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【発明の名称】 ネットワーク再送信装置及びネットワーク受信装置
【発明者】 【氏名】大井 伸一

【要約】 【課題】個別情報をネットワーク網に流す頻度をより低減するためのネットワーク再送信装置及びネットワーク受信装置を提供する。

【構成】放送事業者の送信機から暗号化されて送信されたデジタル放送信号がネットワーク再送信装置により暗号化されて送信された信号を受信するネットワーク受信装置であって、前記ネットワーク再送信装置によって暗号処理された放送信号について解読処理を行う第1のデスクランブラと、前記第1のデスクランブラからの信号をInternet Protocol網より取得した個別情報に基づき前記放送事業者の送信機が行った暗号処理の解読処理を行う第2のデスクランブラとを備えたことを特徴とするネットワーク受信装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送事業者の送信機から送信されたデジタル放送に係る放送信号をネットワーク受信装置に再送信するネットワーク再送信装置であって、
前記放送事業者の送信機によって暗号処理された放送信号について解読処理を行うことなく該放送信号の全てまたは一部に前記放送事業者の送信機が行った暗号処理とは異なる暗号処理を行いInternet Protocol網へ送信する多重暗号化部と、
前記放送信号を選局後の前記多重暗号化部へ導かれる信号から個別情報を選別し分離し個別情報がInternet Protocol網に常時送信されるのを防ぐように働くデマルチプレクサと、
前記デマルチプレクサからの個別情報を記憶する記憶部と、
前記多重暗号化部の暗号処理に用いたInternet Protocol網用個別情報と前記記憶部に記憶された個別情報とを配信する配信サーバとを
備えたことを特徴とするネットワーク再送信装置。
【請求項2】
放送事業者の送信機から暗号化されて送信されたデジタル放送信号がネットワーク再送信装置により暗号化されて送信された信号を受信するネットワーク受信装置であって、
前記ネットワーク再送信装置によって暗号処理された放送信号について解読処理を行う第1のデスクランブラと、
前記第1のデスクランブラからの信号をInternet Protocol網より取得した個別情報に基づき前記放送事業者の送信機が行った暗号処理の解読処理を行う第2のデスクランブラとを
備えたことを特徴とするネットワーク受信装置。
【請求項3】
放送事業者の送信機から送信されたデジタル放送に係る放送信号をネットワーク受信装置に再送信するネットワーク再送信装置であって、
前記放送信号を選局後の信号から個別情報と共通情報を選別し分離し個別情報がInternet Protocol網に常時送信されるのを防ぐように働くデマルチプレクサと、
前記デマルチプレクサからの個別情報と共通情報が除かれた信号を解読処理するデスクランブラと、
前記デスクランブラからの信号の全てまたは一部に前記放送事業者の送信機が行った暗号処理とは異なる暗号処理を行う多重暗号化部と、
前記多重暗号化部の暗号処理に伴って生成されるInternet Protocol網用個別情報を配信する配信サーバとを
備えたことを特徴とするネットワーク再送信装置。
【請求項4】
放送事業者の送信機から送信されたデジタル放送に係る放送信号のネットワーク再送信装置からの再送信を受信するネットワーク受信装置であって、
Internet Protocol網より取得するネットワーク再送信装置で生成されたInternet Protocol網用個別情報に基づき前記ネットワーク再送信装置によって暗号処理された放送信号について解読処理を行うデスクランブラを
備えたことを特徴とするネットワーク受信装置。
【請求項5】
放送事業者の送信機から送信されたデジタル放送に係る放送信号をネットワーク受信装置に再送信するネットワーク再送信装置であって、
前記放送信号を選局後の信号から個別情報と共通情報を選別し分離し個別情報がInternet Protocol網に常時送信されるのを防ぐように働くデマルチプレクサと、
前記個別情報と前記共通情報を記憶する記憶部と、
前記デマルチプレクサからの個別情報と共通情報が除かれた信号を解読処理するデスクランブラと、
前記デスクランブラからの信号の全てまたは一部に前記放送事業者の送信機が行った暗号処理とは異なる暗号処理を行う多重暗号化部と、
前記多重暗号化部の暗号処理に伴って生成されるInternet Protocol網用個別情報と前記記憶部に記憶されている個別情報と共通情報を配信する配信サーバとを
備えたことを特徴とするネットワーク再送信装置。
【請求項6】
放送事業者の送信機から送信されたデジタル放送に係る放送信号のネットワーク再送信装置からの再送信を受信するネットワーク受信装置であって、
Internet Protocol網より取得する個別情報と共通情報とネットワーク再送信装置で生成されたInternet Protocol網用個別情報に基づき前記ネットワーク再送信装置によって暗号処理された放送信号について解読処理を行うInternet Protocol網用デスクランブラを
備えたことを特徴とするネットワーク受信装置。
【請求項7】
放送事業者の送信機から送信されたデジタル放送に係る放送信号をネットワーク受信装置に再送信するネットワーク再送信装置であって前記放送事業者の送信機によって暗号処理された放送信号について解読処理を行うことなく該放送信号の全てまたは一部に前記放送事業者の送信機が行った暗号処理とは異なる暗号処理を行う多重暗号化部と前記放送信号を選局後の前記多重暗号化部へ導かれる信号から個別情報を選別し分離し個別情報がInternet Protocol網に常時送信されるのを防ぐように働くデマルチプレクサと前記デマルチプレクサからの個別情報を記憶する記憶部と前記多重暗号化部の暗号処理に伴う個別情報と前記記憶部に記憶された個別情報とを配信する配信サーバとを備えたことを特徴とするネットワーク再送信装置と、
放送事業者の送信機から送信されたデジタル放送に係る放送信号のネットワーク再送信装置からの再送信を受信するネットワーク受信装置であって前記ネットワーク再送信装置によって暗号処理された放送信号について解読処理を行う第1のデスクランブラと前記第1のデスクランブラからの信号を入力しInternet Protocol網より取得する個別情報に基づき前記放送事業者の送信機が行った暗号処理について解読処理を行う第2のデスクランブラとを備えたことを特徴とするネットワーク受信装置とを
構成要素とするネットワーク再送受システム。
【請求項8】
放送事業者の送信機から送信されたデジタル放送に係る放送信号をネットワーク受信装置に再送信するネットワーク再送信装置であって前記放送信号を選局後の信号から個別情報と共通情報を選別し分離し個別情報がInternet Protocol網に常時送信されるのを防ぐように働くデマルチプレクサと前記デマルチプレクサからの個別情報と共通情報が除かれた信号を解読処理するデスクランブラと前記デスクランブラからの信号の全てまたは一部に前記放送事業者の送信機が行った暗号処理とは異なる暗号処理を行う多重暗号化部と前記多重暗号化部の暗号処理に伴って生成されるInternet Protocol網用個別情報を配信する配信サーバとを備えたことを特徴とするネットワーク再送信装置と、
放送事業者の送信機から送信されたデジタル放送に係る放送信号のネットワーク再送信装置からの再送信を受信するネットワーク受信装置であってInternet Protocol網より取得するネットワーク再送信装置で生成されたInternet Protocol網用個別情報に基づき前記ネットワーク再送信装置によって暗号処理された放送信号について解読処理を行うデスクランブラを備えたことを特徴とするネットワーク受信装置とを
構成要素とするネットワーク再送受システム。
【請求項9】
放送事業者の送信機から送信されたデジタル放送に係る放送信号をネットワーク受信装置に再送信するネットワーク再送信装置であって前記放送信号を選局後の信号から個別情報と共通情報を選別し分離し個別情報がInternet Protocol網に常時送信されるのを防ぐように働くデマルチプレクサと前記個別情報と前記共通情報を記憶する記憶部と前記デマルチプレクサからの個別情報と共通情報が除かれた信号を解読処理するデスクランブラと前記デスクランブラからの信号の全てまたは一部に前記放送事業者の送信機が行った暗号処理とは異なる暗号処理を行う多重暗号化部と前記多重暗号化部の暗号処理に伴って生成されるInternet Protocol網用個別情報と前記記憶部に記憶されている個別情報と共通情報を配信する配信サーバとを備えたことを特徴とするネットワーク再送信装置と、
放送事業者の送信機から送信されたデジタル放送に係る放送信号のネットワーク再送信装置からの再送信を受信するネットワーク受信装置であってInternet Protocol網より取得する個別情報と共通情報とネットワーク再送信装置で生成されたInternet Protocol網用個別情報に基づき前記ネットワーク再送信装置によって暗号処理された放送信号について解読処理を行うデスクランブラを備えたことを特徴とするネットワーク受信装置とを
構成要素とするネットワーク再送受システム。
【請求項10】
電波信号をネットワーク受信装置に再送信するネットワーク再送信装置であって外部で暗号処理された電波信号について解読処理を行うことなく該電波信号の全てまたは一部に前記暗号処理とは異なる暗号処理を行う多重暗号化部と前記電波信号を選局後の前記多重暗号化部へ導かれる信号から個別情報を選別し分離し個別情報がネットワーク網に常時送信されるのを防ぐように働くデマルチプレクサと前記デマルチプレクサからの個別情報を記憶する記憶部と前記多重暗号化部の暗号処理に伴う個別情報と前記記憶部に記憶された個別情報とを配信する配信サーバとを備えたことを特徴とするネットワーク再送信装置と、
電波信号のネットワーク再送信装置からの再送信を受信するネットワーク受信装置であって外部で暗号処理された電波信号について解読処理を行う第1のデスクランブラと前記第1のデスクランブラからの信号を入力しネットワーク網より取得する個別情報に基づき前記暗号処理について解読処理を行う第2のデスクランブラとを備えたことを特徴とするネットワーク受信装置とを
構成要素とするネットワーク再送受システム。
【請求項11】
電波信号をネットワーク受信装置に再送信するネットワーク再送信装置であって前記電波信号を選局後の信号から個別情報と共通情報を選別し分離し個別情報がネットワーク網に常時送信されるのを防ぐように働くデマルチプレクサと前記デマルチプレクサからの個別情報と共通情報が除かれた信号を解読処理するデスクランブラと前記デスクランブラからの信号の全てまたは一部に外部で行われた暗号処理とは異なる暗号処理を行う多重暗号化部と前記多重暗号化部の暗号処理に伴って生成されるネットワーク網用個別情報を配信する配信サーバとを備えたことを特徴とするネットワーク再送信装置と、
電波信号のネットワーク再送信装置からの再送信を受信するネットワーク受信装置であってネットワーク網より取得するネットワーク再送信装置で生成されたネットワーク網用個別情報に基づき前記ネットワーク再送信装置によって暗号処理された電波信号について解読処理を行うデスクランブラを備えたことを特徴とするネットワーク受信装置とを
構成要素とするネットワーク再送受システム。
【請求項12】
電波信号をネットワーク受信装置に再送信するネットワーク再送信装置であって前記電波信号を選局後の信号から個別情報と共通情報を選別し分離し個別情報がネットワーク網に常時送信されるのを防ぐように働くデマルチプレクサと前記個別情報と前記共通情報を記憶する記憶部と前記デマルチプレクサからの個別情報と共通情報が除かれた信号を解読処理するデスクランブラと前記デスクランブラからの信号の全てまたは一部に外部で行われた暗号処理とは異なる暗号処理を行う多重暗号化部と前記多重暗号化部の暗号処理に伴って生成されるネットワーク網用個別情報と前記記憶部に記憶されている個別情報と共通情報を配信する配信サーバとを備えたことを特徴とするネットワーク再送信装置と、
電波信号のネットワーク再送信装置からの再送信を受信するネットワーク受信装置であってネットワーク網より取得する個別情報と共通情報とネットワーク再送信装置で生成されたネットワーク網用個別情報に基づき前記ネットワーク再送信装置によって暗号処理された電波信号について解読処理を行うデスクランブラを備えたことを特徴とするネットワーク受信装置とを
構成要素とするネットワーク再送受システム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、電波を受信しネットワーク網へ再送信するネットワーク再送信装置及びそれを受信するネットワーク受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
放送事業者の送信機から送信されたデジタル放送に係る放送信号を、視聴者宅の受信機に再送信する放送再送信装置(中継器またはヘッドエンド)があり、ARIB標準規格 (ARIB STD-B25 4.1版)で規定されるCAS(Conditional Access System)−R(限定受信方式)なるスクランブル方式に準じた応用が検討されている。
【0003】
再送信先の形態にはCATV,IP(Internet Protocol)網といったものがあるが、後者に関しては放送事業者の送信機によっていわば暗号処理された放送信号について中継事業者が解読処理を行うことなく、該放送信号の全てまたは一部に、前記放送事業者の送信機が行ったCAS処理とは異なる暗号処理を行う多重暗号化装置に関する技術が表されている(特許文献1)。しかし、TS(トランスポートストリーム)として、視聴者が必要な映像信号以外に特にEMM(受信機側の個別情報)といった特定視聴者以外の他の視聴者にとっての不要情報を常時IP網に流してIP網に負荷をかけることは問題であるが、これを防止する方法は開示されていなかった。
【特許文献1】特開2004−96274号公報
【非特許文献1】ARIB STD−B25 4.1版
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、個別情報をネットワーク網に流す頻度をより低減するためのネットワーク再送信装置及びネットワーク受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明のネットワーク再送受システムは、放送事業者の送信機から送信されたデジタル放送に係る放送信号をネットワーク受信装置に再送信するネットワーク再送信装置であって前記放送事業者の送信機によって暗号処理された放送信号について解読処理を行うことなく該放送信号の全てまたは一部に前記放送事業者の送信機が行った暗号処理とは異なる暗号処理を行う多重暗号化部と前記放送信号を選局後の前記多重暗号化部へ導かれる信号から個別情報を選別し分離し個別情報がInternet Protocol網に常時送信されるのを防ぐように働くデマルチプレクサと前記デマルチプレクサからの個別情報を記憶する記憶部と前記多重暗号化部の暗号処理に伴う個別情報と前記記憶部に記憶された個別情報とを配信する配信サーバとを備えたことを特徴とするネットワーク再送信装置と、
【0006】
放送事業者の送信機から送信されたデジタル放送に係る放送信号のネットワーク再送信装置からの再送信を受信するネットワーク受信装置であって前記ネットワーク再送信装置によって暗号処理された放送信号について解読処理を行う第1のデスクランブラと前記第1のデスクランブラからの信号を入力しInternet Protocol網より取得する個別情報に基づき前記放送事業者の送信機が行った暗号処理について解読処理を行う第2のデスクランブラとを備えたことを特徴とするネットワーク受信装置とを構成要素とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、個別情報をネットワーク網に流す頻度をより低減するためのネットワーク再送信装置及びネットワーク受信装置が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施例を説明する。
【実施例1】
【0009】
本発明による実施例1を図1および図10を参照して説明する。
無線放送波はテレビといった放送受信機で受信・選局し復号して放送受信機のユーザーに視聴されることが一般的である。しかし無線放送波を同様に受信しこれをネットワークの形式に変えて供給(再送信)することが行われている。ネットワークの形式としてはCATVやIP(Internet Protocol)網が知られている。このうち以下特にIP網の例について述べる。
【0010】
図1は、本発明による一実施例の背景である地上デジタル放送の配信の概要図である。全体システム構成として、IPインフラを用いた地上デジタル放送の再配信は、IPマルチキャスト方式により実現される。本配信方式では、同図に示すように、ローカル送出サーバで、放送波をいったんチューナで受信し、IP網で配信可能な形態に変換した後、IP網へマルチキャスト方式で配信する。図中の配信処理部は、主に著作権保護、及び、ビットレート低減の処理を行い、IP化部によりIPパケットへの多重が行われる。受信端末においては、受信端末の接続されている収容局内のエッジルータに、IPマルチキャストアドレスを送信することで所定の放送コンテンツを受信することができる。本方式では、放送波を受信する場合と異なり、IPマルチキャストアドレスを指定することで所望の放送番組を選択する。
【0011】
図2は、ヘッドエンド側(送信機側)の一実施例を示すブロック構成図である。
受信アンテナ1により電波(地上放送や衛星放送)による放送信号を受信しチューナ2により選局したのち、選局された信号からデマルチプレクサ3ではEMM(電波)なるものが分離され、デマルチプレクサ3からIP区間用スクランブラ8への出力信号中にはEMM(電波)は取り除かれており、このIP網へ出力される信号にはEMM(電波)が含まれないように構成されている。
【0012】
ここで、EMM(電波)について説明する。ARIB(電波産業界)規格「デジタル放送におけるアクセス制御方式」(ARIB STD-B25)には、電波に含まれる情報として有料放送等に必要なスクランブルの実施に必要なものとして関わる所謂関連情報が規定されており、この関連情報にはECM(Entitlement Control Message)という所謂共通情報と、EMM(Entitlement Management Message)という所謂個別情報とがある。この電波で受信した放送信号中の個別情報をここでは上記のようにEMM(電波)とよびまたこの共通情報を以下述べるようにECM(電波)と呼ぶことにする。また、以後これらに準じたIP網用の個別情報を以下EMM(IP)と呼びまたIP網用の共通情報をECM(IP)と呼んで簡単に区別することとする。因みにECM(IP)とEMM(IP)のセクション構成の一例は夫々図3、図4のように定めているとするが、要はデータ構造ではなく情報として捉えられるものである。
【0013】
図2のデマルチプレクサ3の出力信号は、電波でのMULTI2方式のスクランブルを解かずに、さらにIP区間用スクランブラ8において例えばAES(Advanced Encryption Standard)方式のスクランブルをかけるよう構成されている。なお、IP区間用スクランブルをかける対象は、少なくとも電波でのMULTI2方式のスクランブルがかかったTSパケットとする。さらに、ECM(電波)もIP区間用スクランブルすることにより、セキュリティーの向上をはかることができる。このとき、IP区間用スクランブラ8にはスクランブル鍵生成部9で生成したスクランブル鍵が提供され、スクランブルされる。なおスクランブル鍵生成部9で生成したスクランブル鍵はECM(IP)の一部として使用され、ECM化部11にてECM(IP)化された後、マルチプレクサ部13にて信号に多重される。ECM化部11ではECM(IP)はIP網で使用されるワーク鍵Kw_ IPにて暗号化されている。マルチプレクサ部13の出力信号であるTS(トランスポートストリーム)はIP化部14にてTSパケットをIPパケットに多重し、IPマルチキャスト伝送される。上記のIP区間用スクランブラ8、スクランブル鍵生成部9、ECM化部11、マルチプレクサ部13、IP化部14の組合せにおいて、放送事業者の送信機が行った暗号処理とは異なる暗号処理を行う多重暗号化部を構成している。
【0014】
一方視聴者管理データベース10は当該IP網の中継器(ヘッドエンド)で管理している視聴者の管理データベースであり、EMM化部12にて視聴契約に基づきIP網で使用されるワーク鍵Kw_ IPを含むEMM(IP)を生成し、IP網で使用されるマスター鍵Kmi_ IPにて暗号化される。なお、分離されたEMM(電波)は、EMM(電波)の記憶部15に与えられる。
【0015】
無線放送波においてはEMM(電波)は繰り返し伝送される情報であり、従って、IP網ではこの常時伝送される伝送帯域は不要となるため、IP網での伝送負荷を減少させることが可能となる。なお、当該EMM(電波)はEMM(電波)の記憶部15に記憶され、配信サーバ16がこれを取り出し受信機に適宜提供する。なお、EMM(IP)は、配信サーバ16が受信機に適宜提供する。
【0016】
図5は、実施例の相互認証暗号化鍵共有のシーケンスチャートである。暗号方式としてはPKI(Public Key Infrastructure)などを用いた公開鍵暗号方式もあるが、これは共通鍵暗号方式による例である。事前に暗号化鍵を共有しているものとする。まず受信機のIP区間用CASカードよりチャレンジデータとして乱数を送信すると配信サーバがこれを受け対応するレスポンスデータ(暗号化した乱数)を返信する。続いて配信サーバがチャレンジデータとして別の乱数を送信するとIP区間用CASカードがこれを受け対応するレスポンスデータ(暗号化したこの別の乱数)を返信する。このように各々が相互認証を行なう毎に、異なる乱数を発生し使用することにより、相互認証のシーケンスを盗聴する不正行為を防止することが可能になる。この暗号化鍵を秘密に保持することにより、第3者のなりすましを防止することも可能である。
【0017】
図2に対応する、本発明の受信機の実施例を図6に示す。IP網から受信した信号は、一旦TS化部21にてTS(トランスポートストリーム)に戻されるが、このTS化部21はヘッドエンド側でTSをIP網で伝送する場合に、TSパケットをIPパケットに多重して伝送したものを、受信機でTSパケットを分離し、再度TSに戻す処理部である。TSに戻した後は、通常の放送信号のTSと同様な受信処理になる。
【0018】
TS化部21の出力信号は、デマルチプレクサ22にてECM(IP)が分離され、分離されたECM(IP)はIP区間用CASカード25へ与えられ、IP区間用CASカード25では別途取得するEMM(IP)で提供されるワーク鍵Kw_ IPにて、このECM(IP)を暗号復号の後、ECM(IP)からスクランブルKs_IPを得る。さらに得られたスクランブルKs_IPを使用して、IP区間用デスクランブラ26にてデスクランブルされるよう構成されている。
【0019】
EMM(IP)等に関する動作であるが、受信機は以下のような動作タイミングで配信サーバ16から取得するものとする。
例1) 受信機の電源ON時もしくはIP区間用CASカード挿入時(図7のS101,S102):視聴開始前に取りに行くことになるため、ワーク鍵Kw_ IPが更新されていても常に最新のワーク鍵Kw_ IPを含むEMM(IP)が取得可能である。なお、このようにした場合には、ある程度頻繁に取りに行くため、配信サーバ16への負荷が高くなることが想定されるが、IP網への負荷という観点からは常時伝送する場合に比べて少なくすることが可能となる。なお、図示はしていないが、EMM(IP)を図2に示す配信サーバ16から取得するために、IP区間用CASカード25と配信サーバ16間でのデータの授受が必要である。データの授受とは、例えばIP区間用CASカード25からEMM(IP)取得の要求と、それに対する配信サーバ16からのEMM(IP)の送付である。なお、IP区間用CASカード25と配信サーバ16間でのデータの授受では、IP区間用CASカード25が直接IP網に接続されているのではなく、図示しない受信機のIP網への接続部を介して接続されるものとする。またIP区間用CASカード25と配信サーバ16間とのデータの授受として、さらにIP区間用CASカード25と配信サーバ16間での図5のように認証処理(S103)を行い、相互に認証が出来た場合に(S104)、IP区間用CASカード25からEMM(IP)を要求し、配信サーバ16からのEMM(IP)の送付(S105)をしても良い。この場合には図5の説明のように相互認証のための通信(データの授受)が必要である。
【0020】
例2) IP区間用CASカード25にて処理した場合に何らかのエラーとなった場合(図8のS201):何らかのエラーとは例えば最新のワーク鍵Kw_ IPを保持していないために、ECM(IP)を復号できずエラーとなった場合や、ECM(IP)に中継(放送)しているチャンネルや番組の属性情報が含まれるおり、視聴者毎に異なるEMM(IP)内の契約チャンネルや番組の属性情報との比較で視聴不可となった場合等のことである。例えばECM(IP)を復号できずエラーとなった場合に、最新のワーク鍵Kw_ IPを保持していないと判断し、配信サーバ16へEMM(IP)を取得(S202, 203, 204)しにいくものとする。ワーク鍵Kw_ IPの更新等の事象が発生しないかぎり、配信サーバ16へ取得しにいかないため、配信サーバ16への負荷が例1)よりも低くなる他、IP網への負荷という観点からも例1)よりも低くなる。なお、図示はしていないが、例1)と同様に、配信サーバ16へEMM(IP)を取得するため、IP区間用CASカード25と配信サーバ16間のデータの授受を取り扱う処理部が必要である。
【0021】
例3) IP区間用CASカード25にて処理した場合に何らかのエラーとなった場合であって、契約解除で無い場合(図9のS301,S302):何らかのエラーとは例2)と同様の内容である。契約解除で無い場合とは、IPマルチキャスト伝送が、IPマルチキャスト伝送している事業者と視聴者との契約に基づき実施されている場合に、契約が継続しているかどうかということである。受信機が契約の有無を判断し、契約解除で無い場合に、例2)と同様に配信サーバ16へEMM(IP)を取得(S302, 303, 304)しにいくものとする。すなわちこの場合には契約解除後に配信サーバ16へ取得しにいかないため、配信サーバ16への負荷が例2)よりも低くなる他、IP網への負荷という観点からも例2)よりも低くなる。契約解除か否かを示す情報は、EMM(IP)で提供されるものとする。従って契約解除後の初回の何らかのエラーとなった場合には、その時点では受信機(IP区間用CASカード25)は契約解除と認識していないため、配信サーバ16へEMM(IP)を取得しにいき、その時点で取得したEMM(IP)には契約解除である情報が含まれるようになる。従って、この契約解除である情報が含まれるEMM(IP)を取得した以後、受信機は配信サーバ16へ取得しにいかないようになる。なお、再度契約をして視聴を開始するためには、ユーザーが受信機を操作して配信サーバ16へEMM(IP)を取得しにいくものとする。そのためのユーザーインターフェースを受信機は具備するものとする。例えば、配信サーバ16へEMM(IP)を取得しにいくためのメニュー表示機能、取得の意思確認をするためのボタンもしくはメニュー上のアイコン等、ユーザーの意思が確認する機能、確認できた場合に、配信サーバ16へEMM(IP)を取得する機能である。
【0022】
IP区間用デスクランブラ26にてデスクランブルされた信号は、次にデマルチプレクサ27にてECM(電波)が分離される。分離されたECM(電波)は電波区間用CASカード30へ与えられ、別途取得するEMM(電波)で提供されるワーク鍵Kwにて暗号復号の後、電波でのMULTI2方式のスクランブル用のスクランブルKsを得て、MULTI2デスクランブラ31にてデスクランブルされる。ここでEMM(電波)であるが、受信機は以下のようなタイミングで配信サーバ16から取得するものとする。
【0023】
例4) 受信機の電源ON時もしくは電波区間用CASカード挿入時(図10のS401,S402):視聴開始前に取りに行くことになるため、ワーク鍵Kwが更新されていても常に最新のワーク鍵Kwを含むEMM(電波)が取得可能である。なお、このようにした場合には、ある程度頻繁に取りに行くため、配信サーバ16への負荷が高くなることが想定されるが、IP網への負荷という観点からは常時伝送する場合に比べて少なくすることが可能となる。なお、図示はしていないが、EMM(電波)を図3に示す配信サーバ16から取得するために、電波区間用CASカード30と配信サーバ16間でのデータの授受が必要である。データの授受とは、例えば電波区間用CASカード30からEMM(電波)取得の要求と、それに対する配信サーバ16からのEMM(電波)の送付である。なお、電波区間用CASカード30と配信サーバ16間でのデータの授受では、電波区間用CASカード30が直接IP網に接続されているのではなく、図示しない受信機のIP網への接続部を介して接続されるものとする。また、EMM(電波)は電波区間用の暗号がかけられているが、配信サーバ16でIP伝送用の暗号をさらにかけ、図示しない受信機のIP網への接続部にてIP伝送用の暗号を復号し、電波区間用CASカード30へEMM(電波)を提供するようにすることで、セキュリティーの向上をはかることも可能である。
【0024】
また電波区間用CASカード30と配信サーバ16間とのデータの授受として、さらに電波区間用CASカード30と配信サーバ16間での認証処理(S403)を行い、相互に認証が出来た場合(S404)に、電波区間用CASカード30からEMM(電波)を要求し、配信サーバ16からのEMM(電波)の送付(S405)をしても良い。この場合には相互認証のための通信(データの授受)が必要である。
【0025】
例5) 電波区間用CASカード25にて処理した場合に何らかのエラーとなった場合:何らかのエラーとは例えば最新のワーク鍵Kwを保持していないために、ECM(電波)を復号できずエラーとなった場合や、ECM(電波)に中継(放送)しているチャンネルや番組の属性情報が含まれるおり、視聴者毎に異なるEMM(電波)内の契約チャンネルや番組の属性情報との比較で視聴不可となった場合等のことである。例えばECM(電波)を復号できずエラーとなった場合に、最新のワーク鍵Kwを保持していないと判断し、配信サーバ16へEMM(電波)を取得しにいくものとする。ワーク鍵Kwの更新等の事象が発生しないかぎり、配信サーバ16へ取得しにいかないため、配信サーバ16への負荷が例4)よりも低くなる他、IP網への負荷という観点からも例4)よりも低くなる。なお、図示はしていないが、例4)と同様に、配信サーバ16へEMM(電波)を取得するため、電波区間用CASカード30と配信サーバ16間のデータの授受を取り扱う処理部が必要である。
【実施例2】
【0026】
本発明による実施例2を図11及び図12を参照して説明する。
本発明のヘッドエンド側(送信側)の実施例を図11に示す。実施例1と共通する部分は説明を省略する。図2の例と異なるのは、ヘッドエンドにてMULTI2方式のスクランブルを解いてIPマルチキャスト伝送することである。すなわちこの実施例は、視聴者の管理をIPマルチキャスト伝送する事業者に完全に委託する場合の例である。
【0027】
デマルチプレクサ3ではEMM(電波)とECM(電波)が分離され、フィルタリング部4とID記憶部5により当該電波区間用CASカード6用のEMM(電波)をフィルタリング後に電波区間用CASカード6へ与えられる。一方のECM(電波)は電波区間用CASカード6へ与えられる。
【0028】
なおデマルチプレクサ3からMULTI2デスクランブラ7を経由するIP区間用スクランブラ8への出力信号中にはEMM(電波)とECM(電波)は取り除かれており、IP網へ出力される信号にはEMM(電波)とECM(電波)が含まれないものとする。このEMM(電波)とECM(電波)は繰り返し伝送される情報であり、この常時伝送される伝送帯域は不要となるため、IP網での伝送負荷を減少させることが可能となる。
【0029】
デマルチプレクサ3の出力信号は、MULTI2デスクランブラ7においてMULTI2方式のスクランブルを解いた後、IP区間用スクランブラ8においてスクランブルをかけられる。なおスクランブル鍵生成部で生成したスクランブル鍵はECM(IP)の一部として使用され、ECM化部11にてECM(IP)化された後、マルチプレクサ部13にて信号に多重される。ECM化部11ではECM(IP)はIP網で使用されるワーク鍵Kw_ IPにて暗号化されている。マルチプレクサ部13の出力信号であるTS(トランスポートストリーム)はIP化部14にてTSパケットをIPパケットに多重し、IPマルチキャスト伝送される。当該EMM(IP)は、配信サーバ16を通じて受信機に適宜提供される。
【0030】
図11に対応する、本提案の受信機の実施例を図12に示す。
IP網から受信した信号は、一旦TS化部21にてTS(トランスポートストリーム)に戻される。これはTSをIP網で伝送する場合に、ヘッドエンド側でTSパケットをIPパケットに多重して伝送したものを、受信機でTSパケットを分離し、再度TSに戻す処理のことである。TSに戻した後は、通常の放送信号のTSと同様な受信処理になる。なおクロックリカバリなどMPEGデコードに関わるタイミング情報の再生処理が必要となる場合もあるが、本発明には直接関係しないため説明は省略する。
【0031】
TS化部21の出力信号は、デマルチプレクサ22にてECM(IP)が分離される。分離されたECM(IP)はIP区間用CASカード25へ与えられ、別途取得するEMM(IP)で提供されるワーク鍵Kw_ IPにて暗号復号の後、スクランブルKs_IPを得て、IP区間用デスクランブラ26にてデスクランブルされる。ここでEMM(IP)であるが、受信機は以下のようなタイミングで配信サーバ16から取得するものとする。
【0032】
例1) 受信機の電源ON時もしくはIP区間用CASカード挿入時:視聴開始前に取りに行くことになるため、ワーク鍵Kw_ IPが更新されていても常に最新のワーク鍵Kw_ IPを含むEMM(IP)が取得可能である。なお、このようにした場合には、ある程度頻繁に取りに行くため、配信サーバ16への負荷が高くなることが想定されるが、IP網への負荷という観点からは常時伝送する場合に比べて少なくすることが可能となる。なお、図示はしていないが、EMM(IP)を図5に示す配信サーバ16から取得するために、IP区間用CASカード25と配信サーバ16間でのデータの授受が必要である。データの授受とは、例えばIP区間用CASカード25からEMM(IP)取得の要求と、それに対する配信サーバ16からのEMM(IP)の送付である。なお、IP区間用CASカード25と配信サーバ16間でのデータの授受では、IP区間用CASカード25が直接IP網に接続されているのではなく、図示しない受信機のIP網への接続部を介して接続されるものとする。またIP区間用CASカード25と配信サーバ16間とのデータの授受として、さらにIP区間用CASカード25と配信サーバ16間での認証処理を行い、相互に認証が出来た場合に、IP区間用CASカード25からEMM(IP)を要求し、配信サーバ16からのEMM(IP)の送付をしても良い。この場合には相互認証のための通信(データの授受)が必要である。
【0033】
例2) IP区間用CASカード25にて処理した場合に何らかのエラーとなった場合:何らかのエラーとは例えば最新のワーク鍵Kw_ IPを保持していないために、ECM(IP)を復号できずエラーとなった場合や、ECM(IP)に中継(放送)しているチャンネルや番組の属性情報が含まれるおり、視聴者毎に異なるEMM(IP)内の契約チャンネルや番組の属性情報との比較で視聴不可となった場合等のことである。例えばECM(IP)を復号できずエラーとなった場合に、最新のワーク鍵Kw_ IPを保持していないと判断し、配信サーバ16へEMM(IP)を取得しにいくものとする。ワーク鍵Kw_ IPの更新等の事象が発生しないかぎり、配信サーバ16へ取得しにいかないため、配信サーバ16への負荷が例1)よりも低くなる他、IP網への負荷という観点からも例1)よりも低くなる。
【0034】
例3) IP区間用CASカード25にて処理した場合に何らかのエラーとなった場合であって、契約解除で無い場合:何らかのエラーとは例2)と同様の内容である。契約解除で無い場合とは、IPマルチキャスト伝送が、IPマルチキャスト伝送している事業者と視聴者との契約に基づき実施されている場合に、契約が継続しているかどうかということである。受信機が契約の有無を判断し、契約解除で無い場合に、例2)と同様に配信サーバ16へEMM(IP)を取得しにいくものとする。すなわちこの場合には契約解除後に配信サーバ16へ取得しにいかないため、配信サーバ16への負荷が例2)よりも低くなる他、IP網への負荷という観点からも例2)よりも低くなる。契約解除か否かを示す情報は、EMM(IP)で提供されるものとする。従って契約解除後の初回の何らかのエラーとなった場合には、その時点では受信機(IP区間用CASカード25)は契約解除と認識していないため、配信サーバ16へEMM(IP)を取得しにいき、その時点で取得したEMM(IP)には契約解除である情報が含まれているため、以後、配信サーバ16へ取得しにいかないようになる。なお、再度契約をして視聴を開始するためには、ユーザーが受信機を操作して配信サーバ16へEMM(IP)を取得しにいくものとする。そのためのユーザーインターフェースを受信機は具備するものとする。例えば、配信サーバ16へEMM(IP)を取得しにいくためのメニュー表示機能、取得の意思確認をするためのボタンもしくはメニュー上のアイコン等、ユーザーの意思が確認する機能、確認できた場合に、配信サーバ16へEMM(IP)を取得する機能である。
【実施例3】
【0035】
本発明による実施例3を図13及び図14を参照して説明する。実施例1、2と共通する部分は説明を省略する。
本発明のヘッドエンド側(送信側)の実施例を図7に示す。図11の例と異なるのは、ヘッドエンド側にてMULTI2方式のスクランブルを解いてIPマルチキャスト伝送することに関して、ECM(電波)をIP網にも影響するようにした(電波区間の放送事業者によるCASの制御がIP網にも影響するようにした)ところである。すなわちこの実施例は、視聴者の管理をIPマルチキャスト伝送する事業者に完全には委託しない場合の例である。
【0036】
デマルチプレクサ3ではEMM(電波)とECM(電波)が分離され、EMM(電波)は記憶部15に与えられる他、フィルタリング部4とID記憶部5により当該電波区間用CASカード6用のEMM(電波)がフィルタリングされ電波区間用CASカード6へフィルタリング4aとおよびID記憶部5aによりカード1a用のEMMがフィルタリングされ、カード1aへ与えられる。一方のECM(電波)も同様に記憶部17に与えられる他、電波区間用CASカード4へ与えられる。
【0037】
なおデマルチプレクサ3からMULTI2デスクランブラ7への出力信号中にはEMM(電波)とECM(電波)は取り除かれており、IP網へ出力される信号にはEMM(電波)とECM(電波)が含まれないものとする。従って、EMM(電波)とECM(電波)は繰り返し伝送されている情報であるが、IP網においてはこの常時伝送される伝送帯域は不要となるため、IP網での伝送負荷を減少させることが可能となる。
【0038】
デマルチプレクサ3のMULTI2デスクランブラ7への出力信号は、MULTI2方式のスクランブルを解かれた後、IP区間用スクランブラ8においてスクランブルをかけられる。このとき、IP区間用スクランブラ8にはスクランブル鍵生成部9で生成したスクランブル鍵をスクランブル鍵変換部18で変換した後、提供され、スクランブルされる。
【0039】
スクランブル鍵変換部18には変換のための情報として、電波区間用CASカード19からスクランブル鍵Ksが与えられる。このスクランブル鍵Ksは、先に説明した記憶部17に記憶したECM(電波)の情報を呼び出して電波区間用CASカード19へ与え、その出力スクランブル鍵Ksを使用する。なお記憶部17へのECM(電波)の記憶は、例えば番組ごと、チャンネルごとなどの単位である。例えば、無料放送や月ぎめ契約の放送においてはチャンネル毎の単位であり、チャンネル毎に例えば1日1回記憶すれば良く、PPV(ペイパーヴュー)放送など番組単位の放送では、番組単位(番組の開始直後)で記憶すれば良い。このように記憶する情報はチャンネルごと、番組毎に異なるため、前記スクランブル鍵Ksの取得は、記憶部17へのECM(電波)の記憶する毎に行うものとする。なお、記憶部17へECM(電波)を記憶し、スクランブル鍵変換部18に使用する前記スクランブル鍵Ks電波を変更した場合には、その変更が受信機側でもわかるように、記憶部17からECM化部11に情報を与え、ECM化部11で生成するECMの情報の一部とし、すなわち記憶部17へ記憶したECM(電波)が更新されたことを少なくとも示す情報がECM(IP)の情報の一部として提供される。
【0040】
また、スクランブル鍵生成部9で生成したスクランブル鍵はECM(IP)の一部として使用され、ECM化部11にてECM(IP)化された後、マルチプレクサ部13にて信号に多重される。このECM化部11ではECM(IP)はIP網で使用されるワーク鍵Kw_ IPにて暗号化されている。マルチプレクサ部13の出力信号であるTS(トランスポートストリーム)はIP化部14にてTSパケットをIPパケットに多重し、IPマルチキャスト伝送される。
【0041】
一方視聴者管理データベース10は当該IP網の中継器(ヘッドエンド)で管理している視聴者の管理データベースであり、EMM化部12にて視聴契約に基づきIP網で使用されるワーク鍵Kw_ IPを含むEMM(IP)を生成し、IP網で使用されるマスター鍵Kmi_ IPにて暗号化される。当該EMM(IP)は、配信サーバ16を通じて受信機に適宜提供される。
【0042】
図13に対応する、本発明の受信機の実施例を図14に示す。
IP網から受信した信号は、一旦TS化部21にてTS(トランスポートストリーム)に戻される。これはTSをIP網で伝送する場合に、ヘッドエンド側でTSパケットをIPパケットに多重して伝送したものを、受信機でTSパケットを分離し、再度TSに戻す処理のことである。TSに戻した後は、通常の放送信号のTSと同様な受信処理になる。
【0043】
TS化部21の出力信号は、デマルチプレクサ22にてECM(IP)が分離される。分離されたECM(IP)はIP区間用CASカード25へ与えられ、別途取得するEMM(IP)で提供されるワーク鍵Kw_ IPにて暗号復号の後、スクランブルKs_IPを得て、さらにデスクランブル鍵変換部32にてIP区間用デスクランブラ26にあたえるデスクランブル鍵に変換後、IP区間用デスクランブラ26にてデスクランブルされる。ここでデスクランブル鍵変換部32は、ヘッドエンド側のスクランブル鍵変換部18と同じ機能であって、スクランブルKs_IPとスクランブルKs電波が同じであれば、同じスクランブル鍵が得られる変換部であるものとする。
【0044】
ここでEMM(IP)の取得に関しては、受信機は以下のようなタイミングで配信サーバ16から取得するものとする。
例1) 受信機の電源ON時、IP区間用CASカード挿入時:視聴開始前に取りに行くことになるため、ワーク鍵Kw_ IPが更新されていても常に最新のワーク鍵Kw_ IPを含むEMM(IP)が取得可能である。なお、このようにした場合には、ある程度頻繁に取りに行くため、配信サーバ16への負荷が高くなることが想定されるが、IP網への負荷という観点からは常時伝送する場合に比べて少なくすることが可能となる。なお、図示はしていないが、EMM(IP)を図7に示す配信サーバ16から取得するために、IP区間用CASカード25と配信サーバ16間でのデータの授受が必要である。データの授受とは、例えばIP区間用CASカード25からEMM(IP)取得の要求と、それに対する配信サーバ16からのEMM(IP)の送付である。なお、IP区間用CASカード25と配信サーバ16間でのデータの授受では、IP区間用CASカード25が直接IP網に接続されているのではなく、図示しない受信機のIP網への接続部を介して接続されるものとする。またIP区間用CASカード25と配信サーバ16間とのデータの授受として、さらにIP区間用CASカード25と配信サーバ16間での認証処理を行い、相互に認証が出来た場合に、IP区間用CASカード25からEMM(IP)を要求し、配信サーバ16からのEMM(IP)の送付をしても良い。この場合には相互認証のための通信(データの授受)が必要である。
【0045】
例2) IP区間用CASカード25にて処理した場合に何らかのエラーとなった場合:何らかのエラーとは例えば最新のワーク鍵Kw_ IPを保持していないために、ECM(IP)を復号できずエラーとなった場合や、ECM(IP)に中継(放送)しているチャンネルや番組の属性情報が含まれるおり、視聴者毎に異なるEMM(IP)内の契約チャンネルや番組の属性情報との比較で視聴不可となった場合等のことである。例えばECM(IP)を復号できずエラーとなった場合に、最新のワーク鍵Kw_ IPを保持していないと判断し、配信サーバ16へEMM(IP)を取得しにいくものとする。ワーク鍵Kw_ IPの更新等の事象が発生しないかぎり、配信サーバ16へ取得しにいかないため、配信サーバ16への負荷が例1)よりも低くなる他、IP網への負荷という観点からも例1)よりも低くなる。
【0046】
例3) IP区間用CASカード25にて処理した場合に何らかのエラーとなった場合であって、契約解除で無い場合:何らかのエラーとは例2)と同様の内容である。契約解除で無い場合とは、IPマルチキャスト伝送が、IPマルチキャスト伝送している事業者と視聴者との契約に基づき実施されている場合に、契約が継続しているかどうかということである。受信機が契約の有無を判断し、契約解除で無い場合に、例2)と同様に配信サーバ16へEMM(IP)を取得しにいくものとする。すなわちこの場合には契約解除後に配信サーバ16へ取得しにいかないため、配信サーバ16への負荷が例2)よりも低くなる他、IP網への負荷という観点からも例2)よりも低くなる。契約解除か否かを示す情報は、EMM(IP)で提供されるものとする。従って契約解除後の初回の何らかのエラーとなった場合には、その時点では受信機(IP区間用CASカード25)は契約解除と認識していないため、配信サーバ16へEMM(IP)を取得しにいき、その時点で取得したEMM(IP)には契約解除である情報が含まれているため、以後、配信サーバ16へ取得しにいかないようになる。なお、再度契約をして視聴を開始するためには、ユーザーが受信機を操作して配信サーバ16へEMM(IP)を取得しにいくものとする。そのためのユーザーインターフェースを受信機は具備するものとする。例えば、配信サーバ16へEMM(IP)を取得しにいくためのメニュー表示機能、取得の意思確認をするためのボタンもしくはメニュー上のアイコン等、ユーザーの意思が確認する機能、確認できた場合に、配信サーバ16へEMM(IP)を取得する機能である。
【0047】
EMM(電波)であるが、受信機は以下のようなタイミングで配信サーバ16から取得するものとする。
例4) 受信機の電源ON時、電波区間用CASカード挿入時:視聴開始前に取りに行くことになるため、ワーク鍵Kwが更新されていても常に最新のワーク鍵Kwを含むEMM(電波)が取得可能である。なお、このようにした場合には、ある程度頻繁に取りに行くため、配信サーバ16への負荷が高くなることが想定されるが、IP網への負荷という観点からは常時伝送する場合に比べて少なくすることが可能となる。
【0048】
例5) 電波区間用CASカード30にて処理した場合に何らかのエラーとなった場合:何らかのエラーとは例えば最新のワーク鍵Kwを保持していないために、ECM(電波)を復号できずエラーとなった場合や、ECM(電波)に中継(放送)しているチャンネルや番組の属性情報が含まれるおり、視聴者毎に異なるEMM(電波)内の契約チャンネルや番組の属性情報との比較で視聴不可となった場合等のことである。例えばECM(電波)を復号できずエラーとなった場合に、最新のワーク鍵Kwを保持していないと判断し、配信サーバ16へEMM(電波)を取得しにいくものとする。ワーク鍵Kwの更新等の事象が発生しないかぎり、配信サーバ16へ取得しにいかないため、配信サーバ16への負荷が例4)よりも低くなる他、IP網への負荷という観点からも例4)よりも低くなる。
【0049】
またECM(電波)であるが、受信機は以下のようなタイミングで配信サーバ16から取得するものとする。
例6) 前述のようにヘッドエンドでは記憶部17へのECM(電波)を記憶した際(変更した際)には、その情報が受信機側でもわかるように、記憶部17からECM化部11に情報を与え、ECM化部11で生成するECMの情報の一部として提供される。従って、受信機ではその情報に従い、更新を検知した場合に、最新のECM(電波)を配信サーバ16へ取りに行くものとする。
【0050】
その更新を検知させるための情報とは、例えば単調増加する番号(以下更新番号と呼ぶ)であり、IP区間用CASカード25が最新の更新番号をカード内の不揮発メモリに記憶しておき、受信したECM(IP)内の更新番号と比較した場合に、両更新番号を比較し、同一であれば更新が無いと判断し、もし、ECM(IP)内の更新番号が大きい場合には、更新があったと判断する。更新があったと判断した場合には、配信サーバ16から最新のECM(電波)を取得し、電波区間用CASカード30に与えるものとする。
【0051】
そのために、例えば図示はしていないが、IP区間用CASカード25から電波区間用CASカード30へECM(電波)の更新を通知し、電波区間用CASカード30にECM(電波)を取得させるように促しても良いし、IP区間用CASカード25や電波区間用CASカード30がIP網へ接続するための受信機IP接続部(図示はしていない)が、IP区間用CASカード25からECM(電波)の更新を一旦受け、電波区間用CASカード30へ通知するなどしても良い。
【0052】
本発明はネットワークを用いて受信側のチューナを不要にしている。さらにこれらIP網を用いた実施例では、IPマルチキャストアドレスを指定するという簡易な方法で受信を可能にしている。
【0053】
本発明においては、受信機側においてもEMM(電波)、EMM(IP)をカードへ導く前にフィルタリングを行う必要がなくフィルタリング部が不要という効果もある。
【0054】
なお、この発明は上記実施例に限定されるものではなく、この外その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
また、上記した実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜に組み合わせることにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良いものである。さらに、異なる実施の形態に係る構成要素を適宜組み合わせても良いものである。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】この発明による一実施例の背景である地上デジタル放送の配信の概要図。
【図2】本発明による一実施例のヘッドエンド側(送信機側)を示すブロック構成図。
【図3】同実施例の関連情報(IP)のうちECMセクション構造を示す構成図。
【図4】同実施例の関連情報(IP)のうちEMMセクション構造を示す構成図。
【図5】同実施例の相互認証鍵暗号化共有のシーケンスチャート。
【図6】同実施例の受信機側を示すブロック構成図。
【図7】同実施例の動作フロー1。
【図8】同実施例の動作フロー2。
【図9】同実施例の動作フロー3。
【図10】同実施例の動作フロー4。
【図11】この発明のヘッドエンド側(送信機側)の第2の実施例を示すブロック構成図。
【図12】同実施例の受信機側を示すブロック構成図。
【図13】この発明のヘッドエンド側(送信機側)の第3の実施例を示すブロック構成図。
【図14】同実施例の受信機側を示すブロック構成図。
【符号の説明】
【0056】
1…受信アンテナ、2…チューナ、3…デマルチプレクサ、4,4a…フィルタリング部、5,5a…ID記憶部、6…電波区間用CASカード、7…MULTI2デスクランブラ、8…IP区間用スクランブラ、9…スクランブル鍵生成部、10…視聴者管理データベース、11…ECM化部、12…EMM化部、13…マルチプレクサ部、14…IP化部、15…EMM(電波)の記憶部、16…配信サーバ、17…ECM(電波)の記憶部、18…スクランブル鍵変換部、19…電波区間用CASカード、21…TS化部、22…デマルチプレクサ、25…IP区間用CASカード、26…IP区間用デスクランブラ、27…デマルチプレクサ、30…電波区間用CASカード、31…MULTI2デスクランブラ、32…デスクランブル鍵変換部。
【出願人】 【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
【出願日】 平成18年6月29日(2006.6.29)
【代理人】 【識別番号】100109900
【弁理士】
【氏名又は名称】堀口 浩


【公開番号】 特開2008−11206(P2008−11206A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−179916(P2006−179916)