| 【発明の名称】 |
撮像装置及び増幅回路 |
| 【発明者】 |
【氏名】樋口 剛
|
| 【要約】 |
【課題】少ない回路規模の増加で増幅回路の増幅率のばらつきを効果的に抑制する。
【構成】コンデンサC1、C2、C3、及びC4は、容量値を同一値として形成された複数の素子である。オペアンプAで構成される非反転増幅器は、これらの素子を1以上接続して構成される2つの合成素子の容量値によって増幅率が決定される。スイッチsw1a、sw1b、sw2a、sw2b、sw3a、sw3b、sw4a、及びsw4bは、コンデンサC1、C2、C3、及びC4の間の接続を切り替えて、当該合成素子の各々を構成する素子を入れ替える。コンデンサC1C、C2C、C3C、及びC4Cは、これらの素子の入れ替えを行う度に得る非反転増幅器の出力を平均化する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 受光した光を電気信号に変換する光電変換部と、 前記電気信号を増幅する増幅回路と、 を有しており、 前記増幅回路は、 特性値を同一値として形成された複数の素子と、 前記素子を1以上接続して構成される2つの合成素子の特性値によって増幅率が決定される増幅器と、 前記素子間の接続を切り替えて、前記合成素子の各々を構成する前記素子を入れ替える切り替え部と、 前記素子の入れ替えを行う度に得る前記増幅器の出力を平均化して前記増幅回路の出力とする平均化部と、 を有している、 ことを特徴とする撮像装置。 【請求項2】 前記複数の素子はコンデンサであり、 前記コンデンサの端子間を短絡して初期化する初期化処理部を更に有する、 ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。 【請求項3】 前記増幅回路の出力をデジタルデータに変換するアナログ−デジタル変換器を更に有しており、 前記平均化部は、前記増幅器の出力を蓄積するコンデンサを複数有しており、 前記コンデンサは、アナログ−デジタル変換器の入力側で前記増幅回路の出力を所定時間保持しておくサンプルホールドコンデンサである、 ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。 【請求項4】 前記光電変換部で受光した光の強さに基づいて、前記切り替え部による前記素子間の接続の切り替えの間隔を制御する切り替え制御部を更に有することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。 【請求項5】 特性値を同一値として形成された複数の素子と、 前記素子を1以上接続して構成される2つの合成素子の特性値によって増幅率が決定される増幅器と、 前記素子間の接続を切り替えて、前記合成素子の各々を構成する前記素子を入れ替える切り替え部と、 前記素子の入れ替えを行う度に得る前記増幅器の出力を平均化する平均化部と、 を有することを特徴とする増幅回路。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、電気信号の増幅技術に関し、特に、光電変換された電気信号の増幅回路を備えた撮像装置での実施に好適である、増幅率の均一化の技術に関する。 【背景技術】 【0002】 固体撮像素子では、受光した光を光電変換して得られた電気信号をAD変換(アナログ−デジタル変換)する前に、そのピクセル(画素)毎の電気信号の増幅が行われる。以前は、このための構成として、1、2回路程度の増幅回路を各ピクセルから読み出した信号の増幅に共用する構成が主流であった。しかし、この構成は、ピクセル読み出し信号を増幅回路へ集めてくる経路でノイズが重畳し易いという問題を抱えていた。このため、ピクセル数を増大させたことに伴うピクセル単位での受光面積の減少によってピクセル読み出し信号のレベルが以前よりも低下した昨今の固体撮像素子では、所定のS/N(信号対雑音比)の確保が厳しくなってきたことから、最近では余り用いられなくなってきており、この代わりに以下に説明するような構成が用いられていることが多い。 【0003】 このような固体撮像素子の構成の第一の例は、ピクセルアレイの各行に増幅回路を備えるようにして、ピクセル読み出し信号の増幅をまず行ってから増幅した読み出し信号をAD変換器へ集めてくる構成である。また、この構成の第二の例は、ピクセルアレイの各行にAD変換器を備えてピクセル読み出し信号を直接AD変換するという構成(カラムAD方式などとも称されている)である。なお、この第二の例においても、ピクセルアレイの各行に増幅回路を備えるようにして、ピクセル読み出し信号の増幅をまず行ってから増幅した読み出し信号のAD変換を各AD変換器で行うという構成が用いられていることもある。 【0004】 ここで図6A及び図6Bについて説明する。これらの図は、上述した固体撮像素子にも用いられる増幅回路の構成例を示している。 図6Aに示す回路は、入力がVinで出力がVoutの非反転増幅回路である。 【0005】 図6Aの回路では、オペアンプAの反転入力(−側入力)と出力との間にはコンデンサC1が接続されており、更に、基準電圧Vrefが印加されているノード(節点)とオペアンプAの反転入力との間には、コンデンサC2、C3、及びC4の並列接続が挿入されている。なお、オペアンプAの非反転入力(+側入力)には、この増幅回路の入力Vinが印加されており、オペアンプAの出力がこの増幅回路の出力Voutとなっている。 【0006】 この図6Aの回路の増幅度は下記の式で表される。 【0007】 【数1】
【0008】 従って、コンデンサC1、C2、C3、及びC4の容量値を全て同一としたとき(C1=C2=C3=C4)には、この回路の増幅率は4倍となる。 一方、図6Bに示す回路は、入力がVinで出力がVoutの反転増幅回路である。 【0009】 図6Bの回路では、オペアンプAの反転入力(−側入力)と出力との間にはコンデンサC1が接続されており、この増幅回路の入力VinとオペアンプAの反転入力との間には、コンデンサC2、C3、C4、及びC5の並列接続が挿入されている。なお、オペアンプAの非反転入力(+側入力)には、基準電圧Verfが印加されており、オペアンプAの出力がこの増幅回路の出力Voutとなっている。 【0010】 この図6Bの回路の増幅度は下記の式で表される。 【0011】 【数2】
【0012】 従って、コンデンサC1、C2、C3、C4、及びC5の容量値を全て同一としたとき(C1=C2=C3=C4=C5)には、この回路の増幅率は4倍(但し信号の極性は反転)となる。 【0013】 ところで、本願発明に関し、例えば特許文献1には、ピクセルアレイの各行に備えられる読み出し回路において、ピクセルアレイから出力される信号を複数回サンプリングし且つサンプリングした信号を加算して出力するように構成することで、良好なS/N特性を得るとともに、サンプリング回数の変更で読み出し回路の増幅率の制御を可能にするという発明が開示されている。 【0014】 また、特許文献2には、光検出装置において、入射光を変換して得られる光電流のうちの入射光の背景光の成分を積分器の容量に蓄積させた後、光電流全てを積分器の容量に蓄積させると共に当該背景光の成分を減じるようにして、入射光から真の光情報を得るという発明が開示されている。 【特許文献1】特開2005−269471号公報 【特許文献2】特開平6−273230号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0015】 図6Aや図6Bに示した増幅回路は、コンデンサ素子の容量値等のばらつきによって増幅率にばらつきが生じる。従って、前述した昨今の固体撮像素子の回路構成、すなわち、ピクセルアレイの各行に増幅回路を備える構成で用いると、ピクセルアレイの各行での増幅率がばらつくことにより、結果として撮像した画像に直線状の縞が発生してしまうことがある。このような縞は、後段の画像処理回路で補正するという手法もあるが、このためには補正回路やメモリ素子等が必要となるため、撮像素子の大型化や製造コスト上昇の要因となる。 【0016】 また、既知の基準信号の増幅を各増幅回路に行わせ、その結果に基づいて各増幅回路の増幅率の補正を行うことで増幅率のばらつきを低減させるという手法も提案されているが、増幅率の測定誤差や増幅率の変更の制約などにより、十分な補正を行えないこともあった。 【0017】 本発明は上述した問題に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、少ない回路規模の増加で増幅回路の増幅率のばらつきを効果的に抑制することである。 【課題を解決するための手段】 【0018】 本発明の態様のひとつである撮像装置は、受光した光を電気信号に変換する光電変換部と、前記電気信号を増幅する増幅回路と、を有しており、前記増幅回路は、特性値を同一値として形成された複数の素子と、前記素子を1以上接続して構成される2つの合成素子の特性値によって増幅率が決定される増幅器と、前記素子間の接続を切り替えて、前記合成素子の各々を構成する前記素子を入れ替える切り替え部と、前記素子の入れ替えを行う度に得る前記増幅器の出力を平均化して前記増幅回路の出力とする平均化部と、を有している、ことを特徴とするものであり、この特徴によって前述した課題を解決する。 【0019】 この構成によれば、特性値が同一値に揃うように形成された複数の素子がばらついても、これらの素子を入れ替える度に得られる増幅器の出力の平均を当該増幅回路の出力としているので、当該増幅回路の出力が平均化される。この結果、撮像画像での前述したような縞の発生が防止される。 【0020】 なお、上述した本発明に係る撮像装置において、前記複数の素子はコンデンサであるように構成することができる。 この構成によれば、消費電力を低減させることができ、また、増幅回路を集積回路として構成する際における半導体基板上での増幅の占有面積を狭くすることができる。 【0021】 なお、このとき、前記コンデンサの端子間を短絡して初期化する初期化処理部を更に有するように構成することができる。 この構成によれば、コンデンサに残留していた電荷が増幅器での増幅動作に及ぼす影響を無くすことができる。 【0022】 また、前述した本発明に係る撮像装置において、前記複数の素子は抵抗であるように構成することができる。 この構成によれば、コンデンサを当該素子として使用する場合には必要となる初期化処理が不要となるので、回路の動作制御が容易になる。 【0023】 また、前述した本発明に係る撮像装置において、前記増幅器は、オペアンプを用いた反転増幅器であるように構成してもよい。 この構成によれば、増幅器の高速動作を可能とし、また、寄生容量の影響を受け難くなる。 【0024】 また、前述した本発明に係る撮像装置において、前記増幅器は、オペアンプを用いた非反転増幅器であるように構成してもよい。 この構成によれば、反転増幅器を使用する場合に比べ、同一の増幅率を得るために必要な当該素子の個数が少なくなる。 【0025】 また、前述した本発明に係る撮像装置において、前記平均化部は、前記増幅器の出力を蓄積するコンデンサを複数有するように構成することができる。 この構成によれば、素子の入れ替えを行う度に得る前記増幅器の出力を当該コンデンサに一旦蓄積し、その後に平均化して増幅回路の出力とすることができる。 【0026】 なお、このとき、前記コンデンサの端子間を短絡して初期化する初期化処理部を更に有するように構成することができる。 この構成によれば、当該コンデンサに残留していた電荷が増幅回路での増幅動作に及ぼす影響を無くすことができる。 【0027】 また、このとき、前記増幅回路の出力をデジタルデータに変換するアナログ−デジタル変換器を更に有しており、前記コンデンサは、アナログ−デジタル変換器の入力側で前記増幅回路の出力を所定時間保持しておくサンプルホールドコンデンサである、ように構成することができる。 【0028】 この構成によれば、平均化部のコンデンサをサンプルホールドコンデンサとして共用することにより、専用のサンプルホールドコンデンサが不要となる。 また、前述した本発明に係る撮像装置において、前記光電変換部で受光した光の強さに基づいて、前記切り替え部による前記素子間の接続の切り替えの間隔を制御する切り替え制御部を更に有するように構成することができる。 【0029】 この構成によれば、暗い被写体を明るく撮像することができる。 本発明の別の態様のひとつである撮像装置は、特性値が同一値に揃うように形成された複数の素子と、前記素子を1以上接続して構成される2つの合成素子の特性値によって増幅率が決定される増幅器と、前記素子間の接続を切り替えて、前記合成素子の各々を構成する前記素子を入れ替える切り替え部と、前記素子の入れ替えを行う度に得る前記増幅器の出力を平均化する平均化部と、を有することを特徴とするものであり、この特徴によって前述した課題を解決する。 【0030】 この構成によれば、特性値が同一値に揃うように形成された複数の素子がばらついても、これらの素子を入れ替える度に得られる増幅器の出力の平均を当該増幅回路の出力としているので、当該増幅回路の出力が平均化される。 【発明の効果】 【0031】 本発明によれば、以上のように構成することにより、少ない回路規模の増加で増幅回路の増幅率のばらつきが効果的に抑制されるという効果を奏する。 【発明を実施するための最良の形態】 【0032】 以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。 まず図1A及び図1Bについて説明する。これらの図は、本発明を実施する撮像装置である固体撮像素子の構成を示している。 【0033】 まず、図1Aに示した固体撮像素子の第一の例を説明する。 この固体撮像素子10において、ピクセルアレイ11は、撮像面に受光した光を光電変換し、当該光の強さに応じた信号電荷を発生させる。 【0034】 制御回路12は、固体撮像素子10の各構成要素に所定のパルス信号を与えて動作制御を行う。 シフトレジスタ13は、制御回路12から送られてくるパルス信号より、ピクセルアレイ11内部での電荷転送用の制御信号を生成する。この制御信号はピクセル制御信号ドライバ14で増幅されてピクセルアレイ11に入力される。 【0035】 この制御信号に従ってピクセルアレイ11の各列から読み出された信号電荷は、ピクセル読出回路15に入力される。ピクセル読出回路15は、その信号電荷量に応じた電圧の電気信号をピクセルアレイ11の列毎に出力する。なお、ピクセル読出回路15はCDS(Correlated Double Sampling:相関二重サンプリング)回路を含んでおり、ノイズの除去も行う。 【0036】 増幅回路16は、後述する回路構成をピクセルアレイ11の列毎に有しており、ピクセル読出回路15から送られてきた電気信号を増幅してバス回路17へ出力する。 バス回路17は、増幅回路16から出力されるピクセルアレイ11の列毎の信号をADC18へ集める。 【0037】 ADC(アナログ−デジタル変換器)18は、集められた信号を順次アナログ−デジタル変換し、信号電圧に応じたデジタルデータを固体撮像素子10の出力とする。 次に、図1Bに示した固体撮像素子の第二の例を説明する。 【0038】 図1Bに示す固体撮像素子20において、ピクセルアレイ21、制御回路22、シフトレジスタ23、ピクセル制御信号ドライバ24、及びピクセル読出回路25は、それぞれ、図1Aに示した固体撮像素子10におけるピクセルアレイ11、制御回路12、シフトレジスタ13、ピクセル制御信号ドライバ14、及びピクセル読出回路15と同様のものである。 【0039】 増幅回路26は、後述する回路構成をピクセルアレイ21の列毎に有しており、ピクセル読出回路25から送られてきた電気信号を増幅してADC28へ出力する。 ADC28は、増幅回路26から出力される信号をピクセルアレイ21の列毎にアナログ−デジタル変換し、信号電圧に応じたデジタルデータをバス回路27へ出力する。 【0040】 バス回路27は、ADC28から出力されるピクセルアレイ21の列毎のデジタルデータを所定順に並べて固体撮像素子20の出力とする。 次に、本発明を実施する増幅回路の構成を説明する。これより説明する増幅回路の各構成例は、いずれも、図1Aの固体撮像素子10における増幅回路16として、また、図1Bの固体撮像素子20における増幅回路26として、それぞれ利用することができる。 【0041】 なお、例えば増幅回路の構成要素であるスイッチをトランジスタ回路で構成することにより、これより説明する各増幅回路の構成要素を単一の半導体基板上に全て形成し、集積回路としてこの増幅回路を構成することができる。また、固体撮像素子を形成している半導体基板上にこの増幅回路を含めることももちろん可能である。 【0042】 まず、図2Aについて説明する。同図は、本発明を実施する増幅回路の構成の第一の例を示している。 この図2Aに示す増幅回路は、オペアンプAと、コンデンサC1、C2、C3、C4、C1C、C2C、C3C、及びC4Cと、スイッチsw1a、sw1b、sw1c、sw2a、sw2b、sw2c、sw3a、sw3b、sw3c、sw4a、sw4b、sw4c、swra、swrb、及びsw0とを備えて構成されている。ここで、コンデンサC1、C2、C3、及びC4は特性値(容量値)が同一値に揃うように形成されたものであり、またコンデンサC1C、C2C、C3C、及びC4Cも容量値が同一値に揃うように形成されたものである。 【0043】 スイッチsw1a、sw1b、sw1c、sw2a、sw2b、sw2c、sw3a、sw3b、sw3c、sw4a、sw4b、sw4c、swra、swrb、及びsw0は、いずれもメーク接点とコモン接点とを有する2接点スイッチである。但し、スイッチswraは2回路の連動スイッチであり、その他はいずれも1回路のスイッチである。 【0044】 スイッチswraの一方の回路は、メーク接点がオペアンプAの出力に接続されており、コモン接点がオペアンプAの反転入力に接続されている。また、スイッチswraのもう一方の回路は、メーク接点がオペアンプAの出力に接続されており、コモン接点がスイッチsw1b、sw2b、sw3b、sw4b、及びswrbそれぞれのメーク接点に接続されている。また、スイッチsw1a、sw2a、sw3a、及びsw4aそれぞれのメーク接点も、オペアンプAの出力に接続されている。 【0045】 コンデンサC1は、スイッチsw1a及びsw1bそれぞれのコモン接点の接続点とオペアンプAの反転入力との間に挿入されており、コンデンサC2は、スイッチsw2a及びsw2bそれぞれのコモン接点の接続点とオペアンプAの反転入力との間に挿入されている。また、コンデンサC3は、スイッチsw3a及びsw3bそれぞれのコモン接点の接続点とオペアンプAの反転入力との間に挿入されており、コンデンサC4は、スイッチsw4a及びsw4bそれぞれのコモン接点の接続点とオペアンプAの反転入力との間に挿入されている。また、コンデンサC1C、C2C、C3C、及びC4Cは、スイッチsw1c、sw2c、sw3c、及びsw4c各々のメーク接点とグランド(基準接地電位)との間にそれぞれ挿入されている。 【0046】 オペアンプAの出力はスイッチsw0のコモン接点にも接続されている。スイッチsw0のメーク接点は、スイッチsw1c、sw2c、sw3c、及びsw4c各々のコモン接点と接続されており、この接続点が図2Aの増幅回路の出力Voutとなる。なお、この増幅回路の入力Vinは、オペアンプAの非反転入力に印加される。また、スイッチswrbのコモン接点には、基準電圧Vrefが印加されている。 【0047】 次に、この増幅回路の動作について、図2Bに示した表を用いて説明する。 図2Bの表は、図2Aに示す増幅回路で用いられている各スイッチの切り替え制御動作を示している。なお、図2Aに示す増幅回路が図1Aの固体撮像素子10における増幅回路16として用いられている場合には、この制御動作は制御回路12によって行われ、図1Bの固体撮像素子20における増幅回路26として用いられている場合には、この制御動作は制御回路22によって行われる。 【0048】 図2Bの表において、各行は、図2Aの増幅回路を構成している各スイッチの状態を示している。ここで、各欄に示されている「On」の文字は、その欄を含む行に対応しているスイッチのコモン接点をメーク接点に接触させて両接点を短絡させることを示している。また、「Off」の文字は、その欄を含む行に対応しているスイッチのコモン接点をメーク接点から離隔させて両接点を開放することを示している。 【0049】 まず、図2Bの表における左端の「C1が出力側端子」の列を参照し、その列の各欄の文字が示している状態となるように各スイッチを切り替える制御を行う。但し、このとき、スイッチswra、swrb、及びsw0については、まず、この列のうち「初期化」の列の各欄の文字が示している状態に切り替える。スイッチswra、swrb、及びsw0をこの状態に切り替えると、コンデンサC1、C2、C3、及びC4のそれぞれの端子間が短絡されて初期化され、蓄積電荷量がゼロとなる。 【0050】 次に、この初期化処理の後、スイッチswra、swrb、及びsw0の状態を、「C1が出力側端子」の列における「増幅」の列の各欄の文字が示している状態に切り替える。すると、このときのオペアンプAとコンデンサC1、C2、C3、C4との接続の関係は、図6Aに示した非反転増幅器と同一となる。従って、このときのオペアンプAの出力(すなわち、非反転増幅器の出力)V1は下記の式で与えられる。 【0051】 【数3】
【0052】 上記の式より、このときの非反転増幅器の増幅率は、コンデンサC1の容量と、コンデンサC2、C3、及びC4を並列接続して構成されている合成コンデンサの容量とで決定されることが分かる。 【0053】 コンデンサC1Cは、この電圧V1が印加されて電荷を蓄積する。 次に、図2Bの表における「C2が出力側端子」の列を参照し、その列の各欄の文字が示している状態となるように各スイッチを切り替える制御を行う。但し、スイッチswra、swrb、及びsw0については、まず、この列のうち「初期化」の列の各欄の文字が示している状態に切り替えて、コンデンサC1、C2、C3、及びC4を初期化してから、「増幅」の列の各欄の文字が示している状態に切り替えて増幅動作を行わせる。このときのオペアンプAの出力V2は下記の式で与えられる。 【0054】 【数4】
【0055】 上記の式より、このときの非反転増幅器の増幅率は、コンデンサC2の容量と、コンデンサC3、C4、及びC1を並列接続して構成されている合成コンデンサの容量とで決定されることが分かる。 【0056】 コンデンサC2Cは、この電圧V2が印加されて電荷を蓄積する。 次に、図2Bの表における「C3が出力側端子」の列の各欄の文字が示している状態となるように各スイッチを切り替える制御を同様に行って、コンデンサC1、C2、C3、及びC4の初期化、及び増幅動作を行わせる。このときのオペアンプAの出力V3は下記の式で与えられる。 【0057】 【数5】
【0058】 上記の式より、このときの非反転増幅器の増幅率は、コンデンサC3の容量と、コンデンサC4、C1、及びC2を並列接続して構成されている合成コンデンサの容量とで決定されることが分かる。 【0059】 コンデンサC3Cは、この電圧V3が印加されて電荷を蓄積する。 次に、図2Bの表における「C4が出力側端子」の列の各欄の文字が示している状態となるように各スイッチを切り替える制御を同様に行って、コンデンサC1、C2、C3、及びC4の初期化、及び増幅動作を行わせる。このときのオペアンプAの出力V4は下記の式で与えられる。 【0060】 【数6】
【0061】 上記の式より、このときの非反転増幅器の増幅率は、コンデンサC4の容量と、コンデンサC1、C2、及びC3を並列接続して構成されている合成コンデンサの容量とで決定されることが分かる。 【0062】 このように、スイッチsw1a、sw1b、sw2a、sw2b、sw3a、sw3b、sw4a、及びsw4bは、コンデンサC1、C2、C3、及びC4相互の接続を切り替えて、非反転増幅器の増幅率を決定しているコンデンサの構成の入れ替えを行っているのである。 【0063】 次に、図2Bの表における右端の「平均化」の列の各欄の文字が示している状態となるように各スイッチを切り替える制御を行う。ここで、各欄に示されている「−」の記号は、その欄を含む行に対応しているスイッチは、短絡若しくは開放のどちらの状態でもよいことを示している。 【0064】 この各スイッチの切り替えが行われてスイッチsw1c、sw2c、sw3c、及びsw4cが全て短絡状態になると、コンデンサC1C、C2C、C3C、及びC4Cは並列接続される。ここで、C1C、C2C、C3C、及びC4Cは容量同一であれば、図2Aの増幅回路の出力Voutは、下記の式で与えられる。 【0065】 【数7】
【0066】 つまり、ここでコンデンサC1C、C2C、C3C、及びC4Cを並列接続することにより、コンデンサの構成の入れ替えを行う度に得ていた非反転増幅器の出力の平均化を行っているのである。 【0067】 ここで、C1=C2=C3=C4であれば、上記の[数7]式より、この増幅回路の増幅率は4倍となる。また、上記の[数7]式におけるC1、C2、C3、及びC4の対称性に注目すれば、容量値が同一値に揃うように形成されたコンデンサC1、C2、C3、及びC4の容量値がばらついていても、図2Aの増幅回路の増幅率は平均化されることは明白である。従って、増幅率のばらつきが抑制される。 【0068】 なお、容量値が同一値に揃うように形成されたコンデンサC1C、C2C、C3C、及びC4Cの容量値のばらつきが、図2Aの増幅回路の増幅率のばらつき抑制の効果に及ぼす影響は軽微である。 【0069】 図1Aに示した固体撮像素子10におけるADC18、及び図1Bに示した固体撮像素子20におけるADC28は、このときの増幅回路の出力Voutをアナログ−デジタル変換する。従って、このときのコンデンサC1C、C2C、C3C、及びC4Cの並列接続からなる合成コンデンサは、ADC18若しくは28の入力側で増幅回路16若しくは26の出力を所定時間保持しておくサンプルホールドコンデンサとして代用することができる。つまり、この図2Aに示した増幅回路を図1Aに示した固体撮像素子10や図1Bに示した固体撮像素子20で使用することにより、専用のサンプルホールドコンデンサをADC18及び28に設けなくて済むようになる。 【0070】 以降の図2Aの各スイッチの切り替え制御動作も図2Bの表に従って行われ、左端の列から右端の列へと順に制御動作が繰り返される。 なお、この切り替え制御動作における各スイッチの切り替えは、制御回路12から出力されるパルス信号の周期に応じ、例えば、一定の所定間隔で行われる。但し、この切り替えの間隔を変化させると、固体撮像素子10や20全体での光検出の感度を変化させることができる。従って、例えば、ADC18若しくは28より画素毎に出力されるデータの1画像分の平均値の算出を、制御回路12自身若しくは外部の演算装置で行い、制御回路12が、出力するパルス信号の周期を、この平均値に基づいて制御するように構成してもよい。このように構成して、制御回路12が、ピクセルアレイ11の撮像面に受光した光の強さに基づき、当該光が弱い場合には、当該光が強い場合よりも間隔を長くするように各スイッチの切り替えの間隔の制御を行うことにより、固体撮像素子10若しくは20で暗い被写体を明るく撮像できるようになる。 【0071】 次に図3Aについて説明する。同図は、本発明を実施する増幅回路の構成の第二の例を示している。 この図3Aに示す増幅回路は、オペアンプAと、コンデンサC1、C2、C3、C4、C1C、C2C、C3C、及びC4Cと、スイッチsw1a、sw1b、sw1c、sw2a、sw2b、sw2c、sw3a、sw3b、sw3c、sw4a、sw4b、sw4c、swra、swrb、及びsw0とを備えて構成されている。ここで、コンデンサC1、C2、C3、及びC4は特性値(容量値)が同一値に揃うように形成されたものであり、またコンデンサC1C、C2C、C3C、及びC4Cも容量値が同一値に揃うように形成されたものである。 【0072】 この図3Aに示す増幅回路は、オペアンプAの非反転入力に、この増幅回路の入力Vinではなく、基準電圧Vrefが印加されている点と、スイッチswrbのコモン接点に、基準電圧Vrefではなく、この増幅回路の入力Vinが印加されている点とを除いては、図2Aに示した増幅回路と同様に構成されている。 【0073】 この図3Aの増幅回路の動作について、図3Bに示した表を用いて説明する。 図3Bの表は、図3Aに示す増幅回路で用いられている各スイッチの切り替え制御動作を示している。なお、図3Aに示す増幅回路が図1Aの固体撮像素子10における増幅回路16として用いられている場合には、この制御動作は制御回路12によって行われ、図1Bの固体撮像素子20における増幅回路26として用いられている場合には、この制御動作は制御回路22によって行われる。 【0074】 なお、図3Bの表における各欄に示されている「On」及び「Off」の文字や「−」の記号は、図2Bの表におけるものと同様のものである。 まず、図3Bの表における「C1が出力側端子」の列の各欄の文字が示している状態となるように各スイッチを切り替える制御を行って、図2Bの表によって示されていた図2Aの増幅回路に対する制御動作と同様、コンデンサC1、C2、C3、及びC4の初期化、及び増幅動作を行わせる。このときのオペアンプAの出力(すなわち、反転増幅器の出力)V1は下記の式で与えられる。 【0075】 【数8】
【0076】 次に、図3Bの表における「C2が出力側端子」の列の各欄の文字が示している状態となるように各スイッチを切り替える制御を同様に行って、コンデンサC1、C2、C3、及びC4の初期化、及び増幅動作を行わせる。このときのオペアンプAの出力V2は下記の式で与えられる。 【0077】 【数9】
【0078】 以下、同様に、図3Bの表における「C3が出力側端子」及び「C4が出力側端子」の各列の各欄の文字が示している状態となるように各スイッチを切り替える制御を行って、コンデンサC1、C2、C3、及びC4の初期化、及び増幅動作を順次行わせる。この各々のときのオペアンプAの出力V3及びV4はそれぞれ下記の式で与えられる。 【0079】 【数10】
【0080】 【数11】
【0081】 次に、図3Bの表における右端の「平均化」の列の各欄の文字が示している状態となるように各スイッチを切り替える制御を行う。この各スイッチの切り替えが行われてスイッチsw1c、sw2c、sw3c、及びsw4cが全て短絡状態になると、コンデンサC1C、C2C、C3C、及びC4Cは並列接続される。ここで、C1C、C2C、C3C、及びC4Cは容量同一であれば、図3Aの増幅回路の出力Voutは、下記の式で与えられる。 【0082】 【数12】
【0083】 つまり、ここでコンデンサC1C、C2C、C3C、及びC4Cを並列接続することにより、コンデンサの構成の入れ替えを行う度に得ていた反転増幅器の出力の平均化を行っているのである。 【0084】 ここで、C1=C2=C3=C4であれば、上記の[数12]式より、この増幅回路の増幅率は3倍となる。上記の[数12]式におけるC1、C2、C3、及びC4の対称性に注目すれば、容量値が同一値に揃うように形成されたコンデンサC1、C2、C3、及びC4の容量値がばらついていても、図3Aの増幅回路の増幅率は平均化されることは明白である。従って、増幅率のばらつきが抑制される。 【0085】 この図3Aの増幅回路は、反転増幅器を構成しているので、非反転増幅器を構成している図2Aに示した増幅回路に比べ、同一の増幅率でコンデンサを1個多く必要とするが、動作が高速であり、また、寄生容量の影響を受け難いという利点を有している。 【0086】 なお、図2Aに示した増幅回路と同様に、容量値が同一値に揃うように形成されたコンデンサC1C、C2C、C3C、及びC4Cの容量値のばらつきが、図3Aの増幅回路の増幅率のばらつき抑制の効果に及ぼす影響は軽微である。 【0087】 また、図2Aに示した増幅回路と同様に、図3Aに示した増幅回路を図1Aに示した固体撮像素子10や図1Bに示した固体撮像素子20で使用することにより、専用のサンプルホールドコンデンサをADC18及び28に設けなくて済むようになる。 【0088】 更に、図2Aに示した増幅回路と同様に、図3Aに示した増幅回路を図1Aに示した固体撮像素子10や図1Bに示した固体撮像素子20で使用する場合に、制御回路12が、ピクセルアレイ11の撮像面に受光した光の強さに基づき、当該光が弱い場合には、当該光が強い場合よりも間隔を長くするように各スイッチの切り替えの間隔の制御を行うことにより、固体撮像素子10若しくは20で暗い被写体を明るく撮像できるようになる。 【0089】 次に図4Aについて説明する。同図は、本発明を実施する増幅回路の構成の第三の例を示している。 この図4Aに示す増幅回路は、オペアンプAと、抵抗R1、R2、R3、及びR4と、コンデンサC1C、C2C、C3C、及びC4Cと、スイッチsw1a、sw1b、sw1c、sw2a、sw2b、sw2c、sw3a、sw3b、sw3c、sw4a、sw4b、sw4c、及びsw0とを備えて構成されている。ここで、抵抗R1、R2、R3、及びR4は特性値(抵抗値)が同一値に揃うように形成されたものであり、またコンデンサC1C、C2C、C3C、及びC4Cは容量値が同一値に揃うように形成されたものである。 【0090】 この図4Aに示す増幅回路は、コンデンサC1、C2、C3、及びC4をそれぞれ抵抗R1、R2、R3、及びR4に置き換えた点、2回路の連動スイッチであるスイッチswraをどちらの回路も常時開放状態として削除した点、及び、スイッチswrbを常時短絡状態として削除した点を除いては、図2Aに示した増幅回路と同様に構成されている。 【0091】 この図4Aの増幅回路の動作について、図4Bに示した表を用いて説明する。 図4Bの表は、図4Aに示す増幅回路で用いられている各スイッチの切り替え制御動作を示している。なお、図4Aに示す増幅回路が図1Aの固体撮像素子10における増幅回路16として用いられている場合には、この制御動作は制御回路12によって行われ、図1Bの固体撮像素子20における増幅回路26として用いられている場合には、この制御動作は制御回路22によって行われる。 【0092】 なお、図4Bの表における各欄に示されている「On」及び「Off」の文字や「−」の記号は、図2Bの表におけるものと同様のものである。 図4Bの表は、「C1」、「C2」、「C3」、及び「C4」がそれぞれ「R1」、「R2」、「R3」、及び「R4」に置き換えられている点と、「初期化」の列が存在しない点とを除けば、図2Bの表と同一である。つまり、図4Aの回路では初期化を必要とするコンデンサを用いていないので、図2Aに示した回路で行っていた初期化処理は図4Aの回路では行わないでよいのである。 【0093】 この初期化処理を行わない点を除けば、図4Aの回路における各スイッチの切り替え動作は図2Aの回路におけるものと同様である、つまり、スイッチsw1a、sw1b、sw2a、sw2b、sw3a、sw3b、sw4a、及びsw4bは、コンデンサR1、R2、R3、及びR4相互の接続を切り替えて、非反転増幅器の増幅率を決定している抵抗の構成の入れ替えを行っているのである。 【0094】 この各スイッチの切り替え時におけるオペアンプAの出力は、上記の[数3]、[数4]、[数5]、[数6]における「C1」、「C2」、「C3」、及び「C4」をそれぞれ「R1」、「R2」、「R3」、及び「R4」に置き換えたものとなる。従って、図4Bの表における右端の「平均化」の列の各欄の文字が示している状態となるように各スイッチを切り替える制御が行われたときの図4Aの増幅回路の出力Voutは、C1C、C2C、C3C、及びC4Cが容量同一であれば、下記の式で与えられる。 【0095】 【数13】
【0096】 つまり、ここでコンデンサC1C、C2C、C3C、及びC4Cを並列接続することにより、コンデンサの構成の入れ替えを行う度に得ていた非反転増幅器の出力の平均化が行われる。 【0097】 ここで、R1=R2=R3=R4であれば、上記の[数13]式より、この増幅回路の増幅率は4倍となる。上記の[数13]式におけるR1、R2、R3、及びR4の対称性に注目すれば、抵抗値が同一値に揃うように形成された抵抗R1、R2、R3、及びR4の抵抗値がばらついていても、図4Aの増幅回路の増幅率は平均化されることは明白である。従って、増幅率のばらつきが抑制される。 【0098】 この図4Aの増幅回路は、非反転増幅器の増幅率を決定する素子として抵抗を使用することにより、図2Aに示した増幅回路に比べ、貫通電流の発生により消費電力が増大し、また、集積回路として構成する場合における半導体基板上の占有面積が広くなるものの、前述したように初期化処理が不要であるので、回路の動作制御を簡略化できるという利点を有している。 【0099】 なお、この図4Aの増幅回路においても、容量値が同一値に揃うように形成されたコンデンサC1C、C2C、C3C、及びC4Cの容量値のばらつきが、図4Aの増幅回路の増幅率のばらつき抑制の効果に及ぼす影響は軽微である。 【0100】 また、図2Aに示した増幅回路と同様に、図4Aに示した増幅回路を図1Aに示した固体撮像素子10や図1Bに示した固体撮像素子20で使用することにより、専用のサンプルホールドコンデンサをADC18及び28に設けなくて済むようになる。 【0101】 更に、図2Aに示した増幅回路と同様に、図4Aに示した増幅回路を図1Aに示した固体撮像素子10や図1Bに示した固体撮像素子20で使用する場合に、制御回路12が、ピクセルアレイ11の撮像面に受光した光の強さに基づき、当該光が弱い場合には、当該光が強い場合よりも間隔を長くするように各スイッチの切り替えの間隔の制御を行うことにより、固体撮像素子10若しくは20で暗い被写体を明るく撮像できるようになる。 【0102】 次に図5Aについて説明する。同図は、本発明を実施する増幅回路の構成の第四の例を示している。 この図5Aに示す増幅回路は、オペアンプAと、抵抗R1、R2、R3、及びR4と、コンデンサC1C、C2C、C3C、及びC4Cと、スイッチsw1a、sw1b、sw1c、sw2a、sw2b、sw2c、sw3a、sw3b、sw3c、sw4a、sw4b、sw4c、及びsw0とを備えて構成されている。ここで、抵抗R1、R2、R3、及びR4は特性値(抵抗値)が同一値に揃うように形成されたものであり、またコンデンサC1C、C2C、C3C、及びC4Cは容量値が同一値に揃うように形成されたものである。 【0103】 この図5Aに示す増幅回路は、コンデンサC1、C2、C3、及びC4をそれぞれ抵抗R1、R2、R3、及びR4に置き換えた点、2回路の連動スイッチであるスイッチswraをどちらの回路も常時開放状態として削除した点、及び、スイッチswrbを常時短絡状態として削除した点を除いては、図3Aに示した増幅回路と同様に構成されている。 【0104】 この図5Aの増幅回路の動作について、図5Bに示した表を用いて説明する。 図5Bの表は、図5Aに示す増幅回路で用いられている各スイッチの切り替え制御動作を示している。なお、図5Aに示す増幅回路が図1Aの固体撮像素子10における増幅回路16として用いられている場合には、この制御動作は制御回路12によって行われ、図1Bの固体撮像素子20における増幅回路26として用いられている場合には、この制御動作は制御回路22によって行われる。 【0105】 なお、図5Bの表における各欄に示されている「On」及び「Off」の文字や「−」の記号は、図2Bの表におけるものと同様のものである。 図5Bの表は、「C1」、「C2」、「C3」、及び「C4」がそれぞれ「R1」、「R2」、「R3」、及び「R4」に置き換えられている点と、「初期化」の列が存在しない点とを除けば、図3Bの表と同一である。つまり、図5Aの回路では初期化を必要とするコンデンサを用いていないので、図3Aに示した回路で行っていた初期化処理は図5Aの回路では行わないでよいのである。 【0106】 この初期化処理を行わない点を除けば、図5Aの回路における各スイッチの切り替え動作は図3Aの回路におけるものと同様である、つまり、スイッチsw1a、sw1b、sw2a、sw2b、sw3a、sw3b、sw4a、及びsw4bは、コンデンサR1、R2、R3、及びR4相互の接続を切り替えて、反転増幅器の増幅率を決定している抵抗の構成の入れ替えを行っているのである。 【0107】 この各スイッチの切り替え時におけるオペアンプAの出力は、上記の[数8]、[数9]、[数10]、[数11]における「C1」、「C2」、「C3」、及び「C4」をそれぞれ「R1」、「R2」、「R3」、及び「R4」に置き換えたものとなる。従って、図5Bの表における右端の「平均化」の列の各欄の文字が示している状態となるように各スイッチを切り替える制御が行われたときの図5Aの増幅回路の出力Voutは、C1C、C2C、C3C、及びC4Cが容量同一であれば、下記の式で与えられる。 【0108】 【数14】
【0109】 つまり、ここでコンデンサC1C、C2C、C3C、及びC4Cを並列接続することにより、コンデンサの構成の入れ替えを行う度に得ていた反転増幅器の出力の平均化が行われる。 【0110】 ここで、R1=R2=R3=R4であれば、上記の[数14]式より、この増幅回路の増幅率は3倍となる。上記の[数14]式におけるR1、R2、R3、及びR4の対称性に注目すれば、抵抗値が同一値に揃うように形成された抵抗R1、R2、R3、及びR4の抵抗値がばらついていても、図5Aの増幅回路の増幅率は平均化されることは明白である。従って、増幅率のばらつきが抑制される。 【0111】 この図5Aの増幅回路は、反転増幅器の増幅率を決定する素子として抵抗を使用することにより、図3Aに示した増幅回路に比べ、貫通電流の発生により消費電力が増大し、また、集積回路として構成する場合における半導体基板上の占有面積が広くなるものの、前述したように初期化処理が不要であるので、回路の動作制御を簡略化できるという利点を有している。 【0112】 なお、この図5Aの増幅回路においても、容量値が同一値に揃うように形成されたコンデンサC1C、C2C、C3C、及びC4Cの容量値のばらつきが、図5Aの増幅回路の増幅率のばらつき抑制の効果に及ぼす影響は軽微である。 【0113】 また、図2Aに示した増幅回路と同様に、図5Aに示した増幅回路を図1Aに示した固体撮像素子10や図1Bに示した固体撮像素子20で使用することにより、専用のサンプルホールドコンデンサをADC18及び28に設けなくて済むようになる。 【0114】 更に、図2Aに示した増幅回路と同様に、図5Aに示した増幅回路を図1Aに示した固体撮像素子10や図1Bに示した固体撮像素子20で使用する場合に、制御回路12が、ピクセルアレイ11の撮像面に受光した光の強さに基づき、当該光が弱い場合には、当該光が強い場合よりも間隔を長くするように各スイッチの切り替えの間隔の制御を行うことにより、固体撮像素子10若しくは20で暗い被写体を明るく撮像できるようになる。 【0115】 以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良・変更が可能である。 例えば、図2A、図3A、図4A、及び図5Aにそれぞれ示した増幅回路の構成において、各スイッチのコモン接点とメーク接点との接続を逆にしても、各増幅回路は同様に動作する。 なお、上記した実施の形態から次のような構成の技術的思想が導かれる。 【0116】 (付記1)受光した光を電気信号に変換する光電変換部と、 前記電気信号を増幅する増幅回路と、 を有しており、 前記増幅回路は、 特性値を同一値として形成された複数の素子と、 前記素子を1以上接続して構成される2つの合成素子の特性値によって増幅率が決定される増幅器と、 前記素子間の接続を切り替えて、前記合成素子の各々を構成する前記素子を入れ替える切り替え部と、 前記素子の入れ替えを行う度に得る前記増幅器の出力を平均化して前記増幅回路の出力とする平均化部と、 を有している、 ことを特徴とする撮像装置。 【0117】 (付記2)前記複数の素子はコンデンサであることを特徴とする付記1に記載の撮像装置。 (付記3)前記コンデンサの端子間を短絡して初期化する初期化処理部を更に有することを特徴とする付記2に記載の撮像装置。 【0118】 (付記4)前記複数の素子は抵抗であることを特徴とする付記1に記載の撮像装置。 (付記5)前記増幅器は、オペアンプを用いた反転増幅器であることを特徴とする付記1に記載の撮像装置。 【0119】 (付記6)前記増幅器は、オペアンプを用いた非反転増幅器であることを特徴とする付記1に記載の撮像装置。 (付記7)前記平均化部は、前記増幅器の出力を蓄積するコンデンサを複数有することを特徴とする付記1に記載の撮像装置。 【0120】 (付記8)前記コンデンサの端子間を短絡して初期化する初期化処理部を更に有することを特徴とする付記7に記載の撮像装置。 (付記9)前記増幅回路の出力をデジタルデータに変換するアナログ−デジタル変換器を更に有しており、 前記コンデンサは、アナログ−デジタル変換器の入力側で前記増幅回路の出力を所定時間保持しておくサンプルホールドコンデンサである、 ことを特徴とする付記7に記載の撮像装置。 【0121】 (付記10)前記光電変換部で受光した光の強さに基づいて、前記切り替え部による前記素子間の接続の切り替えの間隔を制御する切り替え制御部を更に有することを特徴とする付記1に記載の撮像装置。 【0122】 (付記11)特性値を同一値として形成された複数の素子と、 前記素子を1以上接続して構成される2つの合成素子の特性値によって増幅率が決定される増幅器と、 前記素子間の接続を切り替えて、前記合成素子の各々を構成する前記素子を入れ替える切り替え部と、 前記素子の入れ替えを行う度に得る前記増幅器の出力を平均化する平均化部と、 を有することを特徴とする増幅回路。 【0123】 (付記12)前記複数の素子はコンデンサであることを特徴とする付記11に記載の増幅回路。 (付記13)前記コンデンサの端子間を短絡して初期化する初期化処理部を更に有することを特徴とする付記12に記載の増幅回路。 【0124】 (付記14)前記複数の素子は抵抗であることを特徴とする付記11に記載の増幅回路。 (付記15)前記増幅器は、オペアンプを用いた非反転増幅器であることを特徴とする付記11に記載の増幅回路。 【0125】 (付記16)前記増幅器は、オペアンプを用いた反転増幅器であることを特徴とする付記11に記載の増幅回路。 (付記17)前記平均化部は、前記増幅器の出力を蓄積するコンデンサを複数有することを特徴とする付記11に記載の増幅回路。 【0126】 (付記18)前記コンデンサの端子間を短絡して初期化する初期化処理部を更に有することを特徴とする付記17に記載の増幅回路。 【図面の簡単な説明】 【0127】 【図1A】本発明を実施する撮像装置である固体撮像素子の第一の例の構成を示す図である。 【図1B】本発明を実施する撮像装置である固体撮像素子の第二の例の構成を示す図である。 【図2A】本発明を実施する増幅回路の構成の第一の例を示す図である。 【図2B】図2Aに示した増幅回路で用いられている各スイッチの切り替え制御動作を表で示した図である。 【図3A】本発明を実施する増幅回路の構成の第二の例を示す図である。 【図3B】図3Aに示した増幅回路で用いられている各スイッチの切り替え制御動作を表で示した図である。 【図4A】本発明を実施する増幅回路の構成の第三の例を示す図である。 【図4B】図4Aに示した増幅回路で用いられている各スイッチの切り替え制御動作を表で示した図である。 【図5A】本発明を実施する増幅回路の構成の第四の例を示す図である。 【図5B】図5Aに示した増幅回路で用いられている各スイッチの切り替え制御動作を表で示した図である。 【図6A】従来の増幅回路の構成の第一の例を示す図である。 【図6B】従来の増幅回路の構成の第二の例を示す図である。 【符号の説明】 【0128】 10、20 固体撮像素子 11、21 ピクセルアレイ 12、22 制御回路 13、23 シフトレジスタ 14、24 ピクセル制御信号ドライバ 15、25 ピクセル読出回路 16、26 増幅回路 17、27 バス回路 18、28 アナログ−デジタル変換器 A オペアンプ C1、C2、C3、C4、C5、C1C、C2C、C3C、C4C コンデンサ R1、R2、R3、R4 抵抗 sw1a、sw1b、sw1c、sw2a、sw2b、sw2c、 sw3a、sw3b、sw3c、sw4a、sw4b、sw4c、 swra、swrb、sw0 スイッチ
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000005223 【氏名又は名称】富士通株式会社
|
| 【出願日】 |
平成18年6月30日(2006.6.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100074099 【弁理士】 【氏名又は名称】大菅 義之
【識別番号】100067987 【弁理士】 【氏名又は名称】久木元 彰
|
| 【公開番号】 |
特開2008−11297(P2008−11297A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月17日(2008.1.17) |
| 【出願番号】 |
特願2006−180809(P2006−180809) |
|