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【発明の名称】 情報処理装置およびその動作方法
【発明者】 【氏名】高橋 陽太

【要約】 【課題】ファックス通信時における送信側のデータ圧縮時の不具合を簡単に検出する。

【構成】ファックス通信を受信したら、原稿サイズの取得(ステップS202)、圧縮方式の取得(ステップ203)、原稿サイズおよび圧縮方式に応じて設定された閾値データ量のメモリからの読み出し(ステップS204)を行う。そして、受信したデータの圧縮状態におけるデータ量(コードデータ量)が閾値データ量を超えているか否か、を判定し(ステップS208)、コードデータ量が閾値データ量を超えていれば、送信側のデータ圧縮処理時に不具合が発生した可能性を前提とした処理を行う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ圧縮された通信データを送信および/または受信する通信手段と、
前記通信データの通信単位に対して設定された閾値データ量を記憶した記憶手段と、
前記通信データの通信単位を検出する通信単位検出手段と、
前記データ圧縮された通信データのデータ量が前記閾値データ量を超えているか否かを判定する判定手段と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記通信データは、ファックスの通信データであり、
前記通信単位は、用紙1ページに基づいて設定されることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記通信データは、ファックスの通信データであり、
前記通信単位は、前記通信データのライン単位に基づいて設定されることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記判定手段の判定に基づいて前記通信データの再送信を要求する信号を生成する再送信要求信号生成手段を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記判定手段の判定に基づいて前記通信データの再送信を要求する文書画像を前記通信データの送信元に送信する送信手段を備えることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記送信元に送信される文書画像内に、受信した前記通信データを伸長することで得た画像を表示させることを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記受信した通信データを伸長することで得た画像を表示する画像表示装置を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記受信した通信データを伸長することで得た画像を印刷する印刷手段を備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記通信データが写真画像のデータである場合に、前記判定の結果に関係なく当該画像の印刷を行う印刷手段を備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記通信データの圧縮方式に基づいて前記閾値データ量が個別に設けられていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の情報処理装置。
【請求項11】
データ圧縮された通信データの通信単位を検出する通信単位検出ステップと、
前記圧縮された通信データのデータ量と前記通信単位に対して設定された閾値データ量とを比較する比較ステップと
を備えることを特徴とする情報処理装置の動作方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ファックス通信等に適用可能な通信技術に係り、受信したデータのデータ圧縮状態におけるデータ量を監視することで通信エラーを検出する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ファックスの通信時における通信エラーに対応する技術として、画像情報を予め決められた長さの単位に分割したものを伝送し、伝送路上でエラーが生じた場合に分割された単位毎に再送信する技術(ECM)が知られている。この技術については、例えば特許文献1や特許文献2に記載されている。これらの技術は、通信プロトコルを利用して通信エラーの発生を検出し、そのリカバリを行なうものである。また、白紙のファクシミリ原稿を送信したことを検出し、それをユーザに警告する技術として、原稿の1ライン当たりの符号データ量がある決められた値よりも小さいか否か、を判定する構成が提案されている(特許文献3)。
【0003】
【特許文献1】特開平5−199354(「0066」段落、「0070」段落)
【特許文献2】特開平6−62207(要約書)
【特許文献3】特開平6―46185(要約書)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ファックス通信においては、電話回線を利用する関係から、データを圧縮(エンコード)し、電話回線を介してその圧縮したデータを受け取り側に送り、受け取り側においてその圧縮されたデータが伸長(デコード)されて元のデータが復元される。この方法においては、データ圧縮の処理時に不具合が発生し、データ圧縮されたものを伸張した場合に、正確に元の情報を再現できなくなる場合がある。特許文献1や2に記載された技術は、伝送路上におけるデータ伝送のエラーの発生を検出する技術であるので、このデータ圧縮時に発生する不具合を検出することができない。
【0005】
つまり、送り側のファックス通信装置におけるデータ圧縮処理に不具合が発生し、データ伝送にエラーが発生しない場合、上述したECMでは、正常通信としてデータ伝送が行なわれる。この際、受け側のファックス通信装置は、コードデータを正確に伸長することができず、一般に砂嵐状に乱れた画像が印刷される。また、特許文献3に記載されている技術は、白紙画像の判定を行うためのもので、上述した圧縮処理時の不良は検出できない。これは、後述のように、データの圧縮処理時に不具合が発生した場合、コード化されたデータのデータ量は、正常なデータ圧縮が行われた場合に比較して大きくなる傾向にあるからである。
【0006】
そこで本発明は、ファックス通信において、送信側のデータ圧縮時に不具合が発生した際にそれを簡単に検出し、データ通信の不具合を是正することができる技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の情報処理装置は、データ圧縮された通信データを送信および/または受信する通信手段と、通信データの通信単位に対して設定された閾値データ量を記憶した記憶手段と、通信データの通信単位を検出する通信単位検出手段と、データ圧縮された通信データのデータ量が閾値データ量を超えているか否かを判定する判定手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
以下、本発明の原理を説明する。一般にデータ圧縮に不具合が発生した場合、圧縮後のデータ量は、正常に処理が行われた場合に比較して大きくなる。例えば、データ圧縮が正常に行われた場合に、データ圧縮後のデータ量がデータ圧縮前の20%以下になるが普通である圧縮方式において、データ圧縮の処理に不具合があると、データ圧縮後のデータ量が80%〜110%程度と大きくなる。勿論この場合、元の画像(圧縮前の画像データ)は復元できない。
【0009】
本発明は、この現象を利用したものである。例えば、上記の例を挙げて説明すると、当該ファックス通信における原稿サイズおよび圧縮方法における標準的なデータ量(非圧縮)の50%を閾値データ量として設定する。そして、当該ファックス通信において取り扱われる圧縮データのデータ量が、この閾値データを超えるか否かを判定する。上述したように、データ圧縮時に不具合があると、データ圧縮後のデータ量が圧縮前の80%以上となる(この例示の場合)ので、扱う圧縮データのデータ量が標準データ量の50%を超えている場合、データ圧縮時に不具合が発生した可能性を推定することができる。これが本発明の原理である。
【0010】
閾値データ量をDとすると、所定の原稿サイズおよび圧縮方法における圧縮前における標準的なデータ量をA、圧縮後の標準的なデータ量をCとした場合に下記「数1」が満たされる必要がある。
【0011】
〔数1〕C<D<A
【0012】
本発明によれば、受信したデータが印刷される前に、送信元におけるデータ圧縮処理の不具合の発生を推し量ることができ、データの再送信を要求する等の対応を行うことができる。このため、受信原稿の枚数が多い場合に画像の再現ができていない原稿が印刷されて時間や印刷用紙が無駄になる等の問題を回避することができる。
【0013】
なお、通信単位というのは、ファックスで伝送される原稿のサイズ1ページ(A4やB5といった用紙の規格サイズの1ページ分)や通信規格で定められているライン単位のこという。
【0014】
本発明は、ファックス通信装置におけるファックス通信機能に利用する以外に、ファックス通信装置、複写装置、印刷装置、これらの複合機器の内部における通信技術に利用することができる。例えば、複写装置が電子ソート機能と呼ばれる機能を備えている場合がある。この機能によれば、例えば、複写する原稿の複写物を、ページを揃えて複数部印刷することができる。この機能を実行する場合、一旦画像データを圧縮し、それをRAMに蓄え、このRAMに蓄えた画像データを伸張して印刷する動作を繰り返す。一旦圧縮してRAMに記憶させるのは、画像データはデータ量が多いので、データ圧縮しないとデータの伝送効率やRAMの利用効率の面で不利になるからである。このRAMに記憶させる前のデータ圧縮が正常に行われたか否かを判定する技術に本発明を利用することで、機器内における通信に際してのデータ圧縮の不良を検出することができる。
【0015】
本発明の情報処理装置において、判定手段の判定に基づいて通信データの再送信を要求する信号を生成する再送信要求信号生成手段を備えることが望ましい。この態様によれば、受信したデータの送信側におけるデータ圧縮処理の不具合が疑われる場合に、当該通信データの再送信を送信側の通信装置に要求することができる。これにより、受信した画像が印刷された段階で初めて送信側におけるデータ圧縮処理の不具合を認識し、再度送信を依頼する等の面倒を避けることができる。
【0016】
本発明の情報処理装置において、判定手段の判定に基づいて通信データの再送信を要求する文書画像を当該通信データの送信元に送信する送信手段を備えることが望ましい。この態様によれば、送信側への再送信の依頼をFAX文書により行なうことができる。この態様によれば、送信元のユーザに状況を知らせることができるので、送信元のファックス装置のデータ圧縮機能に問題がある場合等に有用となる。
【0017】
また、この態様において、送信元に送信される文書画像内に、受信した通信データを伸長することで得た画像を表示させることもできる。こうすることで、再送信を依頼するファックス書面中に圧縮時に問題のあった画像のイメージ(多くの場合は、それは砂嵐状等になっている)が表示され、送信元のユーザがそれを参照することができる。この態様によれば、送信側と受信側との双方において、データ圧縮の不具合に起因するファックス通信時の通信トラブルにおける情報の共有化を計ることができる。
【0018】
本発明の情報処理装置において、受信した通信データが写真画像のデータである場合に、閾値データ量を利用した判定の結果に関係なく当該画像の印刷が行われることが好ましい。写真の画像データは、画素が微細に分布しているので、データ圧縮効率は低く、そのため文字情報の場合に比較してデータ圧縮後のデータ量(コードデータ量)が大きくなる。そのため、本発明の閾値データ量に基づく判定では、誤判定の可能性が高くなる。したがって、通信が写真モードで行われている場合には、通信やデータ形式が写真モードである旨を通信データのヘッダ情報等から取得し、判定処理に関係なく伸張後における当該画像の印刷を行うことが望ましい。
【0019】
本発明の情報処理装置において、前記閾値データ量が通信データの圧縮方式に基づいて個別に設けられていることが望ましい。データ圧縮によるデータ量の減少割合は、データ圧縮の方式によって異なる。したがって、データ圧縮の不具合の有無を判定するための閾値データ量の値は、圧縮方式に応じて個別に設定されていることが望ましい。
【0020】
本発明は、情報処理装置の動作方法として把握することもできる。すなわち、本発明の情報処理装置の動作方法は、データ圧縮された通信データの通信単位を検出する通信単位検出ステップと、圧縮された通信データのデータ量と通信単位に対して設定された閾値データ量とを比較する比較ステップを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、用紙サイズ等のデータ量単位で設定された閾値によって、データ圧縮処理によるデータ量の圧縮の程度を判定し、データ圧縮処理が正常に行われた否かを判定する。これにより、ファックスデータの送信側でデータ圧縮に不具合が発生した場合に、受信画像の印刷を行う前の段階で送信側でのデータ圧縮の不具合を受信側で検出することができ、データの再送信等の対応を行うことができる。このため送信側のデータ圧縮処理に問題があった場合におけるファックス通信の不具合を是正することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
1.第1の実施形態
(1−1:第1の実施形態の構成)
図1は、本発明を利用したファックス通信装置および通信システムの概要を示すブロック図である。図1には、電話回線10によって接続された同じ構成の第1のファックス通信装置100と第2のファックス通信装置200が示されている。
【0023】
ファックス通信装置100は、ROM(Read Only Memory)103を備えている。ROM103には、後述する動作を制御する動作プログラム、動作に必要なデータ、および送信側におけるデータ圧縮が正常に行われたか否かを判定する際に利用される閾値データ量が記憶されている。閾値データ量は、各原稿サイズと圧縮形式の組み合わせに応じて実験的に求めておき、それがROM103に記憶されている。閾値データ量の設定手順については後述する。
【0024】
CPU(Central Processing Unit)101は、ROM103に記憶された閾値データ量を参照し、受信データの送信側における圧縮処理が正常に行われたか否か、の判定を行う。また、CPU101は、各種デバイスの動作を制御し、後述する動作手順を実行する。RAM102は、後述する動作手順の実行時に必要なデータを一時的に記憶するワーキングエリアとして機能する。また、RAM102には、電池によるバックアップメモリや不揮発メモリが含まれており、ユーザが設定した各種の動作条件等が記憶される。なお、不揮発メモリとしてハードディスク等のディスク記憶装置を利用することもできる。また、不揮発メモリとして外付けの記憶媒体を利用することもできる。
【0025】
原稿読み取り部104は、ファックス送信する原稿のイメージ画像を光学的に読み取り、当該画像イメージの電子データを生成する機能を有する。また、セットされた原稿の原稿サイズを検出する機能を有する。コード作成部(Encoder)105は、原稿読み取り部104から出力される電子データを所定のデータ圧縮方法に従ってコード化(符号化)し、データ圧縮を行う。データ圧縮方法としては、MH、MR、MMR、JBIG等が挙げられるが、他の形式のものでも利用することができる。
【0026】
データ圧縮された画像データは、コード作成部105からファックスモデム106に送られる。ファックスモデム106は、データ圧縮された画像データを、電話回線10を伝送可能なデータ信号の形式に変換し、またその変換したデータ信号を、電話回線10を介して送信相手のファクス通信装置200に送る機能を有する。また、ファックスモデム106は、電話回線10を介して伝送されてくるデータ信号をファックス通信装置100内で取り扱うことができる形式のデータ信号に変換する機能を有する。
【0027】
画像復元部(Decoder)107は、コード作成部105とは逆に、ファックスモデム106が受信した通信データを圧縮された状態から伸張し、画像データを復元する機能を有する。原稿出力部108は、画像復元部107で復元された画像データに基づいて、当該画像を印刷し出力する機能を有する。画像表示装置109は、画像復元部107で復元した画像データに基づく画像イメージを画面上に表示する。また、画像表示装置109は、ユーザへの報知情報やユーザが各種の操作や設定を行う際に必要な情報を表示する。画像表示装置109としては、例えば液晶ディスプレイ等が利用される。また、図示省略されているが、ファックス通信装置100は、各種の設定や操作を行うための操作手段を備えている。
【0028】
符号200によって示されるファックス通信装置もファックスス通信装置100と同じ構成と有している。各部の構成は、同じであるので説明は省略する。
【0029】
(1−2:閾値データ量の設定の手順)
まず、各圧縮形式と各原稿サイズの組み合わせにおいて、非圧縮状態における標準的なデータ量(標準データ量)Aを求める。この標準データ量Aは、多様な書類における原稿サイズ(用紙サイズ)とそのデータ量の調査に基づいて取得することが望ましい。また、データ圧縮後の標準的なコードデータ量Cを調べておく。なお、データ圧縮率B(%)は、下記「数2」によって示される。
【0030】
〔数2〕B=(C/A)×100
【0031】
閾値データ量Dは、前述した「数1」を満たすDの範囲から選択される。Dの値は、できるだけ多くのサンプルを調べ、最も効率的にデータ圧縮時の不具合を検出できる値を選択する。
【0032】
閾値データ量を定めたら、それをROM13に記憶する。例えば、JBIG方式の圧縮方法を利用する場合、閾値データ量として、標準データ量の50%の値を設定する。これは、JBIG方式の圧縮方法では、通常は圧縮後のデータ量が圧縮前の0.2倍程度以下となるが、データ圧縮時に何らかの不具合があると、圧縮後のデータ量が0.8〜1.1倍程度になることが多い現象に基づいている。この場合、圧縮後のデータが非圧縮状態の標準データ量の0.5倍を超えている場合にデータ圧縮時に不具合が生じ、正常にデータ圧縮が行えなかった可能性が高いと判定される。なお、閾値データ量は、圧縮形式および原稿サイズによって異なるので、圧縮形式と原稿サイズの違いに応じて設定する必要がある。
【0033】
同じ圧縮方式および同じ原稿サイズであっても通信する内容に応じて、適切な閾値データ量を複数設定し、例えばビジネス用に閾閾値データ量を設定したビジネスモード、簡単な連絡事項の通信が多い場合を想定した閾値モードを設定した個人利用モード等を用意し、ユーザが適宜選択できるようにしてもよい。また、送信相手に応じて、これらモードを設定できるようにしてもよい。
【0034】
(1−3:第1の実施形態の動作)
以下、図1のファックス通信装置200からファックス通信装置100に画像の送信が行われた際におけるファックス通信装置100において行われる動作の一例を説明する。図2は、この際におけるファックス通信装置100内における動作の手順を説明するフローチャートである。
【0035】
ファックス通信装置200から送られてきた通信データがファックス通信装置100で受信されると、処理がスタートする(ステップS201)。処理がスタートすると、まず受信した画像データの原稿サイズ(例えばA4規格等)に関する情報を取得し(ステップS202)、さらに受信した通信データの圧縮方式を取得する(ステップS203)。ファックス通信においては、通信データ内にそのデータの送信元、圧縮方式、原稿サイズ、写真モードであるか否か等に関するデータが含まれている。ステップS202およびステップ203では、これら原稿サイズの情報および圧縮方式に関する情報を取得する。受信したデータは、ファックスモデム106から画像復元部107に送られ、画像復元部107が備えるRAM(図示省略)に一旦記憶される。また、原稿サイズや写真モードに関する情報は、RAM102に記憶される。
【0036】
次にステップS202において取得した原稿サイズ、およびステップS203において取得した圧縮形式を参照し、対応する閾値データ量をROM103から読み出す(ステップS204)。次に画像復元部107が備えるRAM(図示省略)に一旦記憶されている受信データのコードデータ量を原稿単位で算出し、その最大値を取得する(ステップS205)。コードデータ量の最大値を取得するのは、コードデータの少ない原稿に基づく誤判定を極力避けるためである。
【0037】
次に画像復元部107中にバッファリングされている受信データを画像復元部107においてデータ圧縮状態から伸長し、画像データを復元する(ステップS206)。復元された画像データは、画像復元部107内の図示しないRAMに一旦記憶される。
【0038】
画像データを復元したら、この画像データの画像が写真画像か否か、を判定する(ステップS207)。この判定では、受信した通信データのヘッダ情報が参照され、ファックス通信が写真モードであればステップS209に進み、ステップS206において復元したデータに基づき画像の印刷を行なう。また、ファックス通信が写真モードでなければ、ステップS208に進む。ステップS208では、ステップS205において取得したコードデータ量がステップS204において読み出した閾値データ量を超えているか否か、が判定される。ここで、受信したデータのコードデータ量(圧縮状態のデータ量)が閾値データ量を超えていればステップS210に進み、そうでなければステップS209に進む。なお、ステップS209における印刷の終了後、処理は終了する(ステップS219)。
【0039】
ステップS210では、送信側(ファックス通信装置200側)におけるデータ圧縮に不具合があった可能性がある旨の報知が行なわれる。この報知は、画像表示装置109に表示される。この時、図示しない音声出力装置から報知音を出力しても良い。
【0040】
ステップS210の後、ステップS206で復元した画像データに基づく画像を画像表示装置109の画面上に表示するか否か、が判定される(ステップS211)。当該画像を表示するか否かは、予め設定しておくこともできるし、画像表示装置109上に選択メニューを表示し、ユーザが図示しない操作手段を操作することで選択することもできる。当該画像を表示するのであれば、ステップS212に進んで表示を行い、そうでなければステップS213に進む。
【0041】
ステップS208の判定がYESであっても、送信側でのデータ圧縮が正常に行なわれている場合もある。ステップS212における画像表示を行うことで、最終的にユーザが目視により復元された画像の状態を確認することができ、誤判定に起因する不都合を避けることができる。なお、ステップS212における画像表示は、サムネール画像や一部拡大画像であってもよい。
【0042】
ステップS213では、ステップS206において復元した画像データに基づく画像を印刷し、原稿出力部108から出力するか否か、を判定する。この判定の可否の決定は、予め設定しておくこともできるし、画像表示装置109上にその旨を表示し、ユーザが図示しない操作手段を操作することで選択することもできる。試し印刷を行なうのであれば、ステップS214に進み試し印刷を行い、そうでなければステップS215に進む。ステップS214の試し印刷を行なうことで、実際に印刷画像を見て送信元におけるデータ圧縮時の不具合を確認することができる。なお、ステップS214の試し印刷は、目視による確認の為の印刷であり、受信した全ての画像を印刷する必要はない。したがって、ステップS206において復元した画像の1枚目や最も画像情報の多い原稿の印刷を行なえばよい。
【0043】
ステップS215では、ステップS206において復元した画像データに基づく画像の全てを印刷するのか否か、の判断を問う内容が画像表示装置109に表示され、ユーザによる選択が行われる。そして、ユーザにより図示しない操作手段が操作され、印刷が指示されればステップS209に進み、復元した画像の全てを印刷し、印刷が指示されなければステップS216に進む。
【0044】
ステップS216では、送信元のファックス通信装置200に対して、自動再送信を要求するか否か、が判定される。ここでは、自動再送信を要求するか否か、の判断を問う内容が画像表示装置109に表示され、ユーザによる選択が行われる。そして、ユーザにより図示しない操作手段が操作され、自動再送信を要求する旨が指示された場合はステップS217に進み、自動再送信を要求しない旨が指示された場合はステップS218に進む。
【0045】
ステップS217では、送信元のファックス通信装置200に対して、再度通信データを送る旨を指示する信号がファックスモデム106から出力される。この場合、送信側のファックス通信装置200におおてリトライ動作が行なわれ、再度読み取り画像データのデータ圧縮、およびその圧縮データのファックス通信装置100への再送信処理が実行される。
【0046】
一方、ステップ218では、再送信を依頼するファックス文書を送信元のファックス通信装置200に送信する。この場合、ファックス通信装置200側で自動的に再送信が行なわれるのではなく、送信元のユーザがファックス通信装置100から送られてきたファックス文書を見て、再送信の可否の判断を行う。
【0047】
図3は、図2のステップS218の詳細な手順を示すフローチャートである。図2のステップS218の処理が開始されると(図3のステップS301)、送信元に送信するファックス文書にサンプル画像を添付するか否か、の判定が行なわれる(ステップS302)。この判定の可否は、予め設定しておくこともできるし、図示しない操作手段の操作により選択できるようにすることもできる。サンプル画像を添付するのであれば、サンプル画像を作成し(ステップS303)、そうでなければ再送を要求する書面を作成する(ステップS304)。
【0048】
ステップS303において作成されるサンプル画像は、ステップS206において復元した画像の状態を送信元のユーザに知らせるためのものであり、復元した画像のサムネール画像や一部切り取り画像である。ステップS304において作成される書面は、データの再送を要求する旨の文書であり、予め用意しておいたものをRAM102の不揮発メモリ部やROM103に記憶させておき、それを利用する。
【0049】
ステップS303の後、ステップS305に進み、ステップ304において作成したのと同様な内容の書面にステップS303で作成した画像を貼り付ける処理が行われる。サンプル画像の画像貼り付け用の書面は、予めRAM102の不揮発メモリ部やROM103に記憶されておき、それを利用する。
【0050】
ステップS304またはステップS305が実行された後、当該書面のファックス通信装置200への送信が行なわれる(ステップS306)。こうして、図2のステップS218の処理が行われる。
【0051】
(1−4:第1の実施形態の優位性)
以上の動作によれば、受信したデータのデータ量から送信側におけるデータ圧縮処理時の不具合の有無が推定され(ステップ208)、データ圧縮動作の不具合が疑われる場合には、全データを印刷しなくても、伸長後の画像データに基づく画像内容の確認(ステップS212、ステップS214)を行なうことができる。そして、再度ファックスの送信を要求することができる(ステップS217、S218)。
【0052】
また受信した画像データが写真画像のデータであった場合、圧縮状態におけるデータ量が多い可能性が高いので、ステップS207の判定がYESとなり、データ量に関する判定は行なわれず、即印刷が実行される(ステップS209)。こうすることで、写真画像の画像データを受信した際に、送信側でのデータ圧縮動作に不具合が発生したと誤判定することを避けることができる。
【0053】
また、再送信の要求も、自動再送信の要求(ステップS217)または再送信を要求するファックス文書の送信(ステップS218)を選択できるので、状況に応じた対応を行なうことができる。また、再送信を要求するファックス文書の送信を行う場合も、単にその旨の文書を作成する場合(ステップS304)と、文書中に送信側のユーザの参考になるようにサンプル画像を貼り付ける場合(ステップS305)を選択することができる。これにより、送信側のファクス通信装置のデータ圧縮機能に不具合が発生した場合における送信側ユーザとの間における意思の疎通を容易にすることができる。
【0054】
2.第2の実施形態
(2−1:第2の実施形態の概要)
本発明は、複写装置内部におけるデータ圧縮に不具合が生じた場合にそれを検出する構成に利用することもできる。以下、その一例を説明する。図4は、本発明を利用した複写装置の一例を示すブロック図である。図4に示す複写装置40は、ROM43を備えている。ROM43には、後述する動作を制御する動作プログラム、動作に必要なデータ、および送信側におけるデータ圧縮が正常に行われたか否かを判定する際に利用される閾値データ量が記憶されている。閾値データ量は、各原稿サイズと圧縮形式の組み合わせ応じて実験的に求めておき、それがROM43に記憶されている。閾値データ量の設定手順は、第1の実施形態の場合と同じである。
【0055】
CPU41は、ROM43に記憶された閾値データ量を参照し、データ圧縮処理が正常に行われたか否か、の判定を行う。また、CPU41は、各種デバイスの動作を制御し、後述する動作手順を実行する。RAM42は、後述する動作手順の実行時に必要なデータを一時的に記憶するワーキングエリアとして機能する。また、RAM42は、ハードディスク装置を含み、大容量のデータを保持することができる。
【0056】
原稿読み取り部44は、複写する原稿のイメージ画像を光学的に読み取り、当該画像イメージの電子データを生成する機能を有する。また、セットされた原稿の原稿サイズを検出する機能を備える。コード作成部(Encoder)45は、原稿読み取り部44から出力される電子データを所定のデータ圧縮方法に従ってコード化(符号化)し、データ圧縮を行う。データ圧縮された画像データ(コードデータ)は、コード作成部45からRAM42のハードディスク装置に出力され、そこに一旦記憶される。この場合、コード作成部45は、データ圧縮された画像データ(通信データ)を送信する手段としても機能する。
【0057】
画像復元部(Decoder)47は、RAM42に一旦記憶されたコードデータが入力され、それを伸張し、画像データを復元する機能を有する。原稿出力部48は、画像復元部47で復元された画像データに基づいて、当該画像を印刷し出力する機能を有する。電子ソートの場合、適宜RAM内のコードデータが画像復元部47に読み出され、そこで伸張され、伸張後の画像データが原稿出力部48に送られる。
【0058】
画像表示装置49は、画像復元部47で復元した画像データに基づく画像イメージを画面上に表示する。また、画像表示装置49は、ユーザへの報知情報やユーザが各種の操作や設定を行う際に必要な情報を表示する。画像表示装置49としては、例えば液晶ディスプレイ等が利用される。また、図示省略されているが、複写装置40は、各種の設定や操作を行うための操作手段を備えている。
【0059】
(2−2:第2の実施形態の動作)
以下、複写装置40に原稿を読み取らせ、それを印刷する場合の動作の一例を説明する。まず、原稿が原稿読み取り部44にセットされ、さらに図示しない操作手段が操作されて複写開始が指示されると、処理がスタートする(ステップS401)。なお、写真を読み取らせるのであれば、この際に写真モードが指定される。処理がスタートすると、最初に原稿の内容が光学的に読み取られ(ステップS402)、その画像データ(圧縮前の状態のもの)が原稿読み取り部44またはコード作成部45内のバッファメモリ内に一旦記憶される。また、この原稿読み取り時に原稿サイズが取得され(ステップS403)、読み取った原稿サイズに基づいてROM43から閾値データ量が読み出される(ステップS404)。
【0060】
次にコード作成部45において、読み取った原稿の画像データを所定の圧縮方式でコード化しデータ圧縮が行なわれる(ステップS405)。コード化されたデータは、RAM42内に一旦記憶される。
【0061】
圧縮データを得たら、その中から原稿単位の最大値を探し出し、それを取得する(ステップS406)。次にステップS402の原稿の読み取り時に、写真モードが指定されているか否か、が判定され(ステップS407)、写真モードであればステップS409に進み、コード化した画像データを原稿出力部48に送り、印刷を行う。電子ソート機能等を利用する場合、RAM42から当該印刷ページのコードデータが適宜読み出され、それが画像復元部47で伸張され、原稿出力部48に送られる。また、写真モードでなければ、ステップS405の圧縮処理後のデータのデータ量が、ステップS404で読み出した閾値データ量を超えているか否か、を判定する(ステップS408)。圧縮データのデータ量が閾値データ量を超えていれば、データ圧縮に不具合があった可能性がある旨の報知が行なわれる(ステップS410)。この報知は、画像表示装置109に表示される。なお、ステップS409の送信が行なわれると、処理が終了する(ステップS409)。
【0062】
ステップS410の報知処理の後、ステップS405のデータ圧縮を再度実行するか否か、が判定される(ステップS411)。再度データ圧縮を行なうか否かの選択は、予め設定しておくこともできるし、この判定タイミングにおいて、画像表示装置109上にその旨を表示し、ユーザに選択させることもできる。再度データの圧縮処理を行うのであれば、ステップS405の前に戻り、ステップS405以下の動作を再度実行する。この際、既にコード化されている圧縮データは消去される。再度データの圧縮処理を行わないのであれば、処理を終了する(ステップS412)。この場合、印刷は行われない。
【0063】
なお、ステップS411の代わりに、「原稿を再度読み取るか、否か」を判定し、再度原稿を読み取ると判定された場合に、ステップS402以下を再度実行するようにしてもよい。
【0064】
(2−3:第2の実施形態の優位性)
本実施形態によれば、複写装置内で印刷を行なう際に、データの圧縮が正常に行なわれたか否かが判定され、データ圧縮処理の不具合が判定された場合に再圧縮処理を行うことができる。これにより、データ圧縮の不具合による印刷不良を回避することができる。
【0065】
(2−4:第2の実施形態の変形)
ステップS410とステップS411との間において、図2のステップS211〜S214の処理を実行してもよい。この場合、ステップS405でコード化したデータを伸長し、元の画像データに戻す処理が必要となる。この態様によれば、ステップS408でYESと判定された圧縮データの圧縮処理が、正常に行なわれていたか否か、を視認して直接確かめることができる。
【0066】
3.第3の実施形態
本発明は、ファックス通信装置内におけるデータの伝送技術に利用することもできる。すなわち、図1に示すコード作成部105でデータ圧縮したコードデータに対して、図5のステップS402以下の処理を行い、データ圧縮が正常に行えたか否か、を判定することができる。この場合、図5のステップS409の処理において、ファックスデータの送信処理を実行すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、ファクスク通信装置、印刷装置、複写装置、あるいはそれらの機能の複数を備えた複合装置に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】発明を利用したファックス通信装置およびその通信システムの概要を示すブロック図である。
【図2】発明を利用したファックス通信装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図3】発明を利用したファックス通信装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図4】発明を利用した複写装置の概要を示すブロック図である。
【図5】発明を利用した複写装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0069】
100…ファックス通信装置、200…ファックス通信装置、40…複写装置。
【出願人】 【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
【出願日】 平成18年6月30日(2006.6.30)
【代理人】 【識別番号】100096884
【弁理士】
【氏名又は名称】末成 幹生


【公開番号】 特開2008−11381(P2008−11381A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−181899(P2006−181899)