トップ :: H 電気 :: H04 電気通信技術




【発明の名称】 撮像装置、画像処理方法およびプログラム
【発明者】 【氏名】岡田 正雄

【要約】 【課題】撮像画像から、複数の顔を主要被写体として選定可能とする。

【構成】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主要被写体を考慮した撮影もしくは画像処理の少なくとも一方を行なう機能を有する撮像装置であって、
撮像画像から被写体の顔を検出する検出手段と、
前記検出手段が検出した前記被写体の顔の各々について、サイズ及び前記撮影画像中における位置に応じたウエイトを求めるウエイト算出手段と、
前記検出手段が検出した前記被写体の顔のうち、予め定めたウエイトよりも大きなウエイトを有する顔を前記主要被写体として選定する選定手段とを有することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記ウエイト算出手段が、前記サイズが大きいほど、また前記位置が前記撮像画像の中心に近いほど大きなウエイトとなるように前記ウエイトを算出することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記予め定めたウエイトの値が、前記検出手段が検出した被写体の顔の数に応じて変化することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記撮像画像を、前記主要被写体として選定された顔を表す表示とともに表示する表示手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
主要被写体を考慮した撮影もしくは画像処理の少なくとも一方を行なう機能を有する撮像装置であって、
撮像画像から前記主要被写体とする被写体の顔を検出する検出手段を有し、
前記検出手段が、
前記撮像画像の中心からの距離が異なる複数の領域毎に前記検出を行なうとともに、検出された被写体の顔のうち、前記複数の領域毎に定められた最小顔検出サイズを満たすものを前記主要被写体とする被写体の顔として検出することを特徴とする撮像装置。
【請求項6】
前記最小顔検出サイズは、前記撮像画像の中心からの距離が小さい領域に対しては、前記撮像画像の中心からの距離が大きい領域よりも小さい値となるように定められることを特徴とする請求項5記載の撮像装置。
【請求項7】
主要被写体を考慮した撮影もしくは画像処理の少なくとも一方を行なう機能を有する撮像装置であって、
撮像画像から前記主要被写体とする被写体の顔を検出する検出手段を有し、
前記検出手段が、
前記撮像画像全体に対して前記検出を行なうとともに、前記検出された被写体の顔のうち、当該顔の前記撮像画像における位置に応じて定められた最小顔検出サイズを満たすものを前記主要被写体とする被写体の顔として検出することを特徴とする撮像装置。
【請求項8】
前記最小顔検出サイズは、前記撮像画像の中心からの距離が小さい位置に対しては、前記撮像画像の中心からの位置が大きい領域よりも小さい値となるように定められることを特徴とする請求項7記載の撮像装置。
【請求項9】
主要被写体を考慮した画像処理を行なう機能を有する画像処理方法であって、
画像から被写体の顔を検出する検出工程と、
前記検出工程にて検出した前記被写体の顔の各々について、サイズ及び前記画像中における位置に応じたウエイトを求めるウエイト算出工程と、
前記検出工程が検出した前記被写体の顔のうち、予め定めたウエイトよりも大きなウエイトを有する顔を前記主要被写体として選定する選定工程とを有することを特徴とする画像処理方法。
【請求項10】
主要被写体を考慮した画像処理を行なう機能を有する画像処理方法であって、
画像から前記主要被写体とする被写体の顔を検出する検出工程を有し、
前記検出工程が、
前記画像の中心からの距離が異なる複数の領域毎に前記検出を行なうとともに、検出された被写体の顔のうち、前記複数の領域毎に定められた最小顔検出サイズを満たすものを前記主要被写体とする被写体の顔として検出することを特徴とする画像処理方法。
【請求項11】
主要被写体を考慮した画像処理を行なう機能を有する画像処理方法であって、
画像から前記主要被写体とする被写体の顔を検出する検出工程を有し、
前記検出工程が、
前記画像全体に対して前記検出を行なうとともに、前記検出された被写体の顔のうち、当該顔の前記画像における位置に応じて定められた最小顔検出サイズを満たすものを前記主要被写体とする被写体の顔として検出することを特徴とする画像処理方法。
【請求項12】
請求項9乃至請求項11のいずれか1項に記載の画像処理方法の各工程を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は撮像装置、画像処理方法およびプログラムに関し、特に撮像画像から被写体の顔を検出する機能を備えた撮像装置、画像処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
被写体光をレンズでCCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサなどの撮像素子に結像して電気信号に変換し、画像データの形式で内蔵メモリやメモリカードなどの記録媒体に記録する撮像装置が普及している。このような撮像装置には、撮影画像から人物の顔を検出し、検出した顔に対して合焦させたり、検出した顔の露出が適正となるように露出制御を行うものが知られている。特許文献1には、検出した顔の情報から被写体距離を推定し、オートフォーカス制御を行なう撮像装置が開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2006−18246号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような、撮影画像から人物の顔を検出する機能を備えた撮像装置において、複数の顔が検出された場合、どの顔を主要被写体として合焦制御や露出制御を行うべきかの判断を行なう必要がある。例えば、ユーザは通常、主要被写体がフレーム中央付近に来るように構図を定めるであろうという仮定に基づき、検出された複数の顔のうちフレームの中央に最も近い顔を主要被写体と判断することが考えられる。しかし、この判断は、ユーザの望む主要被写体がフレーム内に1つであるという前提に基づいている。従って、ユーザが複数の人物を主要被写体として撮影を行なった場合、ユーザの望む合焦制御や露出制御が行なわれないことがある。
【0005】
本発明では、このような従来技術の問題に鑑みなされたものであり、撮影画像から複数の顔を主要被写体として選定可能な撮像装置、画像処理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的は、主要被写体を考慮した撮影もしくは画像処理の少なくとも一方を行なう機能を有する撮像装置であって、撮像画像から被写体の顔を検出する検出手段と、検出手段が検出した被写体の顔の各々について、サイズ及び撮影画像中における位置に応じたウエイトを求めるウエイト算出手段と、検出手段が検出した被写体の顔のうち、予め定めたウエイトよりも大きなウエイトを有する顔を主要被写体として選定する選定手段とを有することを特徴とする撮像装置によって達成される。
【0007】
また、上述の目的は、主要被写体を考慮した撮影もしくは画像処理の少なくとも一方を行なう機能を有する撮像装置であって、撮像画像から主要被写体とする被写体の顔を検出する検出手段を有し、検出手段が、撮像画像の中心からの距離が異なる複数の領域毎に検出を行なうとともに、検出された被写体の顔のうち、複数の領域毎に定められた最小顔検出サイズを満たすものを主要被写体とする被写体の顔として検出することを特徴とする撮像装置によっても達成される。
【0008】
また、上述の目的は、主要被写体を考慮した撮影もしくは画像処理の少なくとも一方を行なう機能を有する撮像装置であって、撮像画像から主要被写体とする被写体の顔を検出する検出手段を有し、検出手段が、撮像画像全体に対して検出を行なうとともに、検出された被写体の顔のうち、当顔の撮像画像における位置に応じて定められた最小顔検出サイズを満たすものを主要被写体とする被写体の顔として検出することを特徴とする撮像装置によっても達成される。
【発明の効果】
【0009】
このような構成により、本発明によれば、撮影画像から複数の顔を主要被写体として選定することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
<第1の実施形態>
(撮像装置の構成)
図1は本発明の第1の実施形態に係る撮像装置の一例としてのデジタルカメラの概略構成例を示すブロック図である。本実施形態のデジタルカメラは、主要被写体を考慮した撮影もしくは画像処理の少なくとも一方を行なう機能を有する。
【0011】
撮像レンズ1によって被写体像を表す光線が集光され、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサのような撮像素子2に入射する。撮像素子2は、入射した光線の強度に応じた電気信号を画素単位で出力する。この電気信号が映像信号である。撮像素子2から出力された映像信号は、アナログ信号処理回路3において相関二重サンプリング(CDS)等のアナログ信号処理が行われる。
【0012】
アナログ信号処理回路3から出力された映像信号は、A/D変換回路4においてデジタルデータの形式に変換され、撮影制御回路12および画像処理回路5に入力する。画像処理回路5においては、ガンマ補正、ホワイトバランス処理などの画像処理が行われる。画像処理回路5は、通常の画像処理に加え、後述する被写体選定処理回路11から供給される主要被写体に関する情報を用いた画像処理を行なう機能を有する。画像処理回路5から出力された映像信号は、画像データとしてメモリ6に一旦書き込まれた後、表示部9に送られる。表示部9は、例えばLCDや有機ELディスプレイであり、メモリ6から送られた映像信号を表示する。
【0013】
例えば1/30秒毎に、撮影した画像を逐次表示部9に表示することで、表示部9を電子ビューファインダ(EVF)として機能させることができる。この場合、高速に処理を行なうため、撮像素子2が出力可能な画素数よりも少ない画素数の表示用映像信号を生成し、表示部9に表示するように構成することができる。
【0014】
画像処理回路5から出力された映像信号は、顔検出処理回路10にも供給される。顔検出処理回路10は、供給された映像信号、より具体的には表示用映像信号から人間の顔を検出する。本実施形態において、顔検出処理回路10は公知の顔検出技術を用いて顔検出を行なうことができる。
【0015】
公知の顔検出技術としては、ニューラルネットワークなどを利用した学習に基づく手法、テンプレートマッチングを用いて目、鼻、口等の形状に特徴のある部位を画像から探し出し、類似度が高ければ顔とみなす手法などがある。また、他にも、肌の色や目の形といった画像特徴量を検出し、統計的解析を用いた手法等、多数提案されている。一般的にはこれらの手法を複数組み合わせ、顔検出の精度を向上させる。
【0016】
具体的な例としては特開2002−251380号公報に記載のウェーブレット変換と画像特徴量を利用して顔検出する方法などが挙げられる。
【0017】
顔検出処理回路10で検出された顔の画像は被写体選定処理回路11に送られる。被写体選定処理回路11は、顔検出処理回路10から供給される顔画像に基づいて、主要被写体を選定する。選定された主要被写体に関する情報(撮像画像中の位置など)は、画像処理回路5及び撮影制御回路12に供給される。
【0018】
撮影制御回路12は、A/D変換回路4から出力された映像信号に基づいて、撮像レンズの図示しない焦点制御機構や露出制御機構を制御する。撮影制御回路12は、この焦点制御機構や露出制御機構の制御に、被写体選定処理回路11から供給された主要被写体に関する情報を用いることができる。従って、本実施形態のデジタルカメラは、主要被写体を考慮した撮影処理を行なう機能を有する。撮影制御回路12は、撮像素子2の出力タイミングや出力画素などの制御を行なう。
【0019】
シャッタースイッチ13は、例えば半押し状態と全押し状態とを出力可能であり、半押し状態では合焦制御処理や露出制御処理が行なわれ、全押し状態で本撮影処理と記録処理が行なわれる。
【0020】
シャッタースイッチ13が全押しされた場合、例えば半押し状態時に行なった合焦制御や露出制御の結果に基づいて、上述したような撮影処理を行なう。メモリ6に書き込まれた画像データは記録制御回路7を通じて記録媒体8、例えば着脱可能なメモリカードに記録される。記録先はカメラの内蔵メモリであっても、通信可能に接続される外部装置であっても良い。
【0021】
(被写体選定処理回路の処理)
次に、被写体選定処理回路11の処理について説明する。
被写体選定処理回路11の処理は、顔処理検出回路10で検出された顔の各々についてウエイトを算出するウエイト算出処理と、算出されたウエイトに基づいて主要被写体を選定する選定処理とからなる。
【0022】
まず、ウエイト算出処理について、図2に示すフローチャートを用いて説明する。
S21において、被写体選定処理回路11は、顔検出処理回路10によって顔が検出されたかどうかを判定する。顔が検出されていなければ、ウエイトを算出する必要がないので、被写体選定処理回路11は処理を終了する。
【0023】
顔が検出されていれば、被写体選定処理回路11はS22において、検出された顔サイズからウエイトWsを算出する。図4は、S22で算出されるウエイトWsと顔サイズの関係の一例を表す図である。
【0024】
図4において、横軸が顔サイズ、縦軸がウエイトWsを表している。図4に示すように、顔サイズs1からs2までの区間は、顔サイズが大きいほどウエイトWsも大きくなる関係を有する。これは、通常、顔サイズが大きいほど主要被写体である確率が高いと考えられるためである。また、顔サイズがs1に至るまでと、s2よりも大きい区間は、それぞれ一定のウエイトとしている。求めたウエイトWsは、顔を特定する情報(例えば撮像画像中の位置)と対応付けて、図示しない内部メモリ等に記憶する。
【0025】
次に、S23で、被写体選定処理回路11は、検出された顔の位置からウエイトWrを算出する。図5は、S22で算出されるウエイトWrと、顔の位置との関係の一例を示す図である。
【0026】
図5において、横軸が顔の位置(撮像画像の中心から顔までの距離)、縦軸がウエイトを表している。図5に示すように、画像中心からの距離がr1からr2までの区間は、顔が画像の中心から離れるほどウエイトWrが小さくなる関係を有する。これは、通常、画像の中心に存在する被写体ほど主要被写体である確率が高いと考えられるためである。また、距離がr1に至るまでと、r2よりも大きい区間は、それぞれ一定のウエイトとしている。
【0027】
なお、ここで、顔の座標は、例えば顔として検出された画像領域(顔画像)の重心位置を用いることができる。また、求めたウエイトWrは、顔を特定する情報(例えば撮像画像中の位置)と対応付けて、図示しない内部メモリ等に記憶する。
【0028】
次に、S24で、被写体選定処理回路11は、S22とS23で算出されたウエイトWsとWrとを用いて、最終的なウエイトWを算出する。ここでは、ウエイトWsとWrとの積を最終的なウエイトWとして求める。求めたウエイトWは、顔を特定する情報(例えば撮像画像中の位置)と対応付けて、図示しない内部メモリ等に記憶する。
【0029】
S25で、被写体選定処理回路11は、検出された全ての顔に対してウエイトの算出が終了したかどうかチェックする。ウエイトが未算出の顔があれば、ステップ22に戻ってウエイト算出を行い、ウエイトが未算出の顔が無ければ、処理を終了する。
【0030】
次に、選定処理について、図3に示すフローチャートを用いて説明する。
S31において、被写体選定処理回路11は、ウエイトWを図示しない内部メモリ等から読み出し、予め設定した閾値との大小関係(ここでは、ウエイトWが閾値よりも大きいか否か)を判定する。ウエイトWが閾値より大きい場合、被写体選定処理回路11は、S34で、対応する顔を主要被写体とする処理を行なう。具体的には、例えば、被写体選定処理回路11は、内部メモリ等にウエイトと対応付けられて記憶した、顔を特定する情報に対して主要被写体であることを示すフラグ等を付与する。
【0031】
ウエイトWが閾値以下である場合、S32において、被写体選定処理回路11は該当する顔は主要被写体ではないと見なす。具体的には、例えば内部メモリ等にウエイトと対応付けられて記憶した、顔を特定する情報を、ウエイト値と共に削除する。主要被写体とする顔を特定する情報にフラグを付与する場合には、特段の処理を必要としない。要は、主要被写体と見なす顔と区別が付けばどのような処理を行なっても良い。
【0032】
S33で、被写体選定処理回路11は、全てのウエイトに対して処理を行なったかどうかをチェックする。被写体選定処理回路11は、未処理のウエイトがあれば、S31に戻って処理を継続し、未処理のウエイトが無ければ処理を終了する。
【0033】
主要被写体として選定された顔について、被写体選定処理回路11は、主要被写体情報として、撮影画像中でその顔を特定可能な情報を画像処理回路5や、撮影制御回路12に通知する。主要被写体情報としては、例えば主要被写体とする顔の画像中の位置(中心座標や領域)情報であってよいが、他の情報であっても良い。
【0034】
画像処理回路5や撮影制御回路12は、ホワイトバランス処理等の画像処理、合焦制御、露出制御などの撮影処理において、主要被写体情報を利用することができる。例えば、主要被写体情報が複数与えられた場合、撮影制御回路5は、全ての主要被写体が被写界深度内に含まれるように、合焦位置や絞り値を制御することができる。あるいは、撮影制御回路5は、できるだけ多くの主要被写体、好ましくは全ての主要被写体が適正露出となるように露出制御を行なうことができる。あるいは、撮影制御回路5は、主要被写体のウエイトに応じて重み付けをし、この重み付けに基づいて画像全体の適正露出を演算することができる。また、画像処理回路5では、全ての主要被写体(顔領域)の色味が適正となるようにホワイトバランスを制御することができる。
【0035】
上述した第1の実施形態における主要被写体選定処理について、図6〜図8を用いてさらに説明する。
例えば、顔検出処理回路10での顔検出処理により、図6に示すように撮影画像中に3つの顔(顔A、顔B、顔C)が検出されたとする。そして、顔A〜顔Cについて、被写体選定処理回路11においてウエイトWを算出した結果、図7に示すような値が得られたものとする。
【0036】
例えば、主要被写体と見なすための閾値が0.3であったとすると、被写体選定処理回路11はウエイトW=0.8の顔Aと、ウエイトW=0.4の顔Bを主要被写体として選定する。主要被写体と見なす顔を明示する表示(例えば顔領域を囲む枠表示)を行なう場合、表示部9での表示は図8に示すようになる。図8において、枠80が主要被写体と見なす顔を明示する表示である。
【0037】
このように、顔の位置と大きさの両方を考慮して主要被写体を選定するので、顔Aのように画像中心付近にある大きな顔と、顔Bのように顔サイズは小さくても比較的画像中心付近にある顔については、主要被写体として選定される。しかし、顔Cのように顔サイズが小さく、かつ画像の端にあるような顔については、主要被写体として選定されない。この選定は、一般的なユーザの意図に沿ったものと考えられ、有用である。
【0038】
また、複数の顔を主要被写体として選定することを許すため、1つの顔のみを主要被写体とする従来技術に比べ、よりユーザの意図に沿った撮影結果が得られる可能性が高くなる。
【0039】
なお、被写体選定処理回路11が選定処理で使用する閾値は、顔検出処理回路10によって検出された顔の数に応じて動的に変更することもできる。例えば、顔の数が多いときは、集合写真である可能性が高いため、閾値を下げることによって、より多くの顔が主要被写体として選定されるようにすることができる。
【0040】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
本実施形態に係る撮像装置は、第1の実施形態において、被写体選定処理回路11が存在せず、顔検出処理回路10が主要被写体の選定も行なう点を特徴とする。従って、以下では第1の実施形態と異なる顔検出処理回路10の動作についてのみ説明する。
【0041】
本実施形態においては、画像を中心からの距離に応じて複数の領域に分割し、中心から遠い領域ほど、大きな顔でないと顔検出を行なわないようにする。これにより、画像中心に近い顔は比較的小さく写っている顔も検出される一方、画像中心から離れた位置の顔は、ある程度の大きさがある場合のみ検出される。このようにして、第1の実施形態の被写体選定処理回路11と同様の処理結果を、顔検出処理回路10によって得ることを実現している。
【0042】
図10は、本実施形態における領域分割の例を示す図である。
上述したように、本実施形態においては、撮像画像を中心からの距離に応じて複数の領域に分割する。図10では、5個の領域1〜領域5に分割したときの一例を示している。
【0043】
また、各領域について最小顔検出サイズを定める。図11は、図10の領域1〜領域5について最小顔検出サイズを定めた例を示す図である。ここで、中心に近い領域1では小さな顔も検出し、中心から離れた領域5では大きな顔しか検出しないよう、s1<s2<s3<s4<s5という関係を持つ最小顔検出サイズを設定する。最小顔検出サイズは、例えば画素数として規定することができる。
【0044】
なお、図10では、画像中心から4頂点へ延びる各直線を4等分した点を頂点に持つ4つの長方形により、画像を5つの領域に分割しているが、他の割合により領域を分割しても良い。また、分割数も特に制限はない。
【0045】
また、最小顔検出サイズは、必ずしも領域毎に異なる値とする必要はなく、隣接する2つ以上の領域について同じ値としても良い。
【0046】
各領域を特定する情報(例えば、図10の例では各領域の境界を決定する長方形の頂点座標)及び、領域毎の最小顔検出サイズは、顔検出処理回路10の図示しない内部メモリ等に予め記憶されているものとする。
【0047】
図9は、本実施形態における顔検出処理回路10の動作を説明するフローチャートである。
まず、S91で、顔検出処理回路10は、顔検出を行なう領域を設定する。ここでは、中心に近い領域から順に設定するものとする。従って、最初は領域1が設定される。
【0048】
S92で、顔検出処理回路10は、S91で設定した領域に対応する最小顔検出サイズを設定する。例えば、S91で領域1が設定されている場合は最小顔検出サイズとしてs1を設定する。
【0049】
S93において、顔検出処理回路10は、S91で設定された顔検出領域に対して顔検出処理を行なう。具体的には、まず、領域内で顔検出処理を行なう。そして、検出された顔があれば、その大きさ(顔として検出された領域の画素数)と、最小顔検出サイズとを比較する。そして、最小顔検出サイズよりも大きい顔を、主要被写体として検出する。また、顔検出処理回路10は、主要被写体として検出された顔を画像中で特定可能な情報を図示しない内部メモリ等に記憶する。例えば、画像中の位置や顔として検出された領域の情報などを記憶することができる。
【0050】
その後、S94において、顔検出処理回路10は、撮像画像内のすべての領域について、顔検出処理を実行したかどうか判断する。撮像画像内のすべての領域について顔検出処理を実行したならば、顔検出処理回路10は、主要被写体として検出された顔を特定可能な情報処理を画像処理回路5及び撮影制御回路12に通知して処理を終了する。顔検出処理が実行されていない領域があれば、S91に戻って、未処理領域について一連の処理を繰り返す。
【0051】
上述のように、撮像画像の中心に近い領域では最小顔検出サイズを小さく設定し、周辺付近の領域では最小顔検出サイズを大きく設定している。これにより、画像中心付近にある顔については小さくても主要被写体として検出され、画像の端にある顔は、ある程度大きくない場合は主要被写体として検出されない。従って、結果的に第1の実施形態における被写体選定処理回路11と同等の効果を得ることができる。
【0052】
<第2の実施形態の変形例>
第2の実施形態では、個々の領域毎に顔検出処理を行なった。しかし、顔検出処理は画像全体に対して行い、検出された顔の位置に応じて異なる最小顔検出サイズと比較することによっても、同様の結果が得られる。
【0053】
特に、顔領域が領域の境界をまたぐ場合、顔検出自体が失敗する可能性がある。そのため、検出自体は領域にとらわれずに行い、検出後に顔の位置に応じた判定を行なうことで、検出領域を制限する場合よりも顔検出の精度が向上するものと考えられる。
【0054】
複数の領域にまたがって顔が検出された場合、比較すべき最小顔検出サイズは、例えば顔として検出された領域の重心位置が存在する領域に設定された最小顔検出サイズを用いることができる。あるいは、顔として検出された領域が最も多く含まれる領域に設定された最小顔検出サイズと比較しても良い。さらには、顔として検出された領域がかかっている最も中心よりの領域に設定された最小顔検出サイズと比較しても良い。
【0055】
また、分割された個々の領域内に位置する顔の検出処理を行なうのではなく、個々の領域に重心が位置する顔の検出処理を行なってもよい。個々の領域を顔の重心位置を判定するために用いれば、顔が領域の境界をまたいでも顔検出処理には影響を与えない。
【0056】
例えば、S93において、顔検出処理回路10は、S91で設定された顔検出領域に重心が位置する顔の検出処理を行なう。具体的には、まず、顔領域の大きさが最小顔検出サイズと等しいとみなした場合に、その顔領域の重心がS91で設定された領域内に位置したときに、その顔領域がかかる可能性のある領域を全て切り出し、この切り出した領域に対して顔検出処理を行なう。切り出した領域の全てに対して顔検出処理が完了したら、最小顔検出サイズを一段階大きくし、同様の顔検出処理を行なう。一つの領域に対して、顔検出サイズが最大値に達するまでこの顔検出処理を繰り返す。
【0057】
そして、S94において、顔検出処理回路10は、撮像画像内のすべての領域について顔検出処理を実行したかどうか判断する代わりに、領域1〜領域5のすべてについてS93の顔検出処理を実行したかどうかを判断する。図11のs1で表される最小顔検出サイズは、領域1およびその近傍の領域からしか検出されないため、顔のサイズによって検出可能な領域が異なるという視点では第2の実施形態と一致する。しかしながら、顔が領域の境界をまたいでも顔検出処理には影響を与えないという点で、第2の実施形態よりも検出精度が向上するものと考えられる。
【0058】
<他の実施形態>
上述の実施形態では、撮像画像から複数の主要被写体を選定する機能を撮像装置に適用した構成を説明した。しかし、撮像画像から複数の主要被写体を選定する機能は、撮像装置での利用に限らず、画像処理アプリケーションでの利用など、他の様々な分野での利用が可能である。
【0059】
また、上述の実施形態は、システム或は装置のコンピュータ(或いはCPU、MPU等)によりソフトウェア的に実現することも可能である。
従って、上述の実施形態をコンピュータで実現するために、該コンピュータに供給されるコンピュータプログラム自体も本発明を実現するものである。つまり、上述の実施形態の機能を実現するためのコンピュータプログラム自体も本発明の一つである。
【0060】
なお、上述の実施形態を実現するためのコンピュータプログラムは、コンピュータで読み取り可能であれば、どのような形態であってもよい。例えば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等で構成することができるが、これらに限るものではない。
【0061】
上述の実施形態を実現するためのコンピュータプログラムは、記憶媒体又は有線/無線通信によりコンピュータに供給される。プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ等の磁気記憶媒体、MO、CD、DVD等の光/光磁気記憶媒体、不揮発性の半導体メモリなどがある。
【0062】
有線/無線通信を用いたコンピュータプログラムの供給方法としては、コンピュータネットワーク上のサーバを利用する方法がある。この場合、本発明を形成するコンピュータプログラムとなりうるデータファイル(プログラムファイル)をサーバに記憶しておく。プログラムファイルとしては、実行形式のものであっても、ソースコードであっても良い。
【0063】
そして、このサーバにアクセスしたクライアントコンピュータに、プログラムファイルをダウンロードすることによって供給する。この場合、プログラムファイルを複数のセグメントファイルに分割し、セグメントファイルを異なるサーバに分散して配置することも可能である。
つまり、上述の実施形態を実現するためのプログラムファイルをクライアントコンピュータに提供するサーバ装置も本発明の一つである。
【0064】
上述の実施形態は、システム或は装置のコンピュータ(或いはCPU、MPU等)によりソフトウェア的に実現することも可能である。
従って、上述の実施形態をコンピュータで実現するために、該コンピュータに供給されるコンピュータプログラム自体も本発明を実現するものである。つまり、上述の実施形態の機能を実現するためのコンピュータプログラム自体も本発明の一つである。
【0065】
なお、上述の実施形態を実現するためのコンピュータプログラムは、コンピュータで読み取り可能であれば、どのような形態であってもよい。例えば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等で構成することができるが、これらに限るものではない。
【0066】
上述の実施形態を実現するためのコンピュータプログラムは、記憶媒体又は有線/無線通信によりコンピュータに供給される。プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ等の磁気記憶媒体、MO、CD、DVD等の光/光磁気記憶媒体、不揮発性の半導体メモリなどがある。
【0067】
有線/無線通信を用いたコンピュータプログラムの供給方法としては、コンピュータネットワーク上のサーバを利用する方法がある。この場合、本発明を形成するコンピュータプログラムとなりうるデータファイル(プログラムファイル)をサーバに記憶しておく。プログラムファイルとしては、実行形式のものであっても、ソースコードであっても良い。
【0068】
そして、このサーバにアクセスしたクライアントコンピュータに、プログラムファイルをダウンロードすることによって供給する。この場合、プログラムファイルを複数のセグメントファイルに分割し、セグメントファイルを異なるサーバに分散して配置することも可能である。
つまり、上述の実施形態を実現するためのプログラムファイルをクライアントコンピュータに提供するサーバ装置も本発明の一つである。
【0069】
また、上述の実施形態を実現するためのコンピュータプログラムを暗号化して格納した記憶媒体を配布し、所定の条件を満たしたユーザに、暗号化を解く鍵情報を供給し、ユーザの有するコンピュータへのインストールを許可してもよい。鍵情報は、例えばインターネットを介してホームページからダウンロードさせることによって供給することができる。
【0070】
また、上述の実施形態を実現するためのコンピュータプログラムは、すでにコンピュータ上で稼働するOSの機能を利用するものであってもよい。
さらに、上述の実施形態を実現するためのコンピュータプログラムは、その一部をコンピュータに装着される拡張ボード等のファームウェアで構成してもよいし、拡張ボード等が備えるCPUで実行するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る撮像装置の一例としてのデジタルカメラの概略構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態における、被写体選定処理回路によるウエイト算出処理を説明するフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施形態における、被写体選定処理回路による選定処理を説明するフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施形態で算出されるウエイトWsと顔サイズの関係の一例を表す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態で算出されるウエイトWrと、顔の位置との関係の一例を示す図である。
【図6】顔が検出された撮像画像の一例を示す図である。
【図7】図6の撮像画像から得られるウエイトの例を示す図である。
【図8】主要被写体に選定された顔に枠表示を行なった例を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施形態における、顔検出処理回路10の動作を説明するフローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る撮像装置における領域分割の一例を示す図である。
【図11】図10の領域1〜領域5について最小顔検出サイズを定めた例を示す図である。
【出願人】 【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
【出願日】 平成18年7月27日(2006.7.27)
【代理人】 【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳

【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎

【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘

【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二


【公開番号】 特開2008−35125(P2008−35125A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−205313(P2006−205313)