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【発明の名称】 撮像装置及び撮像方法
【発明者】 【氏名】伊藤 能康

【要約】 【課題】デジタルカメラにおいて問題となる絞り過多による画質低下の可能性をユーザに知らせる手段を提供する。

【構成】撮像装置10は、光学系を介して導かれた被写体像の一部を入射するCCDセンサ17と、前記被写体像のピントがCCDセンサ17の受光面で合焦するように、CCDセンサ17から得られる画像信号に基づいて、前記光学系を構成するレンズの位置を制御するフォーカス制御手段(31、ST22)と、前記フォーカス制御手段により被写体像のピントが合焦した状態で、CCDセンサ17から画像信号を入力し、該画像信号の周波数を分析して解像度を算出する解像度算出手段(ST28、ST29)と、前記解像度算出手段により算出された解像度と、基準解像度とを比較し、該比較結果を表示する表示手段(26、ST32)とを具備する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体像を撮像する撮像装置であって、
光学系を介して導かれた被写体像の一部を入射するCCDセンサと、
前記被写体像のピントが前記CCDセンサの受光面で合焦するように、前記CCDセンサから得られる画像信号に基づいて、前記光学系を構成するレンズの位置を制御するフォーカス制御手段と、
前記フォーカス制御手段により被写体像のピントが合焦した状態で、前記CCDセンサから画像信号を入力し、該画像信号の周波数を分析して解像度を算出する解像度算出手段と、
前記解像度算出手段により算出された解像度と、基準解像度とを比較し、該比較結果を表示する表示手段と、
を具備することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記解像度算出手段は、前記被写体像のピントが合焦した状態で、絞りが指示された絞り値になるように、絞りを実行する手段を含み、前記絞りを実行してから、前記CCDセンサより画像信号を入力することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記表示手段は、前記撮像装置のファインダーから観察できる被写体象の周囲に配置されたLCDを含むことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項4】
被写体像を撮像する撮像方法であって、
光学系を介して導かれた被写体像の一部をCCDセンサにて受光するステップと、
前記被写体像のピントが前記CCDセンサの受光面で合焦するように、前記光学系を構成するレンズの位置を制御するステップと、
前記被写体像のピントが合焦した状態で前記CCDセンサから得られる画像信号の周波数を分析して解像度を算出するステップと、
前記算出された解像度と基準解像度とを比較し、該比較結果を表示するステップと、
を具備することを特徴とする撮像方法。
【請求項5】
前記解像度を算出するステップは、前記被写体像のピントが合焦した状態で、絞りが指示された絞り値になるよう絞りを実行するステップを含み、前記絞りを実行してから、前記CCDセンサより画像信号を入力することを特徴とする請求項4記載の撮像方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は被写体像を画像信号に光電変換して取り込むデジタルカメラ等の撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
CCD等の固体撮像素子を用いて光を電気信号に変換し、デジタル信号として信号処理して撮像するデジタルカメラが一般に普及している。デジタルカメラでは使用者が簡単に高画質な撮像が出来るように、オートフォーカス(AF)、自動露出(AE)等の各自動制御機能を備えているものが多い。下記特許文献1には、撮像画像の露出レベルを補正する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2000−69356
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のフィルムカメラでは、フィルムへの感光により撮像が行われるため、レンズから入射した光線がフィルム面に垂直に入射していなくても正常に撮影可能であった。しかし、デジタルカメラではCCDセンサによって撮像するため、CCDセンサの開口部に直角に光線が入射しないと、光量が不足し、ボケた映像として撮像されたり、周辺部が暗い映像となるなどの問題がある。
【0004】
一般に撮影時のCCD露光量は、絞り値(Fナンバー)、露光時間(シャッター速度)被写体の輝度等で決まる。デジタル一眼レフカメラなどの絞り値を自由に設定可能なカメラでは、手動にて絞り値を大幅に変更することができるため、入光量の減少により更に影響が増大するという問題がある。
【0005】
本発明は、デジタルカメラにおいて問題となる絞り過多による画質低下の可能性をユーザに知らせる手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明では、解像度検出用センサからの解像度出力を量子化して模式的にファインダー内液晶表示装置、ビューファインダー、ライブビュー用液晶表示装置などに表示することで上記のボケなどの画質低下を未然に防ぐ手段を提供するものである。
【0007】
本発明は、被写体像を撮像する撮像装置であって、光学系を介して導かれた被写体像の一部を入射するCCDセンサと、前記被写体像のピントが前記CCDセンサの受光面で合焦するように、前記CCDセンサから得られる画像信号に基づいて、前記光学系を構成するレンズの位置を制御するフォーカス制御手段と、前記フォーカス制御手段により被写体像のピントが合焦した状態で、前記CCDセンサから画像信号を入力し、該画像信号の周波数を分析して解像度を算出する解像度算出手段と、前記解像度算出手段により算出された解像度と、基準解像度とを比較し、該比較結果を表示する表示手段と、を具備する。
【発明の効果】
【0008】
撮影時点で、絞り過多による画質劣化の可能性をユーザに知らせることが可能で、デジタルカメラで問題となる絞り過多による画質低下を未然に防ぐことが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0010】
図1は、本発明が適用されるデジタル一眼レフカメラ10の光学系の構成例を示す図である。このカメラは、ハーフミラー15、CCDセンサ12、ペンタプリズム(ミラーの場合もある)14を含む光学素子の組み合わせによって実現されている。
【0011】
映像の撮像時には、ハーフミラー15は跳ね上げられ、CCDセンサ12にレンズからの入射光が直接入射するようになっている。撮像時以外はハーフミラー15によって入射光は反射・分光され、一部の入射光はペンタプリズム14を通してファインダーに、また一部の入射光はさらにサブCCDセンサ用のミラー16により反射され、オートフォーカス(AF)及び本発明に係る解像度検出のために利用されるサブCCDセンサ17に入射する。
【0012】
一般に、デジタルカメラによる撮影において、画質低下の要因として回折ボケがある。図2は回折ボケを説明するための光学系の構成を示す図である。回折ボケは、図2のように、レンズ内の絞りを絞ることにより、CCD12の受光面上の全光学像における絞り羽11での回折光の比率が増加するために生じる現象である。
【0013】
本発明の実施例では、合焦検出(AFセンサ)とともに、解像度検出を実施する高解像度なサブCCDセンサ17を用いて回折ボケを検出する。
【0014】
図3は、本発明による解像度検出方法の概要を示す処理工程図である。
【0015】
本発明の解像度検出方法を簡単に示すと、AFが合焦したレンズ位置で、解像度検出用サブCCDセンサ17からの映像信号について空間周波数分析を行い(ST01)、その分析結果の平均値を、予め設定した基準空間周波数と比較を行い(ST02)、その比較結果を数段階に量子化し(ST03)、ファインダー内のサブLCD26にバーグラフとして表示するものである。
【0016】
図4は、本発明が適用されるデジタル一眼レフカメラ10のハードウェアブロック図である。被写体像はCCDドライバ21によって駆動されるカラーCCDセンサ12によって受光され、画像処理LSI 22に送られる。画像処理LSI 22ではCCDセンサ12からのビットマップデータを処理して、所定フォーマットの映像データに変換する。この映像データは制御マイコン20に接続されたメモリカードスロット25を経由して、SDメモリカードなどのメモリカード(図示されず)にファイルとして保存される。また作成された映像データはLCDドライバ24を経由してLCDパネル27に表示される。これら表示機能及び撮影機能を含むカメラの機能は、制御マイコン20によって制御される。
【0017】
AFはAFセンサ(サブCCDセンサ)17から入力される位相差等を検出し、AFモータを駆動することで制御する。AEは測光センサ(サブCCDセンサ)32からの信号とレンズ接点位置センサ29から得られる距離情報などを考慮した露出制御アルゴリズムによって制御される。ここでは、露出制御アルゴリズムは既知であるため、詳細な説明は割愛する。
【0018】
レンズの絞り羽11は、本発明の解像度検出時およびAE時に、制御マイコン20が絞りを実行する際に、絞りマグネット28により駆動される。フラッシュメモリ34は例えば撮影した静止画の記録、DRAM35はマイコン20の作業用メモリとして使用され、バッテリ36は上記各回路ブロックに電源を供給する。
【0019】
本実施例によるカメラは、解像度を検出するサブCCDセンサ17を備える。このサブCCDセンサは撮像用カラーCCDセンサとは異なり小型のモノクロセンサでかまわない。サブCCDセンサ17は、AF及び解像度検出に用いられる。
【0020】
図5はファインダー40内のサブLCD26の表示例である。
【0021】
被写体像の周辺に、露出補正表示41、撮影情報表示42、AFセンサ位置マーカ43、本実施例に係る解像レベル表示44が配置される。露出補正表示41はバーグラフとなっており、補正量が1/3EV単位で表示される。撮影情報表示42は左からストロボ発光、絞り値(Fナンバー)、シャッタースピード、AEロックマークである。
【0022】
AFセンサ位置マーカP1〜P5は、対応する位置にAFセンサ及び解像センサとして用いられるサブCCDセンサ17があることを示している。本実施例では、5つのサブCCDセンサ17a〜17eが使用されている。コンパクトデジタルカメラのようにリアルタイムに画像信号を入力可能なCCDを使用する場合は、撮像用CCDセンサの全受光面を解像度検出に使用できる。解像レベル表示44の表示方式は、露出補正表示と同様のバーグラフ方式で、AF合焦点における画像の空間周波数が、基準空間周波数44aを中央として、+/−3段階で表示される。
【0023】
基準空間周波数44aは実験的に決定し、人間の目で見た場合に解像感があると知覚可能な空間周波数を設定する。空間周波数の算出はいろいろな方法があり、ここでは詳細は述べないが、離散的コサイン変換(DCT)などを用いても良い。
【0024】
図6は撮像した2つの画像の周波数特性例を示す図である。
【0025】
サブCCDセンサ17によって撮影された画像の画素データを用いて、周波数特性を求め、図6に示すような周波数特性の平均値を解像度として算出する。周波数特性平均が基準周波数からどの程度差異があるかを算出し、その差異をバーグラフとして表示可能なように、+/−3段階ずつ計7段階に量子化する。
【0026】
図6の例では、周波数平均1は高周波成分を多く含むため十分な解像度があると判断でき、周波数平均2は低周波成分を多く含むため十分な解像度が無いためと判断できる。図5の解像度表示44では、平均2を示す表示エリア44bが点滅している様子を示している。AFの合焦点状態で実施しているため、周波数平均2は回折ボケが発生していると判断できる。このようにして、自動露出/手動露出などによる撮影の結果が画質の低下を伴うものであるかどうかを事前に知らせることができる。
【0027】
次に、制御マイコン20による本発明に係る解像度表示動作を説明する。
【0028】
図7は解像度表示に係るソフトウェア処理を示すフローチャートである。
【0029】
マイコン20はシャッターの半押し状態を検知すると(ST21のYES)、
AFを実施し(ST22)、ピント合焦が完了した時点で、どのサブCCDセンサで合焦したかを取得し(ST23)、絞りを実行する(ST25)。この絞りはユーザによりマニュアルで設定された値、または自動露出の場合は自動的に設定される値である。
【0030】
絞りを実際に閉じたのち、ステップST24で選択したサブCCDセンサから撮像画像を取得し(ST26)、絞りを開放(全開)する(ST27)。サブCCDから取得した画像の空間周波数を分析し、図6に示したような周波数特性を得る(ST28)。分析後、平均値を求めて基準周波数Frefと比較し(ST29、ST30)、比較結果を量子化して(ST31)、図5のようにファインダー内のサブLCDにより、7段階のうちの1つのレベルとして表示する(ST32)。
【0031】
マイコン20はシャッターの全押し状態を検知すると(ST34のYES)、ステップST25と同様に絞りを実行し、ハーフミラー15を跳ね上げ、シャッター45を開閉し、ハーフミラー15を元に戻す(ST34)。
【0032】
以上の動作において、シャッターの半押し状態のとき、解像度レベル表示44により、現在の解像度が基準解像度44aより低いことが表示された場合、マニュアル操作可能なカメラでは、絞りを開け、解像度が基準解像度44a以上になったことを確認してから撮影する。これにより、回折ボケの影響が少ない画像を得ることができる。尚この場合、入射光量が大きくなるので、シャッター速度は、自動設定であれば、より高速な速度で撮影される。
【0033】
このように、本発明により画質低下の発生しない上限の絞り値を特定できるため、この絞り値を超えないような自動露出制御を行うことが可能である。解像度低下が発生する絞り値以上に絞りを閉じなければ、露出過多となるような場合は、電子式シャッターを併用してシャッタースピードをより速めるなどして、露出制御を行うことができる。
【0034】
一眼レフ方式ではない簡易型デジタルカメラの場合、撮影モードとして風景モードというモードがある。一般に、このモードでは絞りが最も絞られた状態で撮影が行われるので、回折ボケの影響を受けやすい。従って、風景モードのときに、解像度不足が判明した場合は、解像レベル表示44により解像度不足を示すと共に、ユーザに例えば他のモードへの変更を推奨する旨の表示をしてもよい。他のモードに変更すれば、絞りは開き、回折ボケの影響が少ない画像を得ることができる。
【0035】
また、一眼レフ方式ではない一般的なデジタルカメラの場合、サブCCDではなく撮像用CCDセンサでリアルタイムに得られる映像データを用いて、同様な解像度検出を行うことが可能である。また、一眼レフ方式デジタルカメラであっても撮像用CCDのほかにライブビュー用CCDを持つ場合は、一般的なデジタルカメラと同様にリアルタイムに撮像可能であるため、より容易に解像度検出が実現できる。また、フィルムカメラにおいても本発明は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明が適用されるデジタル一眼レフカメラの光学系の構成例を示す図である。
【図2】回折ボケを説明するための光学系の構成を示す図である。
【図3】本発明による解像度検出方法の概要を示す処理工程図である。
【図4】本発明が適用されるデジタル一眼レフカメラのハードウェアブロック図である。
【図5】ファインダー40内のサブLCD26の表示例である。
【図6】撮影した2つの画像の周波数特性例を示す図である。
【図7】解像度表示に係るソフトウェア処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0037】
12…CCDセンサ、14…ペンタプリズム、15…ハーフミラー、16…サブCCDセンサ用ミラー、17…サブCCDセンサ、41…露出補正表示、42…撮影情報表示、43…AF/解像センサ位置マーカー、44…解像レベル表示。
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【出願日】 平成18年6月30日(2006.6.30)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦

【識別番号】100091351
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 哲

【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠

【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊

【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司

【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘

【識別番号】100084618
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 貞男

【識別番号】100092196
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 良郎


【公開番号】 特開2008−11417(P2008−11417A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−182191(P2006−182191)