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【発明の名称】 画像読取装置
【発明者】 【氏名】根岸 知樹

【要約】 【課題】画像読取時の背景色を切り替えることができると共に、ごみの影響を受けることなく高品質な画像を読み取ることができる画像読取装置を提供する。

【構成】画像読取部120は、読取ガラス140と、読取ガラス140上を搬送される原稿を読み取るイメージセンサ部130と、読取ガラス140とイメージセンサ部130との相対的な位置を変更する不図示の移動機構とを有する。背景色切替部110は、画像読取部120と対向するように配置され且つ白及び黒の色を有する白色部材111a及び黒色部材111bで構成される板状の背景部材111を有し、画像読取部120の画像読取光路上に位置する背景色を白又は黒に切り替える。白色部材111aをイメージセンサ部130で読み取った各画素データV1に基づいて読取ガラス140に付着したごみが検出され、ごみが検出されなくなる位置にイメージセンサ部130を移動する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明部材と、該透明部材上を搬送される原稿を読み取る読取センサと、前記透明部材と前記読取センサとの相対的な位置を変更可能な移動機構とを有する画像読取部と、
前記読取センサによって読み取られた画像データに含まれる周辺部である背景色を形成するべく前記画像読取部と対向するように配置され且つ白色及び白色以外の色を有する複数の部材で構成される背景部材を有し、前記複数の部材のうちの少なくとも1つを移動させることにより前記背景色を切り替える背景色切替部と、
前記白色部材を前記読取センサで読み取った画像情報に基づいて、前記読取センサに入射する光を減衰させるごみ又は汚れを検出するごみ検出部とを備え、
前記画像読取部は、前記ごみ検出部の検出結果に応じて、前記透明部材と前記読取センサとの相対的な位置を変更することを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記画像読取部は、前記ごみ検出部が前記透明部材に付着したごみ又は汚れを検出しなくなるように、前記透明部材と前記読取センサとの相対的な位置を変更することを特徴とする請求項1記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記ごみ検出部は、前記透明部材に付着したごみ又は汚れの量を検出し、
前記画像読取部は、前記ごみ検出部で検出されるごみ又は汚れの量が所定値未満となるように、前記透明部材と前記読取センサとの相対的な位置を変更することを特徴とする請求項1記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記ごみ検出部は、前記透明部材に付着したごみ又は汚れの量を検出し、
前記画像読取部は、前記ごみ検出部で検出されるごみ又は汚れの量が最も少なくなるように、前記透明部材と前記読取センサとの相対的な位置を変更することを特徴とする請求項1記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記ごみ検出部は、前記読取センサで読み取られた画素データに基づいて異常画素数を検出し、
前記画像読取部は、前記検出された異常画素数に応じて、前記透明部材と前記読取センサとの相対的な位置を変更することを特徴とする請求項1記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記背景色切替部は、前記ごみ検出部で検出されるごみ又は汚れに応じて、前記白色部材を前記読取センサの画像読取光路上に位置する範囲内で移動させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は画像読取装置に関し、特に、画像読取部を構成する読取ガラス上に付着したごみを検出し、ごみの影響を受けることなく好適な画像を読み取ることができる画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、原稿を光学的に読み取るための画像読取装置では、例えば、原稿を定位置に載置し、画像読み取りのための画像読取部を原稿に対して移動させることで原稿画像の全体を読み取る装置(フラットベッド型)と、画像読み取りのための画像読取部を定位置に配置して、原稿をその画像読取部に対して移動させることで原稿画像の全体を読み取る装置(シートスルー型)が知られている。
【0003】
フラットベッド型及びシートスルー型のいずれの装置においても、画像読み取りは、一般的に、原稿に光源から光を投射して、原稿で反射された光を所定の光学系を介して光電交換素子であるCIS(コンタクト・イメージ・センサ)等のイメージセンサに入射し、原稿の画像を読み取る。
【0004】
ここで、画像読み取りを行う画像読取部には読取ガラスが設けられており、画像読み取りを繰り返すうちに、ごみや埃がこの読取ガラスに付着する場合がある。
【0005】
例えば、ごみが読取ガラスの1箇所に付着しているとする。この場合、フラットベッド型スキャナでは、画像読取部が移動するため、ごみの付着した箇所だけが異常画素になる。したがって、異常画素は画像内で点を形成し、それほど目立つものではない。
【0006】
これに対して、シートスルー型スキャナでは、原稿が移動するため、ごみの付着した箇所が副走査方向に対してすべて異常画素になる。したがって、異常画素は、画像内で副走査方向に沿った直線状のスジを形成し、非常に目立つものになる。
【0007】
このように、シートスルー型スキャナの場合、付着したごみがたとえ僅かなものだとしても、読み取った画像はスジの入った低品質な画像(異常画像)となる。
【0008】
そこで、ごみの影響を回避するための手段として、読取ガラスを定期的に清掃することによりこれらのごみを除去することも考えられる。しかし、読取ガラスを常にごみの無い状態に保つことはほぼ不可能である。
【0009】
このような問題を解消すべく、読取ガラスに付着したごみを検出するためのごみ検出手段を設けて、警告手段等で警告することによりユーザにごみの除去を促す技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0010】
また、特許文献1では、原稿画像を読み取る前に読取ガラスに付着しているごみを検出し、ごみのない位置に画像読取部を移動させてから原稿画像を読み取る技術も提案されている。
【0011】
上記の従来技術におけるごみの検出は、一般的に、画像読み取り時において原稿の反射光がCIS等のイメージセンサに入射する際に、ごみの存在によって反射光が遮られた画素の入射光量が極端に低下することを利用して行われる。このとき、画像読取部に対向する部材に白色基準板等を用いることにより背景の基準色を白色とし、この白色基準板を読み取って入射光量の低下を検知することによって、ごみの検出を行っている。
【特許文献1】特開平10−056542号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、一般に、画像読取装置では、画像読取部に対向する背景部材が設けられており、この背景部材の色を白色にしたものと、黒色にしたものとが知られている。例えば、複写機は、トナーを無駄にしないために、画像読取部に対向する背景部材の色を白色にしている。
【0013】
これに対して、シートスルー型スキャナは、原稿のサイズを自動で検知したり、裏写りを軽減したり、用紙の斜行を補正するために、画像読取部に対向する背景部材の色を黒色にする場合が多い。
【0014】
しかしながら、画像読取部の背景部材の色が黒色である場合は、前述のような背景の基準色を白色としたごみ検出を実行することができない。
【0015】
また、背景部材の色を黒色にして読み取った読み取り画像では、用紙に形成されたバインダ用穴部が黒くなる等の欠点がある。見た目の綺麗な画像を取得するためには、読み取り画像からバインダ用穴部を消す処理を必要とする。したがって、このような場合は、背景部材の色を白色にすることが好ましい。
【0016】
このように、シートスルー型スキャナの場合は、背景部材の色を白色にすることと黒色にすることのいずれに対してもニーズがある。
【0017】
本発明の目的は、画像読取時の背景部材の色を切り替えることができると共に、ごみの影響を受けることなく高品質な画像を読み取ることができる画像読取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するために、請求項1記載の画像読取装置は、透明部材と、該透明部材上を搬送される原稿を読み取る読取センサと、前記透明部材と前記読取センサとの相対的な位置を変更可能な移動機構とを有する画像読取部と、前記読取センサによって読み取られた画像データに含まれる周辺部である背景色を形成するべく前記画像読取部と対向するように配置され且つ白色及び白色以外の色を有する複数の部材で構成される背景部材を有し、前記複数の部材のうちの少なくとも1つを移動させることにより前記背景色を切り替える背景色切替部と、前記白色部材を前記読取センサで読み取った画像情報に基づいて、前記読取センサに入射する光を減衰させるごみ又は汚れを検出するごみ検出部とを備え、前記画像読取部は、前記ごみ検出部の検出結果に応じて、前記透明部材と前記読取センサとの相対的な位置を変更することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、背景部材が白色及び白色以外の色を有する複数の部材で構成され、複数の部材のうちの少なくとも1つを移動させることにより背景色が切り替えられ、白色部材を読取センサで読み取った画像情報に基づいて透明部材に付着したごみ又は汚れが検出され、該検出結果に応じて透明部材と読取センサとの相対的な位置が変更されるので、画像読取部の透明部材にごみが付着した場合であっても、透明部材と読取センサとの相対的な位置を変更することによりごみを回避することができる。また、白色の背景部材にごみ又は汚れが付着している場合も、背景部材を移動させることによりごみ又は汚れを回避できる。したがって、画像読取時の背景色を選択することができると共に、ごみの影響を受けることなく高品質な画像を読み取ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳述する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像読取装置の構成を示す断面図である。
【0021】
図1において、画像読取装置100は、原稿を載置する原稿台12と、原稿台12を上下動させる原稿台モータ1と、原稿台12上の原稿の有無を検知する給紙センサ6と、不図示の動力伝達機構を通じて画像読取装置100の複数のローラを駆動するメインモータ2とを備える。
【0022】
また、画像読取装置100は、給紙クラッチ3と、給紙クラッチ3が動力を伝達したときにメインモータ2により駆動されて原稿を給紙する給紙ローラ13と、メインモータ2により駆動されて原稿台12から給紙ローラ13で取り込まれた原稿のうち最上位の原稿を送る給送ローラ15と、分離クラッチ4と、分離クラッチ4が動力を伝達したときに最上位以外の原稿を搬送方向とは逆に戻しながら分離する分離ローラ14とを備える。また、画像読取装置100は、原稿の先端及び後端を検知するレジストセンサ7と、レジストクラッチ5が動力を伝達したときにメインモータ2により駆動されて原稿を搬送するレジストローラ対16、17と、センサ発信部20a及びセンサ受信部20bで構成され、原稿先端部の紙厚を検知する紙厚検知センサ20とを備える。さらに、画像読取装置100は、給紙される原稿等の画像を読み取る画像読取部120と、画像読取部120の上流側で原稿の先端及び後端を検知する原稿検知センサ2gと、後述するCPU101等が設けられたコントローラ基板18と、画像読取部120の上方近傍に設けられた背景色切替部110と、メインモータ2の駆動により原稿を搬送する搬送ローラ2a〜2dと、原稿が排出される排紙部の近傍に設けられ、原稿の先端及び後端を検知する排紙センサ9とを備える。
【0023】
図2は、図1の画像読取装置100の構成を概略的に示すブロック図である。
【0024】
図2において、CPU101は、ROM102に格納されたプログラムに従って、後述する各種処理を実行すると共に、画像読取装置100全体を制御する。RAM103は、CPU101の作業領域や後述する画像読取部120によって読み取られた画素データ等の一時記憶領域として使用される。ROM102は、後述の各種処理を実行するためのプログラムや固定データ等を格納する。背景色切替部110は、画像読取部120が原稿を読み取る際に画像読取部120に対向する背景部材を移動させて、背景色を切り替える。駆動部106は、背景色切替部110に含まれる不図示の背景部材駆動手段に駆動電流を流して駆動する。画像読取部120は、CPU101の出力信号に応じて、搬送される原稿等の画像を読み取る。
【0025】
図3は、図2における画像読取部120及び背景色切替部110を示す断面図であり、(a)は、画像読取部120の画像読取光路上に背景色切替部110の白色部材が位置した場合を示す図であり、(b)は、画像読取部120の画像読取光路上に、背景色切替部110の黒色部材が位置した場合を示す図である。
【0026】
図3(a)及び(b)に示すように、画像読取部120は、主走査方向に沿って設けられた断面略コの字型の枠体121と、枠体121に取り付けられた読取ガラス140(透明部材)と、枠体121の内部に配置され、読取ガラス140上を搬送される原稿を読み取るイメージセンサ部130(読取センサ)と、読取ガラス140とイメージセンサ部130との相対的な位置を変更する不図示の移動機構と、枠体121内部に配置され不図示の移動機構に接続された不図示のイメージセンサ駆動手段とを有する。尚、不図示のイメージセンサ駆動手段を画像読取部120の外部に設け、他の移動機構を介してイメージセンサ部130を移動するようにしてもよい。
【0027】
画像読取部120の内部にある不図示のイメージセンサ駆動手段に駆動部106が駆動電流を流すと、不図示の移動機構を介してイメージセンサ部130が副走査方向に移動し、読取ガラス140に対するイメージセンサ部130の位置が変更される。
【0028】
背景色切替部110は、イメージセンサ部130によって読み取られた原稿の画像データに含まれる周辺の部分である背景色を形成するべく画像読取部120と対向するように配置され且つ白及び黒の色を有する白色部材111a及び黒色部材111bで構成される板状の背景部材111を有する。また、背景色切替部110は、背景部材111及び背景部材駆動手段を連結する不図示の移動機構を有する。白色部材111a及び黒色部材111bは、イメージセンサ部130と対向する白色面及び黒色面を形成する。
【0029】
背景色切替部110は、駆動部106が不図示の背景部材駆動手段に電流を流して駆動することにより不図示の移動機構を介して背景部材111を副走査方向に移動し、画像読取部120の画像読取光路上に位置する背景部材を白色部材又は黒色部材に切り替える。例えば、読取ガラス140に付着したごみや汚れを検出する場合は、白色面111aをラインセンサ132の画像読取光路A上に移動し、背景色を白に切り替える(図3(a))。また、読取ガラス140上を移動する原稿の画像を読み取る場合は、黒色面111bをラインセンサ132の画像読取光路A上に移動し、背景色を黒に切り替える(図3(b))。尚、黒色面111bの色は黒であるが、これに限るものではなく、必要に応じて他の暗い色に変更してもよい。
【0030】
イメージセンサ部130は、白色光の光源131及びラインセンサ132で構成され、光源131の白色光を、読取ガラス140上を移動する原稿に照射し、その反射光をラインセンサ132で受光し、受光した反射光を電圧に変換出力する。また、イメージセンサ部130は、画像読取部120の枠体121内部において、副走査方向に移動可能に設けられている。
【0031】
図4は、イメージセンサ部130の副走査方向の移動可能範囲を示す図であり、(a)は、初期位置を示し、(b)は最終位置を示す。
【0032】
図4(a)及び(b)に示すように、イメージセンサ部130は、その副走査方向における先端部が初期位置Pから所定量ずつ副走査方向に移動することができ、また、画像読み取り部120の枠体121と接する最終位置PMAXまで移動することができるように構成される。
【0033】
CPU101(ごみ検出部)は、白色部材111aをイメージセンサ部130で読み取った画素データに基づいて読取ガラス140に付着したごみを検出し、該検出結果に基づいて画像読取部120のイメージセンサ駆動手段を駆動するよう駆動部106に信号を出力する。また、CPU101は、画像読取装置100に設けられた不図示の背景色選択ボタンの押下等の操作に応じた入力信号に基づいて背景色切替部110の背景部材駆動手段を駆動するよう駆動部106に信号を出力する。
【0034】
図5は、CPU101により実行されるごみ検出処理を示すフローチャートである。
【0035】
図5において、先ず、背景色切替部110を副走査方向に移動して、背景色を白色に切替える(ステップS501)。次に、画像読取部120により読取ガラス140上に原稿が無い状態で、1ライン分の画素データを読み取り(ステップS502)、読み取った画素データを構成する各画素データV1(i=0,1,2,・・・n)に対して、あらかじめ作成された補正データを用いて既知のシェーディング補正を行い(ステップS503)、シェーディング補正された補正後データV2(i=0,1,2,・・・n)をRAM103に記憶する。
【0036】
その後、補正後データV2を予め設定された閾値Vtと比較し、補正後データV2が閾値Vtより大きいか否かを判別する(ステップS504)。補正後データV2が閾値Vt以下であるときは、補正後データV2の色を黒と判断し、ステップS502で読み取った1ラインを「ごみ有り」と判定し(ステップS507)、本処理を終了する。一方、補正後データV2が閾値Vtより大きいときは(ステップS504でYES)、補正後データV2の色を白と判断し、さらに、この比較を補正後データV2〜V2まで、すなわち1ライン分実行したか否かを判別し(ステップS505)、1ライン分実行していないときはステップS504に戻る。一方、1ライン分実行したときは、ステップS402で読み取った1ラインを「ごみ無し」と判定し(ステップS506)、本処理を終了する。
【0037】
図6は、図5のごみ検出処理が実行された結果の一例を示す図であり、(a)は、読取ガラス140の主走査方向に沿う断面図であり、(b)は、読取ガラス140上の主走査方向の位置Xに対応する補正後データV2の値を示す図である。
【0038】
図6に示すように、読取ガラス140の主走査方向の位置をX(i=0〜n)とすると、図5のステップS402で読み取られた1ラインについて、ごみ(又は汚れ)405が付着した位置Xに対応する補正後データV2は閾値Vtより小さい。したがって、補正後データのうち最初にV2の色がステップS504で黒と判断され、当該1ラインは「ごみ有り」と判定される。
【0039】
図7は、CPU101により実行される画像読取処理を示すフローチャートである。
【0040】
図7において、不図示のスタートボタンの押下等により画像読み取りが指示されたか否かを判別し(ステップS701)、画像読み取りが指示されたときは、画像読取部120の読取ガラス140にごみが付着しているか否かを確認するために、背景色切替部110で背景色を白に切り替えると共に、画像読取部120のイメージセンサ部130を図4(a)に示す初期位置Pに移動する(ステップS702)。次に、初期位置Pに対応する1ラインに対して図5のごみ検出処理を実行し(ステップS703)、ごみを検出したか否かを判別し(ステップS704)、ごみを検出した場合は、イメージセンサ部130を副走査方向に移動可能か否か、すなわち、イメージセンサ部130の現在位置が最終位置PMAXであるか否かを判別する(ステップS705)。
【0041】
イメージセンサ部130が移動可能であるとき、すなわち、イメージセンサ部130の現在位置が最終位置PMAXでないときは、イメージセンサ部130を副走査方向に所定量移動して(ステップS706)、ステップS703に戻り、イメージセンサ部130が所定量移動した位置に対応する1ラインに対してごみ検出処理を実行する。一方、イメージセンサ部130が移動不可能であるときは(ステップS705でNO)、不図示の表示手段に読み取り不可能である旨のエラー表示をして(ステップS707)、本処理を終了する。
【0042】
次に、イメージセンサ部130の現在位置に対応する1ラインでごみが検出されなかった場合は(ステップS704でNO)、スタートボタンの押下による画像読み取り指示が行われた際の背景色の指定が黒であったか否かを判別する(ステップS708)。ここで、ステップS704でごみが検出されなかったのであるから、イメージセンサ部130は、例えば図8に示すような位置に移動しており、ごみ800を回避した状態となっている。ステップS708で背景色の指定が黒であったと判別された場合は、背景色切替部110により背景色を黒に切り替えて(ステップS709)、ステップS710に進み、背景色の指定が白であった場合は、背景色を切り替えることなく、ステップS710に進む。
【0043】
その後、原稿を読取ガラス140上に搬送し、画像読取部120にて1ライン分の画像データの読み取りを、原稿全体(1ページ分)の画像データを取得するまで繰り返す(ステップS710)。原稿全体の画像データの取得が終了した後、次原稿が存在するか否かを判別し(ステップS711)、次原稿が存在するときは、ステップS710に戻って次原稿を搬送し、次原稿の読み取りを行う。次原稿が存在しないときは、本処理を終了する。
【0044】
本実施の形態によれば、背景部材111が白色部材111a及び黒色部材111bで構成され、背景部材111を移動させることにより背景色が切り替えられ、白色部材111aをイメージセンサ部130で読み取った各画素データV1に基づいて読取ガラス140に付着したごみが検出され、ごみが検出されなくなる位置にイメージセンサ部130を移動するので、画像読取部120の読取ガラス140にごみが付着した場合であっても、読取ガラス140に対するイメージセンサ部130の位置を変更することにより、ごみを回避することができる。したがって、画像読取時の背景色を選択することができると共に、ごみの影響を受けることなく高品質な画像を読み取ることができる。
(第2の実施の形態)
図9は、本発明の第2の実施の形態に係る画像読取装置により実行されるごみ検出処理を示すフローチャートである。尚、本第2の実施の形態は、その構成が上記第1の実施の形態と同一であるので、その説明を省略する。
【0045】
図9において、先ず、背景色切替部110を副走査方向に移動して、背景色を白色に切替える(ステップS901)。次に、画像読取部120により読取ガラス140上に原稿が無い状態で、1ライン分の画素データを読み取り(ステップS902)、読み取った1ライン分の画素データを構成する各画素データV1(i=0,1,2,・・・n)に対して、あらかじめ作成された補正データを用いて既知のシェーディング補正を行い(ステップS903)、シェーディング補正された補正後データV2(i=0,1,2,・・・n)をRAM103に記憶する。
【0046】
その後、補正後データV2を予め設定された閾値Vtと比較し、補正後データV2が閾値Vtより大きいか否かを判別する(ステップS904)。補正後データV2が閾値Vt以下であるときは、補正後データV2の色を黒と判断し、黒と判断された黒画素数をカウントするカウンタ値を1増加する(ステップS905)。補正後データV2が閾値Vtより大きいときは、ステップS906に進む。
【0047】
次に、ステップS904の比較を補正後データV2〜V2まで、すなわち1ライン分実行したか否かを判別し(ステップS906)、1ライン分実行していないときは、ステップS904に戻り、1ライン分実行したときは、ライン番号及び黒画素数のカウント値をRAM103に記憶する(ステップS907)。そして、ステップS907でRAM103に記憶された黒画素数が0であるか否かを判別し(ステップS908)、黒画素数が0である場合は、ステップS902で読み取った1ラインを「ごみ無し」と判定して(ステップS909)、本処理を終了し、黒画素数が0でない場合は、ステップS902で読み取った1ラインを「ごみ有り」と判定して(ステップS910)、本処理を終了する。
【0048】
図10は、CPU101により実行される画像読取処理を示すフローチャートである。
【0049】
図10において、不図示のスタートボタンの押下等により画像読み取りが指示されたか否かを判別し(ステップS1001)、画像読み取りが指示されたときは、画像読取部120の読取ガラス140にごみが付着しているか否かを確認するために、背景色切替え部110で背景色を白に切り替えると共に、画像読取部120のイメージセンサ部130を図4(a)に示す初期位置Pに移動する(ステップS1002)。次に、初期位置Pに対応する1ラインに対して図9のごみ検出処理を実行し(ステップS1003)、ごみを検出したか否かを判別し(ステップS1004)、ごみを検出しなかった場合は、後述のステップS1009に進み、ごみを検出した場合は、初期位置Pに対応するライン番号(=0)及び黒画素数のカウント値をRAM103に格納する(ステップS1005)。
【0050】
さらに、イメージセンサ部130を副走査方向に移動可能か否か(ステップS1006)、すなわち、イメージセンサ部130の現在位置が最終位置PMAXであるか否かを判別する。イメージセンサ部130が移動可能であるときは、イメージセンサ部130を副走査方向に所定量移動して(ステップS1007)、ステップS1003に戻り、イメージセンサ部130が所定量移動した位置に対応する1ラインに対してごみ検出処理を実行する。ここで、ステップS1003〜ステップS1007までの処理が複数回繰り返された場合、図11に示すように、各位置に対応するライン番号と、該ライン番号に対応する黒画素数のカウント値とを示すテーブルが作成される。
【0051】
一方、イメージセンサ部130が移動不可能であるときは(ステップS1006でNO)、RAM103に格納された図11のテーブルに基づいて、黒画素数のカウント値が最も少ないライン番号に対応する位置にイメージセンサ部130を移動する(ステップS1008)。
【0052】
次に、スタートボタンの押下による画像読み取り指示が行われた際の背景色の指定が黒であったか否かを判別し(ステップS1009)、背景色の指定が黒であったと判別された場合は、背景色切替部110により背景色を黒に切り替えて(ステップS1010)、ステップS1011に進み、背景色が白であった場合は、背景色を切り替えることなく、ステップS1011に進む。
【0053】
その後、原稿を読取ガラス140上に搬送し、画像読取部120にて1ライン分の画像データの読み取りを、原稿全体(1ページ分)の画像データを取得するまで繰り返す(ステップS1011)。原稿全体の画像データの取得が終了した後、次原稿が存在するか否かを判別し(ステップS1012)、次原稿が存在するときは、ステップS1011に戻って次原稿を搬送し、次原稿の読み取りを行う。次原稿が存在しないときは、本処理を終了する。
【0054】
本実施の形態によれば、白色部材111aをイメージセンサ部130で読み取った各画素データV1に基づいて読取ガラス140に付着したごみに対応する黒画素数が検出され、検出される黒画素数のカウント値が最も少ないライン番号に対応する位置にイメージセンサ部130を移動するので、画像読取部120の読取ガラス140にごみが付着した場合であっても、読取ガラス140に対するイメージセンサ部130の位置を変更することにより、ごみの大多数を回避することができる。したがって、画像読取時の背景色を選択することができると共に、ごみの影響を最小限にして高品質な画像を読み取ることができる。
【0055】
上記各実施の形態では、検出される黒画素数のカウント値が最も少ないライン番号に対応する位置にイメージセンサ部130を移動するが、黒画素数のカウント値が所定値未満であるライン番号に対応する位置にイメージセンサ部130を移動してもよい。
【0056】
上記実施の形態では、画像読取部120のイメージセンサ部130を移動させることにより読取ガラス140に付着したごみを回避するが、読取ガラス140を移動させることによりごみを回避するようにしてもよい。すなわち、画像読取部120は、読取ガラス140及びイメージセンサ部130のいずれか一方又は双方を移動可能に配置し、読取ガラス140とイメージセンサ部130との相対的な位置を変更するように構成されてもよい。
【0057】
また、図5又は図9のごみ検出処理において「ごみ有り」と判断した場合に、背景部材111にごみが付着している可能性があるので、イメージセンサ部130を移動させると共に、背景部材111を移動させてもよい。すなわち、ごみが付着していない白色部材111aの一部分を検出し、ラインセンサ132の画像読取光路上に位置する範囲内で白色部材111aを移動することにより背景部材111に付着したごみを回避し、さらに、イメージセンサ部130を移動させて、読取ガラス140に付着したゴミを回避してもよい。また、検出されるごみが所定量未満となる白色部材111aの一部分を検出し、ラインセンサ132の画像読取光路上に位置する範囲内で白色部材111aを移動させてもよい。背景部材111を移動させたにもかかわらず検出されるごみの量が変化しない場合は、背景部材111にごみや汚れは無いと判断して、背景部材111の移動を終了させてもよい。
【0058】
上記実施の形態では、ごみを検出しない位置、又はごみが最も少ないと判断される位置にイメージセンサ部130を移動させて画像を読み取るが、これに限るものではなく、イメージセンサ部130を所定回数移動してもごみを検出し続けた場合は、イメージセンサ部130の移動を中止してもよい。
【0059】
また、閾値Vtは予め設定された値であるが、使用状況に応じて値を変更してもよいし、複数の値が予め設定されてもよい。
【0060】
上記実施の形態において、黒画素数のカウント値が所定値以上であるときに、ごみの量が許容範囲を超えていると判断してもよい。例えば、黒画総数の所定値を5として、黒画素数のカウント値が5未満であるときにごみの量が許容範囲内であると判断し、イメージセンサ部130の移動を停止して、原稿の読取処理を実行してもよい。
【0061】
上記実施の形態では、複数の原稿を読み取る前にごみ検出処理を1回だけ実行するが、原稿の所定枚数毎に行ってもよいし、1ページ毎に実行してもよい。
【0062】
上記実施の形態では、背景部材111は、白色部材111a及び黒色部材111bからなるが、これに限るものではなく、白色及び白色以外の色を有する複数の部材で構成されてもよい。
【0063】
また、背景色切替部110は、駆動部106が駆動することにより不図示の移動機構を介して背景部材111を副走査方向に移動し、画像読取部120の画像読取光路上に位置する背景色を白又は黒に切り替えるが、これに限るものではなく、白色及び白色以外の色を有する複数の部材のうちのいずれか1つを移動させることにより背景色を切り替えてもよい。
【0064】
また、上記実施の形態では、読取ガラス140に付着したごみを検出するが、読取ガラス140の汚れ等、光を減衰させる物質であれば、上記検知処理により検知することが可能である。
【0065】
また、本発明の目的は、上述した実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを記憶した記憶媒体を画像読取装置に供給し、その画像読取装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出して実行することによっても、達成される。
【0066】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が上述した実施の形態の機能を実現することとなり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成する。
【0067】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW等の光ディスク、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。または、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
【0068】
コンピュータから読出されたプログラムコードを実行することにより、上述した上記実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動するOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0069】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像読取装置の構成を示す断面図である。
【図2】図1の画像読取装置の構成を概略的に示すブロック図である。
【図3】図2における画像読取部及び背景色切替部を示す断面図であり、(a)は、画像読取部の画像読取光路上に背景色切替部の白色部材が位置した場合を示す図であり、(b)は、画像読取部の画像読取光路上に、背景色切替部の黒色部材が位置した場合を示す図である。
【図4】イメージセンサ部の副走査方向の移動可能範囲を示す図であり、(a)は、初期位置を示し、(b)は最終位置を示す。
【図5】CPUにより実行されるごみ検出処理を示すフローチャートである。
【図6】読取ガラス上の1ラインについて実行されたごみ検出処理の結果の一例を示す図であり、(a)は、読取ガラスの主走査方向に沿う断面図であり、(b)は、読取ガラス140上の主走査方向の位置Xに対応する補正後データV2の値を示す図である。
【図7】CPUにより実行される画像読取処理を示すフローチャートである。
【図8】図7の画像読取処理を実行する際のイメージセンサ部の移動位置を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る画像読取装置により実行されるごみ検出処理を示すフローチャートである。
【図10】CPUにより実行される画像読取処理を示すフローチャートである。
【図11】図10の画像読取処理を実行した際に作成されるテーブルを示す図である。
【符号の説明】
【0071】
100 画像読取装置
101 CPU
102 ROM
103 RAM
106 駆動部
110 背景色切替部
111 背景部材
111a 白色部材
111b 黒色部材
120 画像読取部
130 イメージセンサ部
140 読取ガラス
【出願人】 【識別番号】000104652
【氏名又は名称】キヤノン電子株式会社
【出願日】 平成18年6月30日(2006.6.30)
【代理人】 【識別番号】100125254
【弁理士】
【氏名又は名称】別役 重尚

【識別番号】100118278
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 聡

【識別番号】100138922
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 夏紀


【公開番号】 特開2008−11449(P2008−11449A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−182461(P2006−182461)