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【発明の名称】 コンテンツ提供方法、コンテンツ提供方法のプログラム、コンテンツ提供方法のプログラムを記録した記録媒体及びコンテンツ提供装置
【発明者】 【氏名】黒木 義彦

【要約】 【課題】本発明は、例えばスポーツ番組等の映像コンテンツをユーザーに提供する場合に適用して、伝送するデータ量の増大を回避しつつ動画ボケ、ジャーキネスを防止して、引き気味の映像とズームアップした映像とを選択的にユーザーに提供することができるようにする。

【構成】本発明は、高解像度、ハイフレームレートの動画像データDVHを部分的に切り出してズームアップの動画像データDV2を作成すると共に、残りの部分の解像度、フレームを間引きして引き気味の動画像データDV1を生成し、これらズームアップの動画像データDV2、引き気味の動画像データDV1を伝送する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像コンテンツの動画像データを出力する動画像データ出力ステップと、
前記映像コンテンツの動画像データから一部領域の動画像データを選択し、ズームアップの動画像データを出力する動画像データ選択ステップと、
少なくとも前記一部領域を除く前記映像コンテンツの動画像データのフレーム及び画素を間引きし、引き気味の動画像データを出力する間引きステップと、
前記ズームアップの動画像データと、前記引き気味の動画像データとを出力するデータ出力ステップとを有する
ことを特徴とするコンテンツ提供方法。
【請求項2】
前記一部領域に含まれる被写体の動きを追跡する動き追跡のステップと、
前記動き追跡のステップの追跡結果に基づいて、前記被写体の動きに追従させて、前記一部領域を移動させる一部領域の移動ステップとを有する
ことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ提供方法。
【請求項3】
前記データ出力ステップは、
ネットワークを介して、前記ネットワークに接続された表示装置に前記ズームアップの動画像データと、前記引き気味の動画像データとを出力し、
前記一部領域が、
前記表示装置で指示された領域である
ことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ提供方法。
【請求項4】
前記映像コンテンツの動画像データが、フレーム周波数120〔Hz〕以上のビデオ信号である
ことを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ提供方法。
【請求項5】
映像コンテンツの動画像データを出力する動画像データ出力ステップと、
前記映像コンテンツの動画像データから一部領域の動画像データを選択し、ズームアップの動画像データを出力する動画像データ選択ステップと、
少なくとも前記一部領域を除く前記映像コンテンツの動画像データのフレーム及び画素を間引きし、引き気味の動画像データを出力する間引きステップと、
前記ズームアップの動画像データと、前記引き気味の動画像データとを出力するデータ出力ステップとを有する
ことを特徴とするコンテンツ提供方法のプログラム。
【請求項6】
映像コンテンツを提供するコンテンツ提供方法のプログラムを記録した記録媒体において、
前記コンテンツ提供方法のプログラムは、
映像コンテンツの動画像データを出力する動画像データ出力ステップと、
前記映像コンテンツの動画像データから一部領域の動画像データを選択し、ズームアップの動画像データを出力する動画像データ選択ステップと、
少なくとも前記一部領域を除く前記映像コンテンツの動画像データのフレーム及び画素を間引きし、引き気味の動画像データを出力する間引きステップと、
前記ズームアップの動画像データと、前記引き気味の動画像データとを出力するデータ出力ステップとを有する
ことを特徴とするコンテンツ提供方法のプログラムを記録した記録媒体。
【請求項7】
映像コンテンツの動画像データを出力する動画像データ出力部と、
前記映像コンテンツの動画像データから一部領域の動画像データを選択し、ズームアップの動画像データを出力する動画像データ選択部と、
少なくとも前記一部領域を除く前記映像コンテンツの動画像データのフレーム及び画素を間引きし、引き気味の動画像データを出力する間引き部と、
前記ズームアップの動画像データと、前記引き気味の動画像データを出力するデータ出力部とを備える
ことを特徴とするコンテンツ提供装置。
【請求項8】
ネットワークに接続されて、ホスト装置から出力される動画像データを表示するコンテンツ提供装置において、
前記ホスト装置は、
映像コンテンツの動画像データを出力する動画像データ出力部と、
前記映像コンテンツの動画像データから一部領域の動画像データを選択し、ズームアップの動画像データを出力する動画像データ選択部と、
少なくとも前記一部領域を除く前記映像コンテンツの動画像データのフレーム及び画素を間引きし、引き気味の動画像データを出力する間引き部と、
前記ズームアップの動画像データと、前記引き気味の動画像データを前記ネットワークに出力するデータ出力部とを備え、
前記コンテンツ提供装置は、
前記ズームアップの動画像データ、前記引き気味の動画像データを前記ネットワークから入力する入力部と、
前記入力部で入力した前記ズームアップの動画像データ、前記引き気味の動画像データを選択的に表示する表示部とを備える
ことを特徴とするコンテンツ提供装置。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ提供方法、コンテンツ提供方法のプログラム、コンテンツ提供方法のプログラムを記録した記録媒体及びコンテンツ提供装置に関し、例えばスポーツ番組等の映像コンテンツをユーザーに提供する場合に適用することができる。本発明は、高解像度、ハイフレームレートの動画像データを部分的に切り出してズームアップの動画像データを作成すると共に、残りの部分の解像度、フレームを間引きして引き気味の動画像データを生成し、これらズームアップの動画像データ、引き気味の動画像データを伝送することにより、伝送するデータ量の増大を回避しつつ動画ボケ、ジャーキネスを防止して、引き気味の映像とズームアップした映像とを選択的にユーザーに提供することができるようにする。
【背景技術】
【0002】
従来、NTSC(National Television System Committee)、HDTV(High Definition Television)のビデオ信号による動画像データは、フィールド周波数が60〔Hz〕又は59.94〔Hz〕に設定されており、PAL(Phase Alternation by Line )方式のビデオ信号による動画像データは、フィールド周波数が50〔Hz〕に設定されている。また映画は、一般に、フレーム周波数が24〔Hz〕に設定されている。
【0003】
このようなフィールド周波数、フレーム周波数による動画像データの表示では、動画ボケ、ジャーキネス(jerkiness )等の画質劣化が知られている。ここで動画ボケは、撮像系と表示系とで発生し、撮像系で発生する動画ボケは、移動する被写体を一定長の電荷蓄積時間で間欠的に撮影することで発生する。また表示系で発生する動画ボケは、いわゆるホールド型の表示ディバイスで発生する。なおここでホールド型の表示ディバイスは、例えば液晶表示パネルのように、各フレームの画像を1フレームの期間、表示し続けるディバイスである。表示系で発生する動画ボケは、フィルムの投影による映画、DLP(Digital Light Processing)による映画でも発生する。表示系で発生する動画ボケは、表示された移動物体を追従視する場合に、網膜スリップ(Retinal slip、視覚情報処理ハンドブック、朝倉書店、p. 393)と呼ばれる網膜上での像のずれが生じることで知覚される。
【0004】
従って撮像系で発生する動画ボケは、電荷蓄積時間を短くすることで防止することができ、また表示系で発生する動画ボケは、発光時間の短いインパルス応答側の表示ディバイスを使用することで防止することができる。
【0005】
しかしながら従来のフィールド周波数、フレーム周波数で、単に、電荷蓄積時間を短くし、発光時間の短いインパルス応答側の表示ディバイスを使用したのでは、ジャーキネスが知覚される。ここでジャーキネスは、動く被写体を撮影した場合に、この被写体の動きが離散的に見て取られる現象である。従って動画ボケを防止し、さらにはジャーキネスを防止するためには、フレーム周波数を増大させることが必要になると考えられる。
【0006】
このような動画像データの表示に関して、特開2005−215351号公報には、一部を切り出してズームアップ表示する構成が開示されている。
【0007】
ところでサッカー、アメリカンフットボール等のスポーツ中継では、複数台のテレビジョンカメラで撮影を分担し、これら複数台のテレビジョンカメラで得られる動画像データをキーイングして放送している。より具体的に、これらの中継では、例えば1台のテレビジョンカメラが、引き気味に、ピッチ、フィールドの全景、又はピッチ、フィールドの一部を撮影し、また他のテレビジョンカメラが、ズームアップしてボール、特定の選手等を追いかける。さらに試合開始直後、プレーが一時中断した直後、ズームアップした映像で被写体を追いかけることができなくなった場合等には、引き気味に撮影しているテレビジョンカメラの映像を放送する。
【0008】
このような映像コンテンツに関して、このような引き気味の映像とズームアップした映像との双方をユーザーに提供すれば、ユーザー側でこれら2種類の映像を選択的に表示したり、またこれら2種類の映像の双方を同時に表示したりすることができ、映像コンテンツの楽しみ方を増大させることができると考えられる。
【0009】
しかしながら単に、引き気味の映像とズームアップした映像との双方を伝送する場合、2系統の動画像データを伝送することになり、1系統の動画像データを伝送する場合に比して、2倍のデータ量を伝送しなければならなくなる問題がある。
【0010】
この問題を解決する1つの方法として、例えば特開2005−215351号公報の手法を適用して、引き気味の映像からズームアップした映像を切り出して提供する方法が考えられる。この方法によれば、伝送する動画像データは、1系統で済むことから、単に引き気味の映像とズームアップした映像との2系統の動画像データを伝送する場合に比して、伝送するデータ量を低減することができる。
【0011】
しかしながらこのようにしても、上述した動画ボケ、ジャーキネスを防止する場合には、引き気味の映像を表示する1系統の動画像データを高フレームレートで伝送することが必要になり、伝送するデータ量が増大する問題がある。
【特許文献1】特開2005−215351号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、伝送するデータ量の増大を回避しつつ動画ボケ、ジャーキネスを防止して、引き気味の映像とズームアップした映像とを選択的にユーザーに提供することができるコンテンツ提供方法、コンテンツ提供方法のプログラム、コンテンツ提供方法のプログラムを記録した記録媒体及びコンテンツ提供装置を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するため請求項1の発明は、コンテンツ提供方法に適用して、映像コンテンツの動画像データを出力する動画像データ出力ステップと、前記映像コンテンツの動画像データから一部領域の動画像データを選択し、ズームアップの動画像データを出力する動画像データ選択ステップと、少なくとも前記一部領域を除く前記映像コンテンツの動画像データのフレーム及び画素を間引きし、引き気味の動画像データを出力する間引きステップと、前記ズームアップの動画像データと、前記引き気味の動画像データとを出力するデータ出力ステップとを有するようにする。
【0014】
また請求項5の発明は、コンテンツ提供方法のプログラムに適用して、映像コンテンツの動画像データを出力する動画像データ出力ステップと、前記映像コンテンツの動画像データから一部領域の動画像データを選択し、ズームアップの動画像データを出力する動画像データ選択ステップと、少なくとも前記一部領域を除く前記映像コンテンツの動画像データのフレーム及び画素を間引きし、引き気味の動画像データを出力する間引きステップと、前記ズームアップの動画像データと、前記引き気味の動画像データとを出力するデータ出力ステップとを有するようにする。
【0015】
また請求項6の発明は、映像コンテンツを提供するコンテンツ提供方法のプログラムを記録した記録媒体に適用して、前記コンテンツ提供方法のプログラムは、映像コンテンツの動画像データを出力する動画像データ出力ステップと、前記映像コンテンツの動画像データから一部領域の動画像データを選択し、ズームアップの動画像データを出力する動画像データ選択ステップと、少なくとも前記一部領域を除く前記映像コンテンツの動画像データのフレーム及び画素を間引きし、引き気味の動画像データを出力する間引きステップと、前記ズームアップの動画像データと、前記引き気味の動画像データとを出力するデータ出力ステップとを有するようにする。
【0016】
また請求項7の発明は、コンテンツ提供装置に適用して、映像コンテンツの動画像データを出力する動画像データ出力部と、前記映像コンテンツの動画像データから一部領域の動画像データを選択し、ズームアップの動画像データを出力する動画像データ選択部と、少なくとも前記一部領域を除く前記映像コンテンツの動画像データのフレーム及び画素を間引きし、引き気味の動画像データを出力する間引き部と、前記ズームアップの動画像データと、前記引き気味の動画像データを出力するデータ出力部とを備えるようにする。
【0017】
また請求項8の発明は、ネットワークに接続されて、ホスト装置から出力される動画像データを表示するコンテンツ提供装置に適用して、前記ホスト装置は、映像コンテンツの動画像データを出力する動画像データ出力部と、前記映像コンテンツの動画像データから一部領域の動画像データを選択し、ズームアップの動画像データを出力する動画像データ選択部と、少なくとも前記一部領域を除く前記映像コンテンツの動画像データのフレーム及び画素を間引きし、引き気味の動画像データを前記ネットワークに出力する間引き部と、前記ズームアップの動画像データと、前記引き気味の動画像データを出力するデータ出力部とを備え、前記コンテンツ提供装置は、前記ズームアップの動画像データ、前記引き気味の動画像データを前記ネットワークから入力する入力部と、前記入力部で入力した前記ズームアップの動画像データ、前記引き気味の動画像データを選択的に表示する表示部とを備えるようにする。
【0018】
請求項1、請求項5、請求項6、請求項7又は請求項8の構成により、ズームアップの動画像データと、引き気味の動画像データとを出力すれば、これらズームアップの動画像データと引き気味の動画像データとを用いて、ズームアップした映像と引き気味の映像とをユーザーに提供することができる。また映像コンテンツの動画像データから選択した一部領域の動画像データがズームアップの動画像データであり、また少なくともこの一部領域を除く映像コンテンツの動画像データから引き気味の動画像データを生成することから、引き気味の映像とズームアップした映像との2系統の動画像データを単に伝送する場合に比して伝送に供するデータ量を低減することができる。また引き気味の映像に係る引き気味の動画像データをフレーム及び画素を間引きして作成することにより、映像コンテンツの動画像データを直接伝送して受信側でズームアップした映像と引き気味の映像とを生成するようにして動きボケ、ジャーキネスを防止する場合に比して、伝送に供するデータ量を低減して動画ボケ、ジャーキネスを防止することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、伝送するデータ量の増大を回避しつつ動画ボケ、ジャーキネスを防止して、引き気味の映像とズームアップした映像とを選択的にユーザーに提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、適宜図面を参照しながら本発明の実施例を詳述する。
【実施例1】
【0021】
(1)実施例の構成
図1は、本発明の実施例1の映像コンテンツ提供システムを示すブロック図である。この映像コンテンツ提供システム1は、ホスト装置2とユーザー端末装置3とをホームネットワーク4で接続し、図2(A)に示すように、引き気味の映像A1と、この引き気味の映像V1の一部領域を切り出したズームアップした映像V2とを選択的に表示可能に、ホスト装置2からユーザー端末3に映像コンテンツを提供し、さらにはユーザー端末装置3からユーザーに映像コンテンツを提供する。この映像コンテンツ提供システム1は、引き気味の映像V1からズームアップした映像V2を作成する一部領域の指定をユーザー端末装置3でユーザーから受け付ける。
【0022】
ここでホスト装置2において、記録再生装置11は、例えば大容量のハードディスク装置、光ディスクプレイヤー等であり、演算処理部16の制御に従って映像コンテンツの動画像データSVHを出力する。ここでこの動画像データSVHは、高解像度、ハイフレームレートのビデオ信号によるものである。動画像データSVHは、一部領域を切り出してズームアップした映像V2をユーザー端末装置3で全画面表示した場合でも、動画ボケ、ジャーキネスを防止可能なハイフレームレートの動画像データである。動画像データは、フレーム周波数を50〔フレーム/sec〕以上とすれば、動画ボケ、ジャーキネスを低減することができ、フレーム周波数を120〔フレーム/sec〕以上とすれば、動画ボケ、ジャーキネスを知覚困難とすることができる。この実施例において、記録再生装置11は、フレーム周波数120〔フレーム/sec〕で動画像データSVHを出力する。
【0023】
また動画像データSVHは、一部領域を切り出してズームアップの映像V2をユーザー端末装置3で全画面表示した場合でも、このズームアップの映像V2を十分な解像度で全画面表示可能な高解像度の動画像データである。動画像データSVHは、好ましくはVGA(Video Graphics Array)以上の解像度であることが望まれ、さらにより好ましくは、HDTV(High Definition Television)以上の解像度とすることが望まれる。
【0024】
間引き部12は、この動画像データSVHの画素、フレームを間引きして動画像データSV1を出力する。ここでこの映像コンテンツ提供システム1では、動画像データSVHから一部領域を切り出してズームアップの映像V2を作成することから、この一部領域をユーザー端末装置3で全画面表示する場合に比して、動画像データSVHをユーザー端末装置3で全画面表示する場合(V1)、当然に被写体の動きが小さくなり、動画ボケ、ジャーキネスに対する余裕が大きくなる。また解像度の劣化についても、一部領域をユーザー端末装置3で全画面表示する場合に比して、動画像データSVHをユーザー端末装置3で全画面表示する場合の方が余裕が大きくなる。間引き部12は、この動画ボケ、ジャーキネスに対する余裕が大きい分、動画像データSVHのフレームを間引きする。また解像度の劣化についての余裕が大きい分、動画像データSVHの画素を間引きする。なおこの画素、フレームの間引きは、実用上十分な特性を確保することができる場合には、種々の間引き率に設定することができる。
【0025】
エンコーダ13は、間引き部12から出力される動画像データSV1をデータ圧縮して符号化データDV1を生成する。なおこのデータ圧縮には、例えばMPEG(Moving Picture Experts Group)−4の手法等を適用することができる。ホスト装置2は、この符号化データDV1を引き気味の映像V1としてユーザー端末装置3に提供する。
【0026】
インターフェース(I/F)14は、エンコーダ13から出力される符号化データDV1を、エンコーダ15から出力される符号化データDV2と共にホームネットワーク4に送出する。またホームネットワーク4からユーザー端末装置3の各種リクエストRQを受信し、受信したリクエストRQを演算処理部16等に通知する。ここでこの実施例では、このユーザー端末装置3からのリクエストRQが、引き気味の映像V1からズームアップの映像V2を切り出す領域の指定等である。
【0027】
選択部17は、演算処理部16からの指示に従って動画像データSVHから一定領域の動画像データを選択し、ズームアップの映像V2を表示するズームアップの動画像データSV2を出力する。
【0028】
エンコーダ15は、エンコーダ13と同様に、このズームアップの動画像データSV2をデータ圧縮処理し、その処理結果である符号化データDV2を出力する。
【0029】
演算処理部16は、図示しない記録手段に記録されたプログラムを実行してホスト装置2の動作を制御する演算処理手段である。なおこの実施例において、このプログラムは、このサーバー3に事前にインストールされて提供されるものの、これに代えて光ディスク、磁気ディスク、メモリカード等の記録媒体に記録して提供するようにしてもよく、またインターネット等のネットワークを介したダウンロードにより提供するようにしてもよい。また間引き部12、エンコーダ13、15、選択部17を、この演算処理部16の機能ブロックとして構成してもよい。
【0030】
すなわち演算処理部16は、ユーザー端末装置3から再生可能な映像コンテンツの通知がリクエストされると、記録再生装置11に記録された映像コンテンツのタイトルをユーザー端末装置3に通知する。またこの通知によりユーザー端末装置3から映像コンテンツの再生が指示されると、ユーザー端末装置3で指示された映像コンテンツを再生するように記録再生装置11の動作を制御する。またこの記録再生装置11から出力される映像コンテンツの動画像データSVHを間引き部12、エンコーダ13で順次処理してユーザー端末装置3に提供する。これにより演算処理部16は、引き気味の映像V1をユーザー端末装置3に提供する。
【0031】
このようにして引き気味の映像V1をユーザー端末装置3に提供した状態で、ユーザー端末装置3からズームアップ映像V2のリクエストが得られると、演算処理部16は、図3に示す処理手順を開始する。すなわち演算処理部16は、この処理手順を開始すると、ステップSP1からステップSP2に移る。ここで演算処理部16は、記録再生装置11における映像コンテンツの再生を一時停止し、現在出力中のフレームの動画像データを繰り返し出力するように間引き部12の動作を設定する。これにより演算処理部16は、現在提供中の映像コンテンツを静止画に切り換える。なおこの静止画による映像コンテンツの出力は、記録再生部11の制御により実行してもよい。
【0032】
この状態で、演算処理部16は、ズームアップの映像V2を作成する一部領域の設定をユーザー端末装置3から受け付ける。なおここでこの設定の受け付けは、例えば現在ユーザー端末装置3に提供している静止画において、この一部領域の中央の座標の入力を受け付けて実行される。なおこの一部領域の受け付けは、結局、ズームアップの映像V2で表示する被写体を特定するものである。従って、この一部領域の中央の座標に代えて、直接、このズームアップの映像V2で表示する被写体の座標により、一部領域の設定を受け付けるようにしてもよい。また例えば対角方向の端点の指定により、この一部領域の設定を受け付けるようにしてもよい。演算処理部16は、間引き回路12から出力される動画像データSV1を解析し、この一部領域の中から追跡対象の被写体を検出する。
【0033】
続いて演算処理部16は、ステップSP4に移り、記録再生装置11に映像コンテンツの再生再開を指示し、動画による映像コンテンツの提供を再開する。また続くステップSP5において、間引き回路12から出力される動画像データSV1を解析し、ステップSP3で検出した被写体の追跡を開始する。なおここでこれらの被写体の検出、追跡は、例えばテンプレートマッチングを利用した被写体の検出、追跡、特徴点を利用した被写体の検出、追跡等、各種の手法を適用することができる。またさらに演算処理部16は、選択部17、エンコーダ15に動作の開始を指示し、ズームアップ映像V2の出力開始を指示する。
【0034】
続いて演算処理部16は、ステップSP6に移り、ここで被写体の追跡を次フレームで成功したか否か判定し、ここで肯定結果が得られると、ステップSP6からステップSP7に移る。ここで動画像データSV1で検出される現フレームから次フレームまでの、ユーザーが指示した追跡対象の被写体の移動量から、間引き前の動画像データSVHにおけるこの被写体の連続するフレーム間の移動量を計算する。なおこの実施例では、動画像データSV1と動画像データSVHとのフレーム周波数の比で、動画像データSV1で検出される現フレームから次フレームまでの被写体の移動量を割り算して、この動画像データSVHにおける移動量を計算する。
【0035】
続いて演算処理部16は、ステップSP8に移り、ステップSP8で計算した移動量に基づいて、動画像データSV1の現フレームから次フレームまでの間の期間で、動画像データSVHのフレーム毎に、追跡対象の被写体の動きに追従してこの一部領域が移動するように、動画像データSVHから切り出す一部領域の座標を計算し、この計算した各フレームの座標を選択部17に順次通知する。これによりホスト装置2は、図2(B)において符号V2−1〜V2−3で示すように、被写体の移動を追跡するようにズームアップの映像を作成する一部領域を可変して、ズームアップの映像V2による動画像データSV2を生成する。
【0036】
なお演算処理部16は、このステップSP8の処理において、一定の範囲でズームアップの映像V2を作成する一部領域の可動範囲を制限し、この一部領域が動画像データSVHの画枠を飛び出さないようにする。
【0037】
演算処理部16は、ステップSP8の処理を完了すると、ステップSP9に移り、ユーザー端末装置3からズームアップ映像V2の提供終了が指示されたか否か判断し、ここで否定結果が得られると、ステップSP9からステップSP6に移る。これに対してステップSP9で肯定結果が得られると、ステップSP9からステップSP10に移り、この処理手順を終了する。
【0038】
これに対してステップSP6で否定結果が得られると、演算処理部16は、ステップSP6からステップSP11に移り、現在のフレームで設定している一部領域の中心位置を可変することなく、この一部領域を順次拡大させ、これによりズームアップの映像V2をズームダウンさせ、ステップSP9に移る。なおこの場合、選択部12は、補間演算処理によりこの一部領域を拡大させても、動画像データSV2の解像が変化しないようにする。
【0039】
図4は、ユーザー端末装置3の構成を詳細に示すブロック図である。ユーザー端末装置3において、インターフェース(I/F)21は、ホームネットワーク4を介して入力される符号化データDV1、DV2をデコーダ22、23に出力し、またコントローラ24から出力される各種のリクエストRQをホスト装置2に通知する。
【0040】
デコーダ23、24は、それぞれ符号化データDV1、DV2をデコードして動画像データSV1、SV2を出力する。
【0041】
表示部26は、例えば液晶表示装置により形成され、画像処理部25から出力される動画像データによる映像を表示する。
【0042】
画像処理部25は、コントローラ24の制御により動作を切り換え、動画像データSV1、SV2を選択的に出力し、図5(A)又は(B)に示すように、表示部26に引き気味の映像V1又はズームアップした映像V2を全画面表示する。また図5(C)に示すように、引き気味の映像V1を全画面表示している場合には、ズームアップした映像V2を切り出す領域に枠W1を表示する。またコントローラ24からピクチャーインピクチャーによる表示が指示されると、図5(D)に示すように、ズームアップした映像V2を全画面表示した状態で、引き気味の映像V1を子画面により表示する。またこのピクチャーインピクチャーによる表示では、前置補間の手法により、動画像データSV1による引き気味の映像V1のフレーム周波数を増大させ、動画像データSV2によるズームアップした映像V2のフレーム周波数と一致するように設定してこれら映像V1及びV2を表示する。
【0043】
リモートコマンダ(リモコン)27は、このユーザー端末装置3の遠隔制御装置であり、赤外線又は無線電波等による遠隔制御信号を出力する。
【0044】
コントローラ24は、図示しないメモリに記録されたプログラムの実行により、リモートコマンダ27の操作に応動してこのユーザー端末装置3の動作を制御する制御手段である。なおこの実施例において、このプログラムは、このユーザー端末装置3に事前にインストールされて提供されるものの、これに代えて光ディスク、磁気ディスク、メモリカード等の記録媒体に記録して提供するようにしてもよく、またインターネット等のネットワークを介したダウンロードにより提供するようにしてもよい。またデコーダ22、23、画像処理部25を、このコントローラ27を構成する演算処理手段の機能ブロックとして構成してもよい。
【0045】
図6は、このコントローラ24の処理手順を示すフローチャートである。コントローラ24は、リモートコマンダ27の操作によりユーザーが映像コンテンツの再生を指示すると、ステップSP11からステップSP12に移り、ホスト装置2に提供可能な映像コンテンツの一覧をリクエストする。またこのリクエストによりホスト装置2から提供される映像コンテンツの一覧を表示部26で表示し、ユーザーによる映像コンテンツの選択を受け付ける。
【0046】
続いてコントローラ24は、ステップSP13に移り、ユーザーの選択した映像コンテンツの再生をホスト装置2にリクエストし、ホスト装置3から出力される符号化データDV1による映像コンテンツを表示部26で表示する。これによりコントローラ24は、映像コンテンツの提供を開始する。
【0047】
続いてコントローラ24は、ステップSP14に移り、リモートコマンダ27をユーザーが操作してズームアップの映像表示をユーザーが指示したか否か判断する。ここで否定結果が得られると、コントローラ24は、ステップSP14からステップSP21に移り、リモートコマンダ27をユーザーが操作して映像コンテンツの再生終了をユーザーが指示したか否か判断する。ここで否定結果が得られると、コントローラ24は、ステップSP21からステップSP14に戻るのに対し、肯定結果が得られると、ホスト装置2に映像コンテンツの再生終了を指示し、ステップSP21からステップSP22に移り、この処理手順を終了する。
【0048】
これに対してステップSP14で肯定結果が得られると、コントローラ24は、ステップSP14からステップSP15に移る。ここでコントローラ24は、ホスト装置2に静止画の出力をリクエストし、ホスト装置2における動作の切り換えにより静止画を表示する。またこの静止画の上にカーソルを表示する。
【0049】
また続くステップSP16において、リモートコマンダ27の操作に応動してこの静止画上に表示したカーソルの位置を移動させ、ズームアップ映像を再生する一部領域の設定を受け付ける。コントローラ24は、この設定の受け付けにより入力された座標値をホスト装置2に通知し、ズームアップ映像を再生する一部領域の座標をホスト装置2に通知する。
【0050】
続いてコントローラ24は、ステップSP17に移り、デコーダ23に動作の立ち上げを指示し、これによりホスト装置2から伝送される符号化データDV1及びDV2をそれぞれデコーダ22、23でデコードするように設定する。また画像処理部25にピクチャーインピクチャーの表示を指示し、この場合、図5(D)に示すように、ズームアップの映像V2を全画面表示し、その左下隅に、引き気味の映像V1を子画面表示する。
【0051】
続いてコントローラ24は、ステップSP18に移り、ユーザーがリモートコマンダ27を操作して表示切り換えを指示したか否か判断し、ここで肯定結果が得られると、ステップSP18からステップSP19に移り、画像処理部25の設定を切り換えて表示部26の表示を切り換えた後、ステップSP20に移る。なおここでこの表示部26の表示の切り換えは、例えば、図5(B)に示すズームアップ映像の全画面表示、図5(C)に示す引き気味の映像の全画面表示、図5(D)に示すピクチャーインピクチャー表示で、ユーザーの操作に応動して順次循環的に表示を切り換える等の処理である。
【0052】
これに対してステップSP18で否定結果が得られると、コントローラ24は、ステップSP18から直接ステップSP20に移る。このステップSP20において、コントローラ24は、ズームアップ映像の表示終了をユーザーが指示したか否か判断し、ここで肯定結果が得られると、ホスト装置2にズームアップ映像の出力中止を指示した後、ステップSP14に戻る。これに対してステップSP20で否定結果が得られると、ステップSP20からステップSP18に戻る。
【0053】
これらによりこの映像コントローラ提供システム1では、図7に示すように、ズームアップ映像を作成する一部領域を特定する情報をモニタ側であるユーザー端末装置3からホスト装置3に通知し、この一部領域については、動画像データDVHの全画素、全フレームで動画像データSV2を伝送し、他の部分については、画素間引き、フレーム間引きして動画像データSV1を伝送する。なおこの実施例において、引き気味の映像を伝送する動画像データSV1は、ズームアップ映像を作成する一部領域についても映像を伝送するように構成されているものの、例えばエンコーダ13における制御コードの設定により、この一部領域については符号化データを伝送しないようにして、さらに一段と伝送するデータ量を低減するようにしてもよい。なおこの場合、画像処理部25側で動画像データSV2を用いてこの一部領域の画像データを補間することが必要になる。
【0054】
これらにより動画像データSVHによる映像の1/sの一部領域を切り出して動画像データSV2により伝送する場合、それぞれ画素間引き率及びフレーム間引き率をm及びnと置くと、動画像データSVHを直接伝送する場合に比して、全体として伝送量を(1/S+((S−1)/S)×(1/n)×(1/m))に低減することができる。ここで具体的にs=4、n=4、m=4の場合、この伝送量は19/64となり、伝送量を約1/3に低減することができる。
【0055】
(2)実施例の動作
以上の構成において、この映像コンテンツ提供システム1では(図1及び図4)、ユーザー端末装置3からのリクエストにより、ホスト装置2の記録再生装置11で映像コンテンツの動画像データSVH及びオーディオ信号が再生され、この動画像データSVH及びオーディオ信号がユーザー端末装置3に伝送され、これによりホスト装置2に蓄積した大量の映像コンテンツからユーザーの所望する映像コンテンツをユーザー端末装置3で視聴することが可能となる。
【0056】
ここでこのようにしてユーザー端末装置3から提供する映像コンテンツは、例えばスポーツ中継番組を録画した映像コンテンツである場合もあり、この場合、ユーザーは、例えばお気に入りの選手を追いかけて、このお気に入りの選手をズームアップして見たい場合がある。またボールの動きを追いかけてズームアップして見たい場合もある。
【0057】
そこでこの映像コンテンツ提供システム1では、ユーザー端末装置3において、ユーザーがリモートコマンダ27を操作してズームアップ映像の表示を指示すると、動画による映像コンテンツが静止画で表示され、この静止画における領域の指定により、ズームアップする領域の設定が受け付けられる。またこのズームアップする領域がホスト装置2に通知され、ホスト装置2では、記録再生装置11で再生される映像コンテンツの動画像データSVHから、この指定された領域の動画像データSV2が切り出され、この動画像データSV2が、動画像データSV1と共にユーザー端末装置3に伝送される。これによりこの映像コンテンツ提供システム1では、ユーザー端末装置3で表示に供する動画像データを切り換えて、所望する箇所のズームアップ映像を全画面で表示したり、全体の映像を全画面で表示したりすることができ、さらにはこれらをピクチャーインピクチャーで表示したりすることができ、従来に比して一段と使い勝手を向上することができる。
【0058】
しかしながらこのようにして単に、記録再生装置11で再生される映像コンテンツの動画像データSVHから、指定された領域の動画像データSV2を切り出して伝送したのでは、伝送するデータ量が膨大になる。特に、この切り出して生成する動画像データSV2で動画ボケ、ジャーキネスが発生しないようにするためには、元の動画像データSVHを極めて高解像度により生成し、さらにはハイフレームレートで生成することが必要になり、この元の動画像データDVHまで伝送する場合には伝送するデータ量が膨大になる。
【0059】
この問題を解決する1つの方法として、動画像データSV2の切り出しをユーザー端末装置3側で実行することも考えられるが、この場合、この切り出した映像で動画ボケ、ジャーキネスが発生しないようにするためには、元の動画像データSVHを極めて高解像度により生成し、さらにはハイフレームレートで生成することが必要になり、この場合も伝送するデータ量が膨大になる。
【0060】
そこでこの実施例では、この切り出して生成する動画像データSV2で動画ボケ、ジャーキネスが発生しないように、高解像度、ハイフレームレートの動画像データSVHで映像コンテンツが記録される。またこのハイフレームレートの動画像データSVHについては、画素間引き及びフレーム間引きして動画像データSV1を生成し、この動画像データSV1がユーザー端末装置3に伝送される。
【0061】
これによりこの映像コンテンツ提供システム1では、伝送するデータ量の増大を回避しつつ動画ボケ、ジャーキネスを防止して、引き気味の映像とズームアップした映像とを選択的にユーザーに提供することができる
すなわちホスト装置3では、ユーザーが指定した一部領域に含まれる被写体が検出されて、ズームアップの映像の追跡対象が検出される。またこの追跡対象を追跡するように、ズームアップの映像を作成する一部領域を移動させ、これによりユーザーの所望する選手等のズームアップ映像をユーザー端末装置3で表示することができる。この実施例では、この追跡対象の検出、追跡が、解像度、フレームレートを低減したビデオ信号SV1を用いて実行され、これによりズームアップ映像、引き気味の映像をユーザーに提供する構成を有効に利用して、簡易な処理により所望する被写体を追跡してズームアップ映像を表示することができる。
【0062】
また追跡することが困難となった場合には、ズームアップ映像を作成する一部領域の大きさが拡大され、この場合、所望する被写体を追跡するように、ズームアップ映像の画枠を移動させることは困難なものの、ズームアップ映像としては所望する被写体を概ね捕らえることができる。また所望する被写体を捕らえない場合でも、違和感の無い映像を表示することができる。すなわち例えば野球の打球をテレビジョンカメラで追跡する場合、アメリカンフットボールでボールをテレビジョンカメラで追跡する場合等にあっては、操作に慣れたカメラマンですら打球、ボールの動きを追跡できない場合がある。この場合、カメラマンは、打球、ボールを捕らえなくなると、一旦、ズームダウンして追跡対象を画枠に捕らえ直し、追跡対象にズームインする。従って追跡することが困難となった場合に、ズームアップ映像を作成する一部領域の大きさを拡大すれば、このようなカメラマンの操作を再現して違和感無くズームアップ映像を表示することができる。
【0063】
(3)実施例の効果
以上の構成によれば、高解像度、ハイフレームレートの動画像データを部分的に切り出してズームアップの動画像データを作成すると共に、残りの部分の解像度、フレームを間引きして引き気味の動画像データを生成し、これらズームアップの動画像データ、引き気味の動画像データを伝送することにより、伝送するデータ量の増大を回避しつつ動画ボケ、ジャーキネスを防止して、引き気味の映像とズームアップした映像とを選択的にユーザーに提供することができる。
【0064】
またズームアップの動画像データを作成する一部領域に含まれる被写体の動きを追跡し、この被写体の動きに追従させて、この一部領域を移動させることにより、所望する被写体を追跡するようにズームアップ映像を表示することができる。
【0065】
また表示装置側であるユーザー端末装置3で引き気味の映像を表示し、この表示装置でズームアップ映像を作成する一部領域の設定を受け付けることにより、ユーザーの所望する被写体のズームアップ映像を表示することができる。
【0066】
またより具体的に、ズームアップ映像の生成元である映像コンテンツの動画像データが、フレーム周波数120〔Hz〕以上のビデオ信号であることにより、確実に動画ボケ、ジャーキネスを防止することができる。
【実施例2】
【0067】
図8は、本発明の実施例2の映像コンテンツ提供システムを示すブロック図である。この映像コンテンツ提供システム31は、テレビジョンカメラ33で高解像度、ハイフレームレートの動画像データDVHを撮影し、この動画像データDVHによる映像コンテンツを通信網35を介してユーザー端末装置36に提供する。なおここで放送網35は、例えば受信側とインタラクティブにデータ通信可能な放送網、インターネット等のネットワークが適用される。
【0068】
ここでホスト装置32は、実施例1のホスト装置2と同様に、ユーザー端末装置36からのリクエストにより、テレビジョンカメラ33で撮影した動画像データSVHからズームアップの動画像データを生成し、引き気味の動画像データと共に、ユーザー端末装置36に送出する。ここでこの実施例では、リアルタイムで得られるテレビジョンカメラ33の動画像データSVHがズームアップの動画像データの生成元であることから、ホスト装置32は、常時、引き気味の動画像データを解析し、この引き気味の動画像データによる各被写体について、それぞれ動きを追跡する。またこの動き追跡結果に基づいて、各被写体の位置情報を引き気味の動画像データのタイムコードと共に記録して保持する。
【0069】
またユーザー端末装置36は、この引き気味の動画像データによる映像を表示して、ユーザーがズームアップの映像表示を指示すると、それまで表示している引き気味の映像を静止画で表示し、この静止画上で、ズームアップの映像で追跡する対象の選択を受け付ける。ユーザー端末装置36は、この静止画表示した映像のタイムコードと、追跡対象の被写体の座標値とをホスト装置32に通知する。
【0070】
ホスト装置32は、この通知されたタイムコード、座標値で、記録して保持した各被写体の位置情報を検索し、この検索結果から現フレームにおける追跡対象の座標を検出する。またこの検出した座標からズームアップ映像を生成する一部領域を順次計算し、この計算結果に基づいて動画像データDVHを選択してズームアップの動画像データを出力する。この映像コンテンツ提供システムは、このズームアップ映像を切り出す一部領域の設定方法が異なる点を除いて、実施例1の映像コンテンツ提供システム1と同一に構成される。
【0071】
この実施例によれば、映像コンテンツがリアルタイムの動画像データによるものの場合でも、実施例1と同様の効果を得ることができる。
【実施例3】
【0072】
なお上述の実施例においては、静止画を表示して、ズームアップ映像による追跡対象の設定を受け付ける場合について述べたが、本発明はこれに限らず、実用上十分に確実に追跡対象を入力することができる場合には、動画を表示した状態で、追跡対象の設定を受け付けるようにしてもよい。
【0073】
また上述の実施例においては、ズームアップの映像を切り出す一部領域をも含めて、引き気味の動画像データを伝送するようにして、ズームアップの動画像データと引き気味の動画像データとをそれぞれ符号化処理して伝送する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ズームアップの映像を切り出す一部領域を除く領域のみについて引き気味の動画像データを伝送するようにして、これらズームアップの動画像データと引き気味の動画像データとをまとめて符号化処理するようにしてもよい。
【0074】
また上述の実施例においては、一定の間引き率で画素、フレームを間引く場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば伝送路の使用可能な帯域に応じて間引き率を動的に可変するようにしてもよい。またユーザー端末装置側で、ズームアップの映像、引き気味の映像の何れかを選択的に視聴している場合には、視聴していない側の映像については、動画像データの出力を中止するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、例えばスポーツ番組等の映像コンテンツをユーザーに提供する場合に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の実施例1の映像コンテンツ提供システムを示すブロック図である。
【図2】図1の映像コンテンツ提供システムによるズームアップの映像の説明に供する平面図である。
【図3】図1の映像コンテンツ提供システムにおける演算処理部の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施例1の映像コンテンツ提供システムにおけるユーザー端末装置を詳細に示すブロック図である。
【図5】図4のユーザー端末装置における表示画面を示す平面図である。
【図6】図4のユーザー端末装置におけるコントローラの処理手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施例1の映像コンテンツ提供システムにおける動画像データの処理手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施例2の映像コンテンツ提供システムを示すブロック図である。
【符号の説明】
【0077】
1、31……映像コンテンツ提供システム、2、32……ホスト装置、3、36……ユーザー端末装置、4……ホームネットワーク、11……記録再生装置、12……間引き部、13、15……エンコーダ、16……演算処理部、17……選択部、22、23……デコーダ、24……コントローラ、25……画像処理部、26……表示部


【出願人】 【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニー株式会社
【出願日】 平成18年7月27日(2006.7.27)
【代理人】 【識別番号】100102185
【弁理士】
【氏名又は名称】多田 繁範


【公開番号】 特開2008−35006(P2008−35006A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−204124(P2006−204124)