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【発明の名称】 再生装置および方法
【発明者】 【氏名】井上 健治

【要約】 【課題】録画したコンテンツを通常再生よりも短い時間で再生する早見モードを実行する時に、より効率の良い視聴環境を提供する。

【構成】デジタルデータに含まれるメタデータを参照して、タイムテーブルデータを生成し、このタイムテーブルデータに従って再生速度制御を行う。この時タイムテーブルデータは目的のシーンに対して段階的に再生速度を変化させるように生成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル放送を受信して記録装置に記録し、記録されたコンテンツを通常速度の再生時間よりも短い時間で再生する早見モードを備える録画再生装置において、
デジタル放送中のメタデータを取得するメタデータ取得装置と、
メタデータ中のセグメントデータを抽出するセグメントデータ抽出装置と、
再生速度と時刻を対応づけたタイムテーブルデータを生成するタイムテーブルデータ生成装置と、
前記記録装置の再生速度制御を行う再生速度制御装置と、
を備え、前記タイムテーブルデータに従って再生速度制御を行うことを特徴とした録画再生装置。
【請求項2】
前記タイムテーブルデータは、目的とするシーンを通常速度で再生する通常再生部と、あらかじめ設定された早送り速度で再生する早送り部と、通常再生部と早送り部の間の再生速度を段階的に変える調整部と、を備えることを特徴とした、請求項1に記載の録画再生装置。
【請求項3】
前記タイムテーブルデータに記述される調整部の開始および終了時刻はタイムテーブルデータ生成時に算出されることを特徴とした、請求項2に記載の録画再生装置。
【請求項4】
前記タイムテーブルデータに記述される調整部の再生速度は再生時間に対する1次関数で表されることを特徴とした、請求項2および3に記載の録画再生装置。
【請求項5】
前記タイムテーブルデータに記述される調整部の再生速度は再生時間に対する三角関数で表されることを特徴とした、請求項2および3に記載の録画再生装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
録画もしくは蓄積したコンテンツの再生速度を制御する装置および方法に関する。特にデジタルテレビジョン放送に付随するメタデータを用いて再生速度を制御する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、放送された番組を録画して視聴することが行われてきた。殊に近年ではハードディスクドライブの大容量化に伴い、大量に録画を行い放送時刻とは異なる時刻に視聴する時間差再生が一般に行われるようになってきている。
【0003】
さらにARIB_STD-B38に規定される「サーバー型放送」が2006年から運用される予定である。サーバー型放送ではTYPE1とTYPE2が規定されている。殊にTYPE2ではコンテンツ蓄積が前提になっている。
【0004】
このような状況にあって、ユーザーは多くのコンテンツを少ない時間で視聴することを望むようになってきている。
【0005】
これに対し従来では1.5倍速再生機能などが考案され商品化されている。
【0006】
しかし、従来の1.5倍速再生などでは主要なシーンやユーザーの見たいシーンなども早送りされてしまっていた。このため、ユーザーは見たいシーンをじっくり見るためにリモコン操作を繰り返すという手間が発生してしまっていた。
【0007】
こうした問題を回避するためにいくつかの技術が考案されている。
【0008】
特許文献1ではデータの属性によって再生速度を制御する方法が開示されている。テキストや動画データなどが混在したマルチメディアコンテンツでは有効となる方法である。
【0009】
特許文献2では記録されたコンテンツの音声の大きさを計測し、音声の大きさによって再生速度を制御する方法が開示されている。これによってコンテンツの属性に左右されない再生速度制御が可能となった。
【0010】
特許文献3では音声認識技術を用いて番組特有のキーワードを検出して再生速度を制御する方法が開示されている。これによって目的とするシーンの絞込みが容易になった。
【0011】
特許文献4ではデジタルテレビジョン放送に付随するメタデータを用いて、キーワードと再生速度を対応付けた制御方法が開示されている。これによって目的とするシーンを細かに設定することが可能となった。
【0012】
特に、サーバー型放送では従来のデジタル放送よりもメタデータの運用規定が明確に決められているため、メタデータを用いたアプリケーションが作成し易くなっている。
【特許文献1】特開平07-181936
【特許文献2】特開平08-084319
【特許文献3】特開2002-133837
【特許文献4】特開2005-244404
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかし、従来の再生速度制御方法では検出したキーに対応して再生速度を決定していたため、シーンの変わり目で急激に再生速度が速くなったり遅くなったりしてしまっていた。これによって視聴者に違和感や不快感を与えてしまっていた。
【課題を解決するための手段】
【0014】
デジタルデータに含まれるメタデータを参照して、タイムテーブルデータを生成し、このタイムテーブルデータに従って再生速度制御を行う。この時タイムテーブルデータは目的のシーンに対して段階的に再生速度を変化させるように生成する。
【発明の効果】
【0015】
ユーザーの指定したキーワードやメタデータのダイジェスト情報に従って、キーとなるシーンは通常再生、不要なシーンは早送り、と自動で再生速度を変えることによって、短時間で効率良く視聴することが可能となる。
【0016】
特に、通常再生と早送りの切り替え部を段階的に変化させることにより、ユーザーに違和感を与えない再生速度切り替えが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明を実施するにあたり最良の形態を以下に2つ記す。
【0018】
<第1の実施例>
本発明の実施の一形態を図1に記す。
【0019】
101はアンテナ、102は本発明による録画再生装置、103はチューナー、104はデコーダー、105はハードディスク記録装置(HDD)、106はMD取得装置、107はSD抽出装置、108はTTD生成装置、109は再生速度制御装置、110はCPU、111はリモコン、112は受光部、113はリモコン制御部、を表している。
【0020】
アンテナ101はテレビジョン放送を受信して、録画再生装置102に入力する。
【0021】
録画再生装置102はユーザーからの指示を、例えばリモコン111から受けて、受信したテレビジョン放送の録画および再生動作を行う。録画再生装置102で再生された画像は不図示の表示装置に表示される。
【0022】
リモコン111から送出される指示信号は録画再生装置102に備える受光部112で受光し、リモコン制御部113に渡される。リモコン制御部113はリモコン111の指示情報をデコードしてCPU110に伝える。
【0023】
録画再生装置102内部では受信したテレビジョン放送をチューナー103で受けてCPU110の指示に従って選局が行われる。
【0024】
選局されたデータはデコーダー104でデコードされてHDD105に記録される。また、デコーダー104でデコードされたデータのメタデータ部分はMD取得装置106に送られる。
【0025】
MD取得装置106に送られたメタデータは順次SD抽出装置107に送られて、必要とするセグメントデータが抽出される。どのデータを抽出するかはTTD生成装置108から指示される。
【0026】
SD抽出装置107で抽出されたセグメントデータはTTD生成装置108に送られる。
【0027】
TTD生成装置108はCPU110の指示に従って、前記セグメントデータを元にタイムテーブルデータを生成する。生成されたタイムテーブルデータは再生速度制御装置109に送られる。
【0028】
再生速度制御装置109はCPU110の指示をトリガーにしてタイムテーブルデータに従ってHDD105の再生速度制御を行う。
【0029】
ここで云うCPU110からの指示とは、ユーザーがリモコン111から“早見モード”の設定を行った場合を表している。通常の“早送り再生”はタイムテーブルデータを参照する必要がないので、この限りではない。
【0030】
また前述の“早見モード”とはユーザーが通常の再生時間よりも短い時間で録画番組を再生視聴するモードで、タイムテーブルデータを参照することによって要所となるシーンでは通常速度で再生し、冗長なシーンは自動で早送りする視聴モードのことである。
【0031】
図2はタイムテーブルデータ生成の概念を表したものである。
【0032】
デジタル放送に付随してくるメタデータは通常、XMLで記述されている。特にサーバー型放送では時間ごとに詳細なメタデータが記述されることが規定されている。
【0033】
このメタデータから、再生速度制御に必要なセグメントデータを抽出する。セグメントデータとはタイムスタンプ、ダイジェストデータ、キーワード、などの個々の情報を表している。
【0034】
このセグメントデータを元に再生速度算出を行い、タイムテーブルデータを生成する。タイムテーブルデータは再生時間とその時の再生速度を対応づけて記述したデータである。
【0035】
タイムテーブルデータ生成方法の詳細については後述する。
【0036】
図3は再生速度制御の例をグラフで表したものである。
【0037】
折れ線グラフの縦軸は再生速度(Play_Back_Speed=Pbs)、横軸は時間を表している。
【0038】
縦軸のPbsはH(High)とL(Low)で表している。Hはあらかじめユーザーによって設定された前記早見モードの最高再生速度である。通常再生速度の1.5〜2倍程度が設定される。Lは通常再生速度を表している。
【0039】
横軸の時間は録画されたコンテンツを通常速度で再生した時の再生開始からの時間を表している。この時間はメタデータのタイムスタンプと対応付けられている。
【0040】
折れ線グラフの下段に記載されているのはタイムテーブルデータ(TTD)の対応表である。ここではメタデータのダイジェスト情報に基づいて再生速度調整を行っている例を表している。
【0041】
ここでは仮にTTD各パートに早見部、前調整部、ダイジェスト部、後調整部、と名づけ、各パートにおけるPbsの算出方法を記載している。算出式中のtは折れ線グラフの時間軸の時間を表している。
【0042】
本例ではメタデータのダイジェスト情報を抽出して、ダイジェスト部では通常速度での再生を行い、それ以外の部分では早送り再生を行う場合の例を示している。
【0043】
早見部では、あらかじめユーザーによって設定された早見モードでの最高再生速度で再生される。すなわち、時間tに関係なく、次式で再生される。
【0044】
Pbs=H
前調整部では、あらかじめユーザーによって設定された調整時間によって調整係数aが次式によって算出される。
【0045】
a=(L−H)/(調整時間)
図3では前調整時間が15(分)に設定されている例を示している。この調整時間15(分)と、ダイジェスト部の開始時刻25(分)から調整部の開始時刻10(分)が25-15=10で算出される。
【0046】
したがって、前調整部における再生速度Pbsは時間tで変化する次式の関数で求めることができる。
【0047】
Pbs=a(t−10)+H
ダイジェスト部では、通常際速度で再生されるように設定しているので、時間tに関係なく、次式で再生される。
【0048】
Pbs=L
後調整部では、あらかじめユーザーによって設定された調整時間によって調整係数bが次式によって算出される。
【0049】
b=(H−L)/(調整時間)
図3では後調整時間が10(分)に設定されている例を示している。この調整時間10(分)と、ダイジェスト部の終了時刻35(分)から調整部の終了時刻45(分)が35+10=45で算出される。
【0050】
したがって、後調整部における再生速度Pbsは時間tで変化する次式の関数で求めることができる。
【0051】
Pbs=b(t−35)+L
上記例はユーザーが調整時間を設定することにより自動で調整係数が求まるようにする例を示したが、これとは逆に、ユーザーが調整係数を設定することにより自動で調整時間が求まるようにしてもよい。
【0052】
また、時間軸における再生速度設定のサンプリング数はHDD、再生速度制御装置の性能によって決定するものであり、本発明により限定されるものではない。
【0053】
図4はタイムテーブルデータの生成方法例をフローチャートで表したものである。
【0054】
まず、受信したデジタル放送からメタデータを取得する(S401)。
【0055】
次に、早見モードのためのキーワードがユーザーによって設定されているか否かを確認する(S402)。
【0056】
キーワード設定されていなければ、メタデータの中からダイジェスト情報に関するセグメントデータを抽出する(S403)。
【0057】
キーワード設定されていれば、メタデータの中から当該キーワードに関するセグメントデータを抽出する(S404)。
【0058】
次に、早見モード時の最高再生速度の設定値(S405)と、調整時間の設定値(S406)を参照する。
【0059】
これらの設定値から調整時間を算出し(S407)、算出した調整時間から再生速度算出式を時系列に並べたタイムテーブルデータを生成する(S408)。
【0060】
図5は早見モード動作を説明したフローチャートである。
【0061】
ユーザーがリモコンなどから早見モード開始の指示を出すと、早見モードが開始される(S501)。
【0062】
次に、その時点での当該コンテンツの再生時刻が取得される(S502)。この再生時刻は通常速度で再生した時の当該コンテンツの最初からのカウント時刻を表している。すなわち、このカウント時刻とメタデータのタイムスタンプとは1対1で対応するものである。
【0063】
次に、タイムテーブルデータの個々のタイミングでの速度演算式が取得される(S503)。
【0064】
次に、その時点での速度演算式とカウント時刻から再生速度を算出する(S504)。
【0065】
次に、算出された再生速度をHDDに設定して再生速度制御を行う(S505)。
【0066】
続いて、S502に戻り、早見モードが解除されるまで上記動作を繰り返す。
【0067】
<第2の実施例>
第1の実施例では調整部における再生速度制御を線形の1次関数を用いて表したが、第2の実施例では三角関数を用いて曲線制御を行う例を示す。
【0068】
図6は再生速度制御の例をグラフで表したものである。
【0069】
曲線グラフの縦軸は再生速度(Play_Back_Speed=Pbs)、横軸は時間を表している。
【0070】
縦軸のPbsはH(High)とL(Low)で表している。Hはあらかじめユーザーによって設定された早見モードの最高再生速度である。通常再生速度の1.5〜2倍程度が設定される。Lは通常再生速度を表している。
【0071】
横軸の時間は録画されたコンテンツを通常速度で再生した時の再生開始からの時間を表している。この時間はメタデータのタイムスタンプと対応付けられている。
【0072】
折れ線グラフの下段に記載されているのはタイムテーブルデータ(TTD)の対応表である。ここではメタデータのダイジェスト情報に基づいて再生速度調整を行っている例を表している。
【0073】
ここでは仮にTTD各パートに早見部、前調整部、ダイジェスト部、後調整部、と名づけ、各パートにおけるPbsの算出方法を記載している。算出式中のtは折れ線グラフの時間軸の時間を表している。
【0074】
本例ではメタデータのダイジェスト情報を抽出して、ダイジェスト部では通常速度での再生を行い、それ以外の部分では早送り再生を行う場合の例を示している。
【0075】
早見部では、あらかじめユーザーによって設定された早見モードでの最高再生速度で再生される。すなわち、時間tに関係なく、次式で再生される。
【0076】
Pbs=H
前調整部では、あらかじめユーザーによって設定された調整時間によって調整係数aが次式によって算出される。
【0077】
a=π/(2*(調整時間))
図6では前調整時間が15(分)に設定されている例を示している。この調整時間15(分)と、ダイジェスト部の開始時刻25(分)から調整部の開始時刻10(分)が25-15=10で算出される。
【0078】
したがって、前調整部における再生速度Pbsは時間tで変化する次式の関数で求めることができる。
【0079】
Pbs=(H−L)*cos(a(t−10))+L
ダイジェスト部では、通常際速度で再生されるように設定しているので、時間tに関係なく、次式で再生される。
【0080】
Pbs=L
後調整部では、あらかじめユーザーによって設定された調整時間によって調整係数bが次式によって算出される。
【0081】
b=π/(2*(調整時間))
図6では後調整時間が10(分)に設定されている例を示している。この調整時間10(分)と、ダイジェスト部の終了時刻35(分)から調整部の終了時刻45(分)が35+10=45で算出される。
【0082】
したがって、後調整部における再生速度Pbsは時間tで変化する次式の関数で求めることができる。
【0083】
Pbs=(H−L)*sin(b(t−10))+L
【産業上の利用可能性】
【0084】
録画機能を備えたデジタル放送受信装置、特にサーバー型放送に対応した録画再生装置において、早見モードを実現しようとする場合に利用される可能性の高いものである。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の構成例を示すブロック図。
【図2】タイムテーブルデータ生成の概念図。
【図3】第1の実施例における再生速度制御の例を示した図。
【図4】タイムテーブルデータ生成のフローチャート。
【図5】早見モード動作のフローチャート。
【図6】第2の実施例における再生速度制御の例を示した図。
【符号の説明】
【0086】
101 アンテナ
102 録画再生装置
103 チューナー
104 デコーダー
105 ハードディスク記録装置
106 メタデータ取得装置
107 セグメントデータ抽出装置
108 タイムテーブルデータ生成装置
109 再生速度制御装置
110 CPU
111 リモコン
112 受光部
113 リモコン制御部
【出願人】 【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
【出願日】 平成18年6月30日(2006.6.30)
【代理人】 【識別番号】100090538
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 恵三

【識別番号】100096965
【弁理士】
【氏名又は名称】内尾 裕一


【公開番号】 特開2008−11371(P2008−11371A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−181741(P2006−181741)