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【発明の名称】 画像形成装置及び制御方法
【発明者】 【氏名】武田 庄司

【要約】 【課題】感光体の帯電電位斑に影響を受けない画像形成を実現可能とした画像形成装置を提供する。

【構成】画像形成装置において、デジタルフィルタ3は、計測補正データに2次元の畳み込み演算を行い、画像データと同じ解像度の補間補正データを生成する。アナログフィルタ5は、階段状のアナログ信号を滑らかにするスムージング処理を行う。レーザ駆動部6は、画像データとアナログフィルタ5の出力信号に基づき半導体レーザ101のバイアス電流を変動させ、感光体ドラム107の帯電電位斑を補正するようにレーザ光量を制御する。副走査方向の補間補正データのスムージング処理は、デジタルフィルタ3のみで行い、主走査方向の補間補正データのスムージング処理は、デジタルフィルタ3とアナログフィルタ5とで行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯電させた感光体を露光して静電潜像を形成し、静電潜像を現像すると共に現像されたトナー像を転写することで画像形成を行う画像形成装置であって、
前記感光体の主走査方向及び副走査方向において計測された電位の分布を補正する補正データを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された補正データから補間補正データを求め、該補間補正データにスムージング処理を行う第1の信号処理手段と、
前記第1の信号処理手段によりスムージング処理された補間補正データにスムージング処理を行う第2の信号処理手段と、
前記第2の信号処理手段によりスムージング処理された補間補正データと画像データとに基づきレーザ光量を制御する制御手段とを備え、
該補間補正データの副走査方向のスムージング処理を前記第1の信号処理手段により行い、該補間補正データの主走査方向のスムージング処理を前記第1の信号処理手段及び前記第2の信号処理手段により行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1の信号処理手段は、デジタルフィルタであり、前記第2の信号処理手段は、アナログフィルタであり、
前記デジタルフィルタのフィルタ係数は、補正データを計測した箇所の画像データに対しては、対応するデジタルフィルタ処理後の補正データが前記計測した補正データと同じ値になるように設定され、補間補正データで補正される画像データに対しては、計測時の隣接する補正データから滑らかに続くように設定されることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記デジタルフィルタは、主走査方向よりも副走査方向に分解能が高く設定されることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
帯電させた感光体を露光して静電潜像を形成し、静電潜像を現像すると共に現像されたトナー像を転写することで画像形成を行う画像形成装置の制御方法であって、
前記感光体の主走査方向及び副走査方向において計測された電位の分布を補正する補正データを記憶する記憶手段に記憶された補正データから補間補正データを求め、該補間補正データにスムージング処理を行う第1の信号処理ステップと、
前記第1の信号処理ステップによりスムージング処理された補間補正データにスムージング処理を行う第2の信号処理ステップと、
前記第2の信号処理ステップによりスムージング処理された補間補正データと画像データとに基づきレーザ光量を制御する制御ステップとを備え、
該補間補正データの副走査方向のスムージング処理を前記第1の信号処理ステップにより行い、該補間補正データの主走査方向のスムージング処理を前記第1の信号処理ステップ及び前記第2の信号処理ステップにより行うことを特徴とする制御方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式で画像形成を行う画像形成装置及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、帯電部、潜像形成部、現像部、転写部を備え、感光体に静電潜像を形成し、静電潜像の現像及び記録媒体への転写を行うことで画像形成を行う電子写真方式の画像形成装置がある。帯電部は、感光体の感光面を一様に帯電させる。潜像形成部は、帯電された感光体の感光面に画像形成情報に応じた静電潜像を形成する。現像部は、静電潜像を現像する。転写部は、現像された潜像を記録媒体に転写する。画像形成装置では、感光体を回転駆動することで感光面を移動させながら、上記画像形成処理を行っている。
【0003】
上記画像形成装置においてレーザ光を感光体の感光面に走査して静電潜像を形成する際、レーザ光の主走査方向の走査位置(感光体の軸方向)により光量変動が発生するOFS(Over Field Scan)方式でのレーザ光量補正に関する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。該提案の技術では、レーザ光の走査位置での光量差による濃度ムラは無くなる。しかしながら、レーザ光の走査位置による濃度ムラが無くなる反面、感光体の感光面の光感度のバラツキが濃度ムラとして認識されるようになる。
【0004】
そこで、上記問題の対策として、感光体の感光面の光感度のバラツキを計測して補正データとして準備しておき、画像データの出力時(レーザ照射による感光面への静電潜像形成時)に該画像データに対応する補正データも出力する。これにより、レーザ駆動のバイアス電流に変動を与えることで、感光面の光感度のバラツキによる濃度ムラの発生を抑制する。図7に従来の構成を示し、図8に補正データの一例を示す。
【0005】
図7は、従来例に係る画像形成装置のレーザ駆動制御系の構成を示すブロック図である。図8は、主走査方向の補間補正データと補正データを示す図である。
【0006】
図7において、レーザ駆動制御系は、線形補間部201、D/A変換部202、アナログフィルタ203、レーザ駆動部204を備えている。感光体ドラムの感光面の光感度の変動は一般的に画像データの解像度に対して比較的緩やかであるため、補正データはより低い分解能で測定されている。現実には1cm位の分解能で補正データを測定することで準備している。線形補間部201の線形補間演算により、図8に示すように、低分解能で計測された補正データから画像データに1対1に対応するように補間補正データを生成する。
【0007】
図8では、線形補間部201は、感光面を計測した際の隣り合う2個の補正データから線形補間演算により4個の補間補正データを生成する。実際には、隣り合う2個の補正データの間を256分割して線形補間された補間補正データを生成する。D/A変換部204は、線形補間部201から出力されるデジタル信号をデジタル/アナログ変換し、階段状のアナログ信号(補正信号)を生成する。
【0008】
更に、D/A変換部204の出力信号をアナログフィルタ205を通すことで、階段状の出力信号を滑らかな信号に変換する。レーザ駆動部206は、画像データと該画像データに対応する補正データ(アナログフィルタ205通過後の補正データ)とに基づき、感光体ドラムにレーザ光を照射する際のレーザ駆動信号を生成する。
【0009】
図9は、補間補正データとアナログフィルタ通過後の補正データとの誤差を示す図である。
【0010】
隣り合う補正データの差が比較的大きい場合でも、連続的に補正データの値を変動させることが可能である。そのため、ハーフトーン画像などの中間濃度の濃度変動が小さい画像においても、補正データによる擬似輪郭の発生が抑制されている。
【特許文献1】特開2005−70069号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記従来技術では、図9に示すように、補間補正データ(実補正データ)とアナログフィルタ通過後の補正データとの間に誤差901が生じている。そのため、感光体ドラムにおける帯電電位斑の差が大きな領域では、補間補正データとアナログフィルタ通過後の補正データとの間の誤差の影響が画像に現れる可能性があった。更に、副走査方向に対しては、アナログフィルタの効力は無く、階段状に変化するデータで補正されている。そのため、感光体ドラムにおける帯電電位斑の差が大きな領域では、ハーフトーン画像などの中間濃度画像を出力する場合、上記補正データ間の誤差の影響が擬似輪郭として現れる可能性があった。
【0012】
本発明の目的は、感光体の帯電電位斑に影響を受けない画像形成を実現可能とした画像形成装置及び制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述の目的を達成するために、本発明の画像形成装置は、帯電させた感光体を露光して静電潜像を形成し、静電潜像を現像すると共に現像されたトナー像を転写することで画像形成を行う画像形成装置であって、前記感光体の主走査方向及び副走査方向において計測された電位の分布を補正する補正データを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された補正データから補間補正データを求め、該補間補正データにスムージング処理を行う第1の信号処理手段と、前記第1の信号処理手段によりスムージング処理された補間補正データにスムージング処理を行う第2の信号処理手段と、前記第2の信号処理手段によりスムージング処理された補間補正データと画像データとに基づきレーザ光量を制御する制御手段とを備え、該補間補正データの副走査方向のスムージング処理を前記第1の信号処理手段により行い、該補間補正データの主走査方向のスムージング処理を前記第1の信号処理手段及び前記第2の信号処理手段により行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、第1の信号処理手段により補間補正データにスムージング処理を行うことで、第2の信号処理手段により補間補正データをスムージング処理した時に発生する測補正データと補間補正データとの誤差を解消し、副走査方向の補正精度を向上させることが可能となる。その結果、感光体の帯電電位斑に影響を受けない画像形成を実現した画像形成装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0016】
図2は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示す構成図である。
【0017】
図2において、画像形成装置は、画像読取機能と画像形成機能を有するデジタル複写機として構成されている。画像形成装置は、原稿搬送部130、原稿読取部120、画像形成部100、搬送ユニット130、本体給紙段140〜170、デッキ給紙段180、後処理ユニット10を備えている。
【0018】
先ず、原稿搬送部130の構成を動作と共に説明する。原稿置き台131にセットされた原稿は、給紙ローラ132により1枚ずつ原稿読取位置まで搬送される。原稿読取位置まで搬送された原稿は、モータ136により駆動される原稿搬送ベルト137により所定の位置に配置され、原稿読取部120により画像が読み取られる。読取が終了した原稿は、フラッパ135により搬送経路が変更され、モータ136の逆転動作により排出トレイ138に排出される。
【0019】
次に、原稿読取部120の構成を動作と共に説明する。第1ミラー台121、第2ミラー台123は、モータ125により移動する。第1ミラー台121の露光ランプ122は、蛍光灯またはハロゲンランプ等から構成され、その長手方向に対して直交する方向に移動しながら、原稿載置ガラス(原稿台)126上の原稿を照射する。露光ランプ122の照射による原稿からの散乱光は、第1ミラー台121、第2ミラー台123により反射され、レンズ124に到達する。この場合、第2のミラー台123は、第1ミラー台121の1/2の速度で移動する。光が照射される原稿面からレンズ124までの距離は常に一定に保たれる。
【0020】
原稿の照射に伴う光学像は、第1ミラー台121、第2ミラー台123、レンズ124を介して、例えば数千個の受光素子がライン状に配列されたCCDラインセンサ127の受光部に結像される。CCDラインセンサ127は、逐次、ライン単位で光学像を画像信号(電気信号)に光電変換する。光電変換された画像信号は、信号処理部(不図示)により処理され、PWM(Pulse Width Modulation)変調された後、画像形成部100に出力される。
【0021】
次に、画像形成部100の構成を動作と共に説明する。露光制御部(不図示)は、上記信号処理部の出力であるPWM変調された画像信号に基づいて半導体レーザ101を駆動し、定速回転している感光体ドラム107の表面(感光面)にレーザ光を照射する。この場合、モータ103の駆動力により回転しているポリゴンミラー102により半導体レーザ101からのレーザ光を反射させることで、感光体ドラム107の軸方向と平行にレーザ光を偏向走査する。
【0022】
なお、感光体ドラム107は、レーザ光の照射前に前露光ランプ(不図示)により表面の残量電荷が除電されると共に、1次帯電器(不図示)により表面が均一に帯電されている。従って、感光体ドラム107は、回転しながら表面にレーザ光が照射されることにより、表面に静電潜像が形成される。そして、感光体ドラム107は、現像器104により表面の静電潜像が所定色の現像剤(トナー)で可視化される。
【0023】
搬送制御部(不図示)は、後述する本体給紙段140〜170、デッキ給紙段180の何れかから用紙を給紙させると共に、レジストローラ106まで搬送させる。搬送制御部は、センサ105により用紙の到達を検知すると、感光体ドラム107に形成された画像(現像されたトナー像)の先端と用紙の先端とのタイミングを合わせ、レジストローラ106により転写位置に用紙を給紙する。
【0024】
転写帯電器108は、転写位置に給紙された用紙に感光体ドラム107上の現像されたトナー像を転写する。感光体ドラム107は、トナー像が転写された後、クリーナ(不図示)により表面の残留トナーが除去される。この場合、感光体ドラム107の曲率が大きく設定されているため、トナー像の転写が終了した用紙は感光体ドラム107から分離しやすくなっている。更に、除電針(不図示)に電圧を印加することで、感光体ドラム107と用紙との間の吸着力を弱め、感光体ドラム107と用紙との分離を行いやすくしている。
【0025】
感光体ドラム107から分離された用紙は、定着部109に送られトナーが定着される。定着部109は、セラミックヒータ110、フィルム111、定着ローラから構成される。セラミックヒータ110の熱は、薄いフィルム111を介して効率よく用紙に伝達される。冷却ローラは、定着ローラを放熱する。給送ローラは、1つの大ローラと2つの小ローラから構成され、定着部109からの用紙を給送すると共に用紙の巻き癖を補正する。方向フラッパ112は、用紙の排出先を動作モードに応じてトレイ114と搬送ユニット190とに切り替える。
【0026】
次に、搬送ユニット190の構成を動作と共に説明する。搬送ユニット190は、用紙を後述する後処理ユニット10まで搬送するユニットであり、搬送ローラ191により用紙の搬送を行う。
【0027】
次に、本体給紙段140〜170の構成を動作と共に説明する。本体給紙段140〜170は略同等の構成を有するので、本体給紙段140を例に挙げて説明する。用紙を蓄積収納するカセット141の底面には、リフトアップモータ143により上下する底板142が配置されている。底板142を上昇させることで用紙を所定の待機高さ(待機位置)に待機させることができる。
【0028】
待機位置で待機している用紙は、ピックアップローラ144により給紙ローラ対145まで搬送される。給送ローラ対145は、給紙時の回転方向とは逆回転方向にトルクがかけられている。これにより、用紙の重送を防止しつつ用紙を1枚ずつ搬送経路へ送り出すことができる。搬送ローラ対146は、本体給紙段140より下方に配置されている本体給紙段150〜170から搬送されてくる用紙を更に上方に搬送するためのローラ対である。
【0029】
次に、デッキ給紙段180の構成を動作と共に説明する。デッキ給紙段180は、本体給紙段140〜170よりも大量の用紙を収納可能である。用紙を蓄積収納する紙庫181の底面には、用紙を待機位置まで上昇させる底板182が配置されている。底板182は、モータ183により循環駆動されるベルトに接続されている。ベルトを循環駆動することで底板182の上昇/下降を行う。待機位置で待機している用紙は、ピックアップローラ185により給紙ローラ対184まで搬送され、本体給紙段と同様に重送を防止しつつ1枚ずつ搬送経路へ送り出される。
【0030】
次に、後処理ユニット10の構成を動作と共に説明する。後処理ユニット10では、画像形成部100から搬送される用紙をローラ11により後処理ユニット内部に受け取る。受け取った用紙の出力先としてトレイ14が選択されている場合には、フラッパ12により搬送方向が切り替えられ、ローラ13により用紙がトレイ14に排出される。トレイ14は、通常処理中に割り込み処理を行った用紙の排出先などテンポラリに使用する排出用のトレイである。
【0031】
トレイ18、19は、通常排出用のトレイである。フラッパ12により搬送経路を下方に切り替えた後、更にフラッパ33により搬送経路をローラ16の方へ選ぶことで、トレイ18またはトレイ19に用紙を排出できる。フラッパ33、34により搬送経路を垂直下方に選び、反転ローラ15により搬送方向を逆転した場合には、用紙を反転させて排出することが可能である。用紙をトレイ18、19に排出する際は、ステイプラ17を用いたステイプル処理が可能である。また、シフトモータ20によりトレイ自体を上下させることで、トレイ18、19の何れかに用紙を排出する。
【0032】
トレイ27は、製本時に使用する排出用のトレイである。用紙を製本してトレイ27に排出する場合は、用紙をローラ15及びローラ21により垂直下方へ搬送し、一次蓄積部23に所定量蓄積する。更に、一次蓄積部23に用紙の蓄積を終了した後、ステイプラ24により用紙の製本作業を行う。更に、フラッパ25の方向を変更し、用紙の蓄積時とは逆方向にローラ22を回転させることで、ローラ26により用紙をトレイ27に排出する。
【0033】
次に、本実施の形態の画像形成装置の主要部の構成及び動作について図1及び図3乃至図6を参照しながら説明する。
【0034】
図1は、画像形成装置のレーザ駆動制御系の構成を示すブロック図である。
【0035】
図1において、レーザ駆動制御系は、補正データ記憶部1、ホームポジションセンサ(以下HPセンサ)2、デジタルフィルタ3、D/A変換部4、アナログフィルタ5、レーザ駆動部6を備えている。
【0036】
補正データ記憶部1は、入力される感光体の感光面の光感度のバラツキ(電位に関するデータ、つまり電位ムラのデータ)に関する計測補正データを格納する。ホームポジションセンサ(以下HPセンサ)2は、感光体ドラム107のホームポジション(HP)を検出する。デジタルフィルタ3は、補正データ記憶部1に格納された計測補正データを滑らかにするスムージング処理を行い、補間補正データを生成する。D/A変換部4は、デジタルフィルタ3から出力されるデジタル信号をアナログ信号に変換する。アナログフィルタ5は、D/A変換部4から出力される階段状のアナログ信号を滑らかにするスムージング処理を行う。レーザ駆動部6は、画像データとアナログフィルタ5の出力信号に基づき、半導体レーザ101を駆動する。
【0037】
図3は、感光体ドラム107に対してのホームポジションと主走査方向(感光体ドラムの軸方向)及び副走査方向(感光体ドラムの周方向)との関係を示す図である。図4は、感光体ドラムの感光面の感度に関する計測補正データを模式的に示す図である。図5(a)は、デジタルフィルタのフィルタ係数を示す図、図5(b)は、(a)のフィルタ係数を模式的に示す図である。図6は、補間補正データと計測補正データを示す図である。
【0038】
計測補正データは、感光体ドラム107の表面をホームポジション(HP)から主走査方向及び副走査方向(図2)について2次元データとして計測した帯電電位から計算した補正データである。即ち、計測補正データは、感光体ドラム107の静電潜像を形成する領域の帯電電位斑を補正するためのデータである。計測補正データの計測及び計算は制御部(不図示)が行う。また感光体ドラムの製造時に予め測定してもよい。図4に2次元の計測補正データの一例を示す。2次元の計測補正データは、感光体ドラム107の全表面について予め決められた間隔で計測されるデータである。2次元の計測補正データは、補正データ記憶部1に格納される。
【0039】
一方、画像データは、以下の取得方法のうちの何れかで取得され、レーザ駆動部6に入力される。画像形成装置の原稿読取部120により原稿を読み取ることで画像データを取得する方法。画像形成装置が接続された情報処理装置(パーソナルコンピュータ)から画像データを取得する方法。外部からインターネット或いはファクシミリ通信を介して画像形成装置に送信される画像データを取得する方法。
【0040】
デジタルフィルタ3は、HPセンサ2の入力をトリガにして補正データ記憶部1から計測補正データを取り出し、隣接する計測補正データ間を補間する補間補正データの計算及びスムージング処理を行う。即ち、デジタルフィルタ3は、計測補正データに対し2次元の畳み込み演算を行い、レーザ駆動部6に入力される画像データと同じ解像度の補間補正データを生成する。この場合、デジタルフィルタ3のフィルタ係数は、補間補正データが滑らかに連続するようなフィルタ係数に設定されている。図5にデジタルフィルタ3のフィルタ係数の一例を示す。また、図6に計測補正データとデジタルフィルタ3の処理後の補間補正データを示す。
【0041】
計測補正データは、補正データ記憶部1に格納されていた補正データであり、補間補正データは、デジタルフィルタ3の処理により補間された補正データである。D/A変換部4は、デジタルフィルタ3から補間補正データ(デジタル信号)が出力されると、アナログ信号に変換する。これに伴い、アナログフィルタ5は、D/A変換部4から出力される階段状のアナログ信号を滑らかにするスムージング処理を行う。アナログフィルタ5の出力信号は、図6の補間補正データを接続したラインで表される波形となる。
【0042】
レーザ駆動部6は、画像データとアナログフィルタ5の出力信号に基づいて半導体レーザ101を駆動する。この時、レーザ駆動部6は、補間補正データに基づき半導体レーザ101のバイアス電流を変動させることで、感光体ドラム107の帯電電位斑を補正するようにレーザ光量を制御する。
【0043】
本実施の形態では、デジタルフィルタ3は、主走査方向よりも副走査方向に分解能が高く設定されている。また、副走査方向の補間補正データのスムージング処理は、デジタルフィルタ3のみで行い、主走査方向の補間補正データのスムージング処理は、デジタルフィルタ3とアナログフィルタ5とで行う。
【0044】
また、本実施の形態では、デジタルフィルタのフィルタ係数は、以下のように設定される。補正データを計測した箇所の画像データに対しては、対応するデジタルフィルタ処理後の補正データが上記計測した補正データと同じ値になるように、フィルタ係数が設定される。補間補正データで補正される画像データに対しては、隣接する補正データから滑らかに続くように、フィルタ係数が設定される。
【0045】
以上説明したように、本実施の形態によれば、従来技術では行っていなかった副走査方向の、感光体ドラム107の表面の帯電電位斑の補正が可能となる。即ち、デジタルフィルタ3により補間補正データにスムージング処理を行うことで、アナログフィルタ5に補間補正データを通した時に発生する計測補正データと補間補正データとの誤差を解消し、副走査方向の補正精度を向上させることが可能となる。その結果、感光体ドラム107の帯電電位斑に影響を受けない画像形成を実現した画像形成装置を提供することが可能となる。
【0046】
[他の実施の形態]
上記実施の形態では、本発明の画像形成装置を電子写真方式で画像形成を行う複写機に適用した場合を例に挙げたが、これに限定されるものではない。電子写真方式で画像形成を行う複合機やプリンタにも適用することが可能である。
【0047】
また、本発明の目的は、前述した各実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記憶した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、以下の処理を行うことによりも達成される。即ち、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによりも達成される。
【0048】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した各実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0049】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスクを用いることができる。また、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW等の光ディスク、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。または、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
【0050】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した各実施の形態の機能が実現されるだけではなく、以下の場合も含まれる。即ち、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理により前述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0051】
更に、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、次のプログラムコードの指示に基づき、以下の処理を行う場合も含まれる。即ち、その拡張機能を拡張ボードや拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理により前述した各実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置のレーザ駆動制御系の構成を示すブロック図である。
【図2】画像形成装置の概略構成を示す構成図である。
【図3】感光体ドラムのホームポジションと主走査方向及び副走査方向を示す図である。
【図4】感光体ドラムの表面の計測補正データを模式的に示す図である。
【図5】(a)は、デジタルフィルタのフィルタ係数を示す図、(b)は、(a)のフィルタ係数を模式的に示す図である。
【図6】補間補正データと計測補正データを示す図である。
【図7】従来例に係る画像形成装置のレーザ駆動制御系の構成を示すブロック図である。
【図8】主走査方向の補間補正データと補正データを示す図である。
【図9】補間補正データとアナログフィルタ通過後の補正データとの誤差を示す図である。
【符号の説明】
【0053】
1 補正データ記憶部(記憶手段)
2 ホームポジションセンサ
3 デジタルフィルタ(第1の信号処理手段)
4 D/A変換部
5 アナログフィルタ(第2の信号処理手段)
6 レーザ駆動部(制御手段)
101 半導体レーザ
104 現像器
107 感光体ドラム
108 転写帯電器
【出願人】 【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
【出願日】 平成18年7月6日(2006.7.6)
【代理人】 【識別番号】100125254
【弁理士】
【氏名又は名称】別役 重尚


【公開番号】 特開2008−17206(P2008−17206A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−186949(P2006−186949)