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【発明の名称】 映像編集方法および装置
【発明者】 【氏名】清水 智行

【氏名】米山 暁夫

【氏名】滝嶋 康弘

【要約】 【課題】参照区間が相互に重複する場合に効率的な編集を可能にする映像編集方法および装置を提供する。

【構成】配置情報取得部11は配置情報を取得する。重複検知部12は、同一の映像素材上で相互に重複する参照区間を検知する。切出区間決定部13は、映像素材ごとに指定されている参照区間、および前記重複検知部13での検知結果に基づいて、各映像素材から切り出す切出区間を決定する。管理テーブル17には、映像素材、参照区間、切出区間ならびに切出区間上での各参照区間の始点および終点を相互に対応付ける情報が登録されている。切出部14は、各映像素材から前記決定された切出区間の映像部分を切り出して映像データベース(DB)15に蓄積する。再生制御情報生成部16は、管理テーブル17に基づいて、SMIL等の汎用記述言語で再生制御情報を生成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの映像素材から複数の参照区間を切り出して編集する映像編集装置において、
各映像素材の参照区間およびその編集映像上での再生タイミングを定めた配置情報を取得する手段と、
参照区間の重複を検知する重複検知手段と、
各参照区間に基づいて切出区間を決定し、相互に重複する複数の参照区間は一つの切出区間に統合する切出区間決定手段と、
前記各切出区間の映像を各映像素材から切り出す切出手段と、
前記切出区間の映像を記憶する映像記憶手段と、
前記参照区間および切出区間の対応関係、ならびに前記配置情報に基づいて、前記各切出区間の映像を所定のタイミングで再生させるための再生制御情報を生成する再生制御情報生成手段とを含むことを特徴とする映像編集装置。
【請求項2】
前記再生制御情報において、複数の参照区間が統合された切出区間には、参照区間ごとに対応区間の映像を抽出するための情報が登録されていることを特徴とする請求項1に記載の映像編集装置。
【請求項3】
前記再生制御情報がSMIL記述であることを特徴とする請求項1または2に記載の映像編集装置。
【請求項4】
少なくとも一つの映像素材から複数の参照区間を切り出して編集する映像編集方法において、
各映像素材の参照区間およびその編集映像上での再生タイミングを定めた配置情報を取得する手順と、
参照区間の重複を検知する手順と、
各参照区間に基づいて切出区間を決定し、相互に重複する複数の参照区間は一つの切出区間に統合する手順と、
前記各切出区間の映像を各映像素材から切り出す手順と、
前記切出区間の映像を記憶媒体に記憶する手順と、
前記参照区間および切出区間の対応関係、ならびに前記配置情報に基づいて、前記各切出区間の映像を所定のタイミングで再生させるための再生制御情報を生成する手順とを含むことを特徴とする映像編集方法。
【請求項5】
前記再生制御情報において、複数の参照区間が統合された切出区間には、参照区間ごとに対応区間の映像を抽出するための情報が登録されていることを特徴とする請求項4に記載の映像編集方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は映像編集方法および装置に係り、特に、映像素材上で指定される複数の参照区間の一部が相互に重複する場合に、これを効率的に編集できる映像編集方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
動画、音声、静止画等のデータ(以下、「映像」で代表する)を並べ替えたり、組み合わせたりして一連の映像コンテンツを生成する映像編集装置が知られている。また、これらの編集手順として、各映像の再生手順やレイアウト等の再生制御情報を生成して記録媒体等に記録しておき、再生時には当該再生制御情報に従って各映像を所定のタイミングで読み出して再生する機能があり、再生制御情報の記述方法の一つにSMIL(Synchronized Multimedia Integration Language)が知られている。
【0003】
SMILでは、再生開始時間、再生終了時間、再生継続時間等の指定を、先頭からの相対時間で記述することが可能である。従って、再生制御情報にSMILを用いることによって柔軟な再生制御情報の記述が可能となり、使用可能な機器等の汎用性も向上する。
【0004】
特許文献1には、複数の映像素材から所望の参照区間の映像を切り出し、これらをSMIL記述された再生制御情報で結合することで一つの編集映像を生成する映像編集方法が開示されている。
【0005】
図7は、上記した従来技術における映像編集方法を模式的に表現した図であり、ここでは、映像素材から相互に重複する2つの参照区間a1,a2の映像を切り出して結合する場合を例にして説明する。
【0006】
映像素材の参照区間およびその編集映像上での再生タイミングを定めた配置情報には、映像素材から切り出す第1の参照区間a1のイン点tin1およびアウト点tout1、第2の参照区間a2のイン点tin2およびアウト点tout2、ならびに各参照区間の編集映像上での再生位置0,t1を示す位置情報等を含む各種の情報が記憶されている。
【0007】
映像編集装置は前記配置情報に基づいて、映像素材から各参照区間a1,a2の映像を切出区間Ka,Kbとして切り出し、これらの映像片をハードディスク等の記憶媒体に記憶すると共に、その再生制御情報を生成する。編集映像を再生する際は、再生制御情報に基づいて各切出区間Ka,Kbを所定のタイミングで記憶媒体から読み出して順次に再生する。
【特許文献1】特開2004−310889号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記した従来技術では、複数の参照区間a1,a2の一部が相互に重複しているにもかかわらず、各参照区間が独立した切出区間Ka1,Ka2として別々に切り出されて記憶媒体に蓄積されてしまう。このため、記憶媒体上では重複部分の映像が複数箇所に記憶されることになるので、記憶媒体の容量が無駄に消費されるのみならず、切出区間を記憶媒体に蓄積する際のアクセス時間も長くなってしまう。
【0009】
本発明の目的は、上記した従来技術の課題を解決し、参照区間が相互に重複する場合でも効率的な編集を可能にする映像編集方法および装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記した目的を達成するために、本発明は、少なくとも一つの映像素材から複数の参照区間を切り出して編集する映像編集装置において、各映像素材の参照区間およびその編集映像上での再生タイミングを定めた配置情報を取得する手段と、参照区間の重複を検知する重複検知手段と、各参照区間に基づいて切出区間を決定し、相互に重複する複数の参照区間は一つの切出区間に統合する切出区間決定手段と、前記各切出区間の映像を各映像素材から切り出す切出手段と、前記切出区間の映像を記憶する映像記憶手段と、前記参照区間および切出区間の対応関係、ならびに前記配置情報に基づいて、前記各切出区間の映像を所定のタイミングで再生させるための再生制御情報を生成する再生制御情報生成手段とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、以下のような効果が達成される。
(1)映像素材上で相互に重複する参照区間は、連続する一つの切出区間に統合された後に映像素材から切り出されて記憶媒体に記憶されるので、記憶媒体に記憶する切出区間の総データ量を削減できるようになる。
(2)記憶媒体に記憶する切出区間の総データ量を削減できるので、切出区間の映像を記憶媒体に記憶させるのに要する時間を短縮できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の最良の実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明に係る映像編集装置の主要部の構成を示した機能ブロック図であり、本発明の説明に不用な構成は図示が省略されている。
【0013】
本発明の映像編集装置1は、ユーザにより入力された配置情報に基づいて、少なくとも一つの映像素材から複数の参照区間を切り出し、この切り出された区間(切出区間)の映像、および当該切出区間の映像に基づいて編集映像を再生するための再生制御情報を生成し、これを再生装置2へ提供する。
【0014】
映像編集装置1において、配置情報取得部11は、外部から入力される配置情報を取得する。この配置情報には、各映像素材を識別する映像素材IDごとに、各映像素材上で参照する少なくとも一つの参照区間のイン点およびアウト点等の情報と、各参照区間の編集映像上での配置を特定するための時刻情報等が登録されている。
【0015】
重複検知部12は、同一の映像素材上で相互に重複する参照区間を検知する。切出区間決定部13は、映像素材ごとに指定されている参照区間、および前記重複検知部13での検知結果に基づいて、各映像素材から切り出す切出区間を決定する。管理テーブル17には、後に詳述するように、映像素材、参照区間、切出区間ならびに切出区間上での各参照区間の始点および終点を相互に対応付ける情報が登録されている。
【0016】
切出部14は、各映像素材から前記決定された切出区間の映像片を切り出して映像データベース(DB)15に蓄積する。再生制御情報生成部16は、前記管理テーブル17に基づいて、SMILやXML等の汎用記述言語で再生制御情報を生成する。
【0017】
再生装置2は、映像編集装置1から提供される再生制御情報に基づいて、前記映像DB15に格納されている各映像素材の切出区間を所定のタイミングで順次に読み出して再生出力する。
【0018】
図2は、本発明に係る映像編集装置による映像編集手順を示したフローチャートである。
【0019】
ステップS1では、配置情報取得部11により配置情報が取得される。本実施形態では、この配置情報においてN箇所の参照区間が指定されており、参照区間ごとに、編集映像上での再生開始時刻が登録されている。ステップS2では、今回の注目参照区間を特定するための変数nに初期値「1」がセットされる。ステップS3では、第n番目の参照区間(参照区間n)に関して、そのイン点およびアウト点が映像素材IDと共に前記配置情報から抽出される。
【0020】
ステップS4では、今回の注目参照区間と重複する部分を有する切出区間が既登録であるか否かが判定される。重複する切出区間が未登録であればステップS6へ進み、今回の参照区間が新たな切出区間の一つと設定される。
【0021】
図3は、参照区間が切出区間として新たに設定される様子を模式的に表現した図であり、映像素材Aの時刻tin1をイン点、時刻tout1をアウト点とする参照区間aが、時刻0(=tin1)を始点、時刻tend(=tout1−tin1)を終点とする切出区間Kaとして管理管理テーブル17に新規登録される。
【0022】
これに対して、今回の注目参照区間と重複する部分を有する切出区間が既登録と判定されるとステップS5へ進み、当該既登録の切出区間に今回の参照区間が統合される。図4は、相互に重複する参照区間bと既登録の切出区間Kaとが統合されて新たな切出区間Ka’が設定される様子を模式的に表現した図であり、既登録の切出区間Kaが、時刻0(=tin1)を始点、時刻tend(=tout2−tin1)を終点とする新たな切出区間Ka’として前記管理テーブル17に更新登録される。
【0023】
ステップS7では、変数nがインクリメントされる。ステップS8では、全ての参照区間に関して前記切出区間の登録が完了したか否かが判定され、未完了(n<N)であれば、前記ステップS3へ戻って上記した各処理が繰り返される。
【0024】
その後、全ての参照区間に関して切出区間としての登録が完了するとステップS9へ進み、前記登録された全ての切出区間が前記切出部14により各映像素材から切り出されて映像DB15に蓄積される。ステップS10では、映像素材上で指定された各参照区間の時刻(イン点,アウト点)を、切出区間上での時刻(始点,終点)に変換する時刻修正が行われる。
【0025】
図5は、各映像素材から切り出された切出区間を結合して編集映像を生成するための手順を模式的に表現した図であり、図6は、各参照区間と各切出区間とを対応付けるために生成される管理テーブル17の一例を示した図である。
【0026】
本実施形態では、前記配置情報において、映像素材Aには時刻tin1をイン点、時刻tout1をアウト点とする参照区間a1、および時刻tin2をイン点、時刻tout2をアウト点とする参照区間a2の2つが設定されており、切出区間a1,a2は、その一部が相互に重複している。
【0027】
したがって、前記切出区間決定部13では、時刻tin1をイン点、時刻tout2をアウト点とする一連の切出区間Kaが設定され、この切出区間Kaには、時刻0を始点、時刻t1end(=tout2−tin1)を終点とする時刻情報が新たに付与される。また、この切出区間Kaには、前記参照区間a1に対応する区間として、時刻0を始点、時刻(tout1-tin1)を終点とする切出区間Ka1が設定され、さらに、前記参照区間a2に対応する区間として、時刻(tin2-tin1)を始点、時刻(tout2-tin1)を終点とする切出区間Ka2が設定される。上記した各時刻情報は前記管理テーブル17に登録される。このように、本実施形態の管理テーブル17では、複数の参照区間が統合された切出区間には、参照区間ごとに対応区間の映像を抽出するための情報が登録されている。
【0028】
一方、映像素材Bには時刻tin3をイン点、時刻tout3をアウト点とする参照区間b1、および時刻tin4をイン点、時刻tout4をアウト点とする参照区間b2の2つが設定されており、参照区間b1,b2は相互に重複しない。したがって、前記切出区間決定部13では、各参照区間b1,b2がそのまま切出区間Kb1,Kb2として設定される。
【0029】
そして、切出区間Kb1には時刻0を始点、時刻(tout3−tin3)を終点とする時刻情報が付与され、切出区間Kb2には時刻0を始点、時刻(tout4−tin4)を終点とする時刻情報が付与され、いずれも前記管理テーブル17に登録される。
【0030】
以上のようにして、各映像素材上の参照区間と各切出区間とを対応付ける管理テーブル17が生成されると、ステップS11では、前記再生制御情報生成部16において、前記切出区間および配置情報に基づいて編集映像の再生制御情報が生成される。
【0031】
この再生制御情報では、時刻0から参照区間a1が再生されるように前記切出区間ka1を映像DBから読み出し、時刻t1から参照区間b1が再生されるように前記切出区間kb1を読み出し、時刻t2から参照区間b2が再生されるように前記切出区間kb2を読み出し、時刻t3から参照区間a2が再生されるように前記切出区間ka2を読み出すための制御情報が、例えばSMILやXML等の汎用記述言語で生成される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に係る映像編集装置の主要部の構成を示した機能ブロック図である。
【図2】本発明に係る映像編集装置による映像編集手順を示したフローチャートである。
【図3】参照区間が切出区間として設定される様子を模式的に表現した図である。
【図4】相互に重複する参照区間が統合される様子を模式的に表現した図である。
【図5】映像素材から切り出された切出区間を結合して編集映像を生成するための手順を模式的に表現した図である。
【図6】管理テーブルの一例を示した図である。
【図7】従来技術の課題を模式的に表現した図である。
【符号の説明】
【0033】
1…映像編集装置,2…再生装置,11…配置情報取得部,12…重複検知部,13…切出区間決定部,14…切出部,15…映像データベース(DB),16…再生制御情報生成部,17…管理テーブル
【出願人】 【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
【出願日】 平成18年7月7日(2006.7.7)
【代理人】 【識別番号】100084870
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 香樹

【識別番号】100079289
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 道人

【識別番号】100119688
【弁理士】
【氏名又は名称】田邉 壽二


【公開番号】 特開2008−17280(P2008−17280A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−187923(P2006−187923)