| 【発明の名称】 |
画像処理装置及び画像処理方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】水谷 宣夫
【氏名】深谷 浩祐
【氏名】櫻井 功仁彦
【氏名】宮▼崎▲ 貞明
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| 【要約】 |
【課題】オブジェクト画像を順次上書きすることによって構成されるオブジェクト画像のグループを他のオブジェクト画像または背景に重ね合わせる場合でも、少ないメモリ容量で良好に透明処理が行える画像処理装置及び画像処理方法の提供。
【構成】オブジェクト画像911,912,913,916を順次上書きすることによって構成されるオブジェクト画像のグループをオブジェクト画像920に透明処理して上書きする場合、透明処理バッファ10Dに書き込まれたオブジェクト画像920に、オブジェクト画像911,912,913,916のうちの最上層のオブジェクト画像916が透明処理して上書きされる(C)。また、描画位置管理バッファ10Eにはオブジェクト画像916のシルエット916Sが書き込まれる(D)。以下、既に書き込まれたシルエットと重ならない領域にのみ、その下層のオブジェクト画像が順次書き込まれる(E〜I)。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数のオブジェクト画像を重ね合わせる画像処理装置であって、 下層のオブジェクト画像に上層のオブジェクト画像を順次上書きすることによって構成されるオブジェクト画像のグループを、透明処理して他のオブジェクト画像または背景に重ね合わせる場合、上記グループを構成する各オブジェクト画像を、透明処理して上層のオブジェクト画像から順に上記他のオブジェクト画像または背景に上書きする上書き手段と、 上記上書き手段が上記各オブジェクト画像を上書きした領域を記憶する領域記憶手段と、 を備え、 上記上書き手段は、上記各オブジェクト画像を順に上書きするに際して上記領域記憶手段によって上記領域が既に記憶されている場合、その領域と重ならない領域にのみ、上記各オブジェクト画像を上書きすることを特徴とする画像処理装置。 【請求項2】 上記グループを構成する各オブジェクト画像のデータが、下層のオブジェクト画像から順に配列され、 上記上書き手段は、上記各オブジェクト画像のデータを配列順とは逆に読み出して上書きすることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。 【請求項3】 上記他のオブジェクト画像または背景を記憶するメモリを、更に備え、 上記上書き手段は、上記グループを構成する各オブジェクト画像を、上記メモリに記憶された上記他のオブジェクト画像または背景と合成することによって透明処理し、その透明処理後の各オブジェクト画像を上記メモリに上書きすることを特徴とする請求項1または2記載の画像処理装置。 【請求項4】 上記他のオブジェクト画像または背景の、上記オブジェクト画像のグループと重なり合う部分を切り出す切り出し手段を、 更に備え、 上記上書き手段は、上記グループを構成する各オブジェクト画像を透明処理して、上記他のオブジェクト画像または背景に上書きするに際して、上記切り出し手段により切り出された部分についてビットマップデータを生成するビットマップデータ生成手段を備えることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。 【請求項5】 複数のオブジェクト画像を重ね合わせる画像処理方法であって、 下層のオブジェクト画像に上層のオブジェクト画像を順次上書きすることによって構成されるオブジェクト画像のグループを、透明処理して他のオブジェクト画像または背景に重ね合わせる場合、上記グループを構成する各オブジェクト画像を、透明処理して上層のオブジェクト画像から順に上記他のオブジェクト画像または背景に上書きする上書き処理と、 上記上書き処理による上記各オブジェクト画像の上書きがなされた領域を記憶する領域記憶処理と、 を繰り返し実行し、 かつ、上記上書き処理では、上記各オブジェクト画像を順に上書きするに際して上記領域記憶処理によって上記領域が既に記憶されている場合、その領域と重ならない領域にのみ、上記各オブジェクト画像を上書きすることを特徴とする画像処理方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、複数のオブジェクト画像を重ね合わせる画像処理装置及び画像処理方法に関し、詳しくは、オブジェクト画像のグループを他のオブジェクト画像または背景に透明処理して重ね合わせる画像処理装置及び画像処理方法に関する。 【背景技術】 【0002】 フォントや図形,イメージなどのオブジェクト画像を重ね合わせる場合、一般に上書きがなされる。すなわち、下層のオブジェクト画像のうち、上層のオブジェクト画像と重なる部分は、上層のオブジェクト画像の色に置き換えられる。 【0003】 これに対して、上層のオブジェクト画像に所望の不透明度を指定して、その不透明度を持ったオブジェクト画像の1つ下層のオブジェクト画像の色が透けるように処理する透明処理が行われる場合もある。この処理は例えば次のようにしてなされる。 【0004】 一例として、図10(A)に示す下層のオブジェクト画像901に上層のオブジェクト画像902を重ねる場合を想定すると、図10(B)に示すように両者を重ねた場合、重なり部分903の色は、次式によって計算される合成色となる。 【0005】 合成色=(1−α)*下層の色+α*上層の色 なお、αは、0.0〜1.0の値を持つ不透明度(1.0の場合、下層の色は透けず通常の上書きとなる)であり、各色は、例えば256階調などに数値化された値である。 【0006】 図10(A)に示すように単一のオブジェクト画像を透明処理して上書きする場合は、上記式により合成色を順次計算しながら上書きを行えばよい。しかしながら、複数のオブジェクト画像を順次上書きすることによって構成されるオブジェクト画像のグループを、透明処理して他のオブジェクト画像に重ね合わせる場合は、上記手法をそのまま適用することができない。 【0007】 例えば、図11(A)に示すオブジェクト画像911〜919を順次上書きすることによって構成されるオブジェクト画像910(各オブジェクト画像911〜919が上書きされる位置関係は図12参照)を、図11(B)に示す他のオブジェクト画像920に透明処理して上書きする場合を想定する。この場合、本来ならば、図13に例示するような画像が得られなければならない。ところが、オブジェクト画像920にオブジェクト画像911を透明処理して上書きし、その上に更にオブジェクト画像912を透明処理して上書きすると、図14に例示するように、オブジェクト画像911,912の重なり部分に、本来ならば表れてはいけないオブジェクト画像911の色が反映されてしまう。 【0008】 一方、このように複数の図形が重なり合った画像の処理では、各図形の重なり合った状態毎に個々にタグを付けて、それぞれの部分をタグ毎に透明処理を行うことが提案されている(例えば、特許文献1参照)。 【0009】 この場合、図14の例では、図15に符号を付けて示すように、(A)オブジェクト画像911のうち他のオブジェクト画像と重ならない部分、(B)オブジェクト画像912のうち他のオブジェクト画像と重ならない部分、(C)オブジェクト画像920のうち他のオブジェクト画像と重ならない部分、(D)オブジェクト画像911,912のみの重なり部分、(E)オブジェクト画像911,920のみの重なり部分、(F)オブジェクト画像912,920のみの重なり部分、(G)オブジェクト画像911,912,920の重なり部分にそれぞれタグを付けて、個々の条件に応じた透明処理を行うことができる。すなわち、この場合、上記(A),(B),(C)の部分にはそれぞれのオブジェクト画像911,912,920の色を、(D)の部分にはオブジェクト画像912の色を、(E)の部分にはオブジェクト画像920の色にオブジェクト画像911の色を合成した色を、(F),(G)の部分にはオブジェクト画像920の色にオブジェクト画像912の色を合成した色を、それぞれ割り当てることができる。 【特許文献1】特開平11−327534号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0010】 ところが、上記のように図形の重なり合った状態毎にタグを付ける場合、オブジェクト画像の数が増えるとタグの数が極めて多くなり、処理に膨大なメモリ容量が必要になる。この他にも、透明処理前のデータをフルカラーデータとして他のメモリに保存しておいて透明処理を行う方法や、オブジェクト画像のグループ(例えば、前述のオブジェクト画像911〜919)を一体の画像としてマージする方法などが考えられるが、いずれも膨大なメモリ容量が必要となる。そこで、本発明は、オブジェクト画像を順次上書きすることによって構成されるオブジェクト画像のグループを他のオブジェクト画像または背景に重ね合わせる場合でも、少ないメモリ容量で良好に透明処理が行える画像処理装置及び画像処理方法を提供することを目的としてなされた。 【課題を解決するための手段】 【0011】 上記目的を達するためになされた本発明の画像処理装置は、複数のオブジェクト画像を重ね合わせる画像処理装置であって、下層のオブジェクト画像に上層のオブジェクト画像を順次上書きすることによって構成されるオブジェクト画像のグループを、透明処理して他のオブジェクト画像または背景に重ね合わせる場合、上記グループを構成する各オブジェクト画像を、透明処理して上層のオブジェクト画像から順に上記他のオブジェクト画像または背景に上書きする上書き手段と、上記上書き手段が上記各オブジェクト画像を上書きした領域を記憶する領域記憶手段と、を備え、上記上書き手段は、上記各オブジェクト画像を順に上書きするに際して上記領域記憶手段によって上記領域が既に記憶されている場合、その領域と重ならない領域にのみ、上記各オブジェクト画像を上書きすることを特徴としている。 【0012】 このように構成された本発明の画像処理装置では、下層のオブジェクト画像に上層のオブジェクト画像を順次上書きすることによって構成されるオブジェクト画像のグループを、透明処理して他のオブジェクト画像または背景に重ね合わせる場合、上書き手段は、上記グループを構成する各オブジェクト画像を、透明処理して上層のオブジェクト画像から順に上記他のオブジェクト画像または背景に上書きする。すると、これと並行して領域記憶手段は、上書き手段が上記各オブジェクト画像を上書きした領域を記憶する。そして、上書き手段は、上記各オブジェクト画像を順に上書きするに際して、上記領域記憶手段によって上記領域が既に記憶されている場合、その領域と重ならない領域にのみ、上記各オブジェクト画像を上書きする。このため、上記グループを構成する上層のオブジェクト画像が上書きされた領域に、同じグループを構成するそれよりも下層のオブジェクト画像が上書きされるのが防止され、上記オブジェクト画像のグループに対する透明処理を良好に行うことができる。 【0013】 しかも、本発明の画像処理装置では、領域記憶手段によって記憶された領域と重ならない領域にオブジェクト画像の上書きを行う手法によって、簡単な処理で適切に透明処理ができる。更に、上記領域記憶手段が記憶するデータは上書きしたか否かを示す2値の2次元データでよいので、メモリ容量も少なくて済む。 【0014】 なお、例えばPDLデータのように、上記グループを構成する各オブジェクト画像のデータが、下層のオブジェクト画像から順に配列されている場合、上記上書き手段は、上記各オブジェクト画像のデータを配列順とは逆に読み出して上書きしてもよい。この場合、各オブジェクト画像のデータにどれが上層であるかを示す属性を添付する必要がなく、処理を一層簡略化すると共に必要とされるメモリ容量も一層少なくすることができる。 【0015】 また、本発明は透明処理の方法を何ら限定するものではないが、上記他のオブジェクト画像または背景を記憶するメモリを、更に備え、上記上書き手段は、上記グループを構成する各オブジェクト画像を、上記メモリに記憶された上記他のオブジェクト画像または背景と合成することによって透明処理し、その透明処理後の各オブジェクト画像を上記メモリに上書きしてもよい。 【0016】 更に、上記他のオブジェクト画像または背景の、上記オブジェクト画像のグループと重なり合う部分を切り出す切り出し手段を、更に備え、上記上書き手段は、上記グループを構成する各オブジェクト画像を透明処理して、上記他のオブジェクト画像または背景に上書きするに際して、上記切り出し手段により切り出された部分についてビットマップデータを生成するビットマップデータ生成手段を備えてもよい。この場合、切り出し手段によって切り出された部分について、ビットマップデータを用いた透明処理を行うことができる。従って、他のオブジェクト画像または背景の全体を含む領域についてビットマップデータを生成する場合に比べて、メモリ容量が少なくて済む。 【0017】 また、本発明の画像処理方法は、複数のオブジェクト画像を重ね合わせる画像処理方法であって、下層のオブジェクト画像に上層のオブジェクト画像を順次上書きすることによって構成されるオブジェクト画像のグループを、透明処理して他のオブジェクト画像または背景に重ね合わせる場合、上記グループを構成する各オブジェクト画像を、透明処理して上層のオブジェクト画像から順に上記他のオブジェクト画像または背景に上書きする上書き処理と、上記上書き処理による上記各オブジェクト画像の上書きがなされた領域を記憶する領域記憶処理と、を繰り返し実行し、かつ、上記上書き処理では、上記各オブジェクト画像を順に上書きするに際して上記領域記憶処理によって上記領域が既に記憶されている場合、その領域と重ならない領域にのみ、上記各オブジェクト画像を上書きすることを特徴としている。 【0018】 このように構成された本発明の画像処理方法では、下層のオブジェクト画像に上層のオブジェクト画像を順次上書きすることによって構成されるオブジェクト画像のグループを、透明処理して他のオブジェクト画像または背景に重ね合わせる場合、上書き処理によって、上記グループを構成する各オブジェクト画像が、透明処理して上層のオブジェクト画像から順に上記他のオブジェクト画像または背景に上書きされる。すると、これと並行して領域記憶処理により、上書き処理による上記各オブジェクト画像を上書きした領域が記憶される。そして、上書き処理では、上記各オブジェクト画像を順に上書きするに際して、上記領域記憶処理によって上記領域が既に記憶されている場合、その領域と重ならない領域にのみ、上記各オブジェクト画像を上書きする。このため、上記グループを構成する上層のオブジェクト画像が上書きされた領域に、同じグループを構成するそれよりも下層のオブジェクト画像が上書きされるのが防止され、上記オブジェクト画像のグループに対する透明処理を良好に行うことができる。 【0019】 しかも、本発明の画像処理方法では、領域記憶処理によって記憶された領域と重ならない領域にオブジェクト画像の上書きを行う手法によって、簡単な処理で適切に透明処理ができる。更に、上記領域記憶処理によって記憶されるデータは上書きしたか否かを示す2値の2次元データでよいので、メモリ容量も少なくて済む。 【発明を実施するための最良の形態】 【0020】 次に、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、本発明が適用された画像処理装置の構成を表す外観図である。図1に示すように、本実施の形態の画像処理装置は、画像形成装置としてのカラーレーザプリンタ(以下、単にプリンタという)1と、そのプリンタ1にケーブル700を介して接続された上位装置としてのパーソナルコンピュータ(以下、単にパソコンという)800とから構成されている。なお、プリンタ1とパソコン800とは、LANなどのネットワークや、赤外線通信などを介して接続されていてもよい。 【0021】 図2はそのプリンタ1の内部構成を表す概略断面図である。図2に例示するプリンタ1は、トナー像形成部4と、用紙搬送ベルト6と、定着部8と、給紙部9と、スタッカー12と、制御部10とを備え、被記録媒体としての用紙Pに、外部から入力される画像データに応じた4色の画像を形成する。 【0022】 そして、トナー像形成部4は、4個の現像ユニット51Y,51M,51C,51Kと、これらの現像ユニット51Y,51M,51C,51Kに貯留されたイエロー,マゼンタ,シアン,及びブラックのトナーによる4つのトナー像形成工程毎に、感光体ドラム3と、その感光体ドラム3を一様に帯電させる帯電器31と、該帯電後の感光体ドラム3の表面をレーザ光で露光して画像データに応じた静電潜像を形成するスキャナユニット41とを備えている。なお、スキャナユニット41は、大部分の図示が省略されており、最終的にレーザ光が出射される部分のみが図示されている。 【0023】 以下、各構成要素の構成について詳しく説明する。なお、以下の説明において、色毎に区別する必要のある場合は各部の符号にY(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),K(ブラック)の添え字を付し、区別する必要のない場合は添え字を省略する。 【0024】 トナー像形成部4の感光体ドラム3は、略円筒形状の部材で構成され、4つがほぼ等間隔に水平方向に並んで、回動可能に配設されている。なお、感光体ドラム3の略円筒形状の部材は、例えば、アルミニウム製の基材上に、正帯電性の感光層が形成されたものが用いられる。そして、このアルミニウム製の基材は、プリンタ1のグランドラインに接地されている。 【0025】 また、帯電器31は、いわゆるスコロトロン型の帯電器であり、感光体ドラム3に対向して、その幅方向に延設される帯電ワイヤ32と、この帯電ワイヤ32を納めて感光体ドラム3側を開放したシールドケース33とで構成され、この帯電ワイヤ32に高電圧を印加することにより、感光体ドラム3の表面を正極性(例えば+700V)に帯電させる。また、シールドケース33は、上記感光体ドラム3側の開放部にグリッドを設けた構造となっており、このグリッドに規定の電圧を印加することにより感光体ドラム3の表面がほぼグリッド電圧と同電位に帯電される。 【0026】 スキャナユニット41は、各感光体ドラム3に、感光体ドラム3の回転方向の帯電器31より下流側に配設され、外部より入力される画像データの1色分に応じたレーザー光を光源から出射し、ポリゴンモータにより回転駆動されるポリゴンミラーの鏡面などによりレーザー光を走査して、感光体ドラム3の表面へ照射する。 【0027】 なお、スキャナユニット41により、画像データに応じたレーザー光が感光体ドラム3の表面に照射されると、照射された部分の表面電位が低下(+150〜+200V)することにより、感光体ドラム3の表面には、静電潜像が形成される。 【0028】 また、現像ユニット51Y,51M,51C,51Kはそれぞれ、各色のトナーを収納する現像ユニットケース55に現像ローラ52を備えた構成を有し、感光体ドラム3の回転方向に対してスキャナユニット41より下流側で現像ローラ52が感光体ドラム3に接するように配設される。そして、各現像ユニット51は、トナーを「+」(正極性)に帯電させ、均一な薄層として感光体ドラム3へ供給して、現像ローラ52と感光体ドラム3との接触部において、感光体ドラム3上に形成された「+」(正極性)の静電潜像に対して、「+」(正極性)に帯電したトナーを反転現像方式で担持させて上記静電潜像を現像する。 【0029】 なお、現像ローラ52は、導電性シリコーンゴムなどを基材として円柱状に構成され、表面にフッ素を含有した樹脂、または、ゴム材のコート層が形成されている。また、現像ユニットケース55に収納されるトナーは、正帯電性の非磁性1成分トナーであり、現像ユニット51Y,51M,51C,51Kに応じて、それぞれイエロー,マゼンタ,シアン,及びブラックのトナーが収容されている。 【0030】 また、給紙部9は、装置の最下部に設けられており、用紙Pを収容する収容トレイ91と、用紙Pを送り出すピックアップローラ92とから構成されている。そして、収容トレイ91に収容された用紙Pは、ピックアップローラ92により、給紙部9から1枚ずつ取り出され、搬送ローラ98,レジストローラ99を介して用紙搬送ベルト6に送られる。 【0031】 用紙搬送ベルト6は、感光体ドラム3の幅より狭く、用紙Pを上面に担持した状態で、その用紙Pと一体に走行するように無端状に構成され、駆動ローラ62と従動ローラ63との間に架け渡されている。また、各感光体ドラム3と対向する位置の近傍には、用紙搬送ベルト6を挟んで転写ローラ61がそれぞれ設けられている。そして、用紙搬送ベルト6は、駆動ローラ62の回動により、感光体ドラム3と対向する側の表面が、図2に示すように、図中右方向から図中左方向へ移動して、レジストローラ99から送られて来る用紙Pを、感光体ドラム3との間へ順番に搬送して定着部8へ送る。また、用紙搬送ベルト6の駆動ローラ62で折り返した面には、クリーニングブラシ105が設けられている。 【0032】 また、転写ローラ61は、感光体ドラム3との間にトナーの帯電極性と逆極性の転写バイアス(例えば−10〜−15μA)が電流源112より印加されて、感光体ドラム3上に形成されたトナー像を用紙搬送ベルト6により搬送される用紙Pに転写するように構成されている。なお、図2では、電流源112は上記転写バイアスを0V,定電圧の2種類に切り換え可能なように記載されているが、これは、便宜上そのように図示したものであって、実際には更に多段階に電圧を制御可能に構成されている。更に、現像ローラ52と転写ローラ61との間には、感光体ドラム3の表面に担持されたトナー量を検出するためのトナー量センサ113が設けられている。 【0033】 また、クリーニングブラシ105は、用紙搬送ベルト6の幅方向に延びた略円筒部材の周囲にブラシが設けられた構成で、用紙搬送ベルト6を挟んで対向する位置に設けられた電極ローラ104との間で所定の電位差が印加されて、用紙搬送ベルト6に接触しながら回転するように配設される。また、クリーニングブラシ105には、クリーニングブラシ105に付着したトナーをクリーニングブラシ105から除去する廃トナー除去器106と、クリーニングブラシ105から除去されたトナーを貯留しておく貯留ボックス107とが設けられている。 【0034】 また、定着部8は、加熱ローラ81と、加圧ローラ82とから構成され、トナー像が転写された用紙Pを、加熱ローラ81及び加圧ローラ82によって狭持搬送しながら加熱及び加圧することにより、トナー像を用紙Pに定着させる。 【0035】 また、プリンタ1の上面にはスタッカー12が形成されている。このスタッカー12は、定着部8の排紙側に設けられており、定着部8から排出される用紙Pを収容する。また、制御部10は、後述のように、CPU10A(図3参照)を用いたマイクロコンピュータにより構成され、プリンタ1の動作全般の制御を行う。 【0036】 ところで、4個の感光体ドラム3は、いずれも、感光体ドラム3が用紙搬送ベルト6から離間する上方向に移動可能に保持され、4個の感光体ドラム3に対して跨るように設けられた移動部材72により位置決めされている。なお、移動部材72は、4個の感光体ドラム3に跨る長さの板状部材で構成され、図2における左右方向に移動可能に保持されている。また、移動部材72には、左右方向に延びる略クランク形状の4個の誘導穴72Aが設けられていて、この誘導穴72Aのそれぞれに各感光体ドラム3の長手方向側面に設けられた軸3Aが嵌め込まれる。 【0037】 そして、移動部材72には、回転力を左右方向の力に換えるリンク73を介して、モータ74が設けられ、制御部10からの指令信号に応じてモータ74が回転することにより、移動部材72が右、または、左方向に移動する。このように、移動部材72が左方向に移動すると、誘導穴72Aが左方向へ移動する際に、各感光体ドラム3の軸3Aが、誘導穴72Aの略クランク形状に沿って上方向に移動するため、感光体ドラム3が用紙搬送ベルト6から離間する状態となる。逆に、移動部材72が右方向の位置にあると、感光体ドラム3は用紙搬送ベルト6に接触する状態となる。通常は、感光体ドラム3が用紙搬送ベルト6に接触した状態で画像形成がなされる。 【0038】 以上のような構成の本実施の形態におけるプリンタ1での、用紙Pへの画像形成の動作は次のようになる。先ず、給紙部9からピックアップローラ92により用紙Pが1枚供給され、搬送ローラ98,レジストローラ99を介して用紙搬送ベルト6へ送られる。次に、図2中一番右側の感光体ドラム3Yの表面が、帯電器31により一様に帯電され、スキャナユニット41により、イエロー色用の外部から入力された画像データに対応して露光されて、上記のように静電潜像が形成される。次に、この感光体ドラム3Yの表面に現像ユニット51Yにおいて正極性に帯電されたイエローのトナーが供給され、現像が行われる。そして、このようにして形成されたトナー像は、用紙搬送ベルト6により搬送される用紙Pの表面上に、転写バイアスが印加された転写ローラ61により転写される。 【0039】 次に、用紙Pが、マゼンタ,シアン,及びブラック用それぞれの感光体ドラム3と対向する位置へ順番に搬送され、イエローのトナーと同様の手順で、トナー像が感光体ドラム3の表面に形成されて、転写ローラ61により用紙Pに重ね合わせて転写される。最後に、用紙P上に形成された4色のトナー像は、定着部8において用紙P上に定着され、スタッカー12上に排出される。 【0040】 更に、図2に仮想線で示したように、プリンタ1に着脱可能な現像ユニットケース55には、その現像ユニット51のシリアルナンバ等の情報を表すICタグ310Y〜310Kが添付され、プリンタ1の本体側には、そのICタグを読み取るICタグリーダ320Y〜320Kが設けられている。 【0041】 次に、図3は、この画像処理装置における制御系の構成を表すブロック図である。図3に示すように、パソコン800のパソコン本体810は、CPU811,ROM812,RAM813,及びハードディスク装置(HDD)814を備えている。そして、このパソコン本体810には、CRT等のディスプレイ820、キーボード830、マウス840が接続されている(いずれも図1参照)。更に、パソコン本体810には、USBメモリ900を装着可能なUSBポート850、及び、プリンタ1と接続するためのプリンタポートインタフェース(プリンタポートI/F)860も接続されている。 【0042】 プリンタ1の制御部10は、CPU10A,ROM10B,RAM10Cを備えたマイクロコンピュータとして構成されている。なお、RAM10Cには、後述する透明処理バッファ10D,描画位置管理バッファ10E,ページメモリ10F,中間データ格納領域10Gが設定可能に設けられている。 【0043】 ここで、メモリの一例としての透明処理バッファ10Dは、カラー画像を記憶可能なイメージバッファで、イエロー,マゼンタ,シアン,ブラックの各色に対してそれぞれ256階調でイメージを記憶できるよう8bit/pixelの容量を有する4プレーンのメモリから構成される。領域記憶手段の一例としての描画位置管理バッファ10Eは、カラー画像が記憶されたか否かを示す2値データを記憶可能なバッファで、各色に共有され1bit/pixelの容量を有する1プレーンのメモリから構成される。ページメモリ10Fは、イエロー,マゼンタ,シアン,ブラックの各色に対してそれぞれ1bit/pixelの容量を有する4プレーンのメモリから構成される。中間データ格納領域10Gは、図形の種類や角度,座標データ,塗りつぶし色(256階調)などからなるイメージ化前の中間データ(いわゆるベクトルデータ)を格納する領域である。 【0044】 また、この制御部10には、前述の給紙部9から定着部8に到る構成の各種アクチュエータ(以下、プリンタエンジン200ともいう)、プリンタ1の表面に設けられた操作パネル220(図1参照)、パソコン800と接続するためのプリンタポートインタフェース(プリンタポートI/F)230、及び、USBメモリ900を装着可能なUSBポート240などが接続されている。 【0045】 次に、この制御系で実行される処理について説明する。ハードディスク装置814に記憶された作図用のアプリケーション等に基き、使用者がパソコン800にて作図を行った後、印刷を指示すると、パソコン800は、作図された画像を構成する各種オブジェクト画像のデータを、PDLコマンドとしてプリンタ1へ送信する。なお、このPDLコマンドは、下層のオブジェクト画像に対応するコマンドから、順次上層のオブジェクト画像に対応するコマンドが送信され、1ページ分のオブジェクト画像に対応するコマンドが送信されると印刷コマンドが送信されるよう構成されている。 【0046】 そこで、プリンタ1の制御部10は、プリンタポートインタフェース230に上記印刷用のPDLコマンドが入力されると、次のような処理を実行する。図4は、上記印刷用のPDLコマンドの入力時に、制御部10のCPU10Aが、記録媒体としてのROM10Bに記憶されたプログラムに基いて実行する印刷処理を表すフローチャートである。 【0047】 図4に示すように、処理が開始されると、先ず、S1(Sはステップを表す:以下同様)にて、透明オブジェクト、すなわち、不透明度が1未満のオブジェクト画像に対応するコマンドが、入力された一連のPDLコマンドの中にあるか否かが検出される。続くS2では、S1における検出結果が「有り」であったか否かが判断され、「有り」の場合は(S2:Y)、S3の透明処理が実行される。 【0048】 図5は、この透明処理を表すフローチャートである。この処理では、先ず、S30にて、上記受信された一連のPDLコマンドが先頭から順次読み込まれる。但し、S30では、ひとまとまりの図形が複数のPDLコマンドで表現されている場合は、その複数のPDLコマンドがひとまとまりのコマンドとして読み込まれる。続くS31では、PDLコマンドが終了してS30にてPDLコマンドが読み込まれなくなったか否かが判断され、終了していない場合は(S31:N)、S32にて、S30で読み込まれたPDLコマンドが印刷コマンドであるか否かが判断される。 【0049】 S30で読み込まれたPDLコマンドが印刷コマンドでない場合は、そのPDLコマンドはひとまとまりの図形に対応するコマンドである。そこで、この場合(S32:N)、処理はS33へ移行して、その図形が複数のオブジェクト画像のグループで構成される透明図形であるか否かが判断される。複数のオブジェクト画像からなる透明図形でない場合は(S33:N)、S34にて、その図形(すなわち透明でないオブジェクト画像、若しくは、透明であってもグループをなさない単独のオブジェクト画像)に対応する中間データが作成されて中間データ格納領域10Gに登録され、処理は前述のS30へ移行する。すると、次のPDLコマンドに対する処理が実行される。 【0050】 一方、S30で読み込まれたPDLコマンドが複数のオブジェクト画像からなる透明図形である場合は、S35にてグループ開始情報が中間データ格納領域10Gに登録され、続くS36にて、上記複数のオブジェクト画像に対応する中間データが下層の(すなわち先頭のPDLコマンドに対応する)オブジェクト画像から順次作成されて中間データ格納領域10Gに登録される。更に、続くS37では、グループ終了情報が中間データ格納領域10Gに登録され、処理は前述のS30へ移行して次のPDLコマンドに対する処理が実行される。 【0051】 また、S30で読み込まれたPDLコマンドが印刷コマンドであった場合は(S32:Y)、処理はS41へ移行し、ページメモリ10Fに1ページ分の記憶領域が確保されると共に、その記憶領域の初期化がなされる。続くS42では、それまでに作成されている1ページ分の中間データが、次のようにしてページメモリ10Fに展開される。 【0052】 図6は、このS42の処理を詳細に表すフローチャートである。この処理では、先ずS51にて、透明処理バッファ10Dの記憶領域が、1ページ分の中間データを256階調のカラーのイメージに展開するのに必要なだけ確保され、その記憶領域の初期化がなされる。続くS52では、描画位置管理バッファ10Eの記憶領域が、1ページ分の2値でかつモノクロ(いわゆる黒ベタ)のイメージデータを記憶するのに必要なだけ確保される。 【0053】 続いて、処理はS53へ移行し、次のオブジェクト画像が選択される。すなわち、中間データ格納領域10Gには、S34,S35,S36,またはS37の処理により、オブジェクト画像の中間データ,グループ開始情報,またはグループ終了情報が登録されている。S53では、これらのデータ(以下、オブジェクトと総称する)が登録順に順次読み出されるのである。 【0054】 続くS54では、S53にて選択されたオブジェクトが、グループ開始情報であったか否かが判断される。グループ終了情報がグループ開始情報よりも先に登録されていることはあり得ないので、S53にて選択されたオブジェクトがグループ開始情報でない場合は、透明処理が不要なオブジェクト画像の中間データまたは透明処理が必要な単独のオブジェクト画像の中間データが選択された場合である。そこで、この場合(S54:N)、処理はS55へ移行し、その中間データが、透明処理バッファ10Dに256階調のカラーのイメージデータとして展開される。なお、S53にて選択されたオブジェクトが、透明処理が必要であるもののグループをなさない単独のオブジェクト画像の中間データであった場合は、他のオブジェクト画像または有色の背景との重なり部分の色が、次式により計算される合成色とされる。 【0055】 合成色=(1−α)*下層の色+α*上層の色 ……(1) なお、αは、当該透明オブジェクトに設定された0.0〜1.0の値を持つ不透明度であり、各色は、256階調に数値化された値である。 【0056】 続くS56では、中間データ格納領域10Gに格納されたデータを全て処理し終わり、全オブジェクトの展開が完了したか否かが判断される。そして、完了していない場合は(S56:N)、処理は前述のS53へ移行し、次のオブジェクトが選択される。 【0057】 一方、S53にて選択されたオブジェクトがグループ開始情報であった場合(S54:Y)、処理はS58へ移行し、S52で確保された描画位置管理バッファ10Eの記憶領域が初期化される。続くS59では、前述のS37にて登録されたグループ終了情報が探されてオブジェクトとして選択される。更に続くS60では、その1つ前のオブジェクトが選択され、S61にて、その選択されたオブジェクトがグループ開始情報である否かが判断される。 【0058】 S60にて選択されたオブジェクトがグループ開始情報でない場合、そのオブジェクトは、グループを構成する透明オブジェクトに対応する中間データである(S35〜S37参照)。そこで、この場合(S61:N)、処理はS62へ移行し、その中間データが、描画位置管理バッファ10Eを参照して透明処理バッファ10Dに展開される。すなわち、描画位置管理バッファ10Eに後述のようにして書き込まれるシルエットと重ならない領域にのみ、その中間データに対応するオブジェクト画像が透明処理バッファ10Dに、上記式(1)を利用してイメージとして書き込まれるのである。続くS63では、描画位置管理バッファ10Eのうち、S62で書き込んだオブジェクト画像の描画位置に対応する箇所がONされて、処理は前述のS60へ移行する。 【0059】 こうして、グループを構成する透明オブジェクトが1つずつ遡りながら透明処理バッファ10Dに展開され、最後にグループ開始情報が選択されると(S61:Y)、処理はS64へ移行する。 【0060】 ここで、S60〜S63のループ処理について、前述の具体例を挙げて説明する。なお、前述の例では、オブジェクト画像911〜919(図11参照)を順次上書きしてなるオブジェクト画像910を他のオブジェクト画像920に透明処理して上書きする場合を説明したが、以下の説明では、便宜上、オブジェクト画像920との重なりを有するオブジェクト画像911,912,913,916のみを描く場合について説明する。 【0061】 この場合、PDLコマンドはオブジェクト画像911,912,913,916に対応するものの順に受信され、中間データも同様の順に登録されているが(S36参照)、S59,S60の処理では中間データが逆順に選択される。 【0062】 このため、処理が最初にS62へ移行した時点では、図7(A)に示すように透明処理バッファ10Dには、オブジェクト画像910の下層のオブジェクト画像920が書き込まれており(S55参照)、描画位置管理バッファ10Eは、図7(B)に示すようにS58による初期化がなされたままである(S58参照)。そして、S62の処理により、図7(C)に示すように透明処理バッファ10Dに、オブジェクト画像911,912,913,916のうちの最上層のオブジェクト画像916が、式(1)による透明処理を施した上で書き込まれる。続くS63の処理では、描画位置管理バッファ10Eのうち、オブジェクト画像916の描画位置に対応する箇所がONされて、図7(D)に示すようにオブジェクト画像916のシルエット916Sが描画位置管理バッファ10Eに書き込まれる。 【0063】 次にS62へ移行すると、図7(E)に示すように、透明処理バッファ10Dにオブジェクト画像913が、シルエット916Sと重ならない領域にのみ上記透明処理して書き込まれる。そして、続くS63では、図7(F)に示すように、そのオブジェクト画像913のシルエット913Sが描画位置管理バッファ10Eに書き込まれる。 【0064】 以下、同様に、図7(G)に示すように、透明処理バッファ10Dのシルエット916S,913Sと重ならない領域にオブジェクト画像912が透明処理して書き込まれ(S62)、図7(H)に示すように、オブジェクト画像912のシルエット912Sが描画位置管理バッファ10Eに書き込まれる(S63)。更に、図7(I)に示すように、透明処理バッファ10Dのシルエット916S,913S,912Sと重ならない領域にオブジェクト画像911が透明処理して書き込まれ(S62)、図7(J)に示すように、オブジェクト画像911のシルエット911Sが描画位置管理バッファ10Eに書き込まれる(S63)。 【0065】 このような処理を、前述のオブジェクト画像911〜919に対して実行すれば、図13に例示したように、オブジェクト画像911〜919を順次上書きすることによって構成されるオブジェクト画像910を(図11参照)、他のオブジェクト画像920に透明処理して上書きすることができる。 【0066】 図6へ戻って、こうして、複数のオブジェクト画像からなる透明図形が透明処理バッファ10Dに書き込まれると、S60にてグループ開始情報が選択されるため、S61にて肯定判断され、処理はS64へ移行する。S64では、グループ終了情報が検索されてそのグループ終了情報が選択され、処理は前述のS56へ移行する。すると、次にS53へ移行した場合、上記透明図形に係るデータ(すなわち、グループ開始情報,複数のオブジェクト画像の中間データ,グループ終了情報の順で登録されたデータ)の次に登録されているデータが選択され、前述の処理が繰り返される。 【0067】 そして、全てのオブジェクトの展開が完了すると(S56:Y)、処理はS66へ移行し、透明処理バッファ10Dに展開されているオブジェクト画像がページメモリ10Fに展開される。すなわち、透明処理バッファ10Dに展開された8bit/pixelのデータが、プリンタエンジン200を駆動するための1bit/pixelのデータに変換され、ページメモリ10Fに展開される。 【0068】 続くS67では、透明処理バッファ10Dが開放され、更にS68にて、描画位置管理バッファ10Eが開放された後、処理は図5のS70へ移行する。S70では、ページメモリ10Fに展開されたデータを用いてプリンタエンジン200を駆動することにより印刷が実行される。続くS71では、中間データ格納領域10G及びページメモリ10Fが開放され、処理は前述のS30へ移行する。以上の処理を繰り返すことにより、プリンタポートインタフェース230に入力されたPDLコマンドの処理が全て終了すると(S31:Y)、制御部10の処理が一旦終了する。 【0069】 図4へ戻って、一方、プリンタポートインタフェース230に入力された一連のPDLコマンドの中に透明オブジェクトに対応するコマンドが検出されなかった場合は(S2:N)、処理はS72へ移行する。S72では、S41と同様にページメモリ10Fの確保と初期化がなされる。続くS73〜S75では、S30〜S32と同様に、PDLコマンドが先頭から順次読み込まれ(S73)、PDLコマンドが終了したか否か(S74)、PDLコマンドが印刷コマンドであるか否か(S75)、がそれぞれ判断される。 【0070】 PDLコマンドが印刷コマンドでない場合は、そのPDLコマンドは透明でないオブジェクト画像に対応するコマンドである。そこで、この場合(S75:N)、S76にてそのオブジェクト画像がページメモリ10Fに直接展開され、処理はS73へ戻って次のPDLコマンドが読み込まれる。こうして、オブジェクト画像がページメモリ10Fに上書きしながら順次展開され(S76)、印刷コマンドが読み込まれると(S75:Y)、S70と同様に印刷が実行される。続くS78では、ページメモリ10Fが開放され、処理は前述のS72へ移行する。以上の処理を繰り返すことにより、プリンタポートインタフェース230に入力されたPDLコマンドの処理が全て終了すると(S74:Y)、S79にてページメモリ10Fが開放された後、制御部10の処理が一旦終了する。このように、透明オブジェクトがない場合は(S2:N)、透明処理バッファ10Dも描画位置管理バッファ10Eも使用されず、中間データも経由されない。従って、処理を一層迅速化することができる。 【0071】 以上説明したように、本実施の形態では、下層のオブジェクト画像に上層のオブジェクト画像を順次上書きすることによって構成されるオブジェクト画像のグループ(例えば、オブジェクト画像910)を、透明処理して他のオブジェクト画像に重ね合わせる場合であっても、描画位置管理バッファ10Eに書き込まれたシルエットと重ならない領域にオブジェクト画像を順次上書きをする簡単な処理を実行するだけでよい。しかもその処理のために特別に必要となる描画位置管理バッファ10Eは、1ページ分の2値データを記憶する容量さえあればよい。従って、本実施の形態では、上記のような透明処理を少ないメモリ容量で迅速に実行することができる。 【0072】 なお、上記処理において、S62が上書き手段及び上書き処理に、S63が領域記憶手段及び領域記憶処理に、それぞれ相当する。また、本発明は、上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。例えば、上記実施の形態では、オブジェクト画像901〜909を順次上書きして構成されるオブジェクト画像910を他のオブジェクト画像920に透明処理して上書きする例を説明したが、オブジェクト画像を順次上書きして構成されるオブジェクト画像のグループを単色ベタの背景に重ねる場合にも、本発明は同様に適用することができる。また、上記実施の形態では、最初に透明オブジェクトの有無を検出しているが、制御部10の処理能力が充分に高い場合は、透明オブジェクトの有無に関わらずS3の透明処理をいきなり実行してもよい。 【0073】 更に、描画位置管理バッファ10Eを、オブジェクト画像のグループを全てを含む最小の矩形領域分の2値データを記憶する容量にすれば、より少ないメモリ容量で実行することができる。但し、この場合は、描画位置管理バッファ10Eの容量がオブジェクト画像のグループ毎に変わるため、S52の描画位置管理バッファの確保は、S58の直前に、S67の描画位置管理バッファの開放は、S64の直後に変更になる。 【0074】 また、パソコン800にて作成したPDLコマンドをUSBメモリ900に記憶し、そのUSBメモリ900をプリンタ1のUSBポート240に装着して制御部10に読み込ませるいわゆるダイレクト印刷の場合も、図4、図5、図6の処理が適用できる。 【0075】 また、上記実施の形態では、PDLデータは下層のオブジェクト画像から上層のオブジェクト順に並んでいると記述しているが、PDLデータ内において先頭から順にそのように並んでいる場合に限らず、PDLデータを解析し、PDLのフォーマットなどに従って処理する順が下層のオブジェクトから上層のオブジェクトの順であってもよい。 【0076】 更に、前述のような透明処理を内部で実行できないプリンタもあるが、このようなプリンタに対しては、画像処理装置を構成するパソコン800で次のような処理を実行すればよい。図8は、パソコン800で透明処理を実行する場合の処理を表すフローチャートである。作図用のアプリケーション等に基き、使用者がパソコン800にて作図を行った後、印刷を指示すると、CPU811は、ハードディスク装置814に記憶されたプログラムに基き、この処理を実行する。 【0077】 図8に示すように、処理が開始されると、先ず、S81にて、図形が下層のものから順次選択される。続くS82では、S81で選択された図形が透明図形であるか否かが判断され、透明図形でない場合は(S82:N)、S83にてその図形がPDLコマンドに変換される。なお、変換されたPDLコマンドは、図示しない別ルーチンによりプリンタ1へ送信される。続くS84では、全図形のPDLコマンドへの変換が終了したか否かが判断され、終了していない場合は(S84:N)、処理は前述のS81へ移行して次の図形が選択される。 【0078】 一方、S81で選択された図形が透明図形である場合は(S82:Y)、S85にてその透明図形の図形サイズに合わせたビットマップ領域が、RAM813に確保され、かつ、その領域が初期化される。続くS86では、その透明図形の下地が上記ビットマップ領域に展開される。例えば、下地としての前述のオブジェクト画像920に透明図形としてのオブジェクト画像910が重ねられる場合は、先ず、オブジェクト図形910のサイズに合わせたビットマップ領域が確保・初期化され(S85)、続いて、図9(A)に示すオブジェクト画像920の一部が、オブジェクト画像910の輪郭910Rで切り取られて図9(B)に示す範囲のビットマップ領域に展開される(S86)。 【0079】 続くS87では、現在選択されている透明図形が複数のオブジェクト画像からなる透明図形であるか否かが判断される。その透明図形が単独のオブジェクト画像からなる場合は(S87:N)、処理はS88へ移行し、その透明図形が前述の式(1)によって透明処理され、上記ビットマップ領域に展開される。続くS89では、その透明処理済みのビットマップがPDLコマンドに変換され、処理は前述のS84へ移行する。 【0080】 一方、現在選択されている透明図形が複数のオブジェクト画像からなる透明図形である場合は(S87:Y)、処理はS91へ移行し、上記ビットマップ領域に対応するサイズの描画位置管理バッファがRAM813に確保され、初期化される。続くS92では、最上層のオブジェクト画像が選択される。続くS93では、前述のS62と同様に、描画位置管理バッファを参照してそこに書き込まれているシルエットと重ならない領域にのみ、選択されたオブジェクト画像が透明処理して上記ビットマップ領域に展開される。更に続くS94では、前述のS63と同様に、描写位置管理バッファのうちの、オブジェクト画像の描写位置に対応する箇所がONされて上記シルエットが書き込まれる。 【0081】 続くS95では、上記透明図形を構成する全てのオブジェクト画像に対する処理が完了したか否かが判断され、まだ完了していない場合は(S95:N)、先に選択されたオブジェクト画像の1つ下の層のオブジェクト画像がS96にて選択され、処理は前述のS93へ移行する。こうして、透明図形を構成する全てのオブジェクト画像に対してS93,S94の処理が完了すると(S95:Y)、S97にて描画位置管理バッファが開放された後、処理は前述のS89へ移行する。 【0082】 なお、このS91〜S96の処理により、図9(B)に例示したビットマップ領域が処理された場合、図9(C)に例示するようなビットマップ画像が作成され、続くS89にてそのビットマップ画像がPDLコマンドに変換される。このようなビットマップ画像は、オブジェクト画像920にそのまま上書きすることによって、図13に例示したような画像が得られる。従って、この場合、プリンタ1が透明処理に対応していない場合であっても、前述の実施の形態と同様の効果が生じる。なお、本実施の形態では、パソコン800が画像処理装置に相当する。また、上記処理において、S93が上書き手段及び上書き処理に、S94が領域記憶手段及び領域記憶処理に、S86が切り出し手段に、S93の処理のうち、式(1)の計算処理等を除いたビットマップデータの作成処理がビットマップデータ生成手段に、それぞれ相当する。 【0083】 また、パソコン800にて作図した画像データをUSBメモリ900に記録し、そのUSBメモリ900をプリンタ1のUSBポート240に装着して制御部10に読み込ませるいわゆるダイレクト印刷の場合も、図8の処理が応用できる。すなわち、USBメモリ900に記録されたデータは、PDLコマンドと異なり、下層のオブジェクト画像に対応するデータから順次配列されていない場合がある。この場合も、図8に示したように下層のオブジェクト画像から処理することにより、上記各実施の形態と同様の効果が生じる。但し、この場合、図8の処理におけるPDLコマンドへの変換処理(S83,S89)は、ページメモリ10Fへの展開処理に置き換えられる。また、画像データを記録する記録媒体としては、USBメモリ以外にも、メモリカードなど他の半導体記憶媒体を利用することもできる。 【0084】 更に、透明処理における計算式は式(1)に限定されるものではない。また更に、上記各実施の形態においてソフトウェアで行っていた処理の一部は、ハードウェアによって実行してもよい。例えば、中間データを透明処理バッファ10Dに展開する処理(S55,S62)などはハードウェアによって行ってもよい。この場合、処理を一層迅速化することができる。 【図面の簡単な説明】 【0085】 【図1】本発明が適用された画像処理装置の構成を表す外観図である。 【図2】その画像処理装置のカラーレーザプリンタの内部構成を表す概略断面図である。 【図3】その画像処理装置の制御系の構成を表すブロック図である。 【図4】上記カラーレーザプリンタの制御部の印刷処理を表すフローチャートである。 【図5】その印刷処理のうちの透明処理を表すフローチャートである。 【図6】その透明処理の一部を詳細に表すフローチャートである。 【図7】その処理による透明処理バッファ,描画位置管理バッファの変化を例示する説明図である。 【図8】上記透明処理を上記画像処理装置のパソコンで実行する場合の処理を表すフローチャートである。 【図9】その処理によるビットマップ領域の変化を例示する説明図である。 【図10】比較的単純な透明処理の一例を表す説明図である。 【図11】オブジェクト画像のグループ及びそれが上書きされる他のオブジェクト画像の例を表す説明図である。 【図12】上記グループを構成する各オブジェクト画像の上書きされる位置関係を表す説明図である。 【図13】上記グループを上記他のオブジェクト画像に透明処理して透明処理して上書きした例を表す説明図である。 【図14】上記例における従来技術の課題を表す説明図である。 【図15】その課題をタグによって解決する方法を例示する説明図である。 【符号の説明】 【0086】 1…カラーレーザプリンタ 3…感光体ドラム 4…トナー像形成部 8…定着部 9…給紙部 10…制御部 10A,811…CPU 10B,812…ROM 10C,813…RAM 10D…透明処理バッファ 10E…描画位置管理バッファ 10F…ページメモリ 10G…中間データ格納領域 41…スキャナユニット 51…現像ユニット 200…プリンタエンジン 700…ケーブル 800…パーソナルコンピュータ 814…ハードディスク装置 901,902,910〜920…オブジェクト画像 910R…輪郭 911S〜916S…シルエット P…用紙
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005267 【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年7月5日(2006.7.5) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100082500 【弁理士】 【氏名又は名称】足立 勉
【識別番号】100129090 【弁理士】 【氏名又は名称】竹中 謙史
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| 【公開番号】 |
特開2008−17135(P2008−17135A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月24日(2008.1.24) |
| 【出願番号】 |
特願2006−185752(P2006−185752) |
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