トップ :: H 電気 :: H04 電気通信技術




【発明の名称】 クロック回路、映像処理装置およびクロック調整方法
【発明者】 【氏名】高島 稔弘

【要約】 【課題】時刻情報が付加されたトランスポートパケットを複数連続して受信した場合においても、クロックを正確に生成することが可能なクロック回路およびクロック調整方法を提供し、時刻情報が付加されたトランスポートパケットを複数連続して受信した場合においても、トランスポートパケットを正確にデコードすることが可能な映像処理装置を提供する。

【構成】時刻情報が付加されたトランスポートパケットを複数連続して受信する。そして、クロックの周波数を調整するためのクロック調整値を含むトランスポートパケットを検出し、クロック調整値と、変化されたカウンタの値とを比較する比較処理を行なう。クロック生成手段は、タイミング制御手段により制御されたタイミングにおいて、比較処理の結果を使用して、生成するクロックの周波数を調整する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロックを生成するクロック生成手段と、
前記クロック生成手段により生成されるクロックに基づいて、カウンタの値を変化させるカウンタ手段と、
時刻情報が付加されたトランスポートパケットを複数連続して受信する受信手段と、
受信した前記複数のトランスポートパケットのうち、クロックの周波数を調整するためのクロック調整値を含むトランスポートパケットを検出する検出手段と、
前記検出手段により検出されたトランスポートパケットに含まれるクロック調整値と、前記カウンタ手段により変化されたカウンタの値とを比較する比較処理を行なう比較手段と、
前記クロック生成手段が前記比較処理の結果を使用するタイミングを制御するタイミング制御手段とを備え、
前記クロック生成手段は、前記タイミング制御手段により制御されたタイミングにおいて、前記比較処理の結果を使用して、生成するクロックの周波数を調整する、クロック回路。
【請求項2】
前記比較処理の結果は、前記クロック調整値と前記カウンタの値との差である、請求項1に記載のクロック回路。
【請求項3】
前記タイミング制御手段は、
前記クロック生成手段が前記比較処理の結果を使用するタイミングを制御するための比較カウンタの値を、所定時間毎に変化させる比較カウンタ手段と、
前記検出手段により検出されたトランスポートパケットに付加された時刻情報が示す値と、前記比較カウンタ手段により変化された比較カウンタの値とを比較することにより、前記クロック生成手段が前記比較処理の結果を使用するタイミングを制御する比較タイミング制御手段とを含む、請求項1または請求項2に記載のクロック回路。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかのクロック回路と、
前記クロック回路が生成するクロックに基づいて、時刻情報が付加されたトランスポートパケットを複数連続してデコード処理するデコード手段とを備える、映像処理装置。
【請求項5】
クロックを生成するクロック生成部が設けられたクロック回路が行なうクロック調整方法であって、
前記クロック調整方法は、
前記クロック生成部により生成されるクロックに基づいて、カウンタの値を変化させるカウンタステップと、
時刻情報が付加されたトランスポートパケットを複数連続して受信する受信ステップと、
受信した前記複数のトランスポートパケットのうち、クロックの周波数を調整するためのクロック調整値を含むトランスポートパケットを検出する検出ステップと、
前記検出ステップにより検出されたトランスポートパケットに含まれるクロック調整値と、前記カウンタステップにより変化されたカウンタの値とを比較する比較処理を行なう比較ステップと、
前記クロック生成部が前記比較処理の結果を使用するタイミングを制御するタイミング制御ステップと、
前記タイミング制御ステップにより制御されたタイミングにおいて、前記比較処理の結果を使用して、前記クロック生成部が生成するクロックの周波数を調整する調整ステップとを備える、クロック調整方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、クロック回路、映像処理装置およびクロック調整方法に関し、特に、コンテンツ配信に用いるトランスポートパケットを処理するクロック回路、映像処理装置およびクロック調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、一度に複数のコンテンツ(たとえば、番組)を送信可能なトランスポートストリームのプロトコルに基づいた技術が急速に普及しつつある。トランスポートストリームの代表的なものとしては、MPEG(Moving Picture Experts Group)2−TS(Transport Stream)が挙げられる。現在では、ディジタル放送、VOD(Video On Demand)のサービス等において、MPEG2−TSを使用した通信プロトコルが利用されている。
【0003】
図5は、トランスポートストリームを説明するための図である。図5に示されるトランスポートストリームは、一例として、MPEG2のトランスポートストリームである。
【0004】
図5を参照して、トランスポートストリームは、複数のトランスポートパケットから構成される。以下においては、トランスポートパケットを、TSパケットともいう。複数のTSパケットの各々のサイズは、188または204バイトである。複数のTSパケットの各々には、アダプテーション・フィールド制御が含まれる。アダプテーション・フィールド制御は、対応するTSパケットにおいて、アダプテーション・フィールドが含まれるか否かを示す情報である。したがって、アダプテーション・フィールド制御の情報によっては、アダプテーション・フィールドを含まないTSパケットもある。
【0005】
アダプテーション・フィールドは、対応するTSパケットの付加情報等を示す。アダプテーション・フィールドには、PCR(Program Clock Reference)フラグが含まれる。PCRフラグは、対応するアダプテーション・フィールドにおいて、オプショナル・フィールドとしてのPCRが含まれるか否かを示す情報である。PCRフラグが“1”を示す場合、アダプテーション・フィールドにおいて、オプショナル・フィールドとしてのPCRが含まれることを示す。PCRフラグが“0”を示す場合、アダプテーション・フィールドにおいて、オプショナル・フィールドとしてのPCRが含まれないことを示す。したがって、PCRフラグの情報によっては、オプショナル・フィールドとしてのPCRを含まないアダプテーション・フィールドもある。
【0006】
PCRは、トランスポートストリームを生成した符号装置のシステムクロックを、当該トランスポートストリームを受信する復号装置で再現するための時刻情報の値である。また、PCRは、トランスポートストリームを生成した符号装置のシステムクロックの周波数を、当該トランスポートストリームを受信する復号装置が生成するシステムクロックの周波数を調整するためのクロック調整値でもある。
【0007】
なお、トランスポートストリームを生成した符号装置のシステムクロックの周波数は、当該トランスポートストリームを受信する復号装置のシステムクロックとは厳密には異なる。そのため、符号装置で生成したフレーム枚数と同じフレーム枚数を、復号装置でデコードするためには、復号装置において、符号装置のシステムクロックを再現し、合わせる必要がある。そのため、符号装置は、トランスポートストリームの送信時に、送信するトランスポートストリームに含まれる複数のTSパケットのうち、所定の時間間隔のTSパケット内に、符号装置のシステムクロックによりカウントされるカウンタ値を、PCRとして付加する。このPCRを用いて、復号装置は、符号装置のシステムクロックを再現する。
【0008】
国際公開第WO01/004893号パンフレット(特許文献1)では、トランスポートストリームを連続的に記録する技術(以下、第1の先行技術ともいう)が開示されている。以下においては、トランスポートストリームを記録可能な装置を映像処理装置ともいう。
【特許文献1】国際公開第WO01/004893号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
図6は、従来の映像処理装置10000の内部構成の一例を示すブロック図である。図6を参照して、映像処理装置10000は、通信部1200と、制御部1400と、記憶部1500と、デコード回路1600とを備える。
【0010】
通信部1200は、インターネット等のネットワークからトランスポートストリームを受信する機能を有する。通信部1200は、受信したトランスポートストリームを、制御部1400へ送信する。
【0011】
制御部1400は、様々な処理を行なう機能を有する。制御部1400は、マイクロプロセッサ(Microprocessor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、その他の演算機能を有する回路のいずれであってもよい。
【0012】
記憶部1500は、データを不揮発的に記憶する機能を有する。記憶部1500は、制御部1400によってデータアクセスされる。記憶部1500は、大容量のデータを記憶可能なハードディスクである。なお、記憶部1500は、ハードディスクに限定されることなく、電源を供給されなくてもデータを不揮発的に保持可能な媒体(たとえば、フラッシュメモリ)であればよい。
【0013】
制御部1400は、受信したトランスポートストリームを、記憶部1500に記憶させる処理を行なう。また、制御部1400は、記憶部1500に記憶されているトランスポートストリームを読出し、デコード回路1600へ送信する処理を行なう。
【0014】
デコード回路1600は、受信したトランスポートストリームをデコード処理し、映像信号および音声信号を生成し、外部の表示装置へ送信する。
【0015】
デコード回路1600は、クロック回路1700と、デコード部1800とを含む。クロック回路1700は、トランスポートストリームに含まれるPCRを含む複数のTSパケットを受信することで、PCRの値に基づいて、符号装置のシステムクロックの周波数と同じ周波数のシステムクロックSCKを生成し、生成したシステムクロックSCKを、デコード部1800へ送信する。なお、クロック回路1700により生成されるシステムクロックSCKの周波数は、受信したPCRの値に基づいて調整される。また、クロック回路1700は、受信したトランスポートストリームを、デコード部1800へ送信する。
【0016】
デコード部1800は、受信したシステムクロックSCKの周波数で動作する。また、デコード部1800は、受信したトランスポートストリームを、デコード処理し、映像信号および音声信号を生成し、たとえば、外部の表示装置へ送信する。表示装置は、受信した映像信号に基づいて、映像を表示し、受信した音声信号に基づいて、音声を出力する。
【0017】
上記のような、従来の映像処理装置10000は、トランスポートストリームに含まれる複数の番組のうち、複数の番組全てではなく、たとえば、1つの番組データを、記憶部1500に記憶させる場合、記憶部1500に記憶された番組データを正常に再生させるために、記憶部1500に記憶させるTSパケットにタイムスタンプを付加していた。
【0018】
ここで、映像処理装置10000が、たとえば、図7に示されるトランスポートストリームSTMのうち、1つの番組に対応する、複数のTSパケットからなるトランスポートストリームを記憶部1500に記憶させるとする。なお、図7において横軸は、映像処理装置10000内の制御部1400が、対応するTSパケットを受信した時刻を示す。たとえば、TSパケットT30は、制御部1400が、時刻t7に受信したことが示される。
【0019】
トランスポートストリームSTMは、番組A,B,Cの各々に対応する複数のTSパケットを含む。たとえば、番組Aに対応するTSパケットは、TSパケットT10,T20,T30,T40である。トランスポートストリームSTM内の複数のTSパケットのうち、「(PCR)」と記載されているTSパケットは、対応するTSパケットがPCRの値を含むことを示す。
【0020】
制御部1400が、トランスポートストリームSTM内の複数のTSパケットのうち、番組Aに対応するTSパケットを記憶部1500に記憶させる場合、制御部1400は、TSパケットを記憶部1500に記憶させる際に、当該TSパケットを受信した時刻に対応するカウンタ値を、タイムスタンプとして付加する。TSパケットに付加されるカウンタ値は、制御部1400が、図示しない27MHzのクロックを受信する毎に、たとえば、“0”〜“2の42乗”の範囲で、インクリメントとする値である。
【0021】
制御部1400が、たとえば、TSパケットT20を、記憶部1500に記憶させる場合、制御部1400は、TSパケットT20を受信した時刻t4に対応するカウンタ値を示すタイムスタンプを、TSパケットT20に付加して、TSパケットT20Aとして、記憶部1500に記憶させる。
【0022】
制御部1400が、番組Aに対応する複数のTSパケットを記憶部1500に記憶させることにより、記憶部1500には、図7に示されるトランスポートストリームSTAが記憶される。トランスポートストリームSTAに含まれるTSパケットT10Aは、図8に示されるように、TSパケットに、4バイトのタイムスタンプが付加される。当該タイムスタンプは、時刻t1に対応するカウンタ値を示す。なお、TSパケットT10Aは、PCRも含む。なお、トランスポートストリームSTAに含まれる全てのTSパケットには、TSパケットT10Aと同様に、タイムスタンプが付加されている。
【0023】
図7を参照して、トランスポートストリームSTAの上部に記載されている時刻tn(n:自然数)は、対応するTSパケットに、時刻tnに対応するカウンタ値を示すタイムスタンプが付加されていることを示す。たとえば、TSパケットT40Aには、時刻t10に対応するカウンタ値を示すタイムスタンプが付加されている。
【0024】
また、記憶部1500には、トランスポートストリームSTM内の番組Aに対応する複数のTSパケットが、トランスポートストリームSTAに示されるように、連続して記憶される。すなわち、時間軸上において、連続していない複数のパケットが時間軸上において連続するように記憶部1500に記憶される。以下、記憶部1500に記憶されたTSパケットを、記憶TSパケットともいう。
【0025】
ここで、記憶部1500に記憶されたトランスポートストリームSTAをデコードする場合、制御部1400が、トランスポートストリームSTAに含まれる複数の記憶TSパケットを、時間間隔なしで、クロック回路1700へ送信すると、クロック回路1700は、符号装置のシステムクロックと同じ周波数のシステムクロックSCKを正確に生成することができないという問題が発生する。
【0026】
なぜなら、たとえば、トランスポートストリームSTAに含まれるTSパケットT40Aは、システムクロックの周波数を調整するためのPCRを含むため、図7に示されるトランスポートストリームSTMのように、TSパケットT40Aは、制御部1400がTSパケットT10Aをクロック回路1700へ送信した時刻から、時刻t10と時刻t1との差の時間だけ経過した時刻に、クロック回路1700へ送信される必要があるからである。
【0027】
すなわち、PCRを含むTSパケットT10A,T40Aは、それぞれ、トランスポートストリームSTMに含まれるTSパケットT10,T40に対応する時間間隔で、クロック回路1700に入力される必要がある。そのためには、たとえば、トランスポートストリームSTAに含まれる複数のTSパケットを、クロック回路1700へ送信するタイミングを制御する回路が必要となる。
【0028】
すなわち、クロック回路1700は、タイムスタンプが付加された、連続した複数のトランスポートパケットを受信した場合、符号装置のシステムクロックと同じ周波数のシステムクロックSCKを正確に生成することができないという問題が発生する。なお、第1の先行技術には、上記のタイミング制御の具体的な回路または方法は、開示されていない。
【0029】
また、クロック回路1700が、符号装置のシステムクロックと同じ周波数のシステムクロックSCKを正確に生成することができない場合、クロック回路1700から出力されるシステムクロックSCKに基づいて動作するデコード部1800は、受信したトランスポートストリームを正常にデコードすることができないという問題が発生する。
【0030】
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、時刻情報が付加されたトランスポートパケットを複数連続して受信した場合においても、クロックを正確に生成することが可能なクロック回路を提供することである。
【0031】
本発明の他の目的は、時刻情報が付加されたトランスポートパケットを複数連続して受信した場合においても、トランスポートパケットを正確にデコードすることが可能な映像処理装置を提供することである。
【0032】
本発明のさらに他の目的は、時刻情報が付加されたトランスポートパケットを複数連続して受信した場合においても、クロックを正確に生成することが可能なクロック調整方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0033】
上述の課題を解決するために、この発明のある局面に従うクロック回路は、クロックを生成するクロック生成手段と、クロック生成手段により生成されるクロックに基づいて、カウンタの値を変化させるカウンタ手段と、時刻情報が付加されたトランスポートパケットを複数連続して受信する受信手段と、受信した複数のトランスポートパケットのうち、クロックの周波数を調整するためのクロック調整値を含むトランスポートパケットを検出する検出手段と、検出手段により検出されたトランスポートパケットに含まれるクロック調整値と、カウンタ手段により変化されたカウンタの値とを比較する比較処理を行なう比較手段と、クロック生成手段が比較処理の結果を使用するタイミングを制御するタイミング制御手段とを備え、クロック生成手段は、タイミング制御手段により制御されたタイミングにおいて、比較処理の結果を使用して、生成するクロックの周波数を調整する。
【0034】
この発明に従えば、時刻情報が付加されたトランスポートパケットを複数連続して受信する。そして、クロックの周波数を調整するためのクロック調整値を含むトランスポートパケットを検出し、クロック調整値と、変化されたカウンタの値とを比較する比較処理を行なう。クロック生成手段は、タイミング制御手段により制御されたタイミングにおいて、比較処理の結果を使用して、生成するクロックの周波数を調整する。
【0035】
したがって、時刻情報が付加されたトランスポートパケットを複数連続して受信した場合においても、正確なタイミングで、クロックの周波数を調整することができる。すなわち、時刻情報が付加されたトランスポートパケットを複数連続して受信した場合においても、クロックを正確に生成することができるという効果を奏する。
【0036】
好ましくは、比較処理の結果は、クロック調整値とカウンタの値との差である。
この発明に従えば、時刻情報が付加されたトランスポートパケットを複数連続して受信した場合においても、クロックを正確に生成することができるという効果を奏する。
【0037】
好ましくは、タイミング制御手段は、クロック生成手段が比較処理の結果を使用するタイミングを制御するための比較カウンタの値を、所定時間毎に変化させる比較カウンタ手段と、検出手段により検出されたトランスポートパケットに付加された時刻情報が示す値と、比較カウンタ手段により変化された比較カウンタの値とを比較することにより、クロック生成手段が比較処理の結果を使用するタイミングを制御する比較タイミング制御手段とを含む。
【0038】
この発明に従えば、検出手段により検出されたトランスポートパケットに付加された時刻情報が示す値と、比較カウンタ手段により変化された比較カウンタの値とを比較することにより、クロック生成手段が比較処理の結果を使用するタイミングを制御する。したがって、クロックを正確に生成することができるという効果を奏する。
【0039】
この発明の他の局面に従う映像処理装置は、クロック回路と、クロック回路が生成するクロックに基づいて、時刻情報が付加されたトランスポートパケットを複数連続してデコード処理するデコード手段とを備える。
【0040】
この発明に従えば、デコード手段は、クロック回路が生成する正確なクロックに基づいて、時刻情報が付加されたトランスポートパケットを複数連続してデコード処理する。したがって、時刻情報が付加されたトランスポートパケットを複数連続して受信した場合においても、トランスポートパケットを正確にデコードすることができるという効果を奏する。
【0041】
この発明のさらに他の局面に従うと、クロックを生成するクロック生成部が設けられたクロック回路が行なうクロック調整方法であって、クロック調整方法は、クロック生成部により生成されるクロックに基づいて、カウンタの値を変化させるカウンタステップと、時刻情報が付加されたトランスポートパケットを複数連続して受信する受信ステップと、受信した複数のトランスポートパケットのうち、クロックの周波数を調整するためのクロック調整値を含むトランスポートパケットを検出する検出ステップと、検出ステップにより検出されたトランスポートパケットに含まれるクロック調整値と、カウンタステップにより変化されたカウンタの値とを比較する比較処理を行なう比較ステップと、クロック生成部が比較処理の結果を使用するタイミングを制御するタイミング制御ステップと、タイミング制御ステップにより制御されたタイミングにおいて、比較処理の結果を使用して、クロック生成部が生成するクロックの周波数を調整する調整ステップとを備える。
【0042】
この発明に従えば、時刻情報が付加されたトランスポートパケットを複数連続して受信する。そして、クロックの周波数を調整するためのクロック調整値を含むトランスポートパケットを検出し、クロック調整値と、変化されたカウンタの値とを比較する比較処理を行なう。クロックを生成するクロック生成部は、タイミング制御ステップにより制御されたタイミングにおいて、比較処理の結果を使用して、生成するクロックの周波数を調整する。
【0043】
したがって、時刻情報が付加されたトランスポートパケットを複数連続して受信した場合においても、正確なタイミングで、クロックの周波数を調整することができる。すなわち、時刻情報が付加されたトランスポートパケットを複数連続して受信した場合においても、クロックを正確に生成することができるという効果を奏する。
【発明の効果】
【0044】
本発明に係るクロック回路は、時刻情報が付加されたトランスポートパケットを複数連続して受信する。そして、クロックの周波数を調整するためのクロック調整値を含むトランスポートパケットを検出し、クロック調整値と、変化されたカウンタの値とを比較する比較処理を行なう。クロック生成手段は、タイミング制御手段により制御されたタイミングにおいて、比較処理の結果を使用して、生成するクロックの周波数を調整する。
【0045】
したがって、時刻情報が付加されたトランスポートパケットを複数連続して受信した場合においても、正確なタイミングで、クロックの周波数を調整することができる。すなわち、時刻情報が付加されたトランスポートパケットを複数連続して受信した場合においても、クロックを正確に生成することができるという効果を奏する。
【0046】
本発明に係る映像処理装置は、デコード手段が、クロック回路が生成する正確なクロックに基づいて、時刻情報が付加されたトランスポートパケットを複数連続してデコード処理する。したがって、時刻情報が付加されたトランスポートパケットを複数連続して受信した場合においても、トランスポートパケットを正確にデコードすることができるという効果を奏する。
【0047】
本発明に係るクロック調整方法は、時刻情報が付加されたトランスポートパケットを複数連続して受信する。そして、クロックの周波数を調整するためのクロック調整値を含むトランスポートパケットを検出し、クロック調整値と、変化されたカウンタの値とを比較する比較処理を行なう。クロックを生成するクロック生成部は、タイミング制御ステップにより制御されたタイミングにおいて、比較処理の結果を使用して、生成するクロックの周波数を調整する。
【0048】
したがって、時刻情報が付加されたトランスポートパケットを複数連続して受信した場合においても、正確なタイミングで、クロックの周波数を調整することができる。すなわち、時刻情報が付加されたトランスポートパケットを複数連続して受信した場合においても、クロックを正確に生成することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0050】
図1は、本実施の形態における映像処理装置1000の内部構成の一例を示すブロック図である。図1を参照して、映像処理装置1000は、図6の映像処理装置10000と比較して、デコード回路1600の代わりにデコード回路1600Aを備える点が異なる。それ以外は、映像処理装置10000と同様なので詳細な説明は繰り返さない。映像処理装置1000は、たとえば、HDD(Hard Disk Drive)レコーダーである。なお、映像処理装置1000は、HDDレコーダーに限定されることなく、映像を録画可能な装置であればどのような装置であってもよい。
【0051】
デコード回路1600Aは、デコード回路1600と比較して、クロック回路1700の代わりにクロック回路1700Aを含む点が異なる。それ以外は、デコード回路1600と同様なので詳細な説明は繰り返さない。
【0052】
デコード回路1600Aは、制御部1400から、トランスポートストリームを受信し、受信したトランスポートストリームをデコード処理し、映像信号および音声信号を生成し、外部の表示装置へ送信する。デコード回路1600Aは、1チップのマイクロプロセッサである。なお、デコード回路1600Aは、1チップのマイクロプロセッサに限定されることなく、複数の回路から構成される回路であってもよい。
【0053】
図2は、本実施の形態におけるクロック回路1700Aの内部構成の一例を示すブロック図である。図2を参照して、クロック回路1700Aは、バッファ1710と、検出部1720と、スイッチ制御部1730とを含む。以下の説明において、信号および信号線の2値的な高電圧状態(電源電圧Vcc)および低電圧状態のそれぞれを、「Hレベル」および「Lレベル」とも称する。
【0054】
バッファ1710は、複数のTSパケットを一時的に記憶するFIFO(First-In First-Out)型のバッファである。また、バッファ1710は、スイッチ制御部1730から送信される制御信号SWSGに応じて動作する。具体的には、制御信号SWSGがHレベルの場合、バッファ1710は、パケット送信状態となり、バッファ1710に記憶されている複数のTSパケットを、検出部1720へ送信する。また、制御信号SWSGがLレベルの場合、バッファ1710は、パケット送信停止状態となり、バッファ1710に記憶されている複数のTSパケットを送信する処理を停止する。なお、バッファ1710がパケット送信停止状態の期間において、バッファ1710が新たにTSパケットを受信した場合、バッファ1710は、新たに受信したTSパケットを記憶する。
【0055】
検出部1720は、スイッチ制御部1730を制御するための制御信号DTSGを、スイッチ制御部1730へ送信する。また、検出部1720は、前述したPCRを含むTSパケット(以下、PCR包含TSパケットともいう)を検出する。前述したように、PCRは、トランスポートストリームを生成した符号装置のシステムクロックを、当該トランスポートストリームを受信するクロック回路1700Aで再現するための時刻情報の値である。また、PCRは、トランスポートストリームを生成した符号装置のシステムクロックの周波数を、当該トランスポートストリームを受信するクロック回路1700Aが生成するシステムクロックSCKの周波数を調整するためのクロック調整値でもある。
【0056】
検出部1720は、PCR包含TSパケットを検出すると、制御信号DTSGをHレベルに設定する。
【0057】
スイッチ制御部1730は、バッファ1710を制御するための制御信号SWSGを、バッファ1710へ送信する。なお、制御信号DTSGは、初期状態では、Hレベルに設定される。したがって、バッファ1710は、初期状態では、パケット送信状態である。スイッチ制御部1730は、Hレベルの制御信号DTSGを受信すると、制御信号SWSGをLレベルに設定することで、バッファ1710を、パケット送信停止状態にする。
【0058】
クロック回路1700Aは、さらに、バッファ1740と、カウンタ1750と、クロック発生回路1752と、比較回路1760とを含む。
【0059】
バッファ1740は、1つのPCR包含TSパケットを一時的に記憶する。また、検出部1720は、PCR包含TSパケットを検出すると、検出したPCR包含TSパケットを、バッファ1740に記憶させる。図2は、バッファ1740内に、PCR包含TSパケットが記憶されている状態を示す。
【0060】
検出部1720は、検出したPCR包含TSパケットを、バッファ1740に記憶させた後、PCR包含TSパケットを、デコード部1800へ送信する。なお、検出部1720は、受信したTSパケットがPCR包含TSパケットでない場合、受信したTSパケットを、デコード部1800へ送信する。
【0061】
クロック発生回路1752は、周波数が27MHzのクロックをカウンタ1750へ送信する。なお、クロック発生回路1752が送信するクロックの周波数は、27MHzに限定されることなく、他の値であってもよい。
【0062】
カウンタ1750は、バッファ1740に記憶されたPCR包含TSパケットに付加されているタイムスタンプの値と比較される値をカウントするための比較カウンタCPCTを更新する。具体的には、カウンタ1750は、クロック発生回路1752からクロックを受信する毎に、比較カウンタCPCTの値を“1”インクリメントする。比較カウンタCPCTの値は、たとえば、“0”〜“2の42乗”の範囲の値である。したがって、比較カウンタCPCTの値が、“2の42乗”の場合に、“1”インクリメントされると、比較カウンタCPCTの値は“0”となる。
【0063】
また、検出部1720は、初めて、PCR包含TSパケットを検出すると、検出したPCR包含TSパケットに付加されるタイムスタンプの値を、比較カウンタCPCTの初期値に設定する。
【0064】
比較回路1760は、バッファ1740に記憶されたPCR包含TSパケットに付加されているタイムスタンプの値と、比較カウンタCPCTの値とを比較する。比較回路1760は、比較信号CPSGを、スイッチ制御部1730へ送信する。比較回路1760は、バッファ1740に記憶されたPCR包含TSパケットに付加されているタイムスタンプの値と比較カウンタCPCTの値とが一致している場合、比較信号CPSGをHレベルに設定する。スイッチ制御部1730は、Hレベルの比較信号CPSGを受信すると、制御信号DTSGをHレベルに設定することで、バッファ1710を、パケット送信状態にする。
【0065】
クロック回路1700Aは、さらに、STC(System Time Clock)カウンタ1771と、比較回路1772と、ラッチ回路1773と、DAC(Digital Analog Converter)1774と、LPF(Low Pass Filter)1775と、VCO(Voltage Control Oscillator)1776とを含む。
【0066】
STCカウンタ1771は、後述するVCO1776から出力されるシステムクロックSCKをカウントするためのシステムクロックカウンタSYCTの値を更新する。具体的には、STCカウンタ1771は、VCO1776からシステムクロックSCKを受信する毎に、システムクロックカウンタSYCTの値を“1”インクリメントする。システムクロックカウンタSYCTの値は、たとえば、“0”〜“2の42乗”の範囲の値である。したがって、システムクロックカウンタSYCTの値が、“2の42乗”の場合に、“1”インクリメントされると、システムクロックカウンタSYCTの値は“0”となる。また、STCカウンタ1771は、システムクロックカウンタSYCTの値を比較回路1772へ送信する。
【0067】
また、検出部1720は、初めて、PCR包含TSパケットを検出すると、検出したPCR包含TSパケットに含まれるPCRの値を、システムクロックカウンタSYCTの初期値に設定する。
【0068】
比較回路1772は、バッファ1740に記憶されているPCR包含TSパケットに含まれるPCRの値と、STCカウンタ1771から受信するシステムクロックカウンタSYCTの値とを比較する比較処理を行なう。比較処理では、比較回路1772が、PCRの値から、システムクロックカウンタSYCTの値を減算することにより、PCRの値と、システムクロックカウンタSYCTの値との差分値を算出する。差分値は、“0”、プラスの値およびマイナスの値のいずれかとなる。そして、比較回路1772は、算出した差分値を、ラッチ回路1773へ送信する。
【0069】
前述した比較回路1760は、さらに、比較信号CPSGを、ラッチ回路1773へ送信する。
【0070】
ラッチ回路1773は、Hレベルの比較信号CPSGを受信した時点における、比較回路1772から送信される差分値を、一次的に記憶する。ラッチ回路1773は、記憶した差分値を、DAC1774へ送信する。
【0071】
DAC1774は、受信した差分値に応じた電圧のアナログ信号に変換する。DAC1774は、受信した差分値が“0”の場合、たとえば、1Vのアナログ信号を生成する。DAC1774は、受信した差分値がプラスの値の場合、たとえば、1Vより大きい電圧のアナログ信号を生成する。DAC1774は、受信した差分値がマイナスの値の場合、たとえば、1V未満の電圧のアナログ信号を生成する。そして、DAC1774は、生成したアナログ信号を、LPF1775へ送信する。
【0072】
LPF1775は、受信したアナログ信号の低周波成分のみを、VCO1776へ送信する。なお、受信したアナログ信号の電圧は変化する場合もある。この場合、受信したアナログ信号の電圧が、たとえば、短時間(たとえば、0.5秒)に、1.1,1.0,0.9Vの順で変化した場合、LPF1775が、VCO1776へ送信するアナログ信号の電圧は、1.1,1.0,0.9Vの平均と1.0Vとなる。すなわち、LPF1775は、短時間において、受信したアナログ信号の電圧の変化を平均化する処理を行なう。
【0073】
VCO1776は、受信したアナログ信号の電圧に対応する周波数のシステムクロックSCKを生成する。VCO1776は、一例として、1Vのアナログ信号を受信した場合、周波数が27MHzのシステムクロックSCKを生成する。この場合、VCO1776は、1Vより大きい電圧のアナログ信号を受信した場合、周波数が27MHzより高い周波数のシステムクロックSCKを生成する。また、VCO1776は、1V未満の電圧のアナログ信号を受信した場合、周波数が27MHz未満の周波数のシステムクロックSCKを生成する。
【0074】
そして、VCO1776は、生成したシステムクロックSCKを、デコード部1800およびSTCカウンタ1771へ送信する。これにより、デコード部1800は、受信したシステムクロックSCKの周波数で動作する。また、前述したように、STCカウンタ1771は、システムクロックSCKを受信する毎に、システムクロックカウンタSYCTの値を“1”インクリメントする。
【0075】
図3は、クロック回路1700Aの動作を説明するための、一例としての動作波形図である。なお、図3には、説明のため、前述した、図7のトランスポートストリームSTMおよびトランスポートストリームSTAを示している。
【0076】
図3において、「STA」とは、時間経過に伴う、トランスポートストリームSTAに含まれる複数のTSパケットの状態を示す。「TMSTP」とは、バッファ1740に記憶されたPCR包含TSパケットに付加されたタイムスタンプの値を示す。「CPCT」とは、比較カウンタCPCTの値を示す。「CPSG」とは、比較信号CPSGの電圧レベルを示す。「ラッチ回路」とは、ラッチ回路1773が記憶している値を示す。「SWSG」とは、制御信号SWSGの電圧レベルを示す。
【0077】
次に、図1,図2,図3を参照しながら、映像処理装置1000における動作を説明する。なお、映像処理装置1000の記憶部1500には、前述したトランスポートストリームSTAが記憶されているとする。映像処理装置1000が、トランスポートストリームSTAのデコード処理を行なう場合、まず、制御部1400は、トランスポートストリームSTAを読出し、クロック回路1700Aへ送信する。なお、トランスポートストリームSTAのデータ容量は、バッファ1710が記憶可能なデータ容量以下であるとする。
【0078】
トランスポートストリームSTAに含まれるTSパケットT10Aは、時刻t1に対応するカウンタ値を示すタイムスタンプが付加されている。TSパケットT10Aに付加されているタイムスタンプの値は、一例として、“110”であるとする。また、TSパケットT10Aには、PCRが含まれる。ここで、PCRの値は、一例として、“210”であるとする。
【0079】
まず、トランスポートストリームSTAが、バッファ1710へ送信される。初期状態のバッファ1710は、パケット送信状態であるので、バッファ1710は、まず、受信したトランスポートストリームSTAに含まれる先頭のTSパケットT10Aを、検出部1720へ送信する。
【0080】
検出部1720は、時刻t1において、TSパケットT10Aを受信する。前述したように、検出部1720は、PCR包含TSパケットを検出すると、制御信号DTSGをHレベルに設定する。TSパケットT10Aは、PCR包含TSパケットであるので、検出部1720は、TSパケットT10Aを受信すると、PCR包含TSパケットを検出したとして、制御信号DTSGをHレベルに設定する。したがって、スイッチ制御部1730は、Hレベルの制御信号DTSGを受信することになり、スイッチ制御部1730は、制御信号SWSGをLレベルに設定することで、バッファ1710を、パケット送信停止状態にする。これにより、TSパケットT10A以降のTSパケットは、バッファ1710に保持される。
【0081】
また、前述したように、検出部1720は、PCR包含TSパケットを検出すると、検出したPCR包含TSパケットを、バッファ1740に記憶させる。TSパケットT10Aは、PCR包含TSパケットであるので、検出部1720は、TSパケットT10Aを受信すると、バッファ1740に、TSパケットT10Aを記憶させる。そして、検出部1720は、TSパケットT10Aを、デコード部1800へ送信する。
【0082】
バッファ1740に記憶された、PCR包含TSパケットとしてのTSパケットT10Aには、時刻t1に対応するカウンタ値“110”を示すタイムスタンプが付加されている。
【0083】
また、検出部1720は、TSパケットT10Aを受信することで、PCR包含TSパケットを初めて検出することになるので、TSパケットT10Aに付加されるタイムスタンプの値(“110”)を、比較カウンタCPCTの初期値に設定する。なお、カウンタ1750は、クロック発生回路1752から、27MHzのクロックを受信する毎に、比較カウンタCPCTの値を“1”インクリメントする。
【0084】
前述したように、比較回路1760は、バッファ1740に記憶されたPCR包含TSパケットに付加されているタイムスタンプの値と、比較カウンタCPCTの値とを比較する。また、比較回路1760は、バッファ1740に記憶されたPCR包含TSパケットに付加されているタイムスタンプの値とが一致している場合、比較信号CPSGをHレベルに設定する。したがって、比較回路1760は、比較信号CPSGをHレベルに設定する。これにより、スイッチ制御部1730は、Hレベルの比較信号CPSGを受信することにより、制御信号SWSGをHレベルに設定することで、バッファ1710を、パケット送信状態にする。したがって、バッファ1710は、TSパケットT10A以降のTSパケット(TSパケットT20A,T30A,T40A,・・・)を、検出部1720へ送信する処理を開始する。
【0085】
また、前述したように、検出部1720は、初めて、PCR包含TSパケットを検出すると、検出したPCR包含TSパケットに含まれるPCRの値を、システムクロックカウンタSYCTの初期値に設定する。したがって、検出部1720は、TSパケットT10Aを受信することで、PCR包含TSパケットを初めて検出することになるので、TSパケットT10Aに含まれるPCRの値(“210”)を、システムクロックカウンタSYCTの初期値に設定する。
【0086】
また、比較回路1772は、バッファ1740に記憶されているTSパケットT10Aに含まれるPCRの値(“210”)と、STCカウンタ1771から受信するシステムクロックカウンタSYCTの値(“210”)とを比較する比較処理を行なう。そして、比較回路1772が、PCRの値(“210”)から、システムクロックカウンタSYCTの値(“210”)を減算することにより、PCRの値と、システムクロックカウンタSYCTの値との差分値を算出する。この場合、算出される差分値は、“0”となる。そして、比較回路1772は、算出した差分値“0”を、ラッチ回路1773へ送信する。
【0087】
また、比較回路1760の処理により、比較信号CPSGはHレベルに設定されているので、ラッチ回路1773は、受信した差分値“0”を記憶する。
【0088】
ラッチ回路1773は、記憶した差分値“0”を、DAC1774へ送信する。DAC1774は、受信した差分値に応じた電圧のアナログ信号に変換する。ここでは、差分値が“0”の場合、DAC1774は、1Vのアナログ信号を生成するとする。そして、DAC1774は、生成した1Vのアナログ信号を、LPF1775へ送信する。
【0089】
そして、1Vのアナログ信号は、前述したLPF1775を介して、VCO1776へ送信される。
【0090】
前述したように、VCO1776は、受信したアナログ信号の電圧に対応する周波数のシステムクロックSCKを生成する。VCO1776は、一例として、1Vのアナログ信号を受信した場合、周波数が27MHzのシステムクロックSCKを生成するとする。したがって、1Vのアナログ信号を受信したVCO1776は、周波数が27MHzのシステムクロックSCKを生成する。そして、VCO1776は、生成したシステムクロックSCKを、デコード部1800およびSTCカウンタ1771へ送信する。STCカウンタ1771は、システムクロックSCKを受信する毎に、システムクロックカウンタSYCTの値を“1”インクリメントする。
【0091】
前述したように、パケット送信状態になったバッファ1710は、TSパケットT10A以降のTSパケット(TSパケットT20A,T30A,T40A,・・・)を、検出部1720へ送信する。ここで、TSパケットT40Aは、時刻t10に対応するカウンタ値を示すタイムスタンプが付加されている。TSパケットT40Aに付加されているタイムスタンプの値は、一例として、“210”であるとする。
【0092】
また、TSパケットT40Aは、システムクロックの周波数が、一例として、27MHzから変化した27.1MHzのシステムクロックで動作する符号装置により、生成されたパケットであるとする。また、TSパケットT40Aには、PCRが含まれる。ここで、PCRの値は、一例として、“320”であるとする。また、このPCRの値は、図3のトランスポートストリームSTMに示されるように、時刻t10において、システムクロックSCKの周波数を調整(変化)させるための値であるとする。
【0093】
検出部1720は、TSパケットT20A,T30Aを受信すると、受信したTSパケットT20A,T30Aを、デコード部1800へ送信する。そして、検出部1720は、時刻t4において、PCR包含TSパケットとしてのTSパケットT40Aを受信すると、検出部1720は、PCR包含TSパケットを検出したとして、制御信号DTSGをHレベルに設定する。したがって、スイッチ制御部1730は、Hレベルの制御信号DTSGを受信することになり、スイッチ制御部1730は、制御信号SWSGをLレベルに設定することで、バッファ1710を、パケット送信停止状態にする。これにより、TSパケットT40A以降のTSパケットは、バッファ1710に保持される。
【0094】
また、検出部1720は、PCR包含TSパケットとしてのTSパケットT40Aを検出すると、TSパケットT40Aを、バッファ1740に記憶させる。そして、検出部1720は、TSパケットT40Aを、デコード部1800へ送信する。
【0095】
バッファ1740に記憶された、PCR包含TSパケットとしてのTSパケットT40Aには、時刻t10に対応するカウンタ値“210”を示すタイムスタンプが付加されている。
【0096】
比較回路1760は、バッファ1740に記憶されたTSパケットT40Aに付加されているタイムスタンプの値(“210”)と、比較カウンタCPCTの値とを比較する。比較カウンタCPCTの値は、時刻t1において、“110”
が設定された後、クロック発生回路1752から、27MHzのクロックを受信する毎に、比較カウンタCPCTの値を“1”インクリメントされる。そして、時刻t10において、比較カウンタCPCTの値が“210”になるとする。
【0097】
したがって、比較回路1760は、TSパケットT40Aに付加されているタイムスタンプの値(“210”)と、比較カウンタCPCTの値とが一致したことにより、比較信号CPSGをHレベルに設定する。これにより、スイッチ制御部1730は、Hレベルの比較信号CPSGを受信することにより、制御信号SWSGをHレベルに設定することで、バッファ1710を、パケット送信状態にする。したがって、バッファ1710は、TSパケットT40A以降のTSパケット(TSパケットT50A,・・・)を、検出部1720へ送信する処理を開始する。
【0098】
スイッチ制御部1730が、Hレベルの比較信号CPSGを受信することにより、制御信号SWSGをHレベルに設定した時刻におけるシステムクロックカウンタSYCTの値は、初期値の“210”から、たとえば、“310”に増加しているとする。システムクロックカウンタSYCTの値は、STCカウンタ1771が、システムクロックSCKを受信する毎に、システムクロックカウンタSYCTの値を“1”インクリメントさせることにより変化する。
【0099】
そして、比較回路1772は、バッファ1740に記憶されているTSパケットT40Aに含まれるPCRの値(“320”)と、STCカウンタ1771から受信するシステムクロックカウンタSYCTの値(“310”)とを比較する比較処理を行なう。そして、比較回路1772が、PCRの値(“320”)から、システムクロックカウンタSYCTの値(“310”)を減算することにより、PCRの値と、システムクロックカウンタSYCTの値との差分値を算出する。この場合、算出される差分値は、“10”となる。そして、比較回路1772は、算出した差分値“10”を、ラッチ回路1773へ送信する。
【0100】
また、前述の比較回路1760の処理により、比較信号CPSGはHレベルに設定されているので、ラッチ回路1773は、受信した差分値“10”を記憶する。
【0101】
ラッチ回路1773は、記憶した差分値“10”を、DAC1774へ送信する。ここでは、差分値が“10”の場合、DAC1774は、1.1Vのアナログ信号を生成するとする。そして、DAC1774は、生成した1.1Vのアナログ信号を、LPF1775へ送信する。
【0102】
そして、1.1Vのアナログ信号は、前述したLPF1775を介して、VCO1776へ送信される。
【0103】
1.1Vのアナログ信号を受信したVCO1776は、たとえば、周波数が27.1MHzのシステムクロックSCKを生成する。そして、VCO1776は、生成したシステムクロックSCKを、デコード部1800およびSTCカウンタ1771へ送信する。すなわち、本来、システムクロックSCKの周波数を調整すべきタイミングである、ほぼ時刻t10において、システムクロックSCKの周波数が27MHzから27.1MHzに調整(変化)される。
【0104】
これにより、デコード部1800は、受信したシステムクロックSCKの周波数(27.1MHz)で動作する。そして、27.1MHzのシステムクロックSCKで動作するデコード部1800は、受信するTSパケットを正常にデコードすることが可能となる。なお、STCカウンタ1771は、システムクロックSCKを受信する毎に、システムクロックカウンタSYCTの値を“1”インクリメントする。
【0105】
その後、前述した処理が同様に繰り返される。
図4は、クロック回路1700Aで行なわれるクロック調整処理およびカウント処理のフローチャートを示す図である。
【0106】
カウント処理は、STCカウンタ1771が行なう処理である。
ステップS210では、STCカウンタ1771が、VCO1776から、システムクロックSCKを受信すると、システムクロックカウンタSYCTの値を“1”インクリメントする。その後、再度、ステップS210の処理が繰り返される。すなわち、STCカウンタ1771は、VCO1776から、システムクロックSCKを受信する毎に、システムクロックカウンタSYCTの値を“1”インクリメントする。
【0107】
クロック調整処理では、まず、ステップS110の処理が行なわれる。
ステップS110では、バッファ1710がパケット送信状態である場合、検出部1720が、TSパケットを受信する。ここでは、検出部1720が受信するTSパケットは、タイムスタンプが付加された、連続した複数のTSパケットのうちの、1つのTSパケットであるとする。一例として、検出部1720が受信するTSパケットは、図3のTSパケットT40Aであるとする。その後、ステップS111に進む。
【0108】
ステップS111では、検出部1720が、PCR包含TSパケットを検出したか否かを判定する。すなわち、検出部1720が、受信したTSパケットが、PCR包含TSパケットであるか否かを判定する。ステップS111において、YESならば、ステップS112に進む。一方、ステップS111において、NOならば、再度、ステップS110の処理が行なわれる。この場合、ステップS110では、受信したパケットの次のパケットが受信される。ここでは、PCR包含TSパケットとしてのTSパケットT40Aを受信したとして、ステップS112に進む。
【0109】
ステップS112では、検出部1720が、受信したPCR包含TSパケットを、バッファ1740に記憶させる。その後、ステップS113に進む。
【0110】
ステップS113では、比較処理が行なわれる。比較処理では、比較回路1772が、バッファ1740に記憶されているTSパケットに含まれるPCRの値と、STCカウンタ1771から受信するシステムクロックカウンタSYCTの値とを比較する比較処理を行なう。そして、比較回路1772が、PCRの値から、システムクロックカウンタSYCTの値を減算することにより、PCRの値と、システムクロックカウンタSYCTの値との差分値を算出する。そして、比較回路1772は、算出した差分値を、ラッチ回路1773へ送信する。その後、ステップS114に進む。
【0111】
ステップS114では、所定条件が満たされるか判定される。ここで、所定条件とは、ステップS113の比較処理において比較される、PCRの値と、システムクロックカウンタSYCTの値とが一致しないという条件である。すなわち、所定条件は、PCRの値と、システムクロックカウンタSYCTの値との差分値が“0”でないという条件である。ステップS114において、YESならば、ステップS115に進む。一方、ステップS114において、NOならば、再度、ステップS110の処理が行なわれる。ここでは、差分値が“0”でないとして、ステップS115に進む。
【0112】
ステップS115では、比較回路1760が、現在の時刻が、システムクロックカウンタSYCTの周波数を変更する時刻であるか否かが判定される。具体的には、比較回路1760が、バッファ1740に記憶されたPCR包含TSパケットに付加されているタイムスタンプの値と、比較カウンタCPCTの値とを比較し、タイムスタンプの値と、比較カウンタCPCTの値とが一致しているか否かを判定する。ステップS115において、YESならば、ステップS116に進む。一方、ステップS115において、NOならば、再度、ステップS115の処理が行なわれる。
【0113】
なお、ステップS116の処理が行なわれる前に、ラッチ回路1773、DAC1774、LPF1775は、差分値に基づいて、前述した処理を行なっているとする。
【0114】
ステップS116では、VCO1776が、生成するシステムクロックSCKの周波数を、ラッチ回路1773、DAC1774、LPF1775により、前述した処理が行なわれた差分値に基づいて調整(変更)する。その後、再度、ステップS110の処理が行なわれる。
【0115】
以上説明したように、本実施の形態では、時刻情報としてのタイムスタンプが付加されたTSパケットを複数連続して受信した場合、PCRが含まれるPCR包含TSパケットを検出する。そして、検出されたPCR包含TSパケットに含まれるPCRの値を利用して、システムクロックSCKの周波数を調整(変化)させるタイミングを制御することにより、本来、システムクロックSCKの周波数を調整すべきタイミングで、システムクロックSCKの周波数を調整(変化)させる。
【0116】
したがって、時刻情報が付加されたTSパケットを複数連続して受信した場合においても、正確なタイミングで、システムクロックSCKの周波数を調整(変化)させることができる。すなわち、システムクロックSCKを正確に生成することができるという効果を奏する。
【0117】
また、デコード部1800は、正確に生成されたシステムクロックSCKに基づいて動作するため、受信したTSパケットを正確にデコードすることができるという効果を奏する。
【0118】
すなわち、本実施の形態におけるデコード回路1600Aは、時刻情報が付加されたTSパケットを複数連続して受信した場合においても、TSパケットを正確にデコードすることができるという効果を奏する。
【0119】
すなわち、本実施の形態における、デコード回路1600Aを含む映像処理装置1000は、時刻情報が付加されたTSパケットを複数連続して受信した場合においても、TSパケットを正確にデコードすることができるという効果を奏する。
【0120】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】本実施の形態における映像処理装置の内部構成の一例を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態におけるクロック回路の内部構成の一例を示すブロック図である。
【図3】クロック回路の動作を説明するための、一例としての動作波形図である。
【図4】クロック回路で行なわれるクロック調整処理およびカウント処理のフローチャートを示す図である。
【図5】トランスポートストリームを説明するための図である。
【図6】従来の映像処理装置の内部構成の一例を示すブロック図である。
【図7】トランスポートストリームを説明するための図である。
【図8】タイムスタンプが付加されたトランスポートパケットを示す図である。
【符号の説明】
【0122】
1000 映像処理装置、1200 通信部、1400 制御部、1500 記憶部、1600A デコード回路、1700A クロック回路、1710 バッファ、1720 検出部、1730 スイッチ制御部、1740 バッファ、1750 カウンタ、1752 クロック発生回路、1760 比較回路、1771 STCカウンタ、1772 比較回路、1773 ラッチ回路、1774 DAC、1775 LPF、1776 VCO、1800 デコード部。
【出願人】 【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
【識別番号】502312498
【氏名又は名称】住友電工ネットワークス株式会社
【出願日】 平成18年7月28日(2006.7.28)
【代理人】 【識別番号】100064746
【弁理士】
【氏名又は名称】深見 久郎

【識別番号】100085132
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 俊雄

【識別番号】100083703
【弁理士】
【氏名又は名称】仲村 義平

【識別番号】100096781
【弁理士】
【氏名又は名称】堀井 豊

【識別番号】100098316
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 久登

【識別番号】100109162
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 將行


【公開番号】 特開2008−35197(P2008−35197A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−206176(P2006−206176)