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【発明の名称】 移動体用デジタル放送受信装置
【発明者】 【氏名】大久保 忠俊

【氏名】長岡 浩輔

【氏名】小畑 達哉

【要約】 【課題】受信感度悪化、あるいは放送エリアを跨ぐ移動の場合にも継続してデジタル放送の受信を可能とする。

【構成】移動体用デジタル放送受信装置において、放送の受信状態と、受信状態の継続時間とを監視し、現在選局中の固定受信サービスが受信できなくなった場合、現在選局中の放送局で部分受信サービスが運用され、かつ、受信状態が閾値以下で所定時間継続する選局切替え条件が成立した場合、現在選局中の放送局による部分受信サービス選局に切替え、選局切替え条件が不成立の場合、現在選局中放送局の同一系列局を選局する制御手段(主制御部5)を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定受信サービスと部分受信サービスの階層切替え選局機能と、チャンネルを順次選局し、直前まで視聴中であった放送と同じ放送系列の放送局を選局する系列放送局切替え機能とを備えた移動体用デジタル放送受信装置であって、
放送の受信状態と、前記受信状態の継続時間とを監視し、現在選局中の固定受信サービスが受信できなくなった場合、現在選局中の放送局で部分受信サービスが運用され、かつ、前記受信状態が閾値以下で所定時間継続する選局切替え条件が成立した場合、現在選局中の放送局による部分受信サービス選局に切替え、前記選局切替え条件が不成立の場合、現在選局中放送局の同一系列局を選局する制御手段、
を備えたことを特徴とする移動体用デジタル放送受信装置。
【請求項2】
前記制御手段は、
2以上の前記閾値と比較することにより判定される比較的軽度の受信状態悪化時、前記階層切替えまでの同受信状態に基づく継続時間、および受信状態が回復したことを確認するための同受信状態に基づく継続時間の長さを第1の値に設定し、比較的重度の受信状態悪化時、前記階層切替えまでの継続時間を前記第1の値に比較して短く設定することを特徴とする請求項1記載の移動体用デジタル放送受信装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
固定受信サービスによる受信エラーを検出し、比較的軽度の受信状態の悪化が比較的長時間継続する第1の階層切替え条件、もしくは比較的重度の受信状態の悪化が比較的短時間継続する第2の階層切替え条件のいずれかが成立した場合、更に、比較的軽度の受信状態の悪化が比較的長時間継続し、受信電力値が減少傾向にある第1の系列放送局切替え条件、および比較的重度の受信状態が比較的短時間継続する第2の系列放送局切替え条件の成立の有無を判定し、前記第1と第2の系列放送局切替え条件が成立した場合、系列放送局選局に切替え、不成立の場合、部分受信サービスによる階層切替えに基づく映像と音声を提供することを特徴とする請求項1または請求項2記載の移動体用デジタル放送受信装置。
【請求項4】
前記制御手段は、
固定受信サービスによる受信状態の回復を検出し、受信状態が良好で比較的長時間継続する第3の階層切替え条件が成立したときに、前記部分受信サービスから固定受信サービスに階層切替えを行ない、前記階層切替えに基づく映像と音声を提示し、
前記受信状態の回復が検出されず、部分受信サービスによる受信エラーが検出されたとき、比較的軽度の受信状態の悪化が比較的長時間継続し、受信電力値が減少傾向にある第1の系列放送局切替え条件、もしくは比較的重度の受信状態が比較的短時間継続する第2の系列放送局切替え条件の成立の有無を判定し、前記第1と第2の系列放送局切替え条件のいずれかが成立した場合、階層切替え選局から系列放送局選局に切替えることを特徴とする請求項3記載の移動体用デジタル放送受信装置。
【請求項5】
前記制御手段は、
前記系列放送局選局にあたり、選局中の放送局の地域識別情報から隣接地域情報を取得して隣接地域に基づく放送局情報を取得し、前記隣接地域の放送局に同一放送系列局が有るか否か判定し、前記隣接地域の放送局に同一系列放送局が有った場合に、前記隣接地域の同一系列放送局を選局し、受信可能局であったとき前記受信可能の映像および音声を出力し、前記隣接地域の放送局に同一系列放送局が無かった場合に、隣接地域以外の同一系列局を選局し、受信可能局であったとき、前記受信可能局の映像および音声を出力し、受信不可であったとき、同一系列局が無いことをGUI(Graphical User Interface)により出力することを特徴とする請求項3または請求項4記載の移動体用デジタル放送受信装置。
【請求項6】
固定受信サービスと部分受信サービスの階層切替え選局機能と、チャンネルを順次選局し、直前まで視聴中であった放送と同じ放送系列の放送局を選局する系列放送局切替え機能とを備えた移動体用デジタル放送受信装置であって、
デジタル放送を受信して周波数成分を抽出するチューナ部と、
前記周波数成分をデジタル信号に復調し、トランスポートストリームとして出力するとともに、階層毎の受信状態を判定し、その判定情報を出力するデジタル復調部と、
前記トランスポートストリームを、映像ストリームと、音声ストリームと、サービス情報とに分離するデータ分離部と、
前記データ分離部により分離された映像ストリームを復号する映像復号部と、
前記データ分離部により分離された音声ストリームを復号する音声復号部と、
前記デジタル復調部により出力される階層毎の放送の受信状態と、前記受信状態の継続時間とを監視し、現在選局中の固定受信サービスが受信できなくなった場合、現在選局中の放送局で部分受信サービスが運用され、かつ、前記受信状態が閾値以下で所定時間継続する選局切替え条件が成立した場合、現在選局中の放送局による部分受信サービス選局に切替え、前記選局切替え条件が不成立の場合、現在選局中放送局の同一系列局を選局するとともに、前記データ分離部によって出力されるサービス情報に基づき、提供するサービスを構成する階層の映像ストリーム、音声ストリームのパケット識別情報を取得し、前記映像復号部、音声復号部に対し、前記パケット識別情報に該当する映像と音声の復号を指示する主制御部と、
前記主制御部による制御の下、前記映像復号部によって復号された映像ストリームを映像出力する映像制御部と、
前記主制御部による制御の下、前記音声復号部により復号された音声ストリームを音声出力する音声制御部と、
を備えたことをと特徴とする移動体用デジタル放送受信装置。
【請求項7】
前記主制御部は、
前記デジタル復調部から階層毎の受信状態を取得して、あらかじめ定義された階層切替え条件成立の有無を判定し、前記条件が成立した場合に階層切替え要求を出力する受信状態管理部と、
前記階層切替え要求に基づき、前記データ分離部から切替える階層における映像、音声ストリームのパケット識別情報を取得し、前記映像復号部と音声復号部に対し、前記取得したパケット識別情報に基づく映像、音声の復号を指示する自動選局管理部と、
を備えたことを特徴とする請求項6記載の移動体用デジタル放送受信装置。
【請求項8】
受信可能な放送局の送信周波数、放送系列識別情報、トランスポートストリーム識別情報、サービス識別情報、地域識別情報が保持された記憶部を備え、
前記主制御部は、
前記チューナ部に送信周波数を順次設定して選局操作を行なわせる選局制御部と、
あらかじめ定義された前記系列放送局切替え条件が成立した場合に系列放送局切替え要求を出力する受信状態管理部と、
前記系列放送局切替え要求に基づき、前記データ分離部から出力されるサービス情報から、現在選局中の放送局における地域識別情報と系列識別情報とを取得し、前記取得した地域識別情報に基づき内蔵の隣接地域テーブルを参照して隣接地域情報を取得し、前記系列識別情報に基づき前記記憶部を参照して隣接地域の同一系列放送局の送出周波数、トランスポートストリーム識別情報、サービス識別情報のそれぞれを取得し、
前記選局制御部を介し、前記取得した送信周波数を前記チューナ部に設定して順次選局操作を行なわせ、前記デジタル復調部の出力に基づき前記選局操作によるデジタル放送の受信が良好であると判定された場合、前記記憶部から取得したトランスポート識別情報、サービス識別情報に基づき、前記データ分離部から該当する映像ストリーム、音声ストリームのパケット識別情報を取得し、前記映像復号部、音声復号部に対して、前記パケット識別情報に該当する映像、音声の復号を指示し、同一系列放送局の映像、音声を提示する自動選局管理部と、
を備えたことを特徴とする請求項6記載の移動体用デジタル放送受信装置。
【請求項9】
前記自動選局管理部は、
隣接地域に受信可能な同一系列放送局がない場合は、隣接地域外の同一系列放送局を用いて選局操作を行い、受信可能な該当放送局がない場合は、前記映像制御部を制御して受信可能な同一放送系列局が存在しないことを示すGUIを提供することを特徴とする請求項8記載の移動体用デジタル放送受信装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、固定受信サービスと部分受信サービスの階層切替え選局機能と、チャンネルを順次選局し、直前まで視聴中であった放送と同じ放送系列の放送局を選局する系列放送局切替え機能とを備えた、移動体デジタル放送受信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地上波デジタル放送では、1チャンネルの周波数帯域を13のセグメントに分割し、固定放送向けと、携帯、移動体向け放送用に各々セグメントを割り当て、階層伝送している。例えば、固定放送向け高品質階層の場合(固定受信サービス)、64QAM(Quadrature Amplitude Modulation)変調により多くの情報を伝送し、携帯、移動体向け補完放送の場合(部分受信サービス)、周波数帯域をあまり占有しないQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)変調により伝送している。
【0003】
上記した地上波デジタル放送を、車載テレビ受信機等の移動体が受信する場合、移動に伴い、現在選局中の放送局の放送エリアから外れてしまうことにより、受信中の放送番組を継続して受信できなくなることがある。また、受信環境の悪化によっても受信できなくなることがある。この場合、ユーザは、受信可能局の選局を手動で行う必要があり、手間がかかるとともに、選局が成功しない限り放送を受信できなくなる問題があった。
【0004】
上記した問題に対し、従来、信号強度を監視することにより、放送エリアを外れて別の放送局の放送エリアに移動したことを検出し、自動でチャンネルを切替える方法(例えば、特許文献1参照)、あるいは、受信状態により、高品質階層、低品質階層への切替えを行う方法(例えば、特許文献2、3参照)が提案されている。
【0005】
【特許文献1】特開2001−53635号公報(段落「0009」〜「0010」、図1)
【特許文献2】特開2005−277873号公報(段落「0006」〜「0011」、図1)
【特許文献3】特開2004−166173号公報(段落「0005」〜「0032」、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記した特許文献1に開示された技術によれば、位置情報がなければ自動で放送局を選局できないため、GPS(Global Positioning System)等の現在位置検出手段が必要になり、また、放送エリア内での受信状態悪化時、選局を繰り返しても系列放送局を検索できないことも考えられる。
一方、特許文献2、特許文献3に開示された技術によれば、高品質階層、低品質階層の切替えにより、極力高品質の放送コンテンツは受信できるようになるが、選局中に放送局の受信エリアから外れてしまった場合、いずれの階層でもデジタル放送を継続して受信することができないという課題があった。
【0007】
この発明は上記した課題を解決するためになされたものであり、階層切替えと系列放送局切替えのための選局切替え条件を満たした場合の階層切替え、あるいは系列放送局切替えにより、受信感度悪化、あるいは放送エリアを跨ぐ移動の場合にも継続してデジタル放送の受信が可能な、移動体用デジタル放送受信装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明にかかわる移動体用デジタル放送受信装置は、放送の受信状態と、受信状態の継続時間とを監視し、現在選局中の固定受信サービスが受信できなくなった場合、現在選局中の放送局で部分受信サービスが運用され、かつ、受信状態が閾値以下で所定時間継続する選局切替え条件が成立した場合、現在選局中の放送局による部分受信サービス選局に切替え、選局切替え条件が不成立の場合、現在選局中放送局の同一系列局を選局する制御手段、を備えたものである。
【0009】
この発明にかかわる移動体用デジタル放送受信装置は、デジタル放送を受信して周波数成分を抽出するチューナ部と、周波数成分をデジタル信号に復調し、トランスポートストリームとして出力するとともに、階層毎の受信状態を判定し、判定情報を出力するデジタル復調部と、トランスポートストリームを、映像ストリームと、音声ストリームと、サービス情報とに分離するデータ分離部と、映像ストリームを復号する映像復号部と、音声ストリームを復号する音声復号部と、デジタル復調部により出力される階層毎の放送の受信状態と、受信状態の継続時間とを監視し、現在選局中の固定受信サービスが受信できなくなった場合、現在選局中の放送局で部分受信サービスが運用され、かつ、受信状態が閾値以下で所定時間継続する選局切替え条件が成立した場合、現在選局中の放送局による部分受信サービス選局に切替え、選局切替え条件が不成立の場合、現在選局中放送局の同一系列局を選局するとともに、データ分離部によって出力されるサービス情報に基づき、提供するサービスを構成する階層の映像ストリーム、音声ストリームのパケット識別情報を取得し、前記映像復号部、音声復号部に対し、パケット識別情報に該当する映像と音声の復号を指示する主制御部と、主制御部による制御の下、映像復号手段によって復号された映像ストリームを映像出力する映像制御部と、主制御部による制御の下、音声復号部により復号された音声ストリームを音声出力する音声制御部と、を備えたものである。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、選局切替え条件を満たした場合の階層切替え、あるいは系列放送局切替えにより、受信感度悪化、あるいは放送エリアを跨ぐ移動の場合にも継続してデジタル放送の受信が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1にかかわる移動体用デジタル放送受信装置の内部構成を示すブロック図である。
図1に示されるように、実施の形態1にかかわる移動体用デジタル放送受信装置は、放送アンテナ部1と、チューナ部2と、デジタル復調部3と、データ分離部4と、主制御部5と、記憶部6と、映像復号部7と、音声復号部8と、映像制御部9と、音声制御部10とで構成される。
【0012】
チューナ部2は、放送アンテナ部1を介してデジタル放送を受信して周波数成分を抽出し、デジタル復調部3へ出力する。デジタル復調部3は、チューナ部2から入力され周波数成分をデジタル信号に復調し、トランスポートストリーム(TS)としてデータ分離部4へ出力する。デジタル復調部3はまた、階層毎の受信状態を判定し、その判定情報を主制御部5へ出力する。
データ分離部4は、デジタル復調部3から入力されるトランスポートストリーム(TS)を、映像ストリームと、音声ストリームと、サービス情報(SI:Service Information)とに分離し、それぞれ、映像復号部7、音声復号部8、主制御部5へ出力する。
【0013】
映像復号部7は、データ分離部4によって分離された映像ストリームを、主制御部5による制御の下で復号し、音声復号部8は、データ分離部4により分離された音声ストリームを、主制御部5による制御の下で復号し、それぞれ、映像制御部9、音声制御部10へ出力する。
映像制御部9は、主制御部5による制御の下、映像復号部7によって復号された映像ストリームを、図示せぬ表示モニタへ映像出力し、音声制御部10は、主制御部5による制御の下、音声復号部8により復号された音声ストリームを、図示せぬスピーカへ音声出力する。
【0014】
主制御部5は、デジタル復調部3により出力される階層毎の放送の受信状態と、受信状態の継続時間とを監視し、現在選局中の固定受信サービスが受信できなくなった場合、現在選局中の放送局で部分受信サービスが運用され、かつ、受信状態が閾値以下で所定時間継続する条件が成立した場合、現在選局中の放送局による部分受信サービス選局に切替え、上記した条件が不成立の場合、現在選局中放送局の同一系列局を選局するとともに、データ分離部4によって出力されるサービス情報に基づき、提供するサービスを構成する階層の映像ストリーム、音声ストリームのパケット識別情報を取得し、映像復号部7、音声復号部8に対し、パケット識別情報に該当する映像と音声の復号を指示する。
なお、記憶部6には、受信可能な放送局の送信周波数、放送系列識別情報、トランスポートストリーム識別情報(TS_ID)、サービス識別情報(S_ID)、地域識別情報が保持される。
【0015】
図2は、図1に示す主制御部5の内部構成を機能展開して示したブロック図である。主制御部5は、ハードウェア的には、マイコンを制御中枢とし、内蔵のメモリ(ROM)に記録されたプログラムを逐次読み出し、メモリ(RAM)を使用して周辺LSIを制御し、このことにより、放送の受信状態と、受信状態の継続時間とを監視し、現在選局中の固定受信サービスが受信できなくなった場合、現在選局中の放送局で部分受信サービスが運用され、かつ、受信状態が閾値以下で所定時間継続する条件が成立した場合、現在選局中の放送局による部分受信サービス選局に切替え、条件が不成立の場合、現在選局中放送局の同一系列局を選局する制御手段として機能するものである。
ここで、周辺LSIとは、マイコンの内部バス、あるいは入出力ポートを介して接続される、チューナ部2、データ復調部3、データ分離部4、記憶部6、映像復号部7、音声復号部8、映像制御部9の少なくとも一つをいう。
【0016】
主制御部5は、上記した制御手段として機能するために、内部的には、受信エラー管理部51と、自動選局管理部52と、選局制御部53と、チャンネル情報管理部54と、GUI制御部55とにより構成される。
受信エラー管理部51は、デジタル復調部3から階層毎の受信状態を取得して、あらかじめ定義された階層切替え条件成立の有無を判定し、当該条件が成立した場合に自動選局管理部52に対して階層切替え要求を出力する機能を持つ。受信エラー管理部51はまた、あらかじめ定義された系列放送局切替え条件が成立した場合に系列放送局切替え要求を出力する機能も合わせ持つ。上記した、階層切替え条件、および系列放送局切替え条件については後述する。
【0017】
自動選局管理部52は、受信エラー管理部51により出力される階層切替え要求に基づき、データ分離部4から、切替える階層における映像、音声ストリームのパケット識別情報(P_ID)を取得し、映像復号部7と音声復号部8に対し、取得したパケット識別情報(P_ID)に基づく映像、音声の復号を指示する。
自動選局管理部52はまた、受信エラー管理部51により出力される系列放送局切替え要求に基づき、データ分離部4から出力されるSI情報から、現在選局中の放送局における地域識別情報と系列識別情報とを取得し、当該取得した地域識別情報に基づき内蔵の隣接地域テーブルを参照して隣接地域情報を取得し、系列識別情報に基づき記憶部6を参照して隣接地域の同一系列放送局の送出周波数、トランスポートストリーム識別情報(TS_ID)、サービス識別情報(S_ID)のそれぞれを取得し、選局制御部53を介し、取得した送信周波数をチューナ部2に設定して順次選局操作を行なわせ、デジタル3復調部の出力に基づき選局操作によるデジタル放送の受信が良好であると判定された場合、記憶部6から取得したトランスポート識別情報(TS_ID)、サービス識別情報(S_ID)に基づき、データ分離部4から該当する映像ストリーム、音声ストリームのパケット識別情報(P_ID)を取得し、映像復号部7、音声復号部8に対して、そのパケット識別情報(P_ID)に該当する映像、音声の復号を指示し、同一系列放送局の映像、音声を提供する。
【0018】
なお、選局制御部53は、自動選局管理部52による制御の下でチューナ部2に送信周波数を順次設定して選局操作を行なわせ、また、チャンネル情報管理部54は、データ分離部4からサービス情報に含まれるパケット識別情報(P_ID)を取得し、自動選局管理部53に対して該当パケット識別情報(P_ID)に基づく固定受信もしくは部分受信サービスによる映像、音声の復号を指示するとともに、記憶部6に保持されてあるパケット識別情報(P_ID)との整合のための処理を行い、記憶部6を常に新しい状態に保守する機能を持つ。
また、GUI制御部55は、自動選局管理52が、隣接地域に受信可能な同一系列放送局がない場合は、隣接地域外の同一系列放送局を用い、選局制御部53を介して選局操作を行うが、ここで、受信可能な該当放送局がない場合に映像制御部9を制御して受信可能な同一放送系列局が存在しないことを示すGUIを提供する。
【0019】
上記構成において、まず、放送アンテナ1により受信されるデジタル放送の電波がチューナ部2に入力される。チューナ部2では受信した放送電波から周波数成分が抽出され、デジタル復調部3によりデジタル信号に復調される。
ここで、復調されたデジタル信号は、トランスポートストリーム(TS)として、データ分離部4に入力され、データ分離部4において映像ストリーム、音声ストリーム、サービス(SI)情報に分離される。
【0020】
主制御部5は、提供するサービスを構成する階層の映像ストリーム、音声ストリームのパケット識別情報(P_ID)をデータ分離部4から取得し、映像デコーダ部7、音声デコーダ部8にそれぞれ該当するパケット識別情報(P_ID)を出力して復号を指示する。
復号された映像、音声は、それぞれ、映像制御部9、音声制御部10を介し、表示モニタ、スピーカ(いずれも不図示)に出力される。
デジタル復調部3はまた、チューナ部2から出力される周波数成分をデジタル信号に復調する際、階層毎の受信エラー率(例えば、PER:Packet Error Rate)や電界強度を判定して主制御部5に通知し、主制御部5では常時受信状態の監視を行う。また、記憶部6には、全放送局の送出周波数、系列識別、トランスポート識別情報(TS_ID)、サービス識別情報(S_ID)、地域識別が保持されており、データ分離部4で取得したSI情報と差分があれば、主制御部5は、メモリ6に保存している情報を最新の状態に更新する。
【0021】
ところで、上記した移動体用デジタル放送受信装置は、固定受信サービスと部分受信サービスの階層切替え選局機能と、チャンネルを順次選局し、直前まで視聴中であった放送と同じ放送系列の放送局を選局する系列放送局切替え機能とを備えたものであって、特徴的には、受信感度悪化時の自動選局のために、階層切替え、系列放送局切替えのための選局切替え条件をそれぞれ複数備え、各選局切替え条件を満たした場合の階層切替え、あるいは系列放送局切替えにより、受信感度悪化や放送エリアを跨ぐ移動の場合でも、自動で継続的なデジタル放送を提供することにある。
階層切替えは、現在受信中の放送の高品質階層(固定受信サービス)のみで成立する映像、音声から、低品質階層(部分受信サービス)のみで成立する映像、音声、または、その逆の低品質階層から高品質階層に切替える切替え方式で、受信状態が悪化しでも継続的な映像、音声の提供を実現する。また、系列放送局切替えは、現在受信中放送局の地域情報、系列情報から、隣接地域の同一系列局、隣接地域以外の同一系列局の選局を順に行う切替え方式であって、GPS等からの位置情報を使用することなく、受信可能な同一系列局への切替えを短時間で行うことができる。
【0022】
なお、上記した選局切替え条件は、受信状態とその受信状態の継続時間とからなり、この条件を複数持つことで、比較的軽度の受信状態悪化時は、切替えまでの継続時間、受信状態回復時の確認継続時間を長時間に設定することにより、切替えが連続発生することによる視聴性の低下を回避できる。
また、比較的重度の受信状態悪化時は、切替えまでの継続時間を短時間に設定することにより、映像、音声の提供が不可状態になる前、または映像、音声提供が不可の状態から迅速に低品質階層、または同一系列局の映像、音声を提供することができるものである。
【0023】
図3に、上記した選局切替え条件を表形式で示してある。表中、Iは、階層切替え条件とし、ここではa〜cの3つ、IIは、系列放送局切替え条件とし、ここでは、aとbの2つを用意した。
上記した階層切替え条件において、aは、受信エラー率(PER)の判定閾値A以上が継続時間A経過、bは、閾値A以下が継続時間A経過、cは、閾値B以上が継続時間B経過の3条件(但し、エラーなし<閾値A<閾値B、継続時間B<継続時間Aとする)とする。すなわち、aは、比較的軽度の受信状態の悪化が比較的長時間継続する第1の階層切替え条件であり、bは、受信状態の回復を検出し、受信状態が良好で比較的長時間継続する第3の階層切替え条件であり、cは、比較的重度の受信状態の悪化が比較的短時間継続する第2の階層切替え条件である。
【0024】
一方、系列放送局切替え条件において、aは、閾値C以上、かつ電力値が減少傾向にあり、継続時間C経過、bは、閾値D以上が継続時間D経過の2条件(但し、エラーなし<閾値C<閾値D、継続時間D<継続時間Cとする)とする。
すなわち、aは、受信状態の回復が検出されず、部分受信サービスによる受信エラーが検出されたとき、比較的軽度の受信状態の悪化が比較的長時間継続し、受信電力値が減少傾向にある第1の系列放送局切替え条件、bは、比較的重度の受信状態が比較的短時間継続する第2の系列放送局切替え条件である。
【0025】
図4〜図6は、この発明の実施の形態1にかかわる移動体用デジタル放送受信装置の動作を説明するために引用したフローチャートであり、固定受信サービス選択中における処理(図4)、部分受信サービス選択中における処理(図5)、系列放送局切替え時における処理(図6)のそれぞれを示す。
以下、図4〜図6に示すフローチャートを参照しながら、図1、図2に示すこの発明の実施の形態1にかかわる移動体用デジタル放送受信装置(主に、主制御部5)の動作を詳細に説明する。
【0026】
デジタル放送受信中、受信状態が悪化した場合、受信エラー管理部51は、データ復調部3から取得した階層毎の受信エラー率(PER)と、図3に示す選局切替え条件として設定された判定閾値およびその受信状態の継続時間とから切替え方式を決定する。
具体的に、図4のフローチャートに示されるように、デジタル復調部3からの出力に基づき、主制御部5の受信エラー管理部51は、固定受信サービスによるデジタル放送受信中、高品質階層の受信エラーが検出され(図4のステップST41“YES”)、また、階層切替え条件a、または階層切替え条件cが成立した場合(ST42“YES”、ST43“YES”)、更に、系列放送局切替え条件aとbの成立の有無を判定する(ステップST44)。ここで、系列放送局切替え条件aとbが不成立の場合(ステップST44“NO”)、受信エラー管理部51は、自動選局管理部12に対して階層切替え要求を出力する。成立した場合は、系列放送局切替えを実行する(ステップST45)。なお、系列放送局切替えの詳細は、図6のフローチャートを用いて後述する。
【0027】
自動選局管理部52は、上記した階層切替え要求を受け、チャンネル情報管理部54を介してデータ分離部4から部分受信サービスに基づく低品質階層の映像、および音声ストリームのパケット識別情報(P_ID)を取得し、選局制御部53を介して、該当パケット識別情報(P_ID)で、映像復号部7、音声復号部8に復号を指示することにより、低品質階層の映像、音声を提供する。
【0028】
上記により、低品質階層の映像、音声提示による部分受信サービスに切替わった後もデジタル復調部3は常時受信状態を監視しており、受信エラー管理部51が、デジタル復調3によって出力される受信エラー率(PER)から固定受信サービスによる受信状態の回復を検出したとき(図5のステップST51)、続いて、受信エラー管理部51は、受信状態が良好で比較的長時間継続する階層切替え条件bが成立するか否かを判定する(ステップST52)。
階層切替え条件bが成立した場合(ステップST52“YES”)、自動選局管理部52は、チャンネル情報管理部54を介し、データ分離部4から、固定受信サービスに基づく高品質階層の映像、音声ストリームのパケット識別情報(P_ID)を取得し、選局制御部53を介して、該当パケット識別情報(P_ID)で映像復号部7、音声復号部8に復号を指示することにより、高品質な映像、音声を提供することができる(ステップST53)。
【0029】
一方、ステップST52の処理で受信状態の回復が検出されず(ステップST52“NO”)、部分受信サービスによる受信エラーが検出されたとき(ステップST54“YES”)、比較的軽度の受信状態の悪化が比較的長時間継続し、受信電力値が減少傾向にある系列放送局切替え条件a、もしくは比較的重度の受信状態が比較的短時間継続する系列放送局切替え条件bの成立の有無を判定する(ステップST55、ST56)。
ここで、系列放送局切替え条件a、bのいずれかが成立した場合(ステップST55“YES”、ST56“YES”)、階層切替え選局から系列放送局選局に切替え、視聴中の放送番組の継続した受信を行なう(ステップST57)。
【0030】
上記した系列放送局切替え条件が成立した場合、受信エラー管理部51は、自動選局管理部52に対して系列放送局切替えを要求し、これを受けた自動選局管理部52は、系列放送局の切替えを開始する(図6のステップST61)。すなわち、自動選局管理部52は、チャンネル情報管理部54を介して、データ分離部4からサービス情報(SI)のNIT(Network Information Table)から現在選局中放送局の地域識別情報を、BIT(Broadcaster Information Table)から現在選局中放送局の系列識別情報を取得する。
自動選局管理部52は、隣接地域テーブル(不図示)を内蔵しており、この隣接地域テーブルを先に取得した地域識別情報から索引することにより隣接地域情報を取得し(ステップS62)、また、先に取得した系列識別情報に基づき、チャンネル情報管理部54を介して、記憶部6から隣接地域の同一系列放送局の送出周波数情報、およびトランスポート識別情報(TS−ID)、サービス識別情報(S−ID)を取得する(ステップST63)。
【0031】
自動選局管理部52は、上記により、隣接地域の放送局に同一系列局がある場合(ステップST64“YES”)、取得した情報を選局制御部53へ通知し、取得した送出周波数情報に基づきチューナ部2に選局のための周波数設定を行う(ステップST65)。
続いて、自動選局管理部52は、選局制御部53出力に基づき、上記した選局操作に従い受信可能局の有無を判定し(ステップS66)、受信可能であれば(ステップST66“YES”)、トランスポート識別情報(TS−ID)、サービス識別情報(S−ID)に基づき、データ分離部4から該当する映像、音声のパケット識別情報(P_ID)を取得する。そして、映像復号部7、音声復号部8に対して該当パケット識別情報(P_ID)の復号を指示することにより、同一系列放送局の映像、音声を提供する(ステップST67)。
【0032】
一方、隣接地域の放送局に同一系列局が無い場合(ステップST64“NO”)、自動選局管理部52は、選局制御部53に対して隣接地域以外の同一系列局を選局するように指示し(ステップST68)、選局制御部53は、この選局操作に基づく受信可能局の有無を判定し(ステップS69)、自動選局管理部52に通知する。
自動選局管理部52は、受信可能であれば(ステップST69“YES”)、トランスポート識別情報(TS−ID)、サービス識別情報(S−ID)に基づき、データ分離部4から該当する映像、音声のパケット識別情報(P_ID)を取得し、映像復号部7、音声復号部8に対して該当パケット識別情報(P_ID)の復号を指示することにより、隣接地域以外の同一系列放送局の映像、音声を提供する(ステップST67)。
【0033】
上記した処理によれば、現在選局中放送局の地域識別から取得した隣接地域から選局を行うことにより、順次、周波数を設定し選局するよりも受信可能な同一系列放送局による放送番組の受信を高速化することを可能にする。
それでも受信可能局が見つからなかった場合(ステップST69“NO”)、自動選局管理部52は、受信可能な同一系列が存在しないことをGUI制御部55に通知し、映像制御部9を介してユーザに提示する(ステップST70)。
【0034】
なお、上記した系列放送局切替えにあっては、受信エラー率(PER)以外にも電力値の変動の傾向を使用して切替えを行う。比較的軽度の受信エラーであっても、電力値が徐々に減少傾向にある場合、放送局のエリア境界に近づいていると考えられるためである。
この状態が一定期間継続した場合(系列放送局切替え条件a)に系列放送局の切替えを実行することにより、放送エリア外になって、映像、音声が停止した後に切替えることを回避でき、またエリア内の受信状態悪化箇所においては無用な系列放送局切替えを行うことを回避できる。なお、受信したエラー率は、PERの他に、C/N(Carrier to Noise Ratio)や、映像、音声復号時の復号エラー率で代替してもよい。
【0035】
図7は、移動に伴う選局例をエリアマップ上に示し、図8は、そのときの選局切替え動作を表形式で概念的に示した動作概念図である。
図7において、放送局Aと放送局Bは同一放送系列とし、それぞれ電波が届く範囲を放送局エリアA、放送局エリアBとして示されている。また、a〜fは移動に伴う地点を示し、ハッチングが付された領域は弱電界領域とする。
図8に示されるように、階層切替え、系列放送局切替えの2つの選局切替え方式を用いることにより、移動を伴ってデジタル放送を受信する場合、放送エリア内の弱電界エリア(地点b、d)では、階層切替えにより部分受信サービスに基づく低品質階層の映像および音声を、放送局エリアの境界付近では、系列放送局切替えによる系列放送局の高品質階層の映像および音声の提供を行うことができる。
【0036】
以上説明のようにこの発明の実施の形態1によれば、切替え条件を満たした場合の階層切替え、あるいは系列放送局切替えにより、受信感度悪化、あるいは放送エリアを跨ぐ移動の場合にも継続してデジタル放送の受信を可能にするものである。
但し、比較的軽度の受信エラーで階層切替えや系列放送局の切替えを行うと、提供する映像や音声が連続して切替わり、このことにより、ユーザの視聴性を低下させてしまい、逆に、比較的重度の受信エラーが発生するまで切替えを行なわなければ、映像や音声に多量のノイズが重畳し、最悪、映像や音声の非提供期間が長時間続いてしまう危険性がある。この発明の実施の形態1によれば、図3に示されるように、階層切替え条件、系列放送局切替え条件を複数設定することにより、比較的軽度の受信エラー発生時は長時間継続発生により、また、比較的重度の受信エラー発生時は短時間継続発生により選局切替え動作を実行することにより、また、低品質階層から高品質階層への階層切替えは、受信エラーが非常に少ない(エラーフリーとしてもよい)状態が長時間継続した場合にのみ切替えを実行することにより連続した切替えを回避でき、したがって視聴性が低下することはなく、また、映像や音声にノイズが重畳され提供される期間を短縮することができる。
【0037】
以上、この発明の実施の形態につき図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】この発明の実施の形態1にかかわる移動体用デジタル放送受信装置の内部構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す主制御部の内部構成を機能展開して示したブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態1にかかわる移動体用デジタル放送受信装置で使用される選局切替え条件の一例を表形式で示した図である。
【図4】この発明の実施の形態1にかかわる移動体用デジタル放送受信装置の動作を説明するために引用したフローチャートである。
【図5】この発明の実施の形態1にかかわる移動体用デジタル放送受信装置の動作を説明するために引用したフローチャートである。
【図6】この発明の実施の形態1にかかわる移動体用デジタル放送受信装置の動作を説明するために引用したフローチャートである。
【図7】この発明の実施の形態1にかかわる移動体用デジタル放送受信装置の動作を説明するために引用した動作概念図である。
【図8】この発明の実施の形態1にかかわる移動体用デジタル放送受信装置の動作を説明するために引用した動作概念図である。
【符号の説明】
【0039】
1 放送アンテナ部、2 チューナ部、3 デジタル復調部、4 データ分離部、5 主制御部(制御手段)、6 記憶部、7 映像復号部、8 音声復号部、9 映像制御部、10 音声制御部、51 受信エラー管理部、52 自動選局管理部、53 選局制御部、54 チャンネル情報管理部、55 GUI制御部。
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【出願日】 平成18年7月6日(2006.7.6)
【代理人】 【識別番号】100123434
【弁理士】
【氏名又は名称】田澤 英昭

【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延

【識別番号】100101133
【弁理士】
【氏名又は名称】濱田 初音


【公開番号】 特開2008−17204(P2008−17204A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−186944(P2006−186944)