| 【発明の名称】 |
車両用放送受信装置及び車両用放送受信方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】杉本 聡志
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| 【要約】 |
【課題】本発明は、視聴中のチャンネルの受信品質の維持を図りつつ、受信チャンネルを切り替えた後にデータ放送を表示するまでに要する時間を短縮することができる車両用放送受信装置及び車両用放送受信方法の提供を目的とする。
【構成】デジタル放送の受信用にそれぞれチューナと復調部を有する2つのフロントエンド10,20と、フロントエンド10,20を用いて受信したチャンネルのデータ放送に含まれる情報を記憶する記憶手段とを有する車両用放送受信装置であって、フロントエンド10,20を用いて受信したデジタル放送の受信状況の良否を判断するマイコン100と、2つのフロントエンドのうち少なくとも一つを、受信状況が良好と判断された受信チャンネルと異なるチャンネルのデータ放送を受信するものに割り当てる切替制御部80と、を備えることを特徴とする、車両用放送受信装置。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 デジタル放送を受信する複数の受信手段と、 前記受信手段を用いて受信したチャンネルのデータ放送に含まれる情報を記憶する記憶手段とを有する車両用放送受信装置であって、 前記複数の受信手段を用いて受信したデジタル放送の受信状況の良否を判断する判断手段と、 前記複数の受信手段のうち少なくとも一つを、前記判断手段によって前記受信状況が良好と判断された受信チャンネルと異なるチャンネルのデータ放送を受信する受信手段に割り当てる切替手段と、を備えることを特徴とする、車両用放送受信装置。 【請求項2】 車両の位置情報を取得する位置情報取得手段を備え、 前記受信手段は、前記位置情報取得手段によって取得した位置情報に対応する地点において提供されるチャンネルの中から前記異なるチャンネルを選択する、請求項1に記載の車両用放送受信装置。 【請求項3】 前記受信手段は、ユーザの各チャンネルの受信履歴に基づいて前記異なるチャンネルを選択する、1または2に記載の車両用放送受信装置。 【請求項4】 前記判断手段は、デジタル放送のエラー情報に基づいて前記受信状況の良否を判断し、エラーの度合が所定値以下の場合に前記受信状況が良好と判断する、請求項1から3のいずれかに記載の車両用放送受信装置。 【請求項5】 前記判断手段は、車速に基づいて前記受信状況の良否を判断し、所定の車速以下の場合に前記受信状況が良好と判断する、請求項1から3のいずれかに記載の車両用放送受信装置。 【請求項6】 デジタル放送を複数の受信手段を用いて受信し、受信チャンネルのデータ放送に含まれる情報を記憶手段に記憶する、車両用放送受信方法であって、 前記受信手段を用いて受信したデジタル放送の受信状況の良否を判断するステップと、 前記複数の受信手段のうち少なくとも一つを、前記受信状況が良好と判断された受信チャンネルと異なるチャンネルのデータ放送を受信する受信手段に割り当てるステップと、を備えることを特徴とする、車両用放送受信方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、車両用放送受信装置及び車両用放送受信方法に関し、より詳細には、デジタル放送を受信する車両用の放送受信技術に関する。 【背景技術】 【0002】 チューナと復調部からなるフロントエンドを複数有する放送受信装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この放送受信装置は、スキャニングの対象となる周波数帯をフロントエンドの数で分割して、各分割周波数帯をそれらの複数のフロントエンドで並列スキャンニング処理させることにより、全放送局の選局情報データおよび番組情報データを取得し、スキャニング時間の短縮を図るものである。 【特許文献1】特開2003−333441号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 ところで、デジタル放送を受信する受信装置は、現在受信しているチャンネルのデータ放送をユーザが見ていない場合でもユーザからの要求があれば遅滞なくそのデータ放送を表示させることができるように、現在受信しているチャンネルのデータ放送をユーザがそのチャンネルのテレビ映像を見ている裏でメモリに蓄積している。 【0004】 しかしながら、ユーザがチャンネルを変更した直後ではメモリにはその変更後のチャンネルのデータ放送がほとんど蓄積されていないため、ユーザがチャンネルを変更直後にその変更後のチャンネルのデータ放送を見ようとしてもその表示が遅れてしまうおそれがある。 【0005】 この点、上述の従来技術では、チューナと復調部からなるフロントエンドを複数備え、デジタル放送の受信の対象となる周波数帯を複数に分割することによって、複数のチャンネルのデジタル放送の受信を並列処理することを可能としているものの、デジタル放送を受信する受信装置を車両に搭載する場合、車両の移動によって受信状況が変化するため、受信状況が良好ではない場所で現在視聴していないチャンネルのデジタル放送を受信するためにフロントエンドを分割してしまうと、視聴中のチャンネルの受信品質が複数のフロントエンドで受信している場合に比べ劣ってしまうおそれがある。 【0006】 そこで、本発明は、視聴中のチャンネルの受信品質の維持を図りつつ、受信チャンネルを切り替えた後にデータ放送を表示するまでに要する時間を短縮することができる、車両用放送受信装置及び車両用放送受信方法の提供を目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0007】 上記目的を達成するため、本発明の車両用放送受信装置は、 デジタル放送を受信する複数の受信手段と、 前記受信手段を用いて受信したチャンネルのデータ放送に含まれる情報を記憶する記憶手段とを有する車両用放送受信装置であって、 前記複数の受信手段を用いて受信したデジタル放送の受信状況の良否を判断する判断手段と、 前記複数の受信手段のうち少なくとも一つを、前記判断手段によって前記受信状況が良好と判断された受信チャンネルと異なるチャンネルのデータ放送を受信する受信手段に割り当てる切替手段と、を備えることを特徴とする。 【0008】 すなわち、受信状況が良好と判断されたチャンネルを受信する受信手段の数を減らして、その減らした分を現受信チャンネルと異なるチャンネルのデータ放送の受信に割り当てることによって、その異なるチャンネルのデータ放送に含まれる情報が前記記憶手段に記憶できるようになるので、現視聴中のチャンネルの受信品質の維持を図りつつ、現受信チャンネルを切り替えた直後でも速やかにその切り替え後のチャンネルのデータ放送を表示することができる。 【0009】 ここで、本発明に係る車両用放送受信装置は、車両の位置情報を取得する位置情報取得手段を備え、前記受信手段は、前記位置情報取得手段によって取得した位置情報に対応する地点において提供されるチャンネルの中から前記異なるチャンネルを選択すると好適である。また、前記受信手段は、ユーザの各チャンネルの受信履歴に基づいて前記異なるチャンネルを選択するようにしてもよい。 【0010】 また、前記判断手段は、デジタル放送のエラー情報に基づいて前記受信状況の良否を判断し、エラーの度合が所定値以下の場合に前記受信状況が良好と判断すると好適である。デジタル放送のエラー情報には、リードソロモン符号(RS)のエラー率やビットエラーレート(BER)などがあり、このようなエラー情報を検知し利用することによって前記受信状況の良否判断がしやすくなる。 【0011】 また、前記判断手段は、車速に基づいて前記受信状況の良否を判断し、所定の車速以下の場合に前記受信状況が良好と判断するようにしてもよい。移動可能な車両においてデジタル放送を受信する場合、中高速の走行状態に比べ受信しやすい低車速状態や停車状態のほうが、受信状況としては良好である。したがって、例えば、車速が低車速状態あるいは停車状態を示す所定の車速以下の場合に前記受信状況が良好と判断されるようにすることができる。 【0012】 また、上記目的を達成するため、本発明の車両用放送受信方法は、 デジタル放送を複数の受信手段を用いて受信し、受信チャンネルのデータ放送に含まれる情報を記憶手段に記憶する、車両用放送受信方法であって、 前記受信手段を用いて受信したデジタル放送の受信状況の良否を判断するステップと、 前記複数の受信手段のうち少なくとも一つを、前記受信状況が良好と判断された受信チャンネルと異なるチャンネルのデータ放送を受信する受信手段に割り当てるステップと、を備えることを特徴とする。 【発明の効果】 【0013】 本発明によれば、視聴中のチャンネルの受信品質の維持を図りつつ、受信チャンネルを切り替えた後にデータ放送を表示するまでに要する時間を短縮することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0014】 以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。図1は、本発明に係る、デジタル放送を受信する車両用放送受信装置の一実施形態を示すブロック図である。地上デジタル放送の場合、UHF帯(470MHz〜770MHz)のチャンネル(13ch〜62ch)を使用する。地上デジタル放送では一つの放送事業者が1周波数チャンネル約6MHzの帯域を使用し、各放送事業者がTS(Transport Stream)を構成する電波によって放送を行う。 【0015】 デジタル放送を受信する本実施形態の車両用放送受信装置は、チューナと復調部をそれぞれ構成する複数のフロントエンドと呼ばれる受信手段を有する。本実施形態では、フロントエンド10とフロントエンド20の2系統のフロントエンドを有する。フロントエンド10は第1チューナ11と第1復調部12を構成し、フロントエンド20は第2チューナ21と第2復調部22を構成する。 【0016】 各放送事業者が基幹放送所や中継放送所を介して送信した電波はアンテナ13及び23で受信され、そのデジタル放送信号は所望のチャンネルにチューニングする第1チューナ11及び第2チューナ21に入力される。第1チューナ11及び第2チューナ21に対するチャンネルの指定は、ユーザが受信チャンネルを選択操作可能なリモコンやタッチパネルディスプレイなどのユーザ入力装置130からの選択チャンネル情報に基づいて行われる。ユーザがユーザ入力装置130に対してチャンネルの選択操作を行うと、第1チューナ11及び第2チューナ21は、その選択操作されたチャンネルに対応する周波数にチューニングする。第1復調部12及び第2復調部22は、第1チューナ11及び第2チューナ21によってチューニングされたデジタル放送信号をMPEG−TSに復調する。 【0017】 これらの2系統のフロントエンド10及び20によって、ダイバーシティ受信がなされる。すなわち、フロントエンド10及び20で受信したデジタル放送信号のうち受信レベルの大きい信号が選択されるか、あるいは、フロントエンド10及び20で受信したデジタル放送信号が同相合成されるかによって、デジタル放送信号がMPEG−TSに復調される。 【0018】 MPEG−TSは、188バイト固定長のTSパケットから構成される。MPEG−TSは、第1TSデコーダ30によって、映像情報、音声情報、データ情報に分解される。 【0019】 映像情報及び音声情報は、PES(Packetized Elementary Stream)というデータ形式になっている。PESは、ヘッダ領域とデータ領域から構成される。ヘッダ領域には、PESの始まりを示す識別コードと、データ領域の内容を識別するための識別コード(ID)と、データ領域の長さ情報が入っている。データ領域には、圧縮された映像データや音声データなどが入っている。 【0020】 一方、データ情報は、セクション(Section)というデータ形式になっている。セクションは、ヘッダ領域、データ領域、誤り検出符号CRC(Cycle Redundancy Check:巡回型冗長チェック符号)から構成される。ヘッダ領域には、データ領域内のセクションデータの種類を識別するための識別コードと、セクションデータ領域の長さ情報が入っている。 【0021】 図4は、MPEG−TSの構成を示す図である。図4に示されるように、184byte毎に分割されたPES形式やセクション形式のデータに4byteのTSヘッダが付与されることによって、188byteのTSパケットが構成される。 【0022】 図5は、デジタル放送の受信例を示す図である。チャンネル1(ch1)とチャンネル2(ch2)の2チャンネル分のデジタル放送の映像情報、音声情報及びデータ情報が1本のMPEG−TSに多重化されているとする。各チャンネルの映像情報は、PES化された後に188byte固定長のTSパケットに時間順に分割されている。例えば、チャンネル1の映像情報は、ch1−V1,ch1−V2,ch1−V3というようにパケット化され、チャンネル2の映像情報は、ch2−V1,ch2−V2,ch3−V3というようにパケット化されている。各チャンネルの音声情報も、映像情報と同様に、PES化された後に188byte固定長のTSパケットに時間順に分割されている(ch*−A1,ch*−A2,ch*−A3)。各チャンネルのデータ情報は、セクション化された後に188byte固定長のTSパケットに時間順に分割されている(ch*−D1,ch*−D2,ch*−D3)。 【0023】 第1TSデコーダ30は、図5に示されるようなMPEG−TSを取得した場合、映像情報等とともにMPEG−TS信号に多重化されたセクション形式のPSI(Program Specific Information:番組特定情報)に基づいて、MPEG−TS信号から必要な情報を取り出す。すなわち、第1TSデコーダ30は、PSI内の情報に基づいて、チャンネル1の映像情報を構成するパケットch1−V1,ch1−V2,ch1−V3を取り出し、チャンネル1の音声情報を構成するパケットch1−A1,ch1−A2,ch1−A3を取り出し、チャンネル1のデータ情報を構成するパケットch1−D1,ch1−D2,ch1−D3を取り出す。 【0024】 なお、PSIには、4種類あり、1つのチャンネルを構成する映像情報等のコンポーネントの情報を規定するPMT(Program Map Table)、放送中の全チャンネルの情報を規定するNIT(Network Information Table)、MPEG−TSに含まれる全てのPMTやNITを識別するためのPID(Packet Identifier)を規定するPAT(Program Association Table)、有料放送などの限定受信の情報を規定するCAT(Conditional Access Table)がある。 【0025】 また、図5に示されるように、MPEG−TS信号にはセクション形式のSI(Service Information:番組配列情報)が多重化されている。SIには、その放送局ではどのような番組が放送されているのか、今後の放送予定は何か等の電子番組表(EPG)を作成するのに必要な情報が規定されている。 【0026】 第1TSデコーダ30によって取り出された各チャンネルの映像情報や音声情報を構成するパケットch*−V*やch*−A*は、AVデコーダ40で処理されることによって、チャンネル1のテレビ映像や音声が出力され得る。AVデコーダ40は、映像情報や音声情報をデコードする。AVデコーダ40は、映像/画像合成部50を介して、デコードし映像信号を映像出力部70に出力する。また、AVデコーダ40は、デコードした音声信号を音声出力部60に出力する。また、第1TSデコーダ30によって取り出されたパケットch*−Dに含まれるチャンネルのデータ情報は、メモリ110にチャンネル毎に格納される。 【0027】 したがって、ユーザがユーザ入力装置130を介して視聴したいチャンネルを指定した場合には、その指定されたチャンネル情報を受信したマイコン100は、その指定されたチャンネルに対応するPSIを第1TSデコーダ30に伝送する。第1TSデコーダ30は、そのPSIに基づいて、ユーザが視聴したいチャンネルの映像情報と音声情報を構成するパケットを取り出して、AVデコーダ40に出力する。これにより、ユーザは、映像出力部70や音声出力部60を介して、所望のチャンネルのテレビ番組の映像と音声を視聴することができるようになる。 【0028】 また、ユーザ入力装置130のd(データ)ボタンの押下によって、ユーザは視聴中のチャンネルのテレビ番組のデータ放送(例えば、料理番組中のレシピやスポーツ番組中の選手情報)を見ることができる。ユーザ入力装置130を介して視聴中のチャンネルのデータ放送の表示指令を受信したマイコン100は、その表示指令のチャンネルに対応するデータ放送のデータ情報をメモリ110から取り出すことによって、データ放送画面を作成し、映像/画像合成部50によって映像信号に多重させる。これにより、ユーザは、映像出力部70を介して、視聴中のチャンネルのデータ放送を見ることができることになる。 【0029】 なお、映像出力部70は、ユーザに対し視覚的な情報提供をする表示装置であって、TFT−LCD(薄膜トランジスタ方式液晶ディスプレイ)、自発光タイプのEL(Electro Luminescence)パネル、VFD(蛍光表示管)及びヘッドアップディスプレイなどが挙げられる。音声出力部60は、スピーカなどの音声出力装置を有し、AVデコーダ40のオーディオデコーダからの音声信号に基づいて音声出力するものである。 【0030】 ところで、ユーザがチャンネルを変更した直後には、それまで受信したMPEG−TS信号に変更後のチャンネルのデータ放送のパケットが含まれていない限り、変更後のチャンネルのデータ放送の情報はメモリ110にはほとんど格納されていない。したがって、ユーザがチャンネルを変更したとしても、変更後のチャンネルのデータ放送のパケットを含むMPEG−TS信号を受信するまで、データ放送を表示させることができず、ユーザにとって不都合である。 【0031】 そこで、本実施形態の車両用放送受信装置は、デジタル放送の受信状況が良好な場合には、フロントエンド10及び20のいずれかの受信1系統を他チャンネルのデータ放送の取得に割り当てることによって、視聴中のチャンネルの受信品質の維持を図りつつ、変更後のチャンネルのデータ放送を速やかに表示させることができるようにする。 【0032】 デジタル放送の受信良否を判断するため、本実施形態の車両用放送受信装置のマイコン100は、アンテナ13及び23が受信したデジタル放送電波のデジタル放送信号の受信レベル(受信状態)を検出する。デジタル放送信号の受信レベルは、受信したデジタル放送電波の電界強度の大きさを表す。例えば、AGC信号(自動利得制御信号)やデジタル放送信号自体の第1チューナ11などへの入力電圧を利用することによって、デジタル放送信号の受信レベルの検出が可能である。マイコン100は、受信レベルが所定値以上の場合に、デジタル放送の受信状況が良好であると判断する。 【0033】 また、マイコン100は、リードソロモンなどのパケットエラー情報に基づいて、デジタル放送信号の受信状態を検出してもよい。例えば、フロントエンド10または20は、受信したデジタル放送信号のエラー有無のフラグをTSパケットに付与する。デジタル放送信号のエラー発生率が所定値以上の場合にエラー有りのフラグが付与される。マイコン10は、エラー有りのフラグがない場合に、デジタル放送の受信状況が良好であると判断する。また、天気がよく降雨減衰が少ない状態で設定されるTC8PSK(Trellis coded 8 Phase Shift Keying)や降雨によって降雨減衰が大きい状態で設定されるBPSK(Binary Phase Shift Keying)などの階層変調の状態をデジタル放送の受信装置に伝えるTMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)信号に基づいてデジタル放送の受信状況の良否を判断してもよい。TMCC信号は、TS信号に付加されているものである。 【0034】 デジタル放送信号の受信状況が良好と判断された場合、切替制御部80は、フロントエンド20を他チャンネルのデータ放送の取得に割り当てるため、フロントエンド20の出力先を第1TSデコーダ30から第2TSデコーダ90に切り替える。第2TSデコーダ90は、フロントエンド20が受信したMPEG−TS信号から、第1TSデコータ90が受信中のチャンネルと異なるチャンネルのデータ情報を構成するパケットch*−D*を取り出す。第2TSデコーダ90によって取り出されたパケットch*−Dに含まれるチャンネルのデータ情報は、メモリ110にチャンネル毎に格納される。切替制御部80は、フロントエンド20と第1TSデコーダ30を接続する接点81とフロントエンド20と第2TSデコーダ90を接続する接点82を備え、マイコン100の受信状況の良否判定結果に基づいて両接点を選択的に切り替える。 ここで、メモリ110の記憶領域を有効活用するため、データ放送のデータ情報は、所定の格納順序に従って、メモリ110に格納されるようにするとよい。例えば、マイコン100は、ユーザが頻繁に使用するチャンネルやデータ放送の階層レベルの受信履歴を記憶・学習し、学習結果に応じて使用頻度の高いチャンネルのデータ放送のデータ情報ほど優先的に格納されるように、データ情報の格納順序を決定する。ユーザの使用頻度に合わせて優先順位をつけて格納することによって、チャンネル切り替え時のデータ放送の表示遅延によるユーザの不快感が起きる確率を抑えることができる。 【0035】 また、デジタル放送の受信良否を判断するにあたり、車載ECU140が有する情報を利用する。車載ECU140は、GPS装置によって検出される車両位置データに基づいて、自車の位置情報を特定する装置である。GPS装置は、GPS受信機によるGPS衛星からの受信情報に基づいて、自身を搭載する車両の位置を2次元若しくは3次元の座標データによって特定する装置である。マイコン100は、車載ECU140から自車位置情報を取得することによって自車の存在地点を認識することができる。また、車載ECU140は、車輪速センサなどによって検出された自車の車速情報を有している。マイコン100は、車載ECU140から自車の車速情報(車速パルスなど)を取得することによって自車の車速を認識することができる。 【0036】 それでは、本発明に係る車両用放送受信装置の実施形態の動作について説明する。図2は、本発明に係る車両用放送受信装置の実施形態の第1の動作例である。通常の受信状態では、フロントエンド10及び20の2つの受信系統を用いてダイバーシティ受信によりデジタル放送が受信されている(ステップ10)。フロントエンド10及び20の2つの受信系統で受信された受信チャンネルのデジタル放送のデータ情報は、第1TSデコーダ30によってメモリ110に格納される(ステップ20)。 【0037】 マイコン100は、パケットエラー情報や車載ECU140から取得した車速情報などに基づいて、デジタル放送の受信状況か良好か否かを判断する(ステップ30)。マイコン100は、デジタル放送信号の電界強度が受信品質を良好と判定できる所定の電界強度以上の値である場合には(または、BERやRSエラー率が所定値以下である場合には)、受信状況が良好と判定する。あるいは、自車の車速情報が、停車もしくは低速状態を示す所定の車速以下の値である場合には、受信状況が良好と判定する。停車若しくは低速状態の場合には中高速で走行する状態の場合に比べ低い受信電力で済むため、停車若しくは低速状態の場合には、受信が容易であるとして、受信状況が良好とみなすことができるからである。 【0038】 受信状況が良好ではないと判定された場合には(ステップ30;No)、ステップ10に戻り、フロントエンド10及び20の2つの受信系統を用いてダイバーシティ受信によりデジタル放送の受信が継続される。一方、受信状況が良好と判定された場合には(ステップ30;Yes)、ステップ40に移行する。 【0039】 ステップ40では、受信2系統を用いて受信していた場合と同一のチャンネルのデジタル放送の受信をフロントエンド10の受信1系統を用いて継続する一方で、切替制御部80によってフロントエンド20の出力先を第2TSデコータ90に切り替えて、フロントエンド10による受信チャンネルと異なる他チャンネルのデータ放送の受信をフロントエンド20の受信1系統を用いて開始する。 【0040】 フロントエンド20の受信1系統を用いて他チャンネルのデータ放送の受信が開始されると、フロントエンド20側で受信した他チャンネルのデータ放送のデータ情報がメモリ110に格納される(ステップ50)。この際、フロントエンド10側で受信したチャンネルのデータ放送のデータ情報も同様にメモリ110に格納されてもよい。 【0041】 したがって、図2に示される第1の動作例によれば、デジタル放送の受信状況が良好である場合には、受信2系統でダイバーシティ受信をするまでもないとして、一方の受信系統で受信中のチャンネルのデジタル放送の受信を継続し、もう一方の受信系統で他チャンネルのデータ放送の受信を開始する。これにより、ユーザが受信チャンネルを変更して変更後のチャンネルのデータ放送を表示させようとした場合であっても、受信状況が良好である限り、既にメモリ110に変更後のチャンネルのデータ放送が記憶されているので、変更後のチャンネルのデータ放送の表示が遅れることを防止することができる。 【0042】 なお、もちろん、デジタル放送の受信を2系統から1系統に切り替えることによって受信中のチャンネルの受信品質が著しく低下しないように、受信状況の良否を判定するための閾値(上述の所定の電界強度や所定の車速など)は、受信1系統でも受信中のチャンネルの受信品質が一定の基準を満足できる値に設定する。 【0043】 図3は、本発明に係る車両用放送受信装置の実施形態の第2の動作例である。図3は、図2に示した第1の動作例に対し、ステップ30とステップ40の間にステップ35を設けたものである。図3において、図2の説明と同様の部分については、その説明を省略及び簡略する。 【0044】 ステップ30において、受信状況が良好と判定したマイコン100は、車載ECU140によって特定された自車の現在の存在地点において受信可能なチャンネルのデータ放送のデータ情報が全てメモリ110に格納されているか否かを判断する(ステップ35)。地域毎に受信可能なチャンネルを規定したテーブルを予めメモリ等に記憶しておき、車載ECU14によって特定された自車の現在地点とそのテーブルとを対比することによって、自車の現在地点において受信可能なチャンネルのデータ放送が割り出される。 【0045】 自車の現在の存在地点において受信可能なチャンネルのデータ放送のデータ情報が全てメモリ110に格納されていると判断された場合には(ステップ35;No)、ステップ10に戻り、フロントエンド10及び20の2つの受信系統を用いてダイバーシティ受信によりデジタル放送の受信が継続される。一方、全てメモリ110に格納されていないと判断された場合には(ステップ35;Yes)、ステップ40に移行する。ステップ40以降は、図2の動作例と同様である。 【0046】 したがって、図3に示される第2の動作例によれば、図2に示される第1の動作例と同様に、ユーザが受信チャンネルを変更して変更後のチャンネルのデータ放送を表示させようとした場合であっても、受信状況が良好である限り、既にメモリ110に変更後のチャンネルのデータ放送が記憶されているので、変更後のチャンネルのデータ放送の表示が遅れることを防止することができる。 【0047】 また、第2の動作例では、ステップ30において受信状況が良好と判定されていたとしても、その存在地点における受信可能なデータ放送に関するデータ情報が全てメモリ110に格納されているのなら、すぐには受信系統を2系統から1系統に変更することはない。その結果、切替制御部80による切り替えに伴い生じる消費電流やマイコン100の演算処理の増加等の負荷の増大を抑制することができる。 【0048】 以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。 【0049】 例えば、図2及び図3に示されるフローのステップ30以降の動作は、所定の条件が成立した場合に開始するようにしてもよい。好ましくは、データ放送の内容更新が検出された場合にステップ30以降の動作を開始する。データ放送の内容更新を検出するためには、MPEG−TSパケットに含まれるDDB(Download Data Block。データのインデックスを規定)やDII(Download Info Indication。データ本体)のdownloadId内の上位4bitに相当するdata_event_id(データ更新を識別するためID)の変更を検知すればよい。DDBは、データ情報をまとめたセクション構造のブロックである。DIIは、DDBの構成に関する情報を示す。すなわち、データ情報は、DDBというブロックに分割後にセクション化され、DIIが付加されることによって、TSパケットとして送信可能となる。また、データ放送の内容更新を検出するために、DIIのmoduleVersion(モジュールバージョン)の値の変更を検知してもよい。また、単に、所定時間毎(データ放送内容が変更される可能性がある時間毎(例えば、1時間毎)、受信可能チャンネルが異なる隣りの放送エリアへの移動に十分な時間が経過する毎に)や所定距離走行毎にステップ30以降の動作を開始するようにしてもよい。 【図面の簡単な説明】 【0050】 【図1】本発明に係る、デジタル放送を受信する車両用放送受信装置の実施形態を示すブロック図である。 【図2】本発明に係る車両用放送受信装置の実施形態の第1の動作例である。 【図3】本発明に係る車両用放送受信装置の実施形態の第2の動作例である。 【図4】MPEG−TSの構成を示す図である。 【図5】デジタル放送の受信例を示す図である。 【符号の説明】 【0051】 10,20 フロントエンド 11,12 チューナ 12,22 復調部 30,90 TSデコーダ 40 AVデコーダ 50 映像/画像合成部 60 音声出力部 70 映像出力部 80 切替制御部 100 マイコン 110 メモリ 120 外部I/F(インターフェイス) 130 ユーザ入力装置 140 車載ECU(Electronic Control Unit)
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003207 【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年7月26日(2006.7.26) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100070150 【弁理士】 【氏名又は名称】伊東 忠彦
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| 【公開番号】 |
特開2008−34969(P2008−34969A) |
| 【公開日】 |
平成20年2月14日(2008.2.14) |
| 【出願番号】 |
特願2006−203697(P2006−203697) |
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