| 【発明の名称】 |
撮像装置及びその制御方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】上村 英孝
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| 【要約】 |
【課題】ユーザが使用環境毎にフランジバック調整を行う負荷を回避する。
【構成】本体マイコン29は、フランジバック調整を補正するための調整値を算出し、算出された調整値の履歴を記憶部32に記憶し、調整値の履歴に基づいて、任意の使用環境下における調整値を予測する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 駆動可能な駆動レンズを含むレンズ装置を装着可能な撮像装置であって、 前記駆動レンズに対してフランジバック調整のための駆動制御を行うフランジバック調整制御手段と、 前記フランジバック調整制御手段による前記駆動レンズに対する駆動制御の結果に基づいて、フランジバック調整を補正するための調整値を算出する調整値算出手段と、 前記調整値算出手段により算出された調整値の履歴を記録媒体に記録する記録手段と、 調整値の履歴に基づいて、任意の使用環境下における調整値を予測する予測手段とを有することを特徴とする撮像装置。 【請求項2】 前記予測手段は、前記調整値の履歴を基に回帰分析を用いることにより、任意の使用環境下における調整値を予測することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。 【請求項3】 前記予測手段により予測される調整値を評価する評価手段を更に有することを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。 【請求項4】 前記評価手段は、前記予測手段により調整値が予測された使用環境下における温度データと、その温度データに最も近い、前記記録媒体内において調整値と対応付けて記録される温度データとの差の絶対値が所定の閾値以内であるか否かに応じて、前記予測手段により予測された調整値を評価することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。 【請求項5】 前記評価手段は、前記予測手段により予測された調整値とその調整値に対応する使用環境下における温度データとの関係を示す座標点と、前記記録媒体内において対応付けて記録される温度データと調整値との各関係を示す座標点のうち、前記予測手段により予測された調整値に係る座標点に最も近い座標点とのユークリッド距離が所定の閾値以内であるか否かに応じて、前記予測手段により予測された調整値を評価することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。 【請求項6】 駆動可能な駆動レンズを含むレンズ装置を装着可能な撮像装置の制御方法であって、 前記駆動レンズに対してフランジバック調整のための駆動制御を行うフランジバック調整制御ステップと、 前記フランジバック調整制御ステップによる前記駆動レンズに対する駆動制御の結果に基づいて、フランジバック調整を補正するための調整値を算出する調整値算出ステップと、 前記調整値算出ステップにより算出された調整値の履歴を記録媒体に記録する記録ステップと、 調整値の履歴に基づいて、任意の使用環境下における調整値を予測する予測ステップとを含むことを特徴とする撮像装置の制御方法。 【請求項7】 請求項6に記載の撮像装置の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、使用環境に応じたフランジバック調整を行うことが可能な撮像装置及びその制御方法に関するものである。 【背景技術】 【0002】 従来のカメラ装置には、電気的にフランジバック調整を行う機能を有したものがある(例えば、特許文献1参照)。また、使用環境下における温度変化の影響を受けることなく、安定した撮影を行えるようにしたものもある(例えば、特許文献2参照)。さらに、レンズ装置の組み立て調整時に装着されたカメラ装置のフランジバック情報と、このレンズ装置が現在装着されているカメラ装置のフランジバック情報との差分を補正する手段を有したレンズ装置もある(例えば、特許文献3参照)。 【0003】 【特許文献1】特開2000−121911号公報 【特許文献2】特開2003−131103号公報 【特許文献3】特開平11−084501号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 しかしながら、交換式のレンズ装置に設定されたフランジバック情報と、カメラ装置に設定されたフランジバック情報とを組み合わせた際、フランジバック調整値と理想値に誤差が生じる。また、使用環境下における温度変化の影響を受けることによってもフランジバック調整値と理想値に誤差が生じる。この両方の誤差に対応するためには、ユーザが自動又は手動でフランジバック調整を行い、使用環境毎に調整値を得ることが最も有効な手段であった。しかしながら、使用環境下毎にフランジバック調整を行うという負荷がユーザにかかる、という問題があった。 【0005】 そこで、本発明の目的は、ユーザが使用環境毎にフランジバック調整を行う負荷を回避することにある。 【課題を解決するための手段】 【0006】 本発明の撮像装置は、駆動可能な駆動レンズを含むレンズ装置を装着可能な撮像装置であって、前記駆動レンズに対してフランジバック調整のための駆動制御を行うフランジバック調整制御手段と、前記フランジバック調整制御手段による前記駆動レンズに対する駆動制御の結果に基づいて、フランジバック調整を補正するための調整値を算出する調整値算出手段と、前記調整値算出手段により算出された調整値の履歴を記録媒体に記録する記録手段と、調整値の履歴に基づいて、任意の使用環境下における調整値を予測する予測手段とを有することを特徴とする。 本発明の撮像装置の制御方法は、駆動可能な駆動レンズを含むレンズ装置を装着可能な撮像装置の制御方法であって、前記駆動レンズに対してフランジバック調整のための駆動制御を行うフランジバック調整制御ステップと、前記フランジバック調整制御ステップによる前記駆動レンズに対する駆動制御の結果に基づいて、フランジバック調整を補正するための調整値を算出する調整値算出ステップと、前記調整値算出ステップにより算出された調整値の履歴を記録媒体に記録する記録ステップと、調整値の履歴に基づいて、任意の使用環境下における調整値を予測する予測ステップとを含むことを特徴とする。 【発明の効果】 【0007】 本発明においては、過去に算出された調整値の履歴に基づいて、任意の使用環境下におけるフランジバック調整を補正するための調整値を算出することが可能である。従って、本発明によれば、ユーザが使用環境毎にフランジバック調整を行う負荷を回避することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0008】 以下、本発明をデジタルビデオカメラに適用した場合の実施形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。 【0009】 図1は、本発明の実施形態に係るデジタルビデオカメラの電気的回路構成を示すブロック図である。図1において、被写体からの光束は、第1のレンズ群、第2のレンズ群であるバリエータレンズ群2、絞り3、第3のレンズ群4、第4のレンズ群であるフォーカスレンズ群5を通って、ビデオカメラ本体31内のCCD等の撮像素子21〜23上に結像される。 【0010】 第1のレンズ群1は、交換式レンズユニット12内の光学系の固定されているレンズ群である。バリエータレンズ群2は、変倍を行うためのレンズ群である。第2のレンズ群4は、第1のレンズ群1と同様に固定されているレンズ群である。フォーカスレンズ群5は、ピント調節機能と変倍によるピントの移動を補正するコンペ機能とを兼ね備えたレンズ群である。 【0011】 撮像素子21上には、フォーカスレンズ群5を介して入射された光束のうち、ビデオカメラ本体31内の色分解プリズム(不図示)により分解された赤の成分が結像される。撮像素子22上には、フォーカスレンズ群5を介して入射された光束のうち、ビデオカメラ本体31内の色分解プリズム(不図示)により分解された緑の成分が結像される。撮像素子23上には、フォーカスレンズ群5を介して入射された光束のうち、ビデオカメラ本体31内の色分解プリズム(不図示)により分解された青の成分が結像される。 【0012】 バリエータレンズ群2及びフォーカスレンズ群5は、エンコーダ等の絶対位置検出装置(不図示)により各々絶対位置が検出され、その検出情報は、交換式レンズユニット12の制御手段としてのレンズマイコン10内に供給される。 【0013】 撮像素子21、22、23上のそれぞれの像は光電変換され、増幅器25、26、27でそれぞれ最適なレベルに増幅され、カメラ信号処理回路28へと入力されて、標準テレビ信号(映像信号)に変換される。それと同時に、AFの情報はAF評価値としてビデオカメラ本体31の制御手段としての本体マイコン29のAFデータ読み出しプログラム部によってデータとして読み出される。 【0014】 本体マイコン29が読み出したAF評価値は、AFスイッチのON/OFF(不図示)、ズームスイッチ(不図示)の状態等のビデオカメラ本体31側のスイッチの情報と合わせて、カメラ側接点30、レンズ側接点11を通りレンズマイコン10へ転送される。 【0015】 レンズマイコン10は、本体マイコン29からの情報により、ズームスイッチが押されている時、バリエータレンズ群2をTELE又はWIDEの押されている方向に駆動すべく、ズームモータドライバ7に信号を送る。これにより、レンズマイコン10は、ズームモータ(レンズ駆動手段)6を介してバリエータレンズ群2を駆動する。それと同時に、レンズマイコン10は、内部のカムデータ記憶部に予め記憶された制御情報としてのレンズカムデータに基づきフォーカスモータドライバ9に信号を送り、フォーカスモータ(レンズ駆動手段)8を介してフォーカスレンズ群5を動かす。これにより、ピント移動のない変倍動作を行うことが出来る。 【0016】 ところで、本実施形態のように、変倍レンズ(バリエータレンズ群2)より補正レンズ(フォーカスレンズ群5)が光軸後方にあるタイプでは、変倍時での合焦を維持させた状態での補正レンズの制御位置は被写体距離によって変化することになる。 【0017】 レンズカムデータは、図6(a)に示すように、バリエータレンズ群2の複数の絶対位置毎であって、且つ被写体距離の絶対位置毎(例えば図6(a)の1m、2m毎)にフォーカスレンズ群5の位置を記憶している。 【0018】 レンズマイコン10は、位置検出装置(不図示)により検出されたバリエータレンズ群2及びフォーカスレンズ群5の絶対位置情報により選択されるレンズカムデータを用いてフォーカスモータ8の回転方向及び回転速度を決定する。 【0019】 また、ビデオカメラ本体31側のAFスイッチがONの場合は、レンズマイコン10内のAF制御部が、本体マイコン29からのAF評価値が最大になるよう、フォーカスモータドライバ9に信号を送る。このように、フォーカスレンズ群5のみを動かすことで自動焦点調節動作を行う。 【0020】 さて、上述のごときレンズカムデータに基づく補正レンズ(フォーカスレンズ群5)の駆動に関しては、正確なバックフォーカスを確保する為の原点を定めなければいけない。原点とは、設定された基準位置を基準に所定の補正値によって補正することにより定められる。ここで言う所定の補正値とは、交換式レンズユニット12が持っている補正値と、ビデオカメラ本体31から伝達される補正値との合計値である。 【0021】 交換式レンズユニット12が持っている補正値とは、交換式レンズユニット12を製造する段階で発生するバラツキ等による固定的なものと、光学系側での温度変化等に起因する変動的なものとの合計値である。 【0022】 ビデオカメラ本体31から伝達される補正値とは、ビデオカメラ本体31を製造する段階で発生するバラツキ等による固定的なものとビデオカメラ本体31側での温度検出素子24で検出された出力信号を用いて求めた値である。この値は、ビデオカメラ本体31側のフランジバックの変化情報として与えられる値である。 【0023】 本実施形態は、交換式レンズユニット12自身が持つ補正値と、上述のビデオカメラ本体31から伝達する補正値とを組み合わせた際に生じる誤差を補正する調整値を求めるフランジバック調整方法に関するものである。 【0024】 図2は、本実施形態のメニュー画面の一例を示す図である。ここで、調整値初期化203は、ビデオカメラ本体31のフランジバック情報を工場出荷時の設定値に戻すための選択項目である。 【0025】 図3は、本実施形態におけるフランジバック調整方法を示すフローチャートである。AF(オートフォーカス)調整では、最初のステップS301において、レンズマイコン10は、TELE端へバリエータレンズ群2を動かす。続くステップS302において、レンズマイコン10は、自動的にフォーカスレンズ群5を動かして合焦させる。 【0026】 続くステップS303において、レンズマイコン10は、そのフォーカス位置を保持したまま、WIDE端へバリエータレンズ群2を動かす。 【0027】 続くステップS304において、レンズマイコン10は、現在のフォーカス位置、即ちTELE端でのフォーカス位置f1を読み取る。 【0028】 続くステップS305において、レンズマイコン10は、自動的にフォーカスレンズ群5を動かして合焦させる。 【0029】 続くステップS306において、レンズマイコン10は、現在のフォーカス位置、即ちWIDE端でのフォーカス位置f2を読み取る。 【0030】 本体マイコン31は、(f1−f2)と交換式レンズユニット12に設定されているレンズ係数とを用いて調整値を算出する(ステップS307)。ビデオカメラ本体31は、ビデオカメラ本体31を製造する段階で設定されたフランジバック情報と上記調整値との和を取った値を新たな調整値として記憶する。或いは、ユーザがこれ以前に交換式レンズユニット12に対してフランジバック調整を行った結果として記憶されたフランジバック情報と上記調整値との和を取った値を新たな調整値として記憶してもよい。 【0031】 ここで得られた調整値に温度による補正を加えたものを逐次レンズユニット12に送ることで交換式レンズユニット12とビデオカメラ本体31とを組み合わせた際に生じるフランジバックの誤差を補正することが可能となる。 【0032】 MF(マニュアルフォーカス)調整では、最初のステップS301において、レンズマイコン10は、TELE端へバリエータレンズ群2を動かす。続くステップS302において、手動でフォーカスレンズ群5を動かして合焦させた後、決定キー操作により次の処理に進む。 【0033】 続くステップS303において、レンズマイコン10は、ステップS302において設定したフォーカス位置を保持したまま、WIDE端へバリエータレンズ群2を動かす。 【0034】 続くステップS304において、レンズマイコン10は、現在のフォーカス位置、即ちTELE端でのフォーカス位置f1を読み取る。 【0035】 続くステップS305において、手動でフォーカスレンズ群5を動かして合焦させた後、決定キー操作により次の処理に進む。 【0036】 続くステップS306において、レンズマイコン10は、現在のフォーカス位置、すなわちWIDE端でのフォーカス位置f2を読み取る。 【0037】 ビデオカメラ本体31は、(f1−f2)と交換式レンズユニット12に設定されているレンズ係数を用いて調整値を算出する(ステップS307)。ビデオカメラ本体31は、ビデオカメラ本体31を製造する段階で設定されたフランジバック情報と上記調整値との和を取った値を新たな調整値としてビデオカメラ本体31に記憶する。或いは、ユーザがこれ以前に交換式レンズユニット12に対してフランジバック調整を行った結果として記憶されたフランジバック情報と上記調整値との和を取った値を新たな調整値としてビデオカメラ本体31に記憶してもよい。ここで得られた調整値に、温度による補正を加えたものを逐次レンズユニット12に送ることで交換式レンズユニット12と、ビデオカメラ本体31とを組み合わせた際に生じるフランジバックの誤差を補正することが可能となる。 【0038】 図4は、本実施形態におけるフランジバック調整の1つであるAF調整におけるユーザ操作の禁止動作を含むフランジバック調整方法を示すフローチャートである。また、図5は、このときの操作部・ビデオカメラ本体・レンズユニット間の動作関係を示すシーケンスチャートである。本処理は、図2の201が選択されることにより開始されるものである。 【0039】 AF調整では、ユーザからの操作はキャンセル操作以外の全ての操作、例えばズーム操作、フォーカス操作、アイリス操作及びシャッタスピード操作等を受け付けなくした状態で処理を開始する(ステップS501、S502)。 【0040】 最初のステップS401において、強制的にAFモードへと移行させるための制御信号及びバリエータレンズ群2をTELE端に移動させるための制御信号を本体マイコン29からレンズマイコン10に対して送信する(ステップS503)。 【0041】 レンズマイコン10はTELE端へバリエータレンズ群2を動かす。ステップS402において、レンズマイコン10はTELE端に到達したかどうかを判断し、TELE端に到達するまでステップS401の動作を繰り返す。TELE端に到達すると、レンズマイコン10は本体マイコン29に対してバリエータレンズ群2がTELE端に到達したことを示す信号を送る(ステップS504)。 【0042】 これを受けた本体マイコン29は、AFによる合焦が完了したかを確認するための信号をレンズマイコン10に対して送信する(ステップS505)。レンズマイコン10は、ステップS403において自動的にフォーカスレンズ群5を動かして合焦させる。なお、合焦が終了するまでステップS403の判定を繰り返す。合焦終了後、レンズマイコン10は合焦が完了したことを示す信号を本体マイコン29に対して送信する(ステップS506)。 【0043】 強制的にMFモードへと移行させるための制御信号及びバリエータレンズ群2をWIDE端に移動させるための制御信号を本体マイコン29からレンズマイコン10に対して送信する(ステップS507)。これらの制御信号を受信したレンズマイコン10は、ステップS404において、そのときのフォーカス位置を保持したまま、WIDE端へバリエータレンズ群2を動かす。 【0044】 ステップS405において、レンズマイコン10はWIDE端に到達したかどうかを判断し、WIDE端に到達するまでステップS404の動作を繰り返す。WIDE端に到達すると、レンズマイコン10は、バリエータレンズ群2がWIDE端に到達したことを示す信号を本体マイコン29に対して送信する(ステップS508)。 【0045】 本体マイコン29は、現在のフォーカス位置、すなわちTELE端でのフォーカス位置f1を確認するための信号をレンズマイコン10に対して送信する(ステップS509)。レンズマイコン10は上記のフォーカス位置f1を示す信号を本体マイコン29に対して送信する(ステップS510)。 【0046】 本体マイコン29は、ステップS406において、レンズマイコン10からフォーカス位置f1を示す信号を受信し、保存する(ステップS511)。 【0047】 続いて本体マイコン29は、強制的にAFモードへと移行させるための制御信号及びAFによる合焦が完了したことを確認するための信号をレンズマイコン10に対して送信する(ステップS512)。 【0048】 これらの信号を受信したレンズマイコン10は、ステップS407において自動的にフォーカスレンズ群5を動かして合焦させ、合焦したことを示す信号を本体マイコン29に対して返す(ステップS513)。なお、合焦が終了するまでステップS407の合焦処理は繰り返される。 【0049】 合焦完了の信号を受けた本体マイコン29は、現在のフォーカス位置、即ちWIDE端でのフォーカス位置f2を確認するための信号をレンズマイコン10に対して送信する(ステップS514)。レンズマイコン10は、上記のフォーカス位置f2を示す信号を本体マイコン29に対して送信する(ステップS515)。本体マイコン29は、ステップS409においてレンズマイコン10からフォーカス位置f2を示す信号を受信し、保存する。 【0050】 続くステップS410において、本体マイコン29は、(f1−f2)と交換式レンズユニット12に設定されているレンズ係数とを用いて調整値を算出する(ステップS516)。ビデオカメラ本体31は、ビデオカメラ本体31を製造する段階で設定されたフランジバック情報と上記調整値との和を取った値を新たな調整値として記憶する。或いは、ユーザがこれ以前に交換式レンズユニット12に対してフランジバック調整を行った結果として記憶されたフランジバック情報と上記調整値との和を取った値を新たな調整値として記憶してもよい。 【0051】 処理が終わり次第、本体マイコン29は、ユーザからの操作はキャンセル操作以外の全てを受け付けなくした状態を解除する(ステップS517)。ここで得られた調整値に温度による補正を加えたものが逐次レンズユニット12に送信される。これにより、交換式レンズユニット12とビデオカメラ本体31とを組み合わせた際に生じるフランジバックの誤差を補正することが可能となる。以上の制御により、誤った調整が行われることを防止する。 【0052】 次に、以上の処理において得られた調整値を交換式レンズユニット12側でどのように処理するのかについて説明する。本体マイコン29から送られる調整値はレンズマイコン10において補正値として所定の処理が施される。レンズマイコン10には、レンズカムデータが図6(a)のような理想値(設計値)として記憶されている。これに以下のような補正の為の演算を施す。 【0053】 ビデオカメラ本体31側から伝達される調整値(フランジバックの変化情報)がプラスであればバックフォーカスは理想値よりも伸びていることになる。従って、図6(b)のように、レンズカムデータの理想値からこの分を差し引いた点線で示すレンズカムデータに(下方に)平行シフトして読み替える。この読み替えた新しいデータによってレンズ移動制御を行うことによって、ボケを生じさせない的確なズーミングが行えるようになる。上記調整値がマイナスであればバックフォーカスは理想値よりも縮んだことになり、レンズカムデータは上方に平行シフトして読み替えることになる。 【0054】 図7は、本実施形態におけるフランジバック調整を複数の環境下で行うことにより得られた温度と調整値の関連図である。この蓄積データを基に回帰分析を用いて、現在の使用環境下における調整値を算出する方法の一例として、最小2乗法による2次式への近似を用いた算出法について以下に記載する。 【0055】 n組のデータ(xi,yi)を回帰式y=ax+bx2に近似する場合、式1の連立式を解くことでa,bを求めることができる。 【0056】 【数1】
【0057】 式1について、係数行列と定数ベクトルは式2のようになる。 【0058】 【数2】
【0059】 式2の係数行列を行列式に変換し、Dとする。 【0060】 【数3】
【0061】 係数行列のaに対応する列を定数ベクトルに置換し、行列式に変換し、Δaとする。 【0062】 【数4】
【0063】 係数行列のbに対応する列を定数ベクトルに置換し、行列式に変換し、Δbとする。 【0064】 【数5】
【0065】 以上から、a、bは以下のように求めることができる。 【0066】 【数6】
【0067】 以上の処理により求められた2次式を図8に示す。図1における記憶部32とは、フランジバック調整によって得られた任意の情報(調整値の履歴等)を記憶するものである。 【0068】 以上の処理により得られた調整値を評価する方法の一例として、温度データによる評価法と、ユークリッド距離による評価法について以下に記載する。 【0069】 図9は、温度データの比較を用いて信頼性を評価する手法の一例を示すフローチャートである。最初のステップS901は前述までの回帰分析処理である。次のステップS902で、本体マイコン29は、記憶部32において調整値と対応付けて記憶される温度データの中から、調整値が予測された現在の使用環境下における温度データT1に最も近い温度データ(一致するものも含む)T2を持つものを検索する。 【0070】 続くステップS903で、本体マイコン29は、T1とT2の差分の絶対値が任意の閾値P以内であるかの評価を行う。任意の閾値以内であった場合、ステップS901で得られた調整値Nの信頼性が高いと判断し、Nをシステムに設定する処理を行う(ステップS904)。任意の閾値を越えていた場合、ステップS901で得られた調整値Nの信頼性が低いと判断し、Nをシステムに設定した後、ユーザに再調整を促す処理を行う(ステップS905)。 【0071】 以上の処理により、回帰分析で得られた調整値Nの信頼性を評価することが可能となる。この例では温度データを比較対照として用いたが、温度データに対応する調整値に置き換えても問題はないことは言うまでもない。 【0072】 図10は、ユークリッド距離を用いて信頼性を評価する手法の一例を示すフローチャートである。最初のステップS1001は前述までの回帰分析処理である。その結果、得られた2次曲線が図11であるとし、座標(x、y)が、調整値が予測された任意の使用環境下における当該調整値と温度データとの関係を示す座標点であるとする。 【0073】 ステップS1002で、本体マイコン29は、導き出された調整値の信頼性を算出する為に、近傍点とのユークリッド距離を求める。ユークリッド距離(図11のa,b,c)を求める式は、それぞれ以下の式7によって与えられる。 【0074】 【数7】
【0075】 ここで、得られたユークリッド距離のうち、最も小さい値をとるものがbであったと仮定する。即ち、bは、記憶部32において対応付けて記憶される温度データと評価値との関係を示す座標点のうち、上記座標(x、y)に最も近い座標点である。本体マイコン29は、得られたユークリッド距離b(L)が任意の閾値P以内であるかの評価を行う(ステップS1003)。任意の閾値以内であった場合、ステップS1001で得られた調整値Nの信頼性が高いと判断し、Nをシステムに設定する処理を行う(ステップS1004)。任意の閾値を越えていた場合、ステップS1001で得られた調整値Nの信頼性が低いと判断し、Nをシステムに設定した後、ユーザに再調整を促す処理を行う(ステップS1005)。以上の処理により、回帰分析で得られた調整値Nの信頼性を評価することが可能となる。 【0076】 以上のように、本実施形態によれば、過去に蓄積されたフランジバック調整時の温度・調整値等の任意の情報を基に回帰分析を行うことで、任意の使用環境下における調整値を自動的に設定することが可能となる。これにより、使用環境が変化する毎にユーザがフランジバック調整を行う必要がなくなり、ユーザに対する負荷の軽減が可能となる。また、評価手段によって得られた調整値の信頼性が低いと判断された場合、ユーザにフランジバック調整を促すことが可能となる。 【0077】 また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体をシステム或いは装置に供給し、そのシステム等のコンピュータが記憶媒体からプログラムコードを読み出し実行することによっても達成される。 【0078】 この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、プログラムコード自体及びそのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。 【0079】 プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。 【0080】 また、コンピュータが読み出したプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。 【0081】 さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに接続された機能拡張ユニット等に備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づきCPU等が実際の処理を行い、前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。 【図面の簡単な説明】 【0082】 【図1】本発明の実施形態に係るデジタルビデオカメラの電気的回路構成を示すブロック図である。 【図2】本発明の実施形態におけるメニュー画面の一例を示す図である。 【図3】本発明の実施形態におけるフランジバック調整方法を示すフローチャートである。 【図4】AF調整におけるユーザ操作の禁止動作を含むフランジバック調整方法を示すフローチャートである。 【図5】AF調整におけるユーザ操作の禁止動作を含むフランジバック調整処理時の操作部・ビデオカメラ本体・交換式レンズユニット間の動作関係を示すシーケンスチャートである。 【図6】レンズカムデータを補正して実行するレンズ移動制御を説明するための図である。 【図7】本発明の実施形態におけるフランジバック調整を行うことにより得られた、温度・ズレの関係を示す図である。 【図8】本発明の実施形態における予測値算出法(最小2乗法)を図7のデータ群に用いた結果、得られた2次式の図である。 【図9】本発明の実施形態における温度データを用いた評価法を示すフローチャートである。 【図10】本発明の実施形態におけるユークリッド距離を用いた評価法を示すフローチャートである。 【図11】本発明の実施形態におけるユークリッド距離を用いた評価法を示す図である。 【符号の説明】 【0083】 1、4:固定レンズ群 2:バリエータレンズ群 3:絞り 5:フォーカスレンズ群 6、8:レンズ駆動手段 7、9:レンズ駆動ドライバ 10:レンズマイコン 11:レンズ側接点 12:交換式レンズユニット 21、22、23:撮像素子 24:温度検出手段 25、26、27:増幅器 28:カメラ信号処理回路 29:本体マイコン 30:カメラ側接点 31:ビデオカメラ本体 32:記憶部
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001007 【氏名又は名称】キヤノン株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年7月27日(2006.7.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100090273 【弁理士】 【氏名又は名称】國分 孝悦
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| 【公開番号】 |
特開2008−35130(P2008−35130A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月14日(2008.2.14) |
| 【出願番号】 |
特願2006−205322(P2006−205322) |
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