トップ :: H 電気 :: H04 電気通信技術




【発明の名称】 画像記録装置
【発明者】 【氏名】山元 康裕

【要約】 【課題】デジタルカメラが有する画像記録媒体への記録可能な画像の枚数を正確に算出する。

【構成】画像記録装置は主にCCD120、AFE122、DSP124、LCD138、およびSDカード130から構成される。CCD120により得られた電荷は、AFE122により画像データに変換されてDSP124に入力する。画像データはDSP124により可変長圧縮され画像ファイルとしてSDカード130に記録される。可変長圧縮により画像ファイルのファイルサイズはそれぞれ異なる。DSP124は、ユーザにより設定されるISO感度に従って、画像ファイルのファイルサイズを推定する。推定されたファイルサイズでSDカード130の残り記録容量を除することにより、残り撮影枚数を算出する。算出された残り撮影枚数はLCD138に表示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを可変長圧縮して画像記録媒体に記録する画像記録装置において、
ユーザにより設定される撮像設定値に従って定められるファイルサイズと前記画像記録媒体の記録可能な残量とから、前記画像記録媒体の残り記録枚数を求める算出手段を有することを特徴とする画像記録装置。
【請求項2】
前記撮像設定値は前記画像データの記録画素数であることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項3】
前記撮像設定値は撮像素子のゲインであることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項4】
前記撮像設定値はISO感度であることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項5】
前記算出手段は前記画像記録装置の電源投入時に実行されることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項6】
前記算出手段は前記記録画素数の設定が変更されたときに実行されることを特徴とする請求項2に記載の画像記録装置。
【請求項7】
前記算出手段は前記ゲインの設定が変更されたときに実行されることを特徴とする請求項3に記載の画像記録装置。
【請求項8】
前記算出手段は前記ISO感度の設定が変更されたときに実行されることを特徴とする請求項4に記載の画像記録装置。
【請求項9】
前記ファイルサイズはあらかじめ設定され、前記画像記録装置が有するメモリに記録されていることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【請求項10】
前記残り記録枚数を表示する表示部を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像記録装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は画像記録装置、特にデジタルカメラが有する画像記録媒体への記録可能枚数の算出に関する。
【背景技術】
【0002】
画像記録装置、例えばデジタルカメラは、スイッチの操作によりレンズから入力された被写体像をCCD及びAFEにより画像データに変換する。画像データはデジタルカメラが内蔵するメモリに一時的に記録されてDSPにより画像処理された後、着脱可能に設けられた外部メディアに画像ファイルとして記録される。LCDには記録媒体に記録された画像ファイル、レンズを介して得られたスルー画像、及びデジタルカメラの操作に必要な情報等が自動的にあるいはスイッチの操作に従って表示される。
【0003】
画像処理では、画像データを効率よく画像記録媒体に記録するために、例えばJPEG圧縮に従って可変長圧縮し、それぞれ異なるファイルサイズを有する画像ファイルを作成する。
【0004】
一方、デジタルカメラは撮影の便宜のため記録可能な画像の残り枚数を予測して表示する機能を有する。記録可能な残り枚数を予測する方法として、記録可能な残量に画像記録媒体における撮影前後の記録可能な残量の差分を加えるとともに固定値として記録されているファイルサイズを減じて算出された値を、固定値として記録されているファイルサイズで除することにより記録可能な残り枚数を算出する方法(特許文献1)が知られている。
【特許文献1】特開2002−290779号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、可変長圧縮した画像ファイルのファイルサイズは撮影条件や圧縮率によって異なるため、あらかじめ設定された固定値であるファイルサイズをもとに記録可能な残り枚数を推測しても、実際に撮影可能な枚数と異なる。残り枚数が正確でないと、画像記録媒体が記録可能な残量を有していても撮影を中断したり、連続撮影を行うときに撮影枚数が制限されたり、画像記録媒体を余計に用意する必要が生じたりする。
【0006】
本発明は、画像記録装置が有する画像記録媒体への記録可能な枚数を正確に算出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、画像データを可変長圧縮して画像記録媒体に記録する画像記録装置において、ユーザにより設定される撮像設定値に従って定められるファイルサイズと画像記録媒体の記録可能な残量とから、画像記録媒体の残り記録枚数を求める算出手段を有することを特徴とする。
【0008】
撮像設定値は画像データの記録画素数、撮像素子のゲイン、又はISO感度であることが好ましい。
【0009】
算出手段は、画像記録装置の電源が投入されたとき、記録画素数の設定が変更されたとき、ゲインの設定が変更されたとき、又はISO感度の設定が変更されたときに実行されればなお良い。
【0010】
撮像設定値に従って定められるファイルサイズはあらかじめ設定され、画像記録装置が有するメモリに記録されていればなお良い。
【0011】
画像記録装置は、残り記録枚数を表示する表示部を備えることが望ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、画像記録装置が有する画像記録媒体への記録可能な枚数を正確に算出することができる画像記録装置を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。図1は、本発明によるデジタルカメラの構成を模式的に示すブロック図である。
【0014】
被写体像は、レンズ110、絞り112及びシャッタ113を介してCCD120に結像する。レンズ110、絞り112及びシャッタ113はDSP124からの指示に従ってモータ駆動回路114により制御される。図示しないレリーズボタンを操作することによりシャッタ113が切られ、CCD120は結像した像を電荷に変換し、AFE122はCCD120からの電荷を増幅して画像データに変換する。DSP124は画像データをメモリ126に一時的に蓄積しながら、可変長圧縮し画像ファイルとしてSDカード130に保存する。DSP124に接続されるEEPROM150は、DSP124の動作に必要な各種データを記憶する。
【0015】
LCD138は、撮像前にはCCD120及びAFE122から得られる画像データを静止画あるいは動画として表示し、撮像後にはSDカード130に保存された画像ファイルを表示する。バックライト136はLCD138に設けられ、バックライト駆動回路134はDSP124からの指示に従いバックライト136を点灯させる。
【0016】
AFE122による電荷の増幅率、つまりゲインは、ユーザが操作スイッチ132を用いて設定するISO感度によって決定される。すなわち、ISO感度を高くするとゲインが上げられて画像のノイズが多くなり、S/N比が悪化する。S/N比が悪化すると画像データには輝度もしくは色調が急峻に変化する部分、つまり高周波成分が増加する。
【0017】
図2は、画像の記録画素数が約5Mピクセル(例えば、横2560ピクセル×縦1920ピクセル)であるときのISO感度と可変長圧縮後のファイルサイズの推定値との関係を示したグラフである。
【0018】
可変長圧縮後のファイルサイズの推定値は、記録画素数及びISO感度ごとに様々な被写体を撮影して得られた複数のファイルサイズを平均して求められる。つまり、デジタルカメラが設定可能な記録画素数ごとに、図2に示すものと同様のグラフが作成される。
【0019】
可変長圧縮は、CCD120及びAFE122から得られた画像データに離散コサイン変換、量子化およびハフマン圧縮を施すことによって行われる。離散コサイン変換及び量子化は、一般に被写体の輝度もしくは色調が急峻に変化しない、つまり高周波成分が少ない性質を利用するものであり、ハフマン圧縮はデータの発生確率を利用してデータの圧縮を行うものである。従って、ISO感度を高くしてゲインを上げることにより、AFE122から出力される画像データにおける高周波成分が多くなると、離散コサイン変換を用いて効率良く画像データを圧縮することができず、圧縮後のファイルサイズが大きくなる。
【0020】
すなわち、ISO感度が50のときにはS/N比が高くなって高周波成分が減少し、効率良く画像データを圧縮することができる。そのため、ファイルサイズの推定値は約0.8MBとなる。一方、ISO感度が400のときにはS/N比が低くなって高周波成分が増加し圧縮効率が低下する。そのため、ファイルサイズの推定値は約2.2MBと大きくなる。
【0021】
EEPROM150には、記録画素数毎にISO感度に一対一で対応するファイルサイズを示すテーブルデータが記憶される。テーブルデータは図2に示すグラフに従って作成される。DSP124は、このテーブルデータを参照して、設定された撮影条件に対応したファイルサイズの推定値を求める。
【0022】
図2に示すグラフを用いてISO感度及び記録画素数に応じたファイルサイズの推定値を求めることにより、固定されたファイルサイズよりも実際に撮影された画像ファイルに近いファイルサイズを得ることができる。
【0023】
図3を用いて、記録可能枚数を算出し表示部であるLCD138に表示する処理について説明する。
【0024】
この処理はデジタルカメラの電源が投入されると実行される。まずDSP124は、ステップS30においてSDカード130の記録可能な残量を図示しないSDカードコントローラを介して取得する。次にステップS32でユーザにより設定されるISO感度を読み込む。
【0025】
ステップS34では記録可能枚数の算出を行う。算出では、まず、ISO感度及び記録画素数に対応してあらかじめ定められるファイルサイズの推定値を取得する。ファイルサイズの推定値は、図2に示したグラフに従い、EEPROM150に記憶されるテーブルデータを参照して算出される。次にステップS30で取得したSDカード130の記録可能な残量をファイルサイズの推定値で除する。実際に撮影された画像ファイルのファイルサイズに近い推定値を用いることにより、精度良く残り記録可能枚数を算出することが可能になる。
【0026】
ステップS36では、LCD138に残り記録可能枚数を表示する。これにより、撮影者は残り記録枚数を誤差無く把握することが可能になり、デジタルカメラの利便性が向上する。
【0027】
これにより、固定されたファイルサイズよりも実際に撮影された画像ファイルに近いファイルサイズを得ることができ、記録媒体に記録することの出来る枚数を正確に算出することが出来る。また、EEPROM150に記憶されたテーブルデータを利用してファイルサイズの推定値を算出することにより、算出処理を簡易化して算出に必要な時間を短縮することが出来る。
【0028】
なお、可変長圧縮後のファイルサイズは、記録画素数及びISO感度に加えて画像ファイルのファイルサイズを変化させうる他の要素により決定されてもよい。
【0029】
画像のファイルサイズを得る手段はテーブルデータによるものでなくてもよく、例えば、図2に示す記録画素数、ファイルサイズ、及びISO感度設定の関係を関数で表現した数式によって推定ファイルサイズを求める手段等の、ISO感度及び記録画素数に対応するファイルサイズを得ることができるものであればよい。
【0030】
記録可能枚数の算出は、被写体を撮影してSDカード130に画像を記録した後に行っても良い。SDカード130の記録可能な残量が変化するときに記録可能枚数を算出することによって、精度の高い残り記録枚数の表示が可能になる。
【0031】
記録可能枚数の算出はISO感度又は記録画素数が変更された後に行っても良い。ISO感度又は記録画素数の変更により、画像の推定されるファイルサイズが変化する。予測されるファイルサイズが変化するときに記録可能枚数を算出することによって、より精度の高い残り記録枚数の表示が可能になる。
【0032】
画像記録媒体はSDカード130に限定されず、ハードディスク、光学ディスクまたはソリッドステートメモリ等の記録媒体であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施形態であるデジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【図2】ISO感度とファイルサイズとの関係を示すグラフである。
【図3】記録可能枚数を算出し表示する処理を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0034】
110 レンズ
120 CCD
122 AFE
124 DSP
126 メモリ
130 SDカード
132 操作スイッチ
138 LCD
【出願人】 【識別番号】000000527
【氏名又は名称】ペンタックス株式会社
【出願日】 平成18年7月26日(2006.7.26)
【代理人】 【識別番号】100090169
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 孝

【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹

【識別番号】100127306
【弁理士】
【氏名又は名称】野中 剛

【識別番号】100129746
【弁理士】
【氏名又は名称】虎山 滋郎

【識別番号】100132045
【弁理士】
【氏名又は名称】坪内 伸


【公開番号】 特開2008−34929(P2008−34929A)
【公開日】 平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願番号】 特願2006−203076(P2006−203076)