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【発明の名称】 表示制御装置および方法、並びにプログラム
【発明者】 【氏名】井上 正行

【要約】 【課題】チャンネル切り替え時のブランキングの発生を、より確実に防ぐことができるようにするものである。

【構成】番組の視聴が指示されたとき、2つ設けられるうちの一方のチューナであるチューナ1により、視聴が指示された番組のチャンネルの受信が行われ、映像が表示される。その間、チューナ2においては、チューナ1により受信されていないチャンネルの受信が、チャンネルを切り替えて順次行われる。チューナ2により得られた番組の一部である静止画や短い動画は保存され、チューナ1において受信するチャンネルをチャンネル3に切り換えることが指示されたとき、チューナ1によりチャンネル3が受信され、その映像が表示されるまでの間表示される。本発明は、例えば、2つのチューナを有する機器に適用することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送波またはネットワークを介して複数のコンテンツを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された複数のコンテンツのうち、選択されたコンテンツの映像を表示させる表示制御手段と、
前記取得手段により取得された複数のコンテンツのうちの、前記表示制御手段により映像が表示されているコンテンツ以外のそれぞれのコンテンツの一部の映像を復号し、保存する保存手段と
を備え、
前記表示制御手段は、表示する映像を所定のコンテンツの映像に切り換えることが指示されたとき、前記所定のコンテンツの復号を開始し、復号して得られた映像を表示させることができるようになるまでの間、前記保存手段により保存されている前記所定のコンテンツの一部の映像を表示させる
表示制御装置。
【請求項2】
前記保存手段は、起動した後、前記コンテンツの優先順位に基づいて、前記表示制御手段により映像が表示されているコンテンツ以外のそれぞれのコンテンツの一部の映像を保存することを開始する
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
2つのチューナを制御してコンテンツを取得する場合、前記取得手段は、一方のチューナを制御して、映像を表示させる前記コンテンツを取得し、他方のチューナを制御して、一部の映像を前記保存手段に保存させる前記コンテンツを取得する
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項4】
放送波またはネットワークを介して複数のコンテンツを取得し、
取得された複数のコンテンツのうち、選択されたコンテンツの映像を表示させ、
取得された複数のコンテンツのうちの、映像が表示されているコンテンツ以外のそれぞれのコンテンツの一部の映像を復号して保存し、
表示する映像を所定のコンテンツの映像に切り換えることが指示されたとき、所定のコンテンツの復号を開始し、復号して得られた映像を表示させることができるようになるまでの間、前記保存手段により保存されている前記所定のコンテンツの一部の映像を表示させる
ステップを含む表示制御方法。
【請求項5】
放送波またはネットワークを介して複数のコンテンツを取得し、
取得された複数のコンテンツのうち、選択されたコンテンツの映像を表示させ、
取得された複数のコンテンツのうちの、映像が表示されているコンテンツ以外のそれぞれのコンテンツの一部の映像を復号して保存し、
表示する映像を所定のコンテンツの映像に切り換えることが指示されたとき、所定のコンテンツの復号を開始し、復号して得られた映像を表示させることができるようになるまでの間、前記保存手段により保存されている前記所定のコンテンツの一部の映像を表示させる
ステップを含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置および方法、並びにプログラムに関し、特に、チャンネル切り替え時のブランキングの発生を、より確実に防ぐことができるようにした表示制御装置および方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ディジタル放送の番組の映像を表示している最中にチャンネルの切り替えがユーザにより指示された場合、新たに映像を表示しようとする番組の復号はユーザがチャンネルの切り替え操作を行ってから開始されるため、ある程度の映像の復号が終了するまでの暫くの間、ブランキング(何も表示されていない黒い画面)が表示されるようになされている。
【0003】
従って、ユーザとしては、自分が行った操作が即座に反映され、切り替え後の番組の内容を即座に見たいのにも関わらず、それが可能となるまでに暫く待たされてしまうのでストレスを感じてしまうことがあった。
【0004】
そこで、そのようなことを解消するために、4つ以上のディジタルチューナを使って、「ユーザが見ている番組」の復号処理と並行して、「チャンネル番号順で、ユーザが見ている番組のチャンネルの前後のチャンネルの番組」、「予測に基づいて選択される、ユーザが次に切り替える可能性が高い番組」の復号処理をもあらかじめ行っておき、チャンネルの切り替えが指示されたときに、あらかじめ行っていた復号処理の結果を用いて画面表示を行うことにより、チャンネルを切り替えた時に、即座に、切り替え後の番組の内容をユーザが見ることができるようにした技術が提案されている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2001−94892号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されている技術は、「ユーザが見ている番組」、「ユーザが見ている番組のチャンネルの前のチャンネルの番組」、「ユーザが見ている番組のチャンネルの後のチャンネルの番組」、「ユーザが次に切り替える可能性が高い番組」の4つの番組を受信するために少なくとも4つのチューナがないと実現できない。
【0006】
また、放送中の番組の数がチューナの数以上あり、予測が外れたりしたことから、復号処理をあらかじめ行っていない番組のチャンネルに切り換えることが指示された場合、やはり、ブランキングが発生してしまうことになる。
【0007】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、チャンネル切り替え時のブランキングの発生を、より確実に防ぐことができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面の表示制御装置は、放送波またはネットワークを介して複数のコンテンツを取得する取得手段と、前記取得手段により取得された複数のコンテンツのうち、選択されたコンテンツの映像を表示させる表示制御手段と、前記取得手段により取得された複数のコンテンツのうちの、前記表示制御手段により映像が表示されているコンテンツ以外のそれぞれのコンテンツの一部の映像を復号し、保存する保存手段とを備え、前記表示制御手段は、表示する映像を所定のコンテンツの映像に切り換えることが指示されたとき、前記所定のコンテンツの復号を開始し、復号して得られた映像を表示させることができるようになるまでの間、前記保存手段により保存されている前記所定のコンテンツの一部の映像を表示させる。
【0009】
前記保存手段には、起動した後、前記コンテンツの優先順位に基づいて、前記表示制御手段により映像が表示されているコンテンツ以外のそれぞれのコンテンツの一部の映像を保存することを開始させる。
【0010】
2つのチューナを制御してコンテンツを取得する場合、前記取得手段には、一方のチューナを制御して、映像を表示させる前記コンテンツを取得させ、他方のチューナを制御して、一部の映像を前記保存手段に保存させる前記コンテンツを取得させる。
【0011】
本発明の一側面の表示制御方法またはプログラムは、放送波またはネットワークを介して複数のコンテンツを取得し、取得された複数のコンテンツのうち、選択されたコンテンツの映像を表示させ、取得された複数のコンテンツのうちの、映像が表示されているコンテンツ以外のそれぞれのコンテンツの一部の映像を復号して保存し、表示する映像を所定のコンテンツの映像に切り換えることが指示されたとき、所定のコンテンツの復号を開始し、復号して得られた映像を表示させることができるようになるまでの間、前記保存手段により保存されている前記所定のコンテンツの一部の映像を表示させるステップを含む。
【0012】
本発明の一側面においては、放送波またはネットワークを介して複数のコンテンツが取得され、取得された複数のコンテンツのうち、選択されたコンテンツの映像が表示され、
取得された複数のコンテンツのうちの、映像が表示されているコンテンツ以外のそれぞれのコンテンツの一部の映像が復号されて保存され、表示する映像を所定のコンテンツの映像に切り換えることが指示されたとき、所定のコンテンツの復号が開始され、復号して得られた映像を表示させることができるようになるまでの間、所定のコンテンツの一部の映像が表示される。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一側面によれば、チャンネル切り替え時のブランキングの発生を、より確実に防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、明細書又は図面に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、明細書又は図面に記載されていることを確認するためのものである。従って、明細書又は図面中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が発明に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外には対応しないものであることを意味するものでもない。
【0015】
本発明の一側面の表示制御装置(例えば、図1のテレビジョン受像機1)は、放送波またはネットワークを介して複数のコンテンツを取得する取得手段(例えば、図1のディジタルチューナ12,14)と、前記取得手段により取得された複数のコンテンツのうち、選択されたコンテンツの映像を表示させる表示制御手段(例えば、表示パネル22)と、前記取得手段により取得された複数のコンテンツのうちの、前記表示制御手段により映像が表示されているコンテンツ以外のそれぞれのコンテンツの一部の映像を復号し、保存する保存手段(例えば、映像信号処理回路19のメモリ19A)とを備え、前記表示制御手段は、表示する映像を所定のコンテンツの映像に切り換えることが指示されたとき、前記所定のコンテンツの復号を開始し、復号して得られた映像を表示させることができるようになるまでの間、前記保存手段により保存されている前記所定のコンテンツの一部の映像を表示させる。
【0016】
2つのチューナを制御してコンテンツを取得する場合、前記取得手段には、一方のチューナ(例えば、図1のディジタルチューナ12)を制御して、映像を表示させる前記コンテンツを取得させ、他方のチューナ(例えば、図1のディジタルチューナ14)を制御して、一部の映像を前記保存手段に保存させる前記コンテンツを取得させる。
【0017】
本発明の一側面の情報処理方法またはプログラムは、放送波またはネットワークを介して複数のコンテンツを取得し、取得された複数のコンテンツのうち、選択されたコンテンツの映像を表示させ(例えば、図4のステップS8)、取得された複数のコンテンツのうちの、映像が表示されているコンテンツ以外のそれぞれのコンテンツの一部の映像を復号して保存し、表示する映像を所定のコンテンツの映像に切り換えることが指示されたとき、所定のコンテンツの復号を開始し(例えば、図4のステップS5)、復号して得られた映像を表示させることができるようになるまでの間、前記保存手段により保存されている前記所定のコンテンツの一部の映像を表示させるステップ(例えば、図4のステップS3)を含む。
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
【0019】
図1は、本発明を適用したテレビジョン受像機1のハードウエア構成例を示すブロック図である。
【0020】
図1に示されるように、テレビジョン受像機1にはディジタルチューナ12と14の2つのチューナが設けられている。テレビジョン受像機1においては、ユーザにより選択され、視聴が行われている1つの番組の他に、それと同時に、1つの裏番組を受信することができるようになされている。
【0021】
アンテナ入力端子11は、ディジタル放送(地上ディジタル放送、BS/CSディジタル放送)受信用のアンテナからの信号を入力する。ディジタルチューナ12は、アンテナ入力端子11に入力されたディジタルアンテナからの放送波信号を受信、復調し、得られたトランスポートストリームをMPEG(Moving Picture Experts Group)デコーダ13に出力する。ディジタルチューナ12は、取得したMPEG-TSをMPEGデコーダ13に出力する。
【0022】
MPEGデコーダ13は、ディジタルチューナ12から供給されたMPEG-TSに施されているスクランブルを解除し、再生対象になっている番組のデータを含むストリームを抽出する。MPEGデコーダ13は、抽出したストリームを構成する音声パケットをデコードし、得られた音声データを音声信号処理回路16に出力するとともに、ストリームを構成する映像パケットをデコードし、得られた映像データを映像信号処理回路19に出力する。
【0023】
ディジタルチューナ14も同様に、アンテナ入力端子11に入力された放送波信号を受信、復調し、得られたトランスポートストリームをMPEGデコーダ15に出力する。MPEGデコーダ15は、ディジタルチューナ14から供給されたトランスポートストリームを構成する音声パケットをデコードし、得られた音声データを音声信号処理回路16に出力するとともに、ストリームを構成する映像パケットをデコードし、得られた映像データを映像信号処理回路19に出力する。
【0024】
音声信号処理回路16は、MPEGデコーダ13から供給された音声データに対して、あるいは、MPEGデコーダ15から供給された音声データに対してノイズ除去などの所定の処理を施し、得られた音声データを音声増幅回路17に出力する。音声増幅回路17は、音声信号処理回路16から供給された音声データに対してD/A変換処理、増幅処理を施し、所定の音量に調整した後、番組の音声をスピーカ18から出力させる。
【0025】
映像信号処理回路19は、MPEGデコーダ13から供給された映像データに対して、あるいはMPEGデコーダ15から供給された映像データに対してノイズ除去などの所定の処理を施し、得られた映像データをディスプレイ回路20に出力する。映像信号処理回路19には、メモリ19Aが設けられており、MPEGデコーダ15から供給された映像データがそこに保存される(その詳細は後述する)。
【0026】
ディスプレイ回路20は、表示パネル22に表示させる番組の映像データを生成し、生成した映像データをパネル駆動回路21に出力する。パネル駆動回路21は、ディスプレイ回路20から供給されたデータに基づいて表示パネル22を駆動し、番組の映像などを表示パネル22に表示させる。表示パネル22はLCD(Liquid Crystal Display)などよりなり、パネル駆動回路21による制御にしたがって番組の映像などを表示させる。
【0027】
後に詳述するように、表示パネル22には、ユーザにより選択された番組の映像が表示されるとともに、チャンネルの切り替えが指示されたとき、切り替え後のチャンネルで放送される番組の映像を表示することができるようになるまでの間、番組を受信していた方のチューナとは別のチューナが用いられることによって得られた、切り替え後の番組の映像の一部が表示される。
【0028】
チャンネルの切り替えが指示されてから番組のデコードなどが開始される場合、ユーザがチャンネルの切り替えを指示してから、切り替え後のチャンネルで放送される番組の映像を表示することができるようになるまでには時間があり、この時間に、番組の視聴に用いられていたチューナとは別のチューナによってあらかじめ取得されていた番組の一部の映像が表示されることになる。
【0029】
内部バス23には、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)24、フラッシュメモリ25、CPU26が接続される。SDRAM24は、CPU26が処理を行う上で必要な各種のデータを記憶する。フラッシュメモリ25は、CPU26により実行されるプログラムを記憶する。フラッシュメモリ25に記憶されているプログラムは、テレビジョン受像機1の起動時などの所定のタイミングでCPU26により読み出される。
【0030】
CPU26は、フラッシュメモリ25に記憶されているプログラムを実行し、受光部27から供給される制御コードなどに応じてテレビジョン受像機1の全体の動作を制御する。CPU26とテレビジョン受像機1の各部は、図示せぬ経路を介して接続されている。受光部27は、リモートコントローラ28からの赤外線を受光し、復調して得られたユーザ操作の内容を表す制御コードをCPU26に出力する。
【0031】
図2は、以上のような構成を有するテレビジョン受像機1において行われる受信チャンネルの切り替えの例を示す図である。
【0032】
図2においては、図1のディジタルチューナ12をチューナ1として、図1のディジタルチューナ14をチューナ2として説明する。また、受信可能なチャンネルがチャンネル1,3,4,6,8の5つのチャンネルであるものとする。
【0033】
図2の例においては、チューナ1が、視聴する番組を受信するためのチューナとして割り当てられ、チューナ2が、チャンネルを切り換えることが指示されたときに表示させる映像の一部を受信するためのチューナとして割り当てられている。
【0034】
すなわち、ユーザがチャンネル1で放送されている番組を視聴することを指示したとき、図2に示されるように、CPU26による制御に従って、チューナ1によりチャンネル1の受信が開始される。チューナ1によりチャンネル1が受信されることによって得られた番組のデータはMPEGデコーダ13により復号され、復号して得られた番組の映像が、映像信号処理回路19、ディスプレイ回路20、パネル駆動回路21を介して表示パネル22に表示される。
【0035】
また、チューナ1によりチャンネル1の受信が開始され、チャンネル1で放送される番組の視聴が開始されたとき、視聴する番組を受信するためのチューナとは異なるチューナであるチューナ2により、例えば、チャンネル3の受信が所定の期間だけ行われる。
【0036】
チャンネル3を所定の期間だけ受信することによって得られた、チャンネル3で放送されている番組の映像データはMPEGデコーダ15により復号され、復号して得られた映像が、例えば、映像信号処理回路19内に設けられているメモリ19Aのメモリ空間Aに保存される。メモリ空間Aには、チャンネル3で放送されている番組の1フレームの映像をキャプチャした静止画、あるいは、チャンネル3で放送されている番組の所定の数のフレームからなる短い動画が、視聴する番組のチャンネルをチャンネル1からチャンネル3に切り換えることが指示されたときに表示させる映像の一部として保存される。
【0037】
図3は、映像信号処理回路19のメモリ19Aに形成されるメモリ空間の例を示す図である。
【0038】
図3に示されるように、メモリ19Aには、メモリ空間A,B,C,D,・・・などのように、少なくとも、チューナ2により対象を切り換えることによって受信されるチャンネルの数と同じ数だけのメモリ空間が形成される。
【0039】
図3のメモリ空間Aは、チューナ2によりチャンネル3が所定の期間だけ受信されることによって得られた番組の静止画、または短い動画が記憶される空間であり、メモリ空間Bは、チューナ2により、チャンネル3に続けてチャンネル4の番組が所定の期間だけ受信されることによって得られた静止画、または短い動画が記憶される空間である。
【0040】
メモリ空間Cは、チューナ2により、チャンネル4に続けてチャンネル6が所定の期間だけ受信されることによって得られた番組の静止画、または短い動画が記憶される空間であり、メモリ空間Dは、チューナ2により、チャンネル6に続けてチャンネル8の番組が所定の期間だけ受信されることによって得られた静止画、または短い動画が記憶される空間である。
【0041】
図2の説明に戻り、チャンネル3で放送されている番組の1フレームの映像をキャプチャした静止画、あるいは、チャンネル3で放送されている番組の所定の数のフレームからなる短い動画が保存されたとき、チューナ2においては、次に、チャンネル4の受信が所定の期間だけ行われる。なお、この間も、チューナ1においてはユーザが視聴している番組を放送するチャンネルの受信が続けられており、チューナ2において受信されるチャンネルだけが、順次切り替えられる。
【0042】
チャンネル4を所定の期間だけ受信することによって得られた映像データはMPEGデコーダ15により復号され、復号して得られた番組の映像が、映像信号処理回路19内に設けられているメモリ19Aのメモリ空間Bに保存される。メモリ空間Bには、チャンネル4で放送されている番組の1フレームの映像をキャプチャした静止画、あるいは、チャンネル4で放送されている番組の所定の数のフレームからなる短い動画が、視聴する番組のチャンネルをチャンネル1からチャンネル4に切り換えることが指示されたときに表示させる映像の一部として保存される。
【0043】
同様に、チャンネル4で放送されている番組の1フレームの映像をキャプチャした静止画、あるいは、チャンネル4で放送されている番組の所定の数のフレームからなる短い動画が保存されたとき、チューナ2においては、次に、チャンネル6の受信が所定の期間だけ行われる。
【0044】
チャンネル6を所定の期間だけ受信することによって得られた映像データはMPEGデコーダ15により復号され、復号して得られた番組の映像が、映像信号処理回路19内に設けられているメモリ19Aのメモリ空間Cに保存される。メモリ空間Cには、チャンネル6で放送されている番組の1フレームの映像をキャプチャした静止画、あるいは、チャンネル6で放送されている番組の所定の数のフレームからなる短い動画が、視聴する番組のチャンネルをチャンネル1からチャンネル6に切り換えることが指示されたときに表示させる映像の一部として保存される。
【0045】
チャンネル6で放送されている番組の1フレームの映像をキャプチャした静止画、あるいは、チャンネル6で放送されている番組の所定の数のフレームからなる短い動画が保存されたとき、チューナ2においては、次に、チャンネル8の受信が所定の期間だけ行われる。
【0046】
チャンネル8を所定の期間だけ受信することによって得られた映像データはMPEGデコーダ15により復号され、復号して得られた番組の映像が、映像信号処理回路19内に設けられているメモリ19Aのメモリ空間Dに保存される。メモリ空間Dには、チャンネル8で放送されている番組の1フレームの映像をキャプチャした静止画、あるいは、チャンネル8で放送されている番組の所定の数のフレームからなる短い動画が、視聴する番組のチャンネルをチャンネル1からチャンネル8に切り換えることが指示されたときに表示させる映像の一部として保存される。
【0047】
チャンネル8で放送されている番組の1フレームの映像をキャプチャした静止画、あるいは、チャンネル8で放送されている番組の所定の数のフレームからなる短い動画が保存されたとき、チューナ2においては、次に、チャンネル3の受信が、再度、所定の期間だけ行われる。
【0048】
チャンネル3を所定の期間だけ受信することによって得られた映像データはMPEGデコーダ15により復号され、復号して得られた番組の映像が、映像信号処理回路19内に設けられているメモリ19Aのメモリ空間Aに、それまで保存されていた映像に上書きして保存される。
【0049】
視聴する番組のチャンネルをチャンネル1からチャンネル3に切り換えることが指示されたとき、そのときメモリ空間Aに保存されている映像が一時的に表示されるため、このように、新たに取得された映像が上書きして記憶されるようにすることによって、ユーザがチャンネルの切り替えを指示したときに、より近いタイミングで取得された番組の一部を表示させることが可能になる。
【0050】
例えば、以上のようにしてチューナ1とチューナ2によりそれぞれのチャンネルの受信が行われていた状態で時刻t1において、チャンネル3に切り換えることが指示されたとき(視聴する番組を、チャンネル1で放送されるものからチャンネル3で放送されるものに切り替えることが指示されたとき)、チューナ1によるチャンネル1の受信は中止され、チューナ1においては、切り換え先となるチャンネル3の受信が開始される。また、このとき、メモリ19Aのメモリ空間Aに保存されていた静止画、または短い動画が映像信号処理回路19により読み出され、ディスプレイ回路20、パネル駆動回路21を介して表示パネル22に表示される。
【0051】
メモリ空間Aに保存されていた静止画、または短い動画の表示は、チューナ1によりチャンネル3が受信されることによって得られた番組の映像データがMPEGデコーダ13により復号され、復号して得られた番組の映像が、映像信号処理回路19、ディスプレイ回路20、パネル駆動回路21を介して表示パネル22に表示されるまで続けられる。チャンネル3の番組の映像を表示することができるようになったとき、メモリ空間Aに保存されていた静止画、または短い動画の表示は中止され、チャンネル3の番組の映像が表示される。
【0052】
これにより、ユーザは、チャンネル3の受信がチューナ1により開始され、チャンネル3で放送中の番組の映像が表示されるまでの間、チューナ2によりあらかじめ取得されていた、チャンネル3で放送されている番組の静止画、または短い動画を見ることができ、その内容を即座に確認することができる。
【0053】
時刻t1において他のチャンネルに切り換えることが指示された場合も同様に、チューナ1により受信された、切り替え後のチャンネルの番組の映像を表示することができるようになるまでの間、チャンネル4に切り換えることが指示されたときにはメモリ19Aのメモリ空間Bに保存されていた静止画、または短い動画が表示パネル22に表示され、チャンネル6に切り換えることが指示されたときにはメモリ19Aのメモリ空間Cに保存されていた静止画、または短い動画が表示パネル22に表示される。また、チャンネル8に切り換えることが指示されたときにはメモリ19Aのメモリ空間Dに保存されていた静止画、または短い動画が表示パネル22に表示される。
【0054】
次に、図4のフローチャートを参照して、以上のようにして表示パネル22の表示を制御するテレビジョン受像機1の一連の処理について説明する。
【0055】
この処理は、例えば、あるチャンネルの受信が指示され、そのチャンネルで放送されている番組の視聴がユーザにより行われているときに開始される。ユーザにより指示されたチャンネルはチューナ1(ディジタルチューナ12)により受信され、番組の映像が表示パネル22に表示される。チューナ2においては、チューナ1により受信されているチャンネル以外のチャンネルの受信が繰り返し行われ、番組の一部である静止画、または短い動画が映像信号処理回路19のメモリ19Aに保存される。
【0056】
ステップS1において、CPU26は、受光部27から供給される制御コマンドに基づいて、リモートコントローラ28に設けられる選局ボタンが押下され、他のチャンネルに切り換えることが指示されたか否かを判定する。
【0057】
CPU26は、ステップS1において、他のチャンネルに切り換えることが指示されたと判定するまで待機し、他のチャンネルに切り換えることが指示されたと判定した場合、ステップS2に進む。
【0058】
ステップS2において、CPU26は、ユーザにより選局することが指示された選局先のチャンネルで放送されている番組の内容(静止画、短い動画)がメモリ19Aに保存されているか否かを判定する。
【0059】
CPU26は、ステップS2において、選局先のチャンネルで放送されている番組の内容がメモリ19Aに保存されていると判定した場合、ステップS3に進み、映像信号処理回路19、ディスプレイ回路20、パネル駆動回路21を制御することによって、メモリ19Aに保存されている静止画、または短い動画を表示パネル22に表示させる。
【0060】
一方、CPU26は、ステップS2において、選局先のチャンネルで放送されている番組の内容がメモリ19Aに保存されていないと判定した場合、ステップS4に進み、映像信号処理回路19、ディスプレイ回路20、パネル駆動回路21を制御することによって、あらかじめ用意しておいた静止画、または短い動画を表示パネル22に表示させる。ここで表示される静止画、または短い動画は、例えば、テレビジョン受像機1を電源オフにする直前に選局されていたチャンネルで放送されている番組の内容や、あるいは、「しばらくお待ちください」といったメッセージとともにデコード中であることをイメージするような画像などであり、特に限定されるものではない。
【0061】
ステップS3、またはステップS4において静止画、または動画が表示されたとき、ステップS5に進み、CPU26は、チューナ1を制御して、ユーザにより選局することが指示された選局先のチャンネルの受信を開始させ、MPEGデコーダ13に、映像データの復号を開始させる。
【0062】
ステップS6において、CPU26は、表示に用いることができる分の、選局先のチャンネルで放送される番組の映像データの復号が完了したか否かを判定し、完了したと判定するまで待機する。
【0063】
CPU26は、ステップS6において、表示に用いることができる分の選局先のチャンネルで放送される番組の映像データの復号が完了したと判定した場合、ステップS7に進み、それまで表示パネル22に表示させていた静止画、または動画の表示を消し、ステップS8に進み、映像信号処理回路19、ディスプレイ回路20、パネル駆動回路21を制御することによって、チューナ1により新たに受信が開始された選局先の番組の映像を表示パネル22に表示させる。
【0064】
その後、処理はステップS1に戻り、チャンネルを切り換えることが指示される毎に、以上の処理が繰り返される。
【0065】
以上の処理が行われることにより、チャンネル切り替え時のブランキングの発生を防ぐことができ、ユーザは、切り替え先のチャンネルで放送されている番組の内容を、ストレスを感じることなく確認することができる。
【0066】
すなわち、メモリ19Aの各メモリ空間に保存されている静止画や短い動画は各番組の最新の画面を表すものではないが、表示される静止画や短い動画から、その番組が“スポーツ”なのか“ニュース”なのかといった情報を読み取ることができ、視聴しようとする番組をストレスなく探すことができる。
【0067】
また、チューナ1により受信されているチャンネル以外のチャンネルを短い時間間隔で切り替えてチューナ2に受信させ、メモリ19Aに保存させておく静止画や短い動画を頻繁に更新することができる場合には、選局先のチャンネルで放送される内容が“CM中”なのか、あるいは“本編中“なのかといったこともユーザは確認することができる。
【0068】
以上においては、あるチャンネルがチューナ1により受信され、そのチャンネルで放送されている番組の視聴がユーザにより行われている場合について説明したが、テレビジョン受像機1の電源が投入され、起動した直後には、例えば、電源オフにする直前に受信されていたものと同じチャンネルがチューナ1により受信され、チューナ1により受信されているチャンネル以外のチャンネルがチャンネル番号の若い順にチューナ2により順次受信される。また例えば、ユーザによりお気に入りのチャンネルがあらかじめ設定されている場合、チューナ2によるチャンネルの受信は、ユーザにより選択されているチャンネルから優先的に行われるようにしてもよい。
【0069】
電源が投入されてから、全てのメモリ空間(メモリ空間A乃至D)が埋まるまでには、暫く時間がかかるのでメモリ空間が埋まる前にチャンネル切り替えが行われた場合には、あらかじめ用意しておいた静止画または短い動画を表示させ、一旦メモリ空間が全部埋まってしまえば、チャンネル切り替えが行われても、切り替え後のチャンネルで放送される番組の1フレームの映像をキャプチャした静止画あるいは所定の数のフレームからなる短い動画を表示させることができ、チャンネル切り替えによるブランキングは発生しなくなる。
【0070】
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行させることもできるし、ソフトウエアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行させる場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、プログラム記録媒体からインストールされる。
【0071】
図5は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するパーソナルコンピュータの構成の例を示すブロック図である。
【0072】
CPU101は、ROM102、または記憶部108に記憶されているプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM103には、CPU101が実行するプログラムやデータなどが適宜記憶される。これらのCPU101、ROM102、およびRAM103は、バス104により相互に接続されている。
【0073】
CPU101にはまた、バス104を介して入出力インターフェース105が接続されている。入出力インターフェース105には、キーボード、マウス、マイクロホンなどよりなる入力部106、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部107が接続されている。CPU101は、入力部106から入力される指令に対応して各種の処理を実行する。そして、CPU101は、処理の結果を出力部107に出力する。
【0074】
入出力インターフェース105に接続されている記憶部108は、例えばハードディスクからなり、CPU101が実行するプログラムや各種のデータを記憶する。通信部109は、インターネットやローカルエリアネットワークなどのネットワークを介して外部の装置と通信する。
【0075】
入出力インターフェース105に接続されているドライブ110は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア111が装着されたとき、それらを駆動し、そこに記録されているプログラムやデータなどを取得する。取得されたプログラムやデータは、必要に応じて記憶部108に転送され、記憶される。
【0076】
コンピュータにインストールされ、コンピュータによって実行可能な状態とされるプログラムを格納するプログラム記録媒体は、図5に示すように、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリなどよりなるパッケージメディアであるリムーバブルメディア111、または、プログラムが一時的もしくは永続的に格納されるROM102や、記憶部108を構成するハードディスクなどにより構成される。プログラム記録媒体へのプログラムの格納は、必要に応じてルータ、モデムなどのインタフェースである通信部109を介して、ローカルエリアネットワーク、インターネット、ディジタル衛星放送といった、有線または無線の通信媒体を利用して行われる。
【0077】
なお、本明細書において、プログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明を適用したテレビジョン受像機のハードウエア構成例を示すブロック図である。
【図2】受信チャンネルの切り替えの例を示す図である。
【図3】メモリ空間の例を示す図である。
【図4】テレビジョン受像機の表示制御処理について説明するフローチャートである。
【図5】パーソナルコンピュータの構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0079】
1 テレビジョン受像機, 12,14 ディジタルチューナ, 13,15 MPEGデコーダ, 19 映像信号処理回路, 22 表示パネル
【出願人】 【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニー株式会社
【出願日】 平成18年6月29日(2006.6.29)
【代理人】 【識別番号】100082131
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 義雄


【公開番号】 特開2008−11234(P2008−11234A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−180101(P2006−180101)