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【発明の名称】 符号化装置、データ配信サーバ、動画像符号化装置、動画像配信サーバ、動画像配信システム及び動画像配信方法
【発明者】 【氏名】岩下 将人

【要約】 【課題】符号化されたデータにユーザ毎に異なるユーザデータをリアルタイムに付加できるようにする。

【構成】エンコード装置では、符号化部は、入力された動画像データを所定の符号化方式に従って符号化すると共に、この符号化した動画像データのデータ構造における上記所定の符号化方式で規定されるユーザデータ領域を所定のユーザデータに関する格納用の予約領域として確保する。動画像配信サーバは、ストリーム配信要求元からのストリーム配信要求に対し、配信対象の動画像データのデータ構造におけるユーザデータ領域に対応する予約領域に所望のユーザデータを付加し、当該動画像データをストリーム配信する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力信号を所定の符号化方式に従って符号化すると共に、この符号化された入力信号に関わる上記所定の符号化方式で規定されるユーザデータ領域を所定のユーザデータに関する格納用の予約領域として確保する符号化手段を有することを特徴とする符号化装置。
【請求項2】
所定の符号化方式に従って符号化された所定のデータをストリーム配信するデータ配信サーバであって、
上記所定の符号化方式で規定されるユーザデータ領域が所定のユーザデータに関する格納用の予約領域として存在し、上記所定のデータを含むファイルから、当該予約領域の位置を解析する解析手段と、
上記解析手段による解析処理によって得られた予約領域の位置に関する情報を記憶する記憶手段と
を有することを特徴とするデータ配信サーバ。
【請求項3】
ストリーム配信のときに、上記記憶手段に記憶されている予約領域の位置に関する情報に基づく予約領域に所望のユーザに対応するユーザデータをリアルタイムに付加する付加手段と、
上記付加手段によってユーザデータが付加された上記所定のデータをストリーム配信する配信手段と
をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載のデータ配信サーバ。
【請求項4】
入力された動画像データを所定の符号化方式に従って符号化すると共に、この符号化された動画像データのデータ構造における上記所定の符号化方式で規定されるユーザデータ領域を所定のユーザデータに関する格納用の予約領域として確保する符号化手段を有することを特徴とする動画像符号化装置。
【請求項5】
上記符号化手段は、上記予約領域として確保したユーザデータ領域に任意のデータが上書き可能なデータを付加することを特徴とする請求項4に記載の動画像符号化装置。
【請求項6】
所定の符号化方式に従って符号化された動画像データをストリーム配信する動画像配信サーバであって、
上記符号化された動画像データに関するファイルであって、上記動画像データのデータ構造における上記所定の符号化方式で規定されるユーザデータ領域が所定のユーザデータに関する格納用の予約領域として存在するファイルから、当該予約領域の位置を解析する解析手段と、
上記解析手段による解析処理によって得られた予約領域の位置に関する情報を記憶すると共に、上記符号化された動画像データを記憶する記憶手段と
を有することを特徴とする動画像配信サーバ。
【請求項7】
上記解析手段は、上記符号化された動画像データを上記記憶手段に蓄積するときに、上記ユーザデータ領域に対応する予約領域を解析し、この解析した結果としての当該予約領域の位置に関する情報を上記記憶手段に保存することを特徴とする請求項6に記載の動画像配信サーバ。
【請求項8】
上記解析手段は、解析した結果、上記ファイルの中に複数の上記予約領域が存在するときは、当該複数の予約領域のそれぞれの位置に関する情報をテーブル形式で上記記憶手段に保存することを特徴とする請求項6又は7に記載の動画像配信サーバ。
【請求項9】
上記予約領域の位置に関する情報と上記符号化された動画像データとを関連付けして、上記予約領域の位置に関する情報及び上記動画像データを管理する管理手段をさらに備えることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の動画像配信サーバ。
【請求項10】
ストリーム配信要求元からのストリーム配信要求を受信し、当該ストリーム配信要求を基にユーザ情報及び配信対象の動画像データを示す情報を認識する配信要求受付手段と、
上記配信要求受付手段によって認識されたユーザ情報を基に所望のユーザデータを生成する生成手段と、
ストリーム配信のときに、上記配信要求受付手段によって認識された上記配信対象の動画像データを示す情報に対応し、上記予約領域の位置に関する情報に基づく上記配信対象の動画像データのデータ構造におけるユーザデータ領域に対応する予約領域に、上記生成手段によって生成された所望のユーザデータをリアルタイムに付加する付加手段と、
上記付加手段によって上記所望のユーザデータが付加された上記配信対象の動画像データをストリーム配信する配信手段と
をさらに備えることを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載の動画像配信サーバ。
【請求項11】
上記付加手段は、ストリーム配信のときに、上記配信要求受付手段によって認識された配信対象の動画像データを示す情報に対応する上記記憶手段に記憶されている動画像データ及び予約領域の位置に関する情報を上記管理手段へ問い合わせすると共に、この問い合わせに対する結果を基に、上記予約領域の位置に関する情報に基づく上記配信対象の動画像データのデータ構造におけるユーザデータ領域に対応する予約領域に、上記生成手段によって生成された所望のユーザデータをリアルタイムに付加することを特徴とする請求項10に記載の動画像配信サーバ。
【請求項12】
入力された動画像データを所定の符号化方式に従って符号化する請求項4又は5に記載の符号化装置と、
上記符号化装置によって符号化された動画像データをストリーム配信する請求項6〜11のいずれかに記載の動画像配信サーバと、
上記動画像配信サーバに対してストリーム配信要求を送信するストリーム配信要求元とを有し、
上記動画像配信サーバは、上記ストリーム配信要求元からのストリーム配信要求に対し、配信対象の動画像データのデータ構造におけるユーザデータ領域に対応する予約領域に所望のユーザデータを付加し、当該動画像データをストリーム配信する
ことを特徴とする動画像配信システム。
【請求項13】
入力された動画像データを所定の符号化方式に従って符号化するステップと、
上記符号化された動画像データのデータ構造における上記所定の符号化方式で規定されるユーザデータ領域を所定のユーザデータに関する格納用の予約領域として確保するステップと、
上記所定の符号化方式に従って符号化された動画像データを蓄積するステップと、
上記符号化された動画像データの蓄積のときに、当該動画像データに関わる上記ユーザデータ領域に対応する上記予約領域の位置を解析するステップと、
上記解析された結果に基づく上記予約領域の位置に関する情報を記憶するステップと、
ストリーム配信のときに、上記記憶されている予約領域の位置に関する情報に基づく上記動画像データのデータ構造における予約領域に、所望のユーザデータをリアルタイムに付加するステップと、
上記所望のユーザデータが付加された上記動画像データをストリーム配信要求元へストリーム配信するステップと
を含むことを特徴とする動画像配信方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、入力信号を符号化する符号化装置及び動画像符号化装置、並びに符号化されたデータをストリーム配信するデータ配信サーバ、動画像配信サーバ、動画像配信システム、動画像配信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、動画像配信システムにおいて、動画像データに、所定のデータ、例えば著作権者などのデータを付与するための方法としては、動画像データのエンコード(符号化)のときに特定のデータを当該動画像データに付与する方法や、エンコード済み動画像データに電子透かし等の手法でデータを埋め込む方法(例えば、特許文献1参照)がある。
【特許文献1】特開2003−259319号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ここで、動画像配信システムに設けられる動画像配信サーバから配信される動画像データ(配信データ)に対してユーザ毎に異なるユーザデータを付加して、当該動画像データを配信することを考える。
【0004】
動画像データのエンコード時にユーザデータを付加する方法の場合では、配信前にエンコードを行うためにはユーザ毎にエンコード済みの動画像データを蓄積しなければならないため、動画像配信サーバのデータ保存領域を圧迫すると同時にエンコードの作業量もユーザ数に比例して増えてしまう。また、配信時に動画像データを再エンコードしてユーザデータを付加する場合にあっては、エンコード処理のための計算量が多いため、動画像配信サーバとしての最大同時配信数を著しく低下させてしまう。
【0005】
一方、エンコード済みの動画像データに対して、電子透かし、ステガノグラフィ等の手法でユーザデータを付与する場合も、上述した動画像データのエンコード時にユーザデータを付加する方法の場合と同様の問題点を有する。
【0006】
上述したように、動画像データに所定のデータを付与するための従来の方法では、動画像データに対して、ユーザデータをリアルタイムに、かつ、ユーザ毎に変更して、多数のユーザに配信することが技術的に困難であった。
【0007】
そこで、本発明は、ユーザ毎に異なるユーザデータをリアルタイムに付加可能な符号化されたデータを出力することのできる符号化装置及び動画像符号化装置を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明は、符号化されたデータにユーザ毎に異なるユーザデータをリアルタイムに付加することのできるデータ配信サーバ、動画像配信サーバ、動画像配信システム及び動画像配信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる課題を解決するために、第1の発明に係る符号化装置は、入力信号を所定の符号化方式に従って符号化すると共に、この符号化された入力信号に関わる上記所定の符号化方式で規定されるユーザデータ領域を所定のユーザデータに関する格納用の予約領域として確保する符号化手段を有することを特徴とする。
【0010】
第2の発明に係るデータ配信サーバは、所定の符号化方式に従って符号化された所定のデータをストリーム配信するデータ配信サーバであって、上記所定の符号化方式で規定されるユーザデータ領域が所定のユーザデータに関する格納用の予約領域として存在し、上記所定のデータを含むファイルから、当該予約領域の位置を解析する解析手段と、上記解析手段による解析処理によって得られた予約領域の位置に関する情報を記憶する記憶手段とを有することを特徴とする。
【0011】
第3の発明に係る動画像符号化装置は、入力された動画像データを所定の符号化方式に従って符号化すると共に、この符号化された動画像データのデータ構造における上記所定の符号化方式で規定されるユーザデータ領域を所定のユーザデータに関する格納用の予約領域として確保する符号化手段を有することを特徴とする。
【0012】
第4の発明に係る動画像配信サーバは、所定の符号化方式に従って符号化された動画像データをストリーム配信する動画像配信サーバであって、上記符号化された動画像データに関するファイルであって、上記動画像データのデータ構造における上記所定の符号化方式で規定されるユーザデータ領域が所定のユーザデータに関する格納用の予約領域として存在するファイルから、当該予約領域の位置を解析する解析手段と、上記解析手段による解析処理によって得られた予約領域の位置に関する情報を記憶すると共に、上記符号化された動画像データを記憶する記憶手段とを有することを特徴とする。
【0013】
第5の発明に係る動画像配信システムは、入力された動画像データを所定の符号化方式に従って符号化する第3の発明の符号化装置と、上記符号化装置によって符号化された動画像データをストリーム配信する第4の発明の動画像配信サーバと、上記動画像配信サーバに対してストリーム配信要求を送信するストリーム配信要求元とを有し、上記動画像配信サーバは、上記ストリーム配信要求元からのストリーム配信要求に対し、配信対象の動画像データのデータ構造におけるユーザデータ領域に対応する予約領域に所望のユーザデータを付加し、当該動画像データをストリーム配信することを特徴とする。
【0014】
第6の発明に係る動画像配信方法は、入力された動画像データを所定の符号化方式に従って符号化するステップと、上記符号化された動画像データのデータ構造における上記所定の符号化方式で規定されるユーザデータ領域を所定のユーザデータに関する格納用の予約領域として確保するステップと、上記所定の符号化方式に従って符号化された動画像データを蓄積するステップと、上記符号化された動画像データの蓄積のときに、当該動画像データに関わる上記ユーザデータ領域に対応する上記予約領域の位置を解析するステップと、上記解析された結果に基づく上記予約領域の位置に関する情報を記憶するステップと、ストリーム配信のときに、上記記憶されている予約領域の位置に関する情報に基づく上記動画像データのデータ構造における予約領域に、所望のユーザデータをリアルタイムに付加するステップと、上記所望のユーザデータが付加された上記動画像データをストリーム配信要求元へストリーム配信するステップとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る符号化装置によれば、ユーザ毎に異なるユーザデータをリアルタイムに付加可能な符号化された動画像データや音声データを出力することができる。
【0016】
本発明に係るデータ配信サーバによれば、ストリーム配信時に、符号化された動画像データや音声データにユーザ毎に異なるユーザデータをリアルタイムに付加することができる。
【0017】
本発明に係る動画像符号化装置によれば、ユーザ毎に異なるユーザデータをリアルタイムに付加可能な符号化された動画像データを出力することができる。
【0018】
また、本発明に係る動画像符号化装置によれば、ユーザ毎に異なるユーザデータをリアルタイムに付加可能な符号化された動画像データを出力することができるので、複数のユーザに対応する複数のユーザデータをそれぞれ動画像データに付与するような場合であっても、1コンテンツ当たり1つの動画像ファイルのみ符号化すれば良く、1コンテンツ当たりの符号化処理の効率を向上させることができる。
【0019】
本発明に係る動画像配信サーバ、動画像配信システム及び動画像配信方法によれば、ストリーム配信時に、符号化された動画像データにユーザ毎に異なるユーザデータをリアルタイムに付加することができる。
【0020】
また、本発明に係る動画像配信サーバ、動画像配信システム及び動画像配信方法によれば、符号化された動画像データにユーザ毎に異なるユーザデータをリアルタイムに付加することができるので、ストリーム配信時においてユーザデータがリアルタイムに付加された動画像データをストリーム配信することができる。
【0021】
また、本発明に係る動画像配信サーバ、動画像配信システム及び動画像配信方法によれば、ストリーム配信時にリアルタイムでユーザデータを動画像データに付加することができるので、1ストリームの配信内で時系列的に変化するようなユーザデータも動画像データに付与することができる。
【0022】
さらに、本発明に係る動画像配信サーバ、動画像配信システム及び動画像配信方法によれば、ストリーム配信時にリアルタイムでユーザデータを動画像データに付加することができるので、複数のユーザに対応する複数のユーザデータをそれぞれ動画像データに付与するような場合であっても、1コンテンツ当たり1つの動画像ファイルのみ符号化された動画像データを記憶すれば良いこととなり、動画像データを記憶する二次記憶装置(ディスクなど)の記憶容量を節約することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しつつ、さらに具体的に説明する。ここで、添付図面において、同一の構成要素には同一の符号を付しており、また、重複した説明は省略されている。なお、ここでの説明は本発明が実施される最良の形態であることから、本発明は当該形態に限定されるものではない。
【0024】
(A)第1の実施形態
(A−1)第1の実施形態の構成
図2は、本発明の第1の実施形態に係る動画像配信システムの構成を示している。
【0025】
図2に示すように、動画像配信システム10は、エンコード装置100と、動画像配信サーバ200と、不特定多数の受信端末300と、広域なネットワーク400とを有している。
【0026】
エンコード装置100は、動画像配信サーバ200とローカルなIP(インターネットプロトコル)ネットワーク20上で接続される。
【0027】
動画像配信サーバ200は、広域なネットワーク400を介して不特定多数の受信端末300とIPネットワーク30上で接続される。
【0028】
また、動画像配信サーバ200は、動画像データ、挿入データテーブル、ユーザデータ及びアクセスログ等を記録するためのデータ記憶装置240を内蔵している。
【0029】
図1は、エンコード装置100、動画像配信サーバ200及び受信端末300の機能構成を示している。
【0030】
エンコード装置(符号化装置、動画像符号化装置)100は、外部からの映像信号/音声信号の入力を受け付ける映像入力部101と、入力した信号を所定の符号化方式に従って符号化する符号化部102と、符号化済みのデータ例えば動画像データを動画像配信サーバ200に向けて送信する動画像データ送信部103とを有する。
【0031】
この第1の実施形態では、所定の符号化方式は、MPEG方式としている。従って、符号化部(符号化手段)102は、入力した信号をMPEG方式に従って符号化し、しかも、詳細については後述するが、符号化した動画像データのデータ構造におけるMPEGの仕様で規定されるユーザデータ領域を所定のユーザデータに関する格納用の予約領域として確保する。
【0032】
また、動画像データ送信部103は、MPEG方式に従って符号化された符号化済みの動画像データを動画像配信サーバ200に向けて送信する。
【0033】
動画像配信サーバ200は、動画像管理部210、ユーザ要求管理部220、動画像配信部230及びデータ記憶装置240を備えている。
【0034】
動画像管理部210は、動画像データ受信部211と、動画像データ解析部212と、動画像データ管理部213と、を有する。
【0035】
動画像データ受信部211は、エンコード装置100の動画像データ送信部103から送信されるデータを受信する。
【0036】
動画像データ解析部(解析手段)212は、動画像データ受信部211によって受信された動画像データから所定のユーザデータに関する挿入位置を解析し、この解析した結果に基づく挿入テーブルをデータ記憶装置(記憶手段)241に保存すると共に、動画像データをデータ記憶装置241に書き込む(蓄積する)。なお、動画像データ解析部212による解析処理と、挿入テーブルについては後述する。
【0037】
動画像データ管理部(管理手段)213は、データ記憶装置241に書き込まれた動画像データの情報と挿入テーブルとを関連付けして、これら動画像データの情報及び挿入テーブルを管理する。
【0038】
ユーザ要求管理部220は、クライアント要求受信部221とユーザデータ管理部222とを有している。
【0039】
クライアント要求受信部(配信要求受付手段)221は、ネットワーク400を介して受信される受信端末300からのストリーム配信要求を受信すると共に、ストリームの配信要求を受け付けたときは、動画像配信部230の配信制御部231に対して受信端末300のユーザ情報及び配信する動画像(配信対象の動画像データを示す情報)の指定等を行う。
【0040】
ユーザデータ管理部222は、クライアント要求受信部221で受信したストリーム配信要求が受信端末300からの要求であることをデータ記憶装置242にアクセスログとして記録し、受信端末300に対応するユーザデータを管理する。
【0041】
動画像配信部230は、配信制御部231とユーザデータ生成部232とストリーム送信部233とを有している。
【0042】
配信制御部231は、クライアント要求受信部221から指定されたストリーム配信要求に対して、スケジューリングを行いながら、ストリームデータを転送(配信)すべき旨をストリーム送信部233に指示する。
【0043】
ユーザデータ生成部(生成手段)232は、配信制御部231からのユーザ情報とデータ記憶装置242の記憶内容とを基に、ユーザ毎のデータ(ユーザデータ)を生成する。
【0044】
ストリーム送信部(付加手段、配信手段)233は、データ記憶装置241に記憶されている動画像データ及び挿入テーブルとユーザデータ生成部232によって生成されるユーザデータとを基に、受信端末300に向けて送信するストリームを構成し、当該ストリームを受信端末300へ送信(ストリーム配信)する。
【0045】
すなわち、配信されるストリームにおいては、配信対象の動画像データのデータ構造におけるユーザデータ領域に対応する予約領域にユーザデータが付加されている。換言すれば、ユーザデータ領域に対応する予約領域にユーザデータが付加され動画像データに関わるストリームとなっている。
【0046】
データ記憶装置240は、動画像データ及び挿入テーブルを記憶する第1のデータ記憶装置(記憶手段)241と、ユーザデータ及びアクセスログを記憶する第2のデータ記憶装置242とを有する。
【0047】
受信端末(ストリーム配信要求元)300は、ネットワーク400を介して動画像配信サーバ200に対してストリーム取得の要求を行うストリーム要求部301と、ネットワーク400を介して動画像配信サーバ200から送信されるストリームを受信するストリーム受信部302とを有している。
【0048】
(A−2)第1の実施形態の動作
最初に、エンコード装置100の処理について説明する。
【0049】
エンコード装置100では、符号化部102は、映像入力部101が受信した映像信号をMPEG形式のデジタルデータに符号化する。
【0050】
ところで、MPEG−Video形式のビデオストリームは階層構造を有し、最上位から順にシーケンス層、GOP(Group of Pictures)層、ピクチャ層、スライス層、マクロブロック層及びブロック層からなる。各層の最初にはスタートコードと呼ばれる4バイト長の特殊なパターンが挿入されている。
【0051】
また、MPEG−Video形式では、ビデオストリーム中のシーケンス層、GOP層、ピクチャ層の各々においてユーザ拡張領域の設定が許容されている。すなわち、ビデオストリーム中のシーケンスヘッダ・拡張領域、GOPヘッダ領域、ピクチャ・拡張領域のそれぞれの領域の後にユーザデータを挿入することが可能である。
【0052】
換言すれば、動画像データのデータ構造におけるMPEG−Video形式で規定されるシーケンスヘッダ・拡張領域、GOPヘッダ領域、ピクチャ・拡張領域のそれぞれの領域の後に設定可能なユーザデータ領域にユーザデータを挿入することが可能である。
【0053】
そこで、符号化部102は、ビデオストリーム中のシーケンスヘッダ・拡張領域、GOPヘッダ領域、ピクチャ・拡張領域の各領域のうち何れかの領域の後にユーザデータ領域を確保すると共に、この確保したユーザデータ領域に予め決められたデータ長の、後ほどユーザデータを挿入するための仮のユーザデータを挿入しておく。
【0054】
次に、エンコード装置100の符号化部102によるユーザデータ領域を確保する処理について、図3を参照して説明する。
【0055】
図3は、そのユーザデータ領域を確保する処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0056】
ここでは、GOPヘッダ領域の後にユーザデータ領域を確保し、そのユーザデータ領域に、後ほどユーザデータを挿入するための仮のユーザデータを格納することを想定する。
【0057】
最初に、符号化部102は、符号化したデータ(動画像データ)の中に含まれるstart code(スタートコード)を検出し、この検出したstart codeの種類に応じた処理を実施(処理を分岐)する(ステップS1)。
【0058】
次に、符号化部102は、start code(スタートコード)がgroup start code(グループスタートコード)の場合は、group of pictures header(GOPヘッダ)のデータを格納し(ステップS2)、そのgroup of pictures header(GOPヘッダ)の後にuser data start code(ユーザデータスタートコード)を追加する(ステップS3)。
【0059】
ステップS3を終了した符号化部102は、その追加したuser data start code(ユーザデータスタートコード)の後に、ストリームの配信時に挿入するユーザデータ分の領域(ユーザデータ領域)を確保すると共に、この確保したユーザデータ領域に、全ビットを‘1’としたデータをユーザデータ格納用の予約領域として格納する(ステップS4)。
【0060】
ステップS4を終了した符号化部102は、次のstart code(スタートコード)までのデータを格納し(ステップS5)、その後、ステップS1に戻る。
【0061】
さらに、符号化部102は、ステップS1において、start code(スタートコード)が上記以外のstart codeの場合には、ステップS5に進み、一方、start codeがsequence end code(シーケンスエンドコード)の場合は、sequence end code(シーケンスエンドコード)のデータを格納し(ステップS6)、処理を終了する。
【0062】
上述した処理により、エンコード時に、GOPヘッダ領域の後にユーザデータを格納するための予約領域(ユーザデータ領域)が存在する動画像データが作成される。
【0063】
ところで、エンコード装置100によってエンコード(符号化)された動画像データ(ビデオストリーム)は、動画像データ送信部103を介して動画像配信サーバ200の動画像データ受信部211に転送され、その後、動画像データ受信部211から動画像データ解析部212に渡される。
【0064】
動画像データ解析部212は、ビデオストリームから、user data start codeから次のstart codeが現れるまでのデータサイズ及びデータ位置を解析し、それら解析した結果であるデータサイズ及びデータ位置を挿入テーブルとしてデータ記憶装置241に格納すると共に、動画像データそのものもデータ記憶装置241に格納する。
【0065】
図4は、ユーザデータとして36バイトを予約した場合において、動画像データ解析部212によって作成される挿入テーブルの一例を示している。
【0066】
図4に示すように、挿入テーブル500は、動画像データの先頭からの位置を示す情報が記述されるpositionの項目(列)510と、ユーザデータとして予約したユーザデータ領域のサイズを示す情報が記述されるsizeの項目(列)とから構成される。
【0067】
挿入テーブル500においては、(position,size)=(−1,0)となるまでの一連のテーブルのエントリ(テーブルエントリ)が、ユーザデータ領域に対応する予約領域の1つに対応する。例えば、テーブルエントリ531,532,533,534がそれぞれ予約領域の1つに対応する。
【0068】
なお、挿入テーブルにおいては、1つのユーザデータに対して複数のテーブルエントリが存在する場合がある。これは、MPEGでのトランスポートストリーム(Transport Stream)のように、PES(Packetized Elementarty Stream)パケットがトランスポートストリームパケット(TSパケット)により分割される場合に発生する。
【0069】
ところで、上述したようにして動画像データ解析部212によってデータ記憶装置241に格納された動画像データ及び挿入テーブルデータは、動画像データ管理部213によって関連付けが行われ、管理される。
【0070】
動画像管理部210(動画像データ受信部211、動画像データ解析部212及び動画像データ管理部213)の一連の処理により、特定の動画像データのストリーム配信要求時に、動画像データの特定とその動画像データに対応する挿入テーブルの取得が可能となる。
【0071】
そして、所望の受信端末300が動画像配信サーバ200に向けてストリーム配信要求を送信すると、その所望の受信端末300からのストリーム配信要求に対し、動画像配信サーバ200では、クライアント要求受信部221は、ユーザの識別を行い、アクセスログをデータ記憶装置242に記録すると共に、配信制御部231に対して配信先ユーザ(ユーザ情報)及び配信対象の動画像データ(配信対象の動画像データを示す情報)の指定を行う。
【0072】
配信制御部231は、複数の受信端末300からのストリーム配信要求に対してスケジューリングを行い、そのスケジューリングを基にデータの配信をストリーム送信部233に指示すると同時に、配信先ユーザ情報を基にデータ記憶装置242からユーザデータを取得し、さらに、この取得したユーザデータに対するデータの変換(ユーザデータ変換)を行う。
【0073】
なお、データの変換を行う理由としては、MPEG−Videoの仕様により、start codeとして認識されてしまうような列を排除するためである。そのため、ユーザデータ変換(start code emulation:スタートコードエミュレーション)を行う。変換方法の要件としては、(1)23ビット以上の‘0’が連続して出現しないこと、(2)ユーザデータが後ほど必要であれば可変であること、である。
【0074】
図5は、ユーザデータ生成部232によるデータ変換の簡単な一例を示している。
【0075】
この図5に示す例では、24バイトのユーザデータ610を、エンコード装置100の符号化部102によって予約されたユーザデータ領域(予約領域)に格納されるべく36バイトのユーザデータの要件を満たすように、36バイトのデータ列620に変換している。このようにして変換されたデータは、ユーザデータ生成部232からストリーム送信部233に送られる。
【0076】
ストリーム送信部233は、配信制御部231からの指示内容を基に、対応する動画像データ及び挿入テーブルを動画像データ管理部213に問い合せすると共に、動画像データ管理部213からの問い合わせに対する結果を基に、データ記憶装置241から動画像データ及び挿入テーブルを取得する。
【0077】
ストリーム送信部233は、取得した動画像データについて、取得した挿入テーブルで指定された位置に存在するデータのみを、ユーザデータ生成部232によって生成されたデータ変換済み(ユーザデータ変換済み)のユーザデータ(36バイトのデータ列)に変換する。
【0078】
例えば、取得した動画像データについて、挿入テーブル500のpositionの項目(列)510に記述されている動画像データの先頭からの位置を示す情報に基づく位置に存在するデータのみが、ユーザデータ生成部232によって生成されたデータ変換済みのユーザデータ(36バイトのデータ列)に変換される。
【0079】
そして、ストリーム送信部233は、このようにしてユーザデータを付加した動画像データを、受信端末300に向けて送信する。
【0080】
上述した処理により、ユーザに依存した固有のデータをストリーム配信時にリアルタイムに動画像データに付与し、これを受信端末300に向けて配信することが可能となる。
【0081】
また、上述したような一連の動画像データへの修正を行っても修正後の動画像データはMPEG−Videoの仕様に準拠しているため、受信端末におけるストリームの再生は、MPEG−Videoの仕様に準拠したものであれば対応可能である。
【0082】
ただし、PESパケットにPES CRC flagが立っている場合など、エレメンタリストリームに対してデータの整合性をチェックしている場合は、CRC(巡回冗長検査)の再計算処理が必要になる。
【0083】
第1の実施形態においては、入力された動画像データを所定の符号化方式例えばMPEG−Videoに従って符号化し、この符号化された動画像データをストリーム配信する動画像配信方法は、次の(1)〜(7)のステップ(第1〜第7のステップ)を含んでいる。
【0084】
(1)入力された動画像データをMPEG−Videoに従って符号化する第1のステップ。これは、エンコード装置100の符号化部102によって実施される。
【0085】
(2)第1のステップにより符号化された動画像データのデータ構造におけるMPEG−Videoで規定されるユーザデータ領域を所定のユーザデータに関する格納用の予約領域として確保する第2のステップ。これは、エンコード装置100の符号化部102によって実施される。
【0086】
(3)MPEG−Videoに従って符号化された動画像データを蓄積する第3のステップ。これは、動画像配信サーバ200のデータ記憶装置241によって実施される。動画像データのデータ記憶装置241への蓄積は、動画像配信サーバ200の動画像データ解析部212によって実施される。
【0087】
(4)上記第3のステップでの符号化された動画像データの蓄積のときに、当該動画像データに関わるユーザデータ領域に対応する予約領域の位置を解析する第4のステップ。これは、動画像配信サーバ200の動画像データ解析部212によって実施される。
【0088】
(5)上記第4のステップにより解析された結果に基づく予約領域の位置に関する情報を含む挿入テーブルを記憶する第5のステップ。これは、動画像配信サーバ200のデータ記憶装置241によって実施される。予約領域の位置に関する情報を含む挿入テーブルのデータ記憶装置241への格納は、動画像配信サーバ200の動画像データ解析部212によって実施される。
【0089】
(6)ストリーム配信のときに、上記第5のステップにより記憶されている予約領域の位置に関する情報を含む挿入テーブルに基づく動画像データのデータ構造における予約領域に、所望のユーザデータをリアルタイムに付加する第6のステップ。これは、動画像配信サーバ200のストリーム送信部233によって実施される。
【0090】
(7)上記第6のステップにより所望のユーザデータが付加された動画像データをストリーム配信要求元(受信端末300)へストリーム配信する第7のステップ。これは、動画像配信サーバ200のストリーム送信部233によって実施される。
【0091】
なお、第1の実施形態では、エンコード装置100の符号化部102がGOPヘッダ領域の後に必ずユーザデータ領域を作成し予約する例を説明したが、本発明はこれに限定されることなく、MPEG−Video仕様で規定されている予約領域(ユーザデータ領域)すなわちシーケンスヘッダ・拡張領域、GOPヘッダ領域、ピクチャ・拡張領域のそれぞれの領域の後に設定可能なユーザデータ領域でれば、何れのユーザデータ領域でもユーザデータを予約することができる。
【0092】
(A−3)第1の実施形態の効果
以上説明したように、第1の実施形態によれば、映像をMPEG形式(MPEG−Video)でエンコードするエンコード装置100によってユーザデータ領域を予め予約しておき、また動画像配信サーバ200においては、データ記憶装置241への動画像データの蓄積時に、動画像データ解析部212によってユーザデータ領域の位置を特定するテーブルを作成し、これをデータ記憶装置241に保存するようにしているので、動画像配信サーバ200の配信性能を低下させることなく、受信端末300へのストリームの配信時に、ユーザ固有のデータなどをリアルタイムに付加した動画像データを配信することができる。
【0093】
また、第1の実施形態では、ストリーム配信時にリアルタイムでデータ(ユーザデータ)を動画像データに付加することができるので、事前に複数のデータそれぞれを動画像データに付与しておく必要がないため、1コンテンツ当たり1つの動画像ファイルのみエンコードしておけば良いことになる。
【0094】
従って、複数のユーザに対応する複数のユーザデータをそれぞれ動画像データに付与するような場合であっても、1コンテンツ当たり1つの動画像ファイルのみ符号化された動画像データを記憶すれば良いこととなり、動画像データを記憶するメモリ資源を節約することができる。
【0095】
すなわち、第1の実施形態の如く、ストリーム配信時にリアルタイムでデータを動画像データに付加する方法は、従来の技術の如く、付与するデータ毎にエンコードを行う方法の場合よりも、動画像配信サーバのデータ記憶装置の記憶容量を節約することができる。
【0096】
また、第1の実施形態では、ストリーム送信部233においてリアルタイムにユーザデータを動画像データに付加することができるため、1ストリームの配信内で時系列的に変化するようなデータ(ユーザデータ)も動画像データに付与することができる。
【0097】
さらに、第1の実施形態では、シーケンスヘッダ・拡張領域、GOPヘッダ領域、ピクチャ・拡張領域の各領域の後に設定可能な全てのユーザデータ領域で予約する必要がないため、元動画像に対して付加できるデータ量を任意に調整することが可能である。
【0098】
(B)他の実施形態
本発明は、MPEG−Video以外の符号化方式(エンコード技術)、例えば音楽配信システムで採用されているACC(Advanced Audio Coding)フォーマットやMP3(MPEG−1 Audio Layer−3)フォーマットなどのエンコード技術にも適用することができる。
【0099】
すなわち、本発明は、ACCフォーマットやMP3フォーマットなどのエンコード技術を採用する符号化装置、音楽配信サーバ(音声配信サーバ)、音楽配信システム(音声配信システム)、音楽配信方法(音声配信方法)にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】第1の実施形態に係るエンコード装置、動画像配信サーバ及び受信端末の機能構成を示す機能構成図である。
【図2】第1の実施形態に係る動画像配信システムの構成を示す構成図である。
【図3】第1の実施形態に係るエンコード装置のエンコード装置の符号化部によるユーザデータ領域を確保する処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】第1の実施形態に係る動画像配信サーバの動画像データ解析部によって作成される挿入テーブルの一例を示す図である。
【図5】第1の実施形態に係る動画像配信サーバのユーザデータ生成部によるデータ変換の一例を説明する図である。
【符号の説明】
【0101】
10…動画像配信システム、100…エンコード装置(符号化装置)、101…映像入力部、102…符号化部(符号化手段)、103…動画像データ送信部、200…動画像配信サーバ、210…動画像管理部、211…動画像データ受信部、212…動画像データ解析部(解析手段)、213…動画像データ管理部(管理手段)、220…ユーザ要求管理部、221…クライアント要求受信部(配信要求受付手段)、222…ユーザデータ管理部、230…動画像配信部、231…配信制御部、232…ユーザデータ生成部(生成手段)、233…ストリーム送信部(付加手段、配信手段)、240…データ記憶装置、241…第1のデータ記憶装置(記憶手段)、242…第2のデータ記憶装置、300…受信端末(ストリーム配信要求元)、301…ストリーム要求部、302…ストリーム受信部、400…ネットワーク、500…挿入テーブル。
【出願人】 【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
【出願日】 平成18年7月26日(2006.7.26)
【代理人】 【識別番号】100090620
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 宣幸


【公開番号】 特開2008−34936(P2008−34936A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−203214(P2006−203214)