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【発明の名称】 表示パネルの撮像方法及び表示パネルの撮像装置
【発明者】 【氏名】豊嶋 直穂子

【要約】 【課題】解像度が高く、モアレが低減された画像を得ることができる表示パネルの撮像方法及び撮像装置を提供する。

【構成】複数の絵素が周期的に配列された表示パネルを、複数の撮像素子が周期的に配列された撮像デバイスによって撮像することにより、撮像画像を取得する(ステップS1)。次に、この撮像画像における連続して配列された複数の画素を合成して1つの画素を形成することにより、縮小画像を作成する(ステップS2)。このとき、ステップS1において、表示パネルの各絵素をそれぞれ複数の撮像素子により撮像し、ステップS2において、撮像画像における複数の画素が配列された領域のそれぞれの位置及び面積を、所定の範囲内でランダムに設定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の絵素が周期的に配列された表示パネルを複数の撮像素子が周期的に配列された撮像デバイスによって撮像する表示パネルの撮像方法であって、
前記表示パネルを撮像して撮像画像を得る工程と、
前記撮像画像における連続して配列された複数の画素を合成して1つの画素を形成することにより縮小画像を作成する工程と、
を備え、
前記撮像画像を得る工程において、前記表示パネルの各絵素をそれぞれ複数の前記撮像素子により撮像し、
前記撮像画像を得る工程において、前記撮像画像における前記複数の画素が配列された領域のそれぞれの位置及び面積を、所定の範囲内でランダムに設定することを特徴とする表示パネルの撮像方法。
【請求項2】
前記縮小画像を作成する工程において、画像の縮小率をNとし、前記縮小画像における座標(x,y)に位置する画素の画素値をp(x,y)とし、前記撮像画像における座標(X,Y)に位置する画素の画素値をP(X,Y)とし、前記撮像画像における前記複数の画素からなる領域内において座標(i,j)に位置する画素の重み関数を原点(0,0)に関して点対称な関数W(i,j)とし、(−1)乃至(+1)の範囲でランダムな値をとる乱数をrnd1、rnd2、rnd3とし、定数をC、C、Cとするとき、前記縮小画像における画素値p(x,y)を、下記数式により算出することを特徴とする請求項1記載の表示パネルの撮像方法。


【請求項3】
複数の絵素が周期的に配列された表示パネルを撮像する撮像装置であって、
複数の撮像素子が周期的に配列され、前記表示パネルを撮像して撮像画像を得る撮像部と、
前記撮像画像における連続して配列された複数の画素を合成して1つの画素を形成することにより縮小画像を作成する演算部と、
を備え、
前記撮像部は、前記表示パネルの各絵素をそれぞれ複数の前記撮像素子により撮像し、
前記演算部は、前記撮像画像における前記複数の画素が配列された領域のそれぞれの位置及び面積を、所定の範囲内でランダムに設定することを特徴とする表示パネルの撮像装置。
【請求項4】
前記演算部は、画像の縮小率をNとし、前記縮小画像における座標(x,y)に位置する画素の画素値をp(x,y)とし、前記撮像画像における座標(X,Y)に位置する画素の画素値をP(X,Y)とし、前記撮像画像における前記複数の画素からなる領域内において座標(i,j)に位置する画素の重み関数を原点(0,0)に関して点対称な関数W(i,j)とし、(−1)乃至(+1)の範囲でランダムな値をとる乱数をrnd1、rnd2、rnd3とし、定数をC、C、Cとするとき、前記縮小画像における画素値p(x,y)を、下記数式により算出することを特徴とする請求項3記載の表示パネルの撮像装置。


【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、表示パネルの撮像方法及び表示パネルの撮像装置に関し、特に、複数の絵素が周期的に配列された表示パネルを複数の撮像素子が周期的に配列された撮像デバイスによって撮像する表示パネルの撮像方法、及び表示パネルの撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、LCD(Liquid Crystal Display:液晶表示装置)等の表示パネルを製造する際には、組み立て後の表示パネルに対して、ムラ等の欠陥の検査を行っている。また、近年、CCD(Charge-Coupled Device:電荷結合デバイス)等の撮像デバイスにより検査対象となる表示パネルを撮像し、この撮像によって取得された画像に基づいて欠陥を自動的に検出する技術が提案されている。
【0003】
しかし、絵素が周期的に配列されたLCD等の表示パネルを、撮像素子が周期的に配列されたCCD等の撮像デバイスによって撮像すると、絵素の配列周期と撮像素子の配列周期とが干渉し、取得された画像にモアレ(干渉縞)が発生することがある。画像にモアレが発生すると、この画像から淡いコントラストの欠陥であるムラを検出することが困難になる。
【0004】
そこで、例えば、特許文献1には、表示パネルと撮像デバイスとを相対的に移動させながら撮像を行う技術が提案されている。このときの移動距離は、撮像素子の1周期分以上の距離とされている。特許文献1には、これにより、各画素の画像信号が空間的に積分されるため、モアレを低減することができると記載されている。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術においては、撮像された画像が空間的に平均化されてしまうため、画像の解像度が低いという問題点がある。
【0006】
【特許文献1】特開2005−024503号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、解像度が高く、モアレが低減された画像を得ることができる表示パネルの撮像方法及び撮像装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、複数の絵素が周期的に配列された表示パネルを複数の撮像素子が周期的に配列された撮像デバイスによって撮像する表示パネルの撮像方法であって、前記表示パネルを撮像して撮像画像を得る工程と、前記撮像画像における連続して配列された複数の画素を合成して1つの画素を形成することにより縮小画像を作成する工程と、を備え、前記撮像画像を得る工程において、前記表示パネルの各絵素をそれぞれ複数の前記撮像素子により撮像し、前記撮像画像を得る工程において、前記撮像画像における前記複数の画素が配列された領域のそれぞれの位置及び面積を、所定の範囲内でランダムに設定することを特徴とする表示パネルの撮像方法が提供される。
【0009】
本発明の他の一態様によれば、複数の絵素が周期的に配列された表示パネルを撮像する撮像装置であって、複数の撮像素子が周期的に配列され、前記表示パネルを撮像して撮像画像を得る撮像部と、前記撮像画像における連続して配列された複数の画素を合成して1つの画素を形成することにより縮小画像を作成する演算部と、を備え、前記撮像部は、前記表示パネルの各絵素をそれぞれ複数の前記撮像素子により撮像し、前記演算部は、前記撮像画像における前記複数の画素が配列された領域のそれぞれの位置及び面積を、所定の範囲内でランダムに設定することを特徴とする表示パネルの撮像装置が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、解像度が高く、モアレが低減された画像を得ることができる表示パネルの撮像方法及び撮像装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る撮像装置を例示するブロック図であり、
図2は、撮像部の撮像面に投影された表示パネルの絵素とカメラの撮像素子との関係を例示する図である。
【0012】
図1に示すように、本実施形態に係る撮像装置1は、表示パネル101を撮像する装置である。表示パネル101は、例えば、FPD(Flat Panel Display:平面型表示装置)等の絵素が周期的に配列された表示パネルであり、例えば、LCDである。なお、表示パネルの「絵素」とは、1組のRGBの画素からなる表示の基本単位をいう。撮像装置1には、撮像部2、演算部3、記憶部4及び入出力部5が設けられている。そして、演算部3は、撮像部2、記憶部4及び入出力部5にそれぞれ接続されている。
【0013】
撮像部2は、表示パネル101を撮像して撮像画像を取得する部分である。撮像部2においては、撮像素子が周期的に配列された撮像デバイス(図示せず)として、例えばCCDが設けられている。また、撮像部2においては、撮像デバイスに対して光を集光する光学系(図示せず)が設けられている。そして、撮像デバイスにおける撮像素子の配列密度は、撮像部2の撮像面に投影された表示パネル101の像における絵素の配列密度よりも大きくなっている。これにより、撮像部2は、表示パネル101の各絵素をそれぞれ複数の撮像素子によって撮像する。例えば、図2に示すように、撮像部2の撮像面において、投影された表示パネル101の1つの絵素101aの像に対して、撮像部2の撮像素子2aが9行9列のマトリクス状に合計で81個配置される。
【0014】
演算部3は、撮像部2の撮像によって得られた撮像画像を縮小して縮小画像を作成する部分である。具体的には、撮像画像における連続して配列された複数の画素を合成して1つの画素を形成することにより、縮小画像を作成する。そして、演算部3は、撮像画像における複数の画素であって、縮小後に1つの画素に合成される画素が配列された領域(以下、「合成単位領域」ともいう)のそれぞれの位置及び面積を、所定の範囲内でランダムに設定する。演算部3は、例えば、パーソナルコンピュータのCPU(Central Processing Unit:中央処理装置)によって構成されており、例えば、撮像部2及び記憶部4の制御装置を兼ねている。
【0015】
記憶部4は、撮像部2の撮像動作により取得された撮像画像、及び演算部3によって作成された縮小画像等を記憶する装置である。記憶部4は、例えば、HDD(Hard Disk Drive:ハードディスクドライブ)等の記憶デバイスにより構成されている。
【0016】
入出力部5は、使用者との間のインターフェースであり、演算部3に対して命令を入力すると共に、演算部3から出力された情報を表示するものである。入出力部5は、例えば、キーボード及びディスプレイ等により構成されている。なお、演算部3、記憶部4及び入出力部5は、1台のパーソナルコンピュータによって構成されていてもよい。
【0017】
次に、上述の如く構成された本実施形態に係る撮像装置の動作、すなわち、本実施形態に係る表示パネルの撮像方法について説明する。
図3は、本実施形態に係るムラ検査方法を例示するフローチャート図であり、
図4は、表示パネルの絵素と合成単位領域との関係を例示する図である。
以下、図1乃至図4を参照して説明する。
【0018】
先ず、図3のステップS1に示すように、撮像装置1の撮像部2が表示パネル101を撮像する。このとき、表示パネル101の各絵素を、それぞれ複数の撮像素子により撮像する。例えば、図2に示すように、表示パネル101の各絵素101aを、例えば9行9列に配列された81個の撮像素子2aにより撮像する。これにより、撮像条件がサンプリング定理を満たし、撮像画像には、絵素101aの配列周期と撮像素子2aの配列周期との干渉によるモアレは発生しない。そして、このようにして取得された撮像画像を、演算部3に対して出力する。
【0019】
この撮像画像は、表示パネルの絵素に比べて解像度が高く、各絵素の構造まで撮像されているため、マクロ的な欠陥、例えばムラの抽出には不向きである。また、撮像画像はデータのサイズが大きく、取り扱いが不便である。
【0020】
そこで次に、図3のステップS2に示すように、演算部3が、撮像画像を縮小することにより縮小画像を作成する。すなわち、撮像画像における連続して配列された複数の画素を合成して、縮小画像における1つの画素を形成する。具体的には、平均して9行9列のマトリクス状に連続して配列された平均81個の撮影画素2aを合成して1つの画素を作成することにより、画像の解像度を低下させる。このとき、縮小後の画像の1つの画素が、表示パネル101のほぼ1つの絵素101aに対応するようにする。
【0021】
しかしながら、撮像画像を均一に縮小すると、縮小後の画像にモアレが発生してしまう。このため、縮小前の画像(撮像画像)において、縮小後に1つの画素となる領域、すなわち、合成単位領域102aの面積及び中心Cの位置を、所定の範囲内でランダムに設定する。例えば、合成単位領域の面積を9行9列の画素領域から11行11列の画素領域程度の範囲でランダムに設定し、中心Cの位置を基準位置から上下左右に1画素程度の範囲でランダムに設定する。また、撮像画像の縮小は、ガウス関数で表される重みを付けて行い、このガウス関数の係数も、ランダムに設定する。
【0022】
具体的には、画像の縮小率をNとし、縮小画像における座標(x,y)に位置する画素の画素値をp(x,y)とし、撮像画像における座標(X,Y)に位置する画素の画素値をP(X,Y)とし、撮像画像における各画像単位領域内において座標(i,j)に位置する画素の重み関数を原点(0,0)に関して点対称なW(i,j)とし、標準偏差をσとし、(−1)乃至(+1)の範囲でランダムな値をとる乱数をrnd1、rnd2、rnd3とし、定数をC、C、Cとするとき、縮小画像における画素値p(x,y)を、下記数式1及び数式2により算出する。なお、下記数式1及び数式2より、下記数式3〜数式8が導かれる。
【0023】
【数1】


【0024】
【数2】


【0025】
【数3】


【0026】
【数4】


【0027】
【数5】


【0028】
【数6】


【0029】
【数7】


【0030】
【数8】


【0031】
これにより、撮像画像に基づく縮小画像が作成される。その後、この縮小画像に、必要に応じて、幾何学補正及びコントラスト補正を施す。これにより、モアレの発生が抑制された画像を得ることができる。
【0032】
本実施形態によれば、図3のステップS1に示す工程において、撮像部が表示パネルを撮像して撮像画像を取得するときに、表示パネルの各絵素を複数の撮像素子によって撮像している。このため、撮像画像においては、サンプリング定理を満足し、モアレが発生していない。そして、ステップS2に示す工程において、撮像画像を縮小して縮小画像を作成するときに、各合成単位領域の位置及び面積を、所定の範囲内でランダムに設定している。これにより、画像の周期性を破壊し、縮小画像においてもモアレの発生を抑制することができる。
【0033】
また、縮小後の画像(縮小画像)においても、表示パネルの1つの絵素にほぼ1つの撮像画素が対応しており、解像度は十分に高くなっている。このため、本実施形態によれば、解像度が高く、モアレの発生が抑制された表示パネルの画像を得ることができる。
【0034】
以上、実施形態を参照して本発明の内容を説明したが、本発明はこの実施形態には限定されない。例えば、前述の実施形態においては、撮像装置がLCDを撮像する例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、PDP(Plasma Display Panel:プラズマディスプレイパネル)を撮像してもよい。また、前述の実施形態に対して、当業者が適宜設計変更並びに構成要素の追加及び削除を行ったものも、本発明の要旨を含む限り、本発明の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施形態に係る撮像装置を例示するブロック図である。
【図2】撮像部の撮像面に投影された表示パネルの絵素とカメラの撮像素子との関係を例示する図である。
【図3】本実施形態に係るムラ検査方法を例示するフローチャート図である。
【図4】表示パネルの絵素と合成単位領域との関係を例示する図である。
【符号の説明】
【0036】
1 撮像装置、2 撮像部、2a 撮像素子、3 演算部、4 記憶部、5 入出力部、101 表示パネル、101a 絵素、102a 合成単位領域、C 中心
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【出願日】 平成18年6月30日(2006.6.30)
【代理人】 【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦


【公開番号】 特開2008−11467(P2008−11467A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−182546(P2006−182546)