判定し(ここでは18dB以上か否か)、ゲインの大小を判定する。ゲインが大きいと判定された場合、マイクロプロセッサ19はステップS4に動作を移行する。ゲインが小さいと判定された場合、マイクロプロセッサ19はステップS5に動作を移行する。 【0012】 ステップS4: ここでは、高ゲイン設定(高感度設定)の判定に連動して、ゲイン調整前の画像信号の信号レベルを制限する。 例えば、この信号レベルの制限は、下記のような回路動作によって実施される。まず、マイクロプロセッサ19は、D/A変換部33にあたえるデータ値を変化させ、増幅器34から出力される電圧Vsを増加させる(図2参照)。 リセットパルスがロウレベルの期間、この電圧VsによってダイオードDiが導通し、コンデンサCxに電荷が蓄積される。このコンデンサCxの電荷蓄積に伴って、信号ラインのリセット端子には、ダイオードDiの順方向電圧をVdとして、(Vs−Vd)の電圧が現れる。 この状態で、リセットパルスが電圧幅Vpだけ上昇してハイレベルに変化する。すると、コンデンサCxの保持電圧の分だけ、リセット端子の電圧がオフセット上昇する。その結果、ダイオードDiは逆バイアスになって電気的に切り離され、リセット端子の電圧は(Vp+Vs−Vd)に上昇する。 このように、電子カメラ10の高ゲイン設定(高感度設定)に連動して、リセット端子の印加電圧(リセットゲートのゲート電圧)は高めに設定される。その結果、撮像素子11内では、信号ラインのリセット電位が、低ゲイン設定時(低感度設定時)に比べて、飽和レベル側へずれる(図4参照)。このリセット電位の偏移により、信号ライン上を通過する画像信号のDCレベルは、飽和レベル側へ近づく。その結果、画像信号のDCレベルと飽和レベルとのレベル差が狭まり、画像信号の振幅制限幅がより狭く設定変更される。 このようにして、画像信号の読み出しに先立って信号ラインをリセットするたびに、画像信号の信号レベルを抑制する回路設定が完了する。 上述した設定動作の後、マイクロプロセッサ19はステップS6に動作を移行する。 【0013】 ステップS5: 一方、低ゲイン設定(低感度設定)の場合は、マイクロプロセッサ19によって、増幅器34から出力される電圧Vsが引き下げられる。その結果、信号ラインのリセット電位は飽和レベル側から離れ、画像信号の振幅制限幅をできる限り広く確保することができる(図4参照)。 上述した設定動作の後、マイクロプロセッサ19はステップS6に動作を移行する。 【0014】 ステップS6: マイクロプロセッサ19は、ユーザーからのレリーズ操作を受け付けると、撮像制御部14に撮像開始を指示する。撮像制御部14は、撮像感度の設定値に基づく露出設定(電荷蓄積時間、絞り値など)で、撮像素子11の露光制御を実施する。露光を完了した後、撮像制御部14は、撮像素子11から画像信号を順次に読み出す。 このとき、画像信号には、撮像素子11内の信号ラインを通過することによって、予め設定された振幅制限幅に従って、信号レベルが制限される(図4参照)。 信号処理部15内のゲイン調整部は、撮像感度の設定値に応じたゲインで、撮像素子11から出力された画像信号を増幅する。A/D変換部16は、ゲイン調整された画像信号をデジタル化し、メモリ17に格納する。メモリ17に格納された画像データは、画像処理部25や画像圧縮部24などによるデータ処理を経た後、記録部22を介して記録媒体22aにファイル保存される。 【0015】 [第1実施形態の効果など] 第1実施形態では、電子カメラ10の高感度設定に連動して、ゲイン調整前の画像信号にレベル制限を施す。このレベル制限によって、高輝度被写体による画像信号の信号レベルを抑制し、高感度設定時の高ゲイン増幅によって生じる過度な飽和状態を防止することができる。その結果、過度な回路飽和によって生じる尾引状ノイズを解消することが可能になる。 【0016】 なお、一般的な高感度の撮影状況では、撮像素子11で生成される画像信号の信号レベルは全般的に小さく、信号レベルの制限はかからない。そのため、信号レベルの制限による画質低下は殆ど無視することができる。 【0017】 また、第1実施形態では、高感度設定に連動して、撮像素子11内の信号ラインのリセット電位をずらし、信号ラインを通過する画像信号のDCレベルを飽和レベル側へずらす。この動作により、画像信号のDCレベルと飽和レベルとのレベル差が狭まり、画像信号の振幅制限幅を狭めることができる。その結果、レベル制限用の専用回路を別途追加することなく、ゲイン調整前の画像信号の信号レベルを抑制することが可能になる。 【0018】 さらに、第1実施形態では、画像信号の読み出しに先立ち、信号レベルを抑制する回路設定を完了する。したがって、ゲイン調整前の画像信号の信号レベルをより確実に抑制することができる。 【0019】 《第2実施形態》 図5は、第2実施形態における電子カメラの動作を説明する流れ図である。なお、この電子カメラの構成は、第1実施形態の構成(図1,図2)と同じため、重複説明を省略する。以下、図5に示すステップ番号に沿って、第2実施形態の動作を説明する。 【0020】 ステップS11〜S12: 第1実施形態のステップS1〜S2と同じ動作 【0021】 ステップS13: マイクロプロセッサ19は、測光部19bから撮像域の分割測光結果を取得する。マイクロプロセッサ19は、この分割測光結果に基づいて、撮像域内の平均輝度に比較して、過剰な輝度値を示す被写体(高輝度被写体)が存在するか否か判定する。 なお、ここでは、(分割測光された輝度値、撮像感度、露出設定)の条件から、ゲイン調整後の画像信号が過度な回路飽和を起こすか否かを事前判定することによって、高輝度被写体の有無を判断することが好ましい。 【0022】 ステップS14: 撮像域内に高輝度被写体が存在しない場合、マイクロプロセッサ19はステップS16に動作を移行する。一方、撮像域内に高輝度被写体が存在した場合、マイクロプロセッサ19はステップS15に動作を移行する。 【0023】 ステップS15: マイクロプロセッサ19は、ゲイン調整後に画像信号が過度な回路飽和レベルを超えないよう、ゲイン調整部のゲインが大きくなるに従ってゲイン調整前の画像信号の振幅制限幅を狭める。例えば、この振幅制限幅は、図2に示す増幅器34から出力される電圧Vsを増減制御することによって、可変することができる。 この動作の後、マイクロプロセッサ19はステップS17に動作を移行する。 【0024】 ステップS16〜S17: 第1実施形態のステップS5〜S6と同じ動作。 【0025】 [第2実施形態の効果など] 第2実施形態では、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。 さらに、第2実施形態では、ゲイン調整部のゲインの増加に従って、ゲイン調整前の画像信号の振幅制限幅を段階的または連続的に狭める。したがって、低感度寄りの撮像感度設定では画像信号の信号レベルを必要以上に制限することがなく、画像信号の高輝度域の階調再現性や色再現性を高めることができる。 【0026】 また、第2実施形態では、ゲイン調整部のゲイン(撮像感度設定)と、高輝度被写体の存在とに基づいて、ゲイン調整を行った後の画像信号が予め定められた許容レベルを超えるか否かを予測する。もしも許容レベルを超えると予測される場合、ゲイン調整前の画像信号の信号レベルを制限する。したがって、撮像域に高輝度被写体が存在しない場合には、画像信号の信号レベルを制限しない。その結果、画像信号の高輝度域の階調再現性や色再現性を更に高めることができる。 【0027】 《実施形態の補足事項》 なお、上述した実施形態では、撮像素子11内の信号ラインのリセット電位をずらして、画像信号の信号レベルを抑制している。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。撮像感度設定に連動して、ゲイン調整前の画像信号に対して信号レベルを制限するリミット回路やレベル圧縮回路を付加してもよい。 【0028】 また、上述した実施形態では、画像全域に対して信号レベルの飽和側を制限している。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、高輝度被写体の存在する画像領域を判別し、その画像領域に限定して信号レベルの抑制を実施してもよい。 【0029】 なお、第2実施形態では、高輝度被写体を検知して、ゲイン調整前の画像信号の信号レベルを制限している。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。一般に、高輝度被写体に隣接して中〜低輝度領域が存在する絵柄において、尾引状ノイズが目立つ。そのため、高輝度かつ高コントラストの被写体を検知した場合に、ゲイン調整前の画像信号の信号レベルを制限してもよい。 【産業上の利用可能性】 【0030】 以上説明したように、本発明は、電子カメラなどに利用可能な技術である。 【図面の簡単な説明】 【0031】 【図1】電子カメラ10を示すブロック図である。 【図2】撮像素子11の周辺回路の一部を示す図である。 【図3】電子カメラ10によるレベル制限の動作を説明する流れ図である。 【図4】信号ライン上の画像信号を説明する図である。 【図5】第2実施形態における電子カメラの動作を説明する流れ図である。 【符号の説明】 【0032】 10…電子カメラ,11…撮像素子,12…撮影レンズ,14…撮像制御部,15…信号処理部,16…A/D変換部,17…メモリ,18…バス,19…マイクロプロセッサ,19a…操作部,19b…測光部,22…記録部,24…画像圧縮部,25…画像処理部,30…モニタ表示部,33…D/A変換部,34…増幅器
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004112 【氏名又は名称】株式会社ニコン
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| 【出願日】 |
平成18年7月28日(2006.7.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100072718 【弁理士】 【氏名又は名称】古谷 史旺
【識別番号】100116001 【弁理士】 【氏名又は名称】森 俊秀
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| 【公開番号】 |
特開2008−35225(P2008−35225A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月14日(2008.2.14) |
| 【出願番号】 |
特願2006−206526(P2006−206526) |
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