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【発明の名称】 画像処理装置及び画像処理方法
【発明者】 【氏名】石黒 和宏

【氏名】鳥山 秀之

【氏名】鍋島 孝元

【要約】 【課題】画像品質を低下させることなく地紋パターンを確実に検出できる地紋付き原稿を作成するのに用いられる画像処理装置、及び画像処理方法を提供する。

【構成】画像データ20と地紋パターン21との重なり部分において、色検出手段1により検出された画像データの色と、地紋パターンの色とが同一であるかどうかを判定し、同一であると判定された場合には、前記重なり部分における地紋パターン21のドット23の色を変更して、画像データと地紋パターンとを合成させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された画像データと多数のドットで構成された地紋パターンとを合成する合成手段と、
前記画像データの色を検出する色検出手段と、
前記画像データと地紋パターンとの重なり部分において、前記色検出手段により検出された画像データの色と地紋パターンの色とが同一であるかどうかを判定する判定手段と、
重なり部分において、画像データの色と地紋パターンの色とが同一であると判定された場合には、前記重なり部分における地紋パターンのドットの色を変更して、前記合成手段に画像データと地紋パターンとを合成させる合成制御手段と、
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記合成制御手段は、重なり部分における地紋パターンのドットの色を、重なり部分における画像データの色に対する反対色以外の色に変更する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記合成制御手段は、重なり部分における地紋パターンのドットの色を、重なり部分における画像データの色とは明度成分のみが異なる色に変更する請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記合成制御手段は、重なり部分における地紋パターンのドットの形状を変更する請求項1〜3のいずれかに記載の画像処理装置
【請求項5】
重なり部分における画像データが文字である場合には、前記合成制御手段は、重なり部分における地紋パターンのドットの形状を、文字の長さ方向と同じ方向成分を持つ細線とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
入力された画像データと多数のドットで構成された地紋パターンとを合成するステップと、
前記画像データの色を検出するステップと、
前記画像データと地紋パターンとの重なり部分において、前記検出された画像データの色と地紋パターンの色とが同一であるかどうかを判定するステップと、
重なり部分において、画像データの色と地紋パターンの色とが同一であると判定された場合には、前記重なり部分における地紋パターンのドットの色を変更して、画像データと地紋パターンとを合成させるステップと、
を備えたことを特徴とする画像処理方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、入力された画像データに、任意の情報を付加した地紋パターンを合成する画像処理装置及び画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、文書等の複写状態を管理してセキュリティを確保するために、文字等の通常の画像の他に、任意の情報を埋め込んだ地紋パターンを付加して原稿に印字することが行われている。
【0003】
このような地紋パターンは、多数のドットで構成されており、地紋入りの原稿の作成に際しては、入力された画像データに予め記憶されている地紋パターンを合成して、用紙に印字される。
【0004】
このように、画像データと地紋パターンとが合成されることから、画像データと地紋パターンとの重なり部分が必然的に発生するが、従来では次のような欠点があった。
【0005】
即ち、画像データと地紋パターンとの重なり部分において、画像データと地紋パターンを構成するドットとが同一色である場合、地紋付きの原稿を読み込んでも、重なり部分において地紋パターンのドットを検出できず、ひいては地紋パターンに埋め込まれた任意の情報を検出できなくなる恐れがあった。
【0006】
なお、特許文献1には、識別情報を付加する画像処理装置において、原稿画像の画像情報の一部を削除し、削除された白抜き領域に識別情報を記録する技術が開示されている。
【特許文献1】特開平6−70134号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記特許文献1に記載された技術では、原稿画像の画像データの一部を削除する必要があるため、画像データの欠損を招き、画像品質を低下させるという別の問題が発生するものであった。
【0008】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、画像品質を低下させることなく地紋パターンを確実に検出できる地紋付き原稿を作成するのに用いられる画像処理装置、及び画像処理方法の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題は以下の手段によって解決される。
(1)入力された画像データと多数のドットで構成された地紋パターンとを合成する合成手段と、前記画像データの色を検出する色検出手段と、前記画像データと地紋パターンとの重なり部分において、前記色検出手段により検出された画像データの色と地紋パターンの色とが同一であるかどうかを判定する判定手段と、重なり部分において、画像データの色と地紋パターンの色とが同一であると判定された場合には、前記重なり部分における地紋パターンのドットの色を変更して、前記合成手段に画像データと地紋パターンとを合成させる合成制御手段と、を備えたことを特徴とする画像処理装置。
(2)前記合成制御手段は、重なり部分における地紋パターンのドットの色を、重なり部分における画像データの色に対する反対色以外の色に変更する前項1に記載の画像処理装置。
(3)前記合成制御手段は、重なり部分における地紋パターンのドットの色を、重なり部分における画像データの色とは明度成分のみが異なる色に変更する前項1に記載の画像処理装置。
(4)前記合成制御手段は、重なり部分における地紋パターンのドットの形状を変更する前項1〜3のいずれかに記載の画像処理装置
(5)重なり部分における画像データが文字である場合には、前記合成制御手段は、重なり部分における地紋パターンのドットの形状を、文字の長さ方向と同じ方向成分を持つ細線とする前項4に記載の画像処理装置。
(6)入力された画像データと多数のドットで構成された地紋パターンとを合成するステップと、前記画像データの色を検出するステップと、前記画像データと地紋パターンとの重なり部分において、前記検出された画像データの色と地紋パターンの色とが同一であるかどうかを判定するステップと、重なり部分において、画像データの色と地紋パターンの色とが同一であると判定された場合には、前記重なり部分における地紋パターンのドットの色を変更して、画像データと地紋パターンとを合成させるステップと、を備えたことを特徴とする画像処理方法。
【発明の効果】
【0010】
前項(1)に記載の発明によれば、画像データと地紋パターンとの重なり部分において、画像データの色と地紋パターンの色とが同一であると判定された場合には、前記重なり部分における地紋パターンのドットの色を変更して、画像データと地紋パターンとが合成されるから、地紋付きの原稿を読み込んでも、重なり部分において地紋パターンのドットを検出できなくなる不都合を防止できる。しかも、画像データを削除するものではないから、画像品質の低下を招く不都合もない。
【0011】
前項(2)に記載の発明によれば、重なり部分における地紋パターンのドットの色が、重なり部分における画像データの色に対する反対色以外の色に変更されるから、反対色に変更された場合のように地紋パターンが目立ちすぎて画質が低下するのを回避できる。
【0012】
前項(3)に記載の発明によれば、重なり部分における地紋パターンのドットの色が、重なり部分における画像データの色とは明度成分のみが異なる色、換言すれば画像データの色とは濃淡の異なる色に変更されるから、地紋パターンをさらに目立ちにくくすることができる。
【0013】
前項(4)に記載の発明によれば、重なり部分における地紋パターンのドットの形状を変更するから、さらに地紋パターンを目立ちにくくすることができる。
【0014】
前項(5)に記載の発明によれば、重なり部分における画像データが文字である場合には、重なり部分における地紋パターンのドットの形状が、文字の長さ方向と同じ方向成分を持つ細線となされるから、文字に対して地紋パターンが目立ちにくくなる。
【0015】
前項(6)に記載の発明によれば、画像品質の低下を招くことなく、重なり部分において地紋パターンのドットを検出できなくなる不都合を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、この発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1は、この発明の一実施形態に係る画像処理装置の要部の構成を示すブロック図である。
【0018】
この画像処理装置は、色検出部1と、第1地紋パターン作成部2と、第2地紋パターン作成部3と、合成部4と、セレクタ5とを備えている。
【0019】
前記色検出部1は、入力画像データの存在領域とその色を検出するものである。なお、入力画像データとしては、原稿の画像をスキャンすることにより得られた画像データでも良いし、外部の端末装置から送信されてきた画像データでも良いし、図示しない記憶手段の記憶領域であるボックスに記憶されている画像データであっても良い。
【0020】
前記第1地紋パターン作成部2は、入力画像データと重ならない部分において地紋パターンを作成するものであり、第2地紋パターン作成部3は、入力画像データとの重なり部分において地紋パターンを作成するものである。地紋パターンは多数のドットにより構成されているが、第2地紋パターン作成部3は、入力画像データと地紋パターンとの重なり部分において、色検出部1によって検出された画像データの色と地紋パターンのドットの色とが同一色である場合には、地紋パターンの色を変更し、あるいはさらに形状を変更する。
【0021】
前記合成部4は、入力画像データと第1地紋パターン作成部2または第2地紋パターン作成部3で作成された地紋パターンとを合成して、地紋入り画像データを作成するものである。
【0022】
前記セレクタ5は、前記色検出部1で検出された画像データの領域及び色に基づいて、画像データと重ならない部分については第1地紋パターン作成部2を選択し、重なり部分については第2地紋パターン作成部3を選択し、合成部4に出力する。第2地紋パターン作成部3は、セレクタ5からの指示に基づいて、入力画像データとの重なり部分における地紋パターンのドットの色が画像データと同じかどうかを調べ、同じであればドットの色を変更する。
【0023】
これを図2を参照して説明する。図2(a)において、20は入力画像データ、21は任意の情報を埋め込まれた地紋パターンである。地紋パターン21を構成するドット22のうち、いくつかのドット23は画像データ20と重なっている。このため、入力画像データ20と地紋パターン21をそのまま合成して、図示しない印字装置で印字すると、入力画像データ20との重なり部分において、地紋パターン21のドット23が消失してしまい、地紋パターン21のドット23を検出できず、ひいては地紋パターン21に埋め込んだ任意の情報を検出できなくなる恐れがある。
【0024】
そこで、図2(b)に示すように、重なり部分においてドット23の色を変更することにより、ドットの検出を可能とする。ドット23の一部が画像データ20と重なっている場合も、重なっているドット23の一部のみの色を変更する。
【0025】
変更後の色は特に限定されることはないが、望ましくは、画像データ20に可及的に影響を与えないように、目立たない色とするのが良い。従って、画像データの色の反対色へは変更しないのがよい。例えば、画像データ20が黒の場合にはドット23を白以外に、画像データ20が赤の場合にはドット23をシアン以外に、画像データ20が緑の場合にはドット23をマジェンタ以外に、画像データ20が青の場合にはドット23をイエロー以外に、それぞれ変更するのがよい。
【0026】
さらにドット23を目立たなくして、画像データ20にさらに影響を与えないようにするため、重なり部分における地紋パターン21のドット23の色を、画像データ20の色とは明度成分のみが異なる色、換言すれば画像データ23の色とは濃淡(階調)の異なる色に変更するのがよい。
【0027】
また、色だけでなく、図3に示すように、ドット24の形状をも変更しても良い。図3では、重なり部分のドット23の色を変更すると共に、図3(b)に示す変更後のドット24は、変更前の図3(a)に比べて形状は同じでその大きさが縮小されている。このように、ドットの大きさを縮小することにより、ドットをさらに目立ちにくくすることができる。
【0028】
図4は、ドットの色と共に形状を変更する場合の他の例を示す図である。
【0029】
この例では、画像データ20が文字である場合を示し、図4(a)のように文字の画像データ20と重なった地紋パターン21のドット23の色を、図4(b)のように変更させた上で、図4(c)のドット25のように形状を変更させる。形状は、文字の重なり部分における長さ方向と同じ方向成分を持つ細線とする。このように、重なり部分における地紋パターン21のドット25の形状を、文字の長さ方向と同じ方向成分を持つ細線とすることにより、文字に対して地紋パターンをさらに目立ちにくくすることができる。
【0030】
図5は、画像データと地紋パターンとが重なる場合に、地紋パターンのドットの色を変更する処理を示すフローチャートである。
【0031】
このフローチャートでは、画像データが入力されると、ステップS1では、画像データと地紋パターンとの色の差を求めるために、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)のそれぞれについて、2つの差分値を求める。
【0032】
ステップS2では、求めた差分値が予め決められた値よりも小さいかどうかを判断する。求めた差分値が予め決められた値よりも小さい場合には(ステップS2でYES)、画像データと地紋パターンのドットの色は近似した色であると判断し、地紋パターンのドットの色を変更する。
【0033】
具体的には、ステップS3で、地紋パターンのドットのC、M、Y、Kの各値から一定の値を減算したのち、ステップS4に進む。ステップS2で、求めた差分値が予め決められた値以上の場合には(ステップS2でNO)、画像データと地紋パターンのドットの色は異なるから、そのままステップS4に進む。
【0034】
ステップS4では、地紋パターンを出力し、画像データと合成する。ステップS5では、画像データと地紋パターンとの合成が完了したかどうかを判断し、完了していない場合には(ステップS5でNO)、ステップS1に戻り、完了するまでステップS1〜S5の処理を繰り返す。
【0035】
合成が完了した場合には(ステップS5でYES)、処理を終了する。
【0036】
なお、画像データと地紋パターンとの合成データは、図示しないプリンタ部などに送信されて用紙に印字される。これにより、任意の情報を付加した地紋付きの原稿が作成される。
【0037】
この原稿においては、画像と地紋との重なり部分において、地紋のドットは画像に対して確実に区別され、従ってこの原稿をスキャナ等により読み取った場合には、地紋を確実に検出することができる。しかも、画像の一部が削除されるものではないから、画像品質の低下を招くこともない。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】この発明の一実施形態に係る画像処理装置の主要部を示すブロック図である。
【図2】入力画像データとの重なり部分における地紋パターンのドットの色の変更例を説明するための説明図である。
【図3】入力画像データとの重なり部分における地紋パターンのドットの色を変更する場合の別の例を説明するための説明図である。
【図4】入力画像データとの重なり部分における地紋パターンのドットの色を変更する場合のさらに別の例を説明するための説明図である。
【図5】画像データと地紋パターンとが重なる場合に、地紋パターンのドットの色を変更する処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0039】
1 色検出部
2 第1地紋パターン作成部
3 第2地紋パターン作成部
4 合成部
5 セレクタ
20 画像データ
21 地紋パターン
22〜25 ドット
【出願人】 【識別番号】303000372
【氏名又は名称】コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社
【出願日】 平成18年7月6日(2006.7.6)
【代理人】 【識別番号】100099885
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 健市

【識別番号】100071168
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 久義

【識別番号】100109911
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義仁


【公開番号】 特開2008−17234(P2008−17234A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−187282(P2006−187282)