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【発明の名称】 データ出力装置、データ出力方法、およびデータ出力プログラム
【発明者】 【氏名】酒井 裕史

【要約】 【課題】秘匿性の高い地紋を出力することができるデータ出力装置を提供する。

【構成】データ出力装置は、背景部と潜像部とから構成される地紋を出力する。背景部と潜像部との境界を目立たなくするために、背景部と潜像部との境界における画質変化の状態を検出し、その検出結果に応じて、背景部および潜像部の少なくとも一方のパターンを回転または移動させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
背景部と潜像部とから構成される地紋を出力する画像データ出力装置であって、
前記背景部と前記潜像部との境界における画質変化の状態を検出する検出手段と、
前記検出手段の検出結果に応じて、前記背景部および前記潜像部の少なくとも一方のパターンを回転または移動させる画像処理手段とを備えた、データ出力装置。
【請求項2】
前記背景部または前記潜像部は、埋め込まれた情報を有し、
前記背景部と前記潜像部のうち、情報が埋め込まれた方を識別する識別手段を備え、
前記画像処理手段は、前記情報が埋め込まれていない方のパターンを選択して回転または移動させる、請求項1に記載のデータ出力装置。
【請求項3】
前記検出手段は、前記背景部と前記潜像部との間に生じる白部のアウトラインを検出し、
前記画像処理手段は、前記検出されたアウトラインに対してドットパターンが平行にならないようにパターンを回転させる、請求項1または2に記載のデータ出力装置。
【請求項4】
背景部と潜像部とから構成される地紋を出力する画像データ出力装置であって、
前記背景部のパターンを回転または移動させる第1の画像処理手段と、
前記潜像部のパターンを回転または移動させる第2の画像処理手段と、
前記第1または第2の画像処理手段で処理された各パターンの合成パターンをプレビュー表示する表示手段とを備え、
前記プレビュー表示された合成パターンに基づいて、前記背景部および前記潜像部の少なくとも一方のパターンを再度回転または移動させる、データ出力装置。
【請求項5】
前記表示手段は、少なくとも前記背景部と前記潜像部の境界をプレビュー表示する、請求項4に記載のデータ出力装置。
【請求項6】
背景部と潜像部とから構成される地紋を出力する画像データ出力方法であって、
前記背景部と前記潜像部との境界における画質変化の状態を検出する検出ステップと、
前記検出ステップの検出結果に応じて、前記背景部および前記潜像部の少なくとも一方のパターンを回転または移動させる画像処理ステップとを備えた、データ出力方法。
【請求項7】
背景部と潜像部とから構成される地紋を出力する画像データ出力方法であって、
前記背景部のパターンを回転または移動させる第1の画像処理ステップと、
前記潜像部のパターンを回転または移動させる第2の画像処理ステップと、
前記第1または第2の画像処理ステップで処理された各パターンの合成パターンをプレビュー表示する表示ステップとを備え、
前記プレビュー表示された合成パターンに基づいて、前記背景部および前記潜像部の少なくとも一方のパターンを再度回転または移動させる、データ出力方法。
【請求項8】
背景部と潜像部とから構成される地紋を出力する画像データ出力プログラムであって、
前記背景部と前記潜像部との境界における画質変化の状態を検出する検出ステップと、
前記検出ステップの検出結果に応じて、前記背景部および前記潜像部の少なくとも一方のパターンを回転または移動させる画像処理ステップとをコンピュータに実行させる、データ出力プログラム。
【請求項9】
背景部と潜像部とから構成される地紋を出力する画像データ出力プログラムであって、
前記背景部のパターンを回転または移動させる第1の画像処理ステップと、
前記潜像部のパターンを回転または移動させる第2の画像処理ステップと、
前記第1または第2の画像処理ステップで処理された各パターンの合成パターンをプレビュー表示する表示ステップとをコンピュータに実行させ、
前記プレビュー表示された合成パターンに基づいて、前記背景部および前記潜像部の少なくとも一方のパターンを再度回転または移動させる、データ出力プログラム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明はデータ出力装置、データ出力方法、およびデータ出力プログラムに関し、特に地紋を出力することができるデータ出力装置、データ出力方法、およびデータ出力プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電子写真方式を採用した、複写機、プリンタ等の画像出力機器が知られている。画像出力機器において、出力する画像に、情報や隠し文字を地紋として埋め込むことが行なわれている。
【0003】
地紋を埋め込む場合には、明視距離観察によって、背景色に対して等価輝度となる様に文字(潜像)色が決定される。その場合、背景部を粗いドットや万線、潜像部を細かいドットや万線(その逆も有り得る)で表現することが多い。
【0004】
下記特許文献1は、出力するプリンタの特性(出力解像度・カラー/モノクロ・階調特性)に応じて、プリンタ毎の解像度やカラー/モノクロの違い、階調特性に対応した地紋パターンを自動選択する画像データ出力装置を開示している。
【0005】
特許文献2は、画像の白下地領域を検索し、この領域に地紋の潜像部が位置するようにレイアウトする画像形成装置を開示している。
【0006】
特許文献3は、PDLデータを解析し、機密文書である場合には機密文書出力に対応した地紋を選択して出力する画像処理装置を開示している。
【0007】
特許文献4および5は、潜像領域または背景領域のドット位置を、付加情報に応じて移動させる画像処理方法を開示している。
【特許文献1】特開2002−77571号公報
【特許文献2】特開2004−304597号公報
【特許文献3】特開2002−248829号公報
【特許文献4】特開2004−223854号公報
【特許文献5】特開2004−228896号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のように、地紋において、背景部を粗いドットや万線、潜像部を細かいドットや万線で表現することが多い。
【0009】
地紋においては、多くの場合ある規則的なドットを用いるため、隠し文字の形状や大きさによっては、ふちの部分に白部が局在することが発生する。これにより、ふちの部分が目立ったり、モアレの様に見えることで隠し文字の秘匿性が低下してしまうことがある。
【0010】
このような問題を解決するため、従来は潜像部、背景部のコントラスト差を調整することで秘匿性の調整を行なってきたが、完全ではなかった。
【0011】
この発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、秘匿性の高い地紋を出力することができるデータ出力装置、データ出力方法、およびデータ出力プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するためこの発明のある局面に従うと、背景部と潜像部とから構成される地紋を出力する画像データ出力装置は、背景部と潜像部との境界における画質変化の状態を検出する検出手段と、検出手段の検出結果に応じて、背景部および潜像部の少なくとも一方のパターンを回転または移動させる画像処理手段とを備える。
【0013】
好ましくは、背景部または潜像部は、埋め込まれた情報を有し、画像データ出力装置は、背景部と潜像部のうち、情報が埋め込まれた方を識別する識別手段を備え、画像処理手段は、情報が埋め込まれていない方のパターンを選択して回転または移動させる。
【0014】
好ましくは検出手段は、背景部と潜像部との間に生じる白部のアウトラインを検出し、画像処理手段は、検出されたアウトラインに対してドットパターンが平行にならないようにパターンを回転させる。
【0015】
この発明の他の局面に従うと、背景部と潜像部とから構成される地紋を出力する画像データ出力装置は、背景部のパターンを回転または移動させる第1の画像処理手段と、潜像部のパターンを回転または移動させる第2の画像処理手段と、第1または第2の画像処理手段で処理された各パターンの合成パターンをプレビュー表示する表示手段とを備え、プレビュー表示された合成パターンに基づいて、背景部および潜像部の少なくとも一方のパターンを再度回転または移動させる。
【0016】
好ましくは表示手段は、少なくとも背景部と潜像部の境界をプレビュー表示する。
この発明のさらに他の局面に従うと、背景部と潜像部とから構成される地紋を出力する画像データ出力方法は、背景部と潜像部との境界における画質変化の状態を検出する検出ステップと、検出ステップの検出結果に応じて、背景部および潜像部の少なくとも一方のパターンを回転または移動させる画像処理ステップとを備える。
【0017】
この発明のさらに他の局面に従うと、背景部と潜像部とから構成される地紋を出力する画像データ出力方法は、背景部のパターンを回転または移動させる第1の画像処理ステップと、潜像部のパターンを回転または移動させる第2の画像処理ステップと、第1または第2の画像処理ステップで処理された各パターンの合成パターンをプレビュー表示する表示ステップとを備え、プレビュー表示された合成パターンに基づいて、背景部および潜像部の少なくとも一方のパターンを再度回転または移動させる。
【0018】
この発明のさらに他の局面に従うと、背景部と潜像部とから構成される地紋を出力する画像データ出力プログラムは、背景部と潜像部との境界における画質変化の状態を検出する検出ステップと、検出ステップの検出結果に応じて、背景部および潜像部の少なくとも一方のパターンを回転または移動させる画像処理ステップとをコンピュータに実行させる。
【0019】
この発明のさらに他の局面に従うと、背景部と潜像部とから構成される地紋を出力する画像データ出力プログラムは、背景部のパターンを回転または移動させる第1の画像処理ステップと、潜像部のパターンを回転または移動させる第2の画像処理ステップと、第1または第2の画像処理ステップで処理された各パターンの合成パターンをプレビュー表示する表示ステップとをコンピュータに実行させ、プレビュー表示された合成パターンに基づいて、背景部および潜像部の少なくとも一方のパターンを再度回転または移動させる。
【発明の効果】
【0020】
これらの発明に従うと、秘匿性の高い地紋を出力することができるデータ出力装置、データ出力方法、およびデータ出力プログラムを提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるMFP(Multi Function Peripheral)のハードウェア構成を示す図である。
【0022】
図を参照して、MFPは、MFP全体の制御を行なうCPU101と、RAM103と、ROM105と、画像データなどを記憶するための記憶部107と、CD−R等の記録媒体に対して情報の読み書きを行なうディスクドライブ109と、ユーザからの操作を受付ける操作パネル111と、画像データを読取るスキャナ部113と、用紙に対して画像データの印刷を行なう印刷部115と、ネットワークに接続するための通信部117と、PSTN網に接続するためのNCU(Network Control Unit)部119と、地紋を出力する際のパターン等の情報を記憶し、地紋を補正するする地紋パターン補正部121とを含む。
【0023】
操作パネル111は、ユーザに対してMFPの状態等を表示するための表示画面111Aと、入力キー111Bとを備えている。表示画面111Aと入力キー111Bは、液晶ディスプレイとその上に載置されるタッチパネルとで構成することも可能である。
【0024】
図2は、図1の地紋パターン補正部121の構成を示す図である。
図を参照して地紋パターン補正部121は、地紋が印刷された場合に潜像部と背景部の境界部分が容易に認識されてしまうかどうかを判断する境界判定部223と、埋込情報を検出する埋込情報検知部224と、潜像部または背景部を構成するパターンを回転および/または移動させる回転/移動部225とを含む。
【0025】
図3は、潜像パターンの具体例を示す図である。
ここでは、万線により潜像パターンを構成することとしており、縦方向に線が伸びる状態を0°のパターンとし、パターンを回転させることができるものとする。なお、潜像パターンを細かいドットで構成してもよい。
【0026】
図4は、背景パターンの具体例を示す図である。
ここでは、粗いドットや万線や周期的な模様により背景パターンを構成している。
【0027】
これら複数の潜像パターンや複数の背景パターンの中から、使用されるパターンが選択される。
【0028】
図5は、MFPが行なう地紋合成処理を示すフローチャートである。
図を参照して、ステップS101において、地紋の背景部のデータの選択を受付ける。これは、図4のように登録された複数のパターンを表示画面111Aに表示し、ユーザから選択を受付けるようにしてもよいし、装置が用いるパターンを決定するようにしてもよい。ステップS103において、地紋の潜像部のデータの選択を受付ける。これは、登録された複数のパターンを表示画面111Aに表示し、ユーザから選択を受付けるようにしてもよいし、装置が用いるパターンを決定するようにしてもよい。また、パターンの角度を入力するようにしてもよい。
【0029】
ステップS105において、ステップS103で選択された潜像パターンを回転、移動させる処理を行なう。ステップS105の処理は、ステップS107での境界判定処理の結果に基づいて繰返し行なわれるが、ステップS105を通過する第1回目の処理においては、回転、移動をさせず、第2回目の処理から回転、移動を行なうようにしてもよい。
【0030】
ステップS107において、背景部と潜像部の合成を行ない、両者の境界部の判定を行なう。これは、地紋プリントにおいて地紋背景部と地紋潜像部との境界に局在する白部を検出する処理である。所定量以上の白部がある場合には、ステップS105に戻ることで、白部が目立たない様に潜像部のパターンを処理する。
【0031】
白部が所定量以下となれば、ステップS109で、背景部と潜像部とから作成された地紋パターンを原本データDに合成する処理を行なう。その後、ステップS111で合成された画像データが印刷される。
【0032】
図6は、背景部に「あ」の文字を示す潜像部を合成する例を示す図である。
ここでは背景部として比較的細かなドットからなるパターンを用い、潜像部として比較的大きなドットからなるパターンを用いている。「あ」の文字の形態と潜像部のパターンの特徴とにより、黒の太線で囲まれる部分において、背景部と潜像部との間にドットが無い部分(白部)が発生している。このような場合には、背景部と潜像部との境界が目立ち、隠されていた文字が見えることになってしまう。
【0033】
図7は、図6の潜像部を3ドット右へずらした状態を示す図である。また、図8は、図6の潜像部を45°反時計回りに回転させた状態を示す図である。
【0034】
このようなパターンの移動または回転処理を、図5のステップS105において行なうことで、白部の発生を防止することができる。
【0035】
図9は、図5のステップS107において行なわれる境界部判定処理を説明するための図である。
【0036】
境界判定部223は、図に示されるように、潜像部のパターンP1の間隔L1を抽出する。潜像部のパターンの間隔とは、潜像部の画像を構成するパターン中のドットが水平方向に並ぶ間隔である。図では、背景部のパターンがパターンP2で示されている。潜像部のパターンの間隔は、たとえば、画像の水平方向について濃度値をプロットし、その周波数を検出することによって測定される。
【0037】
このようにして、背景部と潜像部とを合成したビットマップなどのデータにおいて1行ずつドット単位のデータを読込み、周期が計測される。背景部と潜像部との境界付近に存在する潜像部のドットから背景部のドットを見て、その間隔が潜像部のドット周期よりも長い場合は白部が存在すると判定する。
【0038】
すなわち、境界判定部223は、潜像部と背景部の境界部分での、白部(用紙にインクが刷られない部分)の間隔の最大値(L2)を抽出する。これは、図9に示すように、水平方向についての、潜像部と背景部の境界部分における、潜像部の端部と背景部の端部の距離の最大値である。
【0039】
なお、本実施の形態では、上記した印刷される部分の間隔が、画質変化の状態に相当する。また、本実施の形態では、潜像部と背景部の境界部分に存在する、用紙にインクが刷られない部分が、無印刷領域(白部)に相当する。
【0040】
境界判定部223は、図5のステップS107でL2がL1より大きいか否かを判断し、大きいと判断すれば白部が存在するとしてステップS105へ、小さいと判断すればステップS109へ、それぞれ処理を進める。
【0041】
図10および11は、潜像部と背景部の境界部分の例を示す図である。
図10においては、潜像部P1と背景部P2の境界部分Bにおいて、L1がL2よりも短い状態を示している。なお、図11においては、L1がL2よりも長くなる。図10と図11とから理解されるように、潜像部のパターンと背景部のパターンの組合せによって、L1とL2の関係が変化する。
【0042】
図12は、地紋潜像部データ回転/移動処理(S105)から合成処理(S109)までの処理の内容を示すフローチャートである。
【0043】
ステップS201において、潜像部と背景部とからなる地紋パターンの作成が行なわれる。ステップS203において、図9〜図11に示されるように潜像部と背景部の境界部分におけるドットの間隔(白部の幅)L2が算出される。
【0044】
ステップS205において、潜像部内のパターンのドット同士の間隔L1よりもL2が小さいかが判定され、YESであればステップS209で文書と作成された地紋パターンの合成が行なわれる。
【0045】
ステップS205においてNOであれば、ステップS207において、潜像部のパターンを構成するドットを背景部の方向(図10においては右側)へ1ドット分移動させる。その後、ステップS203からの処理を繰返し行なう。
【0046】
図13は、図12のステップS205での処理を示すフローチャートである。
ステップSA411において、潜像部のパターンの間隔L1が抽出される。ステップSA412において、境界部における潜像部と背景部の間隔の最大値L2が抽出される。
【0047】
ステップSA413において、L1<L2の条件を満たすかを判定し、YESであればステップSA414で空白領域(白部)が存在すると判定し、NOであればステップSA415で空白領域が存在しないと判定する。
【0048】
図14は、地紋潜像部データ回転/移動処理(S105)から合成処理(S109)までの処理の内容を示すフローチャートである。
【0049】
この処理は、図12の処理と選択的に行なわれる。選択は、ユーザによって行なわれるようにしてもよいし、装置が自動的に選択するようにしてもよい。
【0050】
ステップS301において、潜像部と背景部とからなる地紋パターンの作成が行なわれる。ステップS303において、図9〜図11に示されるように潜像部と背景部の境界部分におけるドットの間隔(白部の幅)L2が算出される。
【0051】
ステップS305において、潜像部内のパターンのドット同士の間隔L1よりもL2が小さいかが判定され、YESであればステップS309で文書と作成された地紋パターンの合成が行なわれる。
【0052】
ステップS305においてNOであれば、ステップS307において、潜像部のパターンを構成するドットを所定角度(ここでは1°)回転させる。その後、ステップS303からの処理を繰返し行なう。
【0053】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態におけるMFPのハードウェア構成は第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰返さない。
【0054】
図15は、第2の実施の形態におけるMFPが実行する、地紋潜像部データ回転/移動処理(S105)から合成処理(S109)までの処理の内容を示すフローチャートである。
【0055】
ステップS401〜S407、S421の処理は、図14のステップS301〜S309の処理と同じであるためここでの説明を繰返さない。ステップS407での処理の後、ステップS409において潜像部を360°回転させたかが判定される。NOであればステップS403へ戻り、YESであればステップS411へ進む。
【0056】
ステップS411において、潜像部のパターンを構成するドットを背景部の方向へ移動させる。ステップS413において、潜像部と背景部の境界部分におけるドットの間隔(白部の幅)L2が算出される。ステップS415において、潜像部内のパターンのドット同士の間隔L1よりもL2が小さいかが判定され、YESであればステップS421で文書と作成された地紋パターンの合成が行なわれる。
【0057】
ステップS415においてNOであれば、ステップS417において、潜像部内のパターンのドット間隔分、潜像部のパターンを移動させたかが判定され、NOであればステップS411からの処理を繰返し行なう。
【0058】
ステップS417でYESであれば、回転させても移動させても白部が発生することを示しているので、ステップS419において潜像部のパターンの変更を行なう。
【0059】
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態におけるMFPのハードウェア構成は第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰返さない。
【0060】
図16は、第3の実施の形態におけるMFPが実行する、地紋潜像部データ回転/移動処理(S105)および境界部判定処理(S107)の内容を示すフローチャートである。
【0061】
ステップS501において、作成された地紋パターンの潜像部と背景部との間に白部があるかを判定する。YESであれば、ステップS503において、地紋パターンに情報が埋め込まれているかを判定する。情報の埋め込みとは、ドットの配列、ドットの点灯パターンなどによりパターン中に情報を埋め込むものである。
【0062】
ステップS503でYESであれば、ステップS505において情報が背景部のパターンに埋め込まれているかを判定する。YESであれば、ステップS507において潜像部のパターンを回転または移動させる。ステップS509において白部が消えたかを判定し、YESであればこの処理を終了し、NOであればステップS505へ戻る。
【0063】
また、ステップS501でNOであれば本処理を終了し、ステップS503でNOであればステップS507へ進む。ステップS505でNOであれば、ステップS511において背景部のパターンを回転または移動させ、ステップS509へ進む。
【0064】
[第4の実施の形態]
第4の実施の形態におけるMFPのハードウェア構成は第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰返さない。
【0065】
図17は、第4の実施の形態におけるMFPが実行する、地紋潜像部データ回転/移動処理(S105)および境界部判定処理(S107)の内容を示すフローチャートである。
【0066】
ステップS601において、作成された地紋パターンの潜像部と背景部との間に白部があるかを判定する。YESであれば、ステップS603において白部のアウトラインの検出を行なう。その後、ステップS605において潜像部のドットパターンにおいてドットが続くベクトルを検出する。
【0067】
ステップS607において、潜像部のドットパターンを白部のアウトラインに直角になるように回転させる。これは、図6のように白部が存在する場所をつぶすために、図8に示されるように、潜像部のドットパターンを白部が続く方向に直交させるように回転させるものである。
【0068】
ステップS609において、白部が消えたかを判定し、YESであれば終了する。NOであればステップS611で潜像部の回転角度を変更し、ステップS609へ戻る。
【0069】
なお、ここでは潜像部のドットパターンを白部のアウトラインに直角になるように回転させたが、少なくとも潜像部のドットパターンが白部のアウトラインに平行にならないように回転させるのであれば、効果を奏する。
【0070】
[第5の実施の形態]
第5の実施の形態におけるMFPのハードウェア構成は第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰返さない。
【0071】
図18は、第5の実施の形態におけるMFPが実行する、地紋潜像部データ回転/移動処理(S105)および境界部判定処理(S107)の内容を示すフローチャートである。
【0072】
ステップS701において、作成された地紋パターンの潜像部と背景部との間に白部があるかを判定する。YESであれば、ステップS703において、回転または移動させるパターンを潜像部と背景部のどちらとするか判定する。これはユーザの指定によるものとしてもよいし、装置が判定することとしてもよい。
【0073】
潜像部が選択されると、ステップS705において潜像部のパターンを回転または移動させる。ステップS707において、地紋パターンのプレビューを表示し、ステップS709において白部が消えたかを判定する。これはユーザによるプレビューの目視の結果をユーザに入力させることとしてもよいし、装置で判断してもよい。YESであればこの処理を終了し、NOであればステップS703へ戻る。
【0074】
また、ステップS701でNOであれば本処理を終了し、ステップS703で背景部が選択されたのであれば、ステップS711で背景部のパターンを回転または移動させる。その後、ステップS707へ進む。
【0075】
本実施の形態においては、プレビューによる目視でパターンの処理を行なうことができる。ユーザは、濃度がほぼ同じに見える潜像パターンと背景パターンとを選択し、例えば潜像パターンを回転させることで、背景と潜像の境界部分の白部が少なくなる様に調整を行なうことができる。
【0076】
なお、プレビュー画面においては、少なくとも背景部と潜像部の境界部分を表示することが好ましい。
【0077】
[第6の実施の形態]
第6の実施の形態におけるMFPのハードウェア構成は第1の実施の形態におけるそれと同じであるためここでの説明を繰返さない。
【0078】
図19は、第6の実施の形態におけるMFPが実行する、地紋潜像部データ回転/移動処理(S105)および境界部判定処理(S107)の内容を示すフローチャートである。
【0079】
ステップS801において、作成された地紋パターンの潜像部と背景部との間に白部があるかを判定する。YESであれば、ステップS803において、パターンを回転または移動させることで白部がなくなるかを判定する。YESであれば、ステップS805で背景部または潜像部のパターンの移動または回転処理を行なう。
【0080】
潜像部の形態によっては、パターンを回転または移動させて白部を消去しようとしても、別の場所に新たに白部が発生してしまうことがある。本実施の形態においては、このような場合には、回転、移動処理を行なわないものである。すなわち、潜像部の形状がシンプルな場合など、本発明の効果が生じうる場合にのみ回転や移動を行なうこととしてもよい。この場合、回転補正誤差を抑えることができる。
【0081】
[実施の形態における効果]
上記実施の形態によると、MFPにおいて複数のパターンを保持しなくとも、パターンの回転や移動により、出力される潜像(隠し文字)の秘匿性を保持することができる。すなわち、地紋プリントにおいて地紋背景部と地紋潜像部の境界に局在する白部を検出し、白部が目立たない様に地紋のドットパターンを処理することができる。潜像としてどのような文字やサイズを選んだ場合であっても本発明は有効であり、また、埋め込まれた情報が欠落することも防止される。
【0082】
[その他]
本発明はMFP、ファクシミリ装置、複写機、PCなどの画像形成装置に対して実施することができる。
【0083】
また、上述の実施の形態における処理は、ソフトウエアによって行なっても、ハードウエア回路を用いて行なってもよい。
【0084】
また、上述の実施の形態における処理を実行するプログラムを提供することもできるし、そのプログラムをCD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、メモリカードなどの記録媒体に記録してユーザに提供することにしてもよい。また、プログラムはインターネットなどの通信回線を介して、装置にダウンロードするようにしてもよい。
【0085】
なお、上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるMFP(Multi Function Peripheral)のハードウェア構成を示す図である。
【図2】図1の地紋パターン補正部121の構成を示す図である。
【図3】潜像パターンの具体例を示す図である。
【図4】背景パターンの具体例を示す図である。
【図5】MFPが行なう地紋合成処理を示すフローチャートである。
【図6】背景部に「あ」の文字を示す潜像部を合成する例を示す図である。
【図7】図6の潜像部を3ドット右へずらした状態を示す図である。
【図8】図6の潜像部を45°反時計回りに回転させた状態を示す図である。
【図9】図5のステップS107において行なわれる境界部判定処理を説明するための図である。
【図10】潜像部と背景部の境界部分の例を示す図である。
【図11】潜像部と背景部の境界部分の例を示す図である。
【図12】地紋潜像部データ回転/移動処理(S105)から合成処理(S109)までの処理の内容を示すフローチャートである。
【図13】図12のステップS205での処理を示すフローチャートである。
【図14】地紋潜像部データ回転/移動処理(S105)から合成処理(S109)までの処理の内容を示すフローチャートである。
【図15】第2の実施の形態におけるMFPが実行する境界部判定処理(S107)と合成処理(S109)の内容を示すフローチャートである。
【図16】第3の実施の形態におけるMFPが実行する、地紋潜像部データ回転/移動処理(S105)および境界部判定処理(S107)の内容を示すフローチャートである。
【図17】第4の実施の形態におけるMFPが実行する、地紋潜像部データ回転/移動処理(S105)および境界部判定処理(S107)の内容を示すフローチャートである。
【図18】第5の実施の形態におけるMFPが実行する、地紋潜像部データ回転/移動処理(S105)および境界部判定処理(S107)の内容を示すフローチャートである。
【図19】第6の実施の形態におけるMFPが実行する、地紋潜像部データ回転/移動処理(S105)および境界部判定処理(S107)の内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0087】
101 CPU、107 記憶部、109 ディスクドライブ、111 操作パネル、111A 表示画面、111B 入力キー、113 スキャナ部、115 印刷部、121 地紋パターン補正部、223 境界判定部、224 埋込情報検知部、225 パターン回転/移動部。
【出願人】 【識別番号】303000372
【氏名又は名称】コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社
【出願日】 平成18年7月6日(2006.7.6)
【代理人】 【識別番号】100064746
【弁理士】
【氏名又は名称】深見 久郎

【識別番号】100085132
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 俊雄

【識別番号】100083703
【弁理士】
【氏名又は名称】仲村 義平

【識別番号】100096781
【弁理士】
【氏名又は名称】堀井 豊

【識別番号】100098316
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 久登

【識別番号】100109162
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 將行


【公開番号】 特開2008−17215(P2008−17215A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−187021(P2006−187021)