| 【発明の名称】 |
出力2分岐型固体撮像素子 |
| 【発明者】 |
【氏名】小林 誠
【氏名】池田 勝己
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| 【要約】 |
【課題】撮像したカラー画像に2つの出力アンプのゲイン差が表れることのない出力2分岐型固体撮像素子を提供する。
【構成】第1色光,第2色光,第3色光の夫々の受光量に応じた信号電荷を蓄積する複数の光電変換素子と、電荷転送路103と、電荷転送路103に設けた分岐部120と、分岐部120から分岐され前記第1色光,第3色光に応じた信号電荷を転送する第1分岐転送路105と、分岐転送路105より転送段数が1段分多く第2色光に応じた信号電荷を転送する第2分岐転送路104と、各分岐転送路の出力端部に設けられ転送されてきた信号電荷の電荷量に応じた電圧値信号を同時に出力する第1及び第2のアンプとを備える。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 第1色光の受光量に応じた信号電荷を蓄積する複数の光電変換素子と第2色光の受光量に応じた信号電荷を蓄積する複数の光電変換素子と第3色光の受光量に応じた信号電荷を蓄積する複数の光電変換素子とが二次元アレイ状に配列形成された半導体基板と、該半導体基板に形成され前記光電変換素子から読み出された前記信号電荷を出力端側に転送する電荷転送路と、該電荷転送路によって前記出力端側に転送されてきた前記信号電荷の電荷量に応じた電圧値信号を出力する第1及び第2の2つの出力アンプと、前記電荷転送路を転送されてきた信号電荷が前記第1色光に対応する信号電荷の場合には該信号電荷を前記第1の出力アンプ側に分岐し前記第2色光に対応する信号電荷の場合には該信号電荷を前記第2の出力アンプ側に分岐し前記第3色光に対応する信号電荷の場合には該信号電荷を前記第1の出力アンプ側に分岐する分岐部と、該分岐部と前記第1の出力アンプとを接続する第1分岐転送路と、該分岐部と前記第2の出力アンプとを接続すると共に前記第1分岐転送路に対して転送段数が1段多い第2分岐転送路であって前記第1の出力アンプが前記第1色光または前記第3色光の受光量に応じた前記電圧値信号を出力するとき同時に前記第2の出力アンプに前記第2色光の受光量に応じた前記電圧値信号を出力させる第2分岐転送路とを備えることを特徴とする出力2分岐型固体撮像素子。 【請求項2】 前記第1色光が3原色のうちの赤色であり、前記第2色光が3原色のうちの緑色であり、前記第3色光が3原色のうちの青色であることを特徴とする請求項1に記載の出力2分岐型固体撮像素子。 【請求項3】 前記電荷転送路の前記分岐部近傍における幅を徐々に狭める構成としたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の出力2分岐型固体撮像素子。 【請求項4】 前記分岐部に設ける分岐電極に固定電位を印加し該分岐部に流れ込んだ信号電荷がそのまま分岐先に流れ出る構成としたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の出力2分岐型固体撮像素子。 【請求項5】 前記分岐電極が扁平二等辺三角形状をなし底辺側が前記電荷転送路に連設され、二等辺の1辺が第1の分岐先に連設され、二等辺の他辺が第2の分岐先に連設されることを特徴とする請求項4に記載の出力2分岐型固体撮像素子。 【請求項6】 前記光電変換素子が前記半導体基板にハニカム配列されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の出力2分岐型固体撮像素子。 【請求項7】 前記電荷転送路として信号電荷を前記半導体基板の表面に沿う1方向に転送する複数の垂直転送路と、該垂直転送路によって転送されてきた信号電荷を受け取り前記1方向に対して直角な方向に転送する水平転送路と、前記垂直転送路によって転送されてきた信号電荷を受け取り所要タイミングで前記水平転送路に出力するラインメモリとを備えることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の出力2分岐型固体撮像素子。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は電荷転送路(転送レジスタ)の出力端部を並列に2分岐したCCD(Charge Coupled Devices:電荷結合素子)タイプの固体撮像素子に係り、特に、各出力分岐端に振り分けられた信号電荷を別々のアンプで電圧値信号に変換し出力する出力2分岐型固体撮像素子に関する。 【背景技術】 【0002】 近年のCCDタイプの固体撮像素子は、半導体微細加工技術の進歩に伴って多画素化が進み、数百万画素以上を搭載する様になってきている。このため、信号を読み出す水平転送路の転送駆動周波数を高くする必要が生じ、出力アンプから出力される電圧値信号の波形が乱れてしまうという問題が生じている。 【0003】 そこで、水平転送路の出力端部を並列に分岐し、水平転送路の転送駆動は高周波信号で行い、水平転送路上を順次転送されてきた信号電荷を振り分け部(分岐部)で各分岐転送路に順次振り分けることで、分岐転送路の駆動周波数を水平転送路の駆動周波数より低くする技術が開発されてきている(例えば、特許文献1,2,3)。 【0004】 特許文献1記載の従来技術は、水平転送路出力端部を3分岐し、R(赤色)信号電荷とG(緑色)信号電荷とB(青色)信号電荷を各分岐転送路に振り分け転送し出力する構成になっており、分岐転送路の駆動周波数を水平転送路の駆動周波数の1/3にしている。 【0005】 しかし、ハイビジョン画質等の高精細画像を撮像できる数百万画素以上を搭載した固体撮像素子では、水平転送路はかなりの高周波信号で転送駆動する必要があるため、振り分け部において、転送効率を高く維持したまま(即ち、電荷転送残り無く)信号電荷を3方に綺麗に振り分けるのは困難である。 【0006】 特許文献2,3記載の従来技術は、出力2分岐型の固体撮像素子を提案している。この出力2分岐型は、出力3分岐型に比較して信号電荷の分岐路における振り分けが容易であり、また、水平転送路の駆動周波数も分岐転送路の駆動周波数の2倍で済むという利点がある。 【0007】 しかし、特許文献2,3には、カラー画像の信号電荷の転送についての記載はない。単板式カラー固体撮像素子では、水平転送路でR,G,Bの各信号電荷が混在して転送され、これが出力端部で分岐転送路に振り分けられ、各分岐転送路毎に設けられた出力アンプで電圧値信号に変換されるため、同一色の信号電荷がどちらの出力アンプで電圧値信号に変換されたかにより、即ち出力アンプのゲイン差が、撮像画像中に表れてしまうという問題がある。 【0008】 【特許文献1】特開平5―308575号公報 【特許文献2】特許第2949861号公報 【特許文献3】特許第2624138号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0009】 出力2分岐型固体撮像素子は、分岐以後の駆動周波数を1/2に低下させことができるため水平転送路のデータレートを上げることができるという利点がある。しかし、2つの出力アンプを使用するため、各出力アンプのゲイン差が画像中に表れないようにしないと、撮像したカラー画像に違和感が生じる虞がある。 【0010】 本発明の目的は、撮像したカラー画像に2つの出力アンプのゲイン差が表れることのない出力2分岐型固体撮像素子を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0011】 本発明の出力2分岐型固体撮像素子は、第1色光の受光量に応じた信号電荷を蓄積する複数の光電変換素子と第2色光の受光量に応じた信号電荷を蓄積する複数の光電変換素子と第3色光の受光量に応じた信号電荷を蓄積する複数の光電変換素子とが二次元アレイ状に配列形成された半導体基板と、該半導体基板に形成され前記光電変換素子から読み出された前記信号電荷を出力端側に転送する電荷転送路と、該電荷転送路によって前記出力端側に転送されてきた前記信号電荷の電荷量に応じた電圧値信号を出力する第1及び第2の2つの出力アンプと、前記電荷転送路を転送されてきた信号電荷が前記第1色光に対応する信号電荷の場合には該信号電荷を前記第1の出力アンプ側に分岐し前記第2色光に対応する信号電荷の場合には該信号電荷を前記第2の出力アンプ側に分岐し前記第3色光に対応する信号電荷の場合には該信号電荷を前記第1の出力アンプ側に分岐する分岐部と、該分岐部と前記第1の出力アンプとを接続する第1分岐転送路と、該分岐部と前記第2の出力アンプとを接続すると共に前記第1分岐転送路に対して転送段数が1段多い第2分岐転送路であって前記第1の出力アンプが前記第1色光または前記第3色光の受光量に応じた前記電圧値信号を出力するとき同時に前記第2の出力アンプに前記第2色光の受光量に応じた前記電圧値信号を出力させる第2分岐転送路とを備えることを特徴とする。 【0012】 本発明の出力2分岐型固体撮像素子は、前記第1色光が3原色のうちの赤色であり、前記第2色光が3原色のうちの緑色であり、前記第3色光が3原色のうちの青色であることを特徴とする。 【0013】 本発明の出力2分岐型固体撮像素子は、前記電荷転送路の前記分岐部近傍における幅を徐々に狭める構成としたことを特徴とする。 【0014】 本発明の出力2分岐型固体撮像素子は、前記分岐部に設ける分岐電極に固定電位を印加し該分岐部に流れ込んだ信号電荷がそのまま分岐先に流れ出る構成としたことを特徴とする。 【0015】 本発明の出力2分岐型固体撮像素子は、前記分岐電極が扁平二等辺三角形状をなし底辺側が前記電荷転送路に連設され、二等辺の1辺が第1の分岐先に連設され、二等辺の他辺が第2の分岐先に連設されることを特徴とする。 【0016】 本発明の出力2分岐型固体撮像素子は、前記光電変換素子が前記半導体基板にハニカム配列されていることを特徴とする。 【0017】 本発明の出力2分岐型固体撮像素子は、前記電荷転送路として信号電荷を前記半導体基板の表面に沿う1方向に転送する複数の垂直転送路と、該垂直転送路によって転送されてきた信号電荷を受け取り前記1方向に対して直角な方向に転送する水平転送路と、前記垂直転送路によって転送されてきた信号電荷を受け取り所要タイミングで前記水平転送路に出力するラインメモリとを備えることを特徴とする。 【発明の効果】 【0018】 本発明によれば、第1色光の信号電荷は必ず第1出力アンプから出力され、第2色光の信号電荷は必ず第2出力アンプから出力され、第3色光の信号電荷は必ず第1出力アンプから出力される構成のため、ホワイトバランス補正をとることで第1出力アンプ,第2出力アンプ間にゲイン差が生じていてもこのゲイン差はホワイトバランス補正で吸収されてしまい、画像に表れることがなくなる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0019】 以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。 【0020】 図1は、本発明の一実施形態に係るデジタルカメラの構成図である。図示するデジタルカメラは、撮影レンズ10と、詳細は後述するCCDタイプの固体撮像素子100と、この両者の間に設けられた絞り12と、赤外線カットフィルタ13と、光学ローパスフィルタ14とを備える。デジタルカメラの全体を統括制御するCPU15は、フラッシュ発光部16及び受光部17を制御し、レンズ駆動部18を制御して撮影レンズ10の位置をフォーカス位置に調整し、絞り駆動部19を介し絞り12の開口量を制御して露光量調整を行う。 【0021】 また、CPU15は、撮像素子駆動部20を介して固体撮像素子100を駆動し、撮影レンズ10を通して撮像した被写体画像を色信号として出力させる。CPU15には、操作部21を通してユーザからの指示信号が入力され、CPU15はこの指示に従って各種制御を行う。 【0022】 デジタルカメラの電気制御系は、固体撮像素子100の出力に接続されたアナログ信号処理部22と、このアナログ信号処理部22から出力されたRGBの色信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路23とを備え、これらはCPU15によって制御される。 【0023】 更に、このデジタルカメラの電気制御系は、メインメモリ(フレームメモリ)24に接続されたメモリ制御部25と、補間演算やガンマ補正演算,RGB/YC変換処理等を行うデジタル信号処理部26と、撮像画像をJPEG画像に圧縮したり圧縮画像を伸張したりする圧縮伸張処理部27と、測光データを積算しデジタル信号処理部26が行うホワイトバランス補正のゲインを求める積算部28と、着脱自在の記録媒体29が接続される外部メモリ制御部30と、カメラ背面等に搭載された液晶表示部31が接続される表示制御部32とを備え、これらは、制御バス33及びデータバス34によって相互に接続され、CPU15からの指令によって制御される。 【0024】 図2は、図1に示す固体撮像素子100の平面模式図である。図示する固体撮像素子100は出力2分岐型となっている。この固体撮像素子100は、半導体基板上に多数のフォトダイオード(光電変換素子)101が二次元アレイ状に配列形成され、奇数行のフォトダイオード101に対して偶数行のフォトダイオード101が1/2ピッチづつずらして配置(所謂、ハニカム画素配列)されている。 【0025】 各フォトダイオード101上に図示した「R」「G」「B」は各フォトダイオード上に積層されたカラーフィルタの色(赤=R,緑=G,青=B)を表しており、各フォトダイオード101は、3原色のうちの1色の受光量に応じた信号電荷を蓄積する。尚、原色系カラーフィルタを搭載した例を説明するが、補色系カラーフィルタを搭載することでも良い。 【0026】 半導体基板表面の水平方向には、各フォトダイオード101を避けるように蛇行して垂直転送電極が敷設されている。半導体基板には垂直方向に並ぶフォトダイオード列の側部に図示しない埋め込みチャネルが、フォトダイオード101を避けるように垂直方向に蛇行して形成されている。この埋め込みチャネルと、この上に設けられ垂直方向に蛇行して配置される垂直転送電極とで、垂直転送路(VCCD)102が形成される。 【0027】 半導体基板の下辺部には、水平転送路(HCCD)103が設けられている。この水平転送路103も、埋め込みチャネルとその上に設けられた水平転送電極とで構成され、この水平転送路103は、撮像素子駆動部20から出力される転送パルスHS1,HS2によって2相駆動される。 【0028】 水平転送路103の出力端部は、電荷振り分け部(電荷分岐部)120により、第1分岐転送路104と、第2分岐転送路105とに2分岐される。第1分岐転送路104,第2分岐転送路105の構成は水平転送路103と同様の構成(埋め込みチャネル及び転送電極)になっており、第1分岐転送路104の出力端部には、該出力端に転送されてきた信号電荷の電荷量に応じた電圧値信号を出力する第1出力アンプ106が設けられ、第2分岐転送路105の出力端部には、該出力端に転送されてきた信号電荷の電荷量に応じた電圧値信号を出力する第2出力アンプ107が設けられている。 【0029】 第1分岐転送路104と第2分岐転送路105とは、撮像素子駆動部20が水平転送路103を駆動する転送パルスHS1,HS2を1/2に分周することで生成した転送パルスHP1,HP2によって2相駆動される。 【0030】 本実施形態の出力2分岐型固体撮像素子100は、各垂直転送路102の端部と水平転送路103との境界部分に、水平転送路103に沿うラインメモリ108を備える。 【0031】 ラインメモリ108は、例えば特開2002―112119号公報に記載されている様に、各垂直転送路102から受け取った信号電荷を一時蓄積し、水平転送路103に出力するタイミングを制御することで、信号電荷の水平方向の画素加算を行うため等に使用される。画素加算は、デジタルカメラで動画撮影を行うとき即ち縮小画像を出力するとき行い、静止画像を撮像する場合には画素加算は行わない。 【0032】 本実施形態では、ラインメモリ108を設けた出力2分岐型固体撮像素子を図示したが、ラインメモリ108を用いずに、垂直転送路102を転送されてきた信号電荷を水平転送路103に直接受け渡す構成でも良い。また、ハニカム画素配置のカラー固体撮像素子100について説明したが、フォトダイオードを正方格子状に配置し、カラーフィルタをベイヤー配列した固体撮像素子でも良い。 【0033】 尚、「垂直」「水平」という用語を使用して説明したが、これは、半導体基板表面に沿う「1方向」「この1方向に対して略直角の方向」という意味である。 【0034】 図3は、図2に示す水平転送路103と分岐転送路104,105との接続部における電荷振り分け部120の詳細を示す表面模式図である。水平転送路103は、埋め込みチャネルと、その上に繰り返し積層された第1層電極103a及び第2層電極103bの組とから成り、第1層電極103a及び第2層電極103bの組のうち1つ置きの組に転送パルスHS1が印加され、残りの1つ置きの組に、転送パルスHS1と逆位相の転送パルスHS2が印加される周知の構成になっている。 【0035】 本実施形態の水平転送路103は、電荷振り分け部120に近づくに従って、埋め込みチャネルの幅が徐々に狭くなるように形成され、第1層電極103a,第2層電極103bの長さもこれに合わせて短く形成されている。図示する例では、水平転送路103の底辺103cに対して上辺103dが徐々に近づくように、幅が約1/2程度に狭められている。 【0036】 水平転送路103と、分岐転送路104,105との間に、電荷振り分け部120が設けられる。この電荷振り分け部120は、幅狭に形成された埋め込みチャネル上に積層された第1層電極120a及び第2層電極120bでなる振り分け電極(分岐電極)を備える。 【0037】 第1層電極120aは扁平二等辺三角形の形状を為し、該扁平二等辺三角形の底辺部分に絶縁層を介して短冊状の第2層電極120bの端部分が重複積層される。この第1層電極120a及び第2層電極120bには、撮像素子駆動部20から固定電圧HSLが印加される。 【0038】 第1分岐転送路104は、振り分け電極120aの1辺側に連設され、第2分岐転送路105は、振り分け電極120aの他辺側に連設される。本実施形態の水平転送路103は、その電荷振り分け部120側近傍において、この1辺側すなわち片側でのみチャネル幅が徐々に絞られる構成としている。 【0039】 第1分岐転送路104,第2分岐転送路105は共に、埋め込みチャネルと、その上に繰り返し積層された第1層電極及び第2層電極の組とで成り、第1層電極及び第2層電極の組のうち1つ置きの組に転送パルスHP1が印加され、残りの1つ置きの組に、転送パルスHP1と逆位相の転送パルスHP2が印加される構成になっている。 【0040】 そして、第1分岐転送路104の振り分け電極120aに最隣接する第1層電極104a及び第2層電極104bに転送パルスHP1が印加されるとき、第2分岐転送路105の振り分け電極120aに最隣接する第1層電極105a及び第2層電極105bに転送パルスHP2が印加される。 【0041】 図4は、電荷振り分け部120における半導体基板の断面模式図(a)及びポテンシャル図(b)を示している。 【0042】 n型半導体基板の表面部に形成されたpウェル層には、n型の埋め込みチャネル130が形成されている。そして、この半導体基板の表面には、図示しない絶縁層を介し第1層電極膜103a,120a,105a(第1分岐転送路の場合には104a)が積層されると共に、各第1層電極膜間に、図示しない絶縁層を介して第2層電極膜103b,120b,105b(104b)が積層される。 【0043】 埋め込みチャネル130の第2層電極膜103b,120b,105b(104b)直下には、p−領域131が形成される。そして、電荷振り分け部120及び第1,第2分岐転送路104,105の部分において、電荷振り分け部120及び第1,第2分岐転送路104,105の電位を所要電位に制御するn型層132が埋め込まれる。 【0044】 斯かる構成の固体撮像素子100では、図2に示す各フォトダイオード101に蓄積された信号電荷が垂直転送路102に読み出され、垂直方向に転送される。垂直方向に転送されてきた信号電荷が水平転送路103に転送されると、水平転送路103には、水平転送パルスHS1,HS2が印加され、水平転送路103上の全信号電荷が、水平転送路103に沿って電荷振り分け部120に順次転送される。 【0045】 図5は、水平転送パルスHS2と、分岐転送路104,105に印加される転送パルスHP1,HP2のタイミングチャートである。電荷振り分け部120に最隣接する第1層電極103a,第2層電極103bに転送パルスHS2が印加されると、その電位は、図4(b)に矢印Aで示すように、上下する。 【0046】 電荷振り分け部120の振り分け電極120a,120bには固定電圧HSLが印加されており、電荷振り分け部120の電位は固定となっている。この状態で、電荷振り分け部120に最隣接する第1層電極103a,第2層電極103bの印加電圧が0Vになると、第1層電極103a下の電位は振り分け部120bの電位より小さくなり(図4(b)で上方向)、3.3Vになると第1層電極103a下の電位は振り分け部120bの電位より高くなる(図4(b)で下方向)。 【0047】 水平転送路に沿って転送されてきた信号電荷は、電荷振り分け部120に近づくに従って、チャネル幅が狭くなるため狭い領域に閉じ込められていく。そして、電荷振り分け部120に最隣接する水平転送路103の第1層電極103a,第2層電極103bの印加電圧が0Vになると(図4(b)の矢印Aの上側に持ち上げられると)、第1層電極103a下に保持されていた信号電荷は、図4(b)に「イ」と示したように、電荷振り分け部120に流れ込む。 【0048】 第1分岐転送路104と第2分岐転送路105は、転送パルスHS1,HS2の1/2の周波数の転送パルスHP1,HP2で駆動されている。電荷振り分け部120に最隣接する水平転送路103の第1層電極103aの印加電圧が0Vになったとき、電荷振り分け部120に最隣接する第2分岐転送路105の第1層電極105a,第2層電極105bには3.3Vの電圧が印加されており、第1分岐転送路104の第1層電極104a,第2層電極104bには0Vの電圧が印加されている。 【0049】 即ち、第2分岐転送路105の電位は高く(図4(b)の状態M)、第1分岐転送路104の電位は低く(図4(b)の状態L)なっている。このため、電荷振り分け部120に流れ込んだ信号電荷は、電荷振り分け部120を通ってそのまま第2分岐転送路105に流れ込む(図4(b)の「ロ」)。 【0050】 次の転送パルスHS2に従って水平転送路103から電荷振り分け部120に流れ込んだ信号電荷は、今度は、第1分岐転送路104の電位が高く(図4(b)の状態M)、第2分岐転送路105の電位が低い(図4(b)の状態L)ため、第1分岐転送路104に流れ込む。 【0051】 図6は、水平転送路103から各分岐転送路104,105に転送される信号電荷の順序を例示する模式図である。「R」とは赤色フィルタを搭載したフォトダイオードから読み出された信号電荷であり、「G」とは緑色フィルタを搭載したフォトダイオードから読み出された信号電荷である。水平転送路103に沿って、R,G,R,G,…の順序で信号電荷が転送されている。 【0052】 この信号電荷の転送により、タイミングT=2でR信号電荷が先ず電荷振り分け部120に流れ込むと、このR信号電荷は、電荷振り分け部120を通り、第2分岐転送路105に流れ込むことになる。 【0053】 次のタイミングT=3で、今度は、G信号電荷が電荷振り分け部120の隣接位置まで転送され、T=4でG信号電荷が電荷振り分け部120に流れ込むと、このG信号電荷は、電荷振れ分け部120を素通りして第1分岐転送路104に流れ込むことになる。 【0054】 以下、同様にして、図示する実施形態では、R信号電荷は全て第2分岐転送路105側に流れ込み、第2分岐転送路105の出力に設けられた出力アンプ107によって電圧値信号が読み出される。G信号電荷は全て第1分岐転送路104側に流れ込み、第1分岐転送路104の出力に設けられた出力アンプ106によって電圧値信号が読み出される。 【0055】 この様に、本実施形態の出力2分岐型固体撮像素子100では、電圧値信号は水平転送路103の1/2の駆動周波数で転送されてきた信号電荷の電荷量に応じた信号として出力されるため、水平転送路103を高速駆動しても、出力データの波形が乱れることは無い。 【0056】 また、水平転送路103に沿って転送されてきた信号電荷の存在領域を狭めてから電荷振り分け部120に流し込む構成のため、しかも、電荷振り分け部120の電位を固定電位とし、電荷振り分け部120の電位井戸の幅(信号電荷が流れる方向の長さ)を狭くした扁平二等辺三角形状としているため、電荷残り無く(等価的に高い電荷転送効率でという意味であるが、本実施形態では、電荷振り分け電極を固定電位とし転送パルスで駆動する構成にしていないため「転送効率」という用語は用いない。)、信号電荷を第1分岐転送路104または第2分岐転送路105に振り分けることが可能となる。 【0057】 図6に示す様に、本実施形態では、第1分岐転送路104に設ける転送電極の段数に対し、第2分岐転送路105に設ける転送電極の段数を1段多くしている。これは、第1分岐転送路104と第2分岐転送路105とを同一の転送パルスHP1,HP2で駆動し、第1分岐転送路104によって出力端まで転送されてきたG信号電荷の電圧値信号をアンプ106によって読み出すとき、同時に、第2分岐転送路105によって出力端まで転送されてきたR信号電荷の電圧値信号をアンプ107によって読み出すことができる様にするためである。 【0058】 これにより、固体撮像素子から読み出されたアナログの画像データをアナログフロントエンドで相関二重サンプリングするときの位相調整が1系統で済むようになる。 【0059】 また、電圧値信号を読み出した後の信号電荷を、第1分岐転送路104,第2分岐転送路で同時に同一リセット信号を用いてリセットドレインに廃棄することが可能となる。尚、信号電荷をリセットドレインに廃棄するとき、信号電荷の存在範囲が狭い方が良い。このため、第1分岐転送路104,第2分岐転送路105の出力端部の幅を狭める様に構成する。 【0060】 図7は、図2の固体撮像素子100でラインメモリ108を用い奇数行(RBラインとGラインの2行を1行とみなす)のフォトダイオードから読み出された信号電荷を2回に分けて出力し、偶数行(BRラインとGラインの2行を1行とみなす)のフォトダイオードから読み出された信号電荷を2回に分けて出力するときの電荷転送及び電荷振り分けの様子を示す図である。 【0061】 ラインメモリ108上には、奇数行のフォトダイオードから読み出された信号電荷が「R,G,B,G,R,G,B,G,…」と並んでいる。第1転送では、この信号の並びから「R,G」の並び部分だけを水平転送路に移して転送し、第2転送では、残りの「B,G」の並び部分を水平転送路に移して転送を行う。 【0062】 奇数行のフォトダイオードから読み出された信号電荷の出力が終わった後は、ラインメモリ108上には、偶数行のフォトダイオードから読み出された信号電荷が「B,G,R,G,B,G,R,G,…」と並んでいる。第1転送では、この信号の並びから「B,G」の並び部分だけを水平転送路に移して転送し、第2転送では、残りの「R,G」の並び部分を水平転送路に移して転送を行う。 【0063】 これらの各電荷転送,出力に際し、本実施形態では、G信号電荷に関しては必ず電荷振り分け部120が第1分岐転送路104側に分岐し、R信号電荷及びB信号電荷に関しては必ず第2分岐転送路105に分岐する様に、転送パルスHS1,HS2,HP1,HP2のタイミング制御を行う。 【0064】 同一製造プロセスにより同一半導体基板上に同一構造の出力アンプ106,107を製造する場合であっても、その特性を同一にすることは困難である。しかし、本実施形態の様に、同一色の信号電荷の電圧値信号は必ず同じ出力アンプから読み出される構成とすることで、各出力アンプ間のゲイン差を吸収することが可能となる。 【0065】 固体撮像素子から出力されるR,G,B毎の画像データから1枚の撮像画像を再生する場合、図1に示すデジタル信号処理部26は、ホワイトバランス補正を行う。ホワイトバランス補正とは、本来「白」である画像を様々な色の光源下で撮像しても「白」の撮像画像として表現されるように補正するものであり、1枚の撮像画像を構成するR,G,Bの画像データ全てを混合したとき、混合結果が「無彩色」となるようにR,G,B毎のゲイン調整を行うものである。 【0066】 2つの出力アンプ106,107間にゲイン差が存在していても、同じ色の色データが同じアンプから出力されていれば、ホワイトバランス補正を行うことで、アンプ間のゲイン差は吸収されてしまい、ゲイン差が画像データに表れることのない良好な画質のカラー画像データを再生することが可能となる。 【0067】 図8は、各画素(フォトダイオード)が正方格子状に配列され、カラーフィルタがベイヤー配列されている固体撮像素子の信号電荷を各フォトダイオードから読み出し、水平転送路,第1分岐転送路,第2分岐転送路と転送する場合の各色信号電荷の転送及び電荷振り分けの様子を示す図である。 【0068】 この固体撮像素子の場合、奇数行のフォトダイオードから読み出された信号電荷は、水平転送路上で「R,G,R,G,…」と並び、偶数行のフォトダイオードから読み出された信号電荷は、水平転送路上で「G,B,G,B,…」と並ぶことになる。 【0069】 奇数行の信号電荷を転送し出力するときは、第1分岐転送路104にG信号電荷を振り分けると共にR信号電荷を第2分岐転送路105に振り分ける。また、偶数行の信号電荷を転送し出力するときは、第1分岐転送路104にG信号電荷を振り分けると共にB信号電荷を第2分岐転送路105に振り分ける。 【0070】 これにより、G信号電荷の電圧値信号は必ず出力アンプ106によって読み出され、R信号電荷及びB信号電荷の夫々の電圧値信号は必ず出力アンプ107によって読み出され、ホワイトバランス補正を行うことで、アンプ106,107間のゲイン差は吸収される。 【0071】 図9は、図2のラインメモリを用いないハニカム画素配列の固体撮像素子で各画素から読み出した信号電荷を水平転送路,第1分岐転送路,第2分岐転送路と転送する場合の各色信号電荷の転送及び電荷振り分けの様子を示す図である。 【0072】 この固体撮像素子の場合、水平方向に蛇行配置された奇数行(RBラインとGラインの2行を1行とみなす)のフォトダイオードから読み出された信号電荷は、水平転送路上で「R,G,B,G,R,G,B,G,…」と並び、偶数行(BRラインとGラインの2行を1行とみなす)のフォトダイオードから読み出された信号電荷は、水平転送路上で「B,G,R,G,B,G,R,G,…」と並ぶことになる。 【0073】 奇数行の信号電荷を転送し出力するときは、第1分岐転送路104にG信号電荷を振り分けると共に、R信号電荷とB信号電荷を第2分岐転送路105に振り分ける。また、偶数行の信号電荷を転送し出力するときは、第1分岐転送路104にG信号電荷を振り分けると共に、B信号電荷とR信号電荷を第2分岐転送路105に振り分ける。 【0074】 即ち、偶数行,奇数行に関わらず、G信号電荷の電圧値信号は必ず出力アンプ106によって読み出され、R信号電荷,B信号電荷の電圧値信号は必ず出力アンプ107によって読み出される構成としている。 【0075】 この結果、本実施形態でも、ホワイトバランス補正をとることで、アンプ106,107間のゲイン差は吸収される。 【0076】 図10は、本発明の別実施形態に係る固体撮像素子の説明図である。上述した各実施形態に係る固体撮像素子では、水平転送路の出力端部を分岐部(電荷振り分け部)を介して2分岐し、各分岐路に電荷転送路(第1分岐転送路,第2分岐転送路)を設けたが、本実施形態の固体撮像素子では、分岐部で2分岐した信号電荷の電荷量を、そのまま出力アンプ106,107で電圧値信号に変換し出力する構成になっている。 【0077】 この構成においても、同じ色の信号電荷を同一アンプから出力するため、アンプ間のゲイン差をホワイトバランス補正で吸収することができる。 【0078】 以上述べた様に、本発明の各実施形態によれば、同じ色の信号電荷の電荷量に応じた電圧値信号を必ず同じアンプで出力する構成にしているため、アンプ間にゲイン差が存在してもホワイトバランス補正によりゲイン差を吸収することができる。 【産業上の利用可能性】 【0079】 本発明に係る固体撮像素子は、ハイビジョン画質等の高精細画像を撮像することが可能なデジタルカメラに搭載すると、有用である。 【図面の簡単な説明】 【0080】 【図1】本発明の一実施形態に係るデジタルカメラの機能ブロック図である。 【図2】図1に示す出力2分岐型固体撮像素子の表面模式図である。 【図3】図2に示す電荷振り分け部(分岐部)の詳細表面模式図である。 【図4】図2に示す電荷振り分け部の断面模式図(a)及びのそのポテンシャル図(b)である。 【図5】図4に示す電荷振り分け部を駆動する転送パルスのタイミングチャートである。 【図6】図2に示す水平転送路から各分岐転送路に転送される信号電荷の色順序を例示する模式図である。 【図7】図2に示す固体撮像素子(ハニカム画素配列され且つラインメモリを持つ固体撮像素子)の水平転送路,第1分岐転送路,第2分岐転送路における各色信号電荷の転送及び電荷振り分けの様子を示す図である。 【図8】本発明の別実施形態に係る固体撮像素子(カラーフィルタがベイヤー配列された固体撮像素子)の水平転送路,第1分岐転送路,第2分岐転送路における各色信号電荷の転送及び電荷振り分けの様子を示す図である。 【図9】本発明の更に別実施形態に係る固体撮像素子(ハニカム画素配列されラインメモリを持たない固体撮像素子)の水平転送路,第1分岐転送路,第2分岐転送路における各色信号電荷の転送及び電荷振り分けの様子を示す図である。 【図10】本発明の更に別実施形態に係る固体撮像素子(分岐転送路を持たない固体撮像素子)の水平転送路,分岐部における各色信号電荷の転送及び電荷振り分けの様子を示す図である。 【符号の説明】 【0081】 100 固体撮像素子 101 フォトダイオード 102 垂直転送路(VCCD) 103 水平転送路(HCCD) 104 第1分岐転送路 105 第2分岐転送路 106,107 出力アンプ 108 ラインメモリ 120 電荷振り分け部(分岐部) 103a,104a,105a 転送路の第1層電極膜 103b,104b,105b 転送路の第2層電極膜 120a 分岐部における扁平三角形状の電荷振り分け電極(第1層電極) 120b 分岐部の電荷振り分け電極(第2層電極)
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| 【出願人】 |
【識別番号】306037311 【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
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| 【出願日】 |
平成19年9月21日(2007.9.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100115107 【弁理士】 【氏名又は名称】高松 猛
【識別番号】100132986 【弁理士】 【氏名又は名称】矢澤 清純
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| 【公開番号】 |
特開2008−17532(P2008−17532A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月24日(2008.1.24) |
| 【出願番号】 |
特願2007−245465(P2007−245465) |
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