トップ :: H 電気 :: H04 電気通信技術




【発明の名称】 液晶表示装置
【発明者】 【氏名】阿部 裕俊

【要約】 【課題】ノイズリダクション回路を利用して、動画像表示時には残像を少なくするためのオーバードライブの効果を持たせることのできる液晶表示装置を提供する。

【構成】本発明に係る液晶表示装置1は、連続する前の画像とあとの画像を加算する。受信した映像信号に係る映像が静止画像のときは、正の係数を前の画像に乗ずることによりノイズリダクションの効果を生ずる。受信した映像信号に係る映像が動画像のときは、負の係数を前の画像に乗ずることにより差分が求められオーバードライブの効果を生ずる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像信号を受信する受信部と、
前記映像信号に係る映像が静止画像と動画像のいずれかであるかを検出する動き検出部と、
前記動き検出部が前記映像は静止画像であると検出した場合には、前記映像に含まれる連続するフレームの画像信号を加算し、前記動き検出部が前記映像は動画像であると検出した場合には、前記映像に含まれる連続するフレームの画像信号の差分を前記連続するフレームの後のフレームの画像信号に加算する信号加算部とを備えることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
映像信号を受信する受信部と、
前記映像信号に係る映像が静止画像と動画像のいずれかであるかを検出する動き検出部と、
前記動き検出部が前記映像は静止画像であると検出した場合には正の係数を、前記動き検出部が前記映像は動画像であると検出した場合には負の係数を選択する係数選択部と、
前記係数選択部の選択した係数を前記映像に含まれる連続するフレームの画像信号のうち先の画像信号に乗じる係数乗算部と、
前記係数乗算部より得られた画像信号を前記連続するフレームの画像信号のうち先の画像信号に加算する信号加算部とを備えることを特徴とする液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は液晶表示装置に関し、特にノイズリダクション回路においてオーバードライブの効果を発揮することの可能な液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年テレビジョン等の画像表示装置の大型化が進み、従来のサイズの画像表示装置ではあまり気にならなかった画質についても、一般消費者が気にかけるようになってきた。
【0003】
静止画像を表示する場合には、映像信号にノイズが加わることにより、本来ちらつくはずのない画像にちらつきが生ずることがある。このような状態を解消するために、ノイズリダクション(NR)回路を組み込み、ノイズによる画像のちらつきを押さえる画像表示装置が開発されている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0004】
また、液晶表示装置において動画像を表示する場合には、液晶の応答性の悪さに基因して、いわゆる「動画ボケ」が生ずることがある。そこで、応答性を高め、動画ボケを生じにくくするための方法のひとつとして、オーバードライブ(OD)回路を組み込んだ液晶表示装置が開発されている(例えば、特許文献3参照)。
【0005】
上述のように、NR回路は静止画の画質向上を、OD回路は動画像の画質向上を目的とした回路であり、その目的はまったく異なっている。液晶表示装置においては、静止画像も動画像も、いずれも表示することが予定されているのであるから、双方の回路を組み込むことが望ましい。
【特許文献1】特開2004−246118号公報
【特許文献2】特開平11−69202号公報
【特許文献3】特開2003−143556号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の液晶表示装置によると、NR回路とOD回路の双方を組み込むことは、その分コストが嵩み、また近年の電子機器における省スペース化の障害となるという問題があった。
【0007】
従って、本発明は、ノイズリダクション回路を利用して、動画像表示時には残像を少なくするためのオーバードライブの効果を持たせることのできる液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するため、映像信号を受信する受信部と、前記映像信号に係る映像が静止画像と動画像のいずれかであるかを検出する動き検出部と、前記動き検出部が前記映像は静止画像であると検出した場合には、前記映像に含まれる連続するフレームの画像信号を加算し、前記動き検出部が前記映像は動画像であると検出した場合には、前記映像に含まれる連続するフレームの画像信号の差分を前記連続するフレームの後のフレームの画像信号に加算する信号加算部とを備えることを特徴とする液晶表示装置を提供する。
【0009】
本発明によれば、1つの回路において、静止画像の場合には前後のフレームの和を、動画像の場合には差分を取ることで、NR回路とOD回路の双方の機能を持たせることができるので、液晶表示装置の低コスト化及び省スペース化を図ることができる。
【0010】
また、本発明は、映像信号を受信する受信部と、前記映像信号に係る映像が静止画像と動画像のいずれかであるかを検出する動き検出部と、前記動き検出部が前記映像は静止画像であると検出した場合には正の係数を、前記動き検出部が前記映像は動画像であると検出した場合には負の係数を選択する係数選択部と、前記係数選択部の選択した係数を前記映像に含まれる連続するフレームの画像信号のうち先の画像信号に乗じる係数乗算部と、前記係数乗算部より得られた画像信号を前記連続するフレームの画像信号のうち先の画像信号に加算する信号加算部とを備えることを特徴とする液晶表示装置を提供する。
【0011】
本発明によれば、前後のフレームの和を取る際に、静止画像の場合には正の係数を、動画像の場合には負の係数を乗ずることで、それぞれの和と差分とを取ることとなり、NR回路とOD回路の双方の機能を持たせることができるので、液晶表示装置の低コスト化及び省スペース化を図ることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、1つの回路にノイズリダクション回路とオーバードライブ回路の双方の機能を持たせることができるので、液晶表示装置の低コスト化及び省スペース化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0014】
(NR回路とOD回路とを備える液晶表示装置の構成)
図1は、NR回路とOD回路の双方を組み込んだ液晶表示装置の構成の一例を示すブロック図である。
【0015】
液晶表示装置2は、信号入力回路21と、NR回路20と、OD回路30と、LCDパネル27とからなる。また、NR回路20は、動き検出回路22と、1フレーム遅延回路24と、係数回路25と、加算回路26とからなる。更に、OD回路30は、動き検出回路32と、1フレーム遅延回路34と、係数回路35と、加算回路36とからなる。
【0016】
信号入力回路21は、アンテナ等を介したテレビ放送信号の受信や、外部端子等を介して接続された外部装置からの送信や、記憶装置に格納された映像信号の呼出し等により、映像信号を読み込むものである。
【0017】
NR回路20は、画像信号に含まれるノイズを除去するためのものであり、動き検出回路22は映像信号が静止画像であるか動画像であるかの検出を行うためのもの、1フレーム遅延回路24は1フレーム前の画像を一時的に記憶するもの、係数回路25は1フレーム遅延回路24に一時的に格納された画像に対して正の係数を乗ずるもの、加算回路26は信号入力回路21から送信された映像信号の各フレームに係数回路25で作成された1つ前のフレームに係る情報を加算するものである。
【0018】
OD回路30は、LCDパネル27の応答性の悪さを改善するためのものであり、動き検出回路32は映像信号が静止画像であるか動画像であるかの検出を行うためのもの、1フレーム遅延回路34は1フレーム前の画像を一時的に記憶するもの、係数回路35は1フレーム遅延回路34に一時的に格納された画像に対して負の係数を乗ずるもの、加算回路36は信号入力回路21から送信された映像信号の各フレームに係数回路35で作成された1つ前のフレームに係る情報を加算するものである。
【0019】
LCDパネル27は、OD回路30から送信された映像信号に基づき、映像を表示するためのものである。
【0020】
図1に示すような液晶表示装置2によれば、NR回路20とOD回路30の双方が組み込まれているので、静止画像の表示の際も、動画像の表示の際も、いずれも高画質な映像が鑑賞可能となる。
【0021】
(本発明にかかる液晶表示装置の構成)
図2は、本発明に係る液晶表示装置の内部構成を示すブロック図である。
【0022】
本発明に係る液晶表示装置1は、信号入力回路11と、動き検出回路12と、係数選択回路13と、1フレーム遅延回路14と、係数回路15と、加算回路16と、LCDパネル17とからなる。
【0023】
信号入力回路11は、アンテナ等を介したテレビ放送信号の受信や、外部端子等を介して接続された外部装置からの送信や、記憶装置に格納された映像信号の呼出し等により、映像信号を読み込むものである。
【0024】
動き検出回路12は、信号入力回路11に入力され、LCDパネル17において表示しようとされている映像信号が、静止画像であるか動画像であるかの検出を行うためのものである。具体的には前後する2つのフレームの差分をとって比較し、その大小より静止画か動画かを判断する。
【0025】
係数選択回路13は、動き検出回路12の検出結果に基づいて、後述する係数回路において用いられる係数の選択を行なうものである。具体的には、静止画であると検出されたときは、係数として「+1」を選択し、動画であると検出されたときは、係数として「−1」を選択する。
【0026】
1フレーム遅延回路14は、後述する加算回路16における画像処理に用いる1フレーム前の画像を一時的に記憶するものである。
【0027】
係数回路15は、1フレーム遅延回路14に一時的に格納された画像に対して、係数選択回路13で選択された係数を乗じて、加算回路16において映像信号に加算すべき情報を作成するためのものである。
【0028】
加算回路16は、信号入力回路11から送信された映像信号の各フレームに、係数回路15で作成された1つ前のフレームに係る情報を加算し、修正された映像信号を作成するものである。
【0029】
LCDパネル17は、加算回路16から送信された映像信号に基づき、映像を表示するためのものである。
【0030】
信号入力回路11に映像信号が入力されると、当該映像信号は動き検出回路12、1フレーム遅延回路14及び加算回路16にそれぞれ送信される。動き検出回路12は、受信した映像信号の連続するフレームの差分から、当該映像信号に係る画像が静止画像であるか動画像であるかを検出し、その結果に応じて、係数選択回路13において係数を決定する。
【0031】
また、1フレーム遅延回路14に送信された映像信号の各フレームについては、係数回路15において係数選択回路13の選択した係数(+1または−1)を乗じた後、加算回路15において1つ後のフレームに加算される。
【0032】
このとき、当該映像信号に係るが映像が静止画像である場合には、係数「+1」が選択されるので、加算回路16における加算処理により、ノイズリダクションの効果が生じることになる。
【0033】
また、当該映像信号に係る映像が動画像である場合には、係数「−1」が選択されるので、加算回路16における加算処理は、一旦前後2つのフレームの差分をとった上、それを後のフレームに加算することになり、これによりオーバードライブの効果が生ずることになる。
【0034】
(ノイズリダクション処理)
次に、本発明に係る液晶表示装置1における、ノイズリダクション(NR)処理について説明する。
【0035】
図3は、液晶表示装置1におけるNR処理の様子を示す図である。
【0036】
映像信号に係る映像が静止画像である場合、当該映像信号における各フレームには、同一の画像が含まれるため、静止画像が表示される期間内には一定の映像信号が送信されるはずである。しかし、当該映像信号にノイズが加わることにより、本来一定であるはずの映像信号に誤差が生ずることになり、それにより静止画像にちらつきが生ずることになる。
【0037】
図3(a)は、ノイズにより静止画像にちらつきが生ずる様子を示す図である。本来ならば各フレームにおいて常に一定の電圧でもって表示がされるはずのところ、ノイズを含むことにより電圧に変化が生じ、それによってちらつきが発生する。
【0038】
図3(b)はNR処理により、前後する2つのフレームに対する電圧の和を取った状態を示す図である。図3(a)における2つの連続するフレームに対する電圧の和、例えば(A)と(B)のフレームに対する電圧の和、(B)と(C)のフレームに対する電圧の和といった具合に、送信されるフレームの電圧に、常に1つ前のフレームにおける電圧を加えることで、図3(b)に示す状態が得られることになる。
【0039】
更に、図3(b)における映像信号の電圧のままでは、本来の映像信号の略2倍の電圧となるので、これを2分の1とすることで、2つの電圧の平均値となる、図3(c)に示す状態が得られる。これにより、図3(a)に示す状態と比べで、各フレーム間の電圧のばらつきが小さくすることができ、静止画像のちらつきを低減させることができる。
【0040】
(オーバードライブ処理)
次に、本発明に係る液晶表示装置1における、オーバードライブ(OD)処理について説明する。
【0041】
図4は、液晶表示装置1におけるOD処理の様子を示す図である。
【0042】
液晶表示装置1が動画像からなる映像信号を受信すると、その映像信号の電圧は動画像であるが故に常に変化しており、例えば図4(a)に示すように、各フレーム毎にV、V、V…といった具合に変化することになる。
【0043】
このとき、1のフレームにおける電圧とその1つ前のフレームにおける電圧の差分であるS、S、S、…は、前後のフレームの電圧の差をとることにより求められることになる。
【0044】
液晶表示装置1におけるLCDパネル17は、液晶の特性である応答性の悪さにより、印加される電圧に対応する透過率を即座に得ることはできず、現実の透過率Tは図4(b)の一点鎖線に示すような変化を示すことになる。従って、このままの状態では液晶パネル特有の動画ボケが生じやすくなる。
【0045】
そこで、OD処理として、まず図4(a)における2つの連続するフレームの電圧の差分S、S、S、…を算出し、その差分からなる電圧を、各1フレーム期間の先頭から一定期間の一部について加算することにする。図4(c)は、図4(a)における2つの連続するフレームの差分からなる電圧VS1、VS2、VS3…を、各1フレーム期間の先頭からn分の1の期間だけ印加した状態を示す。
【0046】
LCDパネル17には、図4(a)に示す電圧と図4(c)に示す電圧が印加されることになり、最終的に印加される電圧はそれらの和となり、図4(d)に示すような電圧が印加されることになる。図4(a)に示す電圧V、V、V…と図4(c)に示す電圧VS1、VS2、VS3…との和が、図4(d)に示すVOD1、VOD2、VOD3…となる。
【0047】
図4(d)に示すような電圧が印加されることにより、各フレームにおける液晶パネルの立ち上がりが早まり、図4(e)に示すような透過率T得られることになる。これにより、液晶パネル17の応答性が改善され、動画ボケが生じにくくなる。
【0048】
(画像処理の動作)
本発明に係る液晶表示装置1における画像処理の様子を、フローチャートを用いて説明する。
【0049】
図5は、液晶表示装置1における画像処理を示すフローチャートである。
【0050】
最初に、信号入力回路11に映像信号が入力されると、動き検出回路12において当該映像信号に係る映像の動きを検出する(ステップS101)。そして、検出した結果当該映像が動画像であるか静止画像であるかの判断を行なう(ステップS102)。
【0051】
当該画像が動画像であると判断した場合には(S102:Yes)、係数選択回路13が係数として「−1」を選択する(ステップS103)。そして、係数回路15において1フレーム遅延画像に係数「−1」を乗じたものが映像信号に加算されることで差分が得られ、当該差分が映像信号に加算されることでOD処理を行なう(ステップS104)。
【0052】
一方、当該画像が静止画像であると判断した場合には(S102:No)、係数選択回路13が係数として「+1」を選択する(ステップS105)。そして、係数回路15において1フレーム遅延画像に係数「+1」を乗じたものが映像信号に加算され、得られら映像信号を2分の1にすることでNR処理を行なう(ステップS106)。
【0053】
そして、得られた映像信号に基づき、LCDパネル17において映像の表示を行なう(ステップS107)。
【0054】
(実施の形態の効果)
上記した実施の形態によると、動き検出回路12および計数選択回路13を備えたことにより、1つの回路においてNR処理とOD処理を同時に行うことができ、静止画像と動画像の双方の画質向上が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】NR回路とOD回路の双方を組み込んだ液晶表示装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る液晶表示装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】液晶表示装置1におけるNR処理の様子を示す図である。
【図4】液晶表示装置1におけるOD処理の様子を示す図である。
【図5】液晶表示装置1における画像処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0056】
1、液晶表示装置 2、液晶表示装置(従来) 11、21、信号入力回路
12、22、32、動き検出回路 13、係数選択回路
14、24、34、1フレーム遅延回路 15、25、35、係数回路
16、26、36、加算回路 17、26、LCDパネル 20、NR回路
30、OD回路
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【出願日】 平成18年6月29日(2006.6.29)
【代理人】 【識別番号】100071526
【弁理士】
【氏名又は名称】平田 忠雄

【識別番号】100099597
【弁理士】
【氏名又は名称】角田 賢二

【識別番号】100124235
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 恵子

【識別番号】100124246
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 和光


【公開番号】 特開2008−11251(P2008−11251A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−180267(P2006−180267)