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【発明の名称】 画像処理装置、画像送受信システムおよび画像処理方法
【発明者】 【氏名】斉藤 幸二

【氏名】大沼 恵介

【氏名】渡部 敦夫

【要約】 【課題】画像の一部を拡大する場合に、画像処理を簡易にする。

【構成】画像データを符号化する場合、画像中の拡大する領域を示す拡大領域情報がヘッダに格納される。拡大領域情報により示される画像領域は、符号化領域の1つに設定される。画像データは、符号化領域毎に符号化され、ヘッダとともに出力される。符号化された画像データを復号化する場合、複数の符号化領域のいずれかを示す拡大領域情報がヘッダに含まれることが検出されると、拡大領域情報により示される符号化領域に対応する部分画像データが復号化される。そして、復号した部分画像データは、表示装置に表示するために所定の倍率に拡大される。したがって、画像の一部を拡大する場合に、画像処理を簡易にできる。画像データを処理するコントローラの負荷を上げることなく、拡大画像および拡大する前の画像を選択的に表示できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を複数の符号化領域に分け、前記符号化領域毎に画像データを符号化する画像処理装置であって、
画像中の拡大する領域を示す拡大領域情報をヘッダに格納する格納部と、
前記拡大領域情報により示される画像領域を前記符号化領域の1つに設定して画像データを符号化し、符号化した画像データをヘッダとともに出力する画像符号化部とを備えていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
符号化された画像データを表示装置に表示するために復号化する画像処理装置であって、
複数の符号化領域のいずれかを示す拡大領域情報がヘッダに含まれることを検出するヘッダ解析部と、
拡大領域情報が前記ヘッダに含まれる場合に、拡大領域情報が示す符号化領域に対応する部分画像データを復号する画像復号化部と、
復号した部分画像データを表示装置に表示するために所定の倍率に拡大する拡大部とを備えていることを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
画像を複数の符号化領域に分け、前記符号化領域毎に画像データを符号化する画像符号化装置と、符号化された画像データを表示装置に表示するために復号化する画像復号化装置とを備えた画像送受信システムであって、
前記画像符号化装置は、
画像中の拡大する領域を示す拡大領域情報をヘッダに格納する格納部と、
前記拡大領域情報により示される画像領域を前記符号化領域の1つに設定して画像データを符号化し、符号化した画像データをヘッダとともに出力する画像符号化部とを備え、
前記画像復号化装置は、
複数の符号化領域のいずれかを示す拡大領域情報がヘッダに含まれることを検出するヘッダ解析部と、
拡大領域情報が前記ヘッダに含まれる場合に、拡大領域情報が示す符号化領域に対応する部分画像データを復号する画像復号化部と、
復号した部分画像データを表示装置に表示するために所定の倍率に拡大する拡大部とを備えていることを特徴とする画像送受信システム。
【請求項4】
画像を複数の符号化領域に分け、前記符号化領域毎に画像データを符号化する画像処理方法であって、
画像中の拡大する領域を示す拡大領域情報をヘッダに格納し、
前記拡大領域情報により示される画像領域を前記符号化領域の1つに設定して画像データを符号化し、符号化した画像データをヘッダとともに出力することを特徴とする画像処理方法。
【請求項5】
符号化された画像データを表示装置に表示するために復号化する画像処理方法であって、
複数の符号化領域のいずれかを示す拡大領域情報がヘッダに含まれる場合に、拡大領域情報が示す符号化領域に対応する部分画像データを復号し、
復号した部分画像データを表示装置に表示するために所定の倍率に拡大することを特徴とする画像処理方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、動画像を撮影し、撮影した動画像を拡大して表示するための画像処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオカメラ等において、ズーム機能を用いて被写体を撮影する場合、ズームにより拡大された画像のみがメモリ等に記録され、モニタに表示される。モニタに表示されない画像はメモリに記録されない(例えば、特許文献1、2参照)。このため、ズーム機能を用いて被写体を撮影する場合、全体の画像は表示できない。この不具合を解消するために、ズームされていないオリジナルの画像と、ズームされる画像領域を示すズーム情報をメモリ等に記録する手法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。また、一般に、画像データは、データ量が大きいため、符号化された後メモリに記録される。メモリから読み出される画像データは、復号化された後、表示される。
【特許文献1】特開平8−294120号公報
【特許文献2】特開2005−192097号公報
【特許文献3】特開2004−248171号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した手法では、メモリから読み出した画像データを復号化した後、復号化された画像データからズーム情報に応じて部分画像データを切り出し、切り出した部分画像データを拡大する必要がある。部分画像データを切り出す処理が余分に必要なため、画像データを処理するCPU等のコントローラの負荷は大きくなる。特に、被写体を撮影しながらモニタ等にその映像を表示する場合、コントローラは、撮影の制御の他にリアルタイムで拡大画像を表示する必要がある。このため、負荷の増加は、好ましくない。上記手法によりコントローラの処理能力が足りなくなる場合、より高性能のコントローラを使用する必要があり、システムのコストは上昇する。
【0004】
本発明の目的は、画像の一部を拡大する場合に、画像処理を簡易にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
画像データを符号化する場合、画像中の拡大する領域を示す拡大領域情報がヘッダに格納される。拡大領域情報により示される画像領域は、符号化領域の1つに設定される。そして、画像データは符号化領域毎に符号化され、符号化された画像データはヘッダとともに出力される。符号化された画像データを復号化する場合、複数の符号化領域のいずれかを示す拡大領域情報がヘッダに含まれることが検出されると、拡大領域情報により示される符号化領域に対応する部分画像データが復号化される。そして、復号した部分画像データは、表示装置に表示するために所定の倍率に拡大される。
【発明の効果】
【0006】
拡大する領域を符号化領域に一致させることにより、拡大する画像の座標を特別の領域に格納し、復号化処理側に渡す必要がなくなる。すなわち、画像を拡大処理するための特別な画像の切り出し処理等を不要にできる。したがって、画像を拡大する場合に、画像処理を簡易にできる。画像データを処理するコントローラの負荷を上げることなく、拡大画像および拡大する前の画像を選択的に表示できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
【0008】
図1は、本発明の第1の実施形態を示している。この実施形態では、発明は、デジタルビデオカメラVCAMに適用される。デジタルビデオカメラVCAMは、CCD等の撮像素子を有する撮像部10、操作部12、メモリ14、撮影された動画像が表示されるLCD等を有する表示部16、CPUおよびビデオCODEC等を有している。操作部12は、ユーザにより操作されるスイッチを有している。スイッチは、撮影条件の設定や、ズーム量の調整(拡大率の指定)、ズーム位置(拡大表示領域)を指定するために使用される。メモリ14は、例えば、符号化された画像データ(ストリームデータ)等を記憶するバッファ領域、CPUが実行するプログラムが格納されるプログラム領域等を有している。
【0009】
CPUは、ズーム制御部18、ヘッダ解析部20および拡大部22を有している。ズーム制御部18、ヘッダ解析部20および拡大部22は、CPUが実行するプログラムにより実現される。CODECは、ヘッダ符号化部24(格納部)、画像符号化部26、ヘッダ復号化部28および画像復号化部30を有している。例えば、CODECは、システムLSIにCPUとともに搭載されるマクロとして形成されている。CODECは、1チップで構成されてもよく、ソフトウエアとして構成されてもよい。この実施形態では、画像データは、例えば、H.264規格を用いて符号化され、復号化される。H.264規格は、スライス(ビデオパケット)を、規則正しい順序(ラスタスキャン)に並べるだけでなく、任意の順序(ASO:Arbitrary Slice Order)に並べることができる。また、H.264規格は、他の動画像符号化規格に比べて高い圧縮率を有する。
【0010】
ズーム制御部18は、操作部12の操作により設定される拡大表示領域(拡大領域情報)と拡大率とを示す拡大情報をヘッダ符号化部24に出力する。ヘッダ符号化部24は、図4で説明するように、拡大表示領域を複数のスライス(符号化領域)の1つに設定する。また、ヘッダ符号化部24は、拡大表示領域に対応するスライス番号および拡大率をヘッダに格納し、ヘッダを符号化する。画像符号化部26は、設定されたスライスにしたがって、スライス毎に画像データを符号化する。画像符号化部26は、符号化されたヘッダおよび画像データをストリームデータとしてメモリ14に出力する。このように、ヘッダ符号化部24および画像符号化部26は、拡大情報をヘッダに格納し、拡大領域をスライスの1つに設定し、各スライスを符号化する画像符号化装置(画像処理装置)として機能する。
【0011】
ヘッダ復号化部28は、メモリ14から受信したストリームデータに含まれるヘッダを復号化し、復号化したヘッダを符号化されている画像データとともに画像復号化部30に出力する。この際、CPUのヘッダ解析部20は、ヘッダ復号化部28により復号化されたヘッダの内容を解析し、解析結果に応じて画像復号化部30の動作を制御する。
【0012】
画像復号化部30は、ヘッダ解析部20の指示を受け、ヘッダ復号化部28から供給されるヘッダの情報に基づいて画像データを復号化する。例えば、画像復号化部30は、ヘッダにスライス番号が格納されているとき、スライス番号によって示されるスライスのみを部分画像データとして復号化する。画像復号化部30は、復号化した画像データを表示部16に出力する。拡大部22は、ヘッダにスライス番号および拡大率が格納されているときのみ機能し、画像復号化部30により復号化された画像データを、拡大率により示される所定の倍率に拡大処理する。このように、ヘッダ解析部20、画像復号化部30および拡大部22は、ヘッダに含まれる拡大情報に基づいて画像データを復号し、拡大画像を生成する画像復号化装置(画像処理装置)として機能する。また、ヘッダ符号化部24および画像符号化部26と、ヘッダ解析部20、画像復号化部30および拡大部22とにより、画像送受信システムが構成されている。
【0013】
図示していないが、画像復号化部30と表示部16との間には、表示部16に表示する画像データを一時的に保持するためのラインメモリ等が配置される。拡大部22は、画像復号化部30からラインメモリに転送される前の画像データを拡大処理する。なお、上述した各機能ブロックは、撮影している画像を表示部16に表示するとき、および撮影後にメモリ14に記録されている画像データを表示部16に表示するときに動作する。
【0014】
図2は、画像符号化部26により生成されるストリームデータを構成するアクセスユニットの構造を示している。アクセスユニットは、AUデリミタ(Access Unit Delimiter)、SPS(Sequence Parameter Set)、PPS(Picture Parameter Set)、SEI(Supplemental Enhancement Information)、n個のスライス、EOS(End of Sequence)およびEOS(End of Stream)により構成されている。ヘッダは、AUデリミタ、SPS、PPSおよびSEIにより構成される。
【0015】
AUデリミタは、アクセスユニットの先頭を示す開始符号である。SPSは、シーケンスに関する情報を格納する領域である。PPSは、画像(ピクチャ)全体の符号化モードの情報を格納する領域である。SEIは、符号化処理、複合化処理に直接関係ない付加情報を格納する領域である。SEIは、初期時刻情報、時刻情報、ユーザデータ領域(User Data Unregistered SEI)および拡張領域等を有している。ユーザデータ領域は、ユーザ(ビデオカメラVCAMの設計者)により使い方を独自に定義できる領域である。本発明では、スライス番号および拡大率は、ユーザデータ領域に格納される。
【0016】
図3は、スライスの設定の一例を示している。この実施形態では、スライス仕様として、H.264規格で指定可能な複数のスライスタイプのうち、”タイプ2”が採用されている。”タイプ2”では、人物などの主要な被写体を囲む矩形の領域を最前面(Foreground)のスライスとし、残りの領域を背景(Leftover)のスライスに設定可能である。各スライスは、例えば、16画素×16画素から成るマクロブロックを組み合わせて構成される。
【0017】
ピクチャPCTは、符号化される画像であり、この例では動画像の1フレームの画像である。太い破線で示した領域は、操作部12により設定された拡大表示する領域であり、拡大表示領域として指定される。具体的には、太い破線で示した領域(拡大表示領域)は、”Foreground”のスライスSL2に設定される。ピクチャPCTは、例えば、拡大表示領域SL2を含む3つのスライスSL1−SL3により構成される。スライスSL1、SL3は、”Leftover”のスライスである。スライスSL1−SL3は、重複部分を有してもよく、互いに重複することなく設定されてもよい。
【0018】
図4は、図1に示したCPUおよびCODECによる画像データの符号化の手順を示している。ステップS102、S112は、CODECにより実施され、他の処理は、CPUにより実施される。図4のフローは、画像データを符号化する画像符号化方法を示している。図4のフローにより、1つのピクチャPCTの画像データ(1フレームの画像データ)が符号化される。
【0019】
まず、ステップS100において、ズーム制御部18は、操作部12の状態をモニタし、拡大処理が有るか否かを検出する。拡大処理がない場合、ステップS102において、通常の符号化処理が実施される。すなわち、ピクチャPCTは、例えば、ラスタスキャン順序にしたがって複数のスライスに分けられ、スライス毎に符号化が実施され、ストリームデータが生成される。ヘッダのユーザデータ領域には、スライス番号および拡大率は格納されない。
【0020】
拡大処理がある場合、ステップS104において、画像サイズ、拡大率を自動的に設定
して拡大処理するか否かが判定される。デジタルビデオカメラVCAMのモード設定や、クイック拡大ボタン等により自動拡大が選択された場合、ステップS106において、拡大する画像の大きさを示す画像サイズと拡大率が、CPUのレジスタ等から読み出される。この場合、ズーム制御部18は、例えば、拡大処理するためのスライス(拡大表示領域)の中心を、撮影されている画像の中心に合わせ、スライスのサイズ(拡大表示領域)をレジスタから読み出した画像サイズに設定する。そして、ズーム制御部18は、任意スライス順序(ASO)によるスライスの符号化処理をヘッダ符号化部24に要求する。
【0021】
自動拡大機能が指定されていない場合、ステップS108において、ズーム制御部18は、操作部12の操作により設定される拡大表示領域および拡大率を、拡大情報として設定するためにヘッダ符号化部24に出力し、任意スライス順序(ASO)によるスライスの符号化処理をヘッダ符号化部24に要求する。拡大表示領域は、例えば、ピクチャPCTの横方向の画素数、縦方向の画素数、および表示開始位置によって定義される。次に、ステップS110において、ヘッダ符号化部24は、ズーム制御部18から指示された拡大表示領域を示すスライスの番号および拡大率をヘッダに格納し、ヘッダを符号化する。また、ヘッダ符号化部24は、他のスライスの設定も実施する。そして、ステップS112において、画像符号化部26は、スライス毎に符号化処理を実施し、ストリームデータを生成する。このとき、拡大表示すべき画像領域(拡大表示領域)は、スライスの1つに設定されている。すなわち、拡大する画像は、画像が符号化される前に、スライスとして切り出されている。したがって、図5に示す復号化処理の中で、CPUは、複数のスライスで構成される画像データの中から、SEI領域に格納されたスライス番号に対応するスライスを選択するだけで、本来、復号化処理側で実施すべき切り出し処理を予め実施できる。
【0022】
図5は、図1に示したCPUおよびCODECによる画像データの復号化の手順を示している。ステップS200、S208、S204は、CODECにより実施され、他の処理は、CPUにより実施される。図5のフローは、画像データを符号化する画像復号化方法を示している。図5のフローにより、1つのピクチャPCTの画像データ(1フレームの画像データ)が生成される。
【0023】
まず、ステップS200において、ヘッダ復号化部28は、ストリームデータ中のヘッダを復号化する。次に、ステップS202において、ヘッダ解析部20は、SEI領域のユーザデータ領域に拡大情報(スライス番号および拡大率)が格納されているか否かを判定する。すなわち、画像の拡大表示が被写体の撮影時に指示されたか否かが判定される。拡大表示が指示されていない場合、ヘッダ解析部20は、ラスタスキャン順序にしたがって複数のスライスが符号化されていることを画像復号化部30に伝える。この場合、ステップS204において、画像復号化部30は、各スライスの復号化処理を実施し、1フレーム分の画像データを生成する。
【0024】
拡大表示が撮影時に指示されている場合、ステップS206において、CPUは、画像を拡大して再生するか、画像を拡大せずに再生するかを判定する。この実施形態では、例えば、被写体の撮影後に撮影された画像を表示部16に表示する場合、デジタルビデオカメラVCAMの再生モードの設定に応じて、拡大表示または通常表示(拡大しない)を選択できる。拡大表示が選択されている場合、処理は上述したステップS204に移行する。通常表示が選択されている場合、処理はステップS208に移行する。ステップS206の処理により、被写体の撮影時に拡大表示が指示されているか否かに関わらず、拡大画像および拡大前の全体画像を選択的に表示部16に表示できる。
【0025】
ステップS208では、画像復号化部30は、SEI領域に格納されているスライス番号によって示されるスライスのみを復号化する。この復号化により、拡大される画像は、
自動的に切り出される。換言すれば、CODECの標準の復号化処理の中に画像の切り出し処理が含まれている。このため、CPUは、拡大される画像データを画像の座標等を用いて切り出す必要はない。次に、ステップS210では、拡大部22は、復号化された画像データを、SEI領域に格納されている拡大率にしたがって、画像データの拡大処理を実施する。次に、ステップS212において、CPUは、復号化された画像データを、例えば、ラインメモリを介して表示部16に出力する。そして、拡大された画像または拡大する前の画像が表示部16に表示される。
【0026】
以上、第1の実施形態では、拡大する画像領域を、画像の符号化/復号化の単位であるスライス(符号化領域)に一致させることにより、符号化処理において、拡大する画像の座標を特別の領域に格納し、復号化処理側に渡す必要がなくなる。また、復号化処理において、拡大する画像データを得るための特別の切り出し処理を不要にできる。換言すれば、CPUは、拡大する画像の切り出し処理を実施しなくてよい。この結果、画像の一部を拡大する場合に、画像処理を簡易にできる。また、CPUの負荷を上げることなく、拡大画像および拡大する前の画像を選択的に表示できる。
【0027】
図6は、本発明の第2の実施形態を示している。第1の実施形態で説明した要素と同一の要素については、同一の符号を付し、これ等については、詳細な説明を省略する。この実施形態では、発明は、テレビ会議システム等の画像送受信システムCSYSに適用される。画像送受信システムCSYSは、例えば、ネットワークNETを介して画像を互いに送受信する複数の画像送受信装置により構成される。
【0028】
各画像送受信装置は、第1の実施形態の撮像部10、操作部12、表示部16、CPUおよびビデオCODECを有している。特に図示していないが、各画像送受信装置は、画像データを一時的に保持するメモリや、CPUが実行するプログラムを格納するメモリを有している。この実施形態では、一方の画像送受信装置は、図4に示した処理を実施し、拡大情報を含む画像データを符号化し、符号化により生成されたストリームデータをネットワークNETを介して他方の画像送受信装置に出力する。他方の画像送受信装置は、図5に示した処理を実施して、ストリームデータを復号化し、復号化した画像データを拡大情報に応じて拡大処理し、表示部16に表示する。
【0029】
以上、第2の実施形態においても、上述した第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、この実施形態では、テレビ会議システム等の画像送受信システムCSYSにおいても、画像を拡大処理するための画像データの切り出し処理を不要にできる。この結果、CPUの負荷を上げることなく、拡大画像および拡大する前の画像を選択的に表示できる。
【0030】
なお、上述した第1実施形態では、本発明を、デジタルビデオカメラに適用する例について述べた。本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明を、動画撮影機能を有するデジタルカメラ、あるいは動画撮影機能を有する携帯電話に適用してもよい。
【0031】
上述した実施形態では、H.264規格で定められたヘッダに拡大情報を格納し、画像を拡大処理する例について述べた。本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。本発明は、画像を複数の符号化領域(スライス)に分け、符号化領域毎に画像データを符号化し、ヘッダにユーザ情報を格納できる動画像符号化方式に適用可能である。この場合にも、第1の実施形態と同じ効果を得ることができる。
【0032】
上述した実施形態では、操作部12により設定された拡大率または予め設定された拡大率をヘッダに格納し、ヘッダに格納された拡大率を用いて画像を拡大する例について述べ
た。本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。例えば、ヘッダにスライス番号のみを格納し、予め設定された拡大率を用いて画像を拡大してもよい。この際、拡大率は、画像が表示部16に常に最大のサイズに表示されるように自動的に調整されてもよい。
【0033】
上述した実施形態では、自動拡大機能の有無を選択できる例について述べた。本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。例えば、図4に示したステップS104、S106の処理機能を持たず、ステップS108が常に実施される自動拡大機能を持たないデジタルビデオカメラVCAMを構成してもよい。あるいは、ステップS104、S108の処理機能を持たず、ステップS106が常に実施される自動拡大機能のみを持つデジタルビデオカメラVCAMを構成してもよい。
【0034】
上述した実施形態では、H.264規格のスライス仕様のうち”タイプ2”を用いて画像を符号化/復号化する例について述べた。本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。例えば、H.264規格のスライス仕様のうち”タイプ6”を用いて画像を符号化/復号化してもよい。”タイプ6”では、各マクロブロックが属するスライスを示すテーブル(対応表)が、ヘッダに格納され、画像符号化装置から画像復号化装置に送信される。”タイプ6”を採用することでも、任意の形状のスライスを指定できる。
【0035】
以上の実施形態において説明した発明を整理して、付記として開示する。
(付記1)
画像を複数の符号化領域に分け、前記符号化領域毎に画像データを符号化する画像処理装置であって、
画像中の拡大する領域を示す拡大領域情報をヘッダに格納する格納部と、
前記拡大領域情報により示される画像領域を前記符号化領域の1つに設定して画像データを符号化し、符号化した画像データをヘッダとともに出力する画像符号化部とを備えていることを特徴とする画像処理装置。
(付記2)
付記1記載の画像処理装置において、
前記拡大領域情報は、符号化された画像データを復号し、拡大画像として表示するときの拡大率を含むことを特徴とする画像処理装置。
(付記3)
符号化された画像データを表示装置に表示するために復号化する画像処理装置であって、
複数の符号化領域のいずれかを示す拡大領域情報がヘッダに含まれることを検出するヘッダ解析部と、
拡大領域情報が前記ヘッダに含まれる場合に、拡大領域情報が示す符号化領域に対応する部分画像データを復号化する画像復号化部と、
復号した部分画像データを表示装置に表示するために所定の倍率に拡大する拡大部とを備えていることを特徴とする画像処理装置。
(付記4)
付記3記載の画像処理装置において、
前記拡大領域情報は、符号化された画像データを復号して拡大画像として表示するときの拡大率を含み、
前記所定の倍率は、前記拡大領域情報に含まれる拡大率であるとを特徴とする画像処理装置。
(付記5)
画像を複数の符号化領域に分け、前記符号化領域毎に画像データを符号化する画像符号化装置と、符号化された画像データを表示装置に表示するために復号化する画像復号化装置とを備えた画像送受信システムであって、
前記画像符号化装置は、
画像中の拡大する領域を示す拡大領域情報をヘッダに格納する格納部と、
前記拡大領域情報により示される画像領域を前記符号化領域の1つに設定して画像データを符号化し、符号化した画像データをヘッダとともに出力する画像符号化部とを備え、
前記画像復号化装置は、
複数の符号化領域のいずれかを示す拡大領域情報がヘッダに含まれることを検出するヘッダ解析部と、
拡大領域情報が前記ヘッダに含まれる場合に、拡大領域情報が示す符号化領域に対応する部分画像データを復号化する画像復号化部と、
復号した部分画像データを表示装置に表示するために所定の倍率に拡大する拡大部とを備えていることを特徴とする画像送受信システム。
(付記6)
付記5記載の画像送受信システムにおいて、
前記拡大領域情報は、符号化された画像データを復号して拡大画像として表示するときの拡大率を含み、
前記所定の倍率は、前記拡大領域情報に含まれる拡大率であることを特徴とする画像送受信システム。
(付記7)
画像を複数の符号化領域に分け、前記符号化領域毎に画像データを符号化する画像処理方法であって、
画像中の拡大する領域を示す拡大領域情報をヘッダに格納し、
前記拡大領域情報により示される画像領域を前記符号化領域の1つに設定して画像データを符号化し、符号化した画像データをヘッダとともに出力することを特徴とする画像処理方法。
(付記8)
付記7記載の画像処理方法において、
前記拡大領域情報は、符号化された画像データを復号し、拡大画像として表示するときの拡大率を含むことを特徴とする画像処理方法。
(付記9)
符号化された画像データを表示装置に表示するために復号化する画像処理方法であって、
複数の符号化領域のいずれかを示す拡大領域情報がヘッダに含まれる場合に、拡大領域情報が示す符号化領域に対応する部分画像データを復号し、
復号した部分画像データを表示装置に表示するために所定の倍率に拡大することを特徴とする画像処理方法。
(付記10)
付記9記載の画像処理方法において、
前記拡大領域情報は、符号化された画像データを復号して拡大画像として表示するときの拡大率を含み、
前記所定の倍率は、前記拡大領域情報に含まれる拡大率であることを特徴とする画像処理方法。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、動画像を撮影し、撮影した動画像を拡大して表示する装置に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すブロック図である。
【図2】画像符号化部により生成されるストリームデータを構成するアクセスユニット構造を示す説明図である。
【図3】スライスの設定の一例を示す説明図である。
【図4】図1に示したCPUおよびCODECによる画像データの符号化を示すフロー図である。
【図5】図1に示したCPUおよびCODECによる画像データの復号化を示すフロー図である。
【図6】本発明の第2の実施形態を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0038】
10‥撮像部;12‥操作部;14‥メモリ;16‥表示部;18‥ズーム制御部;20‥ヘッダ解析部;22‥拡大部;24‥ヘッダ符号化部;26‥画像符号化部;28‥ヘッダ復号化部;30‥画像復号化部
【出願人】 【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
【出願日】 平成18年6月29日(2006.6.29)
【代理人】 【識別番号】100072718
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 史旺

【識別番号】100116001
【弁理士】
【氏名又は名称】森 俊秀


【公開番号】 特開2008−11224(P2008−11224A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−180014(P2006−180014)