トップ :: H 電気 :: H04 電気通信技術




【発明の名称】 画像処理装置および方法、並びにプログラム
【発明者】 【氏名】山口 卓也

【要約】 【課題】高輝度部分と低輝度部分を含む被写体を適切に撮像することができるようにする。

【構成】被写体に高輝度の部分があると、その高輝度の部分に対応する撮像素子の画素に、シャッタ時間で蓄積される電荷量は、画素が蓄積できる限界の電荷量(以下、限界電荷量と称する)に達することがあり、その場合、画素の電荷が飽和し、その画素には、それ以上の電荷が蓄積されない。飽和に到るまでの電荷の蓄積は、図2の直線L1に示すように直線的になされる。そこで限界電荷量Q0、電荷量が閾値電荷量Qtに到した時間Tqt、およびシャッタ時間Tsに基づいて、シャッタ時間Tsに蓄積され得た電荷量Qtsを推定する。この電荷量Qtsを用いて撮像信号が生成される。本発明は、ビデオカメラに適用される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射光を電荷に変換する撮像素子と、
前記撮像素子の各画素について、シャッタ期間が開始されて前記撮像素子に光が入射し始めてから前記シャッタ期間が終了し光が入射しなくなるまでのシャッタ時間内に、画素に蓄積される電荷の電荷量が所定の閾値電荷量に達したか否かを判定する判定手段と、
前記電荷量が前記閾値電荷量に達するまでの閾値到達時間を計測する計測手段と、
前記判定手段により電荷量が前記閾値電荷量に達したと判定された前記画素について、少なくとも前記閾値到達時間を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記閾値到達時間と、前記閾値電荷量に基づいて、前記シャッタ時間に入射する光によって蓄積され得た電荷量を演算する演算手段と、
前記演算手段により演算された前記電荷量に対応する画素値を、前記判定手段により電荷量が前記閾値電荷量に達したと判定された画素の画素値として、撮像信号を生成する生成手段と
を備える画像処理装置。
【請求項2】
前記記憶手段は、前記判定手段により電荷量が前記閾値電荷量に達しなかったと判定された前記画素について、その画素にシャッタ期間終了時に蓄積された電荷がデジタル変換された結果得られた値を記憶し、
前記生成手段は、前記記憶手段に記憶された前記値に対応する画素値を、前記判定手段により電荷量が前記閾値電荷量に達しなかったと判定された前記画素の画素値として、撮像信号を生成する
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記閾値電荷量は前記撮像素子の画素の電荷容量である
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記閾値電荷量は、前記シャッタ時間内に、前記撮像素子の画素の電荷量が前記閾値電荷量に達するように推移する
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記記憶手段は、前記判定手段により電荷量が前記閾値電荷量に達したと判定されたときの画素に蓄積された電荷がデジタル変換された結果得られた電荷量を、前記閾値到達時間と対応付けて記憶し、
前記演算手段は、前記記憶手段に対応付けて記憶された前記電荷量と前記閾値到達時間に基づいて、前記シャッタ時間に入射する光によって蓄積され得る電荷量を演算する
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記閾値電荷量が、前記シャッタ時間の間に画素の電荷容量から0に段階的に減少する場合、前記記憶手段に記憶された前記閾値到達時間、前記推移における前記閾値到達時間に対応する前記閾値電荷量に基づいて、シャッタ時間に入射する光によって蓄積され得た電荷量を演算する
請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記判定手段、前記計測手段、前記記憶手段は、前記撮像素子の画素毎に設けられている
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項8】
撮像素子に蓄積された電荷から撮像信号を生成する画像処理方法において、
前記撮像素子の各画素について、シャッタ期間が開始されて前記撮像素子に光が入射し始めてから前記シャッタ期間が終了し光が入射しなくなるまでのシャッタ時間内に、画素に蓄積される電荷の電荷量が所定の閾値電荷量に達したか否かを判定する判定ステップと、
前記電荷量が前記閾値電荷量に達するまでの閾値到達時間を計測する計測ステップと、
前記判定ステップの処理で電荷量が前記閾値電荷量に達したと判定された前記画素について、少なくとも前記閾値到達時間を記憶する記憶ステップと、
前記記憶ステップの処理で記憶された前記閾値到達時間と、前記閾値電荷量に基づいて、前記シャッタ時間に入射する光によって蓄積され得た電荷量を演算する演算ステップと、
前記演算ステップの処理で演算された前記電荷量に対応する画素値を、前記判定ステップの処理で電荷量が前記閾値電荷量に達したと判定された画素の画素値として、撮像信号を生成する生成ステップと
を含む画像処理方法。
【請求項9】
撮像素子に蓄積された電荷から撮像信号を生成する画像処理をコンピュータに実行させるプログラムにおいて、
前記撮像素子の各画素について、シャッタ期間が開始されて前記撮像素子に光が入射し始めてから前記シャッタ期間が終了し光が入射しなくなるまでのシャッタ時間内に、画素に蓄積される電荷の電荷量が所定の閾値電荷量に達したか否かを判定する判定ステップと、
前記電荷量が前記閾値電荷量に達するまでの閾値到達時間を計測する計測ステップと、
前記判定ステップの処理で電荷量が前記閾値電荷量に達したと判定された前記画素について、少なくとも前記閾値到達時間を記憶する記憶ステップと、
前記記憶ステップの処理で記憶された前記閾値到達時間と、前記閾値電荷量に基づいて、前記シャッタ時間に入射する光によって蓄積され得た電荷量を演算する演算ステップと、
前記演算ステップの処理で演算された前記電荷量に対応する画素値を、前記判定ステップの処理で電荷量が前記閾値電荷量に達したと判定された画素の画素値として、撮像信号を生成する生成ステップと
を含むプログラム。
【請求項10】
入射光を電荷に変換する撮像素子と、
前記撮像素子の各画素について、シャッタ期間が開始されて前記撮像素子に光が入射し始めてから前記シャッタ期間が終了し光が入射しなくなるまでのシャッタ時間内に、画素に蓄積される電荷の電荷量が所定の閾値電荷量に達したか否かを判定する判定手段と、
前記電荷蓄積量の閾値に達したとき、その画素に蓄積された電荷を消失させる画素制御手段と、
画素毎に、前記シャッタ時間内に、前記画素制御手段により電荷が消失された回数を計測する計測手段と、
画素毎に、前記シャッタ期間終了時に蓄積された電荷がデジタル変換された結果得られた電荷量と、前記計数手段により計測された前記回数を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された画素毎の前記電荷量を示す値と前記回数に基づいて、前記シャッタ時間に入射する光によって蓄積され得た電荷量を演算する演算手段と、
前記演算手段により演算された前記電荷量に対応する画素値を用いて、撮像信号を生成する生成手段と
を備える画像処理装置。
【請求項11】
撮像素子に蓄積された電荷から撮像信号を生成する画像処理方法において、
前記撮像素子の各画素について、シャッタ期間が開始されて前記撮像素子に光が入射し始めてから前記シャッタ期間が終了し光が入射しなくなるまでのシャッタ時間内に、画素に蓄積される電荷の電荷量が所定の閾値電荷量に達したか否かを判定する判定ステップと、
前記電荷蓄積量の閾値に達したとき、その画素に蓄積された電荷を消失させる画素制御ステップと、
画素毎に、前記シャッタ時間内に、前記画素制御ステップにより電荷が消失された回数を計測する計測ステップと、
画素毎に、前記シャッタ期間終了時に蓄積された電荷がデジタル変換された結果得られた電荷量と、前記計数ステップの処理で計測された前記回数を記憶する記憶ステップと、
前記記憶ステップの処理で記憶された画素毎の前記電荷量を示す値と前記回数に基づいて、前記シャッタ時間に入射する光によって蓄積され得た電荷量を演算する演算ステップと、
前記演算ステップの処理で演算された前記電荷量に対応する画素値を用いて、撮像信号を生成する生成ステップと
を含む画像処理方法。
【請求項12】
撮像素子に蓄積された電荷から撮像信号を生成する画像処理をコンピュータに実行させるプログラムにおいて、
前記撮像素子の各画素について、シャッタ期間が開始されて前記撮像素子に光が入射し始めてから前記シャッタ期間が終了し光が入射しなくなるまでのシャッタ時間内に、画素に蓄積される電荷の電荷量が所定の閾値電荷量に達したか否かを判定する判定ステップと、
前記電荷蓄積量の閾値に達したとき、その画素に蓄積された電荷を消失させる画素制御ステップと、
画素毎に、前記シャッタ時間内に、前記画素制御ステップにより電荷が消失された回数を計測する計測ステップと、
画素毎に、前記シャッタ期間終了時に蓄積された電荷がデジタル変換された結果得られた電荷量と、前記計数ステップの処理で計測された前記回数を記憶する記憶ステップと、
前記記憶ステップの処理で記憶された画素毎の前記電荷量を示す値と前記回数に基づいて、前記シャッタ時間に入射する光によって蓄積され得た電荷量を演算する演算ステップと、
前記演算ステップの処理で演算された前記電荷量に対応する画素値を用いて、撮像信号を生成する生成ステップと
を含むプログラム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は画像処理装置および方法、並びにプログラムに関し、特に、高輝度部分と低輝度部分がある被写体を適切に撮像することができるようにした画像処理装置および方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオカメラやデジタルカメラでは、撮像素子に入力される光量が多ければ多いほど、撮像素子の各画素に蓄積される電荷が多くなり、その分多くの情報量を取り込むことができるが、被写体に高輝度の部分があると、その高輝度の部分に相当する画素の電荷が飽和してしまう。
【0003】
そのため一般的には、絞りを小さくしたり、シャッタスピードを速くしたりして、画素の電荷が飽和しない範囲で露光量が決められている。
【0004】
しかしながら、このように入射される光量を制限すると、被写体に低輝度部分もある場合、その低輝度の部分に相当する画素の露光量も相対的に小さくなるため、画像の高輝度の部分では情報は失われないが、低輝度の部分の情報量が乏しくなってしまう。
【0005】
低輝度の部分の情報量を補うために、光電変換後の画像処理で、ゲインアップすることは可能だが、もともとの情報量が乏しい場合は、信号と同時にノイズ成分もゲインアップされS/Nが悪化してしまう。またゲインアップの量を少なくとどめてS/Nを維持すると、結局この場合は低輝度部分に階調がなく、情報量の乏しい、黒つぶれした、ダイナミックレンジの狭い画像が得られることになる。
【0006】
また被写体の低輝度部分の階調を維持するために、絞りを大きくしたり、シャッタスピードを遅くして、露光量を確保すると、画像の低輝度の部分では情報量が確保できるが、当然画像の高輝度部分の露光量が相対的に大きくなるため、高輝度部の電荷が飽和してしまう。
【0007】
ところで電荷が飽和した場合は高輝度部分に階調がなく、情報量の乏しい、白とびしたダイナミックレンジの狭い画像となる。
【0008】
ダイナミックレンジを確保するためには、さまざまな手法が考案されている。
【0009】
短時間の露光で得られる被写体の高輝度の部分の画像信号と、長時間の露光で得られる被写体の低輝度の部分の画像信号とを合成することにより、高輝度の部分の白飛びや低輝度の部分の黒つぶれを軽減する手法(以下、第1の手法と称する)がある(特許文献1参照)。
【0010】
また可変感度イメージセンサとして寄生容量と追加容量の2種類の容量を備えた可変感度画素構造を持ち、被写体が低輝度の場合は1種類の容量を用い、被写体が高輝度の場合は2種類の容量を用いて、高感度時に電荷の飽和を防ぐ手法(以下、第2の手法と称する)がある(非特許文献1参照)。この手法の感度選択は画素ごとに可能とされている。
【0011】
【特許文献1】特開平6−141229に示される手法は
【非特許文献1】「容量選択型可変感度イメージセンサによる広ダイナミックレンジ撮像の基礎検討(映像情報メディア学会誌Vol.59,No.1(2005))」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、第1の手法では、複数の時系列でシャッタ期間を設けて短時間露光と長時間露光を行うので、画像の低輝度部分と高輝度部分の時間的なずれが大きくなる可能性がある。また、短時間露光と長時間露光を排他的に行うので、短時間露光を行う期間は長時間露光を使用することができず、低輝度部分の情報量が不足する可能性がある。さらに、長時間露光を行う時間に蓄積される電荷の量が、画素の電荷容量いっぱいを使用できずに、高輝度部分の情報量が不足する可能性もある。
【0013】
また第2の手法では、蓄積電荷が2種類の容量を加算した容量より大きくなった場合は、電荷が飽和してしまうことには変わりなく、飽和を防ぐために入射光が撮像素子に入る前段の光学系で光量を調整しても、被写体の低感度部分の階調情報を保つことは困難である。
【0014】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、高輝度部分と低輝度部分がある被写体を適切に撮像することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の第1の側面の画像処理装置は、入射光を電荷に変換する撮像素子と、前記撮像素子の各画素について、シャッタ期間が開始されて前記撮像素子に光が入射し始めてから前記シャッタ期間が終了し光が入射しなくなるまでのシャッタ時間内に、画素に蓄積される電荷の電荷量が所定の閾値電荷量に達したか否かを判定する判定手段と、前記電荷量が前記閾値電荷量に達するまでの閾値到達時間を計測する計測手段と、前記判定手段により電荷量が前記閾値電荷量に達したと判定された前記画素について、少なくとも前記閾値到達時間を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記閾値到達時間と、前記閾値電荷量に基づいて、前記シャッタ時間に入射する光によって蓄積され得た電荷量を演算する演算手段と、前記演算手段により演算された前記電荷量に対応する画素値を、前記判定手段により電荷量が前記閾値電荷量に達したと判定された画素の画素値として、撮像信号を生成する生成手段とを備える。
【0016】
前記記憶手段は、前記判定手段により電荷量が前記閾値電荷量に達しなかったと判定された前記画素について、その画素にシャッタ期間終了時に蓄積された電荷がデジタル変換された結果得られた値を記憶し、前記生成手段は、前記記憶手段に記憶された前記値に対応する画素値を、前記判定手段により電荷量が前記閾値電荷量に達しなかったと判定された前記画素の画素値として、撮像信号を生成することができる。
【0017】
前記閾値電荷量は前記撮像素子の画素の電荷容量であるようにすることができる。
【0018】
前記閾値電荷量は、前記シャッタ時間内に、前記撮像素子の画素の電荷量が前記閾値電荷量に達するように推移するようにすることができる。
【0019】
前記記憶手段は、前記判定手段により電荷量が前記閾値電荷量に達したと判定されたときの画素に蓄積された電荷がデジタル変換された結果得られた電荷量を、前記閾値到達時間と対応付けて記憶し、前記演算手段は、前記記憶手段に対応付けて記憶された前記電荷量と前記閾値到達時間に基づいて、前記シャッタ時間に入射する光によって蓄積され得る電荷量を演算することができる。
【0020】
前記閾値電荷量が、前記シャッタ時間の間に画素の電荷容量から0に段階的に減少する場合、前記記憶手段に記憶された前記閾値到達時間、前記推移における前記閾値到達時間に対応する前記閾値電荷量に基づいて、シャッタ時間に入射する光によって蓄積され得た電荷量を演算することができる。
【0021】
前記判定手段、前記計測手段、前記記憶手段は、前記撮像素子の画素毎に設けられているようにすることができる。
【0022】
本発明の第1の側面の画像処理方法、またはプログラムは、撮像素子に蓄積された電荷から撮像信号を生成する画像処理方法において、または撮像素子に蓄積された電荷から撮像信号を生成する画像処理をコンピュータに実行させるプログラムにおいて、前記撮像素子の各画素について、シャッタ期間が開始されて前記撮像素子に光が入射し始めてから前記シャッタ期間が終了し光が入射しなくなるまでのシャッタ時間内に、画素に蓄積される電荷の電荷量が所定の閾値電荷量に達したか否かを判定する判定ステップと、前記電荷量が前記閾値電荷量に達するまでの閾値到達時間を計測する計測ステップと、前記判定ステップの処理で電荷量が前記閾値電荷量に達したと判定された前記画素について、少なくとも前記閾値到達時間を記憶する記憶ステップと、前記記憶ステップの処理で記憶された前記閾値到達時間と、前記閾値電荷量に基づいて、前記シャッタ時間に入射する光によって蓄積され得た電荷量を演算する演算ステップと、前記演算ステップの処理で演算された前記電荷量に対応する画素値を、前記判定ステップの処理で電荷量が前記閾値電荷量に達したと判定された画素の画素値として、撮像信号を生成する生成ステップとを含む。
【0023】
本発明の第1の側面の画像処理装置、画像処理方法、またはプログラムにおいては、前記撮像素子の各画素について、シャッタ期間が開始されて前記撮像素子に光が入射し始めてから前記シャッタ期間が終了し光が入射しなくなるまでのシャッタ時間内に、画素に蓄積される電荷の電荷量が所定の閾値電荷量に達したか否かが判定され、前記電荷量が前記閾値電荷量に達するまでの閾値到達時間が計測され、電荷量が前記閾値電荷量に達したと判定された前記画素について、少なくとも前記閾値到達時間が記憶され、記憶された前記閾値到達時間と、前記閾値電荷量に基づいて、前記シャッタ時間に入射する光によって蓄積され得た電荷量が演算され、演算された前記電荷量に対応する画素値を、前記判定ステップの処理で電荷量が前記閾値電荷量に達したと判定された画素の画素値として、撮像信号が生成される。
【0024】
本発明の第2の側面の画像処理装置は、入射光を電荷に変換する撮像素子と、前記撮像素子の各画素について、シャッタ期間が開始されて前記撮像素子に光が入射し始めてから前記シャッタ期間が終了し光が入射しなくなるまでのシャッタ時間内に、画素に蓄積される電荷の電荷量が所定の閾値電荷量に達したか否かを判定する判定手段と、前記電荷蓄積量の閾値に達したとき、その画素に蓄積された電荷を消失させる画素制御手段と、画素毎に、前記シャッタ時間内に、前記画素制御手段により電荷が消失された回数を計測する計測手段と、画素毎に、前記シャッタ期間終了時に蓄積された電荷がデジタル変換された結果得られた電荷量と、前記計数手段により計測された前記回数を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された画素毎の前記電荷量を示す値と前記回数に基づいて、前記シャッタ時間に入射する光によって蓄積され得た電荷量を演算する演算手段と、前記演算手段により演算された前記電荷量に対応する画素値を用いて、撮像信号を生成する生成手段とを備える。
【0025】
本発明の第2の側面の画像処理方法、またはプログラムは、撮像素子に蓄積された電荷から撮像信号を生成する画像処理方法において、または撮像素子に蓄積された電荷から撮像信号を生成する画像処理をコンピュータに実行させるプログラムにおいて、前記撮像素子の各画素について、シャッタ期間が開始されて前記撮像素子に光が入射し始めてから前記シャッタ期間が終了し光が入射しなくなるまでのシャッタ時間内に、画素に蓄積される電荷の電荷量が所定の閾値電荷量に達したか否かを判定する判定ステップと、前記電荷蓄積量の閾値に達したとき、その画素に蓄積された電荷を消失させる画素制御ステップと、画素毎に、前記シャッタ時間内に、前記画素制御ステップにより電荷が消失された回数を計測する計測ステップと、画素毎に、前記シャッタ期間終了時に蓄積された電荷がデジタル変換された結果得られた電荷量と、前記計数ステップの処理で計測された前記回数を記憶する記憶ステップと、前記記憶ステップの処理で記憶された画素毎の前記電荷量を示す値と前記回数に基づいて、前記シャッタ時間に入射する光によって蓄積され得た電荷量を演算する演算ステップと、前記演算ステップの処理で演算された前記電荷量に対応する画素値を用いて、撮像信号を生成する生成ステップとを含む。
【0026】
本発明の第2の側面の画像処理装置、画像処理方法、またはプログラムにおいては、前記撮像素子の各画素について、シャッタ期間が開始されて前記撮像素子に光が入射し始めてから前記シャッタ期間が終了し光が入射しなくなるまでのシャッタ時間内に、画素に蓄積される電荷の電荷量が所定の閾値電荷量に達したか否かが判定され、前記電荷蓄積量の閾値に達したとき、その画素に蓄積された電荷が消失され、画素毎に、前記シャッタ時間内に、電荷が消失された回数が計測され、画素毎に、前記シャッタ期間終了時に蓄積された電荷がデジタル変換された結果得られた電荷量と、前記計数ステップの処理で計測された前記回数が記憶され、記憶された画素毎の前記電荷量を示す値と前記回数に基づいて、前記シャッタ時間に入射する光によって蓄積され得た電荷量が演算され、演算された前記電荷量に対応する画素値を用いて、撮像信号が生成される。
【発明の効果】
【0027】
本発明の第1または第2の側面によれば、高輝度部分と低輝度部分を含む被写体を適切に撮像することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、明細書又は図面の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、明細書又は図面に記載されていることを確認するためのものである。従って、明細書又は図面中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
【0029】
本発明の第1の側面の画像処理装置は、
入射光を電荷に変換する撮像素子(例えば、図1の撮像素子11)と、
前記撮像素子の各画素について、シャッタ期間が開始されて前記撮像素子に光が入射し始めてから前記シャッタ期間が終了し光が入射しなくなるまでのシャッタ時間内に、画素に蓄積される電荷の電荷量が所定の閾値電荷量(例えば、図2の電荷量Qt)に達したか否かを判定する判定手段(例えば、図1の比較部23)と、
前記電荷量が前記閾値電荷量に達するまでの閾値到達時間(例えば、図2の時間Tqt)を計測する計測手段(例えば、図1のカメラコントローラ15)と、
前記判定手段により電荷量が前記閾値電荷量に達したと判定された前記画素について、少なくとも前記閾値到達時間を記憶する記憶手段(例えば、図1の記憶部25)と、
前記記憶手段に記憶された前記閾値到達時間と、前記閾値電荷量に基づいて、前記シャッタ時間(例えば、図2の時間Ts)に入射する光によって蓄積され得た電荷量(例えば、図2の電荷量Qts)を演算する演算手段(例えば、図1の演算部26)(例えば、式(1))と、
前記演算手段により演算された前記電荷量に対応する画素値を、前記判定手段により電荷量が前記閾値電荷量に達したと判定された画素の画素値として、撮像信号を生成する生成手段(例えば、図1の演算部26)と
を備える。
【0030】
前記記憶手段は、前記判定手段により電荷量が前記閾値電荷量に達しなかったと判定された前記画素について、その画素にシャッタ期間終了時に蓄積された電荷がデジタル変換された結果得られた値(例えば、図2の電荷量Qe)を記憶し、
前記生成手段は、前記記憶手段に記憶された前記値に対応する画素値を、前記判定手段により電荷量が前記閾値電荷量に達しなかったと判定された前記画素の画素値として、撮像信号を生成することができる。
【0031】
前記閾値電荷量は前記撮像素子の画素の電荷容量(例えば、図2の電荷量Q0)であるようにすることができる。
【0032】
前記閾値電荷量は、前記シャッタ時間内に、前記撮像素子の画素の電荷量が前記閾値電荷量に達するように推移する(例えば、図4の閾値電荷量Qt)ようにすることができる。
【0033】
前記記憶手段は、前記判定手段により電荷量が前記閾値電荷量に達したと判定されたときの画素に蓄積された電荷がデジタル変換された結果得られた電荷量(例えば、図2の閾値電荷量Qt)を、前記閾値到達時間と対応付けて記憶し、
前記演算手段は、前記記憶手段に対応付けて記憶された前記電荷量と前記閾値到達時間に基づいて、前記シャッタ時間に入射する光によって蓄積され得る電荷量を演算することができる。
【0034】
前記閾値電荷量が、前記シャッタ時間の間に画素の電荷容量から0に段階的に減少する場合、前記記憶手段に記憶された前記閾値到達時間と前記シャッタ時間に基づいて、シャッタ時間に入射する光によって蓄積され得た電荷量を演算することができる(例えば、式(3))。
【0035】
前記判定手段(例えば、図6の比較部53)、前記計測手段(例えば、図6の制御部55)、前記記憶手段(例えば、図6の記憶部54)は、前記撮像素子の画素毎に設けられているようにすることができる。
【0036】
本発明の第1の側面の画像処理方法、または第1の側面のプログラムは、
撮像素子に蓄積された電荷から撮像信号を生成する画像処理方法、またはプログラムにおいて、または撮像素子に蓄積された電荷から撮像信号を生成する画像処理をコンピュータに実行させるプログラムにおいて、
前記撮像素子の各画素について、シャッタ期間が開始されて前記撮像素子に光が入射し始めてから前記シャッタ期間が終了し光が入射しなくなるまでのシャッタ時間内に、画素に蓄積される電荷の電荷量が所定の閾値電荷量に達したか否かを判定する判定ステップ(例えば、図3のステップS3)と、
前記電荷量が前記閾値電荷量に達するまでの閾値到達時間を計測する計測ステップ(例えば、図3のステップS4)と、
前記判定ステップの処理で電荷量が前記閾値電荷量に達したと判定された前記画素について、少なくとも前記閾値到達時間を記憶する記憶ステップ(例えば、図3のステップS4)と、
前記記憶ステップの処理で記憶された前記閾値到達時間と、前記閾値電荷量に基づいて、前記シャッタ時間に入射する光によって蓄積され得た電荷量を演算する演算ステップ(例えば、図3のステップS8)と、
前記演算ステップの処理で演算された前記電荷量に対応する画素値を、前記判定ステップの処理で電荷量が前記閾値電荷量に達したと判定された画素の画素値として、撮像信号を生成する生成ステップ(例えば、図3のステップS8)と
を含む。
【0037】
本発明の第2の画像処理装置は、
入射光を電荷に変換する撮像素子(例えば、図14の撮像素子11)と、
前記撮像素子の各画素について、シャッタ期間が開始されて前記撮像素子に光が入射し始めてから前記シャッタ期間が終了し光が入射しなくなるまでのシャッタ時間内に、画素に蓄積される電荷の電荷量が所定の閾値電荷量に達したか否かを判定する判定手段(例えば、図14の比較部73)と、
前記電荷蓄積量の閾値に達したとき、その画素に蓄積された電荷を消失させる画素制御手段(例えば、図14のカメラコントローラ62とA/D変換部72)と、
画素毎に、前記シャッタ時間内に、前記画素制御手段により電荷が消失された回数を計測する計測手段(例えば、図14のカメラコントローラ62)と、
画素毎に、前記シャッタ期間終了時に蓄積された電荷がデジタル変換された結果得られた電荷量と、前記計数手段により計測された前記回数を記憶する記憶手段(例えば、図14の記憶部75)と、
前記記憶手段に記憶された画素毎の前記電荷量を示す値と前記回数に基づいて、前記シャッタ時間に入射する光によって蓄積され得た電荷量を演算する演算手段(例えば、図14の演算部76)と、
前記演算手段により演算された前記電荷量に対応する画素値を用いて、撮像信号を生成する生成手段(例えば、図14の演算部76)と
を備える。
【0038】
本発明の第2の画像処理方法、またはプログラムは、
撮像素子に蓄積された電荷から撮像信号を生成する画像処理方法、または撮像素子に蓄積された電荷から撮像信号を生成する画像処理をコンピュータに実行させるプログラムにおいて、
前記撮像素子の各画素について、シャッタ期間が開始されて前記撮像素子に光が入射し始めてから前記シャッタ期間が終了し光が入射しなくなるまでのシャッタ時間内に、画素に蓄積される電荷の電荷量が所定の閾値電荷量に達したか否かを判定する判定ステップ(例えば、図16のステップS153)と、
前記電荷蓄積量の閾値に達したとき、その画素に蓄積された電荷を消失させる画素制御ステップ(例えば、図16のステップS154)と、
画素毎に、前記シャッタ時間内に、前記画素制御ステップにより電荷が消失された回数を計測する計測ステップ(例えば、図16のステップS154)と、
画素毎に、前記シャッタ期間終了時に蓄積された電荷がデジタル変換された結果得られた電荷量と、前記計数ステップの処理で計測された前記回数を記憶する記憶ステップ(例えば、図16のステップS156)と、
前記記憶ステップの処理で記憶された画素毎の前記電荷量を示す値と前記回数に基づいて、前記シャッタ時間に入射する光によって蓄積され得た電荷量を演算する演算ステップ(例えば、図16のステップS157)と、
前記演算ステップの処理で演算された前記電荷量に対応する画素値を用いて、撮像信号を生成する生成ステップ(例えば、図16のステップS157)と
を含む。
【0039】
図1は、本発明を適用したビデオカメラ1の構成例を示している。
【0040】
撮像素子11は、被写体像の画素に相当する単位セル毎に電子信号の読み出しが可能な例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサより構成されており、図示せぬレンズブロックから入射された光像(被写体の映像)を、画素毎に光電変換し、その結果得られた信号(電荷)を、撮像信号生成部12に出力する。
【0041】
撮像信号生成部12は、後述するように、カメラコントローラ15の制御に従って、撮像素子11から入力された信号から、撮像信号を生成し、生成した撮像信号をカメラ信号処理部13に出力する。
【0042】
カメラ信号処理部13は、撮像信号生成部12から入力された撮像信号に対して、サンプリング処理やYC分離処理などを行い、その結果得られた輝度信号や色信号などを出力する。カメラ信号処理部13から出力された信号は、ディスプレイ(図示せず)に出力されて映像として表示されたり、リムーバブルメディア(図示せず)に出力されて、そこに記録される。
【0043】
入力部14は、ビデオカメラ1を操作するための各種ボタンに対するユーザによる操作結果に応じた指令信号をカメラコントローラ15に出力する。
【0044】
カメラコントローラ15は、入力部14からの指令信号に応じて、各部を制御する。
【0045】
次に、撮像信号生成部12の詳細について説明するが、はじめにこの撮像信号生成部12で行われる撮像信号生成処理の原理について説明する。
【0046】
被写体に高輝度の部分があると、その高輝度の部分に対応する撮像素子11の画素の、シャッタ期間が開始されて撮像素子11に光が入射し始めてからシャッタ期間が終了し光が入射されなくなるまでの時間(以下、シャッタ時間と称する)に蓄積される電荷の量(電荷量)は、画素の電荷容量、すなわち電荷が蓄積できる限界の電荷量(以下、限界電荷量と称する)に達することがあり、その場合、画素の電荷が飽和し、その画素には、それ以上の電荷が蓄積されない。
【0047】
しかしながら飽和に到るまでの電荷の蓄積は、図2の直線L1に示すように直線的になされる。そこで撮像信号生成部12は、限界電荷量Q0と同じ値を閾値電荷量Qtとし、シャッタ時間(例えば、1/60秒)Ts内に撮像素子11の画素の電荷量が閾値電荷量Qtに達したか否かを判定し、達した場合、限界電荷量Q0を超える電荷容量を有していたとしたときのシャッタ時間Tsに蓄積され得た電荷量Qtsを、式(1)を用いて演算する。
【0048】
【数1】


【0049】
式(1)中、Qtは、閾値電荷量であり、この場合限界電荷量Q0と同じ値であり、Tqtは、電荷量が閾値電荷量Qtに到した時間(以下、閾値到達時間と称する)であり、およびTsは、シャッタ時間である。
【0050】
図2の直線L2に示すように、シャッタ時間Ts内に電荷量が閾値電荷量Qt(=限界電荷量Q0)に達しなかった画素については、実際のシャッタ期間終了時の電荷量Qeが、シャッタ時間Tsに蓄積された電荷量Qtsとされる。
【0051】
このように決定された電荷量Qtsに対応する画素値で1フレームが構成され、1フレーム分の撮像信号が生成される。
【0052】
すなわち本発明によれば、画像(動画または静止画)の撮影において、シャッタ時間内に限界電荷量を超える電荷が蓄積される場合であっても、シャッタ時間に蓄積され得た電荷量を推定するようにしたので、画素の限界電荷量Q0に係らず、撮像素子11の感度、あるいはダイナミックレンジを維持することができ、被写体の低輝度部分から高輝度部分までの広い輝度帯域で画像の階調情報を失わないようにすることができる。
【0053】
図1に戻り撮像信号生成部12の構成例について説明する。
【0054】
選択部21は、撮像素子11の各画素を1個ずつ順番に選択し、選択した画素に蓄積された電荷の大きさに応じた信号(例えば、電圧信号)を比較器23に供給する。
【0055】
選択部21はまた、カメラコントローラ15から指令があったとき、いま選択している画素に蓄積されている電荷を、A/D変換部22に出力する。電荷を出力した画素の蓄積電荷は0となる。
【0056】
A/D変換部22は、選択部21から取得された電荷を、A/D変換するとともに、A/D変換の結果得られた電荷量を示す値(以下、適宜、単に、電荷量と称する)を記憶部25に供給する。
【0057】
比較部23は、選択部21から供給された信号に基づいて、選択されている画素の電荷が飽和したか否かを判定し、例えば飽和したと判定したときその旨を示す信号をカメラコントローラ15に供給する。
【0058】
具体的には、比較部23は、限界電荷量Q0と同じ値の閾値電荷量Qtを保持しており、その閾値電荷量Qtと、選択部21からの信号から検知した電荷量を比較して、例えば電荷量が閾値電荷量Qt以上になったとき、その旨を示す信号をカメラコントローラ15に供給する。
【0059】
なお選択部21への閾値電荷量Qtの設定は、この例の場合カメラコントローラ15により行われるものとする。
【0060】
カウンタ24は、画像の諧調を表現するために必要な量子化段数を十分に満たす精度のカウント数で時間を計測する。カウンタ24は、カメラコントローラ15の制御に従ってカウントを開始し、カウント値を、例えばカメラコントローラ15に供給する。
【0061】
記憶部25は、それぞれ対応する、A/D変換部22からの電荷量と、カメラコントローラ15からのカウント値を対応付けて記憶する。なお記憶部25に対応付けられて記憶される電荷量とカウント値を、以下において、適宜、それらが得られたときに選択されている画素の撮像情報と称する。
【0062】
演算部26は、カメラコントローラ15の制御に従って、記憶部25に記憶されている各画素の撮像情報を参照し、シャッタ時間Ts内に電荷量が閾値電荷量Qtに達した画素については、式(1)に基づいて、シャッタ時間Tsに蓄積され得た電荷量Qtsを演算し、またシャッタ時間Ts内に電荷量が閾値電荷量Qtに達しなかった画素については、シャッタ期間終了時の電荷量Qeを、シャッタ時間Tsに蓄積された電荷量Qtsとし、それらの電荷量Qtsに対応する画素値で1フレームを構成し、1フレーム分の撮像信号を生成する。演算部26は、生成した撮像信号をカメラ信号処理部13に供給する。
【0063】
次に、撮像信号生成処理を、図3のフローチャートを参照して説明する。
【0064】
ステップS1において、シャッタ時間Tsの計測が開始される。具体的にはカメラコントローラ15は、カウント開始の指令を撮像信号生成部12のカウンタ24に出力する。カウンタ24は、カウントを開始し、カウント値のカメラコントローラ15への出力を開始する。
【0065】
ステップS2において、カメラコントローラ15は、撮像信号生成部12の選択部21を制御して、後述するステップS4で撮像情報が記憶されていない画素を1つ選択させる。選択部21は、カメラコントローラ15により指定された画素(撮像情報が記憶されていない画素)を1つ選択して、その画素に蓄積されている電荷の大きさを示す信号(電圧信号)の比較器23への供給を開始する。
【0066】
比較部23は、選択部21から供給された信号からいま選択されている画素の電荷量を検知し、電荷量が閾値電荷量Qtに達したか否かを判定し、閾値電荷量Qtに達したと判定したとき、その旨を示す信号を、カメラコントローラ15に供給する処理を開始する。
【0067】
ステップS3において、カメラコントローラ15は、いま選択されている画素の電荷量が閾値電荷量Qtに達したか否かを判定する。この例の場合カメラコントローラ15は、比較部23から、画素の電荷量が閾値電荷量Qtに達した旨を示す信号が入力されたか否かを判定する。
【0068】
ステップS3で、いま選択されている画素の電荷量が閾値電荷量Qtに達したと判定された場合、ステップS4に進み、このときの電荷量(すなわち閾値電荷量Qt(=限界電荷量Q0))と、シャッタ期間が開始されてから電荷量が閾値電荷量Qtに達するまでの閾値到達時間Tqtが、いま選択されている画素の撮像情報として記憶される。
【0069】
具体的には、カメラコントローラ15はこのとき、電荷出力を指令する信号を選択部21に出力する。これにより選択部21は、いま選択している画素の電荷をA/D変換部22に出力し、A/D変換部22は、そのA/D変換の結果得られた値、すなわち閾値電荷量Qt(=限界電荷量Q0)に相当する値を、記憶部25に出力する。カメラコントローラ15はこのときまた、カウンタ24のカウント値、すなわち閾値到達時間Tqtに対応するカウント値を記憶部25に供給する。
【0070】
記憶部25は、A/D変換部22から供給された閾値電荷量Qt(=限界電荷量Q0)と、カメラコントローラ15から供給された閾値到達時間Tqtを対応付けて記憶する。
【0071】
ステップS3で、電荷量が閾値電荷量Qtに達していないと判定された場合、ステップS5に進み、シャッタ期間が終了したか否かが判定される。具体的にはカメラコントローラ15は、カウンタ24からのカウント値が、シャッタ時間Tsをカウントした場合のカウント値と同じ値になったか否かを判定する。
【0072】
ステップS4で、撮像情報が記憶部25に記憶されたとき、またはステップS5で、シャッタ期間が終了していないと判定されたとき、ステップS6に進む。
【0073】
ステップS6において、カメラコントローラ15は、ステップS4で撮像情報が記憶されていない画素が存在するか否かを判定し、まだ存在すると判定した場合、ステップS2に戻る。すなわちステップS2で、ステップS4で撮像情報が記憶されていない画素が新たに選択され、選択されたその画素についてステップS3乃至ステップS6の処理が同様に行われる。
【0074】
ステップS5で、シャッタ期間が終了したと判定された場合、ステップS7に進み、ステップS4で撮像情報が記憶されていないすべての画素のそれぞれの、いまの時点(すなわち、シャッタ期間終了時)の電荷量Qeとシャッタ時間Tsがその画素の撮像情報として記憶部25に記憶される。
【0075】
具体的には、カメラコントローラ15の制御に従って、選択部21によりステップS4で撮像情報が記憶されていない画素が順次選択され、選択された画素にいま蓄積されている電荷がA/D変換部22でA/D変換されるとともに、そのA/D変換の結果が記憶部25に供給される。そしてシャッタ時間Tsをカウントしたときのカウント値がカメラコントローラ15から記憶部25に供給される。記憶部25は、A/D変換部22から供給された各画素の電荷量Qeと、カメラコントローラ15から供給されたシャッタ時間Tsを対応付けて記憶する。
【0076】
ステップS6で、ステップS4で撮像情報が記憶されていない画素が存在しないと判定された場合、またはステップS7で撮像情報が記憶部25に記憶されたとき、すなわち撮像素子11のすべての画素の撮像情報が記憶部25に記憶されたとき、ステップS8に進み、カメラコントローラ15は、撮像信号生成部12の演算部26を制御して、記憶部25に記憶された各画素の撮像情報に基づいて、1フレーム分の撮像信号を生成させる。
【0077】
具体的には、演算部26は、記憶部25に、撮像情報として、シャッタ時間Tsを示すカウント値に対応付けられて電荷量(すなわち電荷量Qe)が記憶されている場合、その電荷量Qeを、その画素の、シャッタ時間Tsに蓄積された電荷量Qtsとする。
【0078】
また撮像情報として、閾値到達時間Tqtを示すカウント値(すなわちシャッタ時間Tsを示すカウント値より小さいカウント値)に対応付けられて電荷量(すなわち閾値電荷量Qt(=限界電荷量Q0))が記憶されている場合、演算部26は、その閾値電荷量Qt(=限界電荷量Q0)と閾値到達時間Tqtを用いて式(1)を演算し、その画素の、シャッタ時間Tsに蓄積され得た電荷量Qtsを算出する。なお演算部26は、シャッタ時間Tsを予め記憶しているものとする。
【0079】
演算部26は、このようにして決定した電荷量Qtsに対応する画素値で1フレームを構成し、1フレーム分の撮像信号を生成する。演算部26は、生成した撮像信号をカメラ信号処理部13に供給する。
【0080】
以上のように、シャッタ時間Ts内に電荷が飽和する画素については、その時間Tsに蓄積され得た電荷量を推定するようにしたので、画素の限界電荷量Q0に係らず、撮像素子11の感度、あるいはダイナミックレンジを維持することができ、被写体の低輝度部分から高輝度部分までの広い輝度帯域で画像の階調情報を失わないようにすることができる。
【0081】
なお以上においては、閾値電荷量Qtが、撮像情報として、記憶部25に記憶されたが、閾値電荷量Qtは、この例の場合、既知の限界電荷量Q0であるので、撮像情報として記憶せずに、演算部26が保持して式(1)を演算するようにすることもできる。またシャッタ時間Tsについても、撮像情報として記憶せずに、式(1)を演算するために演算部26が記憶している時間Tsを利用することもできる。
【0082】
また以上においては、閾値電荷量Qtを限界電荷量Q0に固定したが(図2)、閾値電荷量Qtを、図4に示すように段階的に変化させることができる。
【0083】
図4の例では、閾値電荷量Qtは、シャッタ時間Tsの間に限界電荷量Q0から0に段階的に減少するようになされている。この場合、すべての画素の電荷量は、シャッタ時間Ts内に必ず閾値電荷量Qtに到達するので、すべての画素について、そのときの閾値電荷量Qtと閾値到達時間Tqtを用いて式(1)を演算することで、シャッタ時間Tsで蓄積され得た電荷量Qtsを推定することができる。
【0084】
閾値電荷量Qtが図4に示すように段階的に変化する場合の撮像信号生成処理を、図5のフローチャートを参照して説明する。
【0085】
ステップS11において、図3のステップS1の場合と同様に、シャッタ時間の計測が開始される。
【0086】
ステップS12において、ステップS2の場合と同様に、後述するステップS14で撮像情報が記憶されていない画素が1つ選択される。
【0087】
ステップS13において、ステップS3の場合と同様に、いま選択されている画素の電荷量が現時点の閾値電荷量Qtに達したか否かが判定される。
【0088】
ステップS13で、いま選択された画素の電荷量が現時点の閾値電荷量Qtに達したと判定された場合、ステップS14に進み、ステップS4の場合と同様にそのときの電荷量(すなわち閾値電荷量Qt)と閾値到達時間Tqtが、いま選択されている画素の撮像情報として記憶部25に記憶される。
【0089】
ステップS13で、電荷量が現時点での閾値電荷量Qtに達していないと判定された場合、またはステップS14で、いま選択されている画素の撮像情報が記憶された場合、ステップS15に進み、カメラコントローラ15は、比較部23にいま設定されている閾値電荷量Qtを、1段階小さい値に設定する。なおここでの閾値電荷量Qtの変更の大きさおよびタイミングは、図4に示したように、シャッタ時間Ts内に限界電荷量Q0から0に直線的に減少するように制御される。
【0090】
次にステップS16において、カメラコントローラ15は、ステップS14で撮像情報が記憶されていない画素が存在するか否かを判定し、存在すると判定した場合、ステップS12に戻る。すなわちステップS12で撮像情報が記憶されていない画素が新たに選択され、選択された画素についてステップS13乃至ステップS16の処理が同様に行われる。
【0091】
ステップS16で、撮像情報が記憶されていない画素が存在しないと判定された場合、すなわちすべての画素の撮像情報が記憶された場合、ステップS17に進み、カメラコントローラ15は、撮像信号生成部12の演算部26を制御して記憶部25に記憶された各画素の撮像情報に基づいて撮像信号を生成させる。
【0092】
演算部26は、記憶部25に記憶されている各画素の撮像情報を用いて式(1)を演算し、各画素のシャッタ時間Tsに蓄積され得た電荷量Qtsを算出する。
【0093】
演算部26は、このように算出した電荷量Qtsに対応する画素値で1フレームを構成し、1フレーム分の撮像信号を生成する。演算部26は、生成した撮像信号をカメラ信号処理部13に供給する。
【0094】
以上のようにして図1の例において閾値電荷量Qtが、図4に示すように段階的に変化する場合の撮像信号生成処理が行われる。
【0095】
図6は、本発明を適用した他のビデオカメラ1の構成例を示している。このビデオカメラ1には、図1のビデオカメラ1の撮像信号生成部12に代えて撮像信号生成部31が設けられている。
【0096】
撮像信号生成部31の構成について説明する。
【0097】
記憶制御部41−1,41−2,・・・は、撮像素子11の画素毎に設けられている。各記憶制御部41は、閾値電荷量Qtを限界電荷量Q0とし、対応する画素の電荷量が、シャッタ時間Ts内に閾値電荷量Qtに達したか否かを判定し、達した場合、その画素の撮像情報として、閾値電荷量Qt(=限界電荷量Q0)と閾値到達時間Tqtを記憶し、またシャッタ時間Ts内に閾値電荷量Qtに達しなかった場合、その画素の撮像情報として、シャッタ期間終了時の電荷量Qeとシャッタ時間Tsを記憶する。
【0098】
カウンタ42は、図1のカウンタ24と同様に、画像の諧調を表現するために必要な量子化段数を十分に満たす精度のカウント数で時間を計測することができる。カウンタ42は、カメラコントローラ15の制御に従ってカウントを開始し、カウント値を、各記憶制御部41(の制御部55)に供給する。
【0099】
演算部43は、カメラコントローラ15の制御に従って、各記憶制御部41(の記憶部54)に記憶された各画素の撮像情報を参照し、シャッタ時間Ts内に電荷量が閾値電荷量Qtに達した画素については式(1)を演算して、シャッタ時間Tsに蓄積され得た電荷量Qtsを算出し、シャッタ時間Ts内に電荷量が閾値電荷量Qtに達しなかった画素については、シャッタ期間終了時の電荷量Qeを、シャッタ時間Tsに蓄積された電荷量Qtsとする。演算部26は、このようにして決定した電荷量Qtsに対応する画素値で1フレームを構成して1フレーム分の撮像信号を生成し、カメラ信号処理部13に供給する。
【0100】
次に、撮像信号生成部31の記憶制御部41の構成について説明する。
【0101】
入力部51は、記憶制御部41が対応する画素の電荷量の大きさに応じた信号(電圧信号)を比較部53に供給する。入力部51はまた、制御部55から指令があったとき、対応する画素の電荷をA/D変換部52に供給する。なおこのように電荷を出力すると、画素の蓄積電荷は0となる。
【0102】
A/D変換部52は、入力部51から供給された電荷をA/D変換するとともに、そのA/D変換の結果得られた電荷量を示す値を記憶部54に供給する。
【0103】
比較部53は、入力部51から供給された信号に基づいて、記憶制御部41に対応する画素の電荷が飽和したか否かを判定し、例えば飽和したと判定したときその旨を示す信号を制御部55に供給する。
【0104】
具体的には、比較部53は、限界電荷量Q0と同じ値の閾値電荷量Qtを保持しており、その閾値電荷量Qtと、入力部51からの信号から検知した電荷量を比較して、例えば電荷量が閾値電荷量Qt以上になったとき、その旨を示す信号を制御部55に供給する。
【0105】
記憶部54は、それぞれ対応する、A/D変換部52からの電荷量と制御部55からのカウント値を、記憶制御部41に対応する画素の撮像情報として記憶する。
【0106】
制御部55は、記憶制御部41の各部を制御する。
【0107】
次に撮像信号生成部41の撮像信号生成処理を、図7のフローチャートを参照して説明する。
【0108】
ステップS51において、図3のステップS1の場合と同様に、シャッタ時間の計測が開始される。
【0109】
ステップS52において、各記憶制御部41において記憶制御処理が行われる。各記憶制御部41で行われるこの記憶制御処理について、図8のフローチャートを参照して説明する。
【0110】
ステップS61において、対応する画素の電荷量が閾値電荷量Qtに達したか否かが判定される。いまの場合制御部55は、比較部53から、画素の電荷量が閾値電荷量Qtに達した旨を示す信号が入力されたか否かを判定する。
【0111】
ステップS61で、対応する画素の電荷量が閾値電荷量Qtに達したと判定された場合、ステップS62に進み、このときの電荷量(すなわち閾値電荷量Qt(=限界電荷量Q0))と閾値到達時間Tqtが、撮像情報として記憶される。
【0112】
具体的には、制御部55はこのとき、電荷出力を指令する信号を入力部51に出力する。これにより入力部51は、記憶制御部41に対応する画素の電荷をA/D変換部52に供給し、A/D変換部52は、A/D変換の結果得られた値、すなわち閾値電荷量Qt(=限界電荷量Q0)を、記憶部54に出力する。制御部55はこのときまた、カウンタ42のカウント値、すなわち、閾値到達時間Tqtに対応するカウント値を記憶部54に供給する。
【0113】
記憶部54は、A/D変換部52から供給された閾値電荷量Qt(=限界電荷量Q0)と、制御部55から供給された閾値到達時間Tqtを対応させて記憶する。
【0114】
ステップS61で、電荷量が閾値電荷量Qtに達していないと判定された場合、ステップS63に進み、シャッタ期間が終了したか否かが判定される。具体的には制御部55は、カウンタ42からのカウント値が、シャッタ時間Tsをカウントした場合のカウント値と同じ値になったか否かを判定する。
【0115】
ステップS63で、シャッタ期間が終了していないと判定された場合、処理はステップS61に戻り、それ以降の処理が同様に行われる。
【0116】
ステップS63で、シャッタ期間が終了したと判定された場合、ステップS64に進み、対応する画素の現時点、すなわちシャッタ期間終了時の電荷量Qeとシャッタ時間Tsが、撮像情報として記憶部54に記憶される。
【0117】
具体的には、制御部55の制御に従って、対応する画素のいま蓄積されている電荷が入力部51からA/D変換部52に供給されて、A/D変換されるとともに、その結果得られた電荷量Qeが記憶部54に供給される。そしてシャッタ期間Tsをカウントしたときのカウント値が制御部55から記憶部54に供給される。記憶部54は、A/D変換部52から供給された電荷量Qeと、制御部55から供給されたシャッタ時間Tsを対応付けて記憶する。
【0118】
各記憶制御部41において、ステップS62またはステップS64の処理が行われ、各画素の撮像情報が記憶されたとき、図7のステップS53に進み、カメラコントローラ15は、撮像信号生成部31の演算部43を制御して各記憶制御部41(の記憶部54)に記憶された撮像情報に基づいて撮像信号を生成させる。
【0119】
演算部43は、各記憶制御部41(の記憶部54)に、撮像情報として、シャッタ時間Tsを示すカウント値に対応付けられて電荷量(すなわち電荷量Qe)が記憶されている場合、その電荷量Qeを、その画素の、シャッタ時間Tsに蓄積された電荷量Qtsとする。
【0120】
また撮像情報として、閾値到達時間Tqtを示すカウント値(すなわちシャッタ時間Tsを示すカウント値より小さいカウント値)に対応付けられて電荷量(すなわち閾値電荷量Qt(=限界電荷量Q0))が記憶されている場合、演算部43は、その閾値電荷量Qt(=限界電荷量Q0)と閾値到達時間Tqtを用いて式(1)を演算し、その画素の、シャッタ時間Tsに蓄積され得た電荷量Qtsを算出する。
【0121】
演算部43は、このようにして決定した電荷量Qtsに対応する画素値で1フレームを構成して1フレーム分の撮像信号を生成し、生成した撮像信号をカメラ信号処理部13に供給する。
【0122】
以上のように撮像素子11の各画素に対応する記憶制御部41を設けた場合の撮像信号生成処理が行われる。
【0123】
なお上述した図6の例では、閾値電荷量Qtを限界電荷量Q0に固定したが(図2)、図4に示したように、閾値電荷量Qtを段階的に変化させることもできる。
【0124】
図4に示すように閾値電荷量Qtが段階的に変化する場合の撮像信号生成部31の撮像信号生成処理を、図9のフローチャートを参照して説明する。
【0125】
ステップS71において、図7のステップS51の場合と同様に、シャッタ時間の計測が開始される。
【0126】
ステップS72において、各記憶制御部41において記憶制御処理が行われる。各記憶制御部41で行われるこの記憶制御処理について、図10のフローチャートを参照して説明する。
【0127】
ステップS81において、図8のステップS61の場合と同様に、対応する画素の電荷量が閾値電荷量Qtに達したか否かが判定される。
【0128】
ステップS81で、対応する画素の電荷量が閾値電荷量Qtに達していないと判定された場合、ステップS82に進み、記憶制御部41の制御部55は、比較部53にいま設定されている閾値電荷量Qtを、1段階小さい値に設定する。なおここでの閾値電荷量Qtの変更は、図4に示したように段階的に変化するように制御される。
【0129】
その後、ステップS81に戻りそれ以降の処理が同様に行われる。
【0130】
ステップS81で、対応する画素の電荷量が閾値電荷量Qtに達したと判定された場合、ステップS83に進み、図8のステップS62の場合と同様に、対応する画素のそのときの電荷量(すなわち閾値電荷量Qt)と閾値到達時間Tqtが、対応する画素の撮像情報として記憶部54に記憶される。
【0131】
なお閾値電荷量Qtは、図4に示すように、シャッタ時間Ts内に限界電荷量Q0から0に段階的に変化するので、記憶制御部41に対応する電荷の電荷量は、シャッタ時間Ts内に必ず閾値電荷量Qtに到達する。
【0132】
各記憶制御部41においてステップS83の処理が行われ、各画素の撮像情報が記憶されたとき、図9のステップS73に進み、カメラコントローラ15は、撮像信号生成部31の演算部43を制御して、各記憶制御部41(の記憶部54)に記憶された各画素の撮像情報に基づいて、1フレーム分の撮像信号を生成させる。
【0133】
この場合、演算部43は、撮像情報として記憶されている閾値電荷量Qtと閾値到達時間Tqtを用いて式(1)を演算し、各画素の、シャッタ時間Tsに蓄積され得た電荷量Qtsを算出する。
【0134】
演算部43は、このようにして算出した電荷量Qtsに対応する画素値で1フレームを構成して1フレーム分の撮像信号を生成し、生成した撮像信号をカメラ信号処理部13に供給する。
【0135】
以上のようにして図6の例において閾値電荷量Qtが図4に示すように段階的に変化する場合の撮像信号生成処理が行われる。
【0136】
なお図4に示すように閾値電荷量Qtが段階的に変化する場合、上述したように式(1)を演算して、シャッタ時間Tsに蓄積され得る電荷量Qtsを算出するようにしたが、閾値電荷量Qtの推移は、図4の例の場合、式(2)で表すことができることから、シャッタ時間Tsに蓄積され得る電荷量を、式(3)で演算することができる。
【0137】
【数2】


【0138】
【数3】


【0139】
すなわちこの場合、限界電荷量Q0とシャッタ時間Tsが既知であるので、閾値到達時間Tqtを記憶しておくだけで、電荷量Qtsを推定することができ、式(1)を用いる場合と異なり、閾値電荷量Qtを撮像情報として記憶する必要がないので、図11に示すように、例えば図6に示す撮像信号生成部31の各記憶制御部41からA/D変換部52を省くことができる。なおその図示は省略するが、図1に示す撮像信号生成部12からA/D変換部22を省くこともできる。
【0140】
この場合各記憶制御部41の記憶部54は、制御部55から供給されたカウント値を、記憶制御部41に対応する画素の撮像情報として記憶する。そして演算部43は、式(3)を演算して、各画素のシャッタ時間Tsで蓄積され得た電荷量Qtsを算出する。
【0141】
図11の撮像信号生成部31における撮像信号生成処理を、図12のフローチャートを参照して説明する。
【0142】
ステップS101において、図9のステップS71の場合と同様に、シャッタ時間の計測が開始される。
【0143】
ステップS102において、各記憶制御部41において記憶制御処理が行われる。各記憶制御部41で行われるこの記憶制御処理について、図13のフローチャートを参照して説明する。
【0144】
ステップS111およびステップS112においては、図10のステップS81およびステップS82における場合と同様の処理が行われるので、その説明は省略する。
【0145】
ステップS111で、対応する画素の電荷量が閾値電荷量Qtに達したと判定された場合、ステップS113に進み、閾値到達時間Tqtのみが、対応する画素の撮像情報として記憶部54に記憶される。
【0146】
各記憶制御部41においてステップS113の処理が行われ、各画素の撮像情報が記憶されたとき、図12のステップS103に進み、カメラコントローラ15は、撮像信号生成部31の演算部43を制御して、各記憶制御部41(の記憶部54)に記憶された撮像情報に基づいて各画素の電荷量を演算させる。
【0147】
演算部43は、撮像情報として記憶されている閾値到達時間Tqtを用いて式(3)を演算し、各画素の、シャッタ時間Tsに蓄積され得た電荷量Qtsを算出する。なお演算部43は、限界電荷量Q0とシャッタ時間Tsを予め記憶しているものとする。
【0148】
演算部43は、このようにして算出した電荷量Qtsに対応する画素値で1フレームを構成して1フレーム分の撮像信号を生成し、生成した撮像信号をカメラ信号処理部13に供給する。
【0149】
図14は、本発明を適用したビデオカメラ1の他の構成例を示している。このビデオカメラ1には、図1の撮像信号生成部12に代えて撮像信号生成部61が設けられ、カメラコントローラ15に代えてカメラコントローラ62が設けられている。他の部分は、図1における場合と同じ符号を付し、適宜説明を省略する。
【0150】
撮像信号生成部61は、図15に示すように、限界電荷量Q0を閾値電荷量Qtとし、シャッタ時間Ts内に電荷量が閾値電荷量Qtに達したとき、その電荷を消失させて再び電荷の蓄積を開始させるとともに、その回数をカウントし、その回数(図15の例の場合、3回)と、シャッタ期間終了時の電荷量Qeを用いて式(4)を演算して、シャッタ時間Tsに蓄積され得た電荷量Qtsを算出する。
【0151】
【数4】


【0152】
式(4)中、Qtは、閾値電荷量、nは、電荷が消失された回数、Qeは、シャッタ期間終了時の電荷量である。またTsは、シャッタ時間であり、Trは、電荷が消失されてから、電荷の蓄積が再開されるまでのタイムラグに相当する時間である。
【0153】
なおシャッタ時間Ts内に電荷量が閾値電荷量Qtに達しない場合は、n=0とされて、式(4)が演算されるので、シャッタ期間終了時の電荷量Qeが、電荷量Qtsとなる。
【0154】
図14に戻りカメラコントローラ62は、撮像信号生成部61を制御して、撮像素子11の各画素について、電荷を消失した回数n、シャッタ期間終了時の電荷量Qeを、各画素の撮像情報として記憶させ、その撮像情報に基づいて式(4)を演算させ、そして各電荷のシャッタ時間Tsに蓄積され得た電荷量Qtsを算出させる。
【0155】
撮像信号生成部61の構成例について説明する。
【0156】
選択部71は、撮像素子11の各画素を1個ずつ順番に選択し、選択した画素の電荷の大きさに応じた信号(例えば、電圧信号)を比較器73に供給する。
【0157】
選択部71はまた、カメラコントローラ62から指令があったとき(この例の場合、画素の電荷量が閾値電荷量Qtに達したときまたはシャッタ期間が終了したとき)、いま選択している画素に蓄積されている電荷を、A/D変換部72に出力する。電荷が出力されると、画素の蓄積電荷は0となるが(消失するが)、シャッタ期間中ではその後電荷の蓄積が開始される。
【0158】
A/D変換部72は、選択部71から供給された電荷を、A/D変換するとともに、カメラコントローラ62から指令があったとき(この例の場合、シャッタ期間が終了したとき)、そのときのA/D変換の結果得られた電荷量を示す値(すなわち、電荷量Qe)を記憶部75に供給する。
【0159】
比較部73は、選択部71から供給された信号に基づいて、選択されている画素の電荷が飽和したか否かを判定し、例えば飽和したと判定した場合、その旨を示す信号をカメラコントローラ62に供給する。
【0160】
具体的には、比較部73は、限界電荷量Q0と同じ値の閾値電荷量Qtを保持しており、その閾値電荷量Qtと、選択部71からの信号から検知した電荷量を比較して、例えば電荷量が閾値電荷量Qt以上になったとき、その旨を示す信号をカメラコントローラ62に供給する。
【0161】
なお比較部73への閾値電荷量Qtの設定は、この例の場合カメラコントローラ62により行われるものとする。
【0162】
カウンタ74は、画像の諧調を表現するために必要な量子化段数を十分に満たす精度のカウント数で時間を計測する。カウンタ74は、カメラコントローラ62の制御に従ってカウントを開始し、カウント値を、例えばカメラコントローラ62に供給する。
【0163】
記憶部75は、それぞれ対応する、A/D変換部72からの電荷量(この例の場合、シャッタ期間終了時の電荷量Qe)と、カメラコントローラ62からの消失回数nを対応付けて、それらが得られた画素の撮像情報として記憶する。
【0164】
演算部76は、カメラコントローラ62の制御に応じて、記憶部75に記憶されている各画素の撮像情報を用いて式(4)を演算し、シャッタ時間Tsに蓄積される電荷量Qtsを算出する。なお演算部76は、式(4)を演算する上で必要な撮像情報以外の時間Ts、Trを、予め保持しているものとする。演算部43は、決定した電荷量Qtsに対応する画素値で1フレームを構成して1フレーム分の撮像信号を生成し、生成した撮像信号をカメラ信号処理部13に供給する。
【0165】
次に、撮像信号生成部61の撮像信号生成処理を、図16のフローチャートを参照して説明する。
【0166】
ステップS151において、図3のステップS1における場合と同様に、シャッタ時間の計測が開始される。
【0167】
ステップS152において、撮像素子11の画素が所定の順番で1つ選択される。
【0168】
ステップS153において、図3のステップS3における場合と同様に、いま選択されている画素の電荷量が閾値電荷量Qtに達したか否かが判定され、いま選択されている画素の電荷量が閾値電荷量Qtに達したと判定された場合、ステップS154に進む。
【0169】
ステップS154において、いま選択されている電荷が消失され、その回数がカウントされる。
【0170】
具体的にはカメラコントローラ62は、選択部71およびA/D変換部72に対して、出力指令を出力する。これにより選択部71は、いま選択している電荷をA/D変換部72に出力し、A/D変換部72は、そのA/D変換の結果得られた値(すなわち、電荷量Qe)を記憶部75に出力する。このときいま選択されている画素の電荷が消失する。カメラコントローラ62はまた、内蔵するカウンタの値を1だけインクリメントし、いま選択されている画素について、電荷が消失した回数nをカウントする。なおこのカウンタの値は、処理開始時に0に初期化されている。
【0171】
次にステップS155において、図3のステップS5における場合と同様にシャッタ期間が終了したか否かが判定され、終了していないと判定された場合、ステップS151に戻る。すなわち次の画素が選択され、その画素についてステップS153乃至ステップS155の処理が同様に行われる。なおシャッタ期間が終了するまではステップS152乃至ステップS155の処理が繰り返し行われるので、1度選択された画素も、シャッタ期間が終了するまでは繰り返し選択され得る。
【0172】
ステップS155で、シャッタ期間が終了したと判定された場合、ステップS156に進み、すべての画素のそれぞれの、いまの時点(すなわち、シャッタ期間終了時)の電荷量Qeと消失回数nが各画素の撮像情報として記憶部75に記憶される。
【0173】
具体的には、カメラコントローラ62の制御に従って、選択部71により画素が順次選択され、選択された画素のいま蓄積されている電荷がA/D変換部72でA/D変換されるとともに、記憶部75に供給される。そして順次選択された画素の消失回数nがカメラコントローラ62から記憶部75に供給される。記憶部75は、それぞれ対応する、A/D変換部72から供給された各画素の電荷量Qeと、カメラコントローラ62から供給された消失回数nを対応付けて各画素の撮像情報として記憶する。
【0174】
次にステップS157に進み、カメラコントローラ62は、撮像信号生成部61の演算部76を制御して、記憶部75に記憶された各画素の撮像情報に基づいて1フレーム分の撮像信号を生成させる。
【0175】
具体的には、演算部76は、記憶部75に記憶されている各画素の撮像情報を用いて式(4)を演算し、各画素のシャッタ時間Tsに蓄積され得た電荷量Qtsを演算する。
【0176】
演算部76は、このように算出した電荷量Qtsに対応する画素値で1フレームを構成し、1フレーム分の撮像信号を生成する。演算部76は、生成した撮像信号をカメラ信号処理部13に供給する。
【0177】
なお式(4)においては、電荷が消失されてから電荷の蓄積が再開されるまでのタイムラグ時間Trを考慮したが、その時間Trは、シャッタ時間Tsと比較して、無視できるほど小さい場合は、式(4)においてTr=0とした式(5)を演算して電荷量Qtsを算出するようにすることもできる。
【0178】
【数5】


【0179】
次に、上述した一連の処理は、ハードウェアにより行うこともできるし、ソフトウェアにより行うこともできる。一連の処理をソフトウェアによって行う場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、汎用のコンピュータ等にインストールされる。
【0180】
そこで、図17は、上述した一連の処理を実行するプログラムがインストールされるコンピュータの一実施の形態の構成例を示している。
【0181】
プログラムは、コンピュータに内蔵されている記録媒体としてのハードディスク205やROM203に予め記録しておくことができる。
【0182】
あるいはまた、プログラムは、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto Optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体211に、一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体211は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することができる。
【0183】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体211からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、デジタル衛星放送用の人工衛星を介して、コンピュータに無線で転送したり、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送し、コンピュータでは、そのようにして転送されてくるプログラムを、通信部208で受信し、内蔵するハードディスク205にインストールすることができる。
【0184】
コンピュータは、CPU(Central Processing Unit)202を内蔵している。CPU202には、バス201を介して、入出力インタフェース210が接続されており、CPU202は、入出力インタフェース210を介して、ユーザによって、キーボードや、マウス、マイク等で構成される入力部207が操作等されることにより指令が入力されると、それにしたがって、ROM(Read Only Memory)203に格納されているプログラムを実行する。あるいは、また、CPU202は、ハードディスク205に格納されているプログラム、衛星若しくはネットワークから転送され、通信部208で受信されてハードディスク205にインストールされたプログラム、またはドライブ209に装着されたリムーバブル記録媒体211から読み出されてハードディスク205にインストールされたプログラムを、RAM(Random Access Memory)204にロードして実行する。これにより、CPU202は、上述したブロック図の構成により行われる処理を行う。そして、CPU202は、その処理結果を、必要に応じて、例えば、入出力インタフェース210を介して、LCD(Liquid Crystal Display)やスピーカ等で構成される出力部206から出力、あるいは、通信部208から送信、さらには、ハードディスク205に記録等させる。
【0185】
ここで、プログラムは、1のコンピュータにより処理されるものであっても良いし、複数のコンピュータによって分散処理されるものであっても良い。さらに、プログラムは、遠方のコンピュータに転送されて実行されるものであっても良い。
【0186】
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0187】
【図1】本発明を適用したビデオカメラ1の構成例を示すブロック図である。
【図2】撮像信号生成処理の原理を説明する図である。
【図3】撮像信号生成処理を説明するフローチャートである。
【図4】他の撮像信号生成処理の原理を説明する図である。
【図5】他の撮像信号生成処理を説明するフローチャートである。
【図6】本発明を適用したビデオカメラ1の他の構成例を示すブロック図である。
【図7】他の撮像信号生成処理を説明するフローチャートである。
【図8】記憶制御処理を説明するフローチャートである。
【図9】他の撮像信号生成処理を説明するフローチャートである。
【図10】他の記憶制御処理を説明するフローチャートである。
【図11】本発明を適用したビデオカメラ1の他の構成例を示すブロック図である。
【図12】他の撮像信号生成処理を説明するフローチャートである。
【図13】他の記憶制御処理を説明するフローチャートである。
【図14】本発明を適用したビデオカメラ1の他の構成例を示すブロック図である。
【図15】他の撮像信号生成処理の原理を説明する図である。
【図16】他の撮像信号生成処理を説明するフローチャートである。
【図17】パーソナルコンピュータの構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0188】
1 ビデオカメラ, 11 撮像素子, 12 撮像信号生成部, 13 カメラ信号処理部, 14 入力部, 15 カメラコントローラ, 21 選択部, 22 A/D変換部, 23 比較部, 24 カウンタ, 25 記憶部, 26 演算部, 31 撮像信号生成部, 41 記憶制御部, 42 カウンタ, 43 演算部, 51 入力部, 52 A/D変換部, 53 比較部, 54 記憶部, 55 制御部, 61 撮像信号生成部, 62 カメラコントローラ, 71 選択部, 72 A/D変換部, 73 比較部, 74 カウンタ, 75 記憶部, 76 演算部
【出願人】 【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニー株式会社
【出願日】 平成18年7月6日(2006.7.6)
【代理人】 【識別番号】100082131
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 義雄


【公開番号】 特開2008−17176(P2008−17176A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−186539(P2006−186539)