| 【発明の名称】 |
撮像装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】小田 真弘
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| 【要約】 |
【課題】画素の感度を向上させるとともに、信号の読出し時間が長くなることを抑制することが可能な撮像装置を提供する。
【構成】この撮像装置は、光電変換機能を有するとともに、光電変換により生成されたキャリアを蓄積するためのフォトダイオード部13と、電界による衝突電離によりキャリアを増倍するための電界を印加する増倍ゲート電極20を含む増倍部20aと、キャリアを保持するフローティングディフュージョン14と、増倍部20aからフローティングディフュージョン14へキャリアを読み出すための読出ゲート電極21とを備え、読出ゲート電極21の電位をオン状態の電位にした後、増倍ゲート電極20をオフ状態の電位にしてキャリアをフローティングディフュージョン14に転送するとともに、少なくともフローティングディフュージョン14に転送されたキャリアに対応する信号を読み出すまでの間、読出ゲート電極21のオン状態の電位を維持する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 光電変換機能を有するとともに、光電変換により生成されたキャリアを蓄積するための蓄積部と、 電界による衝突電離によりキャリアを増倍するための電界を印加する増倍電極を含む増倍部と、 前記キャリアを保持する保持部と、 前記増倍部から前記保持部へ前記キャリアを読み出すための読出電極とを備え、 前記読出電極の電位をオン状態の電位にした後、前記増倍電極をオフ状態の電位にして前記キャリアを前記保持部に転送するとともに、少なくとも前記保持部に転送された前記キャリアに対応する信号を読み出すまでの間、前記読出電極のオン状態の電位を維持する、撮像装置。 【請求項2】 前記保持部の電位を初期化するリセット電極をさらに備え、 前記読出電極の電位は、前記保持部の初期化前からオン状態の電位になっている、請求項1に記載の撮像装置。 【請求項3】 前記増倍部は、前記読出電極に隣接するように配置されている、請求項1または2に記載の撮像装置。 【請求項4】 前記蓄積部から前記増倍部にキャリアを転送するための転送電極をさらに備え、 前記読出電極の電位は、前記増倍部と前記転送電極との間で繰り返しキャリアの増倍が行われる増倍期間中にはオフ状態の電位になっている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の撮像装置。 【請求項5】 少なくとも前記蓄積部、前記増倍電極を有する前記増倍部、前記保持部、および前記読出電極を1つの画素内に含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の撮像装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、撮像装置に関する。 【背景技術】 【0002】 従来、CMOS型の撮像装置が知られている(たとえば、非特許文献1参照)。図11は、非特許文献1に開示された従来のCMOS型の撮像装置の画素の構造を示した断面図である。図12は、従来の一般的なCMOS型の撮像装置における読出し動作期間の信号波形図である。図11に示すように、非特許文献1に開示された従来のCMOS型の撮像装置の画素100は、シリコン基板111上に光電変換機能を有するとともに、光電変換により生成されたキャリアを蓄積するためのフォトダイオード部112と、キャリアを保持するフローティングディフュージョン113と、ゲート絶縁膜114と、ゲート絶縁膜114上に形成され、フォトダイオード部112からフローティングディフュージョン113へキャリアを転送する機能を有する読出ゲート電極115とを備えている。また、従来のCMOS型の撮像装置の画素100は、フローティングディフュージョン113の電位を初期化するリセットゲート電極116を含むリセットトランジスタRGと、フローティングディフュージョン113から読み出された信号を増幅するための増幅トランジスタSFと、読み出す画素を選択する選択トランジスタRSとを備えている。リセットゲートトランジスタRGのソースには、フローティングディフュージョン113が接続されているとともに、リセットゲートトランジスタRGのドレインには、電源電位(VDD)線が接続されている。また、増幅トランジスタSFのゲートには、フローティングディフュージョン113が接続されているとともに、増幅トランジスタSFのソースには、選択トランジスタRSのドレインが接続されている。また、増幅トランジスタSFのドレインには、電源電位(VDD)線が接続されている。また、選択トランジスタRSのソースには、出力線が接続されている。また、図11に示したような構造を有する従来のCMOS型の撮像装置では、一般的に、各々の画素100は、マトリクス状(行列状)に並べられているとともに、各行毎に一括して信号が読み出されるように構成されている。 【0003】 次に、図11および図12を参照して、従来の一般的なCMOS型の撮像装置の信号の読出し動作について説明する。まず、図12に示すようにt1の期間では、リセットゲート電極116をオン状態の電位にすることにより、フローティングディフュージョン113に蓄積されていたキャリアが電源電位(VDD)線に排出される。次に、リセットゲート電極116をオフ状態の電位にするとともに、リセットゲート電極116の電位を安定化させるための電位安定化時間t2が経過した後、図12に示すaの時点でフローティングディフュージョン113が初期化された時点の信号が読み出される。次に、信号の読み出しと次の信号とが重なるのを抑制するために設けられた重なりマージンt3が経過した後、t4の期間において読出ゲート電極115がオン状態の電位になることにより、フォトダイオード部112に蓄積されたキャリアがフローティングディフュージョン113に転送される。次に、読出ゲート電極115をオフ状態の電位にするとともに、読出ゲート電極115の電位を安定化させるための電位安定化時間t2が経過した後、図12に示す、bの時点でフォトダイオード部112から転送されたキャリアの信号が読み出される。次に、次の行の画素100を読み出すまでのマージンt5が経過した後、次の行の信号の読出し動作が開始される。 【0004】 【非特許文献1】Guidash,R.M., Lee,T.−H., Lee,P.P.K., Sackett,D.H., Drowley,C.I., Swenson,M.S., Arbaugh,L., Hollstein,R., Shapiro,F.,and Domer,S., “A 0.6μm CMOS Pinned Photodiode Color Imager Technology”, Electoron Devices Meeting, 1997. Technical Digest., International, pp.927−929, 1997. 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 しかしながら、上記した従来の一般的なCMOS型の撮像装置では、読出し動作時に、読出電極のオン/オフ動作を行うことにより読出電極を安定化させる時間が必要になるため、結果として、信号の読出し時間が長くなるという問題点がある。また、従来の一般的なCMOS型の撮像装置では、画素の感度を向上させることが望まれている。 【0006】 この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、画素の感度を向上させるとともに、信号の読出し時間が長くなることを抑制することが可能な撮像装置を提供することである。 【課題を解決するための手段および発明の効果】 【0007】 この発明の一の局面による撮像装置は、光電変換機能を有するとともに、光電変換により生成されたキャリアを蓄積するための蓄積部と、電界による衝突電離によりキャリアを増倍するための電界を印加する増倍電極を含む増倍部と、キャリアを保持する保持部と、増倍部から保持部へキャリアを読み出すための読出電極とを備え、読出電極の電位をオン状態の電位にした後、増倍電極をオフ状態の電位にしてキャリアを保持部に転送するとともに、少なくとも保持部に転送されたキャリアに対応する信号を読み出すまでの間、読出電極のオン状態の電位を維持する。 【0008】 この一の局面による撮像装置では、上記のように、電界による衝突電離によりキャリアを増倍するための電界を印加する増倍電極を備えることによって、撮像素子内でキャリアのインパクトイオン化を起こさせることができるので、キャリアの数を増倍させることができる。その結果、画素の感度を向上させることができる。また、読出電極の電位をオン状態の電位にした後、増倍電極をオフ状態の電位にしてキャリアを保持部に転送するとともに、少なくとも保持部に転送されたキャリアに対応する信号を読み出すまでの間、読出電極のオン状態の電位を維持することにより、キャリアの読出し時に読出電極をオン/オフさせることに起因して生じる読出電極の安定化時間が必要ないので、キャリアの読出し時間を短縮することができる。その結果、信号の読出し時間が長くなることを抑制することができる。 【0009】 上記一の局面による撮像装置において、好ましくは、保持部の電位を初期化するリセット電極をさらに備え、読出電極の電位は、保持部の初期化前からオン状態の電位になっている。もし、保持部の初期化の後に読出電極の電位をオン状態の電位にした場合には、読出電極をオン状態にした際に、読出電極と保持部との容量結合により保持部の電位が変化して、初期化時よりも高くなる。この場合、保持部に初期化時の電位までキャリアが蓄積されるまでは、保持部の出力信号は、ゼロとして扱われてしまうので、暗い像では階調がなくなってしまうという、いわゆる「黒つぶれ」という現象が発生してしまう。上記一の局面による撮像装置では、読出電極の電位は、保持部の初期化前からオン状態の電位になっているので、保持部の電位が変化するのを抑制することができる。これにより、黒つぶれ等のない良好な画像を得ることができる。 【0010】 上記一の局面による撮像装置において、好ましくは、増倍部は、読出電極に隣接するように配置されている。このように構成すれば、増倍部と読出電極との距離が近いので、容易に、増倍部に蓄積されたキャリアを読出電極下に転送することができる。 【0011】 上記一の局面による撮像装置において、好ましくは、蓄積部から増倍部にキャリアを転送するための転送電極をさらに備え、読出電極の電位は、増倍部と転送電極の間で繰り返しキャリアの増倍が行われる増倍期間中にはオフ状態の電位になっている。このように構成すれば、増倍期間中に転送電極下の電位障壁よりも読出電極下の電位障壁を高くすることができるので、増倍期間中に増倍部と転送電極との間で繰り返しキャリアの増倍を行ったとしても、増倍された電子が読出電極下の電位障壁を越えて保持部に混入することを抑制することができる。 【0012】 上記一の局面による撮像装置において、好ましくは、少なくとも蓄積部、増倍電極を有する増倍部、保持部、および読出電極を1つの画素内に含む。このように構成すれば、本発明を容易にCMOS型の撮像装置に適用することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0013】 以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。 【0014】 図1は、本発明の一実施形態による撮像装置の全体構成を示す平面図であり、図2は、図1に示した本発明の一実施形態による撮像装置の構造を示した断面図である。また、図3は、図1に示した本発明の一実施形態による撮像装置の画素を示した平面図であり、図4は、図1に示した本発明の一実施形態による撮像装置の構成を示す回路図である。まず、図1〜図4を参照して、本実施形態による撮像装置の構造について説明する。なお、キャリアとして電子と正孔が考えられるが、以下の説明では、キャリアを電子として説明する。 【0015】 本実施形態によるCMOS型の撮像装置では、図1に示すように、複数の画素1を含む撮像部2と、行選択レジスタ3と、列選択レジスタ4とを備えている。また、図2および図3に示すように、複数の画素1がp型シリコン基板11の表面のp型ウェル領域12の表面にマトリクス状(行列状)に配置されている。図3において点線で示された範囲が単位画素である。また、1つの画素には、図2に示すように、p型シリコン基板11のp型ウェル領域12の表面に所定の間隔を隔てて、n型不純物領域からなるフォトダイオード部(PD)13と、n型不純物領域からなるフローティングディフュージョン14と、n型不純物領域からなるリセットドレイン(RD)15とが設けられている。なお、フォトダイオード部13は、本発明の「蓄積部」の一例であり、フローティングディフュージョン14は、本発明の「保持部」の一例である。また、フォトダイオード部13とフローティングディフュージョン14との間のp型ウェル領域12の表面上には、ゲート絶縁膜16を介して、転送ゲート電極17、18および19、増倍ゲート電極20、および読出ゲート電極21が互いに所定の間隔を隔てて形成されている。なお、転送ゲート電極17、18および19は、本発明の「転送電極」の一例であり、増倍ゲート電極20は、本発明の「増倍電極」の一例である。また、読出ゲート電極21は、本発明の「読出電極」の一例である。また、フローティングディフュージョン14とリセットドレイン15との間のp型ウェル領域12の表面上には、ゲート絶縁膜22を介してリセットゲート電極23が形成されている。なお、リセットゲート電極23は、本発明の「リセット電極」の一例である。また、フローティングディフュージョン14には、信号を取り出すための信号線24が電気的に接続されている。 【0016】 また、図3に示すように、転送ゲート電極17、18および19、増倍ゲート電極20および読出ゲート電極21には、それぞれ、電圧制御のためのクロック信号を供給するための配線層31、32、33、34および35がそれぞれコンタクト部17a、18a、19a、20aおよび21aを介して電気的に接続されている。また、フローティングディフュージョン14には、信号を取り出すための信号線24がコンタクト部14aを介して電気的に接続されている。 【0017】 また、図2に示すように、フォトダイオード部13は、約3Vに電位が調整された状態になっており、光電変換によって電子を生成するとともに、生成した電子を蓄積する機能を有している。また、フローティングディフュージョン14は、約5Vに電位が調整された状態になっており、増倍ゲート電極20下に形成された増倍部20aで増倍された電子を保持する機能を有する。また、リセットドレイン15は、約5Vに電位が調整された状態になっており、フローティングディフュージョン14に保持された電子の排出部としての機能を有している。 【0018】 また、図2に示すように、転送ゲート電極17、転送ゲート電極18、増倍ゲート電極20、および、読出ゲート電極21にクロック信号のオン信号(Hレベルの信号)が供給されることによって、転送ゲート電極17、転送ゲート電極18および読出ゲート電極21には、オン状態では、約2.9Vの電圧が印加されるとともに、増倍ゲート電極20には、オン状態では、約20Vの電圧が印加される。これにより、転送ゲート電極17下、転送ゲート電極18下および読出ゲート電極21下は、オン状態では、約4Vに電位が調整された状態になるとともに、増倍ゲート電極20下は、オン状態では、約20Vの高い電位に調整された状態となる。なお、クロック信号のオフ信号(Lレベルの信号)が供給されている状態では、転送ゲート電極17下、転送ゲート電極18下、増倍ゲート電極20下、および、読出ゲート電極21下は、いずれも、約1Vのオフ状態の電位に調整された状態となっている。なお、転送ゲート電極19は、常に一定電圧が印加された状態であり、転送ゲート電極19下は、常に約2Vの電位に調整された状態となっている。 【0019】 また、転送ゲート電極17、18、19および増倍ゲート電極20には、4相のクロック信号が供給されるように構成されている。また、図2に示すように、転送ゲート電極17、18および19下のp型ウェル領域12には、それぞれ、分離障壁、一時的蓄積井戸および電荷転送障壁が形成されている。また、増倍ゲート電極20下のp型ウェル領域12には、電荷集積井戸が形成されている。この転送ゲート電極17下に形成された分離障壁は、フォトダイオード部13によって生成された電子が転送ゲート電極18下に形成された一時的蓄積井戸に混入するのを抑制する機能を有している。また、転送ゲート電極18下に形成された一時的蓄積井戸は、フォトダイオード部13によって生成された電子が転送された際に、転送された電子を一時的に蓄積しておく機能を有している。また、転送ゲート電極19下に形成された電荷転送障壁は、転送ゲート電極18下に形成された一時的蓄積井戸と、増幅ゲート電極20下に形成された電荷集積井戸とを区分するとともに、一時的蓄積井戸に蓄積された電子を増倍ゲート電極20下に形成された電荷集積井戸に転送する機能を有している。さらに、増倍ゲート電極20下に形成された電荷集積井戸は、転送ゲート電極18下に形成された一時的蓄積井戸から転送された電子を蓄積する機能を有するとともに、電界による衝突電離により電子を増倍するための増倍部20aとしての機能も有している。すなわち、転送ゲート電極19下に形成された電荷転送障壁と増倍ゲート電極20下に形成された電荷集積井戸との界面には、高い電位に調整された高電界領域が形成されており、転送ゲート電極18下に形成された一時的蓄積井戸に蓄積された電子が高電界領域に注入されると、注入された電子は、高電界領域からエネルギを得る。そして、エネルギを得た電子は、高電界領域を移動中にp型ウェル領域12の格子原子と衝突し、その衝突により、電子および正孔が生成される。生成された電子および正孔のうち、高電界領域中の電界によって電子のみが増倍ゲート電極20下に形成された電荷集積井戸に集められる。これによって、電子の増倍が行われる。 【0020】 また、図4に示すように、各々の画素1は、転送ゲート電極17、18および19と、増倍ゲート電極20と、読出ゲート電極21と、リセットゲート電極23を含むリセットゲートトランジスタTr1と、増幅トランジスタTr2と、画素選択トランジスタTr3とを備えている。転送ゲート電極17には、フォトダイオード部13が接続されている。また、図3に示すように、リセットゲートトランジスタTr1のリセットゲート電極23には、コンタクト部23aを介してリセットゲート線41が接続されており、リセット信号が供給される。リセットゲートトランジスタTr1のドレイン(リセットドレイン15)は、コンタクト部15aを介して電源電位(VDD)線36に接続される。また、図3に示すように、リセットゲートトランジスタTr1のソースおよび読出ゲート電極21のソースを構成するフローティングディフュージョン14と増幅トランジスタTr2のゲート42とは、コンタクト部14aおよび42aを介して信号線24により接続されている。また、図4に示すように、増幅トランジスタTr2のドレインは、電源電位線36に接続されているとともに、増幅トランジスタTr2のソースには、画素選択トランジスタTr3のドレインが接続される。また、図3に示すように、画素選択トランジスタTr3のゲート43には、コンタクト部43aを介して行選択線37が接続されるとともに、ソースには、コンタクト部44を介して出力線38が接続されている。 【0021】 図5は、図1に示した本発明の一実施形態による撮像装置の動作を示す信号波形図である。次に、図5を参照して、本発明の一実施形態による撮像装置の撮像期間の動作について説明する。 【0022】 まず、図5に示すように、撮像期間中では、増倍ゲート電極20およびリセットゲート電極23はオフ状態の電位になるとともに、読出ゲート電極21はオン状態の電位になっている。また、後述する図7に示すように、転送ゲート電極17、18、19および20は、撮像期間中には、オフ状態の電位になっている。撮像期間中に光電変換によって生成された電子はフォトダイオード部13に蓄積される。 【0023】 図6は、図1に示した本発明の一実施形態による撮像装置における電子の増倍動作を説明するための断面図である。図7は、図1に示した本発明の一実施形態による撮像装置の増倍動作を示す信号波形図である。次に、図5〜図7を参照して、本発明の一実施形態による撮像装置の増倍期間の動作について説明する。 【0024】 図5に示すように、増倍期間中では、増倍ゲート電極20は、所定のクロックが印加され、読出ゲート電極21およびリセットゲート電極23は、オフ状態の電位となっている。また、図6および図7に示すように、期間Aにおいて、転送ゲート電極17をオン状態の電位にするとともに、転送ゲート電極17をオン状態の電位にした時から所定時間経過後に、転送ゲート電極18をオン状態の電位にする。これにより、図6に示すように、フォトダイオード部13から転送された電子が、転送ゲート電極17のオン状態の電位により低くなった転送ゲート電極17下の分離障壁を越えて、転送ゲート電極18下に形成された一時的蓄積井戸に転送される。 【0025】 次に、期間Bにおいて、転送ゲート電極17をオフ状態の電位にするとともに、転送ゲート電極18をオン状態の電位のままにすることによって、期間Aにおいて転送された電子は、転送ゲート電極18下に形成された一時的蓄積井戸に蓄積される。 【0026】 次に、期間Cにおいて、増倍ゲート電極20をオン状態の電位にすることにより、増倍ゲート電極20に高電圧が印加されて電荷集積井戸が形成されるとともに、転送ゲート電極19下に形成された電荷転送障壁と増倍ゲート電極20下に形成された電荷集積井戸との界面に高電界領域(増倍部20a)が形成される。 【0027】 次に、期間Dにおいて、増倍ゲート電極20をオン状態の電位にしたまま、転送ゲート電極18をオフ状態の電位にすることによって、転送ゲート電極18下に形成された一時的蓄積井戸に蓄積された電子が、転送ゲート電極19下に形成された電荷転送障壁を越えて、増倍ゲート電極20下に形成された電荷集積井戸に転送される。これにより、転送された電子が増倍部20aにおいて高電界による衝突電離によって増倍されるとともに、増倍された電子が増倍ゲート電極20下に形成された電荷集積井戸に蓄積される。 【0028】 次に、期間Eにおいて、増倍ゲート電極20をオフ状態の電位にするとともに、転送ゲート電極18をオン状態の電位にすることによって、増倍ゲート電極20下に形成された電荷集積井戸に蓄積された電子が、転送ゲート電極19下に形成された電荷転送障壁を越えて、転送ゲート電極18下に形成された一時的蓄積井戸に転送される。この後、期間Cから期間Dを再び行うことにより電子の増倍が行われる。このようにして、期間Cから期間Eを何度も繰り返すことによって電子の増倍が繰り返される。 【0029】 図8は、図1に示した本発明の一実施形態による撮像装置における電子の読出し期間中の動作を説明するための断面図である。図9は、図5に示した本発明の一実施形態による撮像装置の動作を示す信号波形図の読出し期間の拡大図である。次に、図5、図8および図9を参照して、本発明の一実施形態による撮像装置の読出し期間中の動作について説明する。 【0030】 図5に示すように、読出し期間が始まると、読出ゲート電極21がオン状態の電位になる。次に、図8および図9に示すように、期間Fにおいて、増倍ゲート電極20および読出ゲート電極21は、オン状態の電位であるとともに、リセットゲート電極23は、オフ状態の電位である。このとき、増倍ゲート電極20下に形成された電荷集積井戸には、増倍期間中に増倍された電子が蓄積されている。 【0031】 次に、期間Gにおいて、読出ゲート電極21のオン状態の電位を維持しながら、リセットゲート電極23をオフ状態の電位からオン状態の電位にすることにより、フローティングディフュージョン14に蓄積されていた電子がリセットドレイン15に排出され、フローティングディフュージョン14が初期化される。 【0032】 次に、期間Hにおいて、読出ゲート電極21のオン状態の電位を維持しながら、リセットゲート電極23をオフ状態の電位にする。なお、図9に示す期間t1は、リセットゲート電極23がオン状態の電位にされてからオフ状態の電位になるまでの時間である。また、期間t1の後、リセットゲート電極23の電位安定化時間であるt2と、次の信号を発するときの重なりを抑制する重なりマージンt3とが経過する。また、リセットゲート電極23の電位安定化時間であるt2の後(図9に示すaの時点)、初期化されたフローティングディフュージョン14の電荷信号は、信号線24を介して、増幅トランジスタTr2により、電圧信号として読み出される。 【0033】 次に、期間Iでは、読出ゲート電極21のオン状態の電位を維持しながら、増倍ゲート電極20をオフ状態の電位にすることにより、増倍ゲート電極20下に形成された電荷集積井戸に蓄積された電子は、フローティングディフュージョン14に転送される。この後、読出ゲート電極21のオン状態の電位を維持しながら、図9に示すbの時点において、フローティングディフュージョン14に蓄積された電子による電荷信号は、信号線24を介して、増幅トランジスタTr2により、電圧信号として読み出される。次に、信号を読み出した後、読出ゲート電極21のオン状態の電位を維持しながら、次の行の画素の読出し動作を行うまでのマージンt5が経過する。この後、次の行の読出し動作が開始される。上記のように、本実施形態では、読出し期間中は、読出ゲート電極21のオン状態の電位が維持される。 【0034】 本実施形態では、上記のように、電界による衝突電離により電子を増倍するための電界を印加する増倍ゲート電極20を備えることによって、撮像素子内で電子のインパクトイオン化を起こさせることができるので、電子の数を増倍させることができる。その結果、画素1の感度を向上させることができる。また、読出ゲート電極21の電位をオン状態の電位にした後、増倍ゲート電極20をオフ状態の電位にして電子をフローティングディフュージョン14に転送するとともに、少なくともフローティングディフュージョン14に転送された電子に対応する信号を読み出すまでの間、読出ゲート電極21のオン状態の電位を維持することにより、電子の読出し期間中に読出ゲート電極21をオン/オフさせることに起因して生じる読出ゲート電極21の安定化時間t2が必要ないので、キャリアの読出し時間を短縮することができる。その結果、信号の読出し時間が長くなることを抑制することができる。 【0035】 また、本実施形態では、上記のように、フローティングディフュージョン14の電位を初期化するリセットゲート電極23をさらに備え、読出ゲート電極21の電位は、フローティングディフュージョン14の初期化前からオン状態の電位になるように構成する。もし、フローティングディフュージョン14の初期化の後に読出ゲート電極21の電位をオン状態の電位にした場合には、読出ゲート電極21をオン状態にした際に、読出ゲート電極21とフローティングディフュージョン14との容量結合によりフローティングディフュージョン14の電位が変化して、初期化時よりも高くなる。この場合、フローティングディフュージョン14に初期化時の電位までキャリアが蓄積されるまでは、フローティングディフュージョン14の出力信号は、ゼロとして扱われてしまうので、暗い像では階調がなくなってしまうという、いわゆる「黒つぶれ」という現象が発生してしまう。本実施形態では、読出ゲート電極21の電位は、フローティングディフュージョン14の初期化前からオン状態の電位になっているので、フローティングディフュージョン14の電位が変化するのを抑制することができる。これにより、黒つぶれ等のない良好な画像を得ることができる。 【0036】 また、本実施形態では、上記のように、増倍部20aは、読出ゲート電極21に隣接するように配置することによって、増倍部20aと読出ゲート電極21との距離が近いので、容易に、増倍部20aに蓄積された電子を読出ゲート電極21下に転送することができる。 【0037】 また、本実施形態では、上記のように、フォトダイオード部13から増倍部20aに電子を転送するための転送ゲート電極17、18、および19をさらに備え、読出ゲート電極21の電位は、増倍部20aと転送ゲート電極18および19の間で繰り返し電子の増倍が行われる増倍期間中にはオフ状態の電位になるように構成することによって、増倍期間中に転送ゲート電極19下の電位障壁よりも読出ゲート電極21下の電位障壁を高くすることができるので、増倍期間中に増倍部20aと転送ゲート電極18および19との間で繰り返し電子の増倍を行ったとしても、増倍された電子が読出ゲート電極21下の電位障壁を越えてフローティングディフュージョン14に混入することを抑制することができる。 【0038】 なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。 【0039】 たとえば、上記実施形態では、キャリアとして電子を用いた例を示したが、本発明はこれに限らず、基板不純物の電導型および印加する電圧の極性を全て反対にすることで、キャリアとして正孔を用いるようにしてもよい。 【0040】 また、上記実施形態では、p型シリコン基板上に撮像装置を形成した例を示したが、本発明はこれに限らず、n型シリコン基板上にp型の不純物領域を形成したものを基板として用いてもよい。 【0041】 また、上記実施形態では、3つの転送ゲート電極を形成した例を示したが、本発明はこれに限らず、3つ以外の転送ゲート電極を用いてもよい。 【0042】 また、上記実施形態では、リセットゲート電極をオン状態の電位にする前から、読出し期間の全体に渡って読出ゲート電極をオン状態の電位にした例を示したが、本発明はこれに限らず、図10に示す変形例のように、リセットゲート電極をオフ状態の電位にした後、増倍ゲート電極をオフ状態の電位にする前に、読出しゲート電極をオン状態の電位にするようにしてもよい。この場合、上記した実施形態の読出し期間に比べて、リセットゲート電極をオフ状態の電位にする信号と、読出しゲート電極をオン状態の電位にする信号とが重なるのを抑制する重なりマージンt3分が増えることになる。しかし、この重なりマージンt3は、図12に示した従来の一般的なCMOS型の撮像装置において読出し期間で読出ゲート電極をオフ状態の電位にすることに起因して必要な安定化時間t2よりも短いので、この変形例においても、従来に比べて、読出し時間が長くなることを抑制することができる。 【図面の簡単な説明】 【0043】 【図1】本発明の一実施形態による撮像装置の全体構成を示す平面図である。 【図2】図1に示した本発明の一実施形態による撮像装置の構造を示した断面図である。 【図3】図1に示した本発明の一実施形態による撮像装置の画素を示した平面図である。 【図4】図1に示した本発明の一実施形態による撮像装置の構成を示す回路図である。 【図5】図1に示した本発明の一実施形態による撮像装置の動作を示す信号波形図である。 【図6】図1に示した本発明の一実施形態による撮像装置における電子の増倍動作を説明するための断面図である。 【図7】図1に示した本発明の一実施形態による撮像装置の増倍動作を示す信号波形図である。 【図8】図1に示した本発明の一実施形態による撮像装置における電子の読出し期間中の動作を説明するための断面図である。 【図9】図5に示した本発明の一実施形態による撮像装置の動作を示す信号波形図の読出し期間の拡大図である。 【図10】本発明の一実施形態の変形例による撮像装置の読出し期間の動作を示す信号波形図である。 【図11】従来のCMOS型の撮像装置の画素の構造を示した断面図である。 【図12】従来の一般的なCMOS型の撮像装置における読出し動作期間の信号波形図である。 【符号の説明】 【0044】 1 画素 11 p型シリコン基板 12 p型ウェル領域 13 フォトダイオード部(蓄積部) 14 フローティングディフュージョン(保持部) 15 リセットドレイン(リセット用電荷排出部) 17、18、19 転送ゲート電極(転送電極) 20 増倍ゲート電極(増倍電極) 20a 増倍部 21 読出ゲート電極(読出電極) 23 リセットゲート電極
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001889 【氏名又は名称】三洋電機株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年7月27日(2006.7.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100104433 【弁理士】 【氏名又は名称】宮園 博一
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| 【公開番号】 |
特開2008−35015(P2008−35015A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月14日(2008.2.14) |
| 【出願番号】 |
特願2006−204188(P2006−204188) |
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