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【発明の名称】 テレビジョン放送受信機、及び、テレビジョン放送受信方法
【発明者】 【氏名】青木 廣志

【氏名】木村 亘

【要約】 【課題】地上波デジタルTV放送と地上波アナログTV放送とが切り替わった際に視聴者が覚え得る違和感や不快感を軽減させる。

【構成】受信されたデジタルテレビジョン放送又はアナログテレビジョン放送の何れか一方の形式の信号を再生機器に選択的に出力する選択的出力手段と、選択的出力手段によりデジタルテレビジョン放送の信号が選択されたとき、当該信号に含まれる音声信号に所定のフィルタリング処理を施してその周波数応答特性をアナログテレビジョン放送の音声信号の周波数応答特性に近付けるフィルタリング処理手段とを具備したTV放送受信機を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サイマル方式のデジタルテレビジョン放送とアナログテレビジョン放送を受信するテレビジョン放送受信機において、
受信されたデジタルテレビジョン放送又はアナログテレビジョン放送の何れか一方の形式の信号を再生機器に選択的に出力する選択的出力手段と、
前記選択的出力手段によりデジタルテレビジョン放送の信号が選択されたとき、当該信号に含まれる音声信号に所定のフィルタリング処理を施してその周波数応答特性をアナログテレビジョン放送の音声信号の周波数応答特性に近付けるフィルタリング処理手段と、を具備したこと、を特徴とするテレビジョン放送受信機。
【請求項2】
前記フィルタリング処理手段は、デジタルテレビジョン放送の音声信号の周波数応答特性を、周波数成分が高くなるにつれて減衰率が高くなるように変換すること、を特徴とする請求項1に記載のテレビジョン放送受信機。
【請求項3】
デジタルテレビジョン放送の受信状態を判定する受信状態判定手段を更に具備し、
前記選択的出力手段は、デジタルテレビジョン放送の受信状態が良好であると判定されるときにはデジタルテレビジョン放送の信号を該再生機器に出力し、該受信状態が良好でないと判定されるときにはアナログテレビジョン放送の信号を該再生機器に出力すること、を特徴とする請求項1又は請求項2の何れかに記載のテレビジョン放送受信機。
【請求項4】
サイマル方式のデジタルテレビジョン放送とアナログテレビジョン放送を受信するテレビジョン放送受信機において、
デジタルテレビジョン放送の受信状態を判定する受信状態判定手段と、
受信されたデジタルテレビジョン放送又はアナログテレビジョン放送の何れか一方の形式の信号を再生機器に選択的に出力する選択的出力手段と、
前記選択的出力手段から出力される形式の信号を、前記受信状態判定手段の判定結果に応じたもの、又は、該判定結果に依存しないものの何れかに決定する出力決定手段と、を具備し、
該判定結果に応じたものと決定され且つ前記選択的出力手段によりデジタルテレビジョン放送の信号が選択されたときには、当該信号に含まれる音声信号に所定のフィルタリング処理を施してその周波数応答特性をアナログテレビジョン放送の音声信号の周波数応答特性に近付け、
該判定結果に依存しないものと決定され且つ前記選択的出力手段によりデジタルテレビジョン放送の信号が選択されたときには、当該信号に含まれる音声信号に該フィルタリング処理を施さないこと、を特徴とするテレビジョン放送受信機。
【請求項5】
移動体に備えられていること、を特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載のテレビジョン放送受信機。
【請求項6】
サイマル方式のデジタルテレビジョン放送とアナログテレビジョン放送を受信するテレビジョン放送受信方法において、
受信されたデジタルテレビジョン放送又はアナログテレビジョン放送の何れか一方の形式の信号を再生機器に選択的に出力する選択的出力ステップと、
前記選択的出力ステップによりデジタルテレビジョン放送の信号が選択されたとき、当該信号に含まれる音声信号に所定のフィルタリング処理を施してその周波数応答特性をアナログテレビジョン放送の音声信号の周波数応答特性に近付けるフィルタリング処理ステップと、を含むテレビジョン放送受信方法。
【請求項7】
前記フィルタリング処理ステップにおいて、デジタルテレビジョン放送の音声信号の周波数応答特性を、周波数成分が高くなるにつれて減衰率が高くなるように変換すること、を特徴とする請求項6に記載のテレビジョン放送受信方法。
【請求項8】
デジタルテレビジョン放送の受信状態を判定する受信状態判定ステップを更に含み、
前記選択的出力ステップにおいて、デジタルテレビジョン放送の受信状態が良好であると判定されるときにはデジタルテレビジョン放送の信号を該再生機器に出力し、該受信状態が良好でないと判定されるときにはアナログテレビジョン放送の信号を該再生機器に出力すること、を特徴とする請求項1又は請求項2の何れかに記載のテレビジョン放送受信方法。
【請求項9】
サイマル方式のデジタルテレビジョン放送とアナログテレビジョン放送を受信するテレビジョン放送受信方法において、
デジタルテレビジョン放送の受信状態を判定する受信状態判定ステップと、
受信されたデジタルテレビジョン放送又はアナログテレビジョン放送の何れか一方の形式の信号を再生機器に選択的に出力する選択的出力ステップと、
前記選択的出力ステップにおいて出力される形式の信号を、前記受信状態判定ステップでの判定結果に応じたもの、又は、該判定結果に依存しないものの何れかに決定する出力決定ステップと、
該判定結果に応じたものと決定され且つ前記選択的出力ステップでデジタルテレビジョン放送の信号が選択されたときには、当該信号に含まれる音声信号に所定のフィルタリング処理を施してその周波数応答特性をアナログテレビジョン放送の音声信号の周波数応答特性に近付け、又は、該判定結果に依存しないものと決定され且つ前記選択的出力ステップでデジタルテレビジョン放送の信号が選択されたときには、当該信号に含まれる音声信号に該フィルタリング処理を施さない選択的フィルタリング処理ステップと、を含むテレビジョン放送受信方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、サイマル方式のデジタルテレビジョン(以下、「テレビジョン」を「TV」と記す)放送とアナログTV放送を受信するTV放送受信機、及び、TV放送受信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、記録媒体や機器等において音声や映像をデジタル形式で処理/管理することが一般化している。このような記録媒体や機器等における音声や映像のデジタル符号化の趨勢は放送関連業界にも波及している。放送関連業界では、現在、地上波アナログTV放送から地上波デジタルTV放送への移行が進められている。
【0003】
この地上波デジタルTV放送は普及しつつある。しかし、TV放送を地上波アナログTV放送から地上波デジタルTV放送に移行させるためには大規模な設備投資、莫大な時間、労力、費用等が必要とされる。現在は移行を徐々に進めている段階であり、全国的には地上波デジタルTV放送を視聴可/不可な地域が散在するといった状況にある。また地上波デジタルTV放送を視聴するためにはそれに対応した機器が必要である。視聴者は、地上波デジタルTV放送を視聴するためには新たな機器を購入しなければならない。従って現段階でTV放送を地上波デジタルTV放送に一本化してしまうと、多くの視聴者がTV放送を視聴できなくなってしまう。これらの事情を鑑みて、現在、地上波デジタルTV放送と地上波アナログTV放送とのサイマル放送(すなわちデジタル及びアナログの両形式で同一時間に同一内容の番組を放送する方式)が実施されている。
【0004】
例えば車両に代表される移動体に搭載されたTV放送受信機では、地上波デジタルTV放送を視聴可/不可な地域が散在することが考慮されて、地上波デジタルTV放送と地上波アナログTV放送の両放送を受信できるよう設計されている。例えば下記特許文献1には、サイマル放送に対応したTV放送受信機が開示されている。下記特許文献1に記載のTV放送受信機は、地上波デジタルTV放送の受信信号(以下、「デジタル受信信号」と記す)のエラーレートが基準値を超えるか否かを監視する。エラーレートが基準値以下のときには地上波デジタルTV放送の受信状態が良好であるとして、デジタル受信信号を映像音声出力装置に出力する。一方、エラーレートが基準値を超えたときには地上波デジタルTV放送の受信状態が悪化したものとして、映像音声出力装置に対する出力を地上波アナログTV放送の受信信号(以下、「アナログ受信信号」と記す)に切り替える。すなわち下記特許文献1によれば、デジタル受信信号を優先的に出力し、地上波デジタルTV放送の受信状態が悪化したときに限りアナログ受信信号を出力するTV放送受信機が提供される。
【特許文献1】特許第3583963号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載のTV放送受信機においてエラーレートが基準値を跨いで変動する状態が継続する場合、映像音声出力装置に出力される受信信号が、デジタル受信信号かアナログ受信信号の何れかに頻繁に切り替わることが想定される。
【0006】
ここで、地上波デジタルTV放送と地上波アナログTV放送の各形式では音声信号の帯域幅が異なる。具体的には、地上波デジタルTV放送の帯域幅が20kHzを越えるのに対して、地上波アナログTV放送の帯域幅は15kHzを下回る。すなわち地上波デジタルTV放送は地上波アナログTV放送よりもダイナミックレンジが広く、高域音声成分を再現することが可能である。従って視聴者は、地上波デジタルTV放送を視聴したときに地上波アナログTV放送よりも音に広がりがあると感知し得る。
【0007】
例えば報道番組では高域音声成分が比較的弱い。これは、報道番組等の音声信号には地上波アナログTV放送で減衰され得る高域音声成分があまり含まれないことを意味する。このため地上波デジタルTV放送と地上波アナログTV放送とで再生される音声に差が生じ難い。従ってこのような番組を視聴する場合、視聴者は、地上波デジタルTV放送と地上波アナログTV放送との音の差(音の広がりやこもり具合の違い)をあまり感じないと考えられる。
【0008】
これに対して例えば音楽番組では高域音声成分が強く現れ得る。これは、音楽番組等の音声信号には地上波アナログTV放送で減衰され得る高域音声成分が多く含まれることを意味する。このため地上波デジタルTV放送の音声には、地上波アナログTV放送で再生できない高域の音声が多く含まれてしまう。従ってこのような番組を視聴する場合、視聴者は、地上波デジタルTV放送と地上波アナログTV放送との音の差を明瞭に感じると考えられる。
【0009】
映像音声出力装置に出力される音声が地上波デジタルTV放送か地上波アナログTV放送の何れかに頻繁に切り替わった場合、視聴者は各放送における音の差に起因して、番組の音域が急に広がったと感じたり番組の音が急にこもったと感じたりすることがある。このような音質の変化が短い期間で頻繁に起こってしまうと、視聴者に違和感や不快感を与え得る。
【0010】
そこで、本発明は上記の事情に鑑みて、地上波デジタルTV放送と地上波アナログTV放送とが切り替わった際に視聴者が覚え得る違和感や不快感を軽減させることができるTV放送受信機及びTV放送受信方法を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決する本発明の一態様に係るTV放送受信機は、サイマル方式のデジタルTV放送とアナログTV放送を受信する受信機に関するものである。このTV放送受信機は、受信されたデジタルTV放送又はアナログTV放送の何れか一方の形式の信号を再生機器に選択的に出力する選択的出力手段と、選択的出力手段によりデジタルTV放送の信号が選択されたとき、当該信号に含まれる音声信号に所定のフィルタリング処理を施してその周波数応答特性をアナログTV放送の音声信号の周波数応答特性に近付けるフィルタリング処理手段とを具備したことを特徴としたものである。
【0012】
このように構成されたTV放送受信機によれば、デジタルTV放送の音声信号の周波数応答特性がアナログTV放送の音声信号の周波数応答特性に近付けられる。これにより、再生される形式が切り替わっても音質の変化が軽減されるため、視聴者に与え得る違和感や不快感を軽減させることができる。
【0013】
なお上記TV放送受信機においてフィルタリング処理手段が、デジタルTV放送の音声信号の周波数応答特性を、周波数成分が高くなるにつれて減衰率が高くなるように変換しても良い。
【0014】
また上記TV放送受信機は、例えばデジタルTV放送の受信状態を判定する受信状態判定手段を更に具備したものであっても良い。この場合、上記選択的出力手段は、デジタルTV放送の受信状態が良好であると判定されるときにはデジタルTV放送の信号を該再生機器に出力し、該受信状態が良好でないと判定されるときにはアナログTV放送の信号を該再生機器に出力するよう動作する。
【0015】
また上記の課題を解決する本発明の別の態様に係るTV放送受信機は、サイマル方式のデジタルTV放送とアナログTV放送を受信する受信機に関するものである。このTV放送受信機は、デジタルTV放送の受信状態を判定する受信状態判定手段と、受信されたデジタルTV放送又はアナログTV放送の何れか一方の形式の信号を再生機器に選択的に出力する選択的出力手段と、選択的出力手段から出力される形式の信号を、受信状態判定手段の判定結果に応じたもの、又は、該判定結果に依存しないものの何れかに決定する出力決定手段とを具備し、該判定結果に応じたものと決定され且つ選択的出力手段によりデジタルTV放送の信号が選択されたときには、当該信号に含まれる音声信号に所定のフィルタリング処理を施してその周波数応答特性をアナログTV放送の音声信号の周波数応答特性に近付け、該判定結果に依存しないものと決定され且つ選択的出力手段によりデジタルTV放送の信号が選択されたときには、当該信号に含まれる音声信号に該フィルタリング処理を施さないことを特徴としたものである。
【0016】
ここで、上記TV放送受信機は例えば移動体に備えられたものであっても良い。
【0017】
また上記の課題を解決する本発明の一態様に係るTV放送受信方法は、サイマル方式のデジタルTV放送とアナログTV放送を受信する方法に関するものである。このTV放送受信方法は、受信されたデジタルTV放送又はアナログTV放送の何れか一方の形式の信号を再生機器に選択的に出力する選択的出力ステップと、選択的出力ステップによりデジタルTV放送の信号が選択されたとき、当該信号に含まれる音声信号に所定のフィルタリング処理を施してその周波数応答特性をアナログTV放送の音声信号の周波数応答特性に近付けるフィルタリング処理ステップとを含む方法である。
【0018】
このようなTV放送受信方法によれば、デジタルTV放送の音声信号の周波数応答特性がアナログTV放送の音声信号の周波数応答特性に近付けられる。これにより、再生される形式が切り替わっても音質の変化が軽減されるため、視聴者に与え得る違和感や不快感を軽減させることができる。
【0019】
なお上記フィルタリング処理ステップにおいて、デジタルTV放送の音声信号の周波数応答特性を、周波数成分が高くなるにつれて減衰率が高くなるように変換しても良い。
【0020】
また上記TV放送受信方法は、例えばデジタルTV放送の受信状態を判定する受信状態判定ステップを更に含んだものであっても良い。この場合、選択的出力ステップにおいて、デジタルTV放送の受信状態が良好であると判定されるときにはデジタルTV放送の信号が該再生機器に出力され、該受信状態が良好でないと判定されるときにはアナログTV放送の信号が該再生機器に出力され得る。
【0021】
また上記の課題を解決する本発明の別の態様に係るTV放送受信方法は、サイマル方式のデジタルTV放送とアナログTV放送を受信する方法に関するものである。このTV放送受信方法は、デジタルTV放送の受信状態を判定する受信状態判定ステップと、受信されたデジタルTV放送又はアナログTV放送の何れか一方の形式の信号を再生機器に選択的に出力する選択的出力ステップと、選択的出力ステップにおいて出力される形式の信号を、受信状態判定ステップでの判定結果に応じたもの、又は、該判定結果に依存しないものの何れかに決定する出力決定ステップと、該判定結果に応じたものと決定され且つ選択的出力ステップでデジタルTV放送の信号が選択されたときには、当該信号に含まれる音声信号に所定のフィルタリング処理を施してその周波数応答特性をアナログTV放送の音声信号の周波数応答特性に近付け、又は、該判定結果に依存しないものと決定され且つ選択的出力ステップでデジタルTV放送の信号が選択されたときには、当該信号に含まれる音声信号に該フィルタリング処理を施さない選択的フィルタリング処理ステップとを含む方法である。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係るTV放送受信機及びTV放送受信方法によれば、デジタルTV放送の音声信号の周波数応答特性をアナログTV放送の音声信号の周波数応答特性に近付けるようフィルタリング処理することにより、地上波デジタルTV放送と地上波アナログTV放送とが切り替わった際に視聴者が覚え得る違和感や不快感を軽減させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態のTV放送受信機の構成及び作用について説明する。
【0024】
図1は、本発明の実施の形態のTV放送受信機を具備した映像音声出力装置100の構成を示したブロック図である。映像音声出力装置100は例えば移動体である車両に搭載されている。映像音声出力装置100はサイマル放送に対応したものであり、地上波デジタルTV放送及び地上波アナログTV放送の両方を受信して処理できるよう設計されている。
【0025】
映像音声出力装置100は、制御部10、デジタルTV用アンテナ11、デジタルTV用チューナ12、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)復調部13、MPEG(Moving Picture Experts Group)デコーダ14、ビデオドライバ15、D端子接続部16、音声D/Aコンバータ21、ディエンファシス(de-emphasis)フィルタ22、音声切替スイッチ23、オーディオアンプ24、アナログTV用アンテナ31、アナログTV用チューナ32、デジタルビデオフォーマット変換部33、音声多重復調部34、メモリ40、ディスプレイ50、スピーカ60R、60L、及び、受光部70を具備する。
【0026】
リモート・コントローラ(以下、「リモコン」と記す)80には映像音声出力装置100を操作するための操作キーが設けられている。ユーザがリモコン80を操作すると、その操作に応じた制御パルスがリモコン80から出力される。この制御パルスは例えばIrDA規格に準拠した信号である。受光部70はこの制御パルスを受信すると、それを制御部10に受け渡す。なおリモコン80が操作されているときには、例えばディスプレイ50の表示が操作画面に切り替わるようにしても良く、或いは、操作に関する文字情報がディスプレイ50に表示中の画像に重畳表示されるようにしても良い。
【0027】
制御部10は映像音声出力装置100全体の統括的な制御を司る。制御部10は、例えば自己に実装された各種プログラム及び受光部70からの制御パルスに基づいて各構成要素を制御するよう動作する。
【0028】
ここで、映像音声出力装置100における一連の信号処理について説明する。
【0029】
先ず、デジタル受信信号の信号処理について説明する。デジタルTV用アンテナ11は、地上波デジタルTV放送の各チャンネルのRF(Radio Frequency)信号を受信する機能を有する。デジタルTV用アンテナ11で受信された各RF信号は、デジタルTV用チューナ12に入力する。
【0030】
デジタルTV用チューナ12は、入力された各RF信号の中から制御部10により指定されたチャンネル(以下、「指定チャンネル」と記す)のRF信号を選択して周波数変換を行う。具体的には、安定動作や選択特性が改善される中間周波数すなわちIF(Intermediate Frequency)信号に変換する。周波数変換後のIF信号は、図示しないBPF(Band Pass Filter)により不要な周波数成分が除去された後、OFDM復調部13に入力する。
【0031】
デジタルTV用チューナ12で選択されるチャンネルは、ユーザ・オペレーションによる選局に従って決定される。具体的には、ユーザがリモコン80を操作して選局を行うと、その操作に応じた制御パルスがリモコン80から出力される。受光部70がこの制御パルスを受信して制御部10に受け渡すと、制御部10は、指定チャンネルのRF信号を選択するようデジタルTV用チューナ12に命令を出す。デジタルTV用チューナ12はこの命令に従ってチューニング処理を実行する。
【0032】
なお制御部10は、デジタルTV用チューナ12に命令を出すと共に指定チャンネルの情報をメモリ40に書き込む。従ってメモリ40には、常に、ユーザが最後に選択したチャンネルの情報(以下、「ラストチャンネル」と記す)を保持されることになる。ユーザによる選局操作が行われていない場合(例えば電源投入直後等)、制御部10はメモリ40を参照して、ラストチャンネルに対応するRF信号を選択するようデジタルTV用チューナ12に命令を出す。
【0033】
OFDM復調部13は、入力されたIF信号をA/D変換してデジタル信号に変換する。次いで、変換されたデジタル信号を例えば数千のキャリアに分割し、各キャリア毎に位相を合わせて合成(例えば周知の最大比合成)処理を行った上で復調する。これにより、MPEG−2トランスポートストリーム信号(以下、「TS信号」と記す)が得られる。このTS信号はMPEGデコーダ14に出力される。またOFDM復調部13は、デジタル受信信号の品質を表すBER(Bit Error Rate)を制御部10に受け渡す。
【0034】
MPEGデコーダ14には入力ポートが2つ設けられている。一方の入力ポート(以下、「第一MPEGポート」と記す)はOFDM復調部13に接続されている。もう一方の入力ポート(以下、「第二MPEGポート」と記す)はデジタルビデオフォーマット変換部33に接続されている。MPEGデコーダ14は制御部10の命令に従って、何れか一方の入力ポートに入力される信号に対して処理を実行する。ここではMPEGデコーダ14は、第一MPEGポートに入力されるTS信号に対して処理を加えるよう命令を受けているものとする。この場合MPEGデコーダ14は、第一MPEGポートに入力されたTS信号をデコードする。これによりTS信号が、デジタルTV放送の映像信号及びデジタルフォーマットの音声信号にデコードされる。この映像信号は例えば輝度信号(Y)及び色差信号(Pb、Pr)から成る。デコードされた映像信号はビデオドライバ15に出力される。また音声信号は音声D/Aコンバータ21に出力される。
【0035】
デジタルTV放送の映像信号は、ビデオドライバ15により増幅・出力されてインピーダンス75Ωのケーブルで伝送される。ビデオドライバ15から出力された映像信号は、D端子接続部16を介してディスプレイ50に入力する。これにより、地上波デジタルTV放送の番組がディスプレイ50の画面に表示される。
【0036】
音声D/Aコンバータ21は、MPEGデコーダ14からの音声信号をD/A変換して音声切替スイッチ23に出力する。この音声D/Aコンバータ21にはディエンファシスフィルタ22が内蔵されている。ディエンファシスフィルタ22は制御部10からの命令に従ってその機能がオン/オフする。ディエンファシスフィルタ22の機能がオンされている場合、D/A変換された音声信号は所定のフィルタリング処理を施されて音声切替スイッチ23に出力される。またディエンファシスフィルタ22の機能がオフされている場合、D/A変換された音声信号は上記フィルタリング処理を施されることなく音声切替スイッチ23に出力される。このフィルタリング処理については後に詳説する。
【0037】
音声切替スイッチ23には入力ポートが2つ設けられている。一方の入力ポートは音声D/Aコンバータ21に接続されている。もう一方の入力ポートは音声多重復調部34に接続されている。音声切替スイッチ23は制御部10の命令に従ってスイッチング動作し、何れか一方の入力ポートに入力される音声信号をオーディオアンプ24に出力する。ここでは音声切替スイッチ23は、音声D/Aコンバータ21とオーディオアンプ24を接続するようスイッチング制御されているものとする。
【0038】
オーディオアンプ24は音声切替スイッチ23からの音声信号を増幅してスピーカ60R及び60Lに出力する。これにより、地上波デジタルTV放送の番組の音声がスピーカ60R及び60Lで再生される。
【0039】
次に、アナログ受信信号の信号処理について説明する。アナログTV用アンテナ31は、地上波アナログTV放送の各チャンネルのRF信号を受信する機能を有する。アナログTV用アンテナ31で受信された各RF信号は、アナログTV用チューナ32に入力する。
【0040】
ここで、メモリ40にはチャンネルマップが格納されている。このチャンネルマップはサイマル放送に対応した周波数マップであり、地上波デジタルTV放送のチャンネルと、そのチャンネルと同一時間に同一番組を放送している地上波アナログTV放送のチャンネルとの対応関係を表したデータである。
【0041】
制御部10は、指定チャンネル又はラストチャンネルを選択するようデジタルTV用チューナ12に命令を出したとき、アナログTV用チューナ32にも同様の命令を出す。より詳細には、制御部10はメモリ40のチャンネルマップを読み込んで、指定チャンネル又はラストチャンネルに対応した地上波アナログTV放送のチャンネル情報を取得する。そして取得された地上波アナログTV放送のチャンネルを選択するようアナログTV用チューナ32に命令を出す。
【0042】
アナログTV用チューナ32は、入力された各RF信号の中から制御部10により指定されたチャンネルのRF信号を選択してIF信号に変換する。次いで、周波数変換後のIF信号を映像信号及び音声信号に分離する。アナログTV用チューナ32は、分離された映像信号をコンポジット映像信号に復調してデジタルビデオフォーマット変換部33に出力する。また、分離された音声信号を多重化音声信号に復調して音声多重復調部34に出力する。
【0043】
デジタルビデオフォーマット変換部33は、アナログ形式であるコンポジット映像信号をデジタルビデオフォーマット信号(輝度信号(Y)及び色差信号(Cb、Cr)から成る信号)に変換してMPEGデコーダ14に出力する。
【0044】
ここではMPEGデコーダ14は、第二MPEGポートに入力されるデジタルビデオフォーマット信号に対して処理を加えるように制御部10から命令を受けているものとする。この場合MPEGデコーダ14は、第二MPEGポートに入力されたデジタルビデオフォーマット信号をデコードする。これにより、デジタルビデオフォーマット信号が、アナログTV放送の映像信号(輝度信号(Y)及び色差信号(Pb、Pr)から成る信号)にデコードされる。デコードされた映像信号はビデオドライバ15に出力される。
【0045】
アナログTV放送の映像信号はビデオドライバ15により増幅・出力されてインピーダンス75Ωのケーブルで伝送される。そして、D端子接続部16を介してディスプレイ50に入力する。これにより、地上波アナログTV放送の番組がディスプレイ50の画面に表示される。
【0046】
音声多重復調部34は、アナログTV用チューナ32からの音声信号を復調して音声切替スイッチ23に出力する。ここでは音声切替スイッチ23は、音声多重復調部34とオーディオアンプ24を接続するようスイッチング制御されているものとする。従って音声多重復調部34からの音声信号は、音声切替スイッチ23を介してオーディオアンプ24に受け渡される。この音声信号がオーディオアンプ24により増幅されてスピーカ60R及び60Lに出力されると、地上波アナログTV放送の番組の音声がスピーカ60R及び60Lにより再生される。
【0047】
ここで、映像音声出力装置100では、リモコン80を用いたユーザ・オペレーションによりハイブリッド機能のオン/オフを設定することができる。このハイブリッド機能は地上波デジタルTV放送の受信状態に応じて、ディスプレイ50に出力すべき映像信号(及びスピーカ60R、60Lに出力すべき音声信号)を地上波デジタルTV放送又は地上波アナログTV放送の何れか一方に切り替える機能である。
【0048】
ハイブリッド機能がオンされて且つ地上波デジタルTV放送の受信状態が良好であるときには、当該地上波デジタルTV放送による番組がディスプレイ50及び各スピーカから出力される。また地上波デジタルTV放送の受信状態が悪化したときには、地上波アナログTV放送による番組がディスプレイ50及び各スピーカで再生される。
【0049】
一方、ハイブリッド機能がオフされている場合、地上波デジタルTV放送の受信状態に拘わらず地上波デジタルTV放送(又は地上波アナログTV放送)による映像がディスプレイ50に表示され、その音声がスピーカ60R及び60Lで再生される。
【0050】
なお制御部10は、ハイブリッド機能設定の制御パルスを受光部70から受け取ったとき、当該機能がオン又はオフに設定されたことをメモリ40に書き込む。従ってメモリ40には、常に、ユーザが上記機能をオン又はオフの何れに設定したかを示す最新の情報(以下、「ラスト機能設定」と記す)を保持されることになる。
【0051】
次に、本実施形態の映像音声出力装置100におけるTV放送番組再生処理について説明する。図2に、映像音声出力装置100におけるTV放送番組再生処理のフローチャートを示す。
【0052】
図2のフローチャートの処理は、例えば映像音声出力装置100の電源(不図示)がオンされた時点で開始され、当該電源がオフされた時点で終了する。この処理は所定のタイミング毎に実行される。
【0053】
映像音声出力装置100の電源がオンされると、制御部10は例えばメモリ40に格納されたラストチャンネル及びチャンネルマップに基づいて、デジタルTV用チューナ12及びアナログTV用チューナ32を制御する。次いで、メモリ40に格納されたラスト機能設定を参照して、ハイブリッド機能がオンされているか否かを判定する(ステップ1、以下、明細書及び図面においてステップを「S」と略記)。
【0054】
ハイブリッド機能がオフされていると判定されるとき(S1:NO)、制御部10は、ディスプレイ50及び各スピーカにより、地上波デジタルTV放送又は地上波アナログTV放送の何れの形式で番組を再生すべきかを判定する(S2)。何れの形式で番組を再生すべきかについては、例えばユーザ・オペレーションにより任意に設定することができる。
【0055】
S2の処理において地上波デジタルTV放送の番組を再生すべきと判定されるとき(S2:デジタル)、制御部10は、ディエンファシスフィルタ22を制御してそのフィルタリング機能をオフにする(S3)。更に、音声切替スイッチ23を制御して音声D/Aコンバータ21とオーディオアンプ24を接続する(S4)。
【0056】
制御部10はS4の処理に次いで、デジタル受信信号に対する処理を実行する(S5)。具体的には、制御部10は、デジタルTV用チューナ12、OFDM復調部13、MPEGデコーダ14等を制御して上述した一連の信号処理を実行する。次いで、一連の信号処理された映像信号がビデオドライバ15、D端子接続部16を介してディスプレイ50で再生される。また一連の信号処理された音声信号が音声D/Aコンバータ21に入力する。ここではディエンファシスフィルタ22のフィルタリング機能がオフされているため、上記音声信号はD/A変換されてフィルタリング処理を施されることなく音声切替スイッチ23に出力される。S4の処理において音声切替スイッチ23が音声D/Aコンバータ21とオーディオアンプ24とを接続しているため、音声D/Aコンバータ21からの音声信号がオーディオアンプ24に入力する。次いで、オーディオアンプ24における増幅処理を経て、地上波デジタルTV放送の番組の音声がスピーカ60R及び60Lで再生される。制御部10は所定のタイミング後、S1の処理に復帰する。
【0057】
S2の処理において地上波アナログTV放送の番組を再生すべきと判定されるとき(S2:アナログ)、制御部10は、音声切替スイッチ23を制御して音声多重復調部34とオーディオアンプ24を接続する(S6)。
【0058】
制御部10はS6の処理に次いで、アナログ受信信号に対する処理を実行する(S7)。具体的には、制御部10は、アナログTV用チューナ32を制御してコンポジット映像信号を得る。次いで、デジタルビデオフォーマット変換部33、MPEGデコーダ14等を制御して上述した一連の信号処理を実行する。最後に、信号処理された映像信号がビデオドライバ15、D端子接続部16を介してディスプレイ50で再生される。また制御部10は、アナログTV用チューナ32及び音声多重復調部34を制御して信号処理を行う。次いで、信号処理された音声信号が音声切替スイッチ23に入力する。S6の処理において音声切替スイッチ23が音声多重復調部34とオーディオアンプ24とを接続しているため、音声多重復調部34からの音声信号がオーディオアンプ24に入力する。次いで、オーディオアンプ24における増幅処理を経て、地上波アナログTV放送の番組の音声がスピーカ60R及び60Lで再生される。制御部10は所定のタイミング後、S1の処理に復帰する。
【0059】
またS1の処理においてハイブリッド機能がオンされていると判定されるとき(S1:YES)、制御部10は、OFDM復調部13から受け渡されるBERが所定の閾値より高いか否かを判定する(S8)。ここでいう所定の閾値とは、例えば受信限界(地上波デジタルTV放送の受信強度が低下して当該放送の音声・映像を正常に出力できない状態)におけるBERに相当するものである。
【0060】
S8の処理においてBERが所定の閾値よりも高いと判定されるとき(S8:YES)、制御部10は、地上波デジタルTV放送の受信状態が悪く、地上波デジタルTV放送の番組をディスプレイ50で表示できないと判断してS6の処理に進む。すなわちディスプレイ50及び各スピーカで再生する番組を地上波デジタルTV放送から地上波アナログTV放送に切り替える。
【0061】
またS8の処理においてBERが所定の閾値以下と判定されるとき(S8:NO)、制御部10は、地上波デジタルTV放送の受信状態が良好であると判断してS9の処理に進む。なおOFDM復調部13が制御部10にBERを受け渡すタイミングは定期的であっても良く、或いは、S8の処理が実行される時であっても良い。
【0062】
S9の処理において制御部10は、ディエンファシスフィルタ22を制御してそのフィルタリング機能をオンにする。次いでS4及び5の処理を実行して地上波デジタルTV放送の番組をディスプレイ50及び各スピーカで再生させ、所定のタイミング後にS1の処理に復帰する。
【0063】
すなわち図2のフローチャートの処理によれば、ハイブリッド機能がオフされているときには、ユーザの任意の設定により地上波デジタルTV放送又は地上波アナログTV放送の何れかの形式で番組が再生される。またハイブリッド機能がオンされているときには、地上波デジタルTV放送の受信状態が良好であれば当該形式で番組が再生される。一方、地上波デジタルTV放送の受信状態が悪化していれば地上波アナログTV放送の形式で番組が再生される。
【0064】
ここで、図3に、各形式の音声の周波数応答特性を示す。図3の曲線Dはハイブリッド機能オフ時における地上波デジタルTV放送の音声の周波数応答特性である。また曲線Dはハイブリッド機能オン時における地上波デジタルTV放送の音声の周波数応答特性である。また曲線Aは地上波アナログTV放送の音声の周波数応答特性である。図3の縦軸はスピーカ60R及び60Lにおける音声出力のレベルを示す。また横軸は周波数を示す。ここで、視聴者の耳では出力レベルが−20dB程度を下回る音声を聴き取ることができないとする。このような場合、地上波アナログTV放送の帯域幅Wは図3に示されるように15kHz程度となる。一方で地上波デジタルTV放送の帯域幅Wは20kHzを上回る。
【0065】
ハイブリッド機能オン時には、ディスプレイ50及び各スピーカで再生される番組は、上述したように地上波デジタルTV放送の受信状態に応じて、地上波デジタルTV放送又は地上波アナログTV放送の何れかの形式に自動的に切り替わる。図3に示されるように、スピーカ60R及び60Lで再生される音声成分のうち低域側では地上波デジタルTV放送と地上波アナログTV放送の周波数応答特性に顕著な差は見られない。ところが、高域側では地上波アナログTV放送の減衰率が地上波デジタルTV放送の減衰率に比べて著しく高くなる。附言するに、高域側になるにつれて両者の周波数応答特性に顕著な差が出てくる。
【0066】
ハイブリッド機能オン時において再生形式が切り替わると、スピーカ60R及び60Lで再生される帯域幅が周波数応答特性の差に依存して変化する。従って視聴者は、再生形式が切り替わる度に、番組の音域が急に広がったと感じたり番組の音が急にこもったと感じたりすることがある。本実施形態では、地上波デジタルTV放送における高域側の周波数成分を減衰させて、ハイブリッド機能オン時における両形式の周波数応答特性の差を低減している。具体的には、制御部10が、図2に示されたS9の処理においてディエンファシスフィルタ22のフィルタリング機能をオンする。
【0067】
ディエンファシスフィルタ22のフィルタリング機能がオフされているとき、地上波デジタルTV放送の周波数応答特性は全帯域で略一定である(曲線D参照)。これに対して地上波アナログTV放送の周波数応答特性は、高域になるにつれて徐々に減衰して、15kHzを越える辺りで−20dBを下回る(曲線A参照)。すなわちこの場合、両形式における周波数応答特性の差は顕著である。
【0068】
ディエンファシスフィルタ22のフィルタリング機能がオンされると、MPEGデコーダ14でデコードされた地上波デジタルTV放送の音声信号は、その周波数応答特性が高域になるにつれて徐々に減衰するようフィルタリング処理を施される(曲線D参照)。すなわち地上波デジタルTV放送の周波数応答特性がフィルタリング処理により地上波アナログTV放送の周波数応答特性に近付けられる。従ってこの場合、地上波デジタルTV放送と地上波アナログTV放送との周波数応答特性の差が低減する。この結果、視聴者は、再生形式が切り替わっても番組の音域が急に広がったと感じたり番組の音が急にこもったと感じたりすることが少なくなる。例えば高域音声成分が多く含まれる番組(例えば音楽番組等)において再生形式が切り替わったとしても、視聴者がその音声について違和感や不快感を覚えることが少なくなり、その効果は顕著であると言える。
【0069】
また本実施形態では、上述したようにハイブリッド機能オフ時は再生形式の切替処理が実行されない。例えばハイブリッド機能オフ時において再生形式が地上波デジタルTV放送に設定されているとき、制御部10は、ディエンファシスフィルタ22のフィルタリング機能をオフする。これにより、地上波デジタルTV放送の周波数応答特性が全帯域で略一定となり、番組に含まれる高域音声成分(例えば15kHz以上)もスピーカ60R及び60Lで再生されるようになる。つまり、スピーカ60R及び60Lで再生される音声が広がり(臨場感)を持ったものとなる。
【0070】
すなわち本実施形態では、再生形式の切替に依存した違和感や不快感が起こり得ない状況では地上波デジタルTV放送の音声信号にフィルタリング処理を施さない。従ってこの場合、視聴者は、地上波デジタルTV放送本来の音質の良さを享受して番組を楽しむことができる。
【0071】
以上が本発明の実施形態である。本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく様々な範囲で変形が可能である。
【0072】
なお、本実施形態のTV放送受信機を具備した映像音声出力装置は車載されたものであるが、別の実施の形態では人が携帯するような機器であっても良い。
【0073】
また図2のS2の処理の代替として、S8の処理と同様にBERに基づいて出力形式を決定するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の実施の形態のTV放送受信機を具備した映像音声出力装置の構成を示したブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態の映像音声出力装置におけるTV放送番組再生処理を示したフローチャートである。
【図3】各形式の音声の周波数応答特性を示す。
【符号の説明】
【0075】
10 制御部
11 デジタルTV用アンテナ
12 デジタルTV用チューナ
13 OFDM復調部
14 MPEGデコーダ
15 ビデオドライバ
16 D端子接続部
21 音声D/Aコンバータ
22 ディエンファシスフィルタ
23 音声切替スイッチ
24 オーディオアンプ
31 アナログTV用アンテナ
32 アナログTV用チューナ
33 デジタルビデオフォーマット変換部
34 音声多重復調部
40 メモリ
50 ディスプレイ
60R、60L スピーカ
70 受光部
80 リモコン
100 映像音声出力装置
【出願人】 【識別番号】000001487
【氏名又は名称】クラリオン株式会社
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
【識別番号】501348139
【氏名又は名称】株式会社 エイチ・シー・エックス
【出願日】 平成18年6月28日(2006.6.28)
【代理人】 【識別番号】100078880
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 修平


【公開番号】 特開2008−11019(P2008−11019A)
【公開日】 平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願番号】 特願2006−177770(P2006−177770)