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【発明の名称】 集光ガイド、および画像読取装置
【発明者】 【氏名】小石川 啓輔

【要約】 【課題】装置の大型化を抑え、受光感度のムラに起因したシェーディング補正の負担を軽減することができる集光ガイド、および画像読取装置を提供する。

【構成】光透過性材料からなる板材の一端面が直線状に延びて光を入射する入射端面として形成され、板材の他端面から入射端面に向かって途中まで短冊状に切断されるとともに、板材の、短冊状に切断された部分の表裏面が入射端面側から他端面側に向かって曲面状に変形されて、他端面側では短冊状に切断された部分が板材の厚み方向に積み重ねられることにより、他端面が、入射端面よりも短く、かつ板材複数枚分の厚さを有する出射端面として形成されてなる集光ガイドであって、上記板材は、入射端面の厚さよりも出射端面を形成する板材1枚分の厚さの方が薄い板材である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光透過性材料からなる板材の一端面が直線状に延びて光を入射する入射端面として形成され、該板材の他端面から入射端面に向かって途中まで短冊状に切断されるとともに、該板材の、短冊状に切断された部分の表裏面が入射端面側から他端面側に向かって曲面状に変形されて、該他端面側では短冊状に切断された部分が該板材の厚み方向に積み重ねられることにより、該他端面が、入射端面よりも短く、かつ該板材複数枚分の厚さを有する出射端面として形成されてなる集光ガイドであって、
前記板材は、前記入射端面の厚さよりも前記出射端面を形成する該板材1枚分の厚さの方が薄い板材であることを特徴とする集光ガイド。
【請求項2】
所定の主走査方向に延びる主走査ラインに光を照射する光源と、
光の入射端面が前記主走査ラインに沿って延在し、画像が記録され前記光源からの光の照射を受けて画像情報を担持する光を発する記録担体から発せられた、画像情報を担持する光を、該入射端面から入射して集光する集光ガイドと、
前記集光ガイドで集光された光を受光して画像信号を生成する受光部と、
前記光源、前記集光ガイド、および前記受光部の組と、前記記録担体とを、相対的に、前記主走査ラインと交わる副走査方向に移動させる移動手段とを備え、
前記集光ガイドが、光透過性材料からなる板材の一端面が直線状に延びて前記入射端面として形成され、該板材の他端面から入射端面に向かって途中まで短冊状に切断されるとともに、該板材の、短冊状に切断された部分の表裏面が入射端面側から他端面側に向かって曲面状に変形されて、該他端面側では短冊状に切断された部分が該板材の厚み方向に積み重ねられることにより、該他端面が、入射端面よりも短く、かつ該板材複数枚分の厚さを有する出射端面として形成されてなるものであり、
前記板材は、前記入射端面の厚さよりも前記出射端面を形成する該板材1枚分の厚さの方が薄い板材であることを特徴とする画像読取装置。
【請求項3】
前記受光部は、前記集光ガイドで集光された光を受光する受光面を備えたものであり、
前記集光ガイドは、前記出射端面が前記受光部の受光面よりも小さく、該出射端面が該受光面の中央に配置されたものであることを特徴とする請求項2記載の画像読取装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、入射面から入射した光を集光して出射面に導く集光ガイド、および画像を読み取る画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、放射線が照射されると、その放射線エネルギーの一部を蓄積し、可視光等が照射されると、蓄積された放射線エネルギーに応じて輝尽発光する蓄積性蛍光体が知られている。近年では、被写体を透過してきた放射線を蓄積性蛍光体に照射して放射線画像を蓄積記録し、その蓄積性蛍光体に励起光を照射して蓄積性蛍光体から発せられた輝尽発光光を読み取ることにより、放射線画像を可視化するCR(コンピューテッドラジオグラフィ)が医療分野等で広く利用されてきている。CRを利用した放射線撮影システムによると、被写体の体内を撮影した放射線画像がデジタルデータとして取得されるため、放射線画像中の病巣部分をモニタに拡大表示したり、診断に不要な骨部分を削除した画像を表示することなどができ、人に外的なダメージを与えることなく、病状の進行状態などを確実に把握することができる。
【0003】
ところで、蓄積性蛍光体から発せられる輝尽発光光は微弱であるため、輝尽発光光を読み取って放射線画像を得る画像読取装置には、励起光を照射する照射装置や、輝尽発光光を電気信号に変換する光電変換器に加えて、輝尽発光光を集光して光電変換器まで導く集光ガイドが備えられていることが一般的である。例えば、特許文献1には、光透過性を有する板材の一端面が直線状に延びて光の入射面が形成され、板材の他端面から入射面に向かって複数のスリットが形成されて、それらが他端面側で板材の厚み方向に積み重ねられることにより光の出射面が形成された集光ガイドについて記載されている。この集光ガイドを、入射面がIPに近接するように配置し、出射面にフォトマルチプライヤなどといった光電変換器を取り付けることによって、輝尽発光光を効率よく集光して光電変換器にまで伝達することができ、放射線画像を確実に読み取ることができる。
【0004】
ここで、光電変換器は、受光面全域に渡って高く均一な受光感度を有していることが望ましいが、受光面の中央部分を除く周辺部分では、受光感度が不均一であることが多く、光電変換器で輝尽発光光が読み取られて得られた画像信号に対して、画像濃度の不均一性を平滑化するシェーディング補正を施すことが一般的である。しかし、受光面の中央部分と周辺部分とで受光感度に大きな差がある場合、その差を考慮した幅広い強度範囲の光がデジタル値で表現されるため、画像信号のデータ桁数(ビット数)が増加してしまい、シェーディング補正における電気回路やソフトウェアの負担が増大してしまうという問題がある。
【0005】
シェーディング補正の負担を軽減する技術としては、特許文献2に、発光装置から発せられる励起光を偏光してからIPに照射する偏光手段と、輝尽発光光を集光する集光ガイドとの相対位置を調整することにより、発光装置から発せられる光の光量ムラと、集光ガイドで集光される光の伝搬ムラとを相殺する方法について記載されている。この特許文献2に記載された技術を適用することにより、光電変換器の受光面では、均一な光量の励起光によって輝尽発光し、均一な伝搬精度で伝搬されてきた光が受光されることとなり、光電変換器に光が到達するまでの間の各種要因による光の強度ムラを軽減し、データ量の増加を抑えることができる。
【0006】
しかし、光電変換器に均一な光が伝達されても、光電変換器の受光感度が不均一であるため、特許文献2に記載された方法では、光電変換器の受光感度の不均一性に起因したシェーディング補正の負担は軽減することができない。光電変換器の受光感度ムラによるデータ量の増加を抑える方法としては、光電変換器自体を大型化したり、集光ガイドを小型化することによって、集光ガイドで集光された光を、受光感度が安定している受光面の中央部分でのみ受光することなどが考えられる。しかし、光電変換器を大型化すると、装置全体の大型化やコストの上昇を招いてしまい、集光ガイドを小型化すると、入射してくる光が減少してしまって、放射線画像を十分には読み取ることができなくなってしまう恐れがある。
【0007】
また、特許文献3には、光電変換器を回転させながら輝尽発光光を受光することにより、受光感度のムラを軽減する技術について記載されている。
【0008】
しかし、特許文献3に記載された技術では、光電変換器を回転させる機構を備える必要があり、装置が大型化してしまうという問題がある。また、光電変換器を回転させても、光電変換器の周方向における受光感度のムラは平均化されるが、光電変換器の中央部分と周辺部分との受光感度の差は縮まらないため、シェーディング補正の負担を十分には軽減することができないという問題がある。
【特許文献1】特開2001−346001号公報
【特許文献2】特開2003−228145号公報
【特許文献3】特開2006−17989号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記事情に鑑み、装置の大型化を抑え、受光感度のムラに起因したシェーディング補正の負担を軽減することができる集光ガイド、および画像読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成する本発明の集光ガイドは、光透過性材料からなる板材の一端面が直線状に延びて光を入射する入射端面として形成され、板材の他端面から入射端面に向かって途中まで短冊状に切断されるとともに、板材の、短冊状に切断された部分の表裏面が入射端面側から他端面側に向かって曲面状に変形されて、他端面側では短冊状に切断された部分が板材の厚み方向に積み重ねられることにより、他端面が、入射端面よりも短く、かつ板材複数枚分の厚さを有する出射端面として形成されてなる集光ガイドであって、
上記板材は、入射端面の厚さよりも出射端面を形成する板材1枚分の厚さの方が薄い板材であることを特徴とする。
【0011】
フォトマルチプライヤ等の光電変換器は、通常、受光面の中央部分は受光感度が均一であるが、周辺部分は受光感度が不均一であることが多い。本発明の集光ガイドは、板材の厚さが入射面側で厚くなっているため、光の入射面積が広く、多くの光を集光することができ、出射端面を形成する短冊状の板材1枚分の厚さが薄いため、光の出射面積が狭く、受光感度が安定している位置(受光面の中央部分など)に光を導くことができる。このため、光をデジタル化する際に使用されるビット数を減少させることができ、シェーディング補正の負担を軽減することができる。
【0012】
また、上記目的を達成する本発明の画像読取装置は、所定の主走査方向に延びる主走査ラインに光を照射する光源と、
光の入射端面が主走査ラインに沿って延在し、画像が記録され光源からの光の照射を受けて画像情報を担持する光を発する記録担体から発せられた、画像情報を担持する光を、入射端面から入射して集光する集光ガイドと、
集光ガイドで集光された光を受光して画像信号を生成する受光部と、
光源、集光ガイド、および受光部の組と、記録担体とを、相対的に、主走査ラインと交わる副走査方向に移動させる移動手段とを備え、
上記集光ガイドが、光透過性材料からなる板材の一端面が直線状に延びて入射端面として形成され、板材の他端面から入射端面に向かって途中まで短冊状に切断されるとともに、板材の、短冊状に切断された部分の表裏面が入射端面側から他端面側に向かって曲面状に変形されて、他端面側では短冊状に切断された部分が該板材の厚み方向に積み重ねられることにより、他端面が、入射端面よりも短く、かつ板材複数枚分の厚さを有する出射端面として形成されてなるものであり、
上記板材は、入射端面の厚さよりも出射端面を形成する板材1枚分の厚さの方が薄い板材であることを特徴とする。
【0013】
本発明の画像読取装置によると、多くの光を入射して、画像を確実に読み取ることができるとともに、受光部の、受光感度が均一な位置に光を集光し、受光感度のムラに起因したシェーディング補正の負担を軽減することができる。
【0014】
また、本発明の画像読取装置において、上記受光部は、集光ガイドで集光された光を受光する受光面を備えたものであり、
上記集光ガイドは、出射端面が受光部の受光面よりも小さく、出射端面が受光面の中央に配置されたものであることが好ましい。
【0015】
受光面の中央は受光感度が均一であるため、集光ガイドの出射端面が受光面の中央に配置されることによって、シェーディング補正の負担を確実に低減することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、装置の大型化を抑え、受光感度のムラに起因したシェーディング補正の負担を軽減することができる集光ガイド、および画像読取装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0018】
本実施形態では、放射線画像を蓄積記録するIPが持ち運び自在なカセッテ内に収容されており、撮影後にIPがカセッテごと放射線画像を読み取る画像読取装置に装填される。まず、IPおよびカセッテの構成について説明する。
【0019】
図1は、IPおよびカセッテの概略構成図である。
【0020】
図1に示すように、IP10は、基板(図示しない)上に蓄積性蛍光体10Aが蒸着されて形成されており、放射線を透過する材料で構成されたカセッテ20内に収容されて使用される。また、IP10には、寿命や破損などによりカセッテ20内のIP10を交換する際に、ユーザが手で把持するための把持枠10Bが設けられている。
【0021】
IP10の把持枠10Bには、板ばね10a,10bが設けられており、IP10をカセッテ20内に収容したときに、板ばね10a,10bがカセッテ20に設けられた係止孔21a,21bに係止されることによって、IP10がカセッテ20内に保持される。また、カセッテ20の、IP10が挿入される側とは逆の側には、ピンを挿入することによってIP10をカセッテ20外に押し出すための押出孔22a,22bも設けられており、カセッテ20の、押出孔22a,22bと同じ側には、カセッテ20のサイズなどが記載された反射マーカ23が付加されている。カセッテ20からIP10を取り出す際には、係止孔21a,21bにピンを挿入してIP10の係止を解除し、さらに、押出孔22a,22bにピンを挿入してIP10をカセッテ20の外に排出する。また、カセッテ20の裏面には、無線を使って情報を読み書きするためのRFID(Radio frequency identification)タグ24(図1には図示しない。図2参照)が取り付けられている。
【0022】
続いて、図1に示すカセッテ20に収容されたIP10に放射線画像を蓄積記録し、その放射線画像を読み取る放射線撮影システムについて説明する。
【0023】
図2は、本発明の一実施形態が適用された放射線撮影システムの概略構成図である。
【0024】
図2に示す放射線撮影システム1には、図1に示すカセッテ20を固定するカセッテ台100、放射線を照射する放射線照射装置200、本発明の画像読取装置の一実施形態であり、IP10に蓄積記録された放射線画像を読み取る画像読取装置400、および放射線撮影システム1全体を制御する制御装置300が備えられており、制御装置300は、LAN(Local Area Network)によってサーバ装置500と接続されている。
【0025】
カセッテ台100には、カセッテ20に取り付けられたRFIDタグ24に情報を書き込んだり、RFIDタグ24に記憶された情報を読み出すアクセス部110と、制御装置300からRFIDタグ24に記録する情報を受信したり、アクセス部110で読み出された情報を制御装置300に向けて送信する通信部120が備えられている。
【0026】
放射線照射装置200には、放射線を発する管球210と、管球210から発せられる放射線の線量を調整するとともに、管球210から発せられた放射線の線量を制御装置300に伝える制御部220とが備えられている。
【0027】
また、制御装置300は、外観上、画像読取装置400で読み取られた放射線画像や、放射線照射装置200から伝えられた放射線の線量や、各種アラームなどが表示される表示モニタ320と、ユーザが指示を入力するための操作子310等が備えられており、図2に示す各種要素と接続されている。
【0028】
画像読取装置400は、カセッテ20内のIP10に蓄積記録された放射線画像を読み取って、その放射線画像を制御装置300に送る。画像読取装置400については、後で詳しく説明する。
【0029】
サーバ装置500は、図2に示す放射線撮影システム1の他、病院内に設置された各種コンピュータや、各種システムに接続されており、患者のカルテや、放射線画像や、各種情報等が一括管理されている。放射線撮影システム1の制御装置300から、放射線照射装置200で照射された放射線の線量や、画像読取装置400で読み取られた放射線画像などが伝えられると、サーバ装置500は、制御装置300から送られてきた各種情報を、カセッテ20内のIP10を識別するための識別情報とともに記憶する。
【0030】
撮影時には、まず、ユーザがIP10をカセッテ20内に挿入し、カセッテ20をカセッテ台100に固定する。続いて、被写体2をカセッテ台100の前に移動させ、放射線照射装置200の位置や高さなどを調整して、放射線照射装置200から発せられる放射線の照射位置を被写体2の撮影部位に合わせる。
【0031】
ユーザが制御装置300の操作子310のうち放射線の発射を指示するための発射ボタンを押すと、制御装置300から放射線照射装置200に発射指示が伝えられ、放射線照射装置200の管球210から放射線が発射される。放射線照射装置200から発せられた放射線は、被写体2を透過し、さらに、カセッテ20を透過した後、IP10に照射される。その結果、IP10に放射線画像が蓄積記録される。
【0032】
また、放射線が発射されると、放射線照射装置200の制御部220から制御装置300に、発射された放射線の線量が伝えられ、制御装置300からカセッテ台100の通信部120に、放射線の線量と撮影日時が伝えられる。カセッテ台100のアクセス部110は、制御装置300から伝えられた放射線の線量と撮影日時とをRFIDタグ24に記憶する。
【0033】
撮影が終了すると、カセッテ20がカセッテ台100から取り外されて、画像読取装置400に装着される。
【0034】
図3は、画像読取装置400の外観斜視図であり、図4は、画像読取装置400の内部構成図である。
【0035】
図3に示すように、画像読取装置400の両端には、これから放射線画像が読み取られるカセッテ20が載せられる搬入口401Aと、放射線画像の読み取りが終了したカセッテ20が排出される排出口401Bとが設けられており、画像読取装置400の中央には、画像読取装置400の稼動状態などを表示する表示パネル401Cが備えられている。
【0036】
図4に示すように、搬入口401Aは、中央から遠ざかるほど下方向に傾斜しており、傾斜の最下部には、カセッテ20を画像読取装置400の内部に取り込む蓋部材410Aが配設されている。また、搬入口401Aには、カセッテ20の底に付加された反射マーカ23(図1参照)を読み取るためのセンサ(図示しない)が備えられている。
【0037】
画像読取装置400の内部には、大別して、カセッテ20を搬入口401Aと排出口401Bとの間で搬送する搬送部420、IP10に蓄積記録された放射線画像を読み取る読取部430、IP10上に残存する放射線画像を消去する消去部440、カセッテ20に取り付けられたRFIDタグ24に記憶された情報を読み取る情報取得部450、および画像読取装置400全体の動作を制御するとともに、図2に示す制御装置300に向けて放射線画像を送信する制御部460が備えられている。
【0038】
上述したセンサによって反射マーカ23が読み取られ、カセッテ20の装着が検出されると、情報取得部450によって、カセッテ20のRFIDタグ24に記憶された情報(撮影日時や、撮影時の放射線量など)が読み取られる。読み取られた情報は、制御部460に伝えられる。制御部460では、この情報に基いて、IP10に蓄積記録された放射線画像を読み取るための励起光Lの強度や、放射線画像を消去するための消去光Qの光量などが決定される。さらに、制御部460からの指示によって、搬入口401Aの蓋部材410Aに取り付けられたモータが駆動して蓋部材410Aが開き、搬入口401Aに載せられたカセッテ20が搬送ロール4211によって搬送部420に搬送される。
【0039】
搬送部420には、搬入口401Aの下の装填位置S1、読取部430の下の読取位置S2、消去部440の下の消去位置S3、および排出口401Bの下の排出位置S4を結ぶ上下2本のガイドレール422,423と、ガイドレール422,423に沿って移動することにより、装填位置S1と排出位置S4との間でカセッテ20を搬送する搬送部材424が備えられている。
【0040】
搬送ロール4211によって搬送されてきたカセッテ20は、まず、装填位置S1で搬送部材424に保持され、ガイドレール422,423に沿って読取位置S2に搬送される。読取位置S2には、2本のピンと、それらのピンを挿抜するソレノイドとで構成された排出部425,426が上下に並べて配設されている。カセッテ20が読取位置S2に搬送されると、上側の排出部425に備えられたピンが図1に示すカセッテ20の係止孔21a,21bに挿入されて、カセッテ20内に収容されたIP10の係止が解除され、下側の排出部425に備えられたピンがカセッテ20の押出孔22a,22bに挿入されて、IP10がカセッテ20から押し出される。カセッテ20から排出されたIP10は、搬送ロール4212によって読取部430に搬送され、IP10が排出された空のカセッテ20は、ガイドレール422,423に沿って消去位置S3に搬送される。
【0041】
読取部430には、鉛直上方向に延びた搬送路Rが設けられており、IP10が出入りする2箇所に設けられたシャッタ431A,431Bと、励起光Lを主走査方向(紙面の奥行方向)に照射する励起光照射部433と、IP10を副走査方向(紙面の上方向)に搬送する搬送ロール4322,4323と、IP10から発せられた輝尽発光光を集光して光電変換器435に導く集光ガイド434と、輝尽発光光を電気信号に変換することにより、IP10に蓄積記録された放射線画像を読み取る光電変換器435と、水平方向に延びた上下2本のガイドレール436,437と、ガイドレール436,437に沿って移動することにより、IP10を水平方向に搬送する上下一対のニップロール438,439とが備えられている。集光ガイド434は、本発明の集光ガイドの一実施形態に相当する。また、励起光照射部433は、本発明にいう光源の一例にあたり、搬送ロール4322,4323は、本発明にいう移動手段の一例に相当し、光電変換器435は、本発明にいう受光部の一例に相当する。
【0042】
カセッテ20から排出されたIP10は、搬送ロール4212,4321によって読取部430に向けて上方向に搬送される。IP10の先端が励起光照射部433の位置に到達すると、シャッタ431A,431Bが閉じて読取部430内が遮光される。IP10は、搬送ロール4322,4323によってさらに上向きに搬送され、続いて、励起光照射部433から搬送中のIP10に、主走査方向に励起光Lが照射される。IP10に励起光Lが照射されると、IP10上の、励起光Lが照射された位置から輝尽発光光が発せられ、輝尽発光光は集光ガイド434によって光電変換器435に導かれ、光電変換器435によって読み取られて画像信号が生成される。IP10が副走査方向(紙面の上方向)に移動されながら主走査方向(紙面の奥行方向)に励起光Lが照射されることにより、集光ガイド434では、主走査方向に延びるライン状の輝尽発光光が入射されて光電変換器435に導かれる。その結果、光電変換器435では、IP10に記録された放射線画像が主走査方向に延びるラインごとに読み取られる。読み取られた放射線画像は、制御部460に伝えられ、画像濃度の不均一性を補正するシェーディング補正等の画像処理が施された後、図2に示す制御装置300に送られる。集光ガイド434、および光電変換器435については、後で詳しく説明する。
【0043】
放射線画像が読み取られたIP10は、搬送ロール4322,4323によってニップロール438,439に搬送され、ニップロール438,439に挟まれる。ニップロール438,439は、IP10を把持したままガイドレール436,437沿って水平方向に移動し、ガイドレール436,437の端に達すると、IP10を下向きに搬送する。IP10は、搬送ロール4324,4213によってさらに下向きに移動されることにより、消去部440に搬送される。
【0044】
消去部440には、主走査方向(図の奥行き方向)および副走査方向(上下方向)双方に広がる複数の蛍光ランプ441が備えられている。複数の蛍光ランプ441から制御部460で決定された光量の消去光Qが発せられると、消去光Qは搬送中のIP10に照射される。その結果、IP10に蓄積された放射線エネルギーが放出され、放射線画像が消去される。
【0045】
放射線画像が消去されたIP10は、搬送ロール4214によってさらに下方向に搬送され、消去位置S3に搬送されていた空のカセッテ20内に収容され、ガイドレール422,423に沿って排出位置S4に搬送される。
【0046】
排出口401Bにも、搬入口401Aと同様に蓋部材410Bが配設されており、カセッテ20が排出位置S4に搬送されてくると、排出口401Bの蓋部材410Bが開かれる。排出位置S4に搬送されたカセッテ20は、搬送ロール4215によって排出口401Bに向けて搬送され、排出口401Bから排出される。
【0047】
画像読取装置400は、基本的には以上のように構成されている。
【0048】
ここで、光電変換器435は、受光面の中央部分は受光感度がほぼ均一であるが、周辺部分は受光感度が不均一なため、受光面全域で光を読み取ろうとすると、広い強度範囲の光をデジタル値で表現しなければならず、データ量が増加してしまうという問題がある。本実施形態の画像読取装置400では、集光ガイド434の形状が工夫されており、光の入射量を減少させずに、光電変換器435の中央部分に光を効率よく集光することができる。以下では、集光ガイド434と光電変換器435について詳しく説明する。
【0049】
図5は、図4に示す集光ガイド434の拡大図であり、図6は、集光ガイド434を構成する板材を示す図である。
【0050】
集光ガイド434は、光透過性を有する板材(例えば、アクリル板など)で構成されている。また、集光ガイド434は、光が入射する入射面434aが輝尽発光光の走査方向に沿って延びており、光が出射する出射面434bが光電変換器435の受光面435aと接触している。入射面434aから入射してきた輝尽発光光は、出射面434bまで導かれて、出射面434bと接触した光電変換器435の受光面435aで受光される。
【0051】
図6(A)は、集光ガイド434を構成する板材を上から見た上面図であり、図6(B)は、板材を横から見た側面図である。
【0052】
図6(A)に示すように、板材500は、図5に示す集光ガイド434の出射面434bとなる出射側端面500bから、集光ガイド434の入射面434aとなる入射側端面500aに向けて複数のスリット501が設けられている。また、図6(B)に示すように、板材500は、入射側端面500aの板厚d1は厚く、出射側端面500bの板厚d2は薄く成形されている。板材500は、本発明にいう板材の一例に相当する。
【0053】
出射側端面500b側に設けられた複数のスリット501が入射側端面500aに対して上方に折り曲げられ、さらに、それら複数のスリット501の表裏面が曲面状に変形されて板材500の厚み方向に積み重ねられることによって、図5に示す集光ガイド434が形成される。
【0054】
図7は、集光ガイド434と光電変換器435の位置関係を示す図である。
【0055】
図7(A)には、集光ガイド434の側面が示されており、図7(B)には、集光ガイド434の出射面434bが示されている。
【0056】
上述したように、板材500は、出射側端面500bの板厚d2よりも入射側端面500aの板厚d1の方が厚いため、図7に示すように、集光ガイド434の入射面434aの板厚d1は、出射面434bを構成する各スリット4341の板厚d2よりも厚い。このように、入射面434aの板厚d1を厚くすることによって、輝尽発光光の入射面積が広くなり、微弱な輝尽発光光を効率よく集光して放射線画像を確実に読み取ることができる。
【0057】
また、各スリット4341の板厚d2は薄く成形されているため、複数のスリット4341が積み重ねられて形成された出射面434bの面積が縮小し、図7(B)に示すように、出射面434bは光電変換器435の受光面435aの中央部分に接触している。
【0058】
図8は、光電変換器435の受光面における受光感度を表わすグラフである。
【0059】
光電変換器435は、高真空のガラス容器中に、光子の入射を受けて光電子を発生させるための陰極、光電子を衝突させることにより二次電子を増倍させるダイノード、および二次電子を信号電流として取り出す陽極などが収容されている。以下では、陰極および陽極において、入力量に対する相対的な出力量を受光感度と表現する。図8は、横軸に受光面435aの中心からの位置(mm)、縦軸に受光感度(%)が対応付けられており、実線は陰極側における受光感度のグラフ、破線は陽極側における受光感度のグラフを示している。また、図8(A)には、図6(B)の横方向(スリット4341の板厚方向)における受光感度のグラフが示されており、図8(B)には、図6(B)の縦方向(スリット4341の長さ方向)における受光感度のグラフが示されている。
【0060】
光電変換器435は、受光面435aの直径が約75mmであり、その中央部分の受光感度は90%程度でほぼ均一であるが、外周から10mm程度の周辺部分では、受光感度が位置によって不安定に増減している。本実施形態では、図7(B)に示すように、集光ガイド434の出射面434bが、受光感度がほぼ均一な受光面435aの中央部分(外周から10mm以上内側)と接しているため、光電変換器435で検出される輝尽発光光の強度分布が狭まる。すなわち、表現しなければならない光の強度範囲が狭まるため、画像信号のビット数を抑えることができ、シェーディング補正における電気回路やソフトウェアの負担を軽減することができる。
【0061】
また、例えば、画像信号のビット数が予め決められている場合、表現しなければならない光の強度範囲が狭まることによって、輝尽発光光の強度を細かく表現することができ、精密に放射線画像を読み取って、高画質な画像を取得することができる。
【0062】
ここで、上記では、放射線画像が蓄積記録されたIPに励起光を照射し、IPから発せられた輝尽発光光を読み取る画像読取装置について説明したが、本発明の画像読取装置は、画像に光を照射し、照射光が画像上で反射された反射光を読み取る画像読取装置であってもよい。
【0063】
また、上記では、IPを副走査方向に移動させることによって画像を読み取る例について説明したが、本発明にいう移動手段は、光源、集光ガイド、および受光部のセットを副走査方向に移動させるものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】IPおよびカセッテの概略構成図である。
【図2】放射線撮影システムの概略構成図である。
【図3】画像読取装置の外観斜視図である。
【図4】画像読取装置の内部構成図である。
【図5】図4に示す集光ガイドの拡大図である。
【図6】集光ガイドを構成する板材を示す図である。
【図7】集光ガイドと光電変換器の位置関係を示す図である。
【図8】光電変換器の受光面における受光感度を表わすグラフである。
【符号の説明】
【0065】
1 放射線撮影システム
2 被写体
10 IP
10A 蓄積性蛍光体
10B 把持枠
10a,10b 板ばね
20 カセッテ
21a,21b 係止孔
22a,22b 押出孔
23 反射マーカ
100 カセッテ台
110 アクセス部
120 通信部
200 放射線照射装置
210 管球
220 制御部
300 制御装置
310 操作子
320 表示モニタ
400 画像読取装置
401A 搬入口
401B 排出口
401C 表示パネル
410A,410B 蓋部材
420 搬送部
422,423 ガイドレール
424 搬送部材
430 読取部
431A,431B シャッタ
433 励起光照射部
434 集光ガイド
435 光電変換器
436,437 ガイドレール
438,439 ニップロール
440 消去部
441 蛍光ランプ
450 情報取得部
460 制御部
【出願人】 【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
【出願日】 平成18年7月6日(2006.7.6)
【代理人】 【識別番号】100094330
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 正紀

【識別番号】100079175
【弁理士】
【氏名又は名称】小杉 佳男

【識別番号】100109689
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 結


【公開番号】 特開2008−17181(P2008−17181A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−186646(P2006−186646)