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【発明の名称】 画像読取装置と情報処理システム
【発明者】 【氏名】平子 博士

【要約】 【課題】画像読取装置によって複数枚の原稿の画像を読み取り、それらの画像情報を外部機器に送信してその記憶部に保存させる場合の作業者による作業の効率化を図る。

【構成】画像読取装置50のメイン処理部56が、原稿給送部による原稿の給送開始から画像読取部によるその原稿の画像読み取り終了までの時間(原稿1枚当たりの原稿読取時間)を計測すると共に、原稿給送部によって給送される原稿の残枚数を検知し、その原稿1枚当たりの原稿読取時間と原稿の残枚数とに基づいて、原稿給送部によって給送される原稿の画像が画像読取部によって全て読み取り終えるまでの残り時間を演算し、その残り時間を示す情報を通信部57によってホスト(外部機器)60へ送信させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿の画像を読み取る画像読取手段と、前記原稿を前記原稿読取手段へ給送する原稿給送手段と、前記画像読取手段によって読み取った画像情報を外部機器へ送信する画像情報送信手段とを有する画像読取装置であって、
前記原稿給送手段による前記原稿の給送開始から前記画像読取手段による該原稿の画像読み取り終了までの時間を計測する読取時間計測手段と、
前記原稿給送手段によって給送される原稿の残枚数を検知する原稿残枚数検知手段と、
前記読取時間計測手段による計測結果と前記原稿残枚数検知手段による検知結果とに基づいて、前記原稿給送手段によって給送される原稿の画像が前記画像読取手段によって全て読み取り終えるまでの残り時間を演算する残り時間演算手段と、
該残り時間演算手段による演算結果を前記外部機器へ送信する演算結果送信手段とを設けたことを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像読取装置において、
前記原稿残枚数検知手段が、原稿を載置する原稿載置手段と、該原稿載置手段を動作させる駆動手段と、該駆動手段により動作させられた原稿載置手段の位置を検出する位置検出手段と、該位置検出手段による検出結果に基づいて前記原稿載置手段の移動量を演算する移動量演算手段とを有し、該移動量演算手段による演算結果から前記原稿載置手段に載置されている原稿の全体の厚さと1枚の厚さを演算し、前記原稿載置手段に載置されている上記原稿の残枚数を演算することにより、前記原稿給送手段によって給送される原稿の残枚数を検知することを特徴とする画像読取装置。
【請求項3】
請求項2記載の画像読取装置において、
前記移動量演算手段が、前記原稿載置手段を移動させるためのステッピングモータのクロック数を用いて前記原稿載置手段の移動量を演算することを特徴とする画像読取装置。
【請求項4】
請求項1記載の画像読取装置において、
前記読取時間計測手段は、原稿1枚毎に時間計測を行う手段であり、
前記残り時間演算手段は、前記読取時間計測手段によって計測された原稿1枚毎の時間の平均を演算し、その平均時間と前記原稿残枚数検知手段による検知結果とに基づいて、前記原稿給送手段によって給送される原稿の画像が前記画像読取手段によって全て読み取り終えるまでの残り時間を演算し直すことを特徴とする画像読取装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像読取装置において、
前記残り時間演算手段は、前記演算結果に基づいて全原稿に対してどれだけの割合の画像読み取りが終了したかを演算する手段を有することを特徴とする画像読取装置。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像読取装置において、
前記残り時間演算手段は、前記演算結果に基づいて残り何秒で全原稿の画像読み取りが終了するかを演算する手段を有することを特徴とする画像読取装置。
【請求項7】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像読取装置において、
前記残り時間演算手段は、前記演算結果に基づいて後何枚で全原稿の画像読み取りが終了するかを演算する手段を有することを特徴とする画像読取装置。
【請求項8】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像読取装置において、
前記残り時間演算手段は、前記演算結果に基づいて全原稿の画像読み取りが終了する時刻を演算する手段を有することを特徴とする画像読取装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の画像読取装置において、
前記残り時間演算手段による演算結果を表示する表示手段を設けたことを特徴とする画像読取装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の画像読取装置において、
前記残り時間演算手段による演算結果を音声出力する音声出力手段を設けたことを特徴とする画像読取装置。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか一項に記載の画像読取装置と、該画像読取装置と通信可能な外部機器とからなる情報処理システムにおいて、
前記外部機器に、前記画像情報および前記演算結果を表示する表示手段を設けたことを特徴とする情報処理システム。
【請求項12】
請求項11記載の情報処理システムにおいて、
前記外部機器の表示手段は、前記画像情報と同一の表示画面上に前記演算結果を表示することを特徴とする情報処理システム。
【請求項13】
請求項12記載の情報処理システムにおいて、
前記画像読取装置に、全原稿の画像読み取りが終了した場合に、その旨を示す読取終了情報を前記外部機器へ送信する読取終了情報送信手段を設け、
前記外部機器の表示手段は、前記画像情報と同一の表示画面上に前記読取終了情報を表示する手段を有することを特徴とする情報処理システム。
【請求項14】
請求項12記載の情報処理システムにおいて、
前記画像読取装置に、全原稿の画像読み取りが終了した場合に、その旨を示す読取終了情報を前記外部機器へ送信する読取終了情報送信手段を設け、
前記外部機器に、前記読取終了情報を音声出力する音声出力手段を設けたことを特徴とする情報処理システム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、原稿の画像を読み取るスキャナ等の画像読取装置(画像形成装置の画像読取部あるいは単体の画像読取装置)、およびそれを備えた情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
スキャナ等の画像読取装置では、例えば特許文献1に見られるように、パーソナルコンピュータ(以下「PC」と略称する)等のホストに通信可能に接続し、原稿から読み取った画像情報(画像データ)を接続先のPCに送信して、そのモニタ等の表示部の画面に表示させると共にHDD(ハードディスク装置)等の記憶部に保存させるようにするのが一般的である。
【特許文献1】特開2001−339579号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このような従来の画像読取装置では、原稿の画像を読み取る際に、その読み取り速度を決定する要因として、大きく画像読取装置自体の画像処理能力、画像読取装置からホストへの画像情報転送能力、ホスト側の画像情報処理能力が挙げられるが、いくら画像読取装置の能力が向上しても、ホスト側の能力が低ければ、その記憶部に画像情報が保存されるまでに多大な時間がかかってしまう。
【0004】
それによって、画像読取装置によって大量の原稿の画像を読み取り、それらの画像情報をホストに送信してその記憶部に保存するには、環境により読み取り時間が大きく左右されてしまい、画像情報が必要な人にとっては、全原稿の画像読み取りがいつごろ終了するのかが推測し難い。その終了時期は、原稿の枚数がはっきりしない場合、更に推測し難くなる。そのため、画像情報を直ぐに必要な作業者(ユーザ)は、画像読み取りが終了するまで画像読取装置を監視しなくてはならないし、画像読取装置を効率的に使用したい場合にも監視が必要になり、画像読取装置の設置場所からあまり離れることはできなくなり、逆に非常に非効率となる場合がある。
【0005】
この発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、画像読取装置によって複数枚の原稿の画像を読み取り、それらの画像情報をホスト等の外部機器に送信してその記憶部に保存させる場合の作業者による作業の効率化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記の目的を達成するため、画像読取装置、およびそれを備えた情報処理システムを提供する。
請求項1の発明による画像読取装置は、原稿の画像を読み取る画像読取手段と、上記原稿を上記原稿読取手段へ給送する原稿給送手段と、上記画像読取手段によって読み取った画像情報を外部機器へ送信する画像情報送信手段とを有する画像読取装置であって、次のようにしたことを特徴とする。
【0007】
すなわち、上記原稿給送手段による上記原稿の給送開始から上記画像読取手段による該原稿の画像読み取り終了までの時間を計測する読取時間計測手段と、上記原稿給送手段によって給送される原稿の残枚数を検知する原稿残枚数検知手段と、上記読取時間計測手段による計測結果と上記原稿残枚数検知手段による検知結果とに基づいて、上記原稿給送手段によって給送される原稿の画像が上記画像読取手段によって全て読み取り終えるまでの残り時間を演算する残り時間演算手段と、該残り時間演算手段による演算結果を上記外部機器へ送信する演算結果送信手段とを設けたものである。
【0008】
請求項2の発明による画像読取装置は、請求項1の画像読取装置において、上記原稿残枚数検知手段が、原稿を載置する原稿載置手段と、該原稿載置手段を動作させる駆動手段と、該駆動手段により動作させられた原稿載置手段の位置を検出する位置検出手段と、該位置検出手段による検出結果に基づいて上記原稿載置手段の移動量を演算する移動量演算手段とを有し、該移動量演算手段による演算結果から上記原稿載置手段に載置されている原稿の全体の厚さと1枚の厚さを演算し、上記原稿載置手段に載置されている上記原稿の残枚数を演算することにより、上記原稿給送手段によって給送される原稿の残枚数を検知するものである。
【0009】
請求項3の発明による画像読取装置は、請求項2の画像読取装置において、上記移動量演算手段が、上記原稿載置手段を移動させるためのステッピングモータのクロック数を用いて上記原稿載置手段の移動量を演算するものである。
請求項4の発明による画像読取装置は、請求項1の画像読取装置において、上記読取時間計測手段を原稿1枚毎に時間計測を行う手段とし、上記残り時間演算手段が、上記読取時間計測手段によって計測された原稿1枚毎の時間の平均を演算し、その平均時間と上記原稿残枚数検知手段による検知結果とに基づいて、上記原稿給送手段によって給送される原稿の画像が上記画像読取手段によって全て読み取り終えるまでの残り時間を演算し直すものである。
【0010】
請求項5の発明による画像読取装置は、請求項1〜4のいずれかの画像読取装置において、上記残り時間演算手段に、上記演算結果に基づいて全原稿に対してどれだけの割合の画像読み取りが終了したかを演算する手段を備えたものである。
請求項6の発明による画像読取装置は、請求項1〜4のいずれかの画像読取装置において、上記残り時間演算手段に、上記演算結果に基づいて残り何秒で全原稿の画像読み取りが終了するかを演算する手段を備えたものである。
【0011】
請求項7の発明による画像読取装置は、請求項1〜4のいずれかの画像読取装置において、上記残り時間演算手段に、上記演算結果に基づいて後何枚で全原稿の画像読み取りが終了するかを演算する手段を備えたものである。
請求項8の発明による画像読取装置は、請求項1〜4のいずれかの画像読取装置において、上記残り時間演算手段に、上記演算結果に基づいて全原稿の画像読み取りが終了する時刻を演算する手段を備えたものである。
【0012】
請求項9の発明による画像読取装置は、請求項1〜9のいずれかの画像読取装置において、上記残り時間演算手段による演算結果を表示する表示手段を設けたものである。
請求項10の発明による画像読取装置は、請求項1〜9のいずれかの画像読取装置において、上記残り時間演算手段による演算結果を音声出力する音声出力手段を設けたものである。
請求項11の発明による情報処理システムは、請求項1〜10のいずれかの画像読取装置と、該画像読取装置と通信可能な外部機器とからなる情報処理システムにおいて、上記外部機器に、上記画像情報および上記演算結果を表示する表示手段を設けたものである。
【0013】
請求項12の発明による情報処理システムは、請求項11の情報処理システムにおいて、上記外部機器の表示手段が、上記画像情報と同一の表示画面上に上記演算結果を表示するものである。
請求項13の発明による情報処理システムは、請求項12の情報処理システムにおいて、上記画像読取装置に、全原稿の画像読み取りが終了した場合に、その旨を示す読取終了情報を上記外部機器へ送信する読取終了情報送信手段を設け、上記外部機器の表示手段に、上記画像情報と同一の表示画面上に上記読取終了情報を表示する手段を備えたものである。
【0014】
請求項14の発明による情報処理システムは、請求項12の情報処理システムにおいて、上記画像読取装置に、全原稿の画像読み取りが終了した場合に、その旨を示す読取終了情報を上記外部機器へ送信する読取終了情報送信手段を設け、上記外部機器に、上記読取終了情報を音声出力する音声出力手段を設けたものである。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、画像読取装置が、読取時間計測手段により原稿給送手段による原稿の給送開始から画像読取手段によるその原稿の画像読み取り終了までの時間を計測すると共に、原稿残枚数検知手段により原稿給送手段によって給送される原稿の残枚数を検知し、読取時間計測手段による計測結果と原稿残枚数検知手段による検知結果とに基づいて、残り時間演算手段により原稿給送手段によって給送される原稿の画像が画像読取手段によって全て読み取り終えるまでの残り時間を演算し、その演算結果である残り時間を演算結果送信手段によって外部機器へ送信するので、その残り時間を外部機器の表示部が表示して作業者に知らせることができる。したがって、画像読取装置によって複数枚の原稿の画像を読み取り、それらの画像情報を外部機器に送信してその記憶部に保存させる場合の作業者による作業の効率化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、この発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
まず、この発明による情報処理システムを構成する画像読取装置とホストの構成について、図1および図2を参照して説明する。
図1は、この発明による画像読取装置の機構部の構成例を示す図である。図2は、その画像読取装置とホストにそれぞれ搭載されている制御部の概略構成例を示すブロック図である。
【0017】
この画像読取装置50は、ファクシミリ装置,デジタル複合機,デジタル複写機等の画像形成装置のスキャナ部あるいは単体のスキャナ装置として用いられるものである。
この画像読取装置50では、読み取り対象原稿を固定するフラットベッドタイプ、原稿を搬送しながら読み取る原稿移動タイプの両方で原稿の画像読み取りが可能な構成を採っている。
【0018】
原稿固定の場合、原稿台ガラス(コンタクトガラス)1上に置かれた原稿の下面(画像面)は、第1ミラー2と一体に構成された照明ランプ3により照射され、その画像面からの反射光は、第1ミラー2、第2ミラー4、および第2ミラー4と一体に構成された第3ミラー5で走査される。そのため、第1ミラー2と照明ランプ3並びに第2ミラー4と第3ミラー5は、走行体モータ7を駆動源として、矢示A方向に移動可能となっている。その後、反射光は、レンズ31により集束され、SBU(センサボードユニット)51上のCCD(電荷結合素子)6に照射され、光電変換される。なお、CCD6を含む光学系の各部が画像読取部(画像読取手段)を構成する。
【0019】
一方、原稿移動の場合、原稿載置手段である原稿トレイ8に積載された原稿は、原稿給送部(原稿給送手段)を構成する給紙コロ(ピックアップローラ)9、レジストローラ対10、搬送ドラム11、搬送ローラ12により読取位置Bを経て、搬送ローラ対13および排紙ローラ対14へ送り込まれ、排紙トレイ32上に排出される。原稿は、読取位置Bを通過する際に、その近傍に移動され、定置されている照明ランプ3により画像面が照射され、その画像面からの反射光は、第1ミラー2、第2ミラー4、および第2ミラー4と一体に構成された第3ミラー5で走査される。その後反射光は、レンズ31により集束され、CCD6に照射され、光電変換される。
【0020】
給紙コロ9、レジストローラ対10は、図示しない給紙モータにより駆動され、搬送ドラム11、搬送ローラ12、搬送ローラ対13、排紙ローラ対14は、図示しない搬送モータにより駆動される。
また、原稿移動タイプの動作において、読取位置Cには密着イメージセンサ15が設置されている。この密着イメージセンサ15は、光源であるLED等のランプ、レンズ、センサ素子で構成されている。
【0021】
原稿は、読取位置Cを通過する際に、読取位置Bで読み取られた反対の面(裏面)を読取位置Cに設置されている密着イメージセンサ15内のランプにより照射され、その反射光が密着イメージセンサ15上のレンズにより集束され、密着イメージセンサ15上のセンサ素子に入射され、光電変換される。密着イメージセンサ15の原稿を挟んだ対向部には白色ローラ17が設置されていて、密着イメージセンサ15による読み取り時のシェーディング補正用白基準部材として使用される。
【0022】
この画像読取装置50に搭載された図2の制御部により、上述した光学読み取り動作を含む画像読取装置の動作を制御し、CCD6で光電変換された後の画像信号を処理し、画像データとして利用しうる形態のデータを生成する。
すなわち、SBU51上のCCD6に入射された原稿の反射光(反射光像)は、CCD6内で光の強度に応じた電圧値を持つアナログ画像信号に変換される。そのアナログ画像信号は、奇数ビットと偶数ビットに分かれて出力される。それらのアナログ画像信号は、SBU51上で暗電位部分が取り除かれ、奇数ビットと偶数ビットとが合成され、所定の振幅にゲイン調整された後にA/D変換部(A/Dコンバータ)52に入力され、デジタル信号化される。
【0023】
デジタル化された画像信号は、次にデータ補正部53により、シェーディング補正、ガンマ補正、MTF補正等のデータ補正が施された後、2値化される。そして、ページ同期信号、ライン同期信号、画像クロックと共に、ビデオ信号生成部54によりビデオ信号として出力される。このビデオ信号は、画像処理部55によってガンマ変換、ライン間補正、変倍等の画像処理が施された後、メイン処理部56に入力される。
【0024】
メイン処理部56は、少なくともCPU(中央処理装置)、ROM、RAM、不揮発性メモリからなるマイクロコンピュータを用いたものであり、画像処理部55からのビデオ信号(画像データ)をRAMに蓄積(記憶)する。なお、図示しないHDD等の他の記憶部に画像データを蓄積してもよい。
メイン処理部56は、後述する通信部57,図示しない表示部,および機構部等を必要に応じて使用することにより、この発明に関わる機能(画像情報送信手段,読取時間計測手段,原稿残枚数検知手段,残り時間演算手段,演算結果送信手段,表示手段,読取終了情報送信手段としての機能)を実現できる。
【0025】
メイン処理部56のRAMに蓄積された画像データは、所定のタイミングで読み出され、通信部57(SCSIコントローラ又はUSBコントローラ等からなる)によってPC等のホスト(外部装置)60へ送信(転送)される。なお、ホスト60や他の外部機器をLAN(ローカルエリアネットワーク)等のネットワークを介して画像読取装置50に通信可能に接続できるようにした場合には、画像データをネットワーク経由でホスト60や他の外部機器に送信することもできる。
【0026】
ホスト60の通信部61は、画像読取装置50の通信部57と同様の機能を有するものであり、画像読取装置50からの画像データを受信し、メイン処理部62に入力する。
メイン処理部62は、画像読取装置50のメイン処理部56と同様の機能を有するものであり、通信部61によって受信した画像データをRAM又はHDD等の記憶部に蓄積して保存し、モニタ等の表示部63に表示させる。
メイン処理部62は、表示部63,図示しない音声出力部(スピーカ等)を必要に応じて使用することにより、この発明に関わる機能(記憶手段,表示手段,音声出力手段としての機能)を実現できる。
以上の一連の動作により、原稿1枚(1ページ)の画像読み取り、画像データ送信、画像データ蓄積が行われる。
【0027】
次に、前述した一連の動作の中で、原稿読取時間(原稿の画像読み取り時間)と原稿トレイ8の上昇距離とにより、原稿の読み取りが完了するまでの残り時間を算出する手段について説明する。
図3は、図1に示した画像読取装置50における原稿トレイ8およびその周辺の機構部の概略構成例を示す図である。なお、図示の都合上、原稿トレイ8の角度等は図1と異なる。
図4は、図2の画像読取装置50のメイン処理部56によるこの発明に関する処理の一例を示すフローチャートである。なお、図示の都合上、ステッピングモータをモータとしている。また、上述した画像データの送信と蓄積の処理の図示は省略している。
【0028】
画像読取装置50のメイン処理部56は、まず図4のステップS1で、原稿読取開始前に、原稿給送部の図3に示すフレーム100に固定された原稿トレイホームポジションセンサ101によって原稿トレイホームポジションセンサ検知用フィラー102を検出することにより、原稿トレイ8がホームポジションにあることを確認する。
次に、ステップS2へ進み、モータ制御部110により、図示しない給紙モータを駆動させ、1枚目の原稿読取動作を開始させる。このとき、時間の計測も開始する。
【0029】
次にステップS3〜S5において、ステッピングモータ103にクロックを1回送ってその分だけステッピングモータ103を回転駆動し、ベルト104を矢示D方向に回動させることによって原稿トレイ8を矢示E方向に上昇させる。原稿トレイ8が上昇し、原稿群Pにより給紙コロ9が押し上げられ、それに連動して給紙コロ9の回転軸等を介して設けられている原稿加圧検知用フィラー105も上昇し、フレーム107に固定された原稿加圧検知用センサ106による検出位置に到達するまで、ステップS3〜S5の制御が繰り返し行われる。その到達時の原稿トレイ8の位置が実際に原稿の画像読み取りを開始する時の位置(以下「原稿読取開始位置」という)となる。
【0030】
原稿加圧検知用フィラー105が原稿加圧検知用センサ106によって検出される(原稿加圧検知用センサ106がONになる)までのクロック数をステップS4でカウントアップしてRAMに記憶し、ステップ6で、1回当たりのクロック(1クロック)で回転駆動するステッピングモータ103による原稿トレイ8の上昇距離とクロック数とを乗算することにより、原稿トレイ8がホームポジション(1枚目の原稿読取動作開始時の位置)から原稿読取開始位置に到達するまでの距離を算出でき、それをRAMに記憶する。
【0031】
一連の原稿読取動作を行い、読み取りが終了した旨を示す信号(読取終了信号)を受けると、ステップS7へ進み、1枚目の原稿読取動作を終了し、ステップS2で開始した時間計測を終了して、ステップS8でその計測時間を1枚当たりの原稿読取時間としてRAMに記憶する。
次に、ステップS9で2(n)枚目の原稿読取動作を開始し、ステップS2と同様に時間の計測を再び開始する。
【0032】
このとき、原稿が1枚給送されたことにより、その原稿に押し当てていた給紙コロ9の位置が下降し、それに伴って原稿加圧検知用フィラー105も下降するため、それが原稿加圧検知用センサ106による検出位置から離れてしまう。そこで、その検出位置に原稿加圧検知用フィラー105が再度到達するように、ステップS11〜S13でモータ制御部110より上述と同様にステッピングモータ103を回転駆動して原稿トレイ8を上昇させ、原稿加圧検知用フィラー105が原稿加圧検知用センサ106の検出位置に到達するようにする。
【0033】
原稿加圧検知用フィラー105が原稿加圧検知用センサ106によって検出される(原稿加圧検知用センサ106がONになる)までのクロック数をステップS12でカウントアップしてRAMに記憶し、ステップ14で、1クロックで回転駆動するステッピングモータ103による原稿トレイ8の上昇距離とクロック数とを乗算することにより、原稿トレイ8がホームポジションから原稿読取開始位置に到達するまでの距離を算出でき、それをRAMに記憶する。
【0034】
次に、ステップS15で、1枚(n−1)目の原稿読取動作開始時に算出した距離(ステップS6での算出結果)と2(n)枚目の原稿読取動作開始時に算出した距離(ステップS14での算出結果)との差を求めることにより、1枚の原稿の厚さを算出し、それをRAMに記憶する。
ここで、原稿トレイ8に原稿がない場合に、原稿トレイ8がホームポジションから原稿読取開始位置に到達する(原稿加圧検知用フィラー105が原稿加圧検知用センサ106によって検出される)までの距離(最大上昇距離)は予め設定され、不揮発性メモリ(又はHDD)に記憶保持されている。
【0035】
次に、ステップS16で、先に算出した1枚の原稿の厚さと2(n)枚目の原稿読取動作開始時に算出した距離と最大上昇距離とに基づいて原稿トレイ8に現在載置されている原稿の残り枚数を演算(算出)する。
次に、ステップS17へ進み、ステップS16で演算した原稿の残り枚数(演算結果)と、ステップS8でRAMに記憶しておいた1枚当たりの原稿読取時間とを乗算することにより、原稿トレイ8に載置されている原稿の画像読み取りを全て終えるまでに要する時間である残り時間を算出する。そして、その算出結果である残り時間の情報を通信部57によってホスト60に送信する。なお、残り時間の情報を画像読取装置50の図示しない表示部に表示したり、音声出力部によって音声出力させるようにしてもよい。
【0036】
一連の原稿読取動作を行い、読取終了信号を受けると、ステップS19へ進み、2枚目の原稿読取動作を終了し、ステップS9で再開した時間計測を終了して、その計測時間を1枚当たりの原稿読取時間としてRAMに記憶し直す(記憶済みの1枚当たりの原稿読取時間に代えて記憶する)。あるいは、今回の計測時間とRAMに記憶済みの1枚当たりの原稿読取時間の平均を演算し、その平均時間を1枚当たりの原稿読取時間としてRAMに記憶し直す。
【0037】
次に、ステップS20で、原稿トレイ8上に原稿が載置されているか否かを図示しないセンサからの信号によって判断し、載置されていればステップ9に戻って3(n)枚目の原稿読取動作を開始し、以後上述と同様の動作を行い、その度に残り時間を修正する(演算し直す)。つまり、ステップS19の処理を行う度にRAMに新たな1枚当たりの原稿読取時間を記憶するため、ステップS9〜S17の処理を行う度に残り時間を修正する。
原稿トレイ8上の原稿がなくなった場合には、原稿の画像読み取りが終了したと判定してステップS21へ移行し、読取終了処理を行う。つまり、原稿の画像読み取りが終了した旨を示す読取終了情報をホスト60又は他の外部機器に送信する。なお、読取終了情報を画像読取装置50の表示部に表示したり、画像読取装置50の音声出力部によって音声出力させるようにしてもよい。
【0038】
なお、上述の処理では、残り時間を演算し、その演算結果である残り時間の情報をホスト60に送信するようにしたが、残り時間に基づいて以下の(a)〜(d)のいずれか(又は組み合わせてもよい)に示す演算を行い、その演算結果の情報をホスト60に送信したり、画像読取装置50の表示部に表示したり、画像読取装置50の音声出力部によって音声出力させるようにしてもよい。
【0039】
(a)残り時間に基づいて全原稿に対してどれだけの割合の画像読み取りが終了したかを演算する。
(b)残り時間に基づいて残り何秒で全原稿の画像読み取りが終了するかを演算する。
(c)残り時間に基づいて後何枚で全原稿の画像読み取りが終了するかを演算する。
(d)残り時間に基づいて全原稿の画像読み取りが終了する時刻を演算する。
【0040】
一方、ホスト60のメイン処理部62は、通信部61によって残り時間(又はそれに基づいて演算した結果)の情報を受信すると、その情報を表示部63に表示する。また、通信部61によって読取終了情報を受信すると、それを表示部63に表示する。これらの情報は、通信部61によって受信する画像データと同一の表示画面上に表示してもよい。なお、残り時間(又はそれに基づいて演算した結果)の情報および読取終了情報を音声出力部によって音声出力させてもよい。また、他の外部機器が、それらの情報を受信して表示部に表示したり、音声出力部によって音声出力させることもできる。
【0041】
この実施例によれば、以下の(1)〜(12)に示す作用効果を得ることができる。
(1)画像読取装置50が、原稿給送部による原稿の給送開始から画像読取部によるその原稿の画像読み取り終了までの時間(原稿1枚当たりの原稿読取時間)を計測すると共に、原稿給送部によって給送される原稿の残枚数を検知し、その原稿1枚当たりの原稿読取時間と原稿の残枚数とに基づいて、原稿給送部によって給送される原稿の画像が画像読取部によって全て読み取り終えるまでの残り時間を演算し、その残り時間を示す情報をホスト60へ送信することにより、その残り時間を示す情報をホストの表示部が表示して作業者に知らせることができる。したがって、画像読取装置50によって複数枚の原稿の画像を読み取り、それらの画像情報(画像データ)をホスト60に送信してその記憶部に保存させる場合、作業者はそれまでの時間を有効に使うことができ、作業の効率化を図ることができる。
【0042】
(2)画像読取装置50が、原稿トレイ8の位置を検出し、その検出結果に基づいて原稿トレイ8の移動量を演算し、その演算結果から原稿トレイ8に載置されている原稿の全体の厚さと1枚の厚さを演算することにより、その原稿の残枚数を演算すれば(原稿給送部によって給送される原稿の残枚数を検知すれば)、原稿の画像読み取りを行う際に、作業者がホスト60上での操作によって原稿枚数を入力する必要がなくなり、作業の一層の効率化につながる。
(3)画像読取装置50が、原稿トレイ8を移動させるためのステッピングモータのクロック数を用いて原稿トレイ8の移動量を演算することにより、原稿の位置を探すためのセンサ等を用いずに済むので、低コスト化を図れる。
【0043】
(4)画像読取装置50が、原稿1枚毎に時間計測を行い、その計測時間の平均を演算し、その平均時間と原稿給送部によって給送される原稿の残枚数とに基づいて、原稿給送部によって給送される原稿の画像が画像読取部によって全て読み取り終えるまでの残り時間を演算し直すことにより、画像読取装置50側のメモリニアフル(記憶部の記憶残容量がもうすぐなくなることを示す)によるインクレの発生時や、ホスト60側が別作業などにより処理能力が衰えた場合でも、残り時間(原稿読取終了時間)を修正できるため、より正確な残り時間をホストの表示部に表示することができる。
【0044】
(5)画像読取装置50が、残り時間に基づいて全原稿に対してどれだけの割合の画像読み取りが終了したか、残り何秒で全原稿の画像読み取りが終了するか、後何枚で全原稿の画像読み取りが終了するか、又は全原稿の画像読み取りが終了する時刻を演算し、その演算結果を示す情報をホストの表示部に表示することにより、残り時間を作業者が判断し易くなる。
(6)画像読取装置50が、残り時間(又はそれに基づいて演算した結果)を画像読取装置50の表示部に表示することにより、作業者はホスト60側で残り時間を表示することができない場合でも、残り時間を作業者に知らせることができる。
【0045】
(7)ホスト60(又は画像読取装置50)が、画像情報と同一の表示画面上に残り時間(又はそれに基づいて演算した結果)を表示することにより、原稿の画像情報を確認しながら残り時間も確認できる。
(8)画像読取装置50が、全原稿の画像読み取りが終了した場合に、その旨を示す読取終了情報をホスト60へ送信し、そのホスト60が、画像情報と同一の表示画面上に読取終了情報を表示することにより、作業者は全原稿の画像読み取りが終了したことを知ることができる。
【0046】
(9)画像読取装置50が、全原稿の画像読み取りが終了した場合に、その旨を示す読取終了情報を表示部に表示することにより、ホスト60側で読取終了情報を表示することができない場合でも、読取終了情報を作業者に知らせることができる。
(10)画像読取装置50が、全原稿の画像読み取りが終了した場合に、その旨を示す読取終了情報をネットワークを介してホスト60等の外部機器へ送信し、その外部機器が、読取終了情報を表示することにより、作業者はどこにいても全原稿の画像読み取りが終了したことを知ることができる。
【0047】
(11)画像読取装置50が、全原稿の画像読み取りが終了した場合に、その旨を示す読取終了情報をホスト60等の外部機器へ送信し、その外部機器が、読取終了情報を音声出力部によって音声出力させることにより、作業者は全原稿の画像読み取りが終了したことをより早く知ることが可能になる。
(12)画像読取装置50が、全原稿の画像読み取りが終了した場合に、その旨を示す読取終了情報を音声出力部によって音声出力するようにしても、作業者は全原稿の画像読み取りが終了したことを早く知ることが可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
以上の説明から明らかなように、この発明によれば、画像読取装置によって複数枚の原稿の画像を読み取り、それらの画像情報を外部機器に送信してその記憶部に保存させる場合の作業者による作業の効率化を図ることができる。したがって、より使い勝手の良い画像読取装置および情報処理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】この発明による画像読取装置の機構部の構成例を示す図である。
【図2】その画像読取装置とホストにそれぞれ搭載されている制御部の概要構成例を示すブロック図である。
【図3】図1に示した画像読取装置における原稿トレイおよびその周辺の機構部の概略構成例を示す図である。
【図4】図2の画像読取装置のメイン処理部によるこの発明に関する処理の一例を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0050】
8:原稿トレイ 50:画像読取装置 51:SBU 52:A/D変換部
53:データ補正部 54:ビデオ信号生成部 55:画像処理部
56,62:メイン処理部 57,61:通信部 60:ホスト
63:表示部 100,107:フレーム
101:原稿トレイホームポジションセンサ
102:原稿トレイホームポジションセンサ検知用フィラー
103:ステッピングモータ 104:ベルト 105:原稿加圧検知用フィラー
106:原稿加圧検知用センサ 110:モータ制御部
【出願人】 【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
【出願日】 平成18年7月28日(2006.7.28)
【代理人】 【識別番号】100080931
【弁理士】
【氏名又は名称】大澤 敬

【識別番号】100123881
【弁理士】
【氏名又は名称】大澤 豊


【公開番号】 特開2008−35151(P2008−35151A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−205646(P2006−205646)