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【発明の名称】 映像信号処理装置
【発明者】 【氏名】今泉 和宏

【要約】 【課題】撮像素子でのエリア垂直切り出しと水平拡大補間(電子ズーム)の組み合わせにて電子防振を行なっているビデオカメラにて防振停止時あるいは静止画撮影時は高い水平解像度を得る。

【構成】垂直方向に防振エリアのある撮像素子を使用し、素子上で垂直方向は防振エリアを除く水平ラインの切り出しを行い、水平方向はその分、拡大補間する方式で画像のアスペクトの整合とともに切り出しを行い、電子防振を行なっている装置にて防振OFF時は光学被写体像のアスペクト比変換とともに水平方向は拡大、補間は行なわないように構成。このアスペクト比変更手段はアナモフィックレンズの挿入装着である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学系と撮像素子とを有する撮像部にて撮像された映像信号を処理する映像信号処理装置において撮像部の振動量・振動方向の検出手段を有し、検出手段からの検出信号を処理し得られた制御量に応じて出力映像信号に手振れ防振処理を行えるように構成した映像信号処理装置であって、該撮像素子は撮像素子上に該光学系を通して結像した光学画像の垂直方向に防振をするための領域として一定量の水平走査線数防振領域を有する素子であって、画像垂直方向は得られた該制御量に応じて撮像素子上で垂直方向の有効映像水平走査線分のみを切り出して映像信号読み出し出力を行い、さらに画像水平方向は撮像素子出力映像信号を処理する過程で撮像素子上での垂直方向の切り出した割合に応じて出力映像信号の一定値の拡大・補間処理を行い、さらに得られた該制御量に応じて画像水平方向の切り出し信号処理を行うことで出力映像信号に手振れ防振処理と画像のアスペクト比の整合を行うように構成した装置において、該撮像素子上に該光学系を通して結像する光学画像のアスペクト比を撮像素子上の垂直方向に切り出す割合に応じた一定値に変換する変換手段と、画像水平方向は撮像素子出力映像信号の拡大・補間処理を行わないかまたは拡大・補間率を手振れ防振処理時に対して少なくとも低減させる制御手段とをともに有することを特徴とする映像信号処理装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、光学系と撮像手段とを有する撮像部にて撮像された映像信号の処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
映像信号を記録媒体にディジタル信号にて記録する装置としては、被写体の映像を静止画でメモリ素子またはディスクに記録するいわゆるディジタルスチルカメラや、被写体の映像を動画で磁気テープを用いてディジタル記録するビデオテープレコーダとしてカメラ一体型ディジタルビデオテープレコーダ等が実用化されている。これらの使用にあたっては使用者が手持ち撮影を行うことが一般的であり、その際の手振れによる画像のブレ、ゆれの発生が余儀ないものと考えられ、その対策として手振れ防振信号処理方式が従来考案されてきた。
【0003】
光学系内に防振手段を有し、撮像手段である撮像素子上に結像する光学像の段階にて装置全体のブレ、ゆれをキャンセルする方式のものは特別な手振れ防振を目的とした映像信号処理を必要としないが光学系が大柄となるあるいはコスト高となるなどの欠点があり、現在では記録方式のみならず撮像素子から読み出した映像信号をディジタル信号に変換した後にカメラ信号処理を行う方式が普及したことおよびディジタル映像信号処理による映像信号の加工が容易にできることから信号の拡大・補間処理、いわゆる電子ズーム処理機能を利用して手振れ防振を行う方式である電子防振方式が主流となっている。
【0004】
例えば従来例における電子防振機能付きカメラ一体型ディジタルビデオテープレコーダは、図6に示すように、レンズを透過した透過光を結像させるレンズ系1と、このレンズ系1による結像光学像を電気信号に変換する固体撮像素子2とで構成される撮像部と、固体撮像素子2からの出力信号を入力してカメラにおける信号処理を行うカメラ信号処理部3と、カメラ信号処理部3からのディジタル映像信号を入力しVTR用信号の処理を施すVTR信号処理部4と、記録時にVTR信号処理部4からの出力ディジタル信号を磁気テープに記録し、再生時に磁気テープに記録している情報を再生する記録再生系5と、VTR信号処理部4からの映像信号を制御信号に応じて一時的に書き込み、また、書き込まれた映像信号を制御信号に応じて読み出す映像メモリ部6と、装置全体の手振れ振動量・振動方向を検出する手振れ検出部7と、撮像素子の読み出し駆動タイミングを制御する駆動タイミング制御部10と、レンズ系1、固体撮像素子2、カメラ信号処理部3、VTR信号処理部4、記録再生系5、映像メモリ部6、駆動タイミング制御部10を制御する制御系8とで構成されている。
【0005】
カメラ信号処理部3は、固体撮像素子2から出力された映像信号をディジタル信号に変換したのち、ディジタル信号処理回路(DSP)に入力する。カメラ信号処理に必要な制御を制御系8からの制御信号に応じて行っている。
【0006】
VTR信号処理部4は、カメラ信号処理部3からのディジタル映像信号により映像信号を出力端子9を介して出力する。VTR信号処理部4には、制御系8からVTRのフォーマットに対応したディジタルVTR信号を生成する制御信号が供給される。
【0007】
また、VTR信号処理部4は、カメラ信号処理部3からのディジタル映像信号を、制御系8のメモリ制御信号に応じて映像メモリ部6に出力する。このVTR信号処理部4には、特殊効果処理を施すため、供給された映像信号に対してディジタルエフェクト信号処理部を設けている機種もある。
【0008】
上記映像メモリ部6は、例えばラインメモリやフィールドメモリまたはフレームメモリで構成される。映像メモリ部6は、上記したように制御系8によるメモリヘの信号の書込み/読出し制御が行われる。
【0009】
記録再生系5は、記録時にVTR信号処理部4からの供給される映像信号を回転ヘッド・ドラムに配設した回転磁気ヘッドを介して磁気テープの記録トラックにディジタル信号フォーマットにて動画や静止画として記録している。
【0010】
また、再生時に記録再生系5は、磁気テープの記録トラックに記録されているディジタル映像信号を動画や静止画として例えば回転ヘッド・ドラムを介して再生する。
【0011】
手振れ検出部7は通常、装置全体の水平・垂直(ヨー・ピッチ)方向のブレ・ゆれを検出する角速度検出素子いわゆるジャイロ素子を有している。ジャイロ素子からの手振れ検出信号は制御系8に出力され、検出信号を処理し得られた防振制御量に応じて出力映像信号に電子防振処理を行えるように制御系8は各ブロックを制御する。この制御方法については後述する。なお、手振れ検出部としてジャイロ素子などの角速度検出素子のかわりに撮像素子2から得られたディジタル映像信号そのものを演算し、映像の時系列動き成分いわゆる動きベクトルを検出し、これを手振れ検出信号として代用するように構成する機種もある。この場合は手振れ検出部7は不要となるが検出動きベクトルを処理し得られた防振制御量に応じて出力映像信号に電子防振処理を行えるように制御系8が各ブロックを制御する点は同様である。
【0012】
制御系8はおおむね以下の2つの方式の制御手段により電子防振処理を行う。
【0013】
またそれぞれ従来例として製品化されている。
【0014】
第1の方式は撮像素子上に防振エリアの無い通常の撮像素子を使用して信号処理(電子ズーム)にて切り出し部の水平・垂直拡大補間を行うことにより防振領域を得るタイプの方式である。制御系8は手振れ検出信号または検出動きベクトルを処理し得られた制御量に応じて映像メモリ部6、VTR信号処理部4を制御し、あらかじめ決定した防振率すなわち撮像素子より得られた全有効信号領域内を切り出す割合に応じて映像信号の水平・垂直拡大補間処理を行い、また切り出し位置を決定する。
【0015】
ここで映像信号の拡大補間処理について簡単に説明する。図5は防振領域を撮像素子より得られた全有効信号領域の1/2に設定した場合の信号拡大補間処理の例を示している。補間信号生成手段としては例えば線形補間、スプライン補間等のディジタル信号処理方式として既知の方式があり、詳細な説明は省略するがどのような方式を採用したとしても原信号に対して拡大補間処理を施せばその拡大率に応じて確実に水平、垂直解像度の低下という結果で処理後画像の劣化は避けられない。このため、上記第1の方式では手振れ防振時の水平・垂直解像度が同時に低下するため画質劣化がはなはだ大きいものなる。例えば水平方向の劣化は1水平ラインあたりの画素数の多い撮像素子を使用することである程度回避可能となるが撮像素子の垂直方向のライン数すなわち走査線数はTVシステムによって一定であるため、垂直方向の画質劣化は避けられない上、垂直方向の解像度の低下はTVシステムとしての垂直方向の解像度の伝送性、再現性の良さから再現画像における解像度、解像感の低下の影響が大きいという特性があり、すなわち第1の方式は電子防振時の画質劣化の避けられない方式である。
【0016】
第2の方式は垂直方向に防振領域としてある一定量の水平走査線分をあらかじめ付加してある撮像素子を使用し、撮像素子上で垂直方向は防振領域を除いて必要な水平走査線分の切り出しを行うタイプである。この場合、必要とする水平走査線とは映像信号出力のフォーマット例えば一般的なTVシステムであるNTSC方式等から一意的に決定される数値であり、例えばNTSC方式の場合は全水平走査線数525本中の帰線期間を除いた有効査線数約480本である。この方式においては有効水平走査線数分の映像信号が撮像素子上で結像した光学像から直接得られるため垂直解像度の低下が発生しないという利点がある。なお、第2の方式においては撮像素子上に垂直方向のみならず水平方向にも防振領域を配置している特殊な撮像素子を使用するタイプと生産数量が多く低コストである汎用撮像素子を使用するタイプの2つが実用化されている。上記汎用撮像素子は例えば一般的なTVシステムであるPAL方式(全走査線数625本、有効走査線数約580本)用の撮像素子をNTSC用に流用するもので図4に示すように垂直方向に防振領域として有効走査線数差である約100本の水平走査線が付加されることになる。すなわち、PAL方式撮像素子の有効走査線数580本からNTSC方式の有効査線数480本を切り出せば良いことになるから防振率すなわち最大の切り出し位置変位量はこの比であるところの約1.2倍すなわち約20%に決定される。水平方向においては撮像素子から得られた映像信号処理を行う過程で垂直方向で切り出した分、約1.2倍の電子ズーム拡大・補間信号処理を行って画像のアスペクト比を整合するとともに信号の切り出しを行う。図6において制御系8は手振れ検出信号または検出動きベクトルを処理し得られた制御量に応じて駆動タイミング制御部10を制御し、撮像素子2の有効査線分の切り出し開始位置を決定する。駆動タイミング制御部10は切り出し開始位置までの不要な水平走査線分の信号を高速に掃き捨て、必要な水平走査線分の信号を通常の速さで読み出したのち、残りの不要な水平走査線分の信号を高速に掃き捨てるように撮像素子2の読み出し駆動タイミングを制御する。また、制御系8は映像メモリ部6、VTR信号処理部4を制御し、あらかじめ決定した防振率すなわち撮像素子より得られる有効水平走査線領域を切り出す割合に応じて映像信号の水平拡大補間処理を行い、また切り出し位置を決定する。前述したPAL方式用の撮像素子をNTSC用に流用することにより手振れ防振機能を実現した方式は撮像素子が汎用であり、低コストにて装置が製造できることおよび画質劣化が比較的小さい事から現在主流の方式であり、数多くの製品が生産されている。
【0017】
従来例としては、例えば特許文献1をあげることが出来る。
【特許文献1】特開平8−154212号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
ところで上述した第2方式の例えばPAL方式用の撮像素子をNTSC用に流用することにより垂直方向に防振領域としてある一定量の水平走査線分をあらかじめ付加し、垂直方向は撮像素子上で防振領域を除いて必要な水平走査線分の信号切り出しを行い、水平方向においては撮像素子から得られた映像信号処理を行う過程で垂直方向で切り出した分の割合で電子ズーム拡大・補間信号処理を行うことで手振れ防振機能を実現した方式においては静止画記録を行う場合など防振機能が不要である場合あるいは防振機能の誤動作等が発生するため防振機能を停止させたい場合にはその制御手段としての例えば防振オフスイッチが選択投入されると垂直方向は撮像素子上の有効走査線読み出し開始位置の固定、水平方向は電子ズーム拡大・補問信号処理後の信号切り出し開始位置の固定により防振機能を停止するように構成している。
【0019】
すなわち防振機能を停止しても水平方向の電子ズーム拡大・補間信号処理は映像のアスペクト比を整合するために必要であり、このため防振機能のオンオフによらず装置から得られる映像信号の水平垂直解像度は同一であり、水平方向における電子ズーム拡大・補間信号処理による水平解像度の低下による画質劣化は依然として発生するという問題点があった。
【0020】
本出願に係る発明の目的は上記説明したように構成された手振れ防振機能付き映像信号処理装置にてその防振機能の停止時には水平方向の電子ズーム拡大・補間信号処理による水平解像度の劣化が発生しない、結果として高解像度の映像信号を得る事が可能な映像信号処理装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明に係る映像信号処理装置は、上述した課題を解決するため、光学系と撮像手段とを有する撮像部にて撮像された映像信号を処理する映像信号処理装置において撮像部の振動量・振動方向の検出手段を有し、検出手段からの検出信号を処理し得られた制御量に応じて出力映像信号に手振れ防振処理を行えるように構成した映像信号処理装置であって、該撮像素子は撮像素子上に該光学系を通して結像した光学画像の垂直方向に防振をするための領域として一定量の水平走査線数防振領域を有する素子であって、画像垂直方向は得られた該制御量に応じて撮像素子上で垂直方向の有効映像水平走査線分のみを切り出して映像信号読み出し出力を行い、さらに画像水平方向は撮像素子出力映像信号を処理する過程で撮像素子上での垂直方向の切り出した割合に応じて出力映像信号の一定値の拡大・補間処理を行い、さらに得られた該制御量に応じて画像水平方向の切り出し信号処理を行うことで出力映像信号に手振れ防振処理と画像のアスペクト比の整合を行うように構成した装置において、手振れ防振処理を行わない場合には該撮像素子上に該光学系を通して結像する光学画像のアスペクト比を撮像素子上の垂直方向に切り出す割合に応じた一定値に変換する変換手段と、画像水平方向は撮像素子出力映像信号の拡大・補間処理を行わないかまたは拡大・補間率を手振れ防振処理時に対して少なくとも低減させる制御手段とをともに有することを特徴とするものである。
【0022】
(作用)
本発明に係る映像信号処理装置では、手振れ防振処理を行わない場合には撮像素子上に光学系を通して結像する光学画像のアスペクト比を撮像素子上の垂直方向に切り出す割合に応じた一定値に変換し、画像水平方向は撮像素子出力映像信号の拡大・補間処理を行わないかまたは拡大・補間率を手振れ防振処理時に対して少なくとも低減させることにより手振れ防振処理を行う場合に比べて高解像度の映像信号を得る事ができる。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように、本発明に係る映像信号処理装置では、手振れ防振処理を行わない場合には撮像素子上に光学系を通して結像する光学画像のアスペクト比を撮像素子上の垂直方向に切り出す割合に応じた一定値に変換し、画像水平方向は撮像素子出力映像信号の拡大・補間処理を行わないかまたは拡大・補間率を手振れ防振処理時に対して少なくとも低減させることにより手振れ防振処理を行う場合に比べて高解像度の映像信号を得る事ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明に係る映像信号処理装置及び映像信号処理方法の一実施例について、図面を参照しながら説明する。本実施例の映像信号処理装置は、いわゆるカメラ一体型ディジタルビデオテープレコーダに本発明を適用した一例である。
【0025】
この実施例におけるカメラ一体型ディジタルビデオテープレコーダは、例えば図1に示すように、レンズを透過した透過光を結像させるレンズ系1と、このレンズ系1による結像光学像を電気信号に変換する固体撮像素子2とで構成される撮像部と、固体撮像素子2からの出力信号を入力してカメラにおける信号処理を行うカメラ信号処理部3と、カメラ信号処理部3からのディジタル映像信号を入力しVTR用信号の処理を施すVTR信号処理部4と、記録時にVTR信号処理部4からの出力ディジタル信号を磁気テープに記録し、再生時に磁気テープに記録している情報を再生する記録再生系5と、VTR信号処理部4からの映像信号を制御信号に応じて一時的に書き込み、また、書き込まれた映像信号を制御信号に応じて読み出す映像メモリ部6と、装置全体の手振れ振動量・振動方向を検出する手振れ検出部7と、撮像素子の読み出し駆動タイミングを制御する駆動タイミング制御部10と、レンズ系1、固体撮像素子2、カメラ信号処理部3、VTR信号処理部4、記録再生系5、映像メモリ部6、駆動タイミング制御部10を制御する制御系8とで構成されている。
【0026】
レンズ系1は、複数のレンズ群で構成されている。レンズ系1は、固体撮像素子2、カメラ信号処理部3を介して供給される信号から制御系8が出力する制御信号でレンズ系1のアイリスメータを制御する。このアイリス制御により、レンズ系1は入射光量を絞って調整されて露出制御が行われる。
【0027】
固体撮像素子2は、電子シャッタの開閉制御あるいは有効走査線領域の切り出し制御などの各種タイミング制御が駆動タイミング制御部10からの制御信号に応じて行われる。また、このタイミング制御によって、固体撮像素子2は、例えば現行放送方式の一つであるNTSC方式に準拠した映像信号をカメラ信号処理部3に出力する。
【0028】
固体撮像素子2を通常よく使用される汎用の色差線順次補色インターラインタイプの場合について例示すると、カメラ信号処理部3では、撮像素子から出力された映像信号を相関二重サンプリング回路(CDS)に入力する。ここでは、撮像素子での電荷転送時に発生するリセット雑音や1/fノイズを取り除き、黒レベルの変動や横引きノイズのない映像信号として整える。CDS回路から出力された映像信号は、自動利得調整(AGC)回路によって、ゲインを調整された後、A/D変換器によりA/D変換され、ディジタル信号に変換された後、ディジタル信号処理回路(DSP)に入力される。DSPでは上記信号の輝度、色分離を行い、輝度についてはγ変換部でγ変換を行い、Knee変換部でKnee変換を行い、最後にローパスフイルタによって帯域制限することにより輝度信号成分Yを得る。また、色信号を取り出すためには色分離回路から得られる線順次色差信号を同時化した後、輝度信号とのマトリクス処理にてR,G,Bの原色に変換した後、ホワイトバランスゲインコントロールを受け、色用のγ変換部でγ変換を行い、Knee変換部でKnee変換を行い、最後にR−Y、B−Yの2種類の色差信号にマトリクス変換されて出力される。上記映像信号のホワイトバランスの調整及び映像信号の信号レベルをゲイン調整するAGC制御を制御系8からの制御信号に応じて行っている。
【0029】
VTR信号処理部4は、カメラ信号処理部3からのディジタル映像信号により映像信号を出力端子9を介して出力する。VTR信号処理部4には、制御系8からVTRのフォーマットに対応したディジタルVTR信号を生成する制御信号が供給される。
【0030】
また、VTR信号処理部4は、カメラ信号処理部3からのディジタル映像信号を、制御系8のメモリ制御信号に応じて映像メモリ部6に出力する。このVTR信号処理部4には、特殊効果処理を施すため、供給された映像信号に対してディジタルエフェクト信号処理部を設けている機種もある。
【0031】
上記映像メモリ部6は、例えばラインメモリやフィールドメモリまたはフレームメモリで構成される。映像メモリ部6は、上記したように制御系8によるメモリヘの信号の書込み/読出し制御が行われる。
【0032】
記録再生系5は、記録時にVTR信号処理部4からの供給される映像信号を回転ヘッド・ドラムに配設した回転磁気ヘッドを介して磁気テープの記録トラックにディジタル信号フォーマットにて動画や静止画として記録している。
【0033】
また、再生時に記録再生系5は、磁気テープの記録トラックに記録されているディジタル映像信号を動画や静止画として例えば回転ヘッド・ドラムを介して再生する。
【0034】
手振れ検出部7は通常、装置全体の水平・垂直(ヨー・ピッチ)方向のブレ・ゆれを検出する角速度検出素子いわゆるジャイロ素子を有している。ジャイロ素子からの手振れ検出信号は制御系8に出力され、検出信号を処理し得られた防振制御量に応じて出力映像信号に電子防振処理を行えるように制御系8は各ブロックを制御する。この制御方法については後述する。なお、手振れ検出部としてジャイロ素子などの角速度検出素子のかわりに撮像素子2から得られたディジタル映像信号そのものを演算し、映像の時系列動き成分いわゆる動きベクトルを検出し、これを手振れ検出信号として代用するように構成する機種もある。この場合は手振れ検出部7は不要となるが検出動きベクトルを処理し得られた防振制御量に応じて出力映像信号に電子防振処理を行えるように制御系8が各ブロックを制御する点は同様である。
【0035】
制御系8は以下の制御手段により電子防振処理を行う。
【0036】
固体撮像素子2は垂直方向に防振領域としてある一定量の水平走査線分をあらかじめ付加してある撮像素子であり、撮像素子上で垂直方向は防振領域を除いて必要な水平走査線分の切り出しを行う。必要とする水平走査線とは映像信号出力のフォーマット例えばNTSC方式等から一意的に決定される数値であり、例えばNTSC方式の場合は全水平走査線数525本中の帰線期間を除いた有効査線数約480本である。固体撮像素子2は例えば一般的なTVシステムであるPAL方式(全走査線数625本、有効走査線数約580本)用の汎用固体撮像素子をNTSC用に使用するもので垂直方向に防振領域として有効走査線数差である約100本の水平走査線が付加される。すなわち、PAL方式固体撮像素子の有効走査線数580本からNTSC方式の有効査線数480本を切り出す防振率すなわち最大の切り出し位置変位量はこの比であるところの約1.2倍すなわち約20%に決定される。水平方向においては撮像素子から得られた映像信号処理を行う過程で電子ズーム拡大・補間信号処理を行って画像のアスペクト比を整合するとともに信号の切り出しを行う。図1において制御系8は手振れ検出信号または検出動きベクトルを処理し得られた制御量に応じて駆動タイミング制御部10を制御し、固体撮像素子2の有効査線分の切り出し開始位置を決定する。駆動タイミング制御部10は切り出し開始位置までの不要な水平走査線分の信号を高速に掃き捨て、必要な水平走査線分の信号を通常の速さで読み出したのち、残りの不要な水平走査線分の信号を高速に掃き捨てるように固体撮像素子2の読み出し駆動タイミングを制御する。また、制御系8は映像メモリ部6、VTR信号処理部4を制御し、あらかじめ決定した防振率すなわち撮像素子より得られる有効水平走査線領域を切り出す割合に応じて映像信号の水平拡大補間処理を行い、また切り出し位置を決定する。
【0037】
レンズ系1は図1に示すようにその光路中に固体撮像素子2上に結像する光学画像を所定方向に縮小または拡大する光学系いわゆるアナモフィックコンバーターレンズ11が挿入装着できるように構成されている。挿入時には固体撮像素子2上の結像光学画像のアスペクト比を所定の値に変換する。
【0038】
図3はアナモフィックコンバーターレンズ11が挿入装着された場合のアナモフィックレンズと主撮影系であるマスターレンズ群との配置の例を示している。ここでマスターレンズ群は図1におけるレンズ系12に相当する。図3(A)はアナモフィックレンズ11が屈折力を持っている水平方向の結像を示す水平断面光路図、図3(B)はアナモフィックレンズ11が屈折力を持っていない垂直方向の結像を示す垂直断面光路図である。アナモフィックレンズl1は15および16のシリンドリカルレンズにより構成されている。図3に示したようにアナモフィックレンズ11は水平断面でのみパワーを有しており、垂直断面においては平行平板としての作用しか持たない。
【0039】
図2はアナモフィックコンバーターレンズ11が挿入装着された場合の固体撮像素子2上に結像する光学画像の例を示しており、被写体が真円の場合には結像光学画像は横長のすなわち水平方向に伸長した楕円に変換される。ここで結像光学画像の水平方向の伸長の割合すなわちアスペクト比の変換の割合は例えば上記説明したPAL方式固体撮像素子の有効走査線数580本からNTSC方式の有効査線数490本を切り出す防振率すなわち最大の切り出し位置変位量であるところの約1.2倍に選定され、このような作用を有するアナモフィックレンズが使用される。
【0040】
次に動作について説明する。手振れ防振処理を行う場合にはアナモフィックレンズの挿入装着は行われず、上記説明したような電子防振処理が行われる。手振れ防振処理を停止する場合にはアナモフィックレンズの挿入装着をおこなうとともに垂直方向は撮像素子上の有効走査線読み出し開始位置の固定を行い、水平方向は映像信号の水平拡大補間処理を停止するとともに信号切り出し処理も停止することで原信号をスルーして、水平拡大補間処理を行わない高解像度の水平方向映像信号を得る。
【0041】
図1において防振オンオフスイッチ14あるいは静止画記録用スイッチ13が選択投入された場合、これらのスイッチ投入による電気的あるいは機械的なリモート制御により、アナモフィックコンバーターレンズ11が光路中に直接挿入装着される。図において点線Aは上記リモート制御の動作制御線を示す。また、点線Bはアナモフィックレンズの挿入装着を制御系8を介して行う場合の動作制御線を示しており、制御系8は手振れ防振処理停止時にはアナモフィックレンズを挿入装着するためのアクチュエータ駆動部(図示せず)の駆動制御を行い、アナモフィックコンバーターレンズ11を光路中に挿入装着する。また、制御系8は上記アナモフィックレンズの挿入装着とともに点線A・Bのいずれの場合でも撮像素子上の有効走査線読み出し開始位置の固定を行い、また映像メモリ部6、VTR信号処理部4を制御し、水平方向の映像信号の水平拡大補間処理を行わずまた信号切り出し処理も停止することで原信号をスルーする。点線Aの動作制御の場合でも制御系8の映像メモリ部6、VTR信号処理部4に対する処理は同様である。
【0042】
なお、静止画記録用スイッチ13についてはあらかじめ防振機能を動作させて静止画記録を行うかまたは防振機能を停止させて静止画記録を行うかの選択ができるように構成することも可能であり、静止画撮影時に防振機能を動作させる場合には以上の動作制御処理は行われない。また、上記動作制御処理は手振れ防振処理を完全に停止する場合について説明したがアナモフィックレンズの挿入装着を行った場合に撮像素子上の有効走査線切り出しはこれを行っても問題ないため、すなわち垂直方向のみ手振れ防振を行うような方式への応用も可能である。
【0043】
アナモフィックコンバーターレンズの挿入装着位置は図3で図示した位置にとどまらず、図示はしないがアスペクト比変換効果が得られれば光学系のどの位置でも良い。また、挿入装着に際しての手振れ防振処理時に得られていた撮像素子上の結像光学像の画角変化およびピント面移動を避けるため、手振れ防振時にはアナモフィックレンズの挿入装着予定位置あるいは別位置にあらかじめアナモフィックレンズの焦点距離と同等の焦点距離を有するレンズあるいは平行平板が装着されているように構成しても良い。
【0044】
また、詳細な説明は行わないがアナモフィックレンズが挿入装着された場合のオートフォーカス制御、露出制御等は手振れ防振処理時の制御に準じて適宜行われる。
【0045】
さらに、本実施例における固体撮像素子は汎用の色差線順次補色インターラインタイプとしたが、このタイプに限定される事はなく、他の単板色コーディング方式であっても良いし、さらに例えばRGBそれぞれに撮像素子を割り当てる3板撮像素子方式のような多板固体撮像素子を使用する場合であっても良い。また、記録再生系のフォーマットも限定されるものでなく、あらゆるフォーマットのビデオテープレコーダに使用できることは明かである。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明に係る実施例の映像信号処理装置を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る実施例の画像アスペクト比の関係を説明する図である。
【図3】アナモフィックレンズとマスターレンズ群との配置例を示す図である。
【図4】防振時の画像アスペクト比の関係を説明する図である。
【図5】信号拡大補間処理の例を示す図である。
【図6】従来例の映像信号処理装置を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0047】
1 レンズ系
2 固体撮像素子
3 カメラ信号処理部
4 VTR信号処理部
5 記録再生系
6 映像メモリ部
7 手振れ検出部
8 制御系
9 映像信号出力端子
10 撮像素子駆動タイミング制御部
11 アナモフィックコンバーターレンズ
12 マスターレンズ群
13 静止画記録用スイッチ
14 防振オンオフスイッチ
15,16 シリンドリカルレンズ
【出願人】 【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
【出願日】 平成18年7月4日(2006.7.4)
【代理人】 【識別番号】100090538
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 恵三

【識別番号】100096965
【弁理士】
【氏名又は名称】内尾 裕一


【公開番号】 特開2008−17023(P2008−17023A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−184535(P2006−184535)