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【発明の名称】 テレビジョンチューナ
【発明者】 【氏名】山本 正喜

【要約】 【課題】簡単な構成によりディジタルテレビジョン信号とアナログ放送テレビジョン信号とをそれぞれ良好に受信することのできるテレビジョンチューナを提供すること。

【構成】ディジタルテレビジョン信号およびまたはアナログ放送テレビジョン信号が入力されるテレビジョンチューナであって、中間周波同調回路15が、第一の共振回路15aと、第一の共振回路15aとは共振周波数を異にする第二の共振回路15bとをそれぞれ別個に有し、前記ディジタルテレビジョン信号受信時に、前記中間周波同調回路15を前記第一の共振回路15aのみで構成し、前記アナログテレビジョン信号受信時には、前記中間周波同調回路15を前記第一の共振回路15aに第二の共振回路15bを付加して構成していることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディジタルテレビジョン信号およびまたはアナログ放送テレビジョン信号が入力され、中間周波数帯の信号に変換する混合回路と、前記混合回路の後段に設けられた中間周波同調回路と、前記中間周波同調回路の後段に設けられた中間周波増幅回路とを備えているテレビジョンチューナであって、
前記中間周波同調回路は、第一の共振回路と、前記第一の共振回路とは共振周波数を異にする第二の共振回路とをそれぞれ別個に有し、
前記ディジタルテレビジョン信号受信時に、前記中間周波同調回路を前記第一の共振回路のみで構成し、
前記アナログテレビジョン信号受信時には、前記中間周波同調回路を前記第一の共振回路に第二の共振回路を付加して構成していることを特徴とするテレビジョンチューナ。
【請求項2】
前記混合回路の出力回路、前記中間周波増幅回路の入力回路および前記中間周波同調回路をそれぞれ平衡回路で構成し、
前記第一の共振回路をコンデンサとインダクタとの並列共振回路で構成し、
前記並列共振回路を前記混合回路の平衡出力回路間に接続すると共に、
前記第一の共振回路の共振周波数を受信チャンネル周波数の中心周波数に設定し、
前記混合回路の一方の出力端と、前記中間周波増幅回路の一方の入力端との間に前記第二の共振回路を直列に接続すると共に、
前記第二の共振回路と並列にスイッチング素子を接続し、
前記第二の共振回路をコンデンサとインダクタの直列接続回路とコンデンサとの並列接続回路で構成すると共に、
前記ディジタルテレビジョン信号受信時に、前記スイッチング素子をオンとし、前記アナログテレビジョン信号受信時に、前記スイッチング素子をオフとし、
前記スイッチング素子をオフとした時の前記第二の共振回路の並列共振周波数を受信チャンネルの下側に隣接するチャンネル内の周波数に設定し、前記スイッチング素子をオフとした時の前記第一の共振回路の直列共振周波数を受信チャンネル内の周波数に設定した
ことを特徴とする請求項1に記載のテレビジョンチューナ。
【請求項3】
前記混合回路の出力回路、前記中間周波増幅回路の入力回路および前記中間周波同調回路をそれぞれ平衡回路で構成し、
前記第一の共振回路をコンデンサとインダクタとの並列共振回路で構成し、
前記並列共振回路を前記混合回路の平衡出力回路間に接続すると共に、
前記第一の共振回路の共振周波数を受信チャンネル周波数の中心周波数に設定し、
前記混合回路の一方の出力端とグランドとの間に、前記第二の共振回路をスイッチング素子を介して接続し、
前記第二の共振回路をコンデンサとインダクタの直列接続回路とコンデンサとの並列接続回路で構成すると共に、
前記ディジタルテレビジョン信号受信時に、前記スイッチング素子をオフとし、前記アナログテレビジョン信号受信時に、前記スイッチング素子をオンとし、
前記スイッチング素子をオンとした時に前記混合回路の一方の出力端とグランドとの間に形成された前記第一の共振回路と第二の共振回路との合成回路の直列共振周波数を、受信チャンネルの下側に隣接するチャンネル内の周波数に設定し、前記スイッチング素子をオンとした時に前記混合回路の一方の出力端とグランドとの間に形成された前記第一の共振回路と第二の共振回路との合成回路の並列共振周波数を、受信チャンネル内の周波数に設定した
ことを特徴とする請求項1に記載のテレビジョンチューナ。
【請求項4】
前記混合回路の一方の出力端と、前記第二の共振回路のホット側との間で、かつ前記スイッチング素子と直列にコンデンサを介挿したことを特徴とする請求項3に記載のテレビジョンチューナ。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明はテレビジョンチューナに係り、特にデジタルテレビジョン信号およびアナログテレビジョン信号を選択的に受信可能としたテレビジョンチューナに関する。
【背景技術】
【0002】
図15は従来のテレビジョンチューナの1例の構成を示している。
【0003】
入力同調回路101にはデジタルテレビジョン信号およびアナログテレビジョン信号が入力される。デジタルテレビジョン信号は従来からのアナログテレビジョン信号が配列されたチャンネル以外のいわゆる空きチャンネルに配列されている。入力同調回路101によって大まかに選択されたいずれかのテレビジョン信号は高周波増幅器102によって増幅された後に、段間同調回路103に入力される。段間同調回路103の同調周波数と入力同調回路101の同調周波数とは連動するように形成されている。段間同調回路103においては隣接のチャンネルのテレビジョン信号が更に除去され、選択されたテレビジョン信号が混合器104に入力される。混合器104には図示しない発振器から局部発振信号が供給される。この混合器104においては、入力されたテレビジョン信号が中間周波数帯(米国仕様では41MHz〜47MHz)に周波数変換される。よって、変換された信号(中間周波信号)にはデジタルテレビジョン信号によるものとアナログテレビジョン信号によるものとがある。中間周波信号は中間周波同調回路105を経て中間周波増幅器106に入力される(特許文献1参照)。
【0004】
中間周波同調回路105は、図16に示すように、1個のコンデンサ105Cと2個のインダクタ105Lとによる並列同調回路で構成され、その同調周波数は中間周波数帯の中心よりも高く、ほぼ映像中間周波数(米国仕様では45.75MHz)近辺となっている。2個のインダクタ105Lの中間部分には電源電圧Vccが供給されると共に、コンデンサ105Caを介して接地されている。
【0005】
中間周波増幅回路106の出力は、アナログ出力端子107Aを通して後段のアナログ信号処理部(図示せず)に出力され、ソーフィルタ108およびデジタル用増幅回路109を順に経て2個のデジタル用出力端子107Dを通して後段のデジタル信号処理部(図示せず)に出力されるように形成されている。
【0006】
また、デジタルテレビジョン信号およびアナログテレビジョン信号を受信するチューナのモジュール化により、図16に示すように、少なくとも混合器104および中間周波増幅器106はICチップ100内に内蔵されており、外付けの中間周波同調回路105は、当該ICチップ100の混合器104の2つの出力端子110、111(MIXout)に接続されている。
【0007】
このように形成されているテレビジョンチューナにおいては、段間同調回路103より混合器104へ入力されたデジタルテレビジョン信号は混合器104および中間周波同調回路105の作用を受けて図17に示すレスポンス特性をもって出力される。図6において、AはPixの出力レベルを示し、Bはクロマの出力レベルを示し、Cは音声の出力レベルを示し、Dは隣接するチャンネルの出力レベルを示している。
【0008】
【特許文献1】特開2004−048121号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
このように形成されている従来のテレビジョンチューナにおいては、デジタル信号を受信するために、中間周波同調回路105として広帯域特性を維持する為に、インダクタ105Lの容量を大きくし、コンデンサ105Cの容量を小さく形成している。そのためにインダクタ105Lとして使用可能なものは、従来の空芯タイプのものではなく、チップタイプのものとなり、当然に周波数の調整は不可能なものとなっていた。また、混合器104の出力と中間周波増幅回路106の入力はとはICチップ100内において相互に接続されており、ICチップ100に設けられている2つの出力端子110(MIXout)間に中間周波同調回路105を形成することになり、ICチップ100内の信号線路上には回路を付加することはできないように形成されている。
【0010】
このような条件のもとにデジタルとアナログの双方に対応しているモジュール化したテレビジョンチューナを得るためには、次に示す課題を解決する必要がある。
【0011】
課題1:中間周波増幅回路106のレスポンス特性を、一方のデジタルテレビジョン信号を受信する場合には広帯域に亘って良好なレスポンス特性を得ることができ、他方のアナログテレビジョン信号を受信する場合には狭帯域の範囲で良好なレスポンス特性を得ることができること。
【0012】
課題2:アナログテレビジョン信号を受信する場合の受信性能を確保するために次の中間周波増幅回路106のレスポンス特性を得ること。
【0013】
1)音声Beat改善のため為に、クロマレベルと音声レベルとをデジタルテレビジョン信号受信時より減衰させること。
【0014】
2)アナログ用のソーフィルタ(図示せず)とのマッチングをとり、ビデオ信号の周波数特性を確保するために、Pixレベルをレスポンス特性のピーク値になるように設定できること。
【0015】
3)隣接チャンネルからの妨害耐性を改善するために、周波数がPix+1.5MHz近傍におけるレスポンス特性を減衰させることができること。
【0016】
本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、簡単な構成により前記課題を解決することのできるテレビジョンチューナを提供することを目的とする。
【0017】
また、本発明は、デジタルテレビジョン信号およびアナログテレビジョン信号を選択的に受信可能としたテレビジョンチューナにおいて、中間周波増幅回路のレスポンス特性として、一方のデジタルテレビジョン信号を受信する場合には広帯域に亘って良好なレスポンス特性を得ることができ、他方のアナログテレビジョン信号を受信する場合には狭帯域の範囲で良好なレスポンス特性を得ることができるテレビジョンチューナを提供することを他の目的とする。
【0018】
また、本発明は、アナログテレビジョン信号を受信する場合には、クロマレベルと音声レベルとをデジタルテレビジョン信号受信時より減衰させることができ、Pixレベルをレスポンス特性のピーク値になるように設定することでき、周波数がPix+1.5MHz近傍におけるレスポンス特性を減衰させることができるテレビジョンチューナを提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
前記目的を達成するため、本発明に係るテレビジョンチューナの特徴は、ディジタルテレビジョン信号およびまたはアナログ放送テレビジョン信号が入力され、中間周波数帯の信号に変換する混合回路と、前記混合回路の後段に設けられた中間周波同調回路と、前記中間周波同調回路の後段に設けられた中間周波増幅回路とを備えているテレビジョンチューナであって、前記中間周波同調回路は、第一の共振回路と、前記第一の共振回路とは共振周波数を異にする第二の共振回路とをそれぞれ別個に有し、前記ディジタルテレビジョン信号受信時に、前記中間周波同調回路を前記第一の共振回路のみで構成し、前記アナログテレビジョン信号受信時には、前記中間周波同調回路を前記第一の共振回路に第二の共振回路を付加して構成していることを特徴とする。
【0020】
本発明のテレビジョンチューナによれば、簡単な構成によりディジタルテレビジョン信号とアナログ放送テレビジョン信号とをそれぞれ良好に受信することができるテレビジョンチューナを提供すること。
【0021】
また、本発明に係る他のテレビジョンチューナの特徴は、前記混合回路の出力回路、前記中間周波増幅回路の入力回路および前記中間周波同調回路をそれぞれ平衡回路で構成し、前記第一の共振回路をコンデンサとインダクタとの並列共振回路で構成し、前記並列共振回路を前記混合回路の平衡出力回路間に接続すると共に、前記第一の共振回路の共振周波数を受信チャンネル周波数の中心周波数に設定し、前記混合回路の一方の出力端と、前記中間周波増幅回路の一方の入力端との間に前記第二の共振回路を直列に接続すると共に、前記第二の共振回路と並列にスイッチング素子を接続し、前記第二の共振回路をコンデンサとインダクタの直列接続回路とコンデンサとの並列接続回路で構成すると共に、前記ディジタルテレビジョン信号受信時に、前記スイッチング素子をオンとし、前記アナログテレビジョン信号受信時に、前記スイッチング素子をオフとし、前記スイッチング素子をオフとした時の前記第二の共振回路の並列共振周波数を受信チャンネルの下側に隣接するチャンネル内の周波数に設定し、前記スイッチング素子をオフとした時の前記第一の共振回路の直列共振周波数を受信チャンネル内の周波数に設定したことを特徴とする。
【0022】
本発明のテレビジョンチューナによれば、中間周波増幅回路のレスポンス特性として、一方のデジタルテレビジョン信号を受信する場合には広帯域に亘って良好なレスポンス特性を得ることができ、他方のアナログテレビジョン信号を受信する場合には狭帯域の範囲で良好なレスポンス特性を得ることができる。また、本発明は、アナログテレビジョン信号を受信する場合には、クロマレベルと音声レベルとをデジタルテレビジョン信号受信時より減衰させることができ、Pixレベルをレスポンス特性のピーク値になるように設定することでき、周波数がPix+1.5MHz近傍におけるレスポンス特性を減衰させることができる。
【0023】
また、本発明に係る他の高周波回路テレビジョンチューナの特徴は、前記混合回路の出力回路、前記中間周波増幅回路の入力回路および前記中間周波同調回路をそれぞれ平衡回路で構成し、前記第一の共振回路をコンデンサとインダクタとの並列共振回路で構成し、前記並列共振回路を前記混合回路の平衡出力回路間に接続すると共に、前記第一の共振回路の共振周波数を受信チャンネル周波数の中心周波数に設定し、前記混合回路の一方の出力端とグランドとの間に、前記第二の共振回路をスイッチング素子を介して接続し、前記第二の共振回路をコンデンサとインダクタの直列接続回路とコンデンサとの並列接続回路で構成すると共に、前記ディジタルテレビジョン信号受信時に、前記スイッチング素子をオフとし、前記アナログテレビジョン信号受信時に、前記スイッチング素子をオンとし、前記スイッチング素子をオンとした時に前記混合回路の一方の出力端とグランドとの間に形成された前記第一の共振回路と第二の共振回路との合成回路の直列共振周波数を、受信チャンネルの下側に隣接するチャンネル内の周波数に設定し、前記スイッチング素子をオンとした時に前記混合回路の一方の出力端とグランドとの間に形成された前記第一の共振回路と第二の共振回路との合成回路の並列共振周波数を、受信チャンネル内の周波数に設定したことを特徴とする。
【0024】
本発明のテレビジョンチューナによれば、中間周波増幅回路のレスポンス特性として、一方のデジタルテレビジョン信号を受信する場合には広帯域に亘って良好なレスポンス特性を得ることができ、他方のアナログテレビジョン信号を受信する場合には狭帯域の範囲で良好なレスポンス特性を得ることができる。また、本発明は、アナログテレビジョン信号を受信する場合には、クロマレベルと音声レベルとをデジタルテレビジョン信号受信時より減衰させることができ、Pixレベルをレスポンス特性のピーク値になるように設定することでき、周波数がPix+1.5MHz近傍におけるレスポンス特性を減衰させることができる。
【0025】
また、本発明に係る他のテレビジョンチューナの特徴は、前記混合回路の一方の出力端と、前記第二の共振回路のホット側との間で、かつ前記スイッチング素子と直列にコンデンサを介挿したことを特徴とする。
【0026】
本発明のテレビジョンチューナによれば、受信チャンネルのPixのレベルを低下させることなく、上隣接チャンネル部と下隣接チャンネル部の信号を更に抑圧することができる。
【発明の効果】
【0027】
以上述べたように、本発明に係るテレビジョンチューナによれば、簡単な構成によりディジタルテレビジョン信号とアナログ放送テレビジョン信号とをそれぞれ良好に受信することができるテレビジョンチューナを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明に係るテレビジョンチューナの実施形態を図により説明する。
【0029】
[第一実施形態]
図1から図3は本発明のテレビジョンチューナの第一実施形態を示す回路図である。
【0030】
本第一実施形態においては、中間周波同調回路15を従来と異なる構成に形成し、その他の入力同調回路11、高周波増幅器12、段間同調回路13、混合器14および中間周波増幅器16は図16に示す従来例とほぼ同様に形成している。
【0031】
また、本実施形態の中間周波同調回路15は、ディジタルテレビジョン信号受信時とアナログテレビジョン信号受信時とにおいて帯域幅を切替できるように、図2に示す第一の共振回路15aと、この第一の共振回路15aとは共振周波数を異にする第二の共振回路15bとをもって形成されている。これらの第一及び第二の共振回路15a、15bの役割は、ディジタルテレビジョン信号受信時に中間周波同調回路15を第一の共振回路15aのみで形成し、アナログテレビジョン信号受信時には、中間周波同調回路15を第一の共振回路15aに第二の共振回路15bを付加して形成するようしている。
【0032】
更に説明すると、混合回路14の出力回路、中間周波増幅回路16の入力回路および中間周波同調回路15はそれぞれ平衡回路により形成されている。
【0033】
第一の共振回路15aは、従来例と同様に、をコンデンサ15aCとインダクタ15aLとの並列共振回路により形成されており、2個のインダクタ15aLの中間部分には電源電圧Vccが供給されると共に、コンデンサ15Caを介して接地されている。また、デジタルテレビジョン信号およびアナログテレビジョン信号を受信するチューナのモジュール化により、図2に示すように、少なくとも混合器14および中間周波増幅器16はICチップ10内に内蔵されており、外付けの中間周波同調回路15の第一の共振回路15aは、当該ICチップ10の混合器14の2つの平衡出力端子20、21(MIXout)に接続されている。この第一の共振回路15aの共振周波数は受信チャンネル周波数の中心周波数に設定されている。
【0034】
第二の共振回路15bは、混合回路14の一方の出力端子21と、中間周波増幅回路16の一方の入力端子22との間に直列に接続されており、コンデンサ15bCとインダクタ15bLの直列接続回路とコンデンサ15bCaとの並列接続回路によって形成されている。この第二の共振回路15bには、同回路をオン・オフするためのダイオード15Dからなるスイッチング素子が並列に接続されている。このスイッチング素子15Dは、ディジタルテレビジョン信号受信時にオンとされ、アナログテレビジョン信号受信時にオフとされる。そして、スイッチング素子15Dをオフとした時の第二の共振回路15bの並列共振周波数を受信チャンネルの下側に隣接するチャンネル内の周波数に設定すると共に、スイッチング素子15Dをオフとした時の第一の共振回路15aの直列共振周波数を受信チャンネル内の周波数に設定してある。
【0035】
スイッチング素子15Dをオン・オフさせるためのスイッチングトランジスタSwが、ICチップ10内に設けられている。そのスイッチングトランジスタSwのコレクタは導通素子である抵抗R1を介して入力端子22に接続されていると共に、導通素子である抵抗R2を介して電源電圧Vccの供給端子23に接続されている。スイッチングトランジスタSwのエミッタは接地されている。
【0036】
また、中間周波増幅回路16の出力は、従来と同様にアナログ出力端子17Aを通して後段のアナログ信号処理部(図示せず)に出力され、ソーフィルタ18およびデジタル用増幅回路19を順に経て2個のデジタル用出力端子17Dを通して後段のデジタル信号処理部(図示せず)に出力されるように形成されている。
【0037】
次ぎに、本第一実施形態の作用を説明する。
【0038】
入力同調回路11にはデジタルテレビジョン信号およびアナログテレビジョン信号が入力される。
【0039】
この状態においてデジタルテレビジョン信号を受信する場合には、ICチップ10内に設けられている図示しない制御部よりスイッチングトランジスタSwをオンにする指令が当該トランジスタSwのゲートに付与され、当該トランジスタSwがオンとなる。
【0040】
これによりスイッチング素子15Dがオンとなり、電源電圧Vccより電流ががインダクタ15aL、スイッチング素子15D、抵抗R1、スイッチングトランジスタSw、接地の順に流れる。これにより第二の共振回路15bは無効とされ、中間周波同調回路15としては第一の共振回路15aのみが動作する。この第一の共振回路15aの共振周波数は受信チャンネル周波数の中心周波数に設定されているので、広帯域亘るレスポンス特性がよくなり、図3のa線のようなデジタルテレビジョン信号を受信する場合に適した特性が出力される。図3のa線において、AaはPixの出力レベルを示し、Baはクロマの出力レベルを示し、Caは音声の出力レベルを示し、Daは隣接するチャンネルの出力レベルを示している。
【0041】
次ぎに、アナログテレビジョン信号を受信する場合には、ICチップ10内に設けられている図示しない制御部よりスイッチングトランジスタSwをオフにする指令が当該トランジスタSwのゲートに付与され、当該トランジスタSwがオフとなる。
【0042】
これによりスイッチング素子15Dを形成するダイオードのアノードとカソードとに共に電源電圧Vccが接続されるために、スイッチング素子15Dがオフとなり、第二の共振回路15bが有効とされる。これにより中間周波同調回路15としては第一の共振回路15aと、当該第一の共振回路15aと中間周波増幅器16との間に設けられた第二の共振回路15bが共に動作する。両共振回路15a、15bが動作すると、第一の共振回路15aの共振周波数は受信チャンネル周波数の中心周波数に設定されおり、第二の共振回路15bの並列共振周波数が受信チャンネルの下側に隣接するチャンネル内の周波数に設定されているので、図3のb線に示すようなレスポンス特性が得られる。その特性は、狭帯域化し、PixレベルAbをレスポンス特性のピーク値に設定することができ、アナログ用のソーフィルタ(図示せず)とのマッチングをとることができる。更に、クロマレベルBbと音声レベルCbとをデジタルテレビジョン信号受信時より減衰させることができ、音声Beat改善を図ることができる。更に、周波数がPix+1.5MHz近傍におけるレスポンス特性を減衰させることができ、隣接するチャンネルの出力レベルDbを減衰させて隣接チャンネルからの妨害耐性を改善することができる。また、第二の共振回路15bのインダクタ15bLの値を微調整することにより、レスポンス特性のピーク点を調整することができるので、PixレベルAbをピーク点に設定することも容易にできる。
【0043】
[第二実施形態]
図4から図9は本発明のテレビジョンチューナの第二実施形態の中間周波同調回路部分を示す回路図である。
【0044】
本第二実施形態においては、中間周波同調回路35を第一実施形態における第一の共振回路15aと同一構成の第一の共振回路35aと、第一実施形態における第二の共振回路15bと異なる構成の第二の共振回路35bとをもって形成したものである。
【0045】
また、本実施形態の中間周波同調回路35は、ディジタルテレビジョン信号受信時とアナログテレビジョン信号受信時とにおいて帯域幅を切替できるように、図4に示す第一の共振回路35aと、この第一の共振回路35aとは共振周波数を異にする第二の共振回路35bとをもって形成されている。これらの第一及び第二の共振回路35a、35bの役割は、ディジタルテレビジョン信号受信時に中間周波同調回路35を第一の共振回路35aのみで形成し、アナログテレビジョン信号受信時には、中間周波同調回路35を第一の共振回路35aに第二の共振回路35bを付加して形成するようしている。
【0046】
第一の共振回路35aは、従来例と同様に、をコンデンサ35aCとインダクタ35aLとの並列共振回路により形成されており、2個のインダクタ35aLの中間部分には電源電圧Vccが供給されると共に、コンデンサ35Caを介して接地されている。また、第一の共振回路35aは、ICチップ10の混合器14の2つの平衡出力端子20、21(MIXout)に接続されている。この第一の共振回路35aの共振周波数は受信チャンネル周波数の中心周波数に設定されている。
【0047】
第二の共振回路15bは、混合回路14の一方の出力端子21とグランドとの間に導通素子である抵抗R3とダイオード35Dからなるスイッチング素子を介して接続されており、コンデンサ35bCとインダクタ35bLの直列接続回路とコンデンサ15bCaとの並列接続回路によって形成されている。この第二の共振回路35bをオン・オフするためのスイッチング素子35Dは、ディジタルテレビジョン信号受信時にオフとされ、アナログテレビジョン信号受信時にオンとされる。そして、スイッチング素子35Dをオンとした時に混合回路14の一方の出力端子21とグランドとの間に形成された第一の共振回路35aと第二の共振回路35bとの合成回路の直列共振周波数を、受信チャンネルの下側に隣接するチャンネル内の周波数に設定し、スイッチング素子35Dをオンとした時に混合回路14の一方の出力端子21とグランドとの間に形成された第一の共振回路35aと第二の共振回路35bとの合成回路の並列共振周波数を、受信チャンネル内の周波数に設定してある。
【0048】
スイッチング素子35Dをオン・オフさせるためのスイッチングトランジスタSw1が、ICチップ10内に設けられている。そのスイッチングトランジスタSw1のコレクタは導通素子である抵抗R4を介して電源電圧Vccの供給端子23に接続されていると共に、出力端子24に接続されている。この出力端子24と第二の共振回路35bのコンデンサ35bCとインダクタ35bLの接続点とが導通素子である抵抗R5を介して接続されている。スイッチングトランジスタSwのエミッタは接地されている。
【0049】
次ぎに、本第二実施形態の作用を説明する。
【0050】
入力同調回路11にはデジタルテレビジョン信号およびアナログテレビジョン信号が入力される。
【0051】
この状態においてデジタルテレビジョン信号を受信する場合には、図5に示すように、ICチップ10内に設けられている図示しない制御部よりスイッチングトランジスタSw1をオフにする指令が当該トランジスタSw1のゲートに付与され、当該トランジスタSw1がオフとなる。これによりスイッチング素子35Dを形成するダイオードのアノードとカソードとに共に電源電圧Vccが接続されるために、スイッチング素子35Dがオフとなり、第二の共振回路35bが無効とされる。
【0052】
これにより中間周波同調回路35としては第一の共振回路35aのみが動作する。この第一の共振回路35aのL性とC性とのインピーダンスの関係は図6(a)の通りとなる。この第一の共振回路35aの共振周波数は受信チャンネル周波数の中心周波数に設定されているので、広帯域亘るレスポンス特性がよくなり、図7のa線のようなデジタルテレビジョン信号を受信する場合に適した特性が出力される。図7のa線において、AaはPixの出力レベルを示し、Baはクロマの出力レベルを示し、Caは音声の出力レベルを示し、Daは隣接するチャンネルの出力レベルを示している。
【0053】
次ぎに、アナログテレビジョン信号を受信する場合には、図8に示すように、ICチップ10内に設けられている図示しない制御部よりスイッチングトランジスタSw1をオンにする指令が当該トランジスタSw1のゲートに付与され、当該トランジスタSw1がオンとなる。これにより電源電圧Vccより電流がインダクタ35aL、抵抗R3、スイッチング素子55D、インダクタ36bL、抵抗R5、スイッチングトランジスタSw1、接地の順に流れて第二の共振回路35bが有効とされる。
【0054】
これにより中間周波同調回路35としては第一の共振回路35aと、混合回路14の一方の出力端子21とグランドとの間に導通素子である抵抗R3とダイオード35Dからなるスイッチング素子を介して接続されている第二の共振回路15bが共に動作する。両共振回路35a、35bが動作すると、図6(b)に示すように、第一の共振回路35aのL性とC性とのインピーダンスの関係は同図(a)のデジタルテレビジョン信号受信時より周波数の高い方に移動し、第二の共振回路35bのL性とC性とのインピーダンスの関係が第一の共振回路35aより低い周波数の位置になり、両者のインピーダンスを合わせると0インピーダンスの位置が両者の中間に得られる。そして、スイッチング素子35Dをオンとした時に混合回路14の一方の出力端子21とグランドとの間に形成された第一の共振回路35aと第二の共振回路35bとの合成回路の直列共振周波数が、受信チャンネルの下側に隣接するチャンネル内の周波数に設定されていると共に、スイッチング素子35Dをオンとした時に混合回路14の一方の出力端子21とグランドとの間に形成された第一の共振回路35aと第二の共振回路35bとの合成回路の並列共振周波数が、受信チャンネル内の周波数に設定されているので、図7のb線に示すようなレスポンス特性が得られる。その特性は、狭帯域化し、PixレベルAbをレスポンス特性のピーク値に設定することができ、アナログ用のソーフィルタ(図示せず)とのマッチングをとることができる。更に、クロマレベルBbと音声レベルCbとをデジタルテレビジョン信号受信時より減衰させることができ、音声Beat改善を図ることができる。更に、周波数がPix+1.5MHz近傍におけるレスポンス特性を減衰させることができ、隣接するチャンネルの出力レベルDbを減衰させて隣接チャンネルからの妨害耐性を改善することができる。更に、図9に示すように、デジタルテレビジョン信号受信時の伝送特性aは広帯域であり、アナログテレビジョン信号受信時の伝送特性bは狭帯域であることがわかる。また、第二の共振回路35bのインダクタ35bLの値を微調整することにより、レスポンス特性のピーク点を調整することができるので、PixレベルAbをピーク点に設定することも容易にできる。
【0055】
[第三実施形態]
図10から図14は本発明のテレビジョンチューナの第三実施形態の中間周波同調回路部分を示す回路図である。
【0056】
本第三実施形態においては、第二実施形態において中間周波同調回路35の第二の共振回路35bと混合回路14の一方の出力端子21とを接続するために、導通素子である抵抗R3とダイオード35Dからなるスイッチング素子を介して接続しているのを、導通素子である抵抗R3に代えて容量素子としてのコンデンサ35Cを用いて接続したものである。また、スイッチング素子35Dに対する通電を可能とするために、インダクタ35aLとコンデンサ35Caとの接続点と、スイッチング素子35Dと容量素子35Cとの接続点との間を導通素子であるR6により接続している。その他は第二実施形態と同様に形成されている。
【0057】
次ぎに、本第三実施形態の作用を説明する。
【0058】
入力同調回路11にはデジタルテレビジョン信号およびアナログテレビジョン信号が入力される。
【0059】
この状態においてデジタルテレビジョン信号を受信する場合には、図11に示すように、ICチップ10内に設けられている図示しない制御部よりスイッチングトランジスタSw1をオフにする指令が当該トランジスタSw1のゲートに付与され、当該トランジスタSw1がオフとなる。これによりスイッチング素子35Dを形成するダイオードのアノードとカソードとに共に電源電圧Vccが接続されるために、スイッチング素子35Dがオフとなり、第二の共振回路35bが無効とされ、第二実施形態と同様に第1の共振回路35aのみが作用して、図7のa線のようなデジタルテレビジョン信号を受信する場合に適したレスポンス特性が出力される。
【0060】
次ぎに、アナログテレビジョン信号を受信する場合には、図12に示すように、ICチップ10内に設けられている図示しない制御部よりスイッチングトランジスタSw1をオンにする指令が当該トランジスタSw1のゲートに付与され、当該トランジスタSw1がオンとなる。これにより電源電圧Vccより電流が抵抗R6、スイッチング素子35D、インダクタ36bL、抵抗R5、スイッチングトランジスタSw1、接地の順に流れて第二の共振回路35bが有効とされる。
【0061】
これにより中間周波同調回路35としては第一の共振回路35aと、混合回路14の一方の出力端子21とグランドとの間に容量素子35Cとダイオード35Dからなるスイッチング素子を介して接続されている第二の共振回路15bが共に動作する。両共振回路35a、35bが動作すると、そして、スイッチング素子35Dをオンとした時に混合回路14の一方の出力端子21とグランドとの間に形成された第一の共振回路35aと第二の共振回路35bとの合成回路の直列共振周波数が、受信チャンネルの下側に隣接するチャンネル内の周波数に設定されていると共に、スイッチング素子35Dをオンとした時に混合回路14の一方の出力端子21とグランドとの間に形成された第一の共振回路35aと第二の共振回路35bとの合成回路の並列共振周波数が、受信チャンネル内の周波数に設定されており、更に容量素子35Cをもって接続されているので、図13のb線に示すようなレスポンス特性が得られる。その特性は、第二実施形態と同様に、狭帯域化し、PixレベルAbをレスポンス特性のピーク値に設定することができ、アナログ用のソーフィルタ(図示せず)とのマッチングをとることができる。更に、クロマレベルBbと音声レベルCbとをデジタルテレビジョン信号受信時より減衰させることができ、音声Beat改善を図ることができる。更に、周波数がPix+1.5MHz近傍におけるレスポンス特性を減衰させることができ、隣接するチャンネルの出力レベルDbを減衰させて隣接チャンネルからの妨害耐性を改善することができる。また、容量素子35Cを用いているために、受信チャンネルのPixのレベルを低下させることなく、上隣接チャンネル部(図13のc部)と下隣接チャンネル部(図13のd部)の信号を更に抑圧することができる。これは図14に示すように、導通素子R3を用いた場合の伝送特性aに比較して、容量素子35Cを用いた場合の伝送特性bが、上隣接チャンネル部(図14のc部)と下隣接チャンネル部(図14のd部)においてより低減されていることからわかる。また、第二の共振回路35bのインダクタ35bLの値を微調整することにより、レスポンス特性のピーク点を調整することができるので、PixレベルAbをピーク点に設定することも容易にできる。
【0062】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々変更することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明のテレビジョンチューナの第一実施形態を示す回路図
【図2】本発明の第一実施形態の中間周波同調回路を示す回路図
【図3】本発明の第一実施形態の中間周波同調回路部分のレスポンス特性を示す線図
【図4】本発明の中間周波同調回路の第二実施形態を示す回路図
【図5】デジタルテレビジョン信号受信時の図4に示す中間周波同調回路の回路図
【図6】図4の中間周波同調回路のインピーダンス特性を示す特性図であり、(a)はデジタルテレビジョン信号受信時を示し、(a)はアナログテレビジョン信号受信時を示す
【図7】第2実施形態の中間周波同調回路部分のレスポンス特性を示す線図
【図8】アナログテレビジョン信号受信時の図4に示す中間周波同調回路の回路図
【図9】第2実施形態の中間周波同調回路部分の伝送特性を示す線図
【図10】本発明の中間周波同調回路の第三実施形態を示す回路図
【図11】デジタルテレビジョン信号受信時の図10に示す中間周波同調回路の回路図
【図12】アナログテレビジョン信号受信時の図10に示す中間周波同調回路の回路図
【図13】図12に示す中間周波同調回路部分のレスポンス特性を示す線図
【図14】図11と図12とに示す中間周波同調回路部分の伝送特性を示す線図
【図15】従来のテレビジョンチューナを示す回路図
【図16】従来の中間周波同調回路を示す回路図
【図17】従来の中間周波同調回路部分のレスポンス特性を示す線図
【符号の説明】
【0064】
11 入力同調回路
12 高周波増幅器
13 段間同調回路
14 混合回路
15、35 中間周波数同調回路
15a、35a 第一の共振回路
15b、35b 第二の共振回路
16 中間周波数増幅回路
【出願人】 【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプス電気株式会社
【出願日】 平成18年7月28日(2006.7.28)
【代理人】 【識別番号】100081282
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 俊輔

【識別番号】100085084
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 高英

【識別番号】100095326
【弁理士】
【氏名又は名称】畑中 芳実

【識別番号】100115314
【弁理士】
【氏名又は名称】大倉 奈緒子

【識別番号】100117190
【弁理士】
【氏名又は名称】玉利 房枝

【識別番号】100120385
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 健之

【識別番号】100123858
【弁理士】
【氏名又は名称】磯田 志郎


【公開番号】 特開2008−35205(P2008−35205A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−206300(P2006−206300)