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【発明の名称】 映像信号スケーリング装置
【発明者】 【氏名】浪岡 利幸

【要約】 【課題】制御を複雑化させずに、スケーリングされた映像の斜めエッジのギザギザを改善することができるスケーリング装置を提供する。

【構成】映像信号スケーリング装置1は、入力映像信号101を変換し、画素を補間した補間映像信号110,111として出力する適応型補間回路10と、映像信号を変換して画素数を任意の倍率で拡大又は縮小するスケーリング回路21と、上記補間映像信号110,111、又は上記入力映像信号101の何れかを、外部から入力されるON/OFF制御信号113に基づいて、選択的にスケーリング回路21に入力させる選択回路25と、上記ON/OFF制御信号113に基づいて、スケーリング回路21での変換に係るパラメータを切り替えさせるスケーリング制御回路23と、を備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力映像信号を変換して画素数を拡大又は縮小しスケーリング映像信号として出力する映像信号スケーリング装置において、
前記入力映像信号を変換し画素を補間した補間映像信号として出力する適応型補間回路と、
入力された映像信号を変換し画素数を任意の倍率で拡大又は縮小するスケーリング回路と、
前記適応型補間回路から出力された前記補間映像信号、又は前記入力映像信号の何れかを、外部から入力される選択制御信号に基づいて、選択的に前記スケーリング回路に入力させる選択回路と、
前記選択制御信号に基づいて、前記スケーリング回路での変換に係るパラメータを切り替えさせるスケーリング制御回路と、を備えたことを特徴とする映像信号スケーリング装置。
【請求項2】
前記適応型補間回路は、
前記入力映像信号の水平方向の画素数を2倍に伸張する水平伸張回路と、
前記水平伸張回路から出力された水平伸張映像信号の走査線数を2倍に伸張する垂直伸張回路と、を有し、
前記垂直伸張回路は、
前記水平伸張回路から出力された水平伸張映像信号における映像の斜め方向の相関を検出し、検出した当該相関が高い方向に基づく補間を行うことを特徴とする請求項1に記載の映像信号スケーリング装置。
【請求項3】
前記パラメータは、前記スケーリング回路での変換に係る画素数の拡大又は縮小の倍率の情報を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の映像信号スケーリング装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、入力映像信号を変換して画素数を拡大又は縮小しスケーリング映像信号として出力する映像信号スケーリング装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
映像信号には、NTSC、PAL、ハイビジョン、パソコン信号等の多種のフォーマットが存在する。このような多様なフォーマットの映像信号を、種々の画素数をもつディスプレイに表示しようとする場合には、各ディスプレイの画素数に合わせて信号フォーマットを変換するスケーリング処理が必要である。このようなスケーリング処理を行うための従来のスケーリング装置として、例えば、下記特許文献1〜4に記載のものが知られている。
【特許文献1】特開2000−56311号公報
【特許文献2】特開2004−254273号公報
【特許文献3】特開2002−218281号公報
【特許文献4】特開2000−115720号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この種のスケーリング装置では、入力映像信号の線形なスケーリングにより画素数の変換が行われる場合があるが、垂直方向の周波数成分が高い信号に対して、2倍を超えるような大きい伸張を行った場合、処理後のスケーリング映像信号の斜め方向に延びるエッジに、ギザギザ(「ジャギー」とも呼ばれる)が残るという問題があった。この対策として、スケーリング処理の前に、入力映像信号を適応型補間回路に入力して前段処理を行うことが考えられる。その一方で、入力映像信号の画素数によっては、このような前段処理が不要な場合もあり得るので、入力映像信号が上記適応型補間回路を迂回してスケーリング回路に直接入力されるルートを併設する必要がある。
【0004】
しかしながら、この場合、スケーリング回路に入力される映像信号が2種類以上存在し、入力される映像信号の種類に応じて処理を変更させる必要が生じるので、スケーリング装置の制御を複雑化させてしまう。そこで、本発明は、制御を複雑化させずに、スケーリングされた映像の斜めエッジのギザギザを改善することができるスケーリング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る映像信号スケーリング装置は、入力映像信号を変換して画素数を拡大又は縮小しスケーリング映像信号として出力する映像信号スケーリング装置において、入力映像信号を変換し画素を補間した補間映像信号として出力する適応型補間回路と、入力された映像信号を変換し画素数を任意の倍率で拡大又は縮小するスケーリング回路と、適応型補間回路から出力された補間映像信号、又は入力映像信号の何れかを、外部から入力される選択制御信号に基づいて、選択的にスケーリング回路に入力させる選択回路と、選択制御信号に基づいて、スケーリング回路での変換に係るパラメータを切り替えさせるスケーリング制御回路と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
この映像スケーリング装置では、入力映像信号が適応型補間回路によって変換され、画素を補間した補間映像信号として出力される。このとき、適応型補間回路は、入力映像信号の画素の補間の処理において、補間映像信号の斜めエッジのギザギザを低減する処理を行うことができる。その結果、この補間映像信号からスケーリング回路を経て得られる最終的なスケーリング映像信号においても、斜めエッジのギザギザを低減することができる。
【0007】
また、この映像スケーリング装置の選択回路では、スケーリング回路の前段に上記適応型補間回路での処理を加えるか否かが、選択制御信号に基づいて選択される。このとき、スケーリング制御回路においても、上記の選択制御信号に基づき、スケーリング回路での変換に係るパラメータが連動して自動的に切り替えられる。従って、適応型補間回路による上記処理が加わる場合にも、加わらない場合に比して、外部からの当該映像信号スケーリング装置の制御を変える必要がない。このように、この映像信号スケーリング装置では、入力映像信号に対する適応型補間回路の処理が加わるか否かに関わらず同じ制御を行えばよいので、制御の複雑化が抑えられる。
【0008】
また、適応型補間回路は、入力映像信号の水平方向の画素数を2倍に伸張する水平伸張回路と、水平伸張回路から出力された水平伸張映像信号の走査線数を2倍に伸張する垂直伸張回路と、を有し、垂直伸張回路は、水平伸張回路から出力された水平伸張映像信号における映像の斜め方向の相関を検出し、検出した当該相関が高い方向に基づく補間を行うことが好適である。
【0009】
この適応型補間回路では、水平伸張回路により水平方向の画素数が2倍に伸張される。その後、走査線数を2倍に伸張する際に、垂直伸張回路により水平伸張映像信号における映像の斜め方向の相関が検出され相関が高い方向への補間を行う処理が行われることにより、得られる映像信号における斜めエッジのギザギザが軽減される。
【0010】
また、上記パラメータの具体的な構成としては、スケーリング回路での変換に係る画素数の拡大又は縮小の倍率の情報を含む構成が挙げられる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の映像信号スケーリング装置によれば、制御を複雑化させずに、スケーリングされた映像の斜めエッジのギザギザを改善することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ本発明に係る映像信号スケーリング装置の好適な一実施形態について詳細に説明する。
【0013】
図1に示す映像信号スケーリング装置1は、入力3からの入力映像信号101を変換し、画素数を拡大又は縮小して、出力5からスケーリング映像信号118として出力する装置である。この装置1は、フルHDパネル用のテレビジョン放送受信機に用いることができ、例えば、画素数720×480のSD信号をスケーリング処理し画素数1920×1080のHD信号を出力することが可能である。
【0014】
このスケーリング装置1は、入力映像信号101の画素数を補間する処理を行う適応型補間回路10と、入力された映像信号の画素数を任意の倍率で拡大又は縮小するスケーリング回路21とを備えている。更に、スケーリング装置1は、上記スケーリング回路21に対してスケーリング制御信号116を出力するスケーリング制御回路23と、スケーリング回路21に入力させる映像信号を選択する選択回路25とを備えている。
【0015】
上記適応型補間回路10は、映像信号を1H分だけ遅延させる1H遅延回路11と、入力映像信号101の水平方向の画素数を2倍に伸張する水平2倍伸張回路(水平伸張回路)13と、水平2倍伸張回路13から出力された映像信号の走査線数を2倍に伸張する垂直斜め補間回路(垂直伸張回路)15とを備えている。更に、適応型補間回路10は、垂直斜め補間回路15で誤って発生した孤立点を除去するための孤立点除去フィルタ17を備えている。
【0016】
このスケーリング装置1において、入力3からの入力映像信号101は、適応型補間回路10に入力され、1H遅延回路11と、水平2倍伸張回路13とに導かれる。また、入力映像信号101は、適応型補間回路10を迂回して選択回路25にも入力される。適応型補間回路10において、入力映像信号101が入力された1H遅延回路11からは入力映像信号101よりも1H分だけ遅延した遅延映像信号103が出力され、水平2倍伸張回路13に入力される。
【0017】
水平2倍伸張回路13は、入力映像信号101及び遅延映像信号103を入力し、それぞれの入力に対して、補間フィルタにより水平方向の画素数を2倍にし、水平伸張映像信号105及び1H遅延した水平伸張映像信号106を出力する。なお、上記補間フィルタとしては、例えばここでは、2点間の直線補間が用いられる。
【0018】
垂直斜め補間回路15は、水平伸張映像信号105及び1H遅延した水平伸張映像信号106を入力する。そして、垂直斜め補間回路15は、隣接する信号105による走査線と信号106による走査線との間を補間する補間走査線を、補間信号108として生成する処理を行うことで、映像信号の走査線数を2倍に伸張する。ここで用いられる補間処理としては、次のような斜め補間の手法を用いることができる。例えば、補間される補間信号108の各補間画素を生成する際に、当該補間画素を各方向(斜め方向を含む)で挟む関係にある水平伸張映像信号105,106の画素対について、画素値同士の相関を検出し、検出した相関が最も高い方向を選択して、その方向で当該補間画素を挟む画素対を用いて補間演算を行い、当該補間画素を生成する。また、ここで用いられる補間処理としては、斜め補間に係る公知の手法を用いても良い。
【0019】
そして、生成した補間信号108は、水平伸張映像信号105,106と一緒に、孤立点除去フィルタ17に入力される。このように、映像信号の走査線数を伸張する際に、垂直伸張回路により映像信号の斜め方向の相関が検出され相関が高い方向への補間を行う処理が行われるので、伸張後の映像信号における斜めエッジのギザギザが軽減される。
【0020】
上記斜め補間処理では、斜め補間回路15において補間の方向を誤った場合に、周囲の画素と相関がない画素(孤立点)が突発的に発生する場合がある。そこで、孤立点除去フィルタ17には、水平伸張映像信号105,106及び補間信号108が入力され、上記のように発生した孤立点が除去されて、第1の斜め補間伸張信号(補間映像信号)110と第2の斜め補間伸張信号(補間映像信号)111とが生成される。この第1の斜め補間伸張信号110及び第2の斜め補間伸張信号111は、適応型補間回路10から出力され、選択回路25に入力される。以下、第1の斜め補間伸張信号110と第2の斜め補間伸張信号111とを合わせて、「補間映像信号」と称する。
【0021】
選択回路25には、上述の通り、入力映像信号101と補間映像信号110,111とが入力され、外部から(例えば、テレビジョン放送受信機の制御用CPUから)のON/OFF制御信号(選択制御信号)113が入力される。そして、選択回路25は、ON/OFF制御信号113がONの場合には、補間映像信号110,111をスケーリング回路21に出力する。また、ON/OFF制御信号113がOFFの場合には、選択回路25は、入力映像信号101をスケーリング回路21へ出力する。このように、スケーリング回路21には、選択回路25によって、補間映像信号110,111又は入力映像信号101の何れかが選択的に入力される。
【0022】
すなわち、換言すると、スケーリング回路21の前段において、適応型補間回路10による入力映像信号101の処理がONとなる(処理が行われる)か、OFFとなる(処理が行われない)かが、外部からのON/OFF制御信号113によって、切り替えられる。例えば、スケーリング映像信号118としてHD信号を得たい場合において、入力映像信号101がSD信号である場合には、適応型補間回路10による処理がONとされ、入力映像信号101がHD信号である場合には、適応型補間回路10による処理がOFFとされることが好ましい。
【0023】
次に、スケーリング回路21は、スケーリング制御回路23からのスケーリング制御信号116に従ってパラメータを決定し、入力された映像信号の画素数を所定の倍率で拡大又は縮小し要求される画素数に変換し、スケーリング映像信号118として出力する。この場合、スケーリング回路21に入力される映像信号は、上述の通り、補間映像信号110,111又は入力映像信号101の何れかであるが、このうち、補間映像信号110,111は、適応型補間回路10を経由しているので、入力映像信号101に比較して、水平方向に2倍、垂直方向に2倍の画素数を有している。
【0024】
ここで、スケーリング制御回路23にも、上記のON/OFF制御信号113が入力されており、スケーリング制御回路23は、このON/OFF制御信号113に基づき、スケーリング回路21における上記パラメータを切り替えさせるように、スケーリング制御信号116を発生する。そして、このバラメータの切り替えは、ON/OFF制御信号113のON/OFFに関わらず、スケーリング映像信号118の画素数が同じになるように行われる。
【0025】
すなわち、具体的には、上記パラメータは、スケーリング回路25で行われる画素数の拡大又は縮小の倍率(以下、「拡大縮小倍率」と称する)の情報を含んでいる。そして、スケーリング制御回路23は、ON/OFF制御信号113が「ON」の場合には、「OFF」の場合に比べて拡大縮小倍率が1/2になるように、スケーリング回路21における上記パラメータを切り替えさせる。なお、スケーリング制御回路23には、入力映像信号101の画素数及びスケーリング映像信号118の画素数を示す信号が入力されており、上記拡大縮小倍率は、スケーリング制御回路23の制御信号に含まれる入力映像信号101の画素数及びスケーリング映像信号118の画素数を基に決定される。
【0026】
従って、適応型補間回路10による処理のON/OFFに連動して、スケーリング回路21におけるパラメータが切り替えられ、適切な拡大縮小倍率が自動的に適用されることになる。このことにより、適応型補間回路10による入力映像信号101の処理のON/OFFに関わらず、スケーリング回路21から出力されるスケーリング映像信号118の画素数を、自動的に同じにすることが可能となる。
【0027】
以上のように、この映像信号スケーリング装置1によれば、スケーリング回路21による処理の前の適応型補間回路10による処理において、入力映像信号の垂直方向の伸張が、上述したような斜め補間処理を用いて行われるので、スケーリング映像信号の斜めエッジのギザギザが改善される。また、この装置1では、上記適応型補間回路10による処理をON/OFFすることが可能であるが、この処理のON/OFFに関わらず、最終的なスケーリング映像信号118の画素数が同じになるように、自動的に、スケーリング処理のパラメータが選択される。その結果、この装置1は、上記適応型補間回路10による処理がONの場合でもOFFの場合でも、外部から(例えば、テレビジョン放送受信機の制御用CPUから)同様の制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係る映像信号スケーリング装置の一実施形態を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0029】
1…映像信号スケーリング装置、10…適応型補間回路、13…水平2倍伸張回路(水平伸張回路)、15…垂直斜め補間回路(垂直伸張回路)、21…スケーリング回路、23…スケーリング制御回路、25…選択回路、101…入力映像信号、105,106…水平伸張映像信号、110,111…補間映像信号、113…ON/OFF制御信号(選択制御信号)、118…スケーリング映像信号。
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【出願日】 平成18年6月30日(2006.6.30)
【代理人】 【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹

【識別番号】100117558
【弁理士】
【氏名又は名称】白井 和之


【公開番号】 特開2008−11389(P2008−11389A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−181954(P2006−181954)