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【発明の名称】 動画像復号装置
【発明者】 【氏名】米久保 裕

【氏名】森 弘史

【氏名】斉藤 龍則

【氏名】鈴木 正和

【要約】 【課題】単位情報毎に、その中にSCと同じビット列が挿入されているか否かを検出し、そのビット列が挿入されている単位情報は、挿入されたSC処理防止バイトを検出し、除去してパースする動画像復号装置を提供する。

【構成】動画像復号装置のNAL内パース部は、レジスタから符号を読み込み(ステップS33e)、レジスタに記憶されたビットのうち、符号読み込み済みのビット長が所定の値以上となった場合(ステップS33hの「Yes」)、SC検出部からパース中のNALにSC処理防止バイトが挿入されているとの通知を受けている場合(ステップS33iの「Yes」)、バッファに記憶されたビット列に挿入されたSC処理防止バイトを検出して除去し(ステップS33m)、バッファから所定のビット長のデータをレジスタに補充する(ステップS33n)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
区切り記号と符号化された単位情報とが多重化され、前記単位情報に前記区切り記号と同じビット列が含まれていると、そのビット列に接して所定の区切り記号処理防止ビット列が挿入された動画像情報を復号する動画像復号装置であって、
前記単位情報中に前記区切り記号処理防止ビット列が含まれているか否かを検出する区切り記号処理防止ビット列検出手段と、
前記単位情報から符号をパースするパース手段と、
前記パース手段によってパースされた符号を復号する復号手段とを有し、
前記パース手段は、前記区切り記号処理防止ビット列検出手段によって前記単位情報に前記区切り記号処理防止ビット列が含まれていることが事前に検出された場合、その単位情報からその区切り記号処理防止ビット列を検出し、その検出された区切り記号処理防止ビット列を除いたその単位情報から前記符号をパースする
ことを特徴とする動画像復号装置。
【請求項2】
区切り記号と符号化された単位情報とが多重化され、前記単位情報に前記区切り記号と同じビット列が含まれていると、そのビット列に接して所定の区切り記号処理防止ビット列が挿入された動画像情報を復号する動画像復号装置であって、
前記単位情報中に前記区切り記号処理防止ビット列が含まれているか否かを検出する区切り記号処理防止ビット列検出手段と、
前記単位情報から符号をパースするパース手段と、
前記パース手段によってパースされた符号を復号する復号手段とを有し、
前記パース手段は、前記区切り記号処理防止ビット列検出手段によって前記単位情報に前記区切り記号処理防止ビット列が含まれていないことが事前に検出された場合、その単位情報から前記区切り記号処理防止ビット列を検出せずにその単位情報から前記符号をパースする
ことを特徴とする動画像復号装置。
【請求項3】
区切り記号と符号化された単位情報とが多重化され、その単位情報に前記区切り記号と同じビット列が含まれていると、そのビット列に接して所定の区切り記号処理防止ビット列が挿入された動画像情報を復号する復号手段を有し、
前記復号手段は、前記単位情報中に前記区切り記号処理防止ビット列が含まれているか否かを検出し、前記区切り記号処理防止ビット列が含まれていると検出された場合、その単位情報からその区切り記号処理防止ビット列を検出し、その検出された区切り記号処理防止ビット列を除く動作をしつつ、その単位情報を復号し、前記区切り記号処理防止ビット列が含まれていないと検出された場合、その単位情報からその区切り記号処理防止ビット列を検出する動作を行わずに、その単位情報を復号する
ことを特徴とする動画像復号装置。
【請求項4】
前記区切り記号処理防止ビット列は、前記区切り記号と同じビット列の前に挿入されることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の動画像復号装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、動画像復号装置に係り、特に符号化された動画像から符号を取り出すパース処理に関する。
【背景技術】
【0002】
符号化された動画像は、複数の単位情報に分けられ、2つの単位情報の間には、単位情報の区切りであることを示す所定のビット列が置かれて多重化され、記憶され、また送信される。例えば、H.264方式で符号化された動画像において、そのビット列は、スタート・コードと呼ばれ、000001(16進数)なる3バイトのビット列である。この単位情報の区切りであることを示すビット列を、以後SCと称する。
【0003】
ここで、H.264方式では、単位情報中にSCと同一のパターンが発生することを許容しているため、単位情報中にSCと同じビット列が含まれ、そのビット列がSCとみなされてしまうとその単位情報の復号が正しく行われないことになる。そこで、そのビット列の前に、例えば03(16進数)なる1バイトのビット列を挿入する。上記ビット列がSCではないことを示すために挿入されたビット列を、以後SC処理防止バイトと称する。
【0004】
そして、動画像復号装置は、単位情報の復号に際して、SC処理防止バイトを検出し、検出されたSC処理防止バイトを除去しつつ、単位情報をパースする、即ち、符号表を参照して符号を取り出す。パースによって得られた符号は、符号表を参照して復号化され、続いて、逆量子化処理と逆離散コサイン変換処理とを経て復号画像が得られる。この、SC処理防止バイトを検出して除去する処理は、パースによって符号を取り出す度に行う必要があり、復号処理時間の増大を招いていた。
【0005】
そこで、パース処理中にSC処理防止バイト等の動画像に由来しない可能性のあるビット列を検出すると、一旦復号化、逆量子化、及び、逆離散コサイン変換処理を停止し、そのビット列の後にダミーデータを挿入し、符号表には記憶されていないそのビット列及びダミーデータを復号化、逆量子化、及び、逆離散コサイン変換処理させる。そして、符号表には記憶されていないデータによる復号画像が出力される前に、復号化、逆量子化、及び、逆離散コサイン変換処理を初期化する処理が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平5−191650号公報(第2頁、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1に開示されている方法では、SCとして任意のビット列が割り当てられ、かつ、SC処理防止バイトとして任意のビット列が割り当てられた場合、正常に動作しない可能性がある問題点があった。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、単位情報毎に、その中にSCと同じビット列が挿入されているか否かを検出し、そのビット列が挿入されている単位情報は、挿入されたSC処理防止バイトを検出し、除去してパースする動画像復号装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の動画像復号装置は、区切り記号と符号化された単位情報とが多重化され、前記単位情報に前記区切り記号と同じビット列が含まれていると、そのビット列に接して所定の区切り記号処理防止ビット列が挿入された動画像情報を復号する動画像復号装置であって、前記単位情報中に前記区切り記号処理防止ビット列が含まれているか否かを検出する区切り記号処理防止ビット列検出手段と、前記単位情報から符号をパースするパース手段と、前記パース手段によってパースされた符号を復号する復号手段とを有し、前記パース手段は、前記区切り記号処理防止ビット列検出手段によって前記単位情報に前記区切り記号処理防止ビット列が含まれていることが事前に検出された場合、その単位情報からその区切り記号処理防止ビット列を検出し、その検出された区切り記号処理防止ビット列を除いたその単位情報から前記符号をパースすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、単位情報毎に、その中にSCと同じビット列が挿入されているか否かを検出し、そのビット列が挿入されている単位情報は、挿入されたSC処理防止バイトを検出し、除去してパースする動画像復号装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に、本発明による動画像復号装置の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る動画像復号装置の構成を示すブロック図である。
【0011】
この動画像復号装置は、符号化画像11から復号画像12を作成する装置であり、装置全体を制御する制御部21と、NAL(Network Abstraction Layer)解析部31と、デコード部41と、復号信号記憶部51とからなる。復号信号記憶部51には、符号化画像11からNAL解析部31によって取り出された復号信号51aが記憶される。デコード部41は、復号信号記憶部51に記憶された復号信号51aから復号画像12を作成して、送信する。
【0012】
図2は、NAL解析部31の詳細な構成を示すブロック図である。NAL解析部31は、符号化画像11を受信するSC検出部32と、NAL内パース部33と、バッファ34とレジスタ35とからなる。NAL内パース部33は、復号信号51aを送信する。
【0013】
図3は、デコード部41の詳細な構成を示すブロック図である。デコード部41は、復号信号51aを受信する逆量子化/逆DCT(Discrete Cosine Transform)部42と、画面内/画面間予測部43と、デブロッキングフィルタ部44とならなり、復号画像45を記憶する。デブロッキングフィルタ部44は、復号画像12を送信する。
【0014】
図4は、1つのピクチャ、即ち、動画像を所定時間間隔で切り出した1つの静止画が符号化された符号化画像11の構成を示す。符号化画像11は、SC11aと、第1のNALユニット11b1と、SC11aと、第2のNALユニット11b2と、SC11aと、第3のNALユニット11b3と、SC11aと、第4のNALユニット11b4と、SC11aと、第5のNALユニット11b5と、…、SC11aと、第mのNALユニット11bmと、…、SC11aと、第nのNALユニット11bnとからなる。
【0015】
ここで、5≦m≦nである。即ち、1つのピクチャが符号化された符号化画像11は、少なくとも5つのNALユニットからなり、それらのNALユニットの前にはそれぞれSC11aが置かれる。SC11aは、000001(16進数)である3バイトのビット列である。
【0016】
図5は、第mのNALユニット11bm(ここで、1≦m≦n。)の構成を示す。第mのNALユニット11bmは、NALヘッダ11cmと、RBSP(Raw Byte Sequence Payload)11dmと、トレイリングビット11emとからなる。NALヘッダ11cmは、第mのNALユニット11bmの種類を示す。RBSP11dmは、NALヘッダ11cmによって示される第mのNALユニット11bmの種類に応じた符号化された情報である。
【0017】
トレイリングビット11emは、第mのNALユニット11bmのビット長をバイト(8ビット)の整数倍とするために補われる0〜7個のビットである。このトレイリングビット11emにより、全ての第mのNALユニット11bmは、バイト境界から置かれる。更に、NALヘッダ11cmは、バイトの整数倍のデータであるので、全てのRBSP11dmは、バイト境界から置かれる。
【0018】
第1のNALユニット11b1を説明する。第1のNALユニット11b1のNALヘッダ11c1は、第1のNALユニット11b1がAU(Access Unit Delimiter)であって、ピクチャが符号化された情報の開始であることを示す。
【0019】
第2のNALユニット11b2を説明する。第2のNALユニット11b2のNALヘッダ11c2は、第2のNALユニット11b2がSPS(Sequence Parameter Set)であって、RBSP11d2は、ピクチャの大きさを、そのピクチャが縦横に何個のマクロブロックに分割されているかによって示す。
【0020】
第3のNALユニット11b3を説明する。第3のNALユニット11b3のNALヘッダ11c3は、第3のNALユニット11b3がPPS(Picture Parameter Set)であって、RBSP11d3は、ピクチャが符号化された際の量子化パラメータと、符号表識別子とを示す。
【0021】
第4のNALユニット11b4を説明する。第4のNALユニット11b4のNALヘッダ11c4は、第4のNALユニット11b4がSEI(Supplemental Enhancement Information)であって、RBSP11d4は、ピクチャが復号された後、表示されるタイミングを示す。
【0022】
第mのNALユニット11bm(5≦m≦n)を説明する。第mのNALユニット11bmのNALヘッダ11cmは、第mのNALユニット11bmがスライスであって、RBSP11dmは、符号化された動画像データであることを示す。
【0023】
ここで、RBSP11dm(1≦m≦n)にSCと同じビット列がバイト境界から含まれている場合、そのビット列は、SC11aではないことを示すため、そのビット列の前にSC処理防止バイトとして、03(16進数)である1バイトのビット列が挿入されている。また、SCに併せて、000000(16進数)、000002(16進数)及び000003(16進数)がバイト境界から含まれている場合、そのビット列の前にSC処理防止バイトが挿入されている。以後の説明では、SCと同じビット列には、これらの3つのビット列を含む。
【0024】
上記のように構成された、本発明の実施形態に係る動画像復号装置の各部の動作を、図1〜図3を参照して説明する。
【0025】
SC検出部32は、第mのNALユニット11bm(1≦m≦n)を受信して、その第mのNALユニット11bmをバッファ34に記憶する。そして、その第mのNALユニット11bmの中に、SC処理防止バイトとSCと同じビット列とが連続したビット列がバイト境界から置かれているか否かを検出する。そして、置かれているか否かをNAL内パース部33に通知する。
【0026】
上記ビット列が置かれているか否かの検出にあたり、そのビット列はバイト境界から置かれており、バイトの中のビット位置を考慮する必要がない。そのため、SC検出部32は、高速な処理が可能である。また、連想記憶技術の適用によって更に高速化することは容易である。一方、後述するように、NAL内パース部33は、上記ビット列が置かれているか否かの検出を可変長の符号の読み込みの一環として、即ち、ビット位置を把握しつつ行うため、処理量が多い。
【0027】
NAL内パース部33は、バッファ34に記憶された第mのNALユニット11bmを読み込んで、NAL内パース部33内に記憶された符号表を参照し、レジスタ35を用いてパースし、即ち、その第mのNALユニット11bm中に含まれる符号を順次取り出す。そして、その符号に対応して符号表に記憶された復号信号を復号信号記憶部51に復号信号51aとして記憶する。
【0028】
逆量子化/逆DCT部42は、復号信号記憶部51に記憶された復号信号51aを順次読み込んで、逆量子化し、逆量子化された信号を逆離散コサイン変換して、得られた復号された画像を出力する。なお、第mのNALユニット11bm(1≦m≦4)から取り出された復号信号51aは、画像情報ではなく、装置の各部への指示として用いられる。
【0029】
画面内/画面間予測部43は、逆量子化/逆DCT部42によって復号された画像が画面内符号化された情報が復号された画像である場合、その画像内の情報を用いて予測して、復号された復号画像を作成する。また、逆量子化/逆DCT部42によって復号された画像が画面間符号化された情報が復号された画像である場合、その画像情報と過去に復号された復号画像45とを用いて復号された復号画像を作成する。
【0030】
デブロッキングフィルタ部44は、画面内/画面間予測部43によって作成された復号画像のブロックノイズを抑制して、そのブロックノイズが抑制された復号画像を復号画像12として送信し、かつ、復号画像45としてデコード部41内に記憶する。
【0031】
上記のように構成された、本発明の実施形態に係わる動画像復号装置のSCと同じビット列の前に挿入されたSC処理防止バイトを除去して復号信号51aを取り出す処理の動作を説明する。
【0032】
図6は、NAL内パース部33がSCと同じビット列の前に挿入されたSC処理防止バイトを除去して復号信号51aを取り出す動作のフローチャートを示す。
【0033】
NAL内パース部33は、SC検出部32が第mのNALユニット11bm(1≦m≦n)内にSC処理防止バイトとSCと同じビット列とが連続したビット列がバイト境界から置かれているか否かを検出した後、SC検出部32によって起動されてNAL内パースの動作を開始する(ステップS33a)。
【0034】
この後、NAL内パース部33は、SC検出部32によってバッファ34に記憶された第mのNALユニット11bmを読み込む。また、符号化画像11が記憶媒体に記憶されている場合、第mのNALユニット11bmをその記憶媒体から読み込んで、バッファ34に記憶しても良い。この際、以下に説明する復号信号51aの取り出しの際に必要となる部分のみをバッファ34に記憶するとしても良い。
【0035】
続いて、NAL内パース部33は、バッファ34の先頭、即ち、ビット位置の低いビットから32ビットを取り出して、レジスタ35に補充する(ステップS33b)。図7は、レジスタ35の構成の一例を示す。レジスタ35は、32ビットの記憶容量からなり、0〜31のビット位置によって、ビットが識別される。そして、バッファ34から取り出されたビットは、バッファ34でビット位置の低い位置にあったビットがレジスタ35のビット位置の低い位置に補充される。NAL内パース部33は、レジスタ35のいずれのビット位置までビットが補充されたかを記憶する。
【0036】
NAL内パース部33は、現在のビット位置、即ち、レジスタ35に記憶されたビット列から符号を取り出す位置のビットが第mのNALユニット11bmの終端内のビットであるか否かを比較する(ステップS33c)。即ち、現在のビット位置以降に第mのNALユニット11bmのビットが補充されておらず、かつ、バッファ34から第mのNALユニット11bmの全てのビット(トレイリングビット11emを除く。)が読み込まれた場合、終端を超え、それ以外の場合、終端内と判断する。終端を超えている場合、既に第mのNALユニット11bmから全ての符号を取り出したので、動作を終了する(ステップS33d)。
【0037】
一方、終端内にある場合(ステップS33cの「Yes」)、NAL内パース部33は、現在のビット位置、即ち、レジスタ35のビット位置であって、符号を取り出すビットの開始位置から、NAL内パース部33内に記憶された符号表に従って、符号を読み込む(ステップS33e)。そして、その読み込まれた符号に対応して符号表に記憶された復号信号を復号信号記憶部51に復号信号51aとして記憶し(ステップS33f)、その符号のビット長を現在のビット位置に加えて、現在のビット位置を移動する(ステップS33g)。
【0038】
図7を参照して、例を用いて説明する。例えば、ステップS33bでバッファ34の先頭からの32ビットがレジスタ35に補充された場合、ビット位置は、第1の現在ビット位置X1、即ち、0にある。ここで読み込んだ符号が12ビットであると、ビット位置は、第1の現在ビット位置X1である0に12を加えることによって、第2の現在ビット位置X2、即ち、12に移動する。ここで、更に読み込んだ符号が6ビットであると、ビット位置は、第2の現在ビット位置X2である12に6を加えることによって、第3の現在ビット位置X3、即ち、18に移動する。
【0039】
なお、読み込まれた符号が第mのNALユニット11bm(1≦m≦4)内の符号であれば、その符号は、NAL内パース部33を含む、装置の各部の制御に用いられ、復号信号51aとして記憶しない。また、この場合、符号表を用いないビット列の比較によって第mのNALユニット11bm(1≦m≦4)を識別しても良い。
【0040】
次に、NAL内パース部33は、現在ビット位置が16以上であるか否かを判断する(ステップS33h)。この判断は、符号の長さの最大値が17ビット以下であるとしており、レジスタ35に記憶されたビットで、符号として読み込まれていないビットが16ビット以下であればビットの補充をし、17ビット以上であればビットの補充をしないための判断である。
【0041】
現在ビット位置が16未満である場合、NAL内パース部33は、ステップS33cの取り出すビットが第mのNALユニット11bmの終端内のビットであるか否かを比較する動作に移る。一方、現在ビット位置が16以上である場合、NAL内パース部33は、レジスタ35のビットをビット位置の小さい方向へ(図7に図示する例では、左方向。)へ16ビットシフトする。そして、現在のビット位置を、16を減じることによって更新する。
【0042】
そして、NAL内パース部33は、ビット位置の大きい位置の16ビット(図7に図示する例では、右半分。)にバッファ34から16ビット補充の動作にあたり、まず、SC検出部32から、パース中のNALにSC処理防止バイトとSCと同じビット列とが連続したビット列が置かれているとの通知を受けたか否かを判断する(ステップS33i)。
【0043】
上記ビット列が置かれているとの通知を受けた場合、NAL内パース部33は、バッファ34の補充しようとする16ビット以降をチェックし(ステップS33j)、その16ビットは、SC処理防止バイトを含み、そのSC処理防止バイトに続いてSCと同じビット列が置かれているか否かを判断する(ステップS33k)。SC処理防止バイトを含み、そのSC処理防止バイトに続いてSCと同じビット列が置かれている場合、ビットNAL内パース部33は、そのSC処理防止バイトを除去した上で(ステップS33m)、レジスタ35に16ビットを補充し(ステップS33n)、ステップS33cのパース中のNALの全てのパースが終了したか否かの判断に移る。
【0044】
なお、ステップS33nで、NAL内パース部33は、バッファ34から読み込まれていないビット列が16ビット未満であれば、その読み込まれていないビットを補充する。なお、トレイリングビット11emは、読み込まない。
【0045】
図8は、バッファ34に記憶されたビット列の一例を示す。補充しようとするビット列がビット位置Y1から16ビットである場合と、ビット位置Y2から16ビットである場合とでは、補充しようとするビット列にSC処理防止バイト34aが含まれており、かつ、そのバイトに続いてSCと同じビット列34bが置かれている。
【0046】
一方、ステップS33kで、SC処理防止バイトが含まれていない、またはSC処理防止バイトが含まれていても、そのSC処理防止バイトに続いてSCと同じビット列が置かれていない場合、NAL内パース部33は、SC処理防止バイトの除去を行わずにレジスタ35に16ビットを補充し(ステップS33n)、ステップS33cのパース中の全てのNALのパースが終了したか否かの判断に移る。
【0047】
ステップS33iでSC処理防止バイトとSCと同じビット列とが連続したビット列があるとの通知を受けていない場合、NAL内パース部33は、ステップS33j〜S33mのSC処理防止バイトとSCと同じビット列とが連続したビット列があるか否かの判断と、そのSC処理防止バイトの除去の処理を行わずに、レジスタ35に16ビットを補充し(ステップS33n)、ステップS33cのパース中の全てのNALのパースが終了したか否かの判断に移る。
【0048】
このステップS33j〜S33mの処理を行わないことにより、NAL内パース部33は、高速なパースが可能である。第mのNALユニット11bmのRBSP11dm(5≦m≦n)は符号化された動画像であって、SCと同じビット列が含まれている可能性は低い。その結果、SC処理防止バイトが含まれている可能性は低いので、このステップS33j〜S33mの処理を行わないことが多い。そして、1つのピクチャが符号化された符号化画像11の多くの部分が符号化された動画像であるので、パース高速化の効果は顕著である。
【0049】
また、以上説明した動作では、NAL内パース部33は、バッファ34内に記憶されたSC処理防止バイトを取り除く動作をしていない。そのため、バッファ34内に記憶された情報をシフトさせつつコピーする、長時間を要する動作が不要であり、高速なパースが可能である。
【0050】
更に、NAL内パース部33は、バッファ34内に記憶されたSC処理防止バイトを取り除く動作に代えて、SC処理防止バイトが記憶された位置を示すポインタを記憶し、レジスタ35へのデータ補充の都度、そのポインタを参照してSC処理防止バイトの除去を行う動作をしていない。そのため、ポインタを参照する長時間を要する動作が不要であり、高速なパースが可能である。
【0051】
なお、ステップS33bのバッファ34の先頭、言い換えると、第mのNALユニット11bmの冒頭から32ビットを取り出して、レジスタ35に補充する際、NAL内パース部33は、ステップS33i〜S33mの動作に相当するSC処理防止バイトとSCと同じビット列とが連続したビット列があるか否かの判断と、そのSC処理防止バイトの除去の処理を行わないとした。これは、バッファ34の先頭からの32ビットには、上記ビット列が置かれないとしたためである。これらの処理を行っても良い。
【0052】
以上の説明では、NAL内パース部33は、ステップS33nのレジスタ35に16ビットのデータを補充する都度、ステップS33iのSC検出部32から通知された内容を判断する動作をするとしたが、これに限るものではない。その判断する動作は、ステップS33aでNAL内パースを開始した際に1回行い、それ以降は、ステップS33i〜S33mの動作を含む動作と、含まない動作とに分岐するとしても良い。
【0053】
以上の説明では、SC処理防止バイトは、SCと同じビット列の前に挿入されるとしたが、これに限るものではない。SCと同じビット列の後に追加されるとしても良い。SCと同じビット列の中間に挿入されるとしても良い。更に、これらの場合、SCと同じビット列に直接に接して置かれているが、これに限るものではない。SC処理防止バイトは、SCと同じビット列と所定の間隔を置いて間接に接しているとしても良い。
【0054】
また、SC処理防止バイトは、SCと同じビット列がバイト境界から置かれる場合に挿入されるとしたが、これに限るものではない。置かれる位置がバイト境界であるか否かを問わず、挿入されるとしても良い。また、本発明の実施形態に係る動画像復号装置は、プログラムを利用して動作するコンピュータであっても良い。本発明は以上の構成に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施形態に係る動画像復号装置の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施形態に係るNAL解析部の構成を示すブロック図。
【図3】本発明の実施形態に係るデコード部の構成を示すブロック図。
【図4】本発明の実施形態に係る符号化画像の構成の一例を示す図。
【図5】本発明の実施形態に係るNALユニットの構成の一例を示す図。
【図6】本発明の実施形態に係るNAL内パース部の動作を示すフローチャート。
【図7】本発明の実施形態に係るNAL解析部のレジスタの構成の一例を示す図。
【図8】本発明の実施形態に係るNAL解析部のバッファの構成の一例を示す図。
【符号の説明】
【0056】
11 符号化画像
11a SC
11b1〜11bn 第1〜第nのNALユニット
11c1、11c2、11c3、11c4、11cm NALヘッダ
11d2、11d3、11d4、11dm RBSP
11em トレイリングビット
12、45 復号画像
21 制御部
31 NAL解析部
32 SC検出部
33 NAL内パース部
34 バッファ
35 レジスタ
41 デコード部
51 復号信号記憶部
51a 復号信号
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【出願日】 平成18年7月5日(2006.7.5)
【代理人】 【識別番号】100109900
【弁理士】
【氏名又は名称】堀口 浩


【公開番号】 特開2008−17137(P2008−17137A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−185778(P2006−185778)