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【発明の名称】 動画像ノイズ除去装置
【発明者】 【氏名】小野 みどり

【要約】 【課題】インパルスノイズおよびフレーム間差分の抑圧をともに処理しても、遅延の少なく、必要とするメモリの少ない動画像ノイズ除去装置を提供する。

【構成】動画像ノイズ除去装置は、正の整数Nが正の整数Mを超える場合、入力された画素値および該画素値の入力に対して1から2n{但し、nはNから(N−M)までの異なる正の整数)ライン分それぞれ前に入力された2n個の画素値が入力され、フィルタ処理して得る画素値を画素値の入力に対してnライン分前に入力された画素値に代えて出力する(M+1)個の第1画像フィルタと、(M+1)個の第1画像フィルタから出力された画素値および(2N+1)個入力の第1画像フィルタから出力された画素値が1からMライン分それぞれ遅延された画素値が入力され、フィルタ処理して得る画素値を(2N+1)個入力の第1画像フィルタの出力が入力された画素値に代えて出力する第2画像フィルタと、を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続するフレーム内の上下方向に並ぶライン上に並ぶ画素のラスタースキャン順に入力される画素値からなる動画像の画像データに含まれるノイズを除去する動画像ノイズ除去装置において、
予め定めた正の整数Nが予め定めた正の整数Mを超える場合、入力された画素値および該画素値の入力に対して1ライン分から2n{但し、nはNから(N−M)までの異なる正の整数)ライン分それぞれ前に入力された2n個の画素値がそれぞれ入力され、フィルタ処理して得る画素値を上記画素値の入力に対してnライン分前に入力されたそれぞれの画素値に代えて出力する(M+1)個の第1画像フィルタと、
上記(M+1)個の第1画像フィルタから出力された画素値および上記(2N+1)個の画素値が入力された第1画像フィルタから出力された画素値が1ライン分からMライン分それぞれ遅延された画素値が入力され、フィルタ処理して得る画素値を上記(2N+1)個の画素値が入力された第1画像フィルタの出力が入力された画素値に代えて出力する第2画像フィルタと、
を有することを特徴とする動画像ノイズ除去装置。
【請求項2】
連続するフレーム内の上下方向に並ぶライン上に並ぶ画素のラスタースキャン順に入力される画素値からなる動画像の画像データに含まれるノイズを除去する動画像ノイズ除去装置において、
予め定めた正の整数Mが予め定められた正の整数N以上のとき、入力された画素値および該画素値の入力に対して1ライン分から2n{但し、nはNから1までの異なる正の整数)ライン分それぞれ前に入力された2n個の画素値がそれぞれ入力され、フィルタ処理して得る画素値を上記画素値の入力に対してnライン分前に入力されたそれぞれの画素値に代えて出力するN個の第1画像フィルタと、
入力された画素値をそのまま、または入力された画素値をフィルタ処理して得る画素値を出力する第3画像フィルタと、
上記N個の第1画像フィルタから出力された画素値、上記第3画像フィルタから出力される画素値および上記(2N+1)個の画素値が入力された第1画像フィルタから出力された画素値が1ライン分から(2M−N)ライン分それぞれ遅延された画素値が入力され、フィルタ処理して得る画素値を上記(2N+1)個の画素値が入力された第1画像フィルタの出力を(M−N)ライン分遅延されて入力された画素値に代えて出力する第2画像フィルタと、
を有することを特徴とする動画像ノイズ除去装置。
【請求項3】
上記第2画像フィルタは、
直近のフレームの画素値を記憶するフレームメモリと、
所定個のライン×所定個の画素の画素値と上記フレームメモリに記憶された上記所定個のライン×所定個の画素の画素値から動領域判定値を出力する動領域演算手段と、
上記動領域判定値および所定の閾値から処理対象の画素が静止領域、動領域または上記動領域と上記静止領域の境界のいずれかに属するか判定する動領域判定手段と、
上記動領域判定手段の判定結果に応じてあらかじめ決められた3種類の特性から、中央に位置するラインの中央に位置する画素の値を変更して、上記フレームメモリ上の該当する位置の画素の画素値との差を減少させる差分抑圧手段と、
を有することを特徴とする請求項1または2に記載の動画像ノイズ除去装置。
【請求項4】
上記動領域演算手段は、所定の個数のラインの画素値が入力され、中央に位置するラインの中央に位置する画素を囲繞する所定の個数のライン×所定の個数の画素の領域の画素値と、上記フレームメモリに記憶された直近のフレームの上記所定の個数のライン×所定の個数の画素の領域の対応する領域の画素値との差分絶対値を算出し、該差分絶対値の最大値を出力することを特徴とする請求項3に記載の動画像ノイズ除去装置。
【請求項5】
上記第1画像フィルタは、メディアンフィルタで構成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の動画像ノイズ除去装置。
【請求項6】
上記第1画像フィルタは、所定の個数のラインの画素値が入力される所定の個数のライン×所定の個数の画素からなるメディアンフィルタであることを特徴とする請求項5に記載の動画像ノイズ除去装置。
【請求項7】
上記第3画像フィルタは、1ラインの画素値が入力される水平の所定の個数の画素からなるメディアンフィルタであることを特徴とする請求項2に記載の動画像ノイズ除去装置。
【請求項8】
上記第1画像フィルタは、垂直方向に特定の重み付けで平均を取る垂直フィルタであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の動画像ノイズ除去装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、入力動画像のノイズを除去し、画質の改善を行うための動画像ノイズ除去装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のノイズ除去装置において、複数ラインの画素値が入力される複数のフィルタは、独立に処理されることが多かった。そのため、3つのラインが入力されるフィルタを2つ利用するときには、前段に配置されたフィルタで1ライン分遅延され、後段に配置されたフィルタでさらに1ライン分遅延されるので、演算遅延以外に、2ライン分の遅延が必要である。
例えば、3ラインメディアンフィルタでは、入力画素値を2ライン分遅延した画素値、1ライン分遅延した画素値、遅延なしの画素値の3ラインの画素値を入力し、これらをソートして中央の値を出力する。出力画素値は、入力の1ライン分遅延した画素値に相当するので、3ラインメディアンフィルタでの処理遅延は、1ライン分遅延と演算遅延との合算値である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、入力画像を2次元LPF演算しているノイズ低減回路では、対象とする画素の周辺が演算対象となるため、少なくとも水平および垂直方向に3個以上の画素値が入力されることが必要である。ここで、最小の3画素×3ラインの入力を想定すると、入力画素値を2ライン分遅延した画素値、1ライン分遅延した画素値、遅延なしの画素値の3ラインの画素値を入力し、LPF演算処理を行う。この演算の結果、得られる画素値は中央の1ライン分遅延した画素値である。その結果、動静の判定をこの位置の画素に対して行うこととなり、入力画素値を1ライン分遅延した画素値のノイズ低減演算が実行される。このため、このノイズ低減回路での処理遅延は、1ライン分遅延と演算遅延との合算値である(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平09−200579号公報
【特許文献2】特開平06−225178号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、メディアンフィルタによるインパルスノイズ除去と、フレーム間差分抑圧フィルタによるノイズ低減とをともに行うときには、メディアンフィルタとフレーム間差分抑圧フィルタとを直列に接続する。このとき、入力ライン分の画素値を揃えるため、ライン遅延が挿入されるが、このライン遅延は、上下のNラインずつの画素値が入力される場合、すなわち入力ライン数が(2×N+1)の場合、Nライン分の遅延となる。そして、前段に配置されたフィルタに上下のNラインずつの画素値が入力され、後段に配置されたフィルタに上下のMラインずつの画素値が入力されるので、演算遅延に加え、(N+M)ライン分の遅延が発生する。このため、入力ライン数が多いほど遅延が大きくなり、かつ遅延を実現するためのメモリ等の回路も多くなるという問題がある。
【0006】
この発明の目的は、インパルスノイズおよびフレーム間差分の抑圧をともに処理しても、遅延の少なく、必要とするメモリの少ない動画像ノイズ除去装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係わる動画像ノイズ除去装置は、連続するフレーム内の上下方向に並ぶライン上に並ぶ画素のラスタースキャン順に入力される画素値からなる動画像の画像データに含まれるノイズを除去する動画像ノイズ除去装置において、予め定めた正の整数Nが予め定めた正の整数Mを超える場合、入力された画素値および該画素値の入力に対して1ライン分から2n{但し、nはNから(N−M)までの異なる正の整数)ライン分それぞれ前に入力された2n個の画素値がそれぞれ入力され、フィルタ処理して得る画素値を上記画素値の入力に対してnライン分前に入力されたそれぞれの画素値に代えて出力する(M+1)個の第1画像フィルタと、上記(M+1)個の第1画像フィルタから出力された画素値および上記(2N+1)個の画素値が入力された第1画像フィルタから出力された画素値が1ライン分からMライン分それぞれ遅延された画素値が入力され、フィルタ処理して得る画素値を上記(2N+1)個の画素値が入力された第1画像フィルタの出力が入力された画素値に代えて出力する第2画像フィルタと、を有する。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係わる動画像ノイズ除去装置の効果は、インパルスノイズを除去できる第1画像フィルタとフレーム間差分を抑圧できる第2画像フィルタを備えて動画像のノイズを除去処理しても、第2画像フィルタの入力として第1画像フィルタの出力を入力ライン数を減少させたものを使用しているので、処理に伴って発生する遅延がMとNの大きな方の数のライン分の遅延と演算遅延だけであり、従来の(M+N)ライン遅延と演算遅延に比べてMまたはNの小さい方分のライン遅延を短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係わる動画像ノイズ除去装置の構成図である。
動画像は、所定の周期で切り替わるフレームで構成され、フレームは、複数の画素から構成されている。画素は、人がフレームを眺めたときの上方左端から水平に右手方向に走査され、右端に達すると1画素分下方に移動しながら左端から再度水平に右手方向に走査を繰り返す。このとき、左端から右端に1回走査する画素群をライン(走査線)と称す。
動画像のデータは、画素毎の画素値から構成され、画素値は、ライン毎、フレーム毎に送受信される。そしてこの発明に係わる動画像ノイズ除去装置は、動画像のデータに送受信の過程で加わるノイズをメディアンフィルタとフレーム間差分抑圧フィルタで除去する機能を有する。
【0010】
この発明の実施の形態1に係わる動画像ノイズ除去装置は、図1に示すように、入力された元動画像の画素値を2ライン分記憶し、2ライン分遅延した画素値を2ライン遅延画素値として出力する2ライン遅延手段1、入力された元動画像の画素値を1ライン分を記憶し、1ライン分遅延した画素値を1ライン遅延画素値として出力する1ライン遅延手段2を有する。
【0011】
また、動画像ノイズ除去装置は、2ライン遅延画素値、1ライン遅延画素値および入力された元動画像の画素値が入力され、2ライン遅延画素値が入力される直近に入力された2個の2ライン遅延画素値、1ライン遅延画素値が入力される直近に入力された2個の1ライン遅延画素値および元動画像の画素値が入力される直近に入力された2個の元動画像の画素値を記憶し、3つの2ライン遅延画素値、3つの1ライン画素値および3つの元動画像の画素値を大きさ順に並べ替え、大きさの中央の画素値を出力する選択回路3を有する。なお、この選択回路3は、3入力の第1画像フィルタであり、3ライン×3画素メディアンフィルタを構成する。
【0012】
ここで、選択回路3の動作を図2を参照して説明する。図2(a)において、1行目には2ライン遅延画素値、2行目には1ライン遅延画素値、3行目には、元動画像の画素値を示す。また、1列目には今回入力された画素値、2列目には直近に入力された画素値、3列目には2つ前に入力された画素値を示す。図2(a)に示す9つの画素値を大小の順に並べ替えると図2(b)のようになる。そして、大きさが中央の画素値、図2(b)の場合、8を画素値として出力する。
【0013】
また、動画像ノイズ除去装置は、入力された元動画像の画素値が入力され、元動画像の画素値が入力される直近に入力された2個の元動画像の画素値を記憶し、3つの元動画像の画素値を大きさ順に並べ替え、大きさの中央の画素値を出力する第3画像フィルタとしての水平メディアンフィルタ4、選択回路3から出力される画素値を1ライン分記憶し、1ライン分遅延する画素値を出力する第2の1ライン遅延手段5を有する。なお、この水平メディアンフィルタ4は、水平3画素メディアンフィルタを構成する。
【0014】
ここで、水平メディアンフィルタ4の動作を図3を参照して説明する。図3(a)において、1列目には今回入力された元動画像の画素値、2列目には直近に入力された元動画像の画素値、3列目には2つ前に入力された元動画像の画素値が示されている。図3(a)に示す3つの画素値を大小の順に並べ替えると図3(b)のようになる。そして大きさが中央の画素値、図3(b)の場合、11を画素値として出力する。
【0015】
また、動画像ノイズ除去装置は、第2の1ライン遅延手段5から出力される画素値、選択回路3から出力される画素値、水平メディアンフィルタ4から出力される画素値が入力され、第2の1ライン遅延手段5から出力される画素値が入力される直近に入力された2個の画素値、選択回路3から出力される画素値が入力される直近に入力された2個の画素値および水平メディアンフィルタ4から出力される画素値が入力される直近に入力された2個の画素値と入力された3つの画素値とを用いて3行3列の現フレーム画素値行列を作成し、選択回路3から出力される画素値が入力される直近に入力された画素値に対応する画素を囲繞する9画素のフレームメモリ7に記憶されている画素値を用いて3行3列の前フレーム画素値行列を作成し、現フレーム画素値行列と前フレーム画素値行列の行列要素毎の差分の絶対値を求め、差分の絶対値の最大値Qを出力する動領域演算手段6を有する。
【0016】
ここで、動領域演算手段6の動作を図4を参照して説明する。図4(a)は、現フレーム画素値行列、図4(b)は、前フレーム画素値行列、図4(c)は、差分の絶対値の行列を示す。そして、差分の絶対値の最大値Qは、図4(c)の場合、3となる。
【0017】
また、動画像ノイズ除去装置は、動領域演算手段6から出力される差分の絶対値の最大値Qが入力され、最大値Qと予め定められた2つの閾値TH、2×THとを用いて3つの特性に分類し、特性を示す値を出力する動領域判定手段8、特性に応じて選択回路3から出力される画素値と、選択回路3から出力される画素値の画素に対応する対応するフレームメモリ7に記憶されている前フレームの画素の画素値と、の差分を抑圧する差分抑圧回路9を有する。なお、動領域演算手段6、動領域判定手段8、差分抑圧回路9およびフレームメモリ7は、第2画像フィルタを構成する。
【0018】
ここで、動領域判定手段8の動作について説明する。差分の絶対値の最大値Qと2つの閾値THおよび2×THを用いて3つの特性に分類する。例えば、最大値Qが0以上で閾値TH以下のとき、特性a、最大値Qが閾値THを超えて閾値2×TH以下のとき、特性b、最大値Qが閾値2×THを超えるとき、特性cと分類する。
次に、差分抑圧回路9の動作について図5を参照して説明する。図5には、選択回路3から出力される画素値とそれに対応する前フレームの画素値との差分を横軸に表し、選択回路3から出力される画素値を変更した画素値とそれに対応する前フレームの画素値との差分を縦軸に表している。特性cの場合、差分は変わらないが、特性bの場合、選択回路3から出力された画素値を変更して差分が小さくなるようにする。さらに、特性aの場合、差分がさらに小さくなるように画素値を変更し、差分抑圧する。
【0019】
次に、この発明の実施の形態1に係わる動画像ノイズ除去装置の動作を図6のタイミングチャートを使って説明する。
元画像の画素値として、フレームの各ラインの画素の画素値が順次入力される。
選択回路3への入力は、2ライン遅延手段1から出力される2ライン遅延画素値、1ライン遅延手段2から出力される1ライン遅延画素値、元画像の画素値が入力される。
選択回路3からの出力は、3ライン×3画素の9個の画素値の大きさの中央値(メディアン)で1ライン遅延画素値を置き換えるので、この出力には1ライン分の遅延と処理遅延が発生する。
水平メディアンフィルタ4は、元画像の画素値が入力され、水平3画素の3個の画素値の大きさの中央値(メディアン)で元画像の画素値を置き換えて出力するので、この出力には処理遅延が発生する。
動領域演算手段6は、選択回路3から出力された画素値、第2の1ライン遅延手段5から出力される選択回路3から出力された画素値を1ライン分遅延した画素値および水平メディアンフィルタ4から出力された画素値が入力される。このうち、選択回路3から出力された画素値を1ライン分遅延した画素値がある程度の演算遅延の後差分抑圧回路9から最終画素が出力される。結果、入力から出力前の遅延は、1ライン分遅延とメディアンフィルタおよび差分抑圧処理の処理遅延を足したものとなる。
【0020】
このような動画像ノイズ除去装置は、メディアンフィルタとフレーム間差分抑圧フィルタでの処理を1ライン分遅延と処理遅延だけで行うことができる。そして、従来のようにメディアンフィルタとフレーム間差分抑圧フィルタを直列に接続した場合より1ライン分の遅延を短縮することができる。
また、処理に伴って発生する遅延が影響する範囲は、動領域演算手段6だけであるため、影響を少なく押さえることができる。たとえば、水平メディアンフィルタ4は、垂直方向の細いラインを消しやすいので、その影響で静止領域を動領域と誤判定することがあり得る。しかし、処理対象は1ライン上の、3ライン×3画素のメディアンフィルタの出力であるため、垂直方向の細いラインが消去されて出力されることはない。
【0021】
また、メディアンフィルタはインパルスノイズ除去に有効であり、一方フレーム間差分抑圧フィルタは、動画像に含まれる静止部分の画素値の揺れを抑制することができる。そして、メディアンフィルタとフレーム間差分抑圧フィルタを直列に接続することで2種類のノイズの除去を行える。さらに、インパルスノイズによる動領域演算での誤判定を防ぐこともできる。
【0022】
また、この実施の形態1に係わるメディアンフィルタの出力は、選択回路3で行う3ライン×3画素のメディアンフィルタ処理の結果であるが、対象画像の上下左右の5画素のフィルタや、対象画素の上下のみの垂直メディアンフィルタでも実現可能である。また、隣接5画素、上下3画素、水平3画素のメディアンフィルタ、フィルタ無しなどと、何らかの判定に基づいて切替を行うことも可能である。
【0023】
また、動領域演算手段6では、上述のような演算方法以外にも、周辺9画素に重み付け平均を使用した平均値と処理対象画素位置と同じ位置の前フレームの画素値との差分をとり、その差分値を判定用の値として出力することでも実現可能である。
【0024】
実施の形態2.
図7は、この発明の実施の形態2に係わる動画像ノイズ除去装置の構成図である。
この発明の実施の形態2に係わる動画像ノイズ除去装置は、図7に示すように、実施の形態1に係わる動画像ノイズ除去装置に3ライン遅延手段11、4ライン遅延手段12、垂直5画素フィルタ13、第2の2ライン遅延手段14を追加し、選択回路3の代わりに垂直3画素フィルタ15、水平メディアンフィルタ4の代わりにスルー手段16、動領域演算手段6の代わりに動領域演算手段6Bを有することが異なっており、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記して説明は省略する。この実施の形態2に係わる動画像ノイズ除去装置では、垂直3画素フィルタ15および垂直5画素フィルタ13が第1画像フィルタを構成している。また、スルー手段16が第3画像フィルタを構成している。
【0025】
3ライン遅延手段11は、入力された元動画像の画素値を3ライン分記憶し、3ライン分遅延した画素値を3ライン遅延画素値として出力する。
4ライン遅延手段12は、入力された元動画像の画素値を4ライン分記憶し、4ライン分遅延した画素値を4ライン遅延画素値として出力する。
【0026】
垂直5画素フィルタ13は、4ライン遅延画素値、3ライン遅延画素値、2ライン遅延画素値、1ライン遅延画素値および入力された元動画像の画素値が入力され、4ライン遅延画素値、3ライン遅延画素値、2ライン遅延画素値、1ライン遅延画素値および入力された元動画像の画素値に所定の係数で重み付けして加算し、所定の値で除算して、その商を2ライン遅延画素値の代わりに出力する。具体的な例として、垂直5画素フィルタ13では、式(1)に従って重み付け平均値を求める。なお、画素の座標(x,y)のフィルタ前の画素値をI(x,y)、フィルタ後の画素値をI’(x,y)とする。
所定の係数の選択方法によっては、画像に含まれる高周波成分を取り除くことができ、その結果インパルスノイズを除去することも可能である。また、同様に特定の周波数成分を強調することも可能で、その結果エッジを強調することも可能である。
【0027】
【数1】


【0028】
垂直3画素フィルタ15は、2ライン遅延画素値、1ライン遅延画素値および入力された元動画像の画素値が入力され、2ライン遅延画素値、1ライン遅延画素値および入力された元動画像の画素値に所定の係数で重み付けして加算し、所定の値で除算して、その商を1ライン遅延画素値の代わりに出力する。具体的な例として、垂直3画素フィルタ15では、式(2)に従って重み付け平均値を求める。この所定の係数は、垂直5画素フィルタ13の係数と類似の係数を使用しており、垂直5画素フィルタ13と同様の効果が得られる。
スルー手段16は、1入力の垂直画像フィルタである。そして、1入力の垂直画像フィルタは元画像の画素値をそのまま出力するものとする。
【0029】
【数2】


【0030】
動領域演算手段6Bは、垂直5画素フィルタ13から出力される画素値、垂直5画素フィルタ13から出力される画素値が1ライン分遅延された画素値、垂直5画素フィルタ13から出力される画素値が2ライン分遅延された画素値、垂直3画素フィルタ15から出力される画素値、スルー手段16から出力される画素値が入力される。
【0031】
また、動領域演算手段6Bは、第2の2ライン遅延手段14から出力される画素値が入力される直近に入力された5個の画素値、第2の1ライン遅延手段5から出力される画素値が入力される直近に入力された4個の画素値、垂直5画素フィルタ13から出力される画素値が入力される直近に入力された4個の画素値、垂直3画素フィルタ15から出力される画素値が入力される直近に入力された4個の画素値およびスルー手段16から出力される画素値が入力される直近に入力された4個の画素値と入力された5つの画素値とを用いて5行5列の現フレーム画素値行列を作成する。
【0032】
また、動領域演算手段6Bは、垂直5画素フィルタ13から出力される画素値が入力される2つ前に入力された画素値に対応する画素を囲繞する25画素のフレームメモリ7に記憶されている画素値を用いて5行5列の前フレーム画素値行列を作成し、現フレーム画素値行列と前フレーム画素値行列の行列要素毎の差分の絶対値を求め、差分の絶対値の最大値を出力する。
【0033】
このように構成することで、2つの垂直フィルタとフレーム間差分抑圧フィルタを直列に接続した場合に比べ2ライン分遅延を短縮できる。また、実施の形態1と同様に、遅延を短縮するため、精度の劣るフィルタ出力を使用しているが、領域判定にのみ影響するため、出力画素値に劣化の影響を受けることが少ない。
なお、この実施の形態2においては、垂直フィルタの入力は垂直5画素、垂直3画素としたが、7画素、9画素、・・・、(2n+1)画素(nは1〜Nまでの正の整数)と増やしても良い。
【0034】
また、実施の形態1に係わる動領域演算手段6は、元動画像の画素値、1ライン分遅延された画素値および2ライン分遅延された画素値が入力され、実施の形態2に係わる動領域演算手段6Bは、元動画像の画素値、1ライン分遅延している垂直3画素フィルタ15、2ライン分遅延している垂直5画素フィルタ13、その垂直5画素フィルタの出力が1ライン分遅延されて全体としては3ライン分遅延している第2の1ライン遅延手段5の出力および垂直5画素フィルタの出力が2ライン分遅延されて全体としては4ライン分遅延している第2の2ライン遅延手段14の出力が入力されている例を用いて説明したが、元動画像の画素値と1ライン分から2M(但し、Mは1以上の正の整数)ライン分それぞれ遅延された画素値とが入力されてもよい。Mが1の場合、実施の形態1の例となり、Mが2の場合、実施の形態2の例となる。
【0035】
また、実施の形態1においては、3つの画素値が入力される1個の第1画像フィルタを用いており、実施の形態2においては、5つの画素値と3つの画素値とがそれぞれ入力される2個の第1画像フィルタを用いて説明したが、これに限るものではない。
ここで一般化した動画像ノイズ除去装置の構成を図8、図9を参照して説明する。図8は、第1画像フィルタに入力される画素値の数(2N+1)が第2画像フィルタに入力される画素値の数(2M+1)以下の場合の動画像ノイズ除去装置である。即ち、NがM以下の場合である。図9は、第1画像フィルタに入力される画素値の数(2N+1)が第2画像フィルタに入力される画素値の数(2M+1)を超えた場合の動画像ノイズ除去装置である。即ち、NがMを超えた場合である。
【0036】
そして、最も多くの画素値が入力される第1画像フィルタには、元動画像の画素値と1ライン分から2Nライン分それぞれ遅延された画素値が入力される。また、第2画像フィルタには、(2M+1)個の画素値が入力される。
NがM以下の場合、図8に示すように、第1画像フィルタの個数は、N個である。そして、第2画像フィルタには、N個の第1画像フィルタからの出力と、第3画像フィルタからの出力と、(2N+1)個の画素値が入力される第1画像フィルタの出力を1ライン分から(2M−N)ライン分遅延した(2M−N)個の画素値が入力される。
一方、NがMを超える場合、図9に示すように、第1画像フィルタの個数は、(M+1)個である。そして、第2画像フィルタには、(M+1)個の第1画像フィルタからの出力と、(2N+1)個の画素値が入力される第1画像フィルタの出力を1ライン分からMライン分遅延したM個の画素値が入力される。
【0037】
実施の形態1は、M=N=1であるので図8の具体例であり、実施の形態2は、M=N=2であるのでこれも図8の具体例である。
図8に示すNがM以下の場合、N個の第1画像フィルタに入力される画素値は、それぞれ(2N+1)個、{2(N−1)+1}個、・・・、5個、3個である。
このとき、第2画像フィルタに入力される画素値は(2M+1)個であるので、N個の第1画像フィルタからの出力、(2N+1)個の画素値が入力される第1画像フィルタの出力が1ライン分から(2M−N)ライン分それぞれ遅延された(2M−N)個の画素値および第3画像フィルタの出力が入力される。そして、第2画像フィルタからの出力は、(2N+1)個の画素値が入力された第1画像フィルタの出力が(M−N)ライン分遅延された画素値に代えて出力され、この(2N+1)個の画素値が入力された第1画像フィルタの出力がNライン分遅延された画素値に代えて出力されるので、第2画像フィルタの出力はMライン分遅延と演算遅延しているので、Nライン分だけ遅延が短縮される。
【0038】
一方、図9に示すNがMを超える場合、(M+1)個の第1画像フィルタに入力される画素値は、それぞれ(2N+1)個、{2(N−1)+1}個、{2(N−2)+1}個、・・・、{2(N−M+1)+1}個、{2(N−M)+1}個である。
このときも、第2画像フィルタに入力される画素値は(2M+1)個であるので、(M+1)個の第1画像フィルタからの出力、(2N+1)個の画素値が入力される第1画像フィルタの出力が1ライン分からMライン分それぞれ遅延されたM個の画素値が入力される。そして、第2画像フィルタからの出力は、(2N+1)個の画素値が入力された第1画像フィルタの出力に代えて出力され、この(2N+1)個の画素値が入力された第1画像フィルタの出力はNライン分遅延された画素値に代えて出力されるので、第2画像フィルタの出力はNライン分遅延と演算遅延の和だけ遅延しているので、Mライン分だけ遅延が短縮される。
【0039】
次に、N=4、M=3のようにNがMを超える場合について説明する。このとき、第1画像フィルタは(M+1)=4個の画像フィルタを有し、それぞれ9個、7個、5個、3個の画素値が入力される。そして、第2画像フィルタには7個の画素値が入力されるが、4個の第1画像フィルタからの出力、9個の画素値が入力された第1画像フィルタからの出力が1ライン分から3ライン分遅延された3個の画素値が入力される。ここで、9個の画素値が入力された第1画像フィルタの出力は4ライン分遅延して入力された画素値に代えて出力されている。第2画像フィルタは、その出力に代えてライン遅延なしで算出するため、合計の遅延は4ライン分遅延と演算遅延の和となる。
また、N=4、M=1の場合、第1画像フィルタは2個の画像フィルタを有し、それぞれ9個、7個の画素値が入力される。そして、第2画像フィルタには3個の画素値が入力されるが、2個の第1画像フィルタからの出力、9個の画素値が入力された第1画像フィルタからの出力が1ライン分遅延された1個の画素値が入力される。このとき、9個の画素値が入力された第1画像フィルタの出力は4ライン分遅延して入力された画素値に代えて出力されている。第2画像フィルタは、その出力に代えてライン遅延なしで算出するため、合計の遅延は4ライン分遅延と演算遅延の和となる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】この発明の実施の形態1に係わる動画像ノイズ除去装置に構成図である。
【図2】実施の形態1に係わる選択回路の処理を説明するための図である。
【図3】実施の形態1に係わる水平メディアンフィルタの処理を説明するための図である。
【図4】実施の形態1に係わる動領域演算手段の処理を説明するための図である。
【図5】実施の形態1に係わる差分抑圧で特性毎の差分抑圧量を示す図である。
【図6】動画像ノイズ除去装置のタイミングチャートである。
【図7】この発明の実施の形態2に係わる動画像ノイズ除去装置に構成図である。
【図8】第1画像フィルタに入力される画素値の数が第2画像フィルタに入力される画素値の数以下の場合の動画像ノイズ除去装置の構成図である。
【図9】第1画像フィルタに入力される画素値の数が第2画像フィルタに入力される画素値の数を超えた場合の動画像ノイズ除去装置の構成図である。
【符号の説明】
【0041】
1 2ライン遅延手段、2 1ライン遅延手段、3 選択回路、4 水平メディアンフィルタ、5 1ライン遅延手段、6、6B 動領域演算手段、7 フレームメモリ、8 動領域判定手段、9 差分抑圧回路、11 3ライン遅延手段、12 4ライン遅延手段、13 垂直5画素フィルタ、14 2ライン遅延手段、15 垂直3画素フィルタ、16 スルー手段。
【出願人】 【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
【出願日】 平成18年7月4日(2006.7.4)
【代理人】 【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治

【識別番号】100084010
【弁理士】
【氏名又は名称】古川 秀利

【識別番号】100094695
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 憲七

【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順


【公開番号】 特開2008−17021(P2008−17021A)
【公開日】 平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願番号】 特願2006−184519(P2006−184519)