| 【発明の名称】 |
画像読取装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】寺尾 晃
【氏名】森部 正人
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| 【要約】 |
【課題】画像読取装置において、原稿を読み取り窓(静止読取窓7)に密着させる。
【構成】原稿カバー3に対して変位可能に組み付けられたベース板17に板バネ状のバネ部19を設けるとともに、ベース板17に弾性部材15Aからなる原稿押さえ15を設け、かつ、原稿カバー3にバネ部19を押圧する第1押圧部23及び弾性部材15Aを押圧する第2押圧部25を設ける。これにより、ベース板17を矯正しながら原稿押さえ15を確実に静止読取窓7に押圧することができるので、静止読取窓7に密着させることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 受光した光に基づいて電気信号を発する画像撮像素子を有し、原稿に記載された画像を読み取る画像読取装置であって、 略水平方向に拡がる画像読み取り用の読み取り窓を有し、原稿が載置される原稿載置台と、 前記原稿載置台に組み付けられ、前記読み取り窓を上方側から覆う場合と前記読み取り窓を開放する場合とを切り替え可能な原稿カバーと、 前記原稿カバーから離隔する向き及び前記原稿カバーに近づく向きに変位可能であって、かつ、前記読み取り窓側に対向する平板部を有して構成された略矩形状のベース板と、 一端側が前記ベース板の外縁部側に一体化された板バネ状のバネ部と 前記ベース板の前記読み取り窓側に貼り付けられた弾性変形可能な平板状の弾性部材を有し、載置された原稿を前記読み取り窓に向けて押さえる原稿押さえとを備え、 前記原稿カバーには、前記読み取り窓が前記原稿カバーにて覆われた場合に、前記原稿カバーの自重による力を作用させて前記バネ部を前記読み取り窓側に押圧する第1押圧部が設けられていることを特徴とする画像読取装置。 【請求項2】 前記バネ部は、前記ベース板に一体形成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。 【請求項3】 前記バネ部は、その先端側が前記ベース板の外方側に延びるように設けられており、 さらに、前記弾性部材は、前記ベース板のうち前記バネ部の根元側に対応する部位より外側にて前記ベース板に貼り付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像読取装置。 【請求項4】 前記ベース板のうち前記バネ部の根元側に対応する部位より内側には、前記ベース板を貫通する貫通穴が設けられており、 さらに、前記原稿カバーには、前記読み取り窓が前記原稿カバーにて覆われた場合に、前記貫通穴を貫通して前記弾性部材に接触することにより前記原稿カバーの自重による力を作用させて前記弾性部材を前記読み取り窓側に押圧する第2押圧部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の画像読取装置。 【請求項5】 前記貫通穴は、前記ベース板の外縁部の垂直二等分線に対して略対称となるように複数個設けられており、 さらに、前記第2押圧部は、前記貫通穴と同数個設けられていることを特徴とする請求項4に記載の画像読取装置。 【請求項6】 前記バネ部は、少なくとも前記ベース板の角部に設けられており、 さらに、前記ベース板の角部に設けられた前記バネ部の延びの方向は、前記ベース板の外縁部に対して略45°傾いていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の画像読取装置。 【請求項7】 前記バネ部は、前記角部に加えて、隣り合う2つの前記角部間にも設けられており、 さらに、前記角部間に設けられた前記バネ部の延びの方向は、前記ベース板の外縁部に対して略直交していることを特徴とする請求項6に記載の画像読取装置。 【請求項8】 前記角部間に設けられた前記バネ部は、前記ベース板の外縁部のうち互いに対向する対辺部の略中央部に対応する部位に設けられていることを特徴とする請求項7に記載の画像読取装置。 【請求項9】 前記ベース板は長方形状であり、 前記角部間に設けられた前記バネ部は、前記ベース板の外縁部のうち長辺部の略中央部に対応する部位に設けられていることを特徴とする請求項7に記載の画像読取装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、フラットベット型の画像読取装置に関するものである。 【背景技術】 【0002】 画像読取装置は、画像読み取り用の読み取り窓に載置された原稿に光を照射して、その反射光を画像撮像素子にて受光して原稿に記載された画像を読み取るものである。 そして、通常のフラットベッド側の画像読取装置では、原稿から反射した反射光以外の光が画像撮像素子に入射しないように、読み取り窓を上方から覆う原稿カバーを設けられている。 【0003】 また、原稿カバーには原稿押さえが設けられており、この原稿押さえにより原稿を読み取り窓に密着させることにより、原稿上で画像撮像素子の焦点が合うようにしている。 しかし、原稿カバーに原稿押さえに固定され、かつ、原稿カバーに歪みがあると、その歪みの影響を受けて原稿押さえも歪んでしまうので、原稿が読み取り窓から部分的に浮き上がる可能性がある。そして、原稿が浮き上がると、その浮き上がった部分は、画像撮像素子の焦点位置からずれてしまうので、画像撮像素子により読み取られる画像データの品質が劣化してしまう。 【0004】 そこで、特許文献1に記載の発明では、原稿に接触して原稿を押さえる原稿押さえを原稿カバーに対して変位(遊動)可能に組み付け、原稿押さえを原稿カバーに対して変位させている。 【0005】 このような構成によると、原稿押さえが原稿カバーの歪みの影響を受け難くなるので、原稿カバーの歪みの影響を受けて原稿押さえが歪んでしまうことを防止でき、原稿から読み取られる画像データの品質が低下することを抑制することができる。 【特許文献1】特開2002−209037号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 ところで、特許文献1に記載の発明では、原稿押さえが原稿カバーに対して変位するので、原稿カバーの歪みを原稿押さえで吸収することができるものの、原稿押さえ自体に歪みがある場合には、読み取り窓に対して原稿が部分的に浮いてしまうので、画像撮像素子により画像を正確に読み取ることができない。 【0007】 また、特許文献1に記載の発明では、原稿押さえが原稿カバーに対して変位可能であるので、原稿を読み取り窓に密着させる(押圧する)力は、原稿押さえの自重による力のみであり、原稿カバーの自重は原稿を読み取り窓に密着させるために寄与しない。 【0008】 そして、通常、原稿押さえの自重は、原稿カバーに比べると小さいので、特許文献1に記載の発明では、原稿を読み取り窓に密着させるに十分な力を原稿に作用させることができない。 【0009】 本発明は、上記点に鑑み、画像読取装置において、原稿を読み取り窓に密着させることを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0010】 本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、受光した光に基づいて電気信号を発する画像撮像素子を有し、原稿に記載された画像を読み取る画像読取装置であって、略水平方向に拡がる画像読み取り用の読み取り窓(7)を有し、原稿が載置される原稿載置台(5)と、原稿載置台(5)に組み付けられ、読み取り窓(7)を上方側から覆う場合と読み取り窓(7)を開放する場合とを切り替え可能な原稿カバー(3)と、原稿カバー(3)から離隔する向き及び原稿カバーに近づく向きに変位可能であって、かつ、読み取り窓(7)側に対向する平板部(17A)を有して構成された略矩形状のベース板(17)と、一端側がベース板(17)の外縁部側に一体化された板バネ状のバネ部(19)、ベース板(17)の読み取り窓(7)側に貼り付けられた弾性変形可能な平板状の弾性部材(15A)を有し、載置された原稿を読み取り窓(7)に向けて押さえる原稿押さえ(15)とを備え、原稿カバー(3)には、読み取り窓(7)が原稿カバー(3)にて覆われた場合に、原稿カバー(3)の自重による力を作用させてバネ部(19)を読み取り窓(7)側に押圧する第1押圧部(23)が設けられていることを特徴とする。 【0011】 これにより、請求項1に記載の発明では、原稿カバー(3)に対して変位可能に組み付けられたベース板(17)に原稿押さえ(15)が設けられており、かつ、原稿押さえ(15)に平板状の弾性部材(15A)が貼り付けられているので、ベース板(17)が原稿カバー(3)に対して変位することにより原稿カバー(3)の歪みが吸収され、弾性部材(15A)により比較的小さなベース板(17)の歪みが吸収される。 【0012】 また、第1押圧部(23)及びバネ部(19)を介して原稿カバー(3)の自重による押圧力がベース板(17)に作用するので、この押圧力によりベース板(17)及び原稿押さえ(15)の歪み(反り)が矯正されるとともに、ベース板(17)の自重による力と原稿カバー(3)の自重による力とによって原稿が読み取り窓(7)に押圧されるので、原稿を確実に読み取り窓(7)に密着させることができる。 【0013】 ところで、例えばベース板(17)の中央側が読み取り窓(7)側に凸となるようにベース板(17)が反っていると、ベース板(17)の外縁部、つまり原稿押さえ(15)の外縁部が読み取り窓(7)から浮いた状態となるので、このように反っている場合に特に原稿が読み取り窓(7)から浮いて、原稿から読み取られる画像データの品質が低下する可能性がある。 【0014】 これに対して、請求項1に記載の発明では、バネ部(19)の一端側、つまりバネ部(19)の根元側がベース板(17)の外縁部側に固定されているので、第1押圧部(23)はベース板(17)の外縁部側を読み取り窓(7)側に押圧することとなる。したがって、請求項1に記載の発明では、ベース板(17)が読み取り窓(7)側に凸となるように反っている場合であっても、確実にベース板(17)を矯正することができる。 【0015】 ところで仮に、第1押圧部(23)がバネ部(19)を介さずにベース板(17)を直接的に押圧する構造であると、第1押圧部(23)の寸法バラツキ等によりベース板(17)を押圧する力がばらついてしまう。 【0016】 これに対して、請求項1に記載の発明では、バネ部(19)を介して第1押圧部(23)がベース板(17)を押圧するので、第1押圧部(23)の寸法バラツキ等をバネ部(19)にて吸収することができる。したがって、ベース板(17)に対して確実に押圧力を作用させることができるので、ベース板(17)を確実に矯正しながら、ベース板(17)、つまり原稿押さえ(15)を読み取り窓(7)側に押圧することができる。 【0017】 以上に説明したように、請求項1に記載の発明では、原稿を読み取り窓(7)に確実に密着させることができるので、原稿に記載されている画像を確実に読み取ることができる。 【0018】 なお、請求項2に記載の発明のごとく、バネ部(19)をベース板(17)に一体形成すれば、ベース板(17)の部品点数及び製造工数を低減することができるので、画像読取装置の製造原価上昇を抑制しながら、原稿を読み取り窓(7)に確実に密着させることができる。 【0019】 請求項3に記載の発明では、バネ部(19)は、その先端側がベース板(17)の外方側に延びるように設けられており、さらに、弾性部材(15A)は、ベース板(17)のうちバネ部(19)の根元側に対応する部位より外側にてベース板(17)に貼り付けられていることを特徴とする。 【0020】 これにより、請求項3に記載の発明では、バネ部(19)の根元側がベース板(17)の内側(中央側)に位置し、先端側がベース板(17)の外縁部側に位置することとなるので、第1押圧部(23)によりバネ部(19)が押圧されると、バネ部(19)は、ベース板(17)の内側(中央側)が原稿カバー(3)側に凸となり、ベース板(17)の外縁部側が読み取り窓(7)側に押し付けられるようなモーメント力をベース板(17)に対して作用させる。 【0021】 このため、ベース板(17)の外縁部側が読み取り窓(7)側に押し付けられるように押圧される。一方、ベース板(17)の内側(中央側)が読み取り窓(7)から浮いた状態になるものの、弾性部材(15A)は、ベース板(17)のうちバネ部(19)の根元側に対応する部位より外側にてベース板(17)に貼り付けられているので、ベース板(17)のうちバネ部(19)の根元側に対応する部位より内(中央)側はベース板(17)に対して比較的自由に変位することができる。 【0022】 したがって、ベース板(17)の外縁部側は、バネ部(19)を介して第1押圧部(23)により読み取り窓(7)側に押圧されながら矯正され、一方、ベース板(17)のうち外縁部より(中央)側は、弾性部材(15A)が浮き上がることなく、その自重により読み取り窓(7)側に変位して原稿を読み取り窓(7)に押圧するので、請求項3に記載の発明では、原稿押さえ(15)全域にて原稿を読み取り窓(7)に押圧することができ、原稿と読み取り窓(7)とを確実に密着させることができる。 【0023】 請求項4に記載の発明では、ベース板(17)のうちバネ部(19)の根元側に対応する部位より内側には、ベース板(17)を貫通する貫通穴(21)が設けられており、さらに、原稿カバー(3)には、読み取り窓(7)が原稿カバー(3)にて覆われた場合に、貫通穴(21)を貫通して弾性部材(15A)に接触することにより原稿カバー(3)の自重による力を作用させて弾性部材(15A)を読み取り窓(7)側に押圧する第2押圧部(25)が設けられていることを特徴とする。 【0024】 これにより、弾性部材(15A)を確実に読み取り窓(7)側に変位させることができるので、原稿押さえ(15)全域にて原稿を読み取り窓(7)に押圧することができ、原稿と読み取り窓(7)とを確実に密着させることができる。 【0025】 請求項5に記載の発明では、貫通穴(21)は、ベース板(17)の外縁部の垂直二等分線(L1、L2)に対して略対称となるように複数個設けられており、さらに、第2押圧部(25)は、貫通穴(21)と同数個設けられていることを特徴とする。 【0026】 これにより、弾性部材(15A)に押圧力を略均等に作用させることができるので、より確実に原稿押さえ(15)全域にて原稿を読み取り窓(7)に押圧することができる。 請求項6に記載の発明では、バネ部(19)は、少なくともベース板(17)の角部に設けられており、さらに、ベース板(17)の角部に設けられたバネ部(19)の延びの方向は、ベース板(17)の外縁部に対して略45°傾いていることを特徴とする。 【0027】 これにより、ベース板(17)の角部に作用する押圧力を、角部を構成する直交する2辺側に略均等に作用させることができるので、ベース板(17)を略均等に押圧することができる。 【0028】 したがって、ベース板(17)を適切に矯正することができるとともに、ベース板(17)を均一に読み取り窓(7)側に押圧変位させることができるので、原稿と読み取り窓(7)とを確実に密着させることができる。 【0029】 請求項7に記載の発明では、バネ部(19)は、角部に加えて、隣り合う2つの角部間にも設けられており、さらに、角部間に設けられたバネ部(19)の延びの方向は、ベース板(17)の外縁部に対して略直交していることを特徴とする。 【0030】 これにより、ベース板(17)をより確実に読み取り窓(7)側に押圧することができるので、原稿と読み取り窓(7)とを確実に密着させることができる。 請求項8に記載の発明では、角部間に設けられたバネ部(19)は、ベース板(17)の外縁部のうち互いに対向する対辺部(17D)の略中央部に対応する部位に設けられていることを特徴とする。 【0031】 これにより、さらに、ベース板(17)をより確実に読み取り窓(7)側に押圧することができるので、原稿と読み取り窓(7)とを確実に密着さことができる。 請求項9に記載の発明では、ベース板(17)は長方形状であり、角部間に設けられたバネ部(19)は、ベース板(17)の外縁部のうち長辺部(17D)の略中央部に対応する部位に設けられていることを特徴とする。 【0032】 これにより、請求項7又は8に記載の発明と同様に、ベース板(17)をより確実に読み取り窓(7)側に押圧することができるので、原稿と読み取り窓(7)とを確実に密着させることができる。 【0033】 因みに、上記各手段等の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段等との対応関係を示す一例であり、本発明は上記各手段等の括弧内の符号に示された具体的手段に限定されるものではない。 【発明を実施するための最良の形態】 【0034】 本実施形態は、原稿を自動的に搬送しながら原稿に記載された画像を読み取る自動搬送読取機能、及び静止載置された原稿に記載された画像を読み取る静止原稿読取機能を兼ね備えたフラットベット型の画像読取装置(スキャナ)に本発明を適用したもので、以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。 【0035】 1.画像読取装置1の概略構成 図1は本実施形態に係る画像読取装置1の上面図であり、図2は原稿カバー3を開いた状態を示す斜視図であり、図3は図1のA−A断面図であり、図4は原稿カバー3及びベース板17等を下方側から見たときの分解斜視図であり、図5はベース板17の三面図であり、図6は図3のA部拡大図であり、図7は図3のB部拡大図であり、図8(a)は図1のB−B断面図であり、図8(b)は図8(a)のA部拡大図である。 【0036】 原稿が載置される原稿載置台5には、図2に示すように、略水平方向に拡がる静止原稿読取機能用の画像読取窓(以下、静止読取窓という。)7、及び自動搬送読取機能用の画像読取窓(以下、自動読取窓という。)9が設けられており、両読取窓7、9は、ガラスやアクリル等の透明なプラテン7A、9Aにて閉塞されている。 【0037】 2.静止読取窓(フラットベット部)等の構成 原稿載置台5には、静止読取窓7を上方側から覆うための原稿カバー3がヒンジ機構11を介して揺動可能に組み付けられており、使用者が原稿カバー3を原稿載置台5に対して揺動(開閉)することにより、静止読取窓7を上方側から覆う場合と静止読取窓7を開放する場合とを切り替えることができる。 【0038】 また、図3中、画像撮像素子13は、原稿に照射されて反射した光を受光し、この受光した光に基づいて電気信号を発するもので、画像読取装置1は、画像撮像素子13を介して原稿に記載された文字等の画像を電気信号に変換して画像を読み取っていく。 【0039】 なお、画像撮像素子13は、原稿載置台5の長手方向(図3の左右方向)に移動可能に原稿載置台5内に組み付けられており、この画像撮像素子13は、自動搬送読取機能作動時には、自動読取窓9の直下に停止配置された状態で画像を読み取り、一方、静止原稿読取機能作動時には、静止読取窓7の直下で移動しながら画像を読み込んでいく。 【0040】 因みに、本実施形態では、画像撮像素子13として、CIS(Contact Image Sensor)を用いており、このCIS(画像撮像素子13)の長手方向は、両読取窓7、9の直下において、その移動方向と直交する方向(図3の紙面と直交する幅方向)に延びている。 【0041】 また、原稿カバー3のうち静止読取窓7に対向する部位には、静止読取窓7に載置された原稿を静止読取窓7側に押さえ付ける原稿押さえ15が配設されており、この原稿押さえ15は、図6に示すように、後述するベース板17の静止読取窓7側に貼り付けられた弾性部材15A、及びこの弾性部材15Aの静止読取窓7側に貼り付けられたシート15Bを有して構成されている。 【0042】 そして、弾性部材15Aは、スポンジ等の弾性変形可能な弾性材を平板状に形成したものであり、シート15Bは、静止読取窓7に載置された原稿に直接的に接触するものである。 【0043】 また、ベース板17は、図4に示すように、静止読取窓7側に対向する平板部17Aを有して構成された略矩形板状(本実施形態では、長方形板状)のものであり、このベース板17は、原稿カバー3から離隔する向き及び原稿カバー3に近づく向き、つまり上下方向に変位可能となるように原稿カバー3に組み付けられている。 【0044】 具体的には、ベース板17の端部(本実施形態では、4箇所)には、図8に示すように、外方側に突出する略L字状の突起部17Bが設けられ、一方、原稿カバー3の補強壁3Aには、この突起部17Bが挿入される挿入口3Bが設けられている。そして、挿入口3Bの上下方向寸法H1は突起部17Bの上下方向寸法H2より大きく設定されているため、ベース板17は、挿入口3Bの寸法H1の範囲内で原稿カバー3に対して上下方向に変位することができる。 【0045】 なお、挿入口3Bの寸法H1は、原稿カバー3の最大歪み量及びベース板17の最大歪み量等に基づいて設定される寸法であり、本実施形態では、図8(b)に示すように、静止読取窓7が原稿カバー3に覆われたときに、突起部17Bの上端面と挿入口3Bの上端側内壁面との間、及び突起部17Bの下端面と挿入口3Bの下端側内壁面との間に所定寸法以上の隙間が発生するように挿入口3Bの寸法H1が設定されている。 【0046】 また、ベース板17には、図4及び図5に示すように、一端側がベース板17の外縁部側に一体化された板バネ状のバネ部19が設けられており、このバネ部19は、その先端側がベース板17の外方側に延びるようにして、根元側がベース板17の内側(中央側)に一体化されている。 【0047】 なお、本実施形態では、ベース板17の端部側から内側(中央側)に延びる線状の切り欠き部19Aを形成することにより、バネ部19をベース板17に一体形成している。 また、バネ部19は、図5(a)に示すように、ベース板17の4つの角部17C及び隣り合う角部17C間の4つの辺部17Dの合計8箇所に設けられている。そして、8箇所のバネ部19のうち角部17Cに設けられたバネ部19は、その延びの方向がベース板17の外縁部(辺部17D)に対して略45°傾くように配置され、辺部17Dに設けられたバネ部19は、その延びの方向が辺部17Dに対して直交し、かつ、互いに対向する対辺部の略中央部に対応する部位に配置されている。 【0048】 また、弾性部材15Aは、ベース板17のうちバネ部19の根元側に対応する部位より外側(図5(a)の二点鎖線より外側)の部分にてベース板17に貼り付けられている。 そして、ベース板17のうち弾性部材15Aが貼り付けられた部分より中央側、つまりベース板17のうちバネ部19の根元側に対応する部位より内側(図5(a)の二点鎖線より内側)には、ベース板17を貫通する貫通穴21が、ベース板17の外縁部(辺部17D)の垂直二等分線L1、L2に対して略対称となるように複数個(本実施形態では、9個)設けられている。 【0049】 なお、本実施形態では、ベース板17のうち紙面左端側の辺部17Dにヒンジ機構11が配置されるため、垂直二等分線L2は、厳密には紙面上端及び下端側の辺部17Dを二等分するものではないが、ベース板17のうち原稿を押さえるために実際に寄与する部分(有効部分)に着目すれば、垂直二等分線L2は、紙面上端及び下端側の辺部17Dをほぼ二等分する。 【0050】 また、原稿カバー3のベース板17側のうちバネ部19に対応する各部位には、図3及び図4に示すように、静止読取窓7側に突出する第1押圧部23が設けられており、この第1押圧部23は、静止読取窓7が原稿カバー3にて覆われた場合に、原稿カバー3の自重による力を作用させてバネ部19の先端側を静止読取窓7側に押圧するものである。 【0051】 また、原稿カバー3のベース板17側のうち貫通穴21に対応する各部位には、静止読取窓7側に突出する第2押圧部25が設けられており、この第2押圧部25は、貫通穴21を貫通して弾性部材15Aに接触することにより原稿カバー3の自重による力を弾性部材15Aに作用させて弾性部材15Aを静止読取窓7側に押圧するものである。 【0052】 3.オートドキュメントフィーダ装置(図3参照) 原稿カバー3のうち自動読取窓9に対応する部位及びその近傍には、図3に示すように、読み取り用の原稿を自動読取窓9に搬送する自動原稿搬送機構50等を有して構成されたオートドキュメントフィーダ装置(以下、ADF装置と記す。)が設けられている。 【0053】 なお、原稿トレイ51は読み取り用の原稿を載置するための載置部であり、この原稿トレイ51に積層載置された原稿は、自動原稿搬送機構50にて自動読取窓9に搬送された後、排出トレイ53に排出載置される。 【0054】 3.1.ADF装置の概略構成 自動原稿搬送機構50は、積層された原稿を1枚ずつ分離する分離機構55、及び分離機構55にて分離された原稿を自動読取窓9に搬送する搬送機構57等から構成されている。 【0055】 そして、分離機構55は、原稿に搬送力を付与する分離ローラ55A、分離ローラ55Aに対して対向配置されて分離ローラ55Aと反対側から原稿に接触してシートに所定の搬送抵抗を付与する分離パッド55B、及び原稿トレイ51に載置された原稿に接触して回転することにより分離ローラ55Aに原稿を搬送する吸入ローラ55C等から構成されている。 【0056】 また、搬送機構57は、分離機構55から分離搬送されてきた原稿の搬送方向を下方側に略180°転向させる搬送ローラ57A、及び原稿を搬送ローラ57Aに押し付ける一対のピンチローラ57B等から構成されている。 【0057】 3.2.ADF装置の概略作動 吸入ローラ55C及び分離ローラ55Aが回転し始めると、これと連動して搬送ローラ57Aが回転し始める。そして、分離ローラ55Aにより搬送力が付与された原稿(以下、この原稿を搬送原稿という。)は、搬送機構57(搬送ローラ57A)に向かって搬送される。 【0058】 このとき、搬送原稿に接触している他の原稿は、搬送原稿との接触面に発生する摩擦力により搬送原稿と共に搬送機構57側に移動しようとするが、分離パッド55Bから搬送抵抗を受けるため、搬送原稿は他の原稿から分離されて搬送機構57側に搬送される。 【0059】 4.本実施形態に係る画像読取装置1の特徴 本実施形態に係る画像読取装置1では、原稿カバー3に対して変位可能に組み付けられたベース板17に原稿押さえ15が設けられており、かつ、原稿押さえ15に平板状の弾性部材15Aが貼り付けられているので、ベース板17が原稿カバー3に対して変位することにより原稿カバー3の歪みが吸収され、弾性部材15Aにより比較的小さなベース板17の歪みが吸収される。 【0060】 また、第1押圧部23及びバネ部19を介して原稿カバー3の自重による押圧力がベース板17に作用するので、この押圧力によりベース板の歪み(反り)が矯正されるとともに、ベース板17の自重による力と原稿カバー3の自重による力とによって原稿が静止読取窓7に押圧されるので、原稿を確実に静止読取窓7に密着させることができる。 【0061】 ところで、静止読取窓7側に凸となるようにベース板17の中央側が反っていると、ベース板17の外縁部、つまり原稿押さえ15の外縁部が静止読取窓7から浮いた状態となるので、原稿が読み取り窓7から浮いて、原稿から読み取られる画像データの品質が低下してしまう。 【0062】 これに対して、本実施形態では、バネ部19の一端側、つまりバネ部19の根元側がベース板17の外縁部側に固定されているので、第1押圧部23はベース板17の外縁部側を静止読取窓7側に押圧することとなる。したがって、本実施形態では、ベース板17が静止読取窓7側に凸となるように反っている場合であっても、確実にベース板17を矯正することができる。 【0063】 ところで仮に、第1押圧部23がバネ部19を介さずにベース板17を直接的に押圧する構造であると、第1押圧部23の寸法バラツキ等によりベース板17を押圧する力がばらついてしまう。 【0064】 これに対して、本実施形態では、バネ部19を介して第1押圧部23がベース板17を押圧するので、第1押圧部23の寸法バラツキ等をバネ部19にて吸収することができる。したがって、ベース板17に対して確実に押圧力を作用させることができるので、ベース板17を確実に矯正しながら、ベース板17、つまり原稿押さえ15を静止読取窓7側に押圧することができる。 【0065】 以上に説明したように、本実施形態では、原稿を静止読取窓7に確実に密着させることができるので、原稿に記載されている画像を確実に読み取ることができる。 なお、本実施形態は、第1押圧部23にてバネ部19を押圧してベース板17を矯正しながら、原稿押さえ15を静止読取窓7側に押圧するものであるので、原稿カバー3により静止読取窓7が覆われた状態における第1押圧部23の先端と静止読取窓7までの距離D1(図7参照)が、原稿カバー3により静止読取窓7が覆われていない状態、つまり弾性部材15Aが潰れていない状態におけるシート15Bからバネ部19の先端)までの距離)の厚み寸法とよりも小さくなるように設定されている。 【0066】 また、バネ部19をベース板17に一体形成しているので、ベース板17の部品点数及び製造工数を低減することができ、画像読取装置1の製造原価上昇を抑制しながら、原稿を静止読取窓7に確実に密着させることができる。 【0067】 また、本実施形態では、バネ部19は、その先端側がベース板17の外方側に延びるように設けられ、かつ、弾性部材15Aは、ベース板17のうちバネ部19の根元側に対応する部位より外側にてベース板17に貼り付けられているので、バネ部19の根元側がベース板17の中央側に位置し、先端側がベース板17の外縁部側に位置することとなる。 【0068】 このため、第1押圧部23によりバネ部19が押圧されると、バネ部19は、ベース板17の中央側が原稿カバー3側に凸となり、ベース板17の外縁部側が静止読取窓7側に押し付けられるようなモーメント力をベース板17に対して作用させるので、ベース板17の外縁部側が静止読取窓7側に押し付けられるように押圧される。 【0069】 一方、ベース板17の中央側が静止読取窓7から浮いた状態になるものの、弾性部材15Aは、ベース板17のうちバネ部19の根元側に対応する部位より外側にてベース板17に貼り付けられているので、ベース板17のうちバネ部19の根元側に対応する部位より中央側はベース板17に対して比較的自由に変位することができる。 【0070】 したがって、ベース板17の外縁部側は、バネ部19を介して第1押圧部23により静止読取窓7側に押圧されながら矯正され、一方、ベース板17のうち外縁部より中央側は、弾性部材15Aが浮き上がることなく、その自重により静止読取窓7側に変位して原稿を静止読取窓7に押圧するので、本実施形態では、原稿押さえ15全域にて原稿を静止読取窓7に押圧することができ、原稿と静止読取窓7とを確実に密着させることができる。 【0071】 因みに、ベース板17が原稿カバー3側に凸となるように反っている場合にも、ベース板17の外縁部、つまり原稿押さえ15の外縁部が読み取り窓7に密着し、原稿押さえ15の中央部側が読み取り窓7から浮いた状態となるが、前述したように、ベース板17のうち外縁部より中央側は、弾性部材15Aが浮き上がることなく、その自重により静止読取窓7側に変位して原稿を静止読取窓7に押圧するので、原稿と静止読取窓7とを確実に密着させることができる。 【0072】 また、本実施形態では、ベース板17のうちバネ部19の根元側に対応する部位より内側に貫通穴21が設けられ、かつ、原稿カバー3の自重による力を作用させて弾性部材15Aを静止読取窓7側に押圧する第2押圧部25が設けられているので、弾性部材15Aを確実に静止読取窓7側に変位させることができる。 【0073】 したがって、原稿押さえ15全域にて原稿を静止読取窓7に押圧することができ、原稿と静止読取窓7とを確実に密着させることができる。 また、本実施形態では、弾性部材15Aが第2押圧部25により押圧されることにより原稿押さえ15の中央部が静止読取窓7側に押圧されるので、第2押圧部25の先端から静止読取窓7までの距離D2(図6参照)が、原稿押さえ15の厚み、つまり弾性部材15Aの厚みとシート15Bの厚みとの和より小さくなるように設定されている。 【0074】 また、本実施形態では、貫通穴21は、ベース板17の外縁部の垂直二等分線L1、L2に対して略対称となるように複数個設けられているので、弾性部材15Aに押圧力を略均等に作用させることができ、より確実に原稿押さえ15全域にて原稿を静止読取窓7に押圧することができる。 【0075】 また、本実施形態では、ベース板17の角部17Cに設けられたバネ部19の延びの方向は、ベース板17の外縁部に対して略45°傾いているので、ベース板17の角部17Cに作用する押圧力を、角部17Cを構成する直交する2辺部17D側に略均等に作用させることができ、ベース板17を略均等に押圧することができる。 【0076】 したがって、ベース板17を適切に矯正することができるとともに、ベース板17を均一に静止読取窓7側に押圧変位させることができるので、原稿と静止読取窓7とを確実に密着させることができる。 【0077】 また、角部17C間(辺部17D)に設けられたバネ部19の延びの方向は、ベース板17の外縁部に対して略直交しているので、ベース板17をより確実に静止読取窓7側に押圧することができ、原稿と静止読取窓7とを確実に密着させることができる。 【0078】 また、辺部17Dに設けられたバネ部19は、ベース板17の外縁部のうち互いに対向する対辺部の略中央部に対応する部位に設けられているので、ベース板17をより確実に静止読取窓7側に押圧することができ、原稿と静止読取窓7とを確実に密着させることができる。 【0079】 (その他の実施形態) 上述の実施形態では、4つの角部17C及び4つの辺部17D全てに対応する部位にバネ部19を設けたが、本発明はこれに限定されるものではなく、4つの角部17C及びベース板17の外縁部のうち長辺部17D(図5の左右右端部)の略中央部に対応する部位のみにバネ部19を設けてもよい。 【0080】 また、上述の実施形態では、自動搬送読取機能及び静止原稿読取機能を有する画像読取装置に本発明を適用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、静止原稿読取機能のみからなる画像読取装置、インクジェットプリンタやレーザプリンタ等の画像形成装置と一体化された画像読取装置、又はファクシミリ装置やコピー装置等にも適用することができる。 【0081】 また、上述の形態では、自動読取窓9と静止読取窓7とが独立して設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、両読取窓7、9を共用化した画像読取装置にも適用することができる。 【0082】 また、上述の実施形態では、画像撮像素子13としてCISを用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばCCD(Charge-Coupled Device)を用いてもよい。 また、本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。 【図面の簡単な説明】 【0083】 【図1】本発明の実施形態に係る画像読取装置1の上面図である。 【図2】本発明の実施形態に係る画像読取装置1において、原稿カバー3を開いた状態を示す斜視図である。 【図3】図1のA−A断面図である。 【図4】本発明の実施形態に係る画像読取装置1において、原稿カバー3及びベース板17等を下方側から見たときの分解斜視図である。 【図5】本発明の実施形態に係る画像読取装置1のベース板17の三面図である。 【図6】図3のA部拡大図である。 【図7】図3のB部拡大図である。 【図8】(a)は図1のB−B断面図であり、(b)は図8(a)のA部拡大図である。 【符号の説明】 【0084】 1…画像読取装置、3…原稿カバー、3A…補強壁、3B…挿入口、 5…原稿載置台、7…静止読取窓、9…自動読取窓、11…ヒンジ機構、 13…画像撮像素子、15…原稿押さえ、15A…弾性部材、15B…シート、 17…ベース板、17A…平板部、17B…突起部、19…バネ部、 19A…切り欠き部、21…貫通穴、23…第1押圧部、25…第2押圧部、 50…自動原稿搬送機構、51…原稿トレイ、53…排出トレイ、 55…分離機構、55A…分離ローラ、55B…分離パッド、 57…搬送機構、57A…搬送ローラ。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005267 【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年6月30日(2006.6.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100082500 【弁理士】 【氏名又は名称】足立 勉
【識別番号】100129090 【弁理士】 【氏名又は名称】竹中 謙史
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| 【公開番号】 |
特開2008−11374(P2008−11374A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月17日(2008.1.17) |
| 【出願番号】 |
特願2006−181773(P2006−181773) |
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