| 【発明の名称】 |
映像信号符号化装置、映像信号復号化装置、映像信号符号化プログラム及び映像信号復号化プログラム |
| 【発明者】 |
【氏名】嶋内 和博
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| 【要約】 |
【課題】従来はプレディクション処理において、Lフレームにフィルタ処理を施したブロックとフィルタ処理を施していないブロックが混在し、局所的な画質の差が生じることがある。
【構成】ベースレイヤローカルデコード信号を解像度インターポレーションして得られた映像信号とME/MC処理した信号とがそれぞれ重みWの値に応じて混合された信号に対してフィルタリング部411Dによるフィルタリングが行われてHフレームが生成され、また、そのHフレームに重みWで重み付けした信号に対してアップデート処理を行ってLフレームを生成するため、Lフレームに時間方向の成分のみを反映させることができる。Lフレームに常にフィルタリング部411Dによるフィルタ処理を施したブロックが存在する。これにより、解像度間の予測をしつつ、時間方向の帯域分割を実現できる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 入力映像信号に対して補償時間方向フィルタ処理を行って、2つの分割周波数帯域にサブバンド分割された低域側分割周波数帯域のLフレームと高域側分割周波数帯域のHフレームとからなるフレーム列信号を生成し、そのフレーム列信号に対して直交変換・量子化及びエントロピー符号化を行って得た第1の符号化信号を、前記入力映像信号よりも低解像度の映像信号を符号化した第2の符号化信号と共に出力する映像信号符号化装置であって、 前記入力映像信号を所定の比率で空間−時間縮小し、前記入力映像信号とは異なる空間−時間解像度を持つ低解像度映像信号を生成する縮小手段と、 前記低解像度映像信号を符号化して前記第2の符号化信号を生成する符号化手段と、 前記第2の符号化信号を局部復号して局部復号信号を生成する局部復号手段と、 前記局部復号信号を前記縮小手段とは逆の比率で空間解像度拡大し、高空間解像度映像信号を生成する拡大手段と、 前記入力映像信号の時間方向に存在する異なる複数のフレームの内の一つを基準フレームとして前記複数のフレームの内の他のフレームの動きを推定して、前記基準フレームと前記他のフレームの対応する各ブロックの相対位置関係を示す動き情報を取得し、その動き情報に基づいて前記他のフレームの動きを補償する動き推定/補償手段と、 前記動き推定/補償手段により動き補償された前記入力映像信号に、第1の重みにより重み付けを行う第1の重み付け手段と、 前記局部復号信号から前記拡大手段により生成された前記高空間解像度映像信号に、前記第1の重みを用いて算出した第2の重みにより重み付けを行う第2の重み付け手段と、 前記第1及び第2の重み付け手段により重み付けされたそれぞれの信号に対して、合成及びフィルタリングを行って前記Hフレームを生成する第1の処理手段と、 前記第1の処理手段により生成された前記Hフレームに前記第1の重みにより重み付けを行う第3の重み付け手段と、 前記第3の重み付け手段により重み付けされた前記Hフレームに対して、前記動き推定/補償手段によって取得した前記動き情報を逆方向に適用して動き補償した後フィルタリングして前記Lフレームを生成する第2の処理手段と、 前記第1及び第2の処理手段によりそれぞれ生成された前記Hフレームと前記Lフレームを合成して前記フレーム列信号を生成して出力するフレーム列信号生成手段と、 前記フレーム列信号生成手段により生成された前記フレーム列信号に対して直交変換・量子化及びエントロピー符号化を行って前記第1の符号化信号を生成するフレーム列信号符号化手段と を有することを特徴とする映像信号符号化装置。 【請求項2】 入力映像信号に対して補償時間方向フィルタ処理を行って、2つの分割周波数帯域にサブバンド分割された低域側分割周波数帯域のLフレームと高域側分割周波数帯域のHフレームとからなるフレーム列信号を生成し、そのフレーム列信号に対して直交変換・量子化及びエントロピー符号化を行って得た第1の符号化信号を、前記入力映像信号よりも低解像度の映像信号を符号化した第2の符号化信号と共に出力する動作を、コンピュータにより実行させる映像信号符号化プログラムであって、 前記コンピュータを、 前記入力映像信号を所定の比率で空間−時間縮小し、前記入力映像信号とは異なる空間−時間解像度を持つ低解像度映像信号を生成する縮小手段と、 前記低解像度映像信号を符号化して前記第2の符号化信号を生成する符号化手段と、 前記符号化信号を局部復号して局部復号信号を生成する局部復号手段と、 前記局部復号信号を前記縮小手段とは逆の比率で空間解像度拡大し、高空間解像度映像信号を生成する拡大手段と、 前記入力映像信号の時間方向に存在する異なる複数のフレームの内の一つを基準フレームとして前記複数のフレームのうちの他のフレームの動きを推定して、前記基準フレームと前記他のフレームの対応する各ブロックの相対位置関係を示す動き情報を取得し、その動き情報に基づいて前記他のフレームの動きを補償する動き推定/補償手段と、 前記動き推定/補償手段により動き補償された前記入力映像信号に、第1の重みにより重み付けを行う第1の重み付け手段と、 前記局部復号信号から前記拡大手段により生成された前記高空間解像度映像信号に、前記第1の重みを用いて算出した第2の重みにより重み付けを行う第2の重み付け手段と、 前記第1及び第2の重み付け手段により重み付けされたそれぞれの信号に対して、合成及びフィルタリングを行って前記Hフレームを生成する第1の処理手段と、 前記第1の処理手段により生成された前記Hフレームに前記第1の重みにより重み付けを行う第3の重み付け手段と、 前記第3の重み付け手段により重み付けされた前記Hフレームに対して、前記動き推定/補償手段によって取得した前記動き情報を逆方向に適用して動き補償した後フィルタリングして前記Lフレームを生成する第2の処理手段と、 前記第1及び第2の処理手段によりそれぞれ生成された前記Hフレームと前記Lフレームを合成して前記フレーム列信号を生成して出力するフレーム列信号生成手段と、 前記フレーム列信号生成手段により生成された前記フレーム列信号に対して直交変換・量子化及びエントロピー符号化を行って前記第1の符号化信号を生成するフレーム列信号符号化手段と して機能させることを特徴とする映像信号符号化プログラム。 【請求項3】 請求項1記載の映像信号符号化装置より出力された、又は請求項2記載の映像信号符号化プログラムにより生成された、前記第1及び第2の符号化信号と前記動き情報と前記第1乃至第3の重みを示す重み情報からなる信号を受信して復号化する映像信号復号化装置であって、 前記第1及び第2の符号化信号を受信してそれぞれ分離する受信手段と、 前記受信手段からの前記第1の符号化信号をエントロピー復号化した後、逆量子化・逆直交変換して前記Hフレーム及び前記Lフレームを復号する第1の復号手段と、 前記受信手段からの前記第2の符号化信号を復号して前記低解像度映像信号を生成する第2の復号手段と、 前記第2の復号手段により復号された前記低解像度映像信号を空間解像度拡大し、高空間解像度映像信号を生成する拡大手段と、 前記第1の復号手段からの前記Hフレームに、受信した前記重み情報から得た前記第1の重みにより重み付けする第1の重み付け手段と、 前記第1の重み付け手段により重み付けされた前記Hフレーム又は復号映像信号に対して、前記受信手段によって受信した前記動き情報を逆方向に適用して動き補償した後フィルタリングして第1の復号信号を生成する第1の処理手段と、 前記第1の復号信号を、前記受信手段によって受信した前記動き情報を適用して動き補償した後、前記受信手段によって受信した前記重み情報から得た前記第1の重みにより重み付けする第2の重み付け手段と、 前記拡大手段からの前記高空間解像度映像信号に対して、前記受信手段によって受信した前記重み情報から得た第2の重みにより重み付けする第3の重み付け手段と、 前記第2及び第3の重み付け手段によりそれぞれ重み付けされた信号を合成し、その合成信号及び前記受信手段によって受信及び分離した前記Hフレームに対してフィルタリングを行って第2の復号信号を生成する第2の処理手段と、 前記第1の復号信号と前記第2の復号信号を合成して前記復号映像信号を生成する復号映像信号生成手段と を有することを特徴とする映像信号復号化装置。 【請求項4】 請求項1記載の映像信号符号化装置により出力された、又は請求項2記載の映像信号符号化プログラムにより生成された、前記第1及び第2の符号化信号と前記動き情報と前記第1乃至第3の重みを示す重み情報からなる信号を受信して、コンピュータにより復号化させる映像信号復号化プログラムであって、 前記コンピュータを、 前記第1及び第2の符号化信号を受信してそれぞれ分離する受信手段と、 前記受信手段からの前記第1の符号化信号をエントロピー復号化した後、逆量子化・逆直交変換して前記Hフレーム及び前記Lフレームを復号する第1の復号手段と、 前記受信手段からの前記第2の符号化信号を復号して前記低解像度映像信号を生成する第2の復号手段と、 前記第2の復号手段により復号された前記低解像度映像信号を空間解像度拡大し、高空間解像度映像信号を生成する拡大手段と、 前記第1の復号手段からの前記Hフレームに、受信した前記重み情報から得た前記第1の重みにより重み付けする第1の重み付け手段と、 前記第1の重み付け手段により重み付けされた前記Hフレーム又は復号映像信号に対して、前記受信手段によって受信した前記動き情報を逆方向に適用して動き補償した後フィルタリングして第1の復号信号を生成する第1の処理手段と、 前記第1の復号信号を、前記受信手段によって受信した前記動き情報を適用して動き補償した後、前記受信手段によって受信した前記重み情報から得た前記第1の重みにより重み付けする第2の重み付け手段と、 前記拡大手段からの前記高空間解像度映像信号に対して、前記受信手段によって受信した前記重み情報から得た第2の重みにより重み付けする第3の重み付け手段と、 前記第2及び第3の重み付け手段によりそれぞれ重み付けされた信号を合成し、その合成信号及び前記受信手段によって受信及び分離した前記Hフレームに対してフィルタリングを行って第2の復号信号を生成する第2の処理手段と、 前記第1の復号信号と前記第2の復号信号を合成して前記復号映像信号を生成する復号映像信号生成手段と、 して機能させることを特徴とする映像信号復号化プログラム。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は映像信号符号化装置、映像信号復号化装置、映像信号符号化プログラム及び映像信号復号化プログラムに係り、特に空間解像度とフレームレートにそれぞれスケーラビリティをもたせた映像信号符号化装置、映像信号復号化装置、映像信号符号化プログラム及び映像信号復号化プログラム符号化に関する。 【背景技術】 【0002】 従来、映像符号化において空間解像度及びSNR(Signal to Noise Ratio)スケーラビリティを実現する方法は数多く提案されており、様々な分野でこれらの実用化がなされている。しかしながら、フレームレー卜のスケーラビリティに関しては画期的なものが存在せず、低レートの映像信号を実現するためには、符号化処理とは別に便宜的にフレームを間引くなどの処理が必要であった。これに対して、近年、フレームレートのスケーラビリティを高い符号化効率で実現する方法が提案された(例えば、特許文献1参照)。 【0003】 この特許文献1では、「動き補償時間方向フィルタ処理(以下、MCTF;Motion Compensation Temporal Filteringと表記)」が提案されており、これは、例えば従来のH.264/AVCのような動き推定(ME;Motion Estimation)と動き補償(MC;Motion Compensation)を行った後に時間方向にリフティング構成のウェーブレット変換を用いて帯域分割する方法である。 【0004】 図11にMCTFの一例として5/3リフティング構成のものを示す。また、MCTFの手順の流れの例を図12に示す。この従来の映像信号符号化方法の一例であるMCTFの一例について、図11及び図12と共に説明するに、まず、図11に示すオリジナルの映像信号201を例えば8フレーム毎の単位(以下GOP(Group Of Picture)と表記)で処理を行うために蓄積する(図12のステップS501)。ここで、映像信号201は図11に示すように、フレームS(n−2)〜フレームS(n+5)の連続する8フレームからなる。 【0005】 図11のオリジナルの映像信号201のうち、S(n)フレームを処理対象フレーム(偶数)とした場合、S(n)フレームの前後の奇数フレームであるS(n−1)フレームとS(n+1)フレームをS(n)フレームの位相に合わせるようにそれぞれME/MCを行う(図12のステップS502)。 【0006】 そして、ME/MC処理したS(n−1)フレーム及びS(n+1)フレームと、S(n)フレームとに対してフィルタ処理する(図12のステップS503)。ステップS202及びステップS203の処理をここではプレディクション処理(予測処理)と呼ぶ。プレディクション処理の結果得られるフレームがH1(n)(高周波数成分に分割された)フレーム202である。この処理をGOP内の連続する他の偶数フレームにも同様に行う(ステップS204、S202、S203)。 【0007】 これにより、図11に202で示すように、H1(n)フレーム以外に、H1(n−2)、H1(n+2)、H1(n+4)フレームが生成される。これらのH1(n−2)、H1(n)、H1(n+2)、H1(n+4)フレームは、1GOPのオリジナルの映像信号201を、2つの分割周波数帯域にサブバンド分割することで得られる低域側分割周波数帯域のL成分フレームと高域側分割周波数帯域のH成分フレームのうちのH成分フレーム(以下、Hフレームともいう)である。 【0008】 次に、S(n−1)フレームを処理対象フレーム(奇数)とした場合、そのS(nー1)フレームの前後のプレディクションしたフレーム(偶数)であるH1(n)フレームとH1(n−2)フレームとを、S(n−1)フレームの位相に合わせるように逆MCして(図12のステップS505)、図11に203で示すように逆MCしたH1(n)フレームとH1(n−2)フレーム、及びS(n−1)フレームにフィルタ処理をする(図12のステップS506)。このフィルタ処理のことをここではアップデート処理(更新処理)と呼ぶ。 【0009】 このアップデート処理の結果得られるL1(n−1)フレーム203は時間方向の低域成分である。なお、S(n−1)フレーム以外にも、同様の処理を他の奇数フレームであるS(n+1)フレーム、S(n+3)フレームに対しても行う(図12のステップS507、S205、S206)。 【0010】 この結果、図11に203で示すように時間方向の低域成分であるL1(n+1)フレーム、L1(n+3)フレーム、L1(n+5)フレームも生成される。これらのL1(n−1)、L1(n+1)、L1(n+3)、L1(n+5)フレームは、1GOPのオリジナルの映像信号201を、2つの分割周波数帯域にサブバンド分割することで得られる低域側分割周波数帯域のL成分フレームと高域側分割周波数帯域のH成分フレームのうちのL成分フレーム(以下、Lフレームともいう)である。 【0011】 以上の処理をステップS208で残りのLフレームが1枚か、又はMCTFを途中で終了すると判定するまで、MCTFを繰り返し行い(図12のステップS502〜S507)、時間方向に帯域分割して低域信号を取り出すことで、フレームレートの低い映像信号を生成する。 【0012】 すなわち、2回目のMCTFでは4つのLフレーム203(L1(n−1)、L1(n+1)、L1(n+3)、L1(n+5))のうちの2フレームを単位として用いてプレディクション処理により図11に204で示す2つのHフレームH2(n−1)とH2(n+3)とを生成すると共に、アップデート処理により図11に205で示す2つのLフレームL2(n+1)、L2(n+5)とを生成する。更に、3回目のMCTFでは2つのLフレーム205(L2(n+1)、L2(n+5))を用いて図11に206で示すHフレームH3(n−1)と207で示すLフレームL3(n+5)をそれぞれ生成する。 【0013】 ここで、MCTFを繰り返して実施する場合、図11から分かるように、2回目のMCTFはプレディクション処理対象フレームが偶数フレームから奇数フレームへと変わり、アップデート処理対象フレームが奇数フレームから偶数フレームとなり、それ以降もMCTFの回数を重ねる度に対象フレームが変わることに注意されたい。 【0014】 このようにして、最終的には、図13に301で示すように、1つのLフレームL3(n+5)と7つのHフレームH1(n−2)、H2(n−1)、H1(n)、H3(n+1)、H1(n+2)、H2(n+3)、H1(n+4)とからなる1GOP分の係数フレーム列を得ることで、1GOPのフレーム間符号化が完了する。 【0015】 デコード側で高レートの映像信号を再生する場合には,MCTFの逆の手順で逆アップデート処理及び逆プレディクション処理を繰り返し、低域信号に高域信号を合成すればよい。 【0016】 更に、特許文献1には、時間方向のみならず、空間方向にも例えばウェーブレットやDCTを用いて帯域分割する方法が示されている。このことにより、デコード側ではデコーダやディスプレイなどの性能に合わせて任意の解像度及びフレームレートを選択して受信することが可能となっている。なお、特許文献1の方法における各帯域の信号は、各帯域の相関関係は利用されずにそれぞれ独立に符号化される。 【0017】 一方、現行の高性能な符号化方式であるH.264/AVCを拡張したものに上記のMCTFを組み合わせることでより高効率、かつ、空間解像度、フレームレート及びSNRそれぞれのスケーラビリティ機能をもった符号化を実現した符号化方法が知られている(例えば、非特許文献1参照)。この非特許文献1記載の符号化装置は、特許文献1記載の符号化装置とは異なり、空間−時間解像度間の相関を利用して符号化を行うことで高い符号化効率を表現している。 【0018】 図14は上記の非特許文献1記載の符号化部10と復号化部30の一例のブロック図を示す。同図において、符号化部10にはオリジナルの映像信号が入力され、符号化部10で生成されたビットストリームが通信回線またはメディア20を介して復号化部30に伝送される。復号化部30では供給されたビットストリームから必要な情報を取り出して、ディスプレイ等の性能に合った空間解像度、フレームレート、SNRのデコード映像信号を出力する。 【0019】 符号化部10は、時間−空間デシメーション部11、ベースレイヤエンコード部12、ベースレイヤリコンストラクト部13、エンハンスメントレイヤエンコード部14及び多重化部15から構成される。 【0020】 空間−時間デシメーション部11は、オリジナルの映像信号を入力として受け付け、入力された映像信号を所望の空間解像度に空間解像度デシメーション(縮小)する機能を有する。ここで、空間解像度デシメーションの方法には、空間フィルタによる方法やウェーブレット変換などが用いられる。また、空間−時間デシメーション部11は、所望の空間解像度に空間解像度デシメーションされた信号を所望のフレームレートに時間解像度デシメーションし、ベースレイヤエンコード部12に出力する機能を有する。ここで、時間解像度デシメーションの方法には、MCTFや単純フレーム間引きなどが用いられる。 【0021】 ベースレイヤエンコード部12は、空間−時間デシメーション部11の出力信号を入力として受け付け、入力された信号を符号化(エンコード)してビットストリームを生成し、多重化部15へ出力する機能を有する。ここで、符号化の方法には、H.264などが用いられる。また、ベースレイヤエンコード部12は、H.264等における直交変換・量子化まで処理を行った信号をベースレイヤリコンストラクト部13へ出力する機能を有する。 【0022】 ベースレイヤリコンストラクト部13は、ベースレイヤエンコード部12において、H.264などの規格にて量子化までの処理を行わせた信号を入力として受け付ける機能と、その入力信号をリコンストラク卜して局部復号画像信号であるローカルデコード信号を生成し、エンハンスメントレイヤエンコード部14へ出力する機能とを有する。 【0023】 エンハンスメントレイヤエンコード部14は、オリジナルの映像信号とベースレイヤリコンストラクト部13より入力されるローカルデコード信号とを入力として受け付ける機能と、これらの入力信号を用いて、時間−空間−SNRスケーラビリティを実現するための信号の符号化を行い、それにより得た符号化信号(ビットストリーム)を多重化部15に出力する機能とを有する。詳細については後述する。 【0024】 多重化部15は、ベースレイヤエンコード部12及びエンハンスメントレイヤエンコード部14より出力されるそれぞれのビットストリームを入力として受け付け、多重化して一つのビットストリームを生成し、符号化部10の外部、例えば通信回線やメディア20へ出力する機能を有する。 【0025】 復号化部30は、エクストラクト部31、ベースレイヤデコード部32及びエンハンスメントレイヤデコード部33から構成される。エクストラクト部31は、ビットストリームを入力として受け付ける機能と、復号化部30またはディスプレイ等の性能に合わせて、ビットストリーム全体から復号に必要なものを切り出し、分割してそれぞれをベースレイヤデコード部32及びエンハンスメントレイヤデコード部33に出力する機能とを有する。 【0026】 ベースレイヤデコード部32は、エクストラクト部31で切り出されたベースレイヤのビットストリームを入力として受け付ける機能と、入力されたビットストリームを復号し、デコード映像信号をエンハンスメントレイヤデコード部33と必要に応じてディスプレイ等への出力を行う機能とを有する。ここで、復号にはH.264デコーダなどを用いる。 【0027】 エンハンスメントレイヤデコード部33は、エクストラクト部31から得られるビットストリーム及びベースレイヤデコード部32から出力されるデコード映像信号を入力として受け付ける機能と、入力される信号を用いて、ディスプレイ等の性能に合わせた空間解像度、フレームレート、SNRを実現する映像信号を復号する機能とを有する。復号された映像信号は、ディスプレイ等へ出力される。なお、エンハンスメントレイヤデコード部33の詳細については後述する。 【0028】 次に、図14に示した符号化部の構成例を用いて映像信号をスケーラブル符号化する手順について図15のフローチャートと共に説明する。符号化部10は、まず、オリジナルの映像信号を空間−時間デシメーション部11において、空間解像度のデシメーションを行う(図15のステップS601)。ここで、デシメーション後の信号の空間解像度が、解像度スケーラビリティにおいて最も低い解像度となるようにデシメーションする。次に、時間方向のデシメーションを行う(図15のステップS602)。ここで、空間解像度と同様に、フレームレートのスケーラビリティにおいて最も低いフレームレートとなるように時間解像度デシメーションする。 【0029】 次に、上記の空間解像度及びフレームレートをデシメーションした信号を、ベースレイヤエンコード部12を用いて符号化し、ビットストリームを生成する(図15のステップS603)。続いて、生成されたビットストリームを多重化部15へ送り、符号化過程で得られる直交変換係数量子化データをベースレイヤリコンストラクト部13へ送る。 【0030】 続いて、ベースレイヤの符号化過程で得られた直交変換係数量子化データをベースレイヤリコンストラクト部13においてリコンストラクトし、ローカルデコード信号を生成する(図15のステップS604)。そして、生成したローカルデコード信号をエンハンスメントレイヤエンコード部14に送る。 【0031】 続いて、オリジナルの映像信号と生成されたベースレイヤローカルデコード信号を用いて、エンハンスメントレイヤエンコード部14において時間−空間−SNRスケーラビリティを実現するための信号の符号化を行う(図15のステップS605)。詳細については後述する。符号化により生成されたビットストリームは、多重化部15へ送られる。 【0032】 そして、ベースレイヤエンコード部12及びエンハンスメントレイヤエンコード部14より得られたそれぞれのビットストリームを多重化部15において、多重化を行い、一つのビットストリームを生成する(図15のステップS606)。 【0033】 次に、図14に示した復号化部30の構成例を用いてスケーラブル構成のビットストリームを復号してデコード映像信号を得る手順を図16のフローチャートと共に説明する。図14の通信回線やメディア等20からビットストリームを、エクストラクト部31を用いて受信すると、エクストラクト部31は受信したビットストリームを解析し、復号化部30及びディスプレイ等の性能に合わせて必要な符号データを抽出する。そして、ベースレイヤデコード部32、エンハンスメントレイヤデコード部33それぞれに対応したデータに分割して出力する(図16のステップS701)。 【0034】 続いて、エクストラクト部31で分割したベースレイヤに対応するデータが、ベースレイヤデコード部32で復号される(図16のステップS702)。復号されたベースレイヤデコード映像信号は、エンハンスメントレイヤデコード部33に出力され、必要があればディスプレイ等にも出力される。 【0035】 続いて、エクストラクト部31で分割したエンハンスメントレイヤに対応するデータ及びベースレイヤデコード部32で復号したベースレイヤデコード映像信号がエンハンスメントレイヤデコード部33において復号される(図16のステップS703)。そして、復号したデコード映像信号をディスプレイ等へ出力する。エンハンスメントレイヤのデコード手順についての詳細は後述する。 【0036】 図17は、図14のエンハンスメントレイヤエンコード部14の一例のブロック図を示す。図17に示すように、エンハンスメントレイヤエンコード部14は、MCTF−ILP部141、直交変換・量子化部142及びエントロピー符号化部143から構成される。 【0037】 MCTF−ILP(MCTF-Inter Layer Prediction)部141は、オリジナルの映像信号とベースレイヤのローカルデコード信号を入力として受け付ける機能と、入力される信号を用いて時間−空間スケーラビリティを実現する信号を生成し、映像情報を直交変換・量子化部142、動き情報をエントロピー符号化部143へ出力する機能とを有する。動作の詳細については後述する。 【0038】 直交変換・量子化部142は、映像情報を入力として受け付け、直交変換して量子化し、エントロピー符号化部143へ出力する機能を有する。直交変換はDCTやアダマール変換、ウェーブレット変換などが代表例である。エントロピー符号化部143は、量子化された映像情報と動き情報を入力として受け付け、それぞれをエントロピー符号化し、エンハンスメントレイヤエンコード部14の外部へ出力する機能を有する。ここで、エントロピー符号化はSNRスケーラビリティが実現できるように工夫されている。 【0039】 次に、図17に示したエンハンスメントレイヤエンコード部14の構成例を用いてエンハンスメントレイヤを符号化する手順について図18のフローチャートと共に説明する。オリジナルの映像信号とベースレイヤのローカルデコード信号を用いて、MCTF−ILP部141において、時間−空間スケーラビリティを実現する信号を生成する(図18のステップS801)。手順の詳細については後述する。この結果得られた映像情報を直交変換・量子化部142に送る。動き情報は、エントロピー符号化部143に送られる。 【0040】 MCTF−ILP部141において生成した時間−空間スケーラビリティを実現する映像情報信号は直交変換・量子化部142で直交変換後に量子化される(図18のステップS802)。直交変換及び量子化した信号はエントロピー符号化部143へ送られる。 【0041】 MCTF−ILP部141で得た動き情報と直交変換・量子化部142から出力される映像情報とは、エントロピー符号化部143においてエントロピー符号化され、ビットストリームが生成される(図18のステップS803)。 【0042】 次に、図14のエンハンスメントレイヤデコード部33について説明する。図19はエンハンスメントレイヤデコード部33の一例のブロック図を示す。図19において、エンハンスメントレイヤデコード部33は、エントロピー復号化部331、逆直交変換・逆量子化部332及び逆MCTF−ILP部333から構成される。 【0043】 エントロピー復号化部331は、ビットストリームを入力として受け付け、復号して映像情報を逆量子化・逆直交変換部332、動き情報を逆MCTF−ILP部333へ出力する機能を有する。 【0044】 逆量子化・逆直交変換部332は、復号された映像情報を入力として受け付け、逆量子化した後逆直交変換を行って逆MCTF−ILP部333へ出力する機能を有する。逆MCTF−ILP部333は、逆直交変換された映像情報信号、ベースレイヤのローカルデコード信号及び復号された動き情報を入力として受け付け、入力された信号を用いて、時間方向の帯域合成と空間解像度間の逆予測を行って映像信号を復号し、エンハンスメントレイヤデコード部33の外部へ出力する。動作の詳細については後述する。 【0045】 次に、図19に示したエンハンスメントレイヤデコード部33の構成例を用いてエンハンスメントレイヤを復号化する手順を図20のフローチャートと共に説明する。エンハンスメントレイヤデコード部33は、入力されたビットストリームをエントロピー復号化部331において復号し(図20のステップS1001)、復号した結果得られる映像情報を逆量子化・逆直交変換部332へ送り、復号した動き情報を逆MCTF−ILP部333に送る。 【0046】 復号した映像情報は逆量子化・逆直交変換部332を用いて逆量子化された後、逆直交変換される(図20のステップS1002)。この結果得られる映像情報は逆MCTF−ILP部333へと送られる。逆MCTF−ILP部333は、逆直交変換された映像情報と、ベースレイヤのローカルデコード信号及び復号された動き情報とを用いて、時間方向の帯域合成と空間解像度間の逆予測を行い映像信号を復号する(図20のステップS1003)。手順の詳細については後述する。 【0047】 次に、図17のMCTF−ILP部141の動作例と処理手順の例について図21と図22とを用いて説明する。まず、図21に示すオリジナルの映像信号1104を例えば8フレーム毎の単位(GOP)で処理を行うために蓄積する(図22のステップS1201)。ここで、映像信号1104は図21に示すように、フレームS(n−2)〜フレームS(n+5)の連続する8フレームからなる。また、ベースレイヤのフレームレートは、オリジナル映像信号の1/2である。MCTF−ILP部141は、図21からも分かるように、MCTFにILP(Inter Layer Prediction,解像度間予測)を拡張したものである。 【0048】 まず、プレディクション処理の手順について説明する。図21に示すベースレイヤのローカルデコード信号1103をオリジナルの映像信号1104と同じ空間解像度となるようにインターポレーション(拡大)する(図21の1102、図22のステップS1202)。そして、図21のS(n)フレームを処理対象フレーム(偶数)とした場合、その前後のS(n−1)フレームとS(n+1)フレームをS(n)フレームの位相に合わせるように、それぞれME/MCを行う(図22のステップS1203)。 【0049】 このとき、従来のMCTFとは異なり、図21に1103で示すベースレイヤのローカルデコード信号中のS’(n)をインターポレーションした信号を第3のリファレンスフレームとして選択的に用いることができる。すなわち、ブロック毎に時間方向の動き補償を伴った帯域分割と空間解像度間の予測の符号化効率の良い方を適応的に採用することができる。ここで、解像度間の予測を用いた場合、そのブロックのベクトルは0とすることで、デコード側で判断可能な仕組みとなっている。 【0050】 このようにベースレイヤの情報を選択的に用いてMCしたS(n−1)フレームとS(n+1)フレーム及びS(n)フレームにフィルタ処理を施して、図21に示すH1(n)フレームを生成する(図22のステップS1204)。以上のステップS1203及びS1204の処理をGOP内の他の偶数フレームに対しても行う(図22のステップS1205)。 【0051】 次にアップデート処理の手順について説明する。図21のS(n−1)フレームを処理対象フレーム(奇数)とした場合、その前後のプレディクションしたH1(n)フレームとH1(n−2)フレームをS(n−1)フレームの位相に合わせるように逆MCして(図22のステップS1206)、逆MCしたH1(n)フレームとH1(n−2)フレーム、及びS(n−1)フレームにフィルタ処理をする(図22のステップS1208)。 【0052】 ここで、プレディクション処理におけるMCでベースレイヤの情報を用いて解像度間予測を行ったブロックは、時間方向のH成分ではないため、ステップS1206で逆MCしたブロックがベースレイヤを採用したブロックであるとステップS1207で判定したときは、ステップS1208のフィルタ処理(時間方向のL成分を生成する処理)はスキップする。続いて、GOP内の偶数フレームに対するアップデートが処理が終了したかどうか判定し(図22のステップS1209)、終了していない場合は他の奇数フレームに対してもステップS1206〜S1208のアップデート処理を行う。 【0053】 以上の処理をステップS1210で残りのLフレームが1枚か、又はMCTFを途中で終了すると判定するまで、MCTFを繰り返し行い(図22のステップS1202〜S1209)、時間方向に帯域分割して低域信号を取り出すことで、フレームレートの低い映像信号を生成する。時間方向の帯域分割は上記のように繰り返し行うことができる。一方、解像度間の予測はベースレイヤとのフレームレートが一致している場合に利用できる。 【0054】 次に、図19の逆MCTF−ILP部333の動作例と処理手順の例について図23と図24を用いて説明する。図23の例は、オリジナルの映像信号のGOPサイズが”8”、図23に1304で示すように符号化側のMCTF−ILPが1階分解、1303で示すようにベースレイヤのフレームレートがオリジナルの1/2の条件で符号化された信号を復元するものである。まず、図23に示すオリジナルの映像信号1304を例えば8フレーム毎の単位(GOP)で処理を行うために蓄積する(図24のステップS1401)。 【0055】 次に、図23に示すベースレイヤのデコード信号1303をエンハンスメントレイヤの信号1304と同じ空間解像度となるように、1302で示すように予めインターポレーションしておく(図24のステップS1402)。続いて、逆アップデート処理を行う。まず、図23のS(n−1)フレームを復元する場合、H1(n−2)フレームとH1(n)フレームをS(n−1)フレームの位相に合わせるようにそれぞれ逆MCして(図24のステップS1403)、逆MCしたH1(n−2)フレームとH1(n)フレーム、及びL1(n−1)フレームにフィルタ処理をする(図24のステップS1405)。 【0056】 ここで、逆MCには、エントロピー復号化部331で復号した(図20のステップS1001)動き情報を用い、ベクトルが”0”であるブロックにはフィルタ処理は行わない(図24のステップS1404)。同様の処理をGOP内の同じテンポラルレベルの他のLフレームに対しても行う(図24のステップS1406)。 【0057】 次に、逆プレディクション処理の手順について説明する。図23のS(n)フレームを復元する場合、処理対象のS(n)フレームの前後の逆アップデートしたS(n-1)フレームとS(n+1)フレームをH1(n)フレームの位相に合わせるようにそれぞれMCする(図24のステップS1407)。ここで、ベクトルが”0”のブロックは、ベースレイヤデコード信号S’(n)をインターポレーションした信号を適用する。 【0058】 そして、MCしたS(n-1)フレームとS(n+1)フレーム及びH1(n)フレームにフィルタ処理をすることで、S(n)フレームを得る(図24のステップS1408)。同様の処理をGOP内の同じテンポラルレベルの他のHフレームに対しても行う(図24のステップS1409)。 【0059】 符号化側で、さらに複数階層のMCTF−ILPを行った場合には、逆アップデート処理と逆プレディクンョン処理をさらに繰り返してデコード映像信号を得る(図24のステップS1410)。 【0060】 【特許文献1】特表2004−524730号公報 【非特許文献1】Diego Santa-Cruz,Davide Maestroni,Francesco Ziliani,Julien Reichel and Stefano Tubaro,”Improved Scalable MCTF Video Codec Using A H.264/AVC Base Layer”,Picture Coding Symposium 2004,Dec.2004. 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0061】 上記の非特許文献1記載の映像信号符号化方式は、時間方向の帯域分割であるMCTFと解像度間の予測ILPを選択的に用いることで時間−空間スケーラビリティを高符号化効率で実現した優れた符号化方式である。しかしながら、この符号化方式ではデコード映像を主観的に評価した場合にちらつきが生じてしまうという問題がある。これについては、非特許文献1の中でも”a flash of artifacts can appear”と指摘されており、改善を要する課題である。 非特許文献1記載の映像信号符号化方式では、プレディクション処理(予測処理)においてベースレイヤローカルデコード信号を採用したブロックにはアップデート処理(更新処理)でフィルタ処理を施さない。このため、Lフレームにフィルタ処理を施したブロックと時間周波数が高いにもかかわらず(フィルタ処理しなければ映像信号の質に問題が生じる可能性があるものの)フィルタ処理が施されないままフレームが間引かれてしまっているブロックが混在し、局所的な画質の差が生じてしまっている。 【0062】 動きのある部分においては、原理的により相関の強いベースレイヤローカルデコード信号が採用される頻度が高いため、この問題が生じ易い。特に、MCTFにおいては、時間帯域分割を繰り返し行うため、Lフレームにフィルタ処理が施されずにフレームが間引かれることによって生じる劣化が、次のMC及び時間帯域分割処理に伝播してしまい、それ以降の処理の精度を保つことが難しくなる。従って、従来の映像符号化における単純な空間−時間適応処理よりも、MCTFにおける適応処理は信号処理理論に基づいて処理される(信号を破綻させない)必要がある。 【0063】 本発明は以上の点に鑑みなされたもので、非特許文献1において生じている符号化と信号処理の相反する現象を解決し、符号化効率とデコード映像の品質を共に向上させ得る映像信号符号化装置、映像信号復号化装置、映像信号符号化プログラム及び映像信号復号化プログラムを提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0064】 上記の目的を達成するため、第1の発明の映像信号符号化装置は、入力映像信号に対して補償時間方向フィルタ処理を行って、2つの分割周波数帯域にサブバンド分割された低域側分割周波数帯域のLフレームと高域側分割周波数帯域のHフレームとからなるフレーム列信号を生成し、そのフレーム列信号に対して直交変換・量子化及びエントロピー符号化を行って得た第1の符号化信号を、入力映像信号よりも低解像度の映像信号を符号化した第2の符号化信号と共に出力する映像信号符号化装置であって、入力映像信号を所定の比率で空間−時間縮小し、入力映像信号とは異なる空間−時間解像度を持つ低解像度映像信号を生成する縮小手段(11)と、低解像度映像信号を符号化して第2の符号化信号を生成する符号化手段(12)と、第2の符号化信号を局部復号して局部復号信号を生成する局部復号手段(13)と、局部復号信号を縮小手段とは逆の比率で空間解像度拡大し、高空間解像度映像信号を生成する拡大手段(4117)と、入力映像信号の時間方向に存在する異なる2つのフレームの一方を基準フレームとして他方のフレームの動きを推定して、基準フレームと他方のフレームの対応する各ブロックの相対位置関係を示す動き情報を取得し、その動き情報に基づいて他方のフレームの動きを補償する動き推定/補償手段(4118)と、動き推定/補償手段により動き補償された入力映像信号に、第1の重みにより重み付けを行う第1の重み付け手段(4119,411A)と、局部復号信号から拡大手段により生成された高空間解像度映像信号に、第1の重みを用いて算出した第2の重みにより重み付けを行う第2の重み付け手段(4119,411B)と、第1及び第2の重み付け手段により重み付けされたそれぞれの信号に対して、合成及びフィルタリングを行ってHフレームを生成する第1の処理手段(411C,411D)と、第1の処理手段により生成されたHフレームに第1の重みにより重み付けを行う第3の重み付け手段(4119,4112)と、第3の重み付け手段により重み付けされたHフレームに対して、動き推定/補償手段によって取得した動き情報を逆方向に適用して動き補償した後フィルタリングしてLフレームを生成する第2の処理手段(4113)と、第1及び第2の処理手段によりそれぞれ生成されたHフレームとLフレームを合成してフレーム列信号を生成して出力するフレーム列信号生成手段(4115)とを有することを特徴とする。 【0065】 また、上記の目的を達成するため、第2の発明の映像信号符号化プログラムは、入力映像信号に対して補償時間方向フィルタ処理を行って、2つの分割周波数帯域にサブバンド分割された低域側分割周波数帯域のLフレームと高域側分割周波数帯域のHフレームとからなるフレーム列信号を生成し、そのフレーム列信号に対して直交変換・量子化及びエントロピー符号化を行って得た第1の符号化信号を、入力映像信号よりも低解像度の映像信号を符号化した第2の符号化信号と共に出力する動作を、コンピュータにより実行させる映像信号符号化プログラムであって、コンピュータを、第1の発明の映像信号符号化装置の構成の各手段として機能させることを特徴とする。 【0066】 また、上記の目的を達成するため、第3の発明の映像信号復号化装置は、第1の発明の映像信号符号化装置より出力された、又は第2の発明の映像信号符号化プログラムにより生成された、第1及び第2の符号化信号と動き情報と第1乃至第3の重みを示す重み情報からなる信号を受信して復号化する映像信号復号化装置であって、第1及び第2の符号化信号を受信してそれぞれ分離する受信手段(31)と、受信手段からの第1の符号化信号をエントロピー復号化した後、逆量子化・逆直交変換してHフレーム及びLフレームを復号する第1の復号手段(511,512)と、受信手段からの第2の符号化信号を復号して低解像度映像信号を生成する第2の復号手段(32)と、第2の復号手段により復号された低解像度映像信号を空間解像度拡大し、高空間解像度映像信号を生成する拡大手段(5137)と、第1の復号手段からのHフレームに、受信した重み情報から得た第1の重みにより重み付けする第1の重み付け手段(5133)と、第1の重み付け手段により重み付けされたHフレーム又は復号映像信号に対して、受信手段によって受信した動き情報を逆方向に適用して動き補償した後フィルタリングして第1の復号信号を生成する第1の処理手段(5134)と、第1の復号信号を、受信手段によって受信した動き情報を適用して動き補償した後、受信手段によって受信した重み情報から得た第1の重みにより重み付けする第2の重み付け手段(5136,5138)と、拡大手段からの高空間解像度映像信号に対して、受信手段によって受信した重み情報から得た第2の重みにより重み付けする第3の重み付け手段(5139)と、第2及び第3の重み付け手段によりそれぞれ重み付けされた信号を合成し、その合成信号及び受信手段によって受信及び分離したHフレームに対してフィルタリングを行って第2の復号信号を生成する第2の処理手段(513A,513B)と、第1の復号信号と第2の復号信号を合成して復号映像信号を生成する復号映像信号生成手段(513C)とを有することを特徴とする。 【0067】 また、上記の目的を達成するため、第4の発明の映像信号復号化プログラムは、第1の発明の映像信号符号化装置により出力された、又は第2の発明の映像信号符号化プログラムにより生成された、第1及び第2の符号化信号と動き情報と第1乃至第3の重みを示す重み情報からなる信号を受信して、コンピュータにより復号化させる映像信号復号化プログラムであって、コンピュータを、第3の発明の映像信号復号化装置の構成の各手段として機能させることを特徴とする。 【0068】 本発明の目的は、非特許文献1のプレディクション処理(予測処理)において選択的にベースレイヤの局部復号を用いること、また、アップデート処理(更新処理)におけるフィルタ処理を施すか否かの処理を切り替えることによって生じていた前述の問題を解決することである。この目的を達成するために、第1の発明又は第2発明においては、動き推定/補償手段により動き補償された入力映像信号に第1の重みにより重み付けを行うと共に、局部復号信号から空間解像度拡大により生成された高空間解像度映像信号に、第1の重みから算出した第2の重みにより重み付けを行い、これら重み付けされた信号に対して、合成及びフィルタリングを行ってHフレームを第1の処理手段により生成し、更に第1の処理手段により生成されたHフレームに、動き補償された入力映像信号と同じ第1の重みにより重み付けし、そのHフレームに対して第2の処理手段により逆動き補償した後フィルタリングしてLフレームを生成するようにしたため、第1の処理手段では常に動き補償された入力映像信号と、局部復号信号から空間解像度拡大により生成された高空間解像度映像信号とが重み付け合成された信号に基づいてHフレームを生成でき、第2の処理手段により時間方向の成分のみを反映させたLフレームを生成できる。すなわち、解像度間の予測をしつつ、時間方向の帯域分割を実現する。 【0069】 すなわち、本発明では、第2の処理手段により得られるLフレームに常にフィルタ処理を施したブロックが存在するため、非特許文献1に記載の従来装置では、プレディクション処理においてベースレイヤ局部復号信号を採用したブロックにはアップデート処理でフィルタ処理を施さないため、Lフレームにフィルタ処理を施したブロックとフィルタ処理を施さなければ映像信号の質に問題が生じる可能性があるもののフィルタ処理が施されないままフレームが間引かれてしまっているブロックが混在し、局所的な画質の差が生じるという問題が生じていたが、この問題を解決することができる。 【0070】 更に、MCTFにおいては、時間帯域分割を繰り返し行うため、Lフレームにフィルタ処理が施されずにフレームが間引かれることによって生じる劣化が、次のMC及び時間帯域分割処理に伝播してしまい、それ以降の処理の精度を保つことが難しくなるという問題も解決することができ、また、空間−時間成分の予測、帯域分割の自由度が増すことから符号化効率も向上できる。 【発明の効果】 【0071】 本発明によれば、第1の処理手段により常に動き補償された入力映像信号と局部復号信号とが重み付け合成された信号に基づいてHフレームを生成し、第2の処理手段により時間方向の成分のみを反映させたLフレームを生成することで、第2の処理手段により得られるLフレームに常にフィルタ処理を施したブロックが存在するようにしたため、非特許文献1に記載の従来装置におけるLフレームにフィルタ処理を施したブロックとフィルタ処理を施さなければ映像信号の質に問題が生じる可能性があるもののフィルタ処理が施されないままフレームが間引かれてしまっているブロックが混在し、局所的な画質の差が生じるという問題を解決することができ、これにより、デコード映像におけるちらつきが改善されデコード映像の品質を向上できる。 【0072】 また、本発明によれば、MCTFにおいては、時間帯域分割を繰り返し行うため、Lフレームにフィルタ処理が施されずにフレームが間引かれることによって生じる劣化が、次のMC及び時間帯域分割処理に伝播してしまい、それ以降の処理の精度を保つことが難しくなるという問題も解決することができ、更に、空間−時間成分の予測、帯域分割の自由度が増すことから符号化効率も向上できる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0073】 次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。図1は本発明になる映像信号符号化装置及び映像信号復号化装置の一実施の形態のブロック図を示す。同図中、図14と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。図1において、本発明になる映像信号符号化装置の一実施の形態である符号化部40は、時間−空間デシメーション部11、ベースレイヤエンコード部12、ベースレイヤリコンストラクト部13、エンハンスメントレイヤエンコード部41及び多重化部15から構成される。また、本発明になる映像信号復号化装置の一実施の形態である復号化部50は、エクストラクト部31、ベースレイヤデコード部32及びエンハンスメントレイヤデコード部51から構成される。 【0074】 図14と同様に、本実施の形態でも符号化部40にはオリジナルの映像信号が入力され、符号化部40で生成されたビットストリームが通信回線またはメディア20を介して復号化部50に伝送される。復号化部50では供給されたビットストリームから必要な情報を取り出して、ディスプレイ等の性能に合った空間解像度、フレームレート、SNRのデコード映像信号を出力する。 【0075】 ここで、本発明では、非特許文献1におけるMCTFとILPを選択的に用いることによる弊害を改善することを目的としており、本実施の形態では非特許文献1のMCTF−ILP部を含むエンハンスメントレイヤエンコード部14を後述する構成のエンハンスメントレイヤエンコード部41に変更すると共に、逆MCTF−ILP部を含むエンハンスメントレイヤデコード部33を後述する構成のエンハンスメントレイヤデコード部51に変更した点に特徴がある。それ以外の構成部分に関しては、図14の従来の構成と同様である。なお、図1の実施の形態は図14の例と同様に空間解像度スケーラビリティを2層で実現しているが、多層であってもよい。 【0076】 図2は図1中のエンハンスメントレイヤエンコード部41の一実施の形態のブロック図を示す。図2において、エンハンスメントレイヤエンコード部41は、MCTF−ILP部411、直交変換・量子化部412及びエントロピー符号化部413から構成される。MCTF−ILP部411は、オリジナルの映像信号とベースレイヤリコンストラクト部13からのベースレイヤのローカルデコード信号(局部復号信号)とを入力として受け、これらの信号を用いて、空間−時間スケーラビリティを実現する信号を生成する機能を有する。動作の詳細については後述する。また、MCTF−ILP部411は、映像情報を直交変換・量子化部412へ出力し、重み情報及び動き情報をそれぞれエントロピー符号化部413へ出力する機能を有する。 【0077】 直交変換・量子化部412は、MCTF−ILP部411より出力される映像情報を入力として受け、この信号を直交変換後に量子化する機能を有する。直交変換はDCTやアダマール変換、ウェーブレット変換などが代表例である。また、直交変換・量子化部412は、直交変換後に量子化した信号をエントロピー符号化部413へ出力する機能を有する。 【0078】 エントロピー符号化部413は、直交変換・量子化部412より出力された映像情報と、MCTF−ILP部411より出力された重み情報及び動き情報とを取得する機能と、これら取得した入力情報をエントロピー符号化してビットストリームを生成し、エンハンスメントレイヤエンコーダ部41の外部へ出力する機能とを有する。ここで、エントロピー符号化は従来の方法と同様にSNRスケーラビリティが実現できるような構成や手順も採用できる。 【0079】 図2に示した構成のエンハンスメントレイヤエンコード部41を用いてエンハンスメントレイヤを符号化する手順を図3のフローチャートと共に説明する。オリジナルの映像信号とベースレイヤの局部復号信号を用いて、MCTF−ILP部411において、時間−空間スケーラビリティを実現する信号を生成する(図3のステップS101)。手順の詳細については後述する。この結果得られた映像情報を直交変換・量子化部412に送る。重み情報及び動き情報は、エントロピー符号化部413に送られる。 【0080】 MCTF−ILP部411において生成した時間−空間スケーラビリティを実現する映像情報信号は直交変換・量子化部412で直交変換された後、得られた直交変換係数が量子化される(図3のステップS102)。直交変換及び量子化された信号はエントロピー符号化部413へ送られる。MCTF−ILP部411で得た重み情報と動き情報及び直交変換・量子化部412から出力される映像情報は、エントロピー符号化部413においてエントロピー符号化され、ビットストリームが生成される(図3のステップS103)。 【0081】 次に、エンハンスメントレイヤエンコード部41内の図2に示したMCTF−ILP部411の構成及び動作について詳細に説明する。図4はMCTF−ILP部411の一実施の形態の構成図を示す。同図において、MCTF−ILP部411は、入力切り替え器4110、プレディクション処理部4111、アップデート用重み付け部4112、アップデート処理部4113、フレーム管理部4114、フレーム並び替え部4115、動き情報更新部4116より構成される。 【0082】 プレディクション処理部4111は、入力切り替え器4110より入力される信号と、ベースレイヤリコンストラクト部13から出力されたベースレイヤの局部復号信号と、フレーム管理部4114より出力されるフレーム管理情報とを入力として取得する機能を有する。プレディクション処理部4111の内部構成及び動作については後述する。また、プレディクション処理部4111は、プレディクション処理結果(予測処理結果)の信号をフレーム並び替え部4115及びアップデート用重み付け部4112に出力する機能と、重み情報をアップデート用重み付け部4112、動き情報更新部4116及びMCTF−ILP部411の外部へと出力する機能と、動き情報(例えば動きベクトル、マクロブロックタイプなど)をアップデート処理部4113及び動き情報更新部4116へ出力する機能とを有する。 【0083】 アップデート処理部4113は、入力切り替え器4110より入力される信号と、アップデート用重み付け部4112より出力される信号と、フレーム管理部4114より出力されるフレーム管理情報と、プレディクション処理部4111より出力される動き情報を入力として取得する機能と、入力された信号と情報を用いて、逆MCとフィルタ処理を行う機能と、処理後の信号をフレーム並び替え部4115に出力する機能とを有する。 【0084】 フレーム管理部4114は、MCTF−ILP部411内のフレームを管理する機能と、その管理情報を入力切り替え器4110、プレディクション処理部4111、アップデート処理部4113及びフレーム並び替え部4115へ出力する機能とを有する。 【0085】 フレーム並び替え部4115は、プレディクション処理部4111より出力されるプレディクション処理後(予測処理後)の信号と、アップデート処理部4113より出力されるアップデート処理後(更新処理後)の信号及びフレーム管理部4114より出力されるフレーム管理情報を取得する機能と、取得した各情報に基づいてMCTF−ILP処理の終了したフレームを適宜所望の順序に並び替える機能と、その並び替えの処理結果をMCTF−ILP部411の外部へ出力する機能とを有する。 【0086】 アップデート用重み付け部4112は、プレディクション処理部4111より出力されるプレディクション処理結果の信号(Hフレーム)及び重み情報を取得する機能と、取得したプレディクション処理結果の信号(Hフレーム)に取得した重み情報をもとに重み付け処理をする機能と、重み付け処理結果の信号をアップデート処理部4113へ出力する機能とを有する。 【0087】 動き情報更新部4116は、プレディクション処理部4111より出力される動き情報及び重み情報を取得する機能と、取得した重み情報の内容に応じて動き情報を更新する機能と、その更新結果をMCTF−ILP部411の外部へ出力する機能とを有する。 【0088】 入力切り替え器4110は、映像信号と、アップデート処理部4113より出力されるアップデート処理結果の信号(Lフレーム)と、フレーム管理部4114より出力されるフレーム管理情報とを取得する機能と、取得したフレーム管理情報に応じて取得した映像信号とアップデート処理結果の信号(Lフレーム)のいずれかを選択し、プレディクション処理部4111及びアップデート処理部4113へ出力する機能とを有する。 【0089】 次に、プレディクション処理部4111の詳細な構成例について説明する。図4に示すように、プレディクション処理部4111は、解像度インターポレーション部4117、ME/MC部4118、重み指示部4119、プレディクション用重み付け部411A、ILP用重み付け部411B、信号合成部411C、フィルタリング部411Dより構成される。 【0090】 解像度インターポレーション部4117は、ベースレイヤローカルデコード信号及びフレーム管理部4114より出力されるフレーム管理情報を取得する機能と、ベースレイヤローカルデコード信号を映像信号と同じ空間解像度までインターポレーション(拡大;補間)する機能とを有する。ここで、インターポレーションの方法は何を用いてもよいが、ベースレイヤの空間解像度までデシメーションした(縮小した)ときに用いたフィルタに対応するものを用いることが望ましい。また、解像度インターポレーション部4117は、インターポレーションした結果の信号をILP用重み付け部411Bに出力する機能を有する。 【0091】 ME/MC部4118は、入力切り替え器4110より入力される信号及びフレーム管理部4114より出力されるフレーム管理情報を取得する機能と、例えば従来のMPEG(Moving Picture Experts Group)シリーズやH.264、MCTFのような動き推定(ME)及び動き補償(MC)を行う機能と、ME/MCの結果得られる信号をプレディクション用重み付け部411Aへ出力し、動き情報をプレディクション部4111の外部に出力する機能とを有する。 【0092】 重み指示部4119は、フィルタリング部411Dから出力されるプレディクション処理結果の信号(Hフレーム)及びフレーム管理部4114より出力されるフレーム管理情報を取得する機能と、取得した情報を基に重みWを算出し、それをプレディクション用重み付け部411A、ILP用重み付け部411B、アップデート用重み付け部4112及び動き情報更新部4116に供給すると共にMCTF−ILP部411の外部へ出力する機能とを有する。なお、重み指示部4119に対する入力は外部から指示を受け付けてもよい。 【0093】 プレディクション用重み付け部411Aは、ME/MC部4118よりME/MCした信号及び重み指示部4119より出力された重みWを取得する機能と、ME/MCした信号に重みWを重み付けし、信号合成部411Cへ出力する機能とを有する。ILP用重み付け部411Bは、解像度インターポレーション部4117より出力される信号及び重み指示部4119より重みWを取得する機能と、(1−W)を算出する機能と、算出結果を解像度インターポレーションされた信号に重み付けして信号合成部411Cへ出力する機能とを有する。 【0094】 信号合成部411Cは、プレディクション用重み付け部411A及びILP用重み付け部411Bよりそれぞれ出力される信号と、フレーム管理部4114から出力されるフレーム管理情報を取得する機能と、プレディクション用重み付け部411A及びILP用重み付け部411Bよりそれぞれ取得した信号を例えば加算して合成し、プレディクション処理用の最終的なリファレンスフレームを作成する機能と、その結果得られる信号をフィルタリング部411Dへ出力する機能とを有する。 【0095】 フィルタリング部411Dは、信号合成部411Cから出力される信号、入力切り替え器4110より出力される信号及びフレーム管理部4114より出力されるフレーム情報を取得する機能と、信号合成部411Cで得られるリファレンスフレームと入力信号にフィルタ処理を行ってHフレームを生成し、プレディクション処理部4111の外部及び重み指示部4119へと出力する機能とを有する。 【0096】 すなわち、MCTF−ILP部411は、オリジナルの映像信号に対してME/MC部4118でME/MCした信号とベースレイヤローカルデコード信号を空間解像度・インターポレーション部4117においてインターポレーションした信号にそれぞれプレディクション用重み付け部411AとILP用重み付け部411Bで重み付けをする。そして、信号合成部411Cでそれぞれの信号を合成し、リファレンスフレームを生成する。リファレンスフレームと入力切り替え器4110からの出力をフィルタリング部411Dでフィルタ処理してプレディクション処理結果の信号(Hフレーム)を得る。アップデート処理部4113におけるフィルタ処理は、スキップせずに、プレディクション部4111におけるプレディクション用重み付け部411Aと同じ重み付けをしたHフレームを用い、LフレームにHフレームの時間方向の成分のみを反映させる。すなわち、空間解像度間の予測をしつつ、時間方向の帯域分割を実現する。 【0097】 次に、図4に示した構成のMCTF−ILP部411によるMCTF−ILP処理を行う手順を図5のフローチャートと共に説明する。図5に示す一連の処理を、非特許文献1と同様に1GOP単位で行うために、1GOP分の映像フレームを蓄積する(図5のステップS201)。なお、図5に示す一連の処理を、複数のGOP単位で行い、複数のGOPにまたがる処理を行ってもよい。次に、図1のベースレイヤリコンストラクト部13からのベースレイヤローカルデコード信号を、図4の解像度インターポレーション部4117において、空間−時間デシメーション部11のデシメーション比率とは逆の比率で空間解像度インターポレーションして、MCTF−ILP部411の入力映像信号と同じ高空間解像度の映像信号に変換する(図5のステップS202)。 【0098】 次に、プレディクション処理部4111によりプレディクション処理を行う。プレディクション処理では、最初は外部から入力された高空間解像度の映像信号が入力切り替え器4110を通してプレディクション処理部4111に入力され、MCTFによる1回目の帯域分割処理が行われる。プレディクション処理部4111ではME/MC部4118により、処理対象フレーム(偶数)の前後のME/MC部4118において入力切り替え器4110からの出力信号である処理対象フレーム(偶数)の前後のフレーム(奇数)に対してME/MC処理が行われる(図5のステップS203)。 【0099】 すなわち、ME/MC部4118では、まず処理対象フレームを基準フレームとして前又は後のフレームの動きを推定して、基準フレームと前又は後のフレームの対応する各ブロックの相対位置関係を示す動きベクトル情報(以下、動き情報ともいう)を取得する動き推定(ME)処理を行い、続いて、その動きベクトル情報に基づいて基準フレームの前又は後のフレームの動きを補償する動き補償(MC)処理を行う。このME/MC処理を基準フレームの前と後のフレームのそれぞれについて行う。 【0100】 なお、後述するフィルタリング部411Dからサブバンド分割された2つの分割周波数帯域のうち高域側分割周波数帯域のHフレームが最初に出力された後、引き続いてプレディクション処理部4111では同様にして2回目以降のMCTFによる帯域分割処理を行うが、MCTFによる2回目以降の帯域分割処理は、図11等と共に説明したようにLフレームに対して行われるため、アップデート処理部4113から出力される低域側分割周波数帯域のLフレームが入力切り替え器4110により選択されてプレディクション処理部4111に入力される。 【0101】 上記のME/MC部4118でME/MC処理された信号は、重み指示部4119の指示に従ってプレディクション用重み付け部411AにおいてWの値(0<W<1)を重み付けされる(図5のステップS204)。なお、ここでは重み指示部4119には、信号合成部411Cの出力信号が小さくなるようにフィルタリング部411Dから出力されるプレディクション処理後の信号(Hフレーム)をフィードバックして最適なWを求めるようにしているが、重み指示部4119における重みWの算出ルールはこれ以外にも何通りも考えられ、例えば外部から指示を与えてもよい。 【0102】 一方、解像度インターポレーション部4117においてベースレイヤローカルデコード信号に対して解像度のインターポレーションを行って得られた高空間解像度の映像信号は、重み指示部4119の指示に従ってILP用重み付け部411Bにおいて(1−W)の値が重み付けされる(図5のステップS205)。 【0103】 続いて、プレディクション用重み付け部411A及びILP用重み付け部411Bにおいてそれぞれ重み付けした信号を信号合成部411Cで合成し、プレディクション処理のための最終的なリファレンスフレームを生成する(図5のステップS206)。 【0104】 続いて、入力切り替え器4110で選択された信号と、信号合成部411Cからのリファレンスフレームとに対して、フィルタリング部411Dにてフィルタ処理が行われる(図5のステップS207)。この結果、フィルタリング部411DからMCTF−ILP部411におけるプレディクション処理結果の信号としてHフレームを得ることができる。 【0105】 続いて、GOP内の偶数フレームのすべてに対して、ステップS203〜S207のプレディクション処理が行われたかどうか判定し(図5のステップS208)、全て終了するまでステップS203〜S207のプレディクション処理が繰り返される。これにより、プレディクション処理部4111による1回目以降のMCTFによる帯域分割処理が終了する。 【0106】 続いて、アップデート処理が行われる。アップデート処理では、プレディクション処理結果の信号のうち、時間方向の高周波数成分だけをアップデート処理に反映させたいため、フィルタリング部411Dから出力されたプレディクション処理結果の信号(Hフレーム)にアップデート用重み付け部4112においてWの重み付けをする(図5のステップS209)。 【0107】 次に、アップデート用重み付け部4112においてWの重み付けをした、処理対象フレーム(奇数)の前後のフレーム(偶数)のプレディクション処理結果の信号(Hフレーム)は、プレディクション処理部4111から得られる動き情報を用いて、アップデート処理部4113において逆MCされる(図5のステップS210)。続いて、アップデート処理部4113は、この逆MCした信号と入力切り替え器4110により選択された信号に対してフィルタ処理を行う(図5のステップS211)。この結果、アップデート処理を行ったLフレームが生成される。 【0108】 続いて、同じGOP内の偶数フレームに対してアップデート処理が終了したかどうか判定し(図5のステップS212)、終了するまで上記のステップS209〜S211のアップデート処理を他のフレームに対しても行う。 【0109】 ステップS212でアップデート処理が終了したと判定されることにより、1回目のMCTFによる帯域分割処理が終了し、続いて、入力切り替え器4110がアップデート処理部4113からのLフレームを選択するように切り替わった後、上記のステップS203〜S212による2回目以降のMCTFによる帯域分割処理が行われ、最終的に残りのLフレームが1枚になるか、又はMCTFを途中で終了するまで、上記のステップS203以降の処理を繰り返し、従来のMCTFと同様に、時間方向の帯域分割を繰り返し行う(図5のステップS213)。最後に、フレーム並び替え部4115で所望のフレーム順序に並び替えてMCTF−ILP部411の外部へ出力する。以上の方法を用いることで、MCTF−ILP処理を施した信号を生成できる。 【0110】 次に、制御情報(動き情報、重み情報)の扱いについて説明する。基本的には、ME/MC部4118で得た動き情報及び重み指示部4119で算出した重みWは、そのままMCTF−ILP部411の外部へ出力されエントロピー符号化される。 【0111】 このように、本実施の形態によれば、フィルタリング部411Dから出力されるプレディクション処理後の信号(Hフレーム)を重み指示部4119にフィードバックして、信号合成部411Cの出力信号が小さくなるような最適な重みWを求め、その重みWの値又は(1−W)の値に従って、フィルタリング部411Dに入力される信号に対して重み付けすると共に、フィルタリング部411Dから出力されるプレディクション処理された信号(Hフレーム)に対しても重みWにより重み付けしているため、ベースレイヤローカルデコード信号を解像度インターポレーションして得られた映像信号とME/MC処理した信号とがそれぞれ重みWの値に応じて混合された信号に対してフィルタリング部411Dによるフィルタリングが行われてHフレームが生成され、また、そのHフレームに重みWで重み付けした信号に対してアップデート処理を行ってLフレームを生成するため、Lフレームに時間方向の成分のみを反映させることができる(Lフレームに常にフィルタリング部411Dによるフィルタ処理を施したブロックが存在する)。 【0112】 このため、解像度間の予測をしつつ、時間方向の帯域分割を実現することができ、その結果、プレディクション処理においてベースレイヤローカルデコード信号を採用したブロックにはアップデート処理でフィルタ処理を施さないため、Lフレームにフィルタ処理を施したブロックと、フィルタ処理を施さなければ映像信号の質に問題が生じる可能性があるもののフィルタ処理が施されないままフレームが間引かれてしまっているブロックとが混在し、局所的な画質の差が生じるという非特許文献1の問題を解決することができ、デコード映像におけるちらつきが改善される。また、MCTFにおいては、時間帯域分割を繰り返し行うため、Lフレームにフィルタ処理が施されずにフレームが間引かれることによって生じる劣化が、次のMC及び時間帯域分割処理に伝播してしまい、それ以降の処理の精度を保つことが難しくなるという問題も解決することができ、更に、空間−時間成分の予測、帯域分割の自由度が増すことから符号化効率も向上できる。また、本実施の形態のMCTF−ILP部411の構成と手順はすべて線形処理であるため、量子化の影響を無視できる条件であればデコード側での再構成が可能となる。 【0113】 なお、この実施の形態の応用例として、例えば、重みWを”0”としてもよい。この場合は、非特許文献1のベースレイヤの情報を選択した場合と等価であり、上記の非特許文献1の問題は残るが、図4の動き情報更新部4116でベクトルを”0”とすることができ、それによりエントロピーが下がる場合にはこの方法を採用できる。更に、重みWの値を”0”または”1”に限定して、重みWを符号化しないようにすれば、完全に非特許文献1と等価となり、互換性を保つこともできる。 【0114】 次に、図1の復号化部50内のエンハンスメントレイヤデコード部51について説明する。図6はエンハンスメントレイヤデコード部51の一実施の形態のブロック図を示す。同図に示すように、エンハンスメントレイヤデコード部51は、エントロピー復号化部511、逆量子化・逆直交変換部512及び逆MCTF−ILP部513から構成される。エントロピー復号化部511は、ビットストリームを取得して解析し、エントロピー復号化を行って、映像情報、重み情報及び動き情報を復号する機能と、復号した映像情報を逆量子化・逆直交変換部512へ出力し、重み情報及び動き情報を逆MCTF−ILP部513へ出力する機能とを有する。ここで、入力されたビットストームがSNRスケーラビリティに対応していた場合、従来の方法と同様に、これを復号できるような構成や手順を備えてもよい。 【0115】 逆量子化・逆直交変換部512は、エントロピー復号化部511より出力される復号映像情報を取得し、この復号映像情報を逆量子化した後逆直交変換する機能と、逆量子化及び逆直交変換した信号を逆MCTF−ILP部513へ出力する機能とを有する。逆MCTF−ILP部513は、逆量子化・逆直交変換部512において逆量子化及び逆直交変換された信号と、エントロピー復号化部511から出力される復号された重み情報及び動き情報と、図1のベースレイヤデコード部32においてベースレイヤをデコードした信号とを取得する機能と、時間方向の帯域合成と解像度間の逆予測を行って、デコード映像信号を得る機能と、デコード映像信号をエンハンスメントレイヤデコード部51の外部へ出力する機能とを有する。 【0116】 次に、図6に示した構成のエンハンスメントレイヤデコード部51によるエンハンスメントレイヤを復号化する手順を図7のフローチャートと共に説明する。エンハンスメントレイヤデコード部51は、入力されたビットストリームをエントロピー復号化部511において復号する(図7のステップS301)。復号した結果得られる映像情報は逆量子化・逆直交変換部512へ送られ、復号した重み情報及び動き情報は逆MCTF−ILP部513に送られる。 【0117】 復号した映像情報は逆量子化・逆直交変換部512にて逆量子化された後逆直交変換される(図7のステップS302)。この結果得られる信号は逆MCTF−ILP部513へと送られる。逆MCTF−ILP部513は逆直交変換された映像情報、ベースレイヤのデコード信号及び復号された重み情報及び動き情報を用いて、時間方向の帯域合成と解像度間の逆予測を行いデコード映像信号を得る(図7のステップS303)。手順の詳細については後述する。 【0118】 次に、図6に示したエンハンスメントレイヤデコード部51内の逆MCTF−ILP部513の構成及び動作について詳細に説明する。図8は逆MCTF−ILP部513の一実施の形態の構成図を示す。同図に示すように、逆MCTF−ILP部513は、フレーム管理部5130、フレーム分割部5131、入力切り替え器5132、逆アップデート用重み付け部5133、逆アップデート処理部5134、逆プレディクション処理部5135及びフレーム並び替え部513Cで構成される。 【0119】 フレーム管理部5130は、逆MCTF−ILP部513内のフレームを管理する機能と、そのフレーム管理情報をフレーム分割部5131、入力切り替え器5132、逆アップデート処理部5134、逆プレディクション処理部5135及びフレーム並び替え部513Cへと出力する機能とを有する。 【0120】 フレーム分割部5131は、復元対象の映像情報及びフレーム管理部5130より出力されるフレーム管理情報を取得する機能と、取得した映像情報をLフレームとHフレームに分け、Lフレームを入力切り替え器5132に出力し、Hフレームを逆アップデート用重み付け部5133及び逆プレディクション処理部5135へ出力する機能とを有する。 【0121】 入力切り替え器5132はフレーム分割部5131から出力される信号、逆プレディクション処理部5135から出力される信号及びフレーム管理部5130から出力されるフレーム管理情報を取得する機能と、フレーム管理情報に応じて入力されるフレーム分割部5131からの出力信号または逆プレディクション処理部5135から出力される信号のいずれかを選択して逆アップデート処理部5134へ出力する機能とを有する。 【0122】 逆アップデート用重み付け部5133は、フレーム分割部5131から出力されるHフレームとエントロピー復号化部511で復号された重み情報を取得する機能と、重み情報Wに基づいてHフレームに重み付けを行い、その結果得られる信号を逆アップデート処理部5134へ出力する機能とを有する。 【0123】 逆アップデート処理部5134は、逆アップデート用重み付け部5133より出力される信号(Hフレーム)、入力切り替え器5132から出力される信号、エントロピー復号化部511で復号された動き情報及びフレーム管理部5130から出力されるフレーム管理情報を取得する機能と、取得した動き情報を基に逆MCを行い(動き情報を逆方向に適用して動き補償を行い)、更にフィルタ処理を行って得たLフレームを逆プレディクション処理部5135及びフレーム並び替え部513Cへ出力する機能とを有する。 【0124】 逆プレディクション処理部5135はフレーム管理部5130から出力されるフレーム管理情報、フレーム分割部5131から出力されるHフレーム、逆アップデート処理部5134から出力されるLフレーム、エントロピー復号化部511で復号された動き情報及び重み情報、ベースレイヤデコード信号を取得する機能と、逆プレディクション処理結果をフレーム並び替え部513Cへ出力する機能とを有する。逆プレディクション処理部5135の内部構成及び動作については後述する。 【0125】 フレーム並び替え部513Cは、逆アップデート処理部5134で復元したLフレーム、逆プレディクション処理で復元したHフレーム及びフレーム管理部5130から出力されるフレーム管理情報を取得する機能と、フレーム情報を用いて、逆アップデート処理部5134で復元したLフレーム及び逆プレディクション処理2107で復元したHフレームを所望のフレーム順序に並び替えて入力切り替え器5132及び外部へと出力する機能とを有する。 【0126】 次に、逆プレディクション部5135の詳細な構成例について説明する。図8に示すように、逆プレディクション処理部5135は、MC部5136、解像度インターポレーション部5137、逆プレディクション用重み付け部5138、逆ILP用重み付け部5139、信号・合成部513A、フィルタリング部513Bから構成される。 【0127】 MC部5136は、逆アップデート処理部5134から出力されるLフレーム、動き情報及びフレーム管理部5130から出力されるフレーム情報を取得する機能と、動き情報を基にLフレームの動き補償(MC)を行い、その結果得られる信号を逆プレディクション用重み付け部5138へ出力する機能とを有する。 【0128】 解像度インターポレーション部5137は、ベースレイヤデコード信号及びフレーム管理部5130より出力されるフレーム管理情報を取得する機能と、取得したベースレイヤデコード信号を復元対象の映像情報と同じ空間解像度までインターポレーションする機能とを有する。ここで、インターポレーションの方法は何を用いてもよいが、符号化部40のMCTF−ILP部411で用いたフィルタに対応するものを用いることが望ましい。また、解像度インターポレーション部5137はインターポレーションした結果の信号を逆ILP用重み付け部5138に出力する機能を有する。 【0129】 逆プレディクション用重み付け部5138は、MC部5136から出力される信号及び重み情報を取得する機能と、取得した重み情報Wに基づいてMC部5136から出力される信号に重み付けをして、信号合成部513Aへと出力する機能とを有する。逆ILP用重み付け部5139は、解像度インターポレーション部5137から出力される信号及び重み情報を取得する機能と、取得した重み情報Wに基づいて(1−W)を算出し、解像度インターポレーション部5137から出力される信号に重み付けを行って、信号合成部513Aへ出力する機能とを有する。 【0130】 信号合成部513Aは、逆プレディクション用重み付け部5138及び逆ILP用重み付け部5139から出力されるそれぞれの信号を取得する機能と、取得したそれぞれの信号を例えば加算して合成し、逆MCTF−ILPのためのリファレンスフレームを生成し、フィルタリング部513Bへ出力する機能とを有する。 【0131】 フィルタリング部513Bは、フレーム分割部5131から出力されるHフレーム、信号合成部513Aより出力されるリファレンスフレーム及びフレーム管理部5130から出力されるフレーム管理情報を取得する機能と、取得したHフレームとリファレンスフレームに対してフィルタ処理を施して、時間方向の帯域合成及び解像度間の逆予測された(復元された)信号を生成してフレーム並び替え部513Cへ出力する機能とを有する。 【0132】 次に、図8に示した構成の逆MCTF−ILP部513による逆MCTF−ILP処理を行う手順について図9のフローチャートと共に説明する。図9に示す一連の処理を、1GOP単位で行うために、1GOP分の映像フレームを蓄積する(図9のステップS401)。なお、図9に示す一連の処理を複数のGOP単位で行い、複数のGOPにまたがる処理を行ってもよい。続いて、図1のベースレイヤデコード部32からのベースレイヤデコード信号は、図8の解像度インターポレーション部5137において予めインターポレーションしておく(図9のステップS402)。 【0133】 次に、逆アップデート処理を行う。逆アップデート処理では、入力された復元対象の映像情報のうちLフレームは、最初は入力切り替え器5132を通して逆アップデート処理部5134に入力される。ここで、2回目以降の帯域合成処理は、復元したフレーム(逆プレディクション処理結果の出力)に対して行われるため、入力切り替え器5132からは復元したフレームが出力されることになる。 【0134】 逆アップデート処理に用いるHフレームの信号は逆アップデート用重み付け部5133において重みWの重み付けされる(図9のステップS403)。処理対象のLフレームの前後のWの重み付けをされたHフレームの信号は、逆アップデート処理部5134において動き情報を用いて逆MCされる(図9のステップS404)。さらに、逆アップデート処理部5134は、入力切り替え器5132から出力される信号と逆MCされた信号に対してフィルタ処理を施す(図9のステップS405)。この結果、逆アップデート処理を行った復元されたフレームが生成される。続いて、GOP内の同レベルのLフレームに対して逆アップデートが全て終了したかどうか判断し(図9のステップS406)、逆アップデートが全て終了するまでステップS403〜S405の処理が繰り返される。 【0135】 次に、逆プレディクション処理を行う。この逆プレディクション処理では、処理対象のHフレームの前後の逆アップデートして復元したLフレームの信号をMC部5136において動き情報を用いてMCする(図9のステップS407)。そして、MCした信号に対して、逆プレディクション用重み付け部5138で、重み情報Wの重み付けをする(図9のステップS408)。一方、解像度インターポレーション部5137で解像度インターポレーションされたベースレイヤデコード信号に対しては、逆ILP用重み付け部5139において重み(1−W)の値を算出し、それを重み付けする(図9のステップS409)。 【0136】 逆プレディクション用重み付け部5138及び逆ILP用重み付け部5139においてそれぞれ重み付けされた信号は、信号合成部513Aに供給されて合成され、プレディクション処理のための最終的なリファレンスフレームとして生成される(図9のステップS410)。この信号合成部513Aから出力されたリファレンスフレームと、フレーム分割部5131から出力されるHフレームとに対してフィルタリング部5138にてフィルタ処理が施される(図9のステップS411)。この結果、逆MCTF−ILP部513における逆プレディクション処理結果の信号を得ることができる。 【0137】 続いて、GOP内の同レベルのHフレームの逆プレディクション処理が終了したかどうか判定し(図9のステップS412)、終了していない場合は終了するまで、ステップS407〜S411の処理が繰り返し行われる。なお、符号化部40の時間方向の帯域分解数や復号化部50の環境に応じて、時間方向の帯域合成は繰り返し行う(図9のステップS413)。すなわち、全レベル逆MCTF−ILPが終了するか、逆MCTF−ILPを途中で終了するまではステップS403以降の動作が繰り返される。 【0138】 最後に、フレーム並び替え部513Cで所望のフレーム順序に並び替えて逆MCTF−ILP部513の外部へ出力する。以上が本実施の形態におけるMCTF−ILP部411を含むエンハンスメントレイヤエンコード部41及び逆MCTF−ILP部513を含むエンハンスメントレイヤデコード部51の構成例と手順の例である。これらを実施することで、従来技術よりも高符号化効率で品質が向上するスケーラブル符号化方式を実現することができる。 【0139】 次に、本発明の符号化プログラム及び復号化プログラムの実施の形態について説明する。図10は本発明になる符号化プログラム及び復号化プログラムの一実施の形態を備えた情報処理装置100の一例のブロック図を示す。同図に示すように、情報処理装置100は、外部記憶装置101、一時記憶装置102、通信装置103、入力装置104、出力装置105及び中央処理制御装置106で構成されており、コンピュータである中央処理制御装置106により符号化及び復号化装置の機能をプログラムにより実現させるものである。 【0140】 ここで、上記のプログラムは記録媒体から入力装置104により読み取られて中央処理制御装置106に取り込まれてもよいし、ネットワークを介して通信装置103により受信されて中央処理制御装置106に取り込まれてもよい。 【0141】 中央処理制御装置106は、上記符号化プログラムにより、符号化部40の空間−時間デシメーション部11に相当する空間−時間デシメーション手段107、ベースレイヤエンコード部12に相当するベースレイヤエンコード手段108、ベースレイヤリコンストラクト部13に相当するベースレイヤリコンストラクト手段109、エンハンスメントレイヤエンコード部41に相当するエンハンスメントレイヤエンコード手段110を実行し、また、復号化プログラムにより、復号化部50のエクストラクト部31に相当するエクストラクト手段113、ベースレイヤデコード部32に相当するベースレイヤデコード手段113及びエンハンスメントレイヤデコード部51に相当するエンハンスメントデコード手段114を実行する。 【図面の簡単な説明】 【0142】 【図1】本発明の映像信号符号化装置及び映像信号復号化装置の一実施の形態のブロック図である。 【図2】本発明の映像信号符号化装置の要部のエンハンスメントレイヤエンコード部の一実施の形態のブロック図である。 【図3】図2の動作説明用フローチャートである。 【図4】図2中のMCTF−ILP部の一実施の形態の構成図である。 【図5】図4の動作説明用フローチャートである。 【図6】本発明の映像信号復号化装置の要部のエンハンスメントレイヤデコード部の一実施の形態のブロック図である。 【図7】図6の動作説明用フローチャートである。 【図8】図6中の逆MCTF−ILP部の一実施の形態の構成図である。 【図9】図8の動作説明用フローチャートである。 【図10】本発明の符号化及び復号化プログラムを実行する情報処理装置の一例のブロック図である。 【図11】MCTFの一例を示す図である。 【図12】MCTFの一例を示すフローチャー卜である。 【図13】MCTF処理後の信号の一例を示す図である。 【図14】従来の映像信号符号化装置及び映像信号復号化装置の一例のブロック図である。 【図15】従来の符号化部の動作説明用フローチャートである。 【図16】従来の復号化部の動作説明用フローチャートである。 【図17】従来の映像信号符号化装置の要部のエンハンスメントレイヤエンコード部の一例のブロック図である。 【図18】図17の動作説明用フローチャートである。 【図19】従来の映像信号復号化装置の要部のエンハンスメントレイヤエンコード部の一例のブロック図である。 【図20】図19の動作説明用フローチャートである。 【図21】図17中のMCTF−ILP部の一例の動作を説明する図である。 【図22】従来のMCTF−ILP部の動作説明用フローチャートである。 【図23】従来の逆MCTF−ILP部の一例の動作を説明する図である。 【図24】従来の逆MCTF−ILP部の動作説明用フローチャートである。 【符号の説明】 【0143】 11 空間−時間デシメーション部 12 ベースレイヤエンコード部 13 ベースレイヤリコンストラクト部 15 多重化部 20 通信回線またはメディア 31 エクストラクト部 32 ベースレイヤデコード部 40 符号化部 41 エンハンスメントレイヤエンコード部 50 復号化部 51 エンハンスメントレイヤデコード部 100 情報処理装置 106 中央処理制御装置 110 エンハンスメントレイヤエンコード手段 114 エンハンスメントレイヤデコード手段 411 MCTF−ILP部 412 直交変換・量子化部 413 エントロピー符号化部 511 エントロピー復号化部 512 逆量子化・逆直交変換部 513 逆MCTF−ILP部 4110、5132 入力切り替え器 4111 プレディクション部 4112 アップデート用重み付け部 4113 アップデート処理部 4114、5130 フレーム管理部 4115、513C フレーム並び替え部 4116 動き情報更新部 4117、5137 解像度インターポレーション部 4118 ME/MC部 4119 重み指示部 411A プレディクション用重み付け部 411B ILP用重み付け部 411C 信号合成部 411D、513B フィルタリング部 5131 フレーム分割部 5133 逆アップデート用重み付け部 5134 逆アップデート処理部 5135 逆プレディクション処理部 5136 MC部 5138 逆プレディクション用重み付け部 5139 逆ILP用重み付け部 513A 信号・合成部
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004329 【氏名又は名称】日本ビクター株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年6月28日(2006.6.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100085235 【弁理士】 【氏名又は名称】松浦 兼行
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| 【公開番号】 |
特開2008−11009(P2008−11009A) |
| 【公開日】 |
平成20年1月17日(2008.1.17) |
| 【出願番号】 |
特願2006−177670(P2006−177670) |
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