| 【発明の名称】 |
画像表示媒体、合成画像表示データの作成方法及び画像生成システム |
| 【発明者】 |
【氏名】木下 貢史
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| 【要約】 |
【課題】共通光学系を用いるときには原本と複写物とを容易に区別できるとともに、共通光学系を用いないときには、原本の潜像画像(IDや文字、記号、シンボルなど)が容易に判別できない画像表示媒体、合成画像表示データの作成方法及び画像生成システムを提供する。
【構成】印刷物に表示される画像は、高密度領域H及び低密度領域Lを有している。高密度領域Hの表示画像及び潜像画像は、レンチキュラーレンズを用いると、表示画像及び潜像画像のそれぞれに応じたモアレ模様が出現し、複写によって解像できない線数の線で構成される。低密度領域Lの表示画像及び潜像画像は、レンチキュラーレンズを用いると、表示画像及び潜像画像のそれぞれに応じたモアレ模様が出現し、複写によって解像できる線数の線で構成される。この印刷物を複写してレンチキュラーレンズを用いて見てみると、高密度領域Hの潜像画像はモアレ模様が出現しない。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 第1の線形性を有する網点又は万線により構成された第1表示画像と、第2の線形性を有する網点又は万線により構成され前記表示画像に埋め込む第1潜像画像とを合成した合成画像を表示する画像表示媒体であって、 前記第1表示画像及び前記第1潜像画像を構成する前記網点又は万線が、複写により解像されない間隔で形成されるともに、前記第1及び前記第2の線形性が、第1共通光学系により増大されて異なるモアレ模様を出現するように構成された第1領域を備えることを特徴とする画像表示媒体。 【請求項2】 前記第1領域の前記潜像画像には、原本である場合に表示される画像が用いられることを特徴とする請求項1に記載の画像表示媒体。 【請求項3】 第3の線形性を有する網点又は万線により構成された第2表示画像と、第4の線形性を有する網点又は万線により構成され前記第2表示画像に埋め込む第2潜像画像とを合成した第2合成画像を表示する第2領域を更に備え、 この第2領域における前記第2表示画像及び前記第2潜像画像を構成する網点又は万線が、複写により解像される間隔で形成されるとともに、前記第3及び第4の線形性が第2共通光学系により増大されて異なるモアレ模様を出現するように構成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像表示媒体。 【請求項4】 前記第2領域の第2表示画像及び第2潜像画像を構成するそれぞれの網点又は万線は、前記第1領域の表示画像及び潜像画像を構成する網点又は万線の間隔の整数倍の間隔で配置されていることを特徴とする請求項3に記載の画像表示媒体。 【請求項5】 前記第1領域又は前記第2領域の合成画像には、複数の前記潜像画像が埋め込まれているとともに、複数の色要素の網点又は万線から構成されており、 前記潜像画像のそれぞれは、異なる色要素の網点又は万線から構成されており、 これらの潜像画像の網点又は万線は、前記第1共通光学系又は前記第2共通光学系により異なる色のモアレ模様が出現されるように配置されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の画像表示媒体。 【請求項6】 前記第1及び前記第2共通光学系は、前記線形性を増大させることができるレンズであって、シリンドリカルレンズ、楕円形レンズ、四角錐レンズ、多角形レンズのいずれか1種類又はこれらを組み合わせて複数並べて構成したレンズであることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の画像表示媒体。 【請求項7】 前記モアレ模様は、線形状のモアレ縞であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像表示媒体。 【請求項8】 前記線形状は、直線、曲線、波線又はこれらの組み合わせ形状であることを特徴とする請求項7に記載の画像表示媒体。 【請求項9】 前記第1領域の合成画像を形成する網点は、楕円形、円形、長方形、ダイヤ形、多角形又はこれらの組み合わせ形状であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像表示媒体。 【請求項10】 第1の線形性を有する網点又は万線により構成された第1表示画像と、第2の線形性を有する網点又は万線により構成され前記第1表示画像に埋め込む第1潜像画像とを合成した第1合成画像を表示する第1領域と、 第3の線形性を有する網点又は万線により構成された第2表示画像と、第4の線形性を有する網点又は万線により構成され前記第2表示画像に埋め込む第2潜像画像とを合成した第2合成画像を表示する第2領域とを有する合成画像を、画像表示媒体に表示させる画像生成システムを用いた合成画像表示データの作成方法であって、 前記画像生成システムが、 前記第1表示画像、前記第1潜像画像、前記第2表示画像及び前記第2潜像画像に関するデータを取得する第1段階、及び 前記第1表示画像と前記第1潜像画像に関するデータから、複写により解像されない間隔で、前記第1及び前記第2の線形性が第1共通光学系により増大されて異なるモアレ模様を出現させる網点又は万線で構成する前記第1領域の画像データを生成し、 前記第2表示画像及び第2潜像画像に関するデータから、複写により解像される間隔で、前記第3及び第4の線形性が第2共通光学系により増大されて異なるモアレ模様を出現させる網点又は万線で構成する前記第2領域の画像データを生成する第2段階 を実行することを特徴とする合成画像表示データの作成方法。 【請求項11】 第1の線形性を有する網点又は万線により構成された第1表示画像と、第2の線形性を有する網点又は万線により構成され前記第1表示画像に埋め込む第1潜像画像とを合成した第1合成画像を表示する第1領域と、 第3の線形性を有する網点又は万線により構成された第2表示画像と、第4の線形性を有する網点又は万線により構成され前記第2表示画像に埋め込む第2潜像画像とを合成した第2合成画像を表示する第2領域とを有する合成画像を、画像表示媒体に表示させる合成画像表示データを作成する画像生成システムであって、 前記第1表示画像、前記第1潜像画像、前記第2表示画像及び前記第2潜像画像に関するデータを取得する第1手段、及び 前記第1表示画像と前記第1潜像画像に関するデータから、複写により解像されない間隔で、前記第1及び前記第2の線形性が第1共通光学系により増大されて異なるモアレ模様を出現させる網点又は万線で構成する前記第1領域の画像データを生成し、 前記第2表示画像及び第2潜像画像に関するデータから、複写により解像される間隔で、前記第3及び第4の線形性が第2共通光学系により増大されて異なるモアレ模様を出現させる網点又は万線で構成する前記第2領域の画像データを生成する第2手段 を備えたことを特徴とする画像生成システム。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、表示画像と潜像とを合成した合成画像を表示するための画像表示媒体、合成画像表示データの作成方法及び画像生成システムに関する。 【背景技術】 【0002】 近年の技術発達により、原本と、内容が追加や削除された贋物とを見分けることが難しくなってきている。そこで、真贋の識別をより確実に行なうために、一般的な紙において、偽造や改竄を検知することが可能な画像処理装置が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載の発明では、文字情報に依存して生成する背景パターンを、文字部分とは接触しないように生成する。これにより、内容の追加や削除を容易に判別することができるとしている。 【0003】 また、地紋パターンを用いて、原本であるか複写物であるかを判別する技術も開示されている(例えば、特許文献2,3。)。 特許文献2及び特許文献3に記載の発明では、表示画像と、これに埋め込む潜像画像とのそれぞれに、違う線数の網点を使用する。具体的には、潜像画像の少なくとも一部を大ドットで構成し、表示画像の少なくとも一部を小ドットで構成する。このため、原本を複写したときには、潜像画像の大ドットの部分が浮き上がったり、表示画像の小ドットの部分が白抜きになったりした複写物が生成される。従って、浮き上がった部分や白抜き部分から原本であるか複写物であるかを判定できる。 【特許文献1】特開2001−358931号公報(図4) 【特許文献2】特開2001−324898号公報(図13) 【特許文献3】特開2006−121518号公報(図9〜図16) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 しかし、上述した特許文献1〜3に記載の技術では、原本であるか複写物であるかを判定する潜像の浮き上がり部分や白抜き部分などは、大きい文字で1ページの全体に渡り潜像画像を埋め込むため、牽制文字で表示される内容(例えば「コピー禁止」など)は制限されており、情報量が少なかった。また、牽制文字を本文の文字として使用できないという問題があった。 【0005】 本発明は、上述の課題に鑑みてなされ、その目的は、共通光学系を用いるときには原本と複写物とを容易に区別できるとともに、共通光学系を用いないときには、原本の潜像画像(IDや文字、記号、シンボルなど)が容易に判別できない画像表示媒体、合成画像表示データの作成方法及び画像生成システムを提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0006】 上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、第1の線形性を有する網点又は万線により構成された第1表示画像と、第2の線形性を有する網点又は万線により構成され前記表示画像に埋め込む第1潜像画像とを合成した合成画像を表示する画像表示媒体であって、前記第1表示画像及び前記第1潜像画像を構成する前記網点又は万線が、複写により解像されない間隔で形成されるともに、前記第1及び前記第2の線形性が、第1共通光学系により増大されて異なるモアレ模様を出現するように構成された第1領域を備えることを要旨とする。 【0007】 請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像表示媒体において、前記第1領域の前 記潜像画像には、原本である場合に表示される画像が用いられることを要旨とする。 請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像表示媒体において、第3の線形性を有する網点又は万線により構成された第2表示画像と、第4の線形性を有する網点又は万線により構成され前記第2表示画像に埋め込む第2潜像画像とを合成した第2合成画像を表示する第2領域を更に備え、この第2領域における前記第2表示画像及び前記第2潜像画像を構成する網点又は万線が、複写により解像される間隔で形成されるとともに、前記第3及び第4の線形性が第2共通光学系により増大されて異なるモアレ模様を出現するように構成されたことを要旨とする。 【0008】 請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の画像表示媒体において、前記第2領域の第2表示画像及び第2潜像画像を構成するそれぞれの網点又は万線は、前記第1領域の表示画像及び潜像画像を構成する網点又は万線の間隔の整数倍の間隔で配置されていることを要旨とする。 【0009】 請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載の画像表示媒体において、前記第1領域又は前記第2領域の合成画像には、複数の前記潜像画像が埋め込まれているとともに、複数の色要素の網点又は万線から構成されており、前記潜像画像のそれぞれは、異なる色要素の網点又は万線から構成されており、これらの潜像画像の網点又は万線は、前記第1共通光学系又は前記第2共通光学系により異なる色のモアレ模様が出現されるように配置されていることを要旨とする。 【0010】 請求項6に記載の発明は、請求項3〜5のいずれか1項に記載の画像表示媒体において、前記第1及び前記第2共通光学系は、前記線形性を増大させることができるレンズであって、シリンドリカルレンズ、楕円形レンズ、四角錐レンズ、多角形レンズのいずれか1種類又はこれらを組み合わせて複数並べて構成したレンズであることを要旨とする。 【0011】 請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像表示媒体において、前記モアレ模様は、線形状のモアレ縞であることを要旨とする。 請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の画像表示媒体において、前記線形状は、直線、曲線、波線又はこれらの組み合わせ形状であることを要旨とする。 【0012】 請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像表示媒体において、前記第1領域の合成画像を形成する網点は、楕円形、円形、長方形、ダイヤ形、多角形又はこれらの組み合わせ形状であることを要旨とする。 【0013】 請求項10に記載の発明は、第1の線形性を有する網点又は万線により構成された第1表示画像と、第2の線形性を有する網点又は万線により構成され前記第1表示画像に埋め込む第1潜像画像とを合成した第1合成画像を表示する第1領域と、第3の線形性を有する網点又は万線により構成された第2表示画像と、第4の線形性を有する網点又は万線により構成され前記第2表示画像に埋め込む第2潜像画像とを合成した第2合成画像を表示する第2領域とを有する合成画像を、画像表示媒体に表示させる画像生成システムを用いた合成画像表示データの作成方法であって、前記画像生成システムが、前記第1表示画像、前記第1潜像画像、前記第2表示画像及び前記第2潜像画像に関するデータを取得する第1段階、及び前記第1表示画像と前記第1潜像画像に関するデータから、複写により解像されない間隔で、前記第1及び前記第2の線形性が第1共通光学系により増大されて異なるモアレ模様を出現させる網点又は万線で構成する前記第1領域の画像データを生成し、前記第2表示画像及び第2潜像画像に関するデータから、複写により解像される間隔で、前記第3及び第4の線形性が第2共通光学系により増大されて異なるモアレ模様を出現させる網点又は万線で構成する前記第2領域の画像データを生成する第2段階を実行することを要旨とする。 【0014】 請求項11に記載の発明は、第1の線形性を有する網点又は万線により構成された第1表示画像と、第2の線形性を有する網点又は万線により構成され前記第1表示画像に埋め込む第1潜像画像とを合成した第1合成画像を表示する第1領域と、第3の線形性を有する網点又は万線により構成された第2表示画像と、第4の線形性を有する網点又は万線により構成され前記第2表示画像に埋め込む第2潜像画像とを合成した第2合成画像を表示する第2領域とを有する合成画像を、画像表示媒体に表示させる合成画像表示データを作成する画像生成システムであって、前記第1表示画像、前記第1潜像画像、前記第2表示画像及び前記第2潜像画像に関するデータを取得する第1手段、及び前記第1表示画像と前記第1潜像画像に関するデータから、複写により解像されない間隔で、前記第1及び前記第2の線形性が第1共通光学系により増大されて異なるモアレ模様を出現させる網点又は万線で構成する前記第1領域の画像データを生成し、前記第2表示画像及び第2潜像画像に関するデータから、複写により解像される間隔で、前記第3及び第4の線形性が第2共通光学系により増大されて異なるモアレ模様を出現させる網点又は万線で構成する前記第2領域の画像データを生成する第2手段を備えたことを要旨とする。 【0015】 (作用) 本発明によれば、第1表示画像及び第1潜像画像を構成する網点又は万線が、複写により解像されない間隔で、かつ第1共通光学系により前記第1及び前記第2の線形性を増大されて異なるモアレ模様を出現させるように配置されている。通常の状態では、モアレ模様が出現しないため、表示画像と潜像画像との区別が付かない。また、共通光学系を使用しないで複写物をそのまま見たときには、原本の潜像を視認することが難しく、原本にどのような潜像が入っているかを把握することは難しい。更に、共通光学系を用いれば、潜像画像を視認することが可能となるため、原本であることを容易に把握することができる。 【0016】 また、第1表示画像と第1潜像画像を構成する網点又は万線が、複写により解像されない間隔で配置されているので、この画像表示媒体を複写した複写物においては、第1合成画像が潰れてしまう。このため、複写物を、第1共通光学系を用いて見た場合には、原本とは異なり、モアレ模様が出現しない。従って、第1共通光学系を用いてモアレ模様の出現の有無により、原本と複写物との区別を容易に行なうことができる。 【0017】 本発明によれば、第1領域の潜像画像として、原本である場合に表示される画像が用いられる。第1潜像画像を構成する網点又は万線は、複写されると、第1共通光学系を用いても、モアレ模様が出現されない。従って、複写されると原本である場合に表示される画像に応じたモアレ模様が出現されなくなるため、原本であるか否かをより明確に判別することができる。 【0018】 本発明によれば、複写により解像される網点又は万線で構成される第2合成画像を表示する第2領域を、複写により解像されない網点又は万線で構成される第1合成画像を表示する第1領域とともに設けた。第2領域におけるモアレ模様は、複写されても解像される網点又は万線で構成されるため、第2共通光学系を介してみれば、複写物であっても出現する。このため、複写物であっても共通光学系を用いないで潜像を視認することが難しいとともに、共通光学系を用いれば容易に視認することができる。例えば、複写により潜像されない第2領域の潜像画像として、追跡のための識別子(ID)や時刻などを入れ込めば、複写物であっても、これらの情報を、共通光学系を用いて視認することができるので、追跡等を行なうことが可能である。 【0019】 本発明によれば、複写機によって解像されない網点又は万線で構成される第2合成画像と、複写機によって解像される網点又は万線で構成される合成画像とを整数倍にする。こ のため、前記第1及び第2の線形性を増大させて異なるモアレ模様を出現させる第1共通光学系と、前記第3及び第4の線形性を増大させて異なるモアレ模様を出現させる第2共通光学系とを共通化させることができる。従って、1種類の共通光学系を用いて、第1領域及び第2領域の潜像画像をモアレ模様に基づいて視認することができる。 【0020】 本発明によれば、潜像画像の網点又は万線は、第1共通光学系又は第2共通光学系により異なる色のモアレ模様が出現されるように配置されている。このため、複数の潜像画像を埋め込んだとしても、それぞれの潜像画像を色により区別することができる。従って、複数の潜像画像に基づいて、画像表示媒体の真偽を、より確実に判別することができる。 【0021】 本発明によれば、第1共通光学系又は第2共通光学系は、網点を、線形性を有した形状にできるレンズであって、シリンドリカルレンズ、楕円形レンズ、四角錐レンズ、多角形レンズのいずれか1種類又はこれらを組み合わせて複数並べて構成したレンズで実現することができる。 【0022】 本発明によれば、モアレ模様は、線形状のモアレ縞である。このため、モアレ模様が不連続になったり消失したりしている部分を効率よく把握することができる。複写機等で複写されて網点が線形性を失うと、モアレ模様が不連続になったり消失したりするため潜像を確認できない。従って、モアレ模様が確認できない部分を認識することにより、複写されたものであるか否かの判定を効率よく行なうことができる。 【0023】 本発明によれば、線形状は、直線、曲線、波線又はこれらの組み合わせ形状であるので、線形状のモアレ縞を実現することができる。 本発明によれば、第1領域の第1合成画像を形成する網点は、楕円形、円形、長方形、ダイヤ形、多角形又はこれらの組み合わせ形状である。このため、複写により解像されない多様な網点を用いて、第1共通光学系により前記第1及び第2の線形性を増大されて異なるモアレ模様を出現させることができる。また、第1合成画像を網点で形成するので、複写により解像されない画像を効率よく形成することができる。 【0024】 本発明によれば、画像処理システムは、第1領域の第1合成画像を、複写によって解像されない間隔で、第1表示画像の第1の線形性や第1潜像画像の第2の線形性を第1共通光学系により増大されて異なるモアレ模様を出現させる網点又は万線で構成する。また、画像処理システムは、第2領域の第2合成画像を、複写によって解像される間隔で、第2表示画像の第3の線形性や第2潜像画像の第4の線形性を第2共通光学系により増大されて異なるモアレ模様を出現させる網点又は万線で構成する。このため、原本と複写物とを容易に区別できるとともに、原本から複写した結果が把握し難くすることができる原本の画像データを生成することができる。また、画像処理システムは、複写によって解像されない網点又は万線で構成される第1合成画像を、複写によって解像される網点又は万線で構成される第2合成画像とともに表示するデータを生成する。このため、第2合成画像のモアレ模様に基づいて、原本としての合成画像が正しく形成できたか否かを把握することができる。 【発明の効果】 【0025】 本発明によれば、共通光学系を用いるときには原本と複写物とを容易に区別できるとともに、共通光学系を用いないときには、原本の潜像画像(IDや文字、記号、シンボルなど)が容易に判別できない。このため、例えば潜像画像として追跡に役立つ識別子や時刻を用いた場合には、共通光学系を用いない通常の場合には、これらを容易に判断することができない。 【発明を実施するための最良の形態】 【0026】 以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。 本実施形態においては、画像表示媒体が印刷物(紙)の場合について説明する。図1は、原本である印刷物に表示される画像を示す。この画像は、網点により形成される白黒画像であり、図1に示すように、第1領域としての高密度領域Hと、その周囲に位置する第2領域としての低密度領域Lとから構成されている。 【0027】 図2は、高密度領域H及び低密度領域Lに埋め込まれる潜像画像を示している。本実施形態では、高密度領域Hには「原本」という文字が潜像画像として埋め込まれている。また、本実施形態では、低密度領域Lには、原本に関する情報を示す文字が画像として埋め込まれている。この原本に関する情報とは、具体的には、この印刷物の原本を特定する原本識別子(ID:0123456789)と、この印刷物を作成したときの(年月日も含む)作成時刻 (20060526092028)である。 【0028】 原本の印刷物に表示される画像の高密度領域Hには、複写機において複写された場合に解像されない線数の万線で構成された第1合成画像が表示されている。この第1合成画像は、第1表示画像と、これに埋め込まれた第1潜像画像とを合成して形成される画像である。第1表示画像は、第1の線形性がある万線から構成されており、第1潜像画像は、第1表示画像とは異なる第2の線形性がある万線から構成されている。 【0029】 第1表示画像には、文字情報や画像などの主画像が用いられることが可能であるが、本実施形態では、特に画像を用いていない場合を想定する。また、この第1潜像画像には、原本である場合に表示される画像として、図2に示すように「原本」という文字を表示する画像を用いる。なお、図1において、表示画像11は第1表示画像の一部を拡大した部分(図2における表示画像31に対応する部分)であり、潜像画像12は第1潜像画像の一部を拡大した部分(図2における潜像画像32に対応する部分)である。 【0030】 一方、低密度領域Lには、複写機において複写された場合に解像される線数の間隔で配置された万線で構成された第2合成画像が表示される。この第2合成画像は、第2表示画像と、これに埋め込まれた第2潜像画像とを合成して形成される画像である。第2表示画像は、上記第1表示画像及び第1潜像画像とは異なる第3の線形性がある万線から構成されている。第2潜像画像は、上記第1表示画像、第1潜像画像及び第2表示画像とは異なる第4の線形性がある万線から構成されている。 【0031】 第2表示画像には、文字情報や画像などの主画像が用いられるが、本実施形態では、説明を容易にするため、具体的な画像を用いていない。また、この第2潜像画像には、原本に関する情報を示す文字画像が用いられている。なお、図1において、表示画像13は第1表示画像の一部を拡大した部分(図2における表示画像33に対応する部分)であり、潜像画像14は第1潜像画像の一部を拡大した部分(図2における潜像画像34に対応する部分)である。 【0032】 ここで、図1に示す原本の印刷物に表示される画像を、第1及び第2共通光学系としてのレンチキュラーレンズ20(図3参照)を介して見てみる。これにより、図1における表示画像11、潜像画像12、表示画像13、潜像画像14は、それぞれ表示画像21、潜像画像22、表示画像23、潜像画像24として見える。 【0033】 ここで、高密度領域Hの表示画像21及び潜像画像22について具体的に説明する。表示画像21には、複写機で解像されない線数の間隔の線で構成される第1表示画像に応じた太い直線状の斜め縞のモアレ模様が表示される。潜像画像22には、複写機で解像されない線数の間隔の線で構成される第1潜像画像に応じた直線状のモアレ模様が表示される。この潜像画像22のモアレ模様は、表示画像21のモアレ模様よりも間隔が狭く、かつ 表示画像21とは傾斜角度が異なるモアレ模様になっている。モアレの縞の傾きの角度や大きさ等は、網点の線数、角度、形状及び濃度等を調整して変更することができる。なお、図1では、潜像画像22として、「原本」の「原」の左上の一部が表示されている。 【0034】 次に、低密度領域Lの表示画像23及び潜像画像24について具体的に説明する。表示画像23には、複写機で解像される線数の間隔の線で構成される第1表示画像に応じた太い直線状の斜め縞のモアレ模様が表示される。潜像画像24には、複写機で解像される線数の間隔の線で構成される第2潜像画像に応じた直線状のモアレ模様が表示される。この潜像画像24のモアレ模様は、表示画像23のモアレ模様よりも間隔が狭く、かつ表示画像23とは傾斜角度が異なるモアレ模様になっている。なお、図1では、潜像画像24として、「ID:0123456789」の「ID」の部分が表示されている。 【0035】 なお、複写機による解像可否の相違は、印刷する線数の相違によるものである。例えば、スクリーン線数が300lpi(lines per inch)以上の網点や線で構成されたパターンは、通常の複写機では解像できずにパターンが潰れてしまう。このため、解像されない高密度領域Hにおいて画像を形成する線の線数は、解像される低密度領域Lにおいて画像を形成する線の線数よりも必ず多い。 【0036】 ここで、本実施形態で用いたレンチキュラーレンズ20について、図3を用いて説明する。このレンチキュラーレンズ20は、公知のように、シリンドリカルレンズ(円柱型レンズ)を1次元的に複数並べることにより構成されている。このため、シリンドリカルレンズの中央に位置する線15が拡大されて表示される。このため、シリンドリカルレンズの中央にある線15の配置によりモアレ模様を出現させることができる。このようなレンチキュラーレンズ20を用いることにより、原本の各画像(11〜14)は各画像(21〜24)に見える。 【0037】 次に、上述した原本を複写した複写物について、図4を用いて説明する。 図4は、図1の原本の印刷物を複写した複写物に表示される画像である。この画像においても、高密度領域H及び低密度領域Lが存在する。ここで、図4における表示画像51、潜像画像52、表示画像53及び潜像画像54は、図1における表示画像11、潜像画像12、表示画像13及び潜像画像14のそれぞれに対応する。ここで、これら表示画像51、潜像画像52、表示画像53、潜像画像54を、レンチキュラーレンズ20を介して見てみる。この場合、図4における表示画像51、潜像画像52、表示画像53、潜像画像54は、それぞれ表示画像61、潜像画像62、表示画像63、潜像画像64のように見える。 【0038】 ここで、表示画像13及び潜像画像14の画像は、複写した場合に解像される線数の線で構成されている。このため、低密度領域Lに表示される第2合成画像を、レンチキュラーレンズ20を介して見ると、原本で表示された表示画像23、潜像画像24と同様のモアレ模様の表示画像63、潜像画像64を確認することができる。このモアレ模様から、低密度領域Lに埋め込んだ第2潜像画像を認識して、原本に関する情報を確認することができる。 【0039】 一方、表示画像11及び潜像画像12は、複写した場合に解像されない線数の線で構成されているため、高密度領域Hの画像を、レンチキュラーレンズ20を介して見た場合には、原本と異なり、モアレ模様が出現しない。このため、第2潜像画像のモアレ模様を確認できないことから、第2潜像画像として埋められた「原本」という文字を認識することができない。このため、図4の画像が表示された印刷物は、原本ではなく、複写された印刷物であることを把握することができる。 【0040】 次に、本実施形態の画像を印刷物に表示させるデータを生成する画像生成システムとしてのコンピュータ端末80について、図5を用いて説明する。 コンピュータ端末80は、制御手段を備える。この制御手段は、図示しないCPU、RAM及びROM等を有し、後述する処理(第1段階及び第2段階等を含む処理)を行なう。これにより、制御手段は、第1手段及び第2手段等として機能する。 【0041】 ここで、第1手段は、前記第1表示画像、前記第1潜像画像、前記第2表示画像及び前記第2潜像画像に関するデータを取得する。第2手段は、前記第1表示画像と前記第1潜像画像に関するデータから、複写により解像されない間隔で、前記第1及び前記第2の線形性が第1共通光学系により増大されて異なるモアレ模様を出現させる網点又は万線で構成する前記第1領域の画像データを生成する。更に、この第2手段は、前記第2表示画像及び第2潜像画像に関するデータから、複写により解像される間隔で、前記第3及び第4の線形性が第2共通光学系により増大されて異なるモアレ模様を出現させる網点又は万線で構成する前記第2領域の画像データを生成する。 【0042】 更に、コンピュータ端末80は、入力手段81、データ記憶手段82及び出力手段83を備え、これら各手段(81,82,83)とデータの送受信を行なう。入力手段81は、ユーザの指示を受け入れるものであり、具体的にはキーボードやマウスなどである。データ記憶手段82には、潜像画像に関するデータやモアレ模様に変換するためのデータ等が記録されている。ここで、潜像画像に関するデータとして、例えば、高密度領域Hに対しては「原本」という文字画像が記憶され、低密度領域Lにおいては、印刷する画像データを作成した作成時刻の文字画像の生成プログラムデータが記録される。出力手段83は、プリンタなどの印刷装置である。 【0043】 次に、画像表示媒体に画像を表示させるための処理について説明する。 まず、コンピュータ端末80は、印刷を行なう表示画像データを取得する(ステップS1)。具体的には、利用者が入力手段81を用いて印刷を行なう画像を指示すると、この指示に基づいてコンピュータ端末80の制御手段は、指示された画像の画像データを、所定のデータ記憶部から取得する。この画像データには、この画像を特定するための原本識別子(文書ID)に関するデータと、高密度領域Hと低密度領域Lとを特定するデータとが含まれている。 【0044】 次に、コンピュータ端末80は、合成画像データの生成を行なう(ステップS2)。ここでは、まずコンピュータ端末80の制御手段は、潜像画像を生成する。ここで、制御手段は、画像データを取得した現在の時刻を内蔵タイマから取得し、この時刻と、先に取得した文書IDとを文字画像データに変換し、低密度領域Lの潜像画像に特定する。次に、制御手段は、「原本」という文字画像を高密度領域Hの潜像画像に特定する。 【0045】 次に、取得した画像データの高密度領域Hにおけるデータ(第1表示画像データ)及びデータ記憶手段82に記憶されたデータに基づいて、複写によって解像できない間隔の万線で形成され、表示画像21のモアレ模様が出現するように、第1表示画像の画像変換処理を実行する。更に、特定した高密度領域Hの潜像画像のデータ(第1潜像画像データ)及びデータ記憶手段82に記憶されたデータに基づいて、複写によって解像できない間隔の万線で形成され、潜像画像22のモアレ模様が出現するように、第1潜像画像の画像変換処理を実行する。 【0046】 次に、取得した画像データの低密度領域Lにおけるデータ(第2表示画像データ)及びデータ記憶手段82に記憶されたデータに基づいて、複写によって解像できる間隔の万線で形成され、表示画像23のモアレ模様が出現するように、第2表示画像の画像変換処理を実行する。更に、特定した低密度領域Lの潜像画像のデータ(第2潜像画像データ)及 びデータ記憶手段82に記憶されたデータに基づいて、複写によって解像できる間隔の万線で形成され、潜像画像24のモアレ模様が出現するように、第2潜像画像の画像変換処理を実行する。そして、変換により生成した画像データを合成して合成画像データを生成する。 【0047】 次に、コンピュータ端末80の制御手段は、生成した合成画像データを用いて出力を行なう(ステップS3)。具体的には、制御手段は、この合成データを印刷データに変換し、この印刷データを、出力手段83に送信する。出力手段83において印刷処理が実行されることにより、図1に示す原本の印刷物が作成される。 【0048】 本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。 ・ 本実施形態では、印刷物には、高密度領域Hに、複写機において複写された場合に解像されない線数の線で構成された第1合成画像が表示されている。この印刷物は、通常の状態では、潜像画像と表示画像とは明らかに区別することはできない。また、複写物においても、通常の状態では、潜像画像と表示画像とを明らかに区別することはできない。従って、原本から複写した結果を予想することは難しい。 【0049】 また、レンチキュラーレンズ20を用いて原本を見た場合には、高密度領域Hの表示画像21及び潜像画像22の各領域において、それぞれに対応したモアレ模様が表示される。これに対して、高密度領域Hの第1合成画像は、複写機において複写された場合に解像されない線数の線で構成されているため、複写されると、高密度領域Hの画像は潰れてしまう。このため、レンチキュラーレンズ20を用いて複写物を見た場合には、高密度領域Hの表示画像61及び潜像画像62には、モアレ模様が出現しない。これにより、原本か否かを判定することができる。更に、モアレ模様に基づいて潜像画像を表示画像と明確に区別できるため、広範囲にわたって大きく表示しなくても潜像画像を認識することができる。 【0050】 ・ 本実施形態では、印刷物に表示された画像は、第1合成画像が表示される高密度領域Hとともに、複写により解像される線数の線で構成される第2合成画像が表示される低密度領域Lも有している。このため、複写物であってもレンチキュラーレンズ20を介してモアレ模様が出現する低密度領域Lからモアレ模様が出現されない場合には、原本が正しく生成されていない可能性がある。そこで、低密度領域Lにおけるモアレ模様の出現に基づいて正しく生成された原本か否かを判定した上で、高密度領域Hにおけるモアレ模様に基づいて原本か否かをより確実に判定することができる。 【0051】 ・ 本実施形態では、高密度領域Hの潜像画像に、原本である場合に表示される画像の「原本」という文字画像を用いた。複写によって、この高密度領域Hの潜像画像であり「原本」という文字が見えなくなるため、原本であるか複写物であるかを「原本」という表示がある否かによって容易に判断することができる。 【0052】 ・ 本実施形態では、低密度領域Lの第2潜像画像に、印刷物の原本を特定する原本識別子と生成時刻に関する文字画像を用いた。このため、複写物においても原本に関する情報を取得して、この複写物の原本についての情報を得ることができるので、複写物の出所元を特定することも可能となる。従って、情報漏洩の追跡を行なうことができる。 【0053】 ・ 本実施形態では、モアレ模様は直線形状(線形状)のモアレ縞であるため、モアレ模様が不連続になったり消失したりすることを効率よく把握することができる。従って、原本であるかその複写物であるかという真偽を効率よく行なうことができる。 【0054】 ・ 本実施形態では、コンピュータ端末80は、表示画像データを取得し(ステップS 1)、合成画像データの生成を行なう(ステップS2)。ここで、コンピュータ端末80の制御手段は、第1表示画像データに基づいて、複写によって解像できない間隔の万線で形成され、表示画像21のモアレ模様が出現するように、第1表示画像の画像変換処理を実行する。更に、制御手段は、第1潜像画像データに基づいて、複写によって解像できない間隔の万線で形成され、潜像画像22のモアレ模様が出現するように、第1潜像画像の画像変換処理を実行する。また、制御手段は、第2表示画像データに基づいて、複写によって解像できる間隔の万線で形成され、表示画像23のモアレ模様が出現するように、第2表示画像の画像変換処理を実行する。更に、制御手段は、第2潜像画像データに基づいて、複写によって解像できる間隔の万線で形成され、潜像画像24のモアレ模様が出現するように、第2潜像画像の画像変換処理を実行する。そして、コンピュータ端末80は、このように変換により生成した画像データを合成して生成した合成画像データを用いて出力し、図1に示す印刷物を印刷する。このため、原本と複写物とを容易に区別できるとともに、原本から複写した結果が把握し難くすることができる原本を印刷することができる。また、コンピュータ端末80は、複写によって解像されない網点又は万線で構成される高密度領域Hの画像を、複写によって解像される網点又は万線で構成される低密度領域Lの画像とともに表示するデータを生成する。このため、レンチキュラーレンズ20によって常にモアレ模様が見えるはずの低密度領域Lの画像のモアレ模様の出現に基づいて、原本として正しく印刷できているか否かを把握することができる。 【0055】 また、上記実施形態は以下のように変更してもよい。 ○ 上記実施形態においては、印刷物に表示される画像の高密度領域Hと低密度領域Lとのそれぞれに、図2に示す潜像画像を埋め込んだ。これに代えて、高密度領域Hをごく小さくすることにより、原本か複写物かを判断してもよい。具体的には、図6に示す隠匿文字部分90を、複写機によって解像されない表示画像(例えば「8」の文字)と、原本であることを示す潜像画像(例えば「正」の文字)とを合成した合成画像によって表示してもよい。この場合にも、共通光学系を用いることで潜像を判断することが容易なため、原本と複写物とを明確に区別することができる。 【0056】 ○ 上記実施形態においては、印刷物に表示される画像の高密度領域Hと低密度領域Lとのそれぞれに、図2に示す潜像画像を埋め込んだ。これに代えて、低密度領域Lをごく小さくしたり高密度領域Hだけにしたりすることにより、通常は認識できないような本文文字を、潜像画像として用いてもよい。具体的には、図6に示す隠匿文字部分91を、複写機によって解像される表示画像(例えば「123456」の文字)を表示してもよい。この場合には、共通光学系を用いないと重要な文字が見えないので、横から見られても潜像画像を視認できない。 【0057】 ○ 上記実施形態においては、図3のレンチキュラーレンズ20は、公知のように、シリンドリカルレンズ(円柱型レンズ)を1次元的に複数並べることにより構成されている。そこで、低密度領域Lの第2表示画像及び第2潜像画像を構成するそれぞれの万線は、高密度領域Hの第1表示画像及び第1潜像画像を構成する万線の間隔の整数倍の間隔で配置してもよい。通常、複写機によって解像されない低密度領域Lの合成画像と、複写機によって解像される高密度領域Hの合成画像は、通常、線数が異なるため共通光学系を2つ用意する必要がある。そこで、高密度領域Hの合成画像を生成する万線の線数を、低密度領域Lの合成画像を生成する万線の線数の整数倍(又はこれに近い値)にする。すなわち、低密度領域Lの合成画像を生成する万線又は網点の間隔を、高密度領域Hの合成画像を生成する万線又は網点の間隔の整数倍(又はこれに近い値)にする。これにより、原本における高密度領域H及び低密度領域Lのモアレ模様を、1種類の共通光学系により認識することができる。これは、レンチキュラーレンズ20を構成しているシリンドリカルレンズが、線数が整数倍、整数倍に近い場合、モアレ模様が発生する万線又は網点の周期が同じになるからである。なお、この場合、図7に示すように、レンチキュラーレンズ20の 中央に位置する網点が拡大されて表示される一方、シリンドリカルレンズの境界部分に位置する網点は拡大されずにそのまま表示されない。このため、コンピュータ端末80は、このような見え方を考慮した変換データを用いて合成画像のデータを生成することができる。なお、線数が多い画像は、レンズの周辺のドットによる影響で少し暗くなる影響があるが、視認することは可能である。 【0058】 ○ 上記実施形態においては、印刷物には、白黒の線で構成される白黒画像を表示した。これに代えて、印刷物に、例えばCMYK(シアン、マゼンタ、イエロ、ブラック)方式の色要素やRGB(レッド、グリーン、ブルー)方式の色要素を有する複数の線や網点により構成されるカラー画像を表示してもよい。 【0059】 ○ 上記実施形態においては、印刷物の高密度領域H及び低密度領域Lには、それぞれ1つの潜像画像を埋め込んだ。これに限らず、合成画像には、複数の潜像画像を埋め込むようにしてもよい。この場合、色要素の異なる潜像画像を埋め込むようにしてもよい。具体的には、第1潜像画像においては表示に用いる色要素のうちの特定の1色(例えばマゼンタ)のモアレ模様が出現するようにし、第2潜像画像においては表示に用いる色要素のうち、第1潜像画像とは異なる特定の1色(例えばシアン)によりモアレ模様が出現するようにしてもよい。 【0060】 ○ 上記実施形態においては、印刷物の画像は、白黒の線により表示した。これに限らず、印刷物の画像を、楕円、円形、長方形状、ダイヤ形状、三角形状等などの多角形又はこれらの組み合わせ形状で構成される網点で表示してもよい。この場合、表示画像と潜像画像とを異なる形状の網点を用いることにより、異なるモアレ模様が出現するようにしてもよい。具体的には、コンピュータ端末80は、合成画像データを生成した後、円形、長方形状、ダイヤ形状、多角形又はこれらの組み合わせ形状の網点に変換してモアレ模様を出現するような印刷データ等に変換する。 【0061】 ○ 上記実施形態においては、図1の各画像(21,22,23,24)で示すように、レンチキュラーレンズ20を用いて出現されるモアレ模様は直線形状とした。これに限らず、出現させるモアレ模様は、例えば曲線や波線形状で構成されるようなものであってもよい。すなわち、直線、曲線、波線又はこれらの組み合わせ形状等の線形状のモアレ縞であれば、複写機における複写に起因してモアレ模様が不連続や消失することが容易に判明するので、複写物であることが容易に把握することができる。 【0062】 ○ 上記実施形態においては、コンピュータ端末80は、レンチキュラーレンズ20を介して見たときに、モアレ模様が出現するような画像データを生成した。モアレ模様が出現するために用いる第1又は第2共通光学系は、上述したレンチキュラーレンズ20に限られない。例えば、シリンドリカルレンズ、楕円形レンズ、四角錐(ピラミッド型)レンズ、多角形レンズのいずれか1種類又はこれらを組み合わせて複数並べて構成したなど、線形性を増大させることができるレンズであればよい。すなわち、線形性のある形状で構成されたレンズであれば、網点の線形性を増大させるためモアレが出現しやすい。この場合、コンピュータ端末80は、用いるレンズに合わせてモアレ模様が出現するような画像データを生成する。 【図面の簡単な説明】 【0063】 【図1】実施形態における原本の画像記録媒体の説明図。 【図2】原本の合成画像に埋め込まれた潜像画像を説明する説明図。 【図3】真偽を判定するときに用いるレンチキュラーレンズの説明図。 【図4】実施形態における複写物の画像記録媒体の説明図。 【図5】実施形態における画像記録媒体の画像データを生成する画像生成システムの構成を示すブロック図。 【図6】変更例における画像記録媒体に表示された画像を説明する説明図。 【図7】整数倍に配置された線の見え方を説明する説明図。 【符号の説明】 【0064】 H…第1領域としての高密度領域、L…第2領域としての低密度領域、11,13,21,23,31,33,51,53,61,63…表示画像、12,14,22,24,32,34,52,54,62,64…潜像画像、20…共通光学系としてのレンチキュラーレンズ、80…画像生成システムとしてのコンピュータ端末。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006747 【氏名又は名称】株式会社リコー
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| 【出願日】 |
平成18年7月27日(2006.7.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100068755 【弁理士】 【氏名又は名称】恩田 博宣
【識別番号】100105957 【弁理士】 【氏名又は名称】恩田 誠
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| 【公開番号】 |
特開2008−35112(P2008−35112A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月14日(2008.2.14) |
| 【出願番号】 |
特願2006−205233(P2006−205233) |
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